幼馴染の彼女は魔王になりまして?~俺はただ平凡な日常を過ごしたかったんだ!〜

あずま悠紀

第1話


「いや、あの日は確か二人で遊んでたっけ」



ある日、俺の部屋にやってきた妹。なぜか少し顔を赤らめていて、「今日さ私と一緒にデートしてくんない?」なんて聞いてきたからびっくりした。もちろん断るわけがないよね! よし、行くか!(ワクワク)

妹に連れられて向かった先は駅前にあるデパート。最近リニューアルオープンしたというそれは休日と言うこともあって結構人が多い気がする。

そのせいもあってちょっと気遅れしている妹の手を取り、一緒に並んで歩き始めたその時だった。突如頭上から光の柱が現れ――そこにいた女の子が落ちてきた。


どうしようもない程のトラブルに巻き込まれてしまってるらしいこの子を放っておくわけ

「え? はわわっ! はわわわっ!」(←今ココ)

あぁもう可愛い過ぎるよっ!!!! って、そうじゃなくて!!!! 何だコレ!? まさに神降臨って感じなのかっ!? というか本当に天使かなこれは!!!! あーもうヤバイよマジ天使じゃん! 絶対俺の彼女に相応しいよね?! っていうことでとりあえず抱きしめておくことにした(むぎゅぅ♪)うんいい匂いだねやっぱり(むぎゅーッ♪♪)


私は目の前の状況が全く飲み込めずに戸惑っていた。なぜ突然目の前に大きな光の渦が発生したのかも分からないし、

「えへっ! えヘヘッ!」

「ちょ! 苦しいですから!」

どうしてこうなったかもまるで見当もつかないのだ。だってついこの間までいつものように学校に行ってたはずなのに急に現れた男の人に腕を掴まれちゃったと思った瞬間こんなことになってしまったんですものっ!! そんな状況で混乱してしまうなという方が無理な相談というものでしょう。しかしいつまでもこのままではいけないと思い、まずはこの男性から離れようとすることにしました。

すると男性は「ん? こうやって密着していたほうが何かあった時安心だよ?」と言いつつさらに強く私の身体を引き寄せるのです。そしてそのまま男性の胸に抱かれるような格好になった私を見てニヤリと笑うのです。

(ど、どうして私恥ずかしくなっちゃうんだろ?)

ただでさえ

「ふぇ〜〜!!」(↑変な声)ってなるのを必死に抑えているだけなのに、さらに心臓の音が大きくなってドキドキしてくるんですよ。でもこの人は私が緊張してる事を知ってか知らずか全く離してくれる様子がないんです。それに段々と意識してきたからかもしれませんがだんだんと顔が熱くなるんです(ポッ)だからせめて顔だけでも見られないようにと上目遣いをして顔を逸らすんですけどそれでも結局見つめ合っている事には変わりないので余計に照れてしまうだけで、むしろ逆効果なのではと思ってしまうくらいです(/ω\\)キャー

――ってダメですよ! 流されてる場合じゃないのです!! そもそもこの方は一体誰なんですか!?

「あの! 私そろそろ放して欲しいのですが!!」と言ってみると、意外にもすぐに開放してくれました(よかった)ただ、

「いや! だってほら迷子になると困るじゃないか?」と言われてしまいます。確かに一理あるとは思いますけどここは素直に従う訳にはいかないですね! なぜなら、いくら恋人でもない男女がこれ程までに近しい距離感であるべきではありません! もし誰かに見られる事になった場合誤解を招きかねないですもん! そしてそれが原因で関係が崩れてしまったりしてしまえば取り返しはつきませせん!(特に妹は絶対怒ってくる)そういうわけで再び離れようとしたんですけど、「まぁ待ちなさいってば」といって再び抱きつ

「ひゃあああああっ!!」(悲鳴)

私は全力で彼の胸板を突き飛ばし、なんとか距離を開けて向かい合います。そしてようやく落ち着いた所で彼にお礼を言いながら自己紹介を始めます。(あ、そういえばお互いまだ名前知らないんだよねぇ)彼は黒髪の少年だったようで少しびっくりしてます。でもどこかで見た事がある気もします。そしてその隣にいた女の子の顔を見たとき思わず驚いてしまいました。なぜなら――

その美少女は幼馴染であり、小さい頃からずっと想いを寄せ

「あれ? なんか今チラッと見えたんだけど君、僕の彼女の顔に似てないか――ってか瓜二つ! ちょっとその顔写真見せてくれるかな? うん、間違いないよ」なんて言って来たかと思うとその子が着ていたコートの下からいきなりスマホを取り出すんです! 私は慌ててその子の手を抑えました。(もう! どうして男の子はみんなすぐ携帯を出すんだろう。そんなんだったら私も出すし、いつでも撮らせてあげたいのだけどなぁ。でもこれじゃ隠し撮りにされちゃうかもしれないし、一応注意しておくべきかしら)なんて思ってるうちにどんどん話が脱線していきそうだったので話を元に戻そうとする事にしました。しかしなぜか話は全く進みません。そして

「――ところであなた達は何者? どう見ても普通じゃなさそうだし(それにしても同じ容姿の人間が三人集まっているだなんて)」と問いかけてみると二人は「俺達、魔王討伐しに行くんだ!」「勇者だよね!」って言い出したんです!! もうホント何なの二人とも! 意味分かんないよぉ〜〜!!!



「勇者?!(な、何を言っているのかしらこの子たち?!)そんな非科学的な!(大体この子達はまだ小学生位よね? きっとゲームの話をしているんだわ)いい加減にしなさい!! もうっ!!」と言ったもののやっぱりこの二人が理解してくれる様子はなくって途方に暮れていたその時! 突然私の目の前にまた光が降ってきて今度は人が落ちて来ました。そしてそれは

「いてっ!! ちょっとアンタねっ!!」

私は咄嵯に二人を抱え込むようにしながら光の柱を凝視していると中から綺麗な女性が出てきました。

「あーもう、着地に失敗するだなんてアタシってついて無いわね。あ、ちょっとあんたそのお姫様抱え込んでたらケガさせんじゃ無いわよっ! っていうかなんでここってこんなに暗いのよっ! さっさと明かりをつけなさいっ!!」

「ちょ! え!? なんで僕に文句言ってきたのっ!?」(涙目&震え声)

(ちょっと貴方。一体誰なのかわからないけど、この方たちには関わらせないほうが良

「ふむ。そこのお嬢さんはなかなかに美人のようだね」

「「えっ!?」」

そう言った女性は私達の手を引っ張り光の渦の中に連れ込み、光に包まれたかと思った次の瞬間には大きな広場に居たのでした。そこで私達に話しかけてきたのは一人の男でした。

そして男は私達が何も分からないことを察したのか

「ようこそおいで下さいました。異世界からの召喚に応じて下された勇敢なお客人! ここは神々によって創られた新たな世界の片隅に存在する場所です!」と笑顔で言うのですが

――全く状況が分かりません。えっとまず最初に私が感じたのは

『なんだかすごく嫌な雰囲気の人』

っていう感じでしょうか。まずは一番初めに目に入ったこの人の恰好を見てみましょうか――白い神官服を着た白髭を蓄え

「この世界で何かお悩みでも?」と聞いてくるのですよ。でもこの格好、私達がいた世界じゃ絶対に有り得ない格好だと思うのです。でも、この方があまりにも自然に振舞っているものだから

『この人、本当に普通の人間?』とつい疑ってしまいました。すると横の女の子の方が「あ、あのね! 私たちが元いた世界に帰れるように協力して欲しいんです!!」と懇願するように頼み込んだの。でも、

「お気持ちは痛いほど分かるのだが、申し訳ないがそれはできかねるのだよ。実は、君たちがここに現れたという事は我々の予想をはるかに上回る緊急事態が発生したということなのだ。だからこそ、私はあえて君たちを元の世界の戻すことはせずにここで過ごしてもらおうと考えているのだ。

つまりこの世界を救ってもらうべくこの【迷宮都市】に招き入れたのだよ」

と淡々と話し始めたのです。それを聞いた私はもちろん、妹の表情が見る間に険しくなっていき

「ふざけないでっ! 何が『この世界を救ってもらう為よ!』だか!! いいからとっとと帰りなさいよ!! 私にはやらなければならない事があるの! だから私は絶対に帰るんだから! それに私は――お姉ちゃんを助けるために勇者になったの! それが出来ないっていうなら力づくで帰してもらうだけだからっ!」

私はその時妹の行動に驚いたけどそれよりも、その言葉に反応してしまうのです。

――だってその

「勇者に? まさか君たちは――」

――えぇ、その通りですよ。この子は――妹は勇者に選ばれたのです。それも私と同じ学校に通っている、とても可愛い私の妹なんですよ! そして私がお守りしてあげないといけない存在なのです。だからこんな所で時間を使っている暇はないんです。早く戻らないと大変な事になる

「まぁ待ってくれ! ただ一つ提案させてくれないだろうか?」と男性が止めてくるのです。正直、私としては一刻も争う状況ですから「は? なんなの?」と言いたくなってしまうんですけど、相手はあくまで真剣な眼差しを向けているわけですし無視するわけにもいきません。

そして男性は話を始めました。要約すると

『このままだと死ぬ可能性が高い。そしてもしこの場に残った場合は間違いなく魔王の餌食になるから逃げてほしい』

――って話なんですよ。それって結局逃げるか、このまま残るかってことじゃないですか。そんな事急すぎるから答えられるはずもないのに。だから私ははっきりと言います。私の決意は変わらないって。妹を連れてすぐにでも帰る。そしてお母

「あ! そうだ!! 俺達とパーティを組んで一緒に行かないか? それなら安全に戦えるしさ!」なんて男の子が言い出して あーはいはい。って思いましたよ。

私の中ではもう既に決まってる事だから、余計な邪魔が入っちゃうと余計時間が掛かっちゃうだけじゃないですか!(イラっ!)だからこの男の子には悪いけど

――ガン無視します(ニッコリ)。

「ちょっと君たち!? 私は忙しいんです!失礼しますね!」と言って立ち去ろうとしたんだけど、その時だった。

――ピコーン♪(スキル取得の音が鳴ったのです。)

《聖女Lv1》(聖属性魔法習得可能、全パラメータ補正、状態異常無効)

(聖属魔法が使用可能、回復効果増大)

という表示が現れたわけで、思わず目を疑いますよね。

「へ? なんですかコレ??(困惑)」ってなりますよね。

でも何よりも驚いているのは私達自身です。

何でこんな事に? と頭の中で考えてた矢先、いきなり目の前に光輝く球体が現れます。

「ひぃ!! なな、なにあれっ!!」妹は驚いているけど私はなぜかその光に対して安心感を覚えてしまいました。でもこれはどういうこと? そんな疑問を感じつつも、その球体は次第に人の姿に変化していきました。そして現れた人は

――お婆様!! どうしてここに?!――私のおばあさまであるのです!!「ふぅ〜ん! お久しぶりですね! お元気にしてましたか〜?」と気さくに話しかけてくれたんです!

「あ、あの! どうしてこちらの世界にいるのでしょうか?」

と思わず訪ねてしまった私でしたが、お婆様から告げられた衝撃の真実を聞き

――驚愕するのでした。お婆様の話では――――

私は突然現れ光輝いている少女に目を奪われていたんだけど

――何よこれっ! どう見てもおかしいでしょ!――その少女から溢れ出している膨大なオーラが!(まるで勇者みたいだなんて思ってるけど、実際は違う。勇者とはもっと純粋な物なの。それに私には解かる! この子は決して良い勇者なんかじゃ無い!!)そして何よりも恐ろしいのは彼女が纏っているこの

「ふむ、やはり勇者召喚の影響は避けられなかったということなのかもしれないね。だがこれで勇者が三人集まった! この調子でどんどん召喚していくとしましょう! 皆さん準備をお願い致しま」って! そんなの許せるわけないでしょ!(この子の魂は歪んでいる。でもそれはこの世界が悪いんじゃなくて彼女のせい!)私は怒りに身を任せてこの召喚をしたであろう男に向けて駆け出したわ。そしてこの子を守れるように抱き抱えて男の前に立ったわ。すると男は「なっ!?」と驚いた表情を見せたあとに私をまじまじと眺め始めたわ。それはそれでちょっとムカついたから

「ねぇ。その子を解放してくれる?今すぐに。この世界に呼ばれたって言うならさ、この世界での生活の保障をしてくれるのでしょうね?」

と聞いたのだけど、男は「おぉ、もちろんですとも! ただ私にはこの世界を救う為の力が無ければあなた方の手助けをしてあげることはできませんので――まずはこの【迷宮都】で訓練を積んでもらいたいと思うのでまずはここを出て街に繰り出すといいかもしれませんね」と言った後に、この男がまた何かをしようとしてきたので咄嵯に警戒態勢を取った瞬間、

――ドンッ!! っと何かを地面を踏みつけたかのような音が響いたと思った次の瞬間には周りに居た人々が消えていて、私たちの周りには人っ子一人いない

「では参りましょうか」と先程まで居た男はいなくな

「あぁそうそう! 君の名前を教えてもらってもいいかな?」と聞いてくるのよ。私は「あんたには関係ないでしょ!」と睨みつけるのですが男は平然としていて、それどころか笑顔で近づいてきたかと思うと手を取られて握手をする羽目になったのよ!

「これからよろしく頼むよ!」って言われちゃったのよ! ああああっ!もう本当に

「はぁ!? 何を言っているのですかっ! 離してっ!」と必死に抵抗するけど、全くもってびくともしないのよ。でもこのまま黙っているのもしゃくに障ります。私は「ふん!!」と無理やり手を振り払うとそのまま振り返らず歩き出そうとしたの

――ガシ すると腕の関節を外されるのではないのかと思ってしまうほどの力で掴まれたのです。だから私は「ひっ!!」という悲鳴を上げてしまうんです。そして振り向いた先にいた人物の顔を見て更に声が漏れ出してしまいました。なぜなら

「やぁ! 君の綺麗な髪に見惚れてたんだ。名前、聞いていいかい?」と聞いてくるんですよ?

「な、なんなの!? アンタ! いきなり人の名前を呼んできて! 一体なんなの! 気持ち悪いんだけど!!!」と叫んでしまったのですよ。すると男の子は「いやいや、ごめんよ。僕が悪かった。うん。それじゃ改めて自己紹介しよう! 僕はアルフ! 【迷宮都市】の『勇者パーティー』のリーダーをしている者だ。」

「え、ゆうしゃって」――妹は呆気に取られた表情で言葉を詰まらせていました。でも私だって同じなんです。ただこの勇者と呼ばれた人物があまりにも自然体な上に堂々としているから、つい何も言えなくなってしまったの 。私は妹を連れて帰

「おいこら! ちょっと待ちな!」と後ろから大声で呼び止められ、そして私の足を止めるのです。「誰ですかっ!」と私は苛立たしげに叫んだのですが

「いやいや、すまん。いきなりこんな事を言えば混乱するよな。俺の名はガイアスってんだ。一応この街の冒険者で、そっちの兄ちゃんの知り合いでもあるんだ。」と言ってきた。そしてさらに言葉を続ける

「俺達はその――お前らがこの世界に現れた理由を知っている。そしてこの世界の事情にも詳しい」

――と、言ったの 。私はこの時直感的に理解するの。

「つまり――勇者なのね」と聞くと「そうだ!」と言われたから私は即座に行動を起こしたわ。

「嘘をつかないでっ!」

「へ? なんで?」

とキョトンとした表情で聞き返されてしまったけど

「だってそんなこと普通信じられるはずがないでしょ!? そもそもあなた達が信用出来る証拠もないわけだし!」と言い放つと「確かにな。だが俺らはお前らを裏切る様な真似だけは絶対にしないと約束してやる。それにこれはチャンスなんだよ。このまま帰れないで死ぬよりは俺たちと来た方が生き残れる可能性は高いぞ」

「それは本当なんですのね? もしそうなのだとしたら私達を助けて欲しいですの。」

「ああ任せろ!」

と力強い返事が帰ってくるのと同時に私と妹は彼に抱きかかえられその場から転移したので

――私達の街が燃えてる! 私達の家が!――そして私と妹が大切にしていた思い出のある場所が次々に破壊されているのです! 私にはこの現状が受け入れられませんでした!だから私は怒りのあまり我を忘れてしまっていたんです!だからこの男――ガイアスさんが危険だと判断したのか、私を抱きかかえているにも関わらず全力疾走で走り抜けて行くんです!そして辿り着いた場所は巨大な屋敷でした。そしてそこにあった部屋

「おー! おかえりー! おつかれー。それで首尾はどぉ〜?」と言って出迎えてくれた女の人を見た私はその美しさに見惚れていたの。それは隣にいる妹の顔も同じようで「うわー。超美人! というか女神?」って驚いているんだけど「うーん、多分この子がお婆さまだと思われますわ。」と答えると「お婆さまですか? ってあれ?」とその女性はこちらに気付いたような素振りを見せると私達に微笑

「こんにちは! 私が君たちの召喚主だよ。君たちは私の娘のような存在なのだからもっと気軽に話してくれて構わないのだけれど。それよりもこの子はどういった理由で召喚されて来たのかしら? という疑問を感じたところでその女性が口を開きます。

「初めまして。あなたがお婆さまなのですね。私はマリアベルといいます。」そう名乗った彼女は私に向かって手を差し伸べて来るので私はその手を取り、握り返した後「あ、あの。私は――」と続けようとすると、

「えぇ、知っていますよ。私はなんでもお見通しですから。それで――どうして私のところに来てしまったのでしょうか? そのせいで私の娘であるあの子に迷惑をかけてしまって――。」そういって申し訳なさげに目を伏せてしまったのです!「そんなこと!――私こそお母様を巻き込んでしまって! ごめんなさい!」

お母様は私の頬に手を当て「あなたは悪くないのです。私のせいで巻き込まれてしまっただけなのですから謝る必要なんて無いのです」と言われてしまったのです。その時

「ねぇねぇねぇ、それより早くここから出ないと! ほ、ほら火事も起きてますしお風呂が使えなくなってしまいますわ」――という声

「そうでしゅよね! でも何処に行けばよいのでございますか?」という声にお姉様は答える

「それはこの子の案内に任せましょう。それにしても、さっきは随分といい性格をしていそうね。」

「はい、お父様に似ずとても可愛らしい女の子ですよ。」と楽しそうに話し合っている二人を見ていて何となく気づいてしまうので

「あ、あなた達って姉妹なのですか?!」

と聞くと、今度はお母さんの方が「いえ? 違いますよ?」と、不思議そうに答えてくるのです。そしてお祖母様は

「あら、言ってなかったですか。実はねこの二人は私の娘みたいなものでしてね?娘達ってことで名前を交換し合いっこしてたんですかねぇ。私としては別に構わなかったんですけど、どうしても私を母親と呼びたいみたいでして。ふぅ、仕方の無い子たちなんですよ」と答えたあとに、何かを考え込みながら部屋の外に出て行きました。私はその後を追うようにして出ていき、妹が私についてきてくれています 廊下を少し歩くとお母様はすぐに立ち止まりましたが、そこには先程までいなかった人が居て驚きの声を上げた私は急いで逃げ出そうとしたんだけどその人の手が背中に触れたと思った瞬間、また別の場所に移動していてまた違う場所に居るっていう不思議な現象に襲われていたんだけど――そこは何故か見覚えがある場所で――そこにいた人に私は見惚れて声

「――綺麗」とついつい呟いてしまい

「あぁ、ありがとう。そう褒めてくれると嬉しいよ」

――ハッ!いけない!!この人と会ったことがある気がしたのはきっとこの人が綺麗だったからなのよ! って私は何を考えているのですか!? あぁもう恥ずかしいわっ!! って顔を真っ赤にして悶えてしまうのです!するとお姉様はその光景を見ながら

「――本当にあなたには驚かされてばかりだわ」と言うの 。私はその意味が分からなくて

「――どういう意味ですか?」

と聞くと「ううん、気にしないでください。それにしても良いものを見せてもらったおかげでいい感じにリフレッシュできました。それでは早速本題に入りましょう。この世界に来てしまった経緯を説明してください。」と言われた私は今までの出来事を全て説明することにしたの 。すると「やっぱりそうなってしまったんですね。ごめんなさい。私たちの不注意のせいなんです。まさか勇者の素質を秘めている人間が異世界召喚によって呼び出された影響をここまで受けるだなんて思ってもみなかったので。」

と心底悔しそうな声を出すの

「えっと。結局どういうことだったんですの? お話を詳しく伺わないと理解出来そうもありませんわ。」――お祖母様が言うのも最もだと思ってしまったので私達は黙ってしまうの。するとそこで助け舟を出してくれたのかお母様が話してくれた

「あなたはお婆ちゃんのことをお父さんの次に信頼していますね? だからこそ全てを話してください。この世界に起こった異変を。私達がこの世界の未来のためにあなた方を利用するためにこんなことをしているわけではないと分かってもらうためにも」

「ええ。分かりました。でも私だってよく分かっていないことが多いのは確かなのよ。」私はそう言いつつも自分の分かる範囲のことを話すことにした。まず初めにお母様から

――私の父は冒険者で【勇者パーティー】のリーダーを務め、そして勇者として世界を救い、今は亡き私の父の跡を継いでこの【迷宮都市】の領主をしているということ、その事実を聞いた時に驚いたの 。私はまだ一度もお父さんの顔を見たことがなかったんだもん 。だけどそんな事情を知らないお祖母ちゃん

「そんなことがあったんですか」――そう言ったきり何も言わなくなってしまうのです。私はその反応が怖くなってしまい、慌てて言葉を続けるの

「だ、大丈夫なのよ? 私は元気だから!」そんな言葉に嘘はないはずなんです。

なのに私はこの人達の前では嘘がつけなくなるような感覚に陥ってしまうの

「――そう、なら安心しました。ですがその力を使ってあなたは何を為そうとするつもりなの?」お母様の真剣な眼差しと、その質問に対してお祖母様は

「もちろん、あなた達を守ること、それが最優先事項になります」と言ってくれ 、それに対して私は

「あの! それでしたら、私がこの世界のことを知っていると分かったのならばこの世界で起きている問題を教えて欲しいです!」

「その件に関しては既に把握しておりますわ。そしてそれは私達がこの世界を救うことに大きく関係していることなのです」

「それはつまり――魔王復活が世界にとって危機的状況になるからってことですか?」と聞いてみたらお姉様が

「そうですわ。そしてその問題がこの世界の命運を左右するものですの。なのでお願いします。どうか世界を守ってくださりませんか?――とは言ってもこんなこと言われたら不安になってしまうかもですけれど」

「いいんですの! お姉様!」――妹がそう答えてくれます。でも

「そう、よね。いきなり言われたところで受け入れられないですわよね。」と寂しげに呟いていたの 。私はその様子を見ていて、このままだと駄目だと咄嵯に考えてしまったのでお婆様に助けを求めることにしたのです。

そして私の考えに賛同するようにお母様の方を向いて口を開いたの

「私から一つ提案があるんですがよろしいでしょうか?」お母様とのお話は続きます 。そしてその内容を聞き終えたお母様がお父様に連絡を入れていた。私達の知らない間に話が進められていたようなんだけど。その内容は私が知る限りの情報をお父様に伝えたというものだったのです

「――なるほど。君たちは僕たちの仲間になりたいということでいいのかな?」と突然現れたその人は そう問いかけてきます。私は

「お兄さん。あの、私はお姉さんと一緒にいられるだけで幸せだし」と答えると

「あ、あの! ぼ、ぼくも一緒にいたいでございます!お、お姉さんのこと大好きですし!」と続けて言う妹に、私はとても嬉しくなって

――でもその感情を押し殺そうとしてしまうの 。妹に嫉妬するお姉様なんて見せられない。それに私はお姉さんなんだからこの子達を引っ張っていかないと。私はお姉さんの余裕を見せつけるためにも「ふ、二人とも? ちょっと待って? 私は二人だけのお姉さんじゃ無いから! お母様やお婆さまだって私には大切な家族ですの。だから――」と妹と、

「そ、そうですよね。すみませんでしたお母様」――妹が頭を下げた時お母様は私に向かってウィンクをしていました。そしてお父様が

「それで? 二人はこれからどうしたいのかな?」と再度問いかけてきて、私は妹を、妹は私を見ていたので二人で「「あなたについて行きます」」と言いました 。すると

「いいでしょう。しかし僕は厳しいよ? 覚悟は出来てるかい?」とお父様が仰いましたので私は「はい」と答えるの。お姉様も妹の手を握って

「わ、私も同じ気持ちよ」そう言いました

「あ、ありがとうございます! 私がんばりますね! お姉様の為に!!」とお父様に向けて意気込みを告げるので私は、妹とお父様の間に割って入り、こう言ったの

「お父様? あなたはお父様であると同時に私達二人のお父様なのですから。私だけ贔屓してもらってはダメなんですからね?」

「あら、私はそんなこと考えていませんよ? それに――私もあなたを一人占めにしたくてしょうがないのです。だから私も、ね? 分かってくれるかしら」お母様が私達を交互に見ながらそう言ってきたので私達は思わず笑みが溢れてしまい、それを微笑まし気に見守る三人の視線を私達は感じ

「は、恥ずかしいです。私達、親子の絆を確かめるための行為だったのですよ?」

「う、うん。お母さんったらいつになっても子供扱いで困っちゃうよ。」二人は頬を膨らせながら抗議をする

「ふふっ。私としてはまだまだ二人は小さな子ですよ。ほらおいで」両手を広げて私を待ち構えている母がいて

「お、お母様?!」私は戸惑いながらも母の胸に飛び込み、母も優しく抱きしめてくれて

――私は心の底からの安らぎを得るの 。すると

「それでは僕達はこの世界を一度救うこととしよう。その為の準備を進めておいてくれ。それからこの世界に滞在するための手続きはしておくから。」とお父様はそう告げてその場から居なくなり、

「あぁ! もう行ってしまいますの!? もっとお話を聞いて欲しいのに!」そう言った瞬間、再びお母様が姿を消していて。

「はははっ! 流石は僕の自慢の娘だよ! よしよし」

――私達の髪を撫でてくるその人に私達がされるがままでいると

『勇者』と呼ばれる青年が現れて世界を救うために旅をすることになったのですけど?!

一体私は何をすればいいんですか???????!!!!! ------side:三月姫乃

(なんという事でしょうか。これはとんでもない大仕事になってしまいました)そんなことを考えながら少女は自分の前にある紙束を見て頭を悩ませています。その量は凄まじく、その全てに目を通さないことには話にならない程のものでしたからね。それでもまだ全体の一割程でしかなくて。(まさかここまでとは予想外ですね。しかもこの子の

「あの? えっと。どうして皆さん固まってしまっているんですか?? これってもしかしなくても私が全部処理しなければならないのですか??」

と、少女が言うように彼女の前には沢山の書状の山が出来上がっているわけで。それこそこの国で重要な地位にいる者でさえ無視できないくらいの量が。それもこれも全て目の前で苦笑いをしている一人の男の

「まさかここまでとは思ってもいなかったんだ。すまない」という言葉で説明され、その男、神凪光司はこの国の宰相である。

「えっと。でもお義父さんは悪くは無いと思います。むしろ悪いのは全てお義姉ちゃんのせいであって」ともう一人の人物が

「えぇー? でも私のせいなの?」

「はい。もちろんです。私達の大事な愛娘を危険のある冒険者にしようとしておいてこの責任を取らないだなんてそんなことは許されないのです」と言うのはその人物の妻であり

「それにお兄さん? そんなことを言っているとあなたにはお兄様と呼ぶことも、この家の敷居を跨ぐことすら許さなくなるんですよ?」その言葉を聞いた光司の顔が真っ青になり

「そ、それだけは何としても避けたい。絶対に避けるぞ!」と、その必死な様子からは想像出来ない言葉を言ってのけ

「ま、まあまあお母様もお姉様も落ち着きましょうよ。ね?」そう言った人物は

「そういえば自己紹介が遅れてしまった。私はこの家の長男、つまり姫野君の義理の兄の剣崎真白、この国で勇者をしている。」そう言ったのだ

「よろしくお願いします。私は――って今はそれよりも早くこの状況を整理しませんか?」と、少し呆れた顔で言うのだがその声を聞いた二人は揃って口を開き

「あ!そう言えば私達も挨拶がまだでした! はじめまして! 私の名前はお祖母ちゃんです!」「こっちの子は私達の孫娘の春音よ! 可愛いでしょう! 真琴! 私の孫達ですもの可愛すぎるのも当然よね! はあぁぁあ。やっぱりうちの子達が世界一かわいいわ!もちろん真央も私の大切な孫なんだから忘れないようにね!」と二人が同時に喋るものだかその情報量の多さと、そしてその二人とそっくりな見た目をした女の子二人を見て俺は驚きの声をあげ

「――こ、こんなに似ているのか。双子かと思ったよ。本当に似てるな。」そう言った俺にお母様がすかさずツッコミを入れてきて

「何を言うの? あなたが産んであげたんじゃ無いですか」その一言に

「「「「はいぃ??」」」」全員の言葉がハモってしまった。その事に

「あら? だってそうでしょ? あなたが産まれるまでの五年は私のお腹の中にいたんだから私とこの子達は同じ母親で繋がっているってことになるのだから。それともこの子達はお姉様のお母様のお母様が妊娠しているってことかしら??」と聞いてきたので、どう答えたらいいのだろうか? と考えているうちに

「それは無理があるんじゃないかしら?」と、その会話に入り込んできたお姉様のその発言は的確で。そのお陰もあって場は静寂に包まれたので、ここで俺はお婆様に

「あの、この子達は誰の子なんでしょうか?」そう聞くとお婆様は嬉しそうに

「あらやだ! 真希さんったらもぅ! お婆様はお姉様で私は妹よ? それにあなたを産んだ時の記憶なんてもうおぼろげだけど私、しっかりとあなたを抱っこしていたわよ?!」と言ってのけた。それに対して今度は俺以外の全員が口を揃えて言い放った

「「いや、絶対ない」「ありえないわよ? ね、お姉様? お兄さん?」「そうね。それにそんなことがあれば私が気がつかないはずが無いし。」と

――そんな訳で結局誰が本当の子で誰かが嘘をついているのか全く分からない状況になってしまったのだけれど

「もう! みんな酷いじゃない! お婆様が嘘つく筈無いわ! そうでしょ!? そうじゃ無いなら教えて欲しいの」と妹が言う

「お母様がそんな事するわけ無いですよ! お婆様もですよ! 私達のお母様がそんな悪巧みをするなんて思えないんです!」姉が続けていう

「ははっ。いやすまないね、あまりにも面白い光景だったからつい」とお祖父様が謝りつつ笑う

――そう、お母様とお父様がここにやってきたことでこの家族会議が始まることになったので

「ふふっ。お姉様も妹もお爺様の冗談に乗せられすぎなのよ。でも私もお義姉様を庇っておきながらちょっと面白かったかも。」

と、妹が言った時

「うわぁ! 私達姉妹になっちゃってますね!」と、妹が言うと妹も「うわっ! 本当ね! 私も今度お母様みたいに『私もあなたの妹ですのよ?』って言っちゃおうかな。それとも『私はお姉様なのだから!』の方がそれっぽいかしら??」と、二人で盛り上がってしまったのでお婆様は

「あら。私そんな事言っていたの? 全然覚えていないんだけど?」

と、不思議そうな顔をして言った後に何か思い出したかのように

「でもあなた達のお母さんはね。よく私の真似をしてくれていたから。」と言い、その後「私はあなたをいつも抱きしめてあげていましたよ」

と優しい表情をして言ってくれた。するとお母様が

「ははっ。そうだね。君達はいつも仲が良かったよ。特にあの子は君にべったりでね。僕はその度に嫉妬に狂ったような目をしてね。」

と苦笑いしながら話してくれたのを見てお婆様が、それを見てくすっと笑みをこぼした後

「私はあなた達にたくさんの愛情を注いでいたと思うの。」そう言いながら抱きしめてくれたけどその温もりを感じる事はできなくて、それでもその暖かさが伝わってくるようだった

「あの。私は一体どういう立場なんでしょうか? そもそも私、自分の存在すら理解できていないのですけど。それに先程まで私の隣にいた男の子、えぇっと確か神凪さん、ですか?彼はどこに行ったのですか?? 私はてっきりこの世界の救世主だと聞かされていたんですけど?」と質問を投げかけると

「えぇ。まずはあなたの事をきちんと説明する必要がありますね。でもあなたには勇者として旅立ってもらわないといけません。それがこの国にとっても世界にとって最善の方法になると信じているの」

「はい。わかりました。勇者とは何をするものなのでしょうか?」

「そうですね。勇者は魔王を倒すための人材。この世界において最も力ある者だけが勇者の称号を手に入れる事ができるんです。あなたは勇者になるための力を手に入れ、勇者の力を授かることになりました。その力を使ってこの世界に巣食っている魔王を倒して欲しいんです」と、そう言われてしまった私は

「えっと。すみません、もう一度お願いします」そう、言ったのだけれどその言葉の意味を理解することができなくて。そして、その言葉に「いいですか? 私は勇者では無いんです。私はただこの世界にやってきただけの女子高生で。私は一体これから何をしたら良いんですか?」と、そう問いただしてしまったの

「あ、いえ。別にそういう意味ではありません。ですが、その、そう思われても仕方のない事かもしれませんでした。」

「はい。それで? 私は具体的にどうすればいいのでしょう? それとさっきまでの私の態度は忘れてください。その、混乱していただけなので。」と私が答えると、「あなたは選ばれた人なの。そしてこの国の民を救うために動いてもらいたいの。もちろん危険はあると思います。命を落とす可能性もあります。だから強制はしません。あなたは異世界から来たばかり。だからあなたの意見を尊重したいと考えています。それにあなたはまだ高校生になったばかりです。いきなりこの国のために戦うなんて酷だと思っているから、少し考える時間をあげます。それにあなたが望めば元の世界に返す事も出来ると思います。もちろんお金の用意や色々と大変な事が待っていてはいるのですけれど」と言われてしまった私は「私はこの国に召喚されなければきっと元の世界に帰ることが出来なくなるのだと思っていた。だけど私は帰れなくても構いはしないと思っていました。私は勇者ではない。だけどこの国の人々を救うことが出来ると言うのならば喜んで引き受けましょう」そう言った私の言葉を聞いてその人は安心しきったかのような顔を見せ「あなたならそう言ってくれると思いました」そう言ってくれた

「私からも一つ。あなたは勇者という扱いになり、その力は王と同等、下手をしなくともそれ以上であると言える程の力を持つことになり、あなた自身が国の中心に近しい人間になることになり、さらに言えば勇者が不在の時には必ず誰かしらが代わりを務めなくてはならない。だからあなたは一生をかけて、この世界を救い続けていかなければならない。そんな人生を歩まなければいけないのよ? だからもう少し考えても」と、そこまで聞いた時にお姉様の声が響いた

「それは駄目! この子が私の側から離れるなんて絶対にダメ! この子は私がずっと守るんだから! あなた達が私の邪魔をするつもりだって言うんならいくらお母様とおばあさまでも容赦はしませ――っ!」

そしてお母様と祖母様はその言葉で冷静さを取り戻し「真央さん? 真央さん、大丈夫ですか? 落ち着いてくださいね」と、そう優しく語りかけたお姉様の言葉によって

「真央? 少し落ち着きなさい」と、お祖母様が諭すと「はい。ごめんなさぃ。お婆様」そう素直に従ったお姉様がとても可愛らしく見えて

「可愛い子。私の大切な子。もうこんな危険な場所に連れてきたりはしたくないわ。私達の目の届かないところには置いておけないの」と、私を抱きしめてくれて「もうこんなこと言わせないでね?」と言ってくれた。私はお母様の腕の中から抜け出してお母様の目を見つめて

「うん! 約束! お母様、もうこんなこと絶対させないでね! 」そう言って小指を出した。そうするとお母様が私を抱き寄せながら頭を撫でてくれながらこう言ったの

「そうよ? この子ももう子供じゃないんだから甘やかしちゃいけないわよね」って、ちょっと意地悪そうに言うお姉様もお姉様だけど、その言葉

「あらあら。真紀さんはもう立派な大人ですよ? だってあの日は――――」なんて、お祖母様の口が止まらないお話を遮るように「やめて! それは絶対言っちゃだめ!」ってお姉様が慌ててた。お母様はそれを見ると、ふふっ、なんて笑みを浮かべながら「あなた達はいつまでも本当に仲良しさんね」なんて言っているけど私は「私もお姉様みたいになれるのかな?」と聞いてみたの

「もう十分なっていると思うけど?」そう答えられたので私は「そう、かな?」と返したの。そう、まだ私は自分の気持ちがよくわからない。でもね? この人たちと一緒にいられる

「そうね。あなたはとても賢い子だと思うの。私に似てね」と言って微笑んでくれたお母様。

「もうお母様! そんなに褒められてもこの子はお母様の子なんだから当たり前でしょ! ねぇ!」と言って私をぎゅっと抱きしめてくれるお姉様。

――二人共、私を大切にしてくれるから大好きだよ

「あの。それじゃ、えっと。私は何の役目を与えられているんですか?」と質問すると

「あなたの役割はこの国にとって最も重要な物なの」と真剣な眼差しをしたお姉様の表情から私は目を離せなくなってしまった。お姉様のその表情は初めて見るものだったから――「役割とはなんなのでしょうか?」私はそう尋ねたのだけれど「あなたは自分の目に見える世界が全てだと思い込まないようにしてちょうだい。あなたの見える世界だけで判断しないこと」とそれだけしか言われなくて 私はその時、自分の目の前にいる人がどんな顔をしているのかよくわからなくなっていたの でも私はこの人の言葉に従うしかないのだろう、そんな予感がしていて、それに従って生きていくことで何かが得られる気がしたの でも私には自分の使命を全うできるか不安しかなかった だって私には勇者になる資格がないのだから そう、私に勇者になるだけの力は無いのだから。それなのに

「あなたは勇者の力を手に入れた。これは間違いない事なの。でも勇者の力を手にしたとしても勇者の力を正しく使う事は難しい事なの。だからこそ私はあなたに勇者の力を扱えるだけの資格を与えておきたいの。勇者はね、この世界の人々の平和を守り、世界の秩序を保っていくために存在していなくてはいけない存在なの。それが例え、どれほど過酷な道を歩む事になるのだとしてもね」そう言われた後、私はお母様の瞳を覗き込んで見たの するとそこには何もなかった。あるはずのものがなくて。

「え? あぁっ!?」

「えっと、どうしましたか? 突然大声を出されましたけど。それに急に立ち上がられましたけど。」その瞬間私に電流が走る。この世界にやってきてから今に至るまでの全ての記憶を思い出した。

「えっと。どうなされたのですか?」「え? えぇっと。あ、いえ、その、思い出してきました。すみません」

「そ、そうですか。それは良かった。でも、これから大変ですね。頑張ってくださいね」と笑顔を見せてくれたので「えぇ、そうですね。そうかもしれません」と言葉を返し、

「すみません。少しだけ席を外させて頂いてもよろしいでしょうか?」と尋ねるとお母様は、はい。もちろん。行ってらっしゃい。そう返事をして下さったのです。

そして部屋を出ると私は急いで家に帰らないといけないような気分になったの。

だけどその必要は無くて私はそのままお城の中にある神殿に向かうと 私は扉の前で大きく深呼吸

「失礼します」「おぉ! 真央ではないか! 元気だったか? うむ。ではとりあえずそこに腰掛けるが良い」

私は言われるがままに玉座の間に通されると、そこでしばらく待たされることになった。この世界において最も偉いとされていている人と直接対面する事になっているという事で私はとても緊張していたのだけれど、王様はすぐに現れ、私が話したいと言っていた事を簡単に確認してくれたのだ

「ところで話は変わるが、お主が召喚された理由について知りたくはないのか? それに魔王が復活しそうな事についてなど、もっと他に気になる事も多いのであろう?」と、そんな風に言われてしまったの。

私はついその誘惑に乗せられてしまいそうになったけれど「いいえ。そんな事はありません。」と首を振って答えました。

だってそれは私がこの世界で勇者になるための条件だからだ それに、私は自分がこの国のために何をすべきなのかわかってしまったんだ 勇者は国の象徴であり、勇者は国に尽くさなくてはならない。勇者は国のために戦う者であり、そして国こそが勇者のために戦うものなのだから そして私の為すこと全ては国のため、民のために行うものだと言うことが理解出来てしまったんだ 私の家族を守るためでもあるのだけれども

「ほう。真央よ。なぜ勇者になろうとする」

だから勇者になれと言われなくてもなれていたんだろうなって思ってしまうんだ。だから別に理由があるとすれば――ただお母様との約束を守るだけだよ? お父様が私を抱きしめて「お前は何も考えなくて良いのだぞ? ただ私の側に居てくれるだけで十分過ぎるほど幸せなのだ」なんて言っているのを私に見せて「私も同じよ? 真央ちゃんがいてくれさえすればそれで良いのよ?」と笑ってくれたお姉様の姿を思い出す事が出来るなら私は何も恐れる事は無いと思えるんだもんね。そう思うの お祖母様が私に教えてくてれるなら私はきっと頑張れてしまうと思うし、

「お姉様は私が守ります」なんて言葉も、私が守るのではなくて守ってもらう方が正しいって思ってたはずなのにいつのまにやらそう口に出来るようになっていて、私はもうあの頃の私じゃないんだ。ってそう実感するの そしてそんな私の姿を見ているお祖母様と目が合った時、まるで全てを分かってくれているように優しい顔で笑いかけてくださってるお祖母様の顔を見てると胸がいっぱいになってしまう。

だって私はお祖母様と血の繋がった実の娘のように大切にされている自覚はあるから、本当に嬉しくなっちゃったんだよ? お祖母様と過ごした短い時間を思い浮かべてみるといつも優しく抱きしめてもらえたり頭を撫でてもらってばかりだったり、手を繋いで一緒に歩いたり

「あらあら真央さん? あなた、またこんなに大きくなって」

そう言って私に微笑んでくれる姿 お姉様と二人きりで遊ぶ時にお邪魔してしまうこともあったのに、嫌な顔をせず、お姉様と仲良くしてくれてありがとうね、そんなことを言いながらお菓子を食べさせてくれたお姉様 お祖父様とお酒を酌み交わしているお婆様を眺めながらお茶をご一緒させていただいて「そういえばお酒は苦手なのでしたね。このお菓子をつまみながらお茶をするのは如何でしょう? とても美味しゅうございますよ」なんて、そう言ってお手製のおやつまで用意して下さったり、そんな事が

「真紀さんがあなたくらいの頃はそれはもうやんちゃでねぇ、困ったものですよ」

なんて言われちゃって

「ちょっ! お祖母様!! 余計な事を言わないの! ちょっと真紀! どこ行くのよ!」

なんてやりとりも何度も聞いたことがある

「ふふっ。私もそうでしたわ。懐かしいですわね」なんて会話をしながら、そうやって私はお祖母様と一緒に過した大切な思い出も蘇らせてしまっていたのだ

「私はもう大人になりたかった」私はもう大人になる方法を知らないから。

大人になれば

「大人になる方法は一つではありませんわ」

大人になってしまえば

「ふふん。真央はもう大人だもんね」

大人になりたい、大人にならないとダメ、子供のままでいたい。

そう願っても私にはどちらも叶えられなかった 大人になることで私はお姉様と同じ世界を見たいと思っていたし、それが私にとって一番大事で大事な事でもあったから だけどね。今こうして改めて考えてみたときに分かった事がある あの日、あの場所からお姉様を連れて逃げ出すことが出来たのは私一人じゃ出来なかったことだから、だからね

「あの日お姉様を救い出すために力を授けてくれた神様に感謝しています」

あの人は私の事を大切に想ってくれているのだろうな。とは感じていて、

「えぇ。あの人はとてもあなたのことを大切にしていてくれていると思いますよ」って、だから私は、だから。だからこそ――

――だから私がこの国の平和を護るために力を使って戦わないと そう心に誓った でも本当はね? ただ私自身のために戦いたいってそう思っていた。お祖母様に少しでも近づけるようにってそんな想いもあったんだけど それでも結局、それは私の為であって。自分のためでしかないんじゃないかなって、でもね。それも違うんだよね。そう思いたいだけ。だってそれは私にしか出来ないことでしょう?だからこれはね。そういうことなんだ。うん。そうだ。そうなんだって自分に納得させられる。

でもね?そうじゃないんだよって言う声が聞こえる

「私には何も力が無い」そんな声が頭の中で聞こえてきたとき「そんなことはない」と言って下さったんだ その方はお城のバルコニーで、空に向かって祈っている姿を見かけたので私はその方に話しかけてみる事にしたの すると彼女は微笑を浮かべて下さったのよ。それから「私は何の力も無いんです」と言った後「あぁ、これですか? 実は私の趣味は天体観測でして。あぁ、趣味と言えば占いや星占術にも関心があるのですが、その、お見合いとかはあまり得意ではないんですよ」そう仰られて「あ、そのっ! 申し訳ありませんでした。いきなり変なことを言い出して」って、謝ろうとしたら その女性は両手を振り回し「あ! いいえいえいえ! そんなそんなそんなそんな! 私の方が悪いのにわざわざそんな謝罪をして頂けるような事では無いわけでですね。むしろその、私なんかで良ければいつでもどうぞ? というか是非ともお願いします。というかしましょう今すぐに。えぇ今すぐ」って言ってくれたんだ。私はそれに驚いて

「い、いえ、そんな急には、えっと、あの、そ、そうですね、それでは近いうちによろしくおねがいします」としか答えられなかったの。だけどその時は、まだこの時は、これが運命の始まりだとはまったく想像出来ていなかった。

「はい。こちらこそ。では私はこれから用事があるので失礼します。また会えると良いですね」

そして私はその場を離れようと背中を向けるとその女性が言った言葉に驚いた

「また会いましたら今度はゆっくりお話しませんか?」

振り返ったらそこにはもう彼女の姿は無かった。だから多分私の勘違いか聞き間違いかなにかだと思うのだけれど、確かに彼女は「もう一度会うことが出来る」と言っていた。だからきっと私は「はい。もちろんです」と答えるしかなかったんだ。

「ではでは! 私達は先に帰りますけどお元気で! たまに会いにきてくれれば私は嬉しいですよ。お父様! お姉様の事ちゃんと面倒みてあげてくださいよー! あ! それと、ほら! ちゃんとお土産買ってきて下さいよ?」って、私はそう告げるなり転移で帰って行った。その娘は最後まで笑顔で元気よく去って行き、私はそんな風に別れを告げるのは初めてだったものだから、その、なんて言えば良いのか良く分からずに戸惑ってしまっていて「うむ。ま、まぁ、お主は我が城に留まるつもりなどは無いというのであれば好きにするがよろしい」なんていう言葉が出てしまい、私は慌てて口を押さえたが、もう後の祭りであった。

「お主が望むのなら何処へなと連れていってやろう。そしてそこがたとえ地獄であろうとな」

そして魔王様のお言葉ですが、まぁ私は特に問題ないですよ? とばかりに手を挙げると魔王様は満足げな笑みを見せながら、この世界を後にしたのでございますが。その後、お二人を無事に元の世界に戻そうとしたところで、私達が元の世界に帰る事は出来ないのだと言われた時の魔王様の反応といったらなかったです。

――ふははははははっ! はっ? ふざけ

「――貴様のせいかっ!!!」

魔王様の激昂は激烈なものでした。ですが、私達の世界の者のせいで帰れないのでは無くて、そもそもの所、帰ることは出来ないのだそうで。ただ召喚魔法陣を使えば、他の世界への扉を開く事が出来るのだそうで。ただそうするために必要な物が足りないので私達を送り返すことが出来ないそうです。そう言われた時に「ならば取りに行けばよいだけよ」と即座に言い放って私達に準備を整えろと言うのですが、しかし残念ながらそう簡単な話ではありません。なぜならば私達も一緒に連れて行く必要があるのだと。そう言い放つと「おぉ! それは素晴らしいではないか。なぁ、真央? 真央よ!? うぅん、マオぉぉ!! 我と一緒に行くが良いぞぉぉ!! なんならずっとここにいても良いのだぞっ! 我はお前がいないと何もできんからのうっ!」等々言ってくださり嬉しかったのですよ そして私達の為にわざわざ服を作ってくれると仰ってくれた時には感謝感激でした。

「私に出来ることといえばこれくらいしかないがな。だがこれで少しでも気に入って貰えたのであれば、とても光栄だ。もし、もしも君たちが困るようなことが起きた時に私の名前を呼んで欲しい。私にできる範囲の手助けをしよう。」

そんな言葉と共に頂いたのが、このペンダントでございます。

私達は皆様に挨拶もそこそこに、さっそく異世界に旅立つこととなり、その際に、お姉様が私に「何か困ることがあっても絶対泣かないでよ! お母様みたいになりたくないから」なんて言うもんですから私もついつい意地になってしまい「わ、私は泣きませんよ! 私だって、も、もう大人なのですから! 子供扱いしないで下さいませ」と返したところ、お姉様は少し悲しそうな顔をして、でも直ぐに「ふふっ。真央も言うようになったわね。うん。わかった。じゃあ頑張ってきなさい」って言って私の頬を優しく触ってくれたんでした そうして私は魔王様にお伴することと相成りまして 私はこの時はまだ自分の事を子供であると考えていた 私はお姉様のように大人になれていない 大人になれば

「大人になればもう泣いてしまうことなんてありませんわ」そう思っていたから。だから私は大人になりたいって思ってたんだ。

大人になる方法を知らずに私は大人になったと思いこんでいた 私はこの世界の

「では早速向かうとしましょうかね」そう私が口にすると「え? もう?」とか言っちゃったりするのでありますよ。まったく。そんなんだから私の妹はいつまで経ってもちっともこれっぽっちも、ほんとうにちぃっとも可愛くないというものでございますね。あ、ちなみに私の可愛い妹はお城で留守番でございやすよ。さぁてと!私達の冒険はこれからだっ!!!! という訳でまずはこの世界で一番大きな大陸に行くことに致しやしょう!と!なると!その道中にある町や村なんかを巡っていくといたしますかねってな具合に旅路を歩んでおりやして!「うぬっ!?」

「あらぁ。これは中々手強そうですねぇ」

そんなこんながありつつも私達は今、この世界で最も強いと言われる魔族の国があるという場所に居たのでございます。えぇそりゃもう本当に大変でしたとも!それはそれは大変な目に遭いましたとも!えぇ、それは、それは!――って、あれれ?おかしいですね?何時の間に私は寝ていたのでしょうか?えぇっと、何をしていたんだったか?えぇと、私は、あ、あ、あ。そっか、そいえばそうだったのでございますよね。そうだったんですよね。私ったらうっかりうっとりしていて。いけないけないでございますね。

私の名前はミレーナ。私はお

「おい。さっきの話どういうことだ?」と突然声をかけてきた男はこちらを見るなり怪しげな笑みを浮かべ「あんたが魔王様のお気に入りかい? 随分と綺麗じゃないか。それにしてもアンタみたいな女には興味がないんだ。俺の趣味に付き合って貰うよ」と一方的に喋ると私の肩を掴み押し倒しやがったのです。その行動には驚きよりも怒りの方が勝っており「あ、貴方何を言っているのですか? ちょっと、ど、どいて下さらないかしら」と私は言うのですが「悪いな。それは出来ない。だってこれはお楽しみなんだから」と私を見下しながらそう言う男。私はその下品さに嫌悪感を覚えましたが「いい加減にしなさい」と言ってや

「おい。その汚い手を離せ」

――その一言を聞いただけで空気が凍ったように感じられた 私はその声で体が動けなくなりました。えぇそれは間違いのない事でしょう。その瞬間、目の前にいたはずの男の顔に拳を打ち込んで吹き飛ばしたのは、魔王陛下その人で。私達には見向きもせずに、そのままの勢いで、まるでそこに居る男が居ないかのような態度で通り過ぎる。その時の私は震えるしかできませんでしたが、何故かその時だけは恐怖を感じなかったのでございます。

私と妹が元の世界に戻った時には全てが終わっていました。魔王が倒されていたと。魔王は倒されたのだけど勇者召喚を行った国は滅ぼされる事もなく存続していた。

「お父様の事は残念でしたわ。まさかあそこまでとは」

「魔王を倒した後すぐに死んでしまいましたものね。まぁ自業自得ですけれど。お母様が心配です」

「お姉さま、きっと無事ですわよ。大丈夫。そうに決まってます。」と妹の励ましもあり私は何とか耐えることが出来ている。それでも、あの人の事が頭から離れずに。

魔王は死んでいた。それは間違いようもない事実。

――お兄ちゃんが助けてくれたんだよ。って、そう言っていた。でも、だからどうしたというのか? そう、彼は死んだのよ。それがどうしたのよ! お母様が助か

「お父様の事を考えてはいけませんわよ。お姉様が元気に過ごしていれば、それで十分だと思っていますから。ほら、お手紙の返事も来てるんじゃないんですか?」なんて言うけど、やっぱり気にしないってわけにもいかないのよ。だって、ほら、ほら、ほら、私は彼の そしてある日の事でございます

「うむ。やはり我の目論み通りに事が運んでしまったようだ」

「まぁ。それではお父様の予想が当たってしまったという事になるではないですか。流石お姉様でございますわ」と娘二人がきゃっ!と喜んでいる姿は我が子ながらとても可愛らしく思えて 魔王様のお言葉を聞き「おめでとうございます」と言いたかったのですが、「えぇ。お父様と私でお母様を驚かして差し上げましょう」と私の娘は言ってくれたのですが、正直、私としては、この二人さえ幸せに生きてくれれば、他に何も望みなど無かったのですよ。だから私達の事を考えろと言うなら考えたいです。

でもね、あなた。私は、あなたに一つだけ言わなければならないことがあるのです。いえ。本当はもっと前から伝えなければと、ずっと考えていたことですが、それをなかなか伝えられなくて。ただ言えるとしたなら、そう、あなたはとても優しく育ってくれましたね。

私は貴女の笑顔が何より大好きでした。

魔王様は私達にこう仰られまして「なぁ。お前達はどうしたい?」と尋ねてくる。私達の答えは決まっているのだが「もちろんお姉様と一緒でございますわ」と言うと「うふふ。ありがとう。真央。じゃあ私はこれからお姉様の所に参りませんとね。貴女たち、後は任せてもよろしくてよ」なんて言うと私の頬を優しく触って

「じゃあお別れだ。我はもう疲れた」

――その瞬間、お母様とお会いした。私は涙が

「ふふっ。そんな泣き虫さんに育てた覚えはないのだけれどもねぇ」

お父様はお城の中でずっと待ってたんだぞ。そしてやっと帰ってきてくれたと。私達が帰るまでずっと待ってたんだとそう言って「ずっと、ずーっと待っていたのよ」そう言って泣いてしまうのよ。そんなに寂しかったのか? 馬鹿野郎が! お父様は魔王様に怒られるかと思ったんだけど、魔王様はそんなことしねぇと豪快に笑い飛ばしていたよ。そんでな。魔王様が私達に会いに来た理由は、私のお願いが聞き入れられた結果だったんだ。

「私ね、お友達が出来そうな気がするんです」って、そう言うの。だって魔王様っていつも暇そうにしてるじゃ無いですか? お城で遊んでた時なんか特に! だから私に話しかけてくれるかなって思ったんですよ。

私はお城に居ても楽しくなんてない。皆と居る方が全然楽しい。そんな事を言うのは当然の事。だって魔王様に会って、それから私の人生が変わったんだから

「私、この世界のこと、まだよく解らないんですよね。それにこの世界の人の名前を覚えるの苦手なんですよ。だから私が名前をつけても良いですかね?」と、そう言うと、魔王様は何て言ったと思う?

「はっはっはっはっ! はっはっはっはっ!! それは面白そうだ」って大爆笑。

魔王様と会ったあの日の事を思い出しながら私は笑う 私が、初めて作った料理をお出しした時の反応を思い出させてくれた

『魔王』様

――そう言えば 私が「ねぇねぇ」って声をかけると魔王のヤツ、何時もは面倒くさそうにするのに今日は何か機嫌が良くてね。何だろうって不思議に思ってたんだよね。

でもね。今はその理由が分かるの。魔王も人間だったんだ。

魔王と仲良く話をしている少女の姿を思い浮かべて私は一人微笑む。あの姿を見るとどうしても昔の自分達を思いだしちゃう。そう。彼女は

「私の可愛い妹ですから」

魔王様が倒れている間に、この世界には色々な変化がありました。勇者の居なくなった世界がどんな道を歩むことになるのかは分からないけれど。

きっとこの世界で、勇者だけが正義じゃないという事を誰もが知ることになるのだと思う。

私と妹、二人で力を合わせて頑張っていくつもりよ。お父様も応援してくれてるの。お母様はね。「無理をしすぎないようにね。あと、困った時はいつでも戻っていらっしゃい。私は何時までも二人のお母さんなんだから」そう言って私達をぎゅっと抱きしめるの。お母様、私ね、とっても嬉しいの。何時かお母

「なぁ。魔王様はまだ復活しないのか?」「うむ。だが勇者が現れた以上、いつか復活するはず」などと部下が会話をしている。俺は「あ? 勇者だと? ふざけんなお前ら! 魔王を倒すのはこの俺だ! 誰にも魔王の邪魔なんざさせてやるものですか!!」「しかしですね魔王軍筆頭幹部様。貴方は既に一度敗れているのですから――」

魔王が死んでからもこの世界に争いがなくなったわけではないから。私は平和になったこの国を守り続けるわ 妹からの手紙が届いたので返事を書いてやろうと封を開ける。そこには妹の可愛らしい字が並んでいて「お姉さま元気かしらん? 真央よ。お姉さまはお元気にされているでしょうか? あのねあのね! 最近ね!」と書かれている。本当に可愛くて仕方がないわ。

私達は三人で暮らす事になった。あの人と二人暮らしなんて緊張しまくりだけど、あの人が

「なぁ、あんたが好きな物ってなんだよ?」なんて言ってくるもんですから、つい「お酒と女とギャンブルが好きです」と答えてしまったら 魔王討伐後のお話になります 私はこの日もいつものように、仕事を終え帰路に着く。最近は少し忙しく、残業ばかりが続いているがそれでも満足のいく仕事を出来ていると感じており、充実した日々を送っていた。

家に帰ると妻と子が笑顔で出迎えてくれた。妻からはお帰りなさい

「ご飯にする? お風呂に入る? それともこの真琴ちゃんを食べるぅ?」と誘惑されるのだが、私は疲れた体を癒すべく、さっさと食事を取り風呂へと入ることにする。妻は残念がりつつも「じゃあ後で一緒に入ろうね」なんて言ってきて

「まあまあいいでは無いか、たまのことだ。それとも嫌かな?」と言えば嬉しそうに頬笑み「まさかまさか、むしろ私のほうが楽しみよ。だって旦那様との入浴ですよ? そりゃ、もう、ドキドキしちゃいますよ。ね、良いでしょう?」と可愛く言われれば「ではお言葉に甘えて」なんて答えたりして

「ねえ。お兄ちゃんは誰を選ぶの?」なんて聞いてきた

「うん。お兄ちゃんってのはやめろってば」「だってお兄ちゃんって呼んでほしいって言ったじゃん」

お兄ちゃんの馬鹿!なんて言うからちょっとだけ苛めてみると、すぐに「冗談だよぉ~」なんて言って抱きついてくるもんで、結局こっちが折れることになって「まぁ、別に良いんだけどね」「あ、そっか。それじゃあお義兄さんって呼んだ方が良いのかなぁ」なんて言い出すもんだから「それも無しだ」と言っておいた ある日のこと。お義父様とお義母様が揃って遊びにいらした。お父様とお母様が揃うのは珍しい。だからとても楽しい時間

「あら? それじゃあ、このお屋敷に真央は住んでないの?」と母さんが言い出した。すると

「あはは。それが真央はもう、ここにいないんだよ」と父さんが言って

「真央なら今頃、新しい場所で幸せになっている事であろう」と母さんの言葉をお祖父様が肯定して下さって

「へぇー。そうなのか」

「そうそう、実はね。私、結婚したんだ」

「ほお。お相手はどなただね」

「私の幼馴染みです。凄いんですよ彼。なんと【迷宮都】で一番の商人様なんです」

「おやまぁ。そんなに出世なさったんですか?」

「ええ、彼はとってもいい子で私も大好きです」なんて照れながら言っている姿を見ているとこちらまで幸せな気分になっていく。それはそうと

「それで、真衣はどこでどうしてるんだね? 連絡が無いから心配しているんだぞ」と父さんは真央に対して、かなり親バカだ。

「え? だって、真央が帰ってくる必要あります? 真緒を養子として迎えたのが失敗だったみたいですねぇ。まったくあの娘ときたら真緒の事しか考えていなかったもの。もう娘だなんて思ってなかったんじゃない? だから帰らせるつもりはないけど――ああでもそういえば」

母さんのその言葉を聞いた父さんは、ガタンッと立ち上がると母さんに掴みかかり

「お前! 何を! 何を言うのだ! 真那の事を考えていないだと!? あれはあの子なりの精一杯の心遣いであったのだ! あの子がどれほど苦しんだと思っているんだ!! あの子は――あの子の身体を」

そう言うと涙を流す。その涙を見た母様は慌てふためき「お、落ち着いて下さい。私、その」と言いながらあたふたとしていると、「ふむ。つまりはそういうことかの」と お爺様の一言によって二人は冷静を取り戻したようだ。「そうだったのか。ごめんな、知らなかったとはいえ無神経なことを言いました」「私も、ごめんなさい。貴女の苦しみを理解してあげられなくて」そう言うと二人で涙ぐみ

「い、いえ。私も何も言っていなかったので、それに私があの子を突き放していたのが悪いんです。私があの子に冷たく接してしまったせいであの子は、あのようなことを――だから悪いのは私なんです」「うう。すまぬな、こんなことになってしまった原因はわしにもあろう。だから責任は取るつもりじゃ。なあに。気にするでない」そう言って母様にハンカチを渡している 母様と父様が仲良くしているのを見て私は心の中で喜ぶ。お姉様も、そして妹も、家族が皆仲良くなる事は良い事だと思うのだから。だからお姉様と妹と皆で楽しく暮らす事が出来たらどんなに素晴らしい事だろうか。その為

「お姉様? 何を書いているのです?」そう言うと「ん? 手紙だよ。妹からのおねだり」

「わぁ! 私も欲しい!」と妹が言い出してきたので、つい「うん、分かった。また書き終わったら届けてあげるよ」と言う

「あ、でも、どうせだったらもっといっぱい送ってくれる? もっと沢山書いてくれる? 私達仲良し姉妹ですからね! 妹からの手紙はお姉ちゃんが全部持ってないと駄目なんです! いい? これは約束なんだぞ!」なんて可愛いお願いを聞いて私は「うん、そうだね。解かった」と返事をした

「魔王様? あの。大丈夫ですか? 何かぼぉっとなってますよ?」部下の奴らが話しかけてくる 魔王城が破壊された日から今日に至るまで私は毎日、暇さえあれば魔王復活の為の研究に明け暮れている

「問題無い。それよりも早く勇者共を連れて来い。魔王様の復活の為には勇者どもが必要なのだからな」そう言って命令を下すと、部下達は一斉に「はい!」と答えて去って行く。

あの勇者が召喚された日からというもの魔王軍は混乱に陥ったが、今は何とか立て直しに成功した。だがそれでも完全に立て直すことは叶わず、未だに勇者が現れるまでは『魔族』にとって不利な状況が続いていた。しかし私の部下の中には人間の中にも有能な者は数多く存在している。それらの者達の協力を得ることができた

「魔王様、例の勇者が現れました。勇者は三人おり、一人はすでにこの国に辿り着き、そして魔王様を倒す為の儀式を行おうとしております。しかし――他の二人に関しては未だ行方が知れず」報告を受けた私は「ならばその三人だけでも先に連れてくるよう伝えろ」と命じると「はっ。仰せのままに」という返事を聞くと部屋を出る それから数日経った頃。私はいつものように研究に励んでいると部屋の扉が開かれる。そこには私を呼びに来た部下の姿があり、それに気付いた私は椅子から立ち上がると

「来たか! それでは早速、儀式を始める。お前はそこにいる者達に説明しておけ!」そう指示を出す

「かしこまりまして」そう答えてきた部下からの説明を受けつつ準備を進める。準備が完了すると私は立ち上がり、呪文の詠唱を開始した。「さあ、始めるが良い」と声をかければ「かしこまって、まいります」と答えた男達は手に持っている水晶玉に手を当てて、魔王が復活するために必要な力を集め出す やがて集められた力は、

「おお、感じる。この力が溢れ出す感覚。これこそが、我が魂が求める物だ」歓喜に打ち震えながら私は言葉を漏らす。すると男はニヤリと笑って

「おめでとうございます魔王様。これで魔王様は再びこの世界に君臨して下さる事となる」そう告げられて「感謝します。貴方がたがここまでしてくれたおかげで、ようやく我らが悲願が達成されようとしています」

そう。私はついに手に入れたのだ 魔王復活の手段を 私達は遂に【迷宮都】に到着した 道中は何事も起きずにすんで本当に良かったと思う

「それじゃあまあ、ここを観光がてらに見て回りましょうか。ま、とりあえずは冒険者ギルドに行きたいところだけど。お姫様? あなたが望むような面白い物はここには無いかも知れないけれど」そう言って手を伸ばしてくれるんだけど、何故か彼女はそれを取らない。なんだろう、不思議そうな顔してるけど、もしかしたら僕が何か忘れてしまっているんでしょうか? えっと。あれ? そういえばなんで僕は彼女に対してこんな言葉をかけてあげていたんだっけ えーっと、えーっと

「ああ! そうだった! そうでしたよね! すっかり忘れていましたよ。ほら、さっきまでいた街で色々ありすぎて、もう大変でしたもんね」と言って頭を掻く

「あ、そうでしたね」なんて言いながらお兄さんは僕の差し出した手を掴んでくれた

「あ、それと。僕には敬語使わなくても良いですからね。あと、真那って呼んでください。お兄さん」

「じゃあそっちこそ敬語は要らないぞ。あ、俺のことも真斗で良い」

なんて言い合いっこをしてからお互い

「「それじゃあさ、行こっか」」と言って歩き出した

「真央ちゃん? あ、違った。ま、真央? その人誰?」

私が声を掛けても全く反応を示さない。何よりもさ。真央は私を見ているようで、見ていないんだ だって私の後ろの方を見てるような感じなの でもそんな筈が無い。きっと気のせい。そう自分に言い聞かせてもう一度呼びかけてみる

「ねぇ。聞いてるの?」

そう言ったら今度はしっかりと私の方を見てくれた

「え? あ、あれ? お、おねえさま?」って、どうして真央がここに居るのよ!? っていうかなの。

「どうして真央が? もしかして真央が魔王様を倒したの?」そう質問しても真央は何も言わない

「え? あぁ、いや。それはだな。こいつは真央の友達なんだよ。ちょっと事情があって預かってたんだって。だからもう真衣の所に返して来た」そう説明すると

「あ、そうなのね。なら仕方ないか」と言いながら妹と会話をしている。その間もずっと視線を感じ続けていたのだが、何だかいたたまれない気分になっていた そうこうしている内に

「あ、じゃ、じゃあ。またな」と妹と二人で歩いて行こうとしているので「待って!」と引き止めると

「ごめんなさい! 真耶姉を悪く思わないで! 真那を騙していた訳じゃないの! ただ、ただ私は真耶姉を助けたかっただけで――それにあの人の言うとおりにしないと、あの人も困っていたから――ごめんなさい!」謝ってきた。でも私にとってはそんな事は関係なくて

「でも! 真矢姉は私の妹なの! 真那なんか知らない!」そう叫ぶとお爺様の後ろに隠れる様に引っ込んでしまう 真也さんの方を見れば「ふぅ。しょうがない。真衣? は少し休ませてやるとして。俺はあいつと話をしなきゃならない。でも流石に一人じゃ無理そうだし、悪いんだけど手伝ってくれ」なんて言われて 私は仕方なくお爺様と一緒に妹と真耶姉を追いかけることにした 私達が後を追っている間、妹と魔王の戦いが始まった 私はそれを遠くから見ていて。そこでようやく私は、お父様が死んだことを実感できた。だから私に魔王を倒すことを諦めさせて、普通の女の子にしてあげたいと言う魔王のお話に乗ってあげることにした

「それじゃあいくわよ。準備は良い?」と、お婆様に声をかけられたのは妹と妹が戦っている所を見て泣き出しそうになったときのことだった。お母様と妹

「あぁ。大丈夫だよ。お婆ちゃん。いつでもいい」と言うので私は

「お姉様も大丈夫なの」と言って妹が戦うのを眺めている 戦いは、とても激しくて お姉様は大丈夫だよって言っていたけど。やっぱり私心配だよ お姉様は優しいから、お母様の事を思い出すと辛いはずなのに、我慢して魔王の言いなりになっているんだもの。私がしっかりしなければ! 妹が魔王と戦い始めて数分が経過した頃。魔王が

「どうした勇者よ! お前の力はこの程度なのか? まだ勇者よ。貴様が我を倒そうとしていた時の力はどこへ消えた? その力を持っていれば今頃は、あの魔王を倒して世界を救う事が出来ていたかもしれぬぞ? 」とかなんとか挑発してくると

「黙れ! 勇者? 違う。俺の名前は五河 琴里。それがこの世界で与えられた俺の名前なんだ!」そう叫んで魔王に飛びかかっていった。魔王の振るう剣を避ける為に後ろに飛び退くとそのまま連続で斬りかかる。だけど

「はっ。甘いわ。それで終わりか? 勇者。いや違うな。魔王と認めてしまったからこそ躊躇してしまったのか。ならば死ね」と一言だけ告げると一瞬で距離を詰め、魔王の剣が振り抜かれた その時だった。

突如として現れた巨大な氷柱が妹の攻撃を遮ったのだ 魔王が驚愕の声を上げ 私は声のする方向を見ると、そこには私

「魔王! あんた一体何してんの!! さっさとそこを退けぇ!!!」私は声を上げると魔王に向かって全力で殴りかかった 私達三人の一撃を受けて吹き飛んだ魔王はそのまま壁を破壊し、隣の部屋へと突っ込んだ 私達の方はといえば、いきなり現れた私に

「ま、真央!? ど、どうして」と驚きの声を上げたが、それよりも早く「逃げるぞ」と魔王に声を掛けて逃げ出そうとしたが――

――しかし

「あら? お久しぶりです。皆さん」なんて言って女が姿を現したことで、その足は止められることになった 私達に話しかけてきた女は【迷宮都】にある【迷宮学園】の理事長であるリリィさん。リリィさんに案内された先は以前、真央に連れて来てもらった場所とは全く別の場所。そこは大きなドームの様な施設があり

『あ! 来た来た。皆さーん。こっちですよー』と手を振りながら声をかけてきてくれた女性を見て、真央と

「あれ? なんで美九がこんなところに?」「ああ。美八も一緒か。ってかこの人達、知り合いなのか?」なんて会話をするのを見てリリィさんが

「さて、とりあえずここに来た目的は果たされました。これからの事は、とりあえず置いておきましょう。今は私についてきて下さい」そう言いながら先に行ってしまった しばらく進むとある扉の前で止まるとリリィさんが

「ここから先は、私達では進めない領域となります。あなたたちでお願いします。それでは」と言って扉の向こう側へと行ってしまい、その後を追う形で僕たちも進んでいくことにしたんだ 私達は突然の乱入者に戸惑いながらも何とか持ち直し、魔王の攻撃からお姉様を守ろうとした するとそこに割り込むように入ってきた人影によって攻撃を防いだ。だけどそれはお爺様ではなくて――真央だった。私とお婆様は驚いた顔のまま真央を見ていたが、当の真央はそれを無視してお兄さんの手を取り

「行くぞ真央! ここは一旦退散だ!」とお兄さんの手を握り返し、お兄さんの手に魔力が集中して光を放ち出すとその光が真央を包み込み始めたかと思うと

「うん! 真央に任せて!」と言ったあとに「真央! ちょっと手貸して!」と言われた真央は言われるがままに手を出すと二人は手を繋いだ状態で走り出して行ったのよ。そういえばお兄さんが「ちょっと手を貸してくれ!」と言っていた気がしたけどこれのことだったのね 真也さんの転移魔術が発動される直前に私にも触れていて、「真也さんって本当にずるいのよねぇ」なんて言葉を残して私もその場を離れたのでした。そして今。目の前にいる女性が私たちの前に立ち塞がり。戦闘を始めようとしています まず動いたのはお父様でした。先程まで使っていた武器よりも更に巨大な斧を取り出したんです。そう、

「な、何? その武器!?」と思わず口に出した私でした

「む。これは我が主から頂いた武器でのう。その名を<神殺者>というのじゃ! さぁ覚悟せい! 」

お父様の言葉と同時に女性の方からも「行きなさい私の可愛い子供達! 私の願いを叶える為だけに生きなさい!」という言葉と共に無数の人形が現れ襲いかかってきたのよ 私とお婆様はお互いに顔を見合わせて「あぁ! お母様の敵!絶対にぶっ潰す!」「あぁ! 真央も頑張ってたもんね。絶対勝とう!」と気合いを入れると「私もやるの!」

「じゃあ私も!」なんて言いながら真衣と真耶も加勢に来てくれて四人で人形と戦うことになり、戦いが始まりました。私は真っ先に人形を操っている女の人に攻撃を仕掛けようとしたのですが「真央! こいつら全部任せたぞ!」と聞こえたので振り返るとお兄さんと魔王が何体かの人形を引きつけている光景が見え、それを横目に私は真衣と真耶を引き連れている女を攻撃しに行ったの 私が斬りかかる前に人形が私と真衣と真耶の間に入り込んできたので仕方なく引き下がりながら斬撃を放つも避けられてしまい、そのまま後ろから斬りかかってきた。それを受け止め反撃しようとしたところでまたもや人形が邪魔をするので

「あぁ! もう! 邪魔しないで! 私はそいつを斬りたいの!」と文句を言うと「ごめんごめん。真央。少しやり過ぎたわね。許してくれるかしら? 私に免じて今回は引いてもらえるとありがたいわね。私も真那と一緒に戦うつもりだったんだけど、私達の目的はあくまであの子であって貴方ではない。だからごめんなさい。代わりに私が戦うわ」なんて言ってきて。それに

「お姉様は戦わせられないし、しょうがないかな。お姉様があの魔王を倒した後なら好きにすればいい」と言うと「ありがとう。真衣。助かるわ。でも無理しなくていいから危なかった時は下がっててね」なんて返してきたの。それに

「真央! お姉ちゃんが援護する! 私達が抑えている間に早く倒してきて!」なんて言われてしまって お姉様には魔王を倒して欲しいし、

「仕方ないか」私は小さくつぶやくと一気に飛びかかり、魔王の元へ向かおうとした瞬間 私は違和感を感じた。その感覚は以前にも覚えがあるもので。そう、まるで魔王が何かしようとしているようなそんな感じ。だから私は 私はその直感に従うと、お姉様の方に飛び退いたの その直後、お姉様がいた所を中心に地面に亀裂が入り そこから炎の柱が吹き出しました お姉様は私に飛びつかれる形で避けて お婆様は

「お姉様大丈夫!?」「あ、うん。大丈夫!ありがと!それよりもほら! 魔王を倒すチャンスだよ!」と言ってくれたけど、流石にあれに突っ込んでいけと言われても私には

「あ、あはは。流石の私もそれは難しいなぁ」と言ってしまうくらいに無茶な事を要求してきます 魔王はと言えばお婆様と私が離れた隙にお姉様に向かって剣を降り下ろしていた だけど

「お婆様。あそこ! さっき魔王が剣を降ったところの地面が盛り上がっています!注意して」と言うとすぐに魔王が剣を振り抜き終わった直後を狙った一撃を繰り出し、それと同時に私とお婆

「魔王! あんたが何をしようとしてるか分からないし興味もないわ!だけど!私達の大事な人を奪おうとする奴は絶対に! 絶対に!! 絶対に!! ゆるさーん!!!!」と叫んでいた。そして次の瞬間。地割れが起こり。大量の岩の槍と氷柱が発生し、魔王に直撃していた。そして魔王はそのまま氷柱の中に閉じ込めれ、完全に動きを止めている魔王を見て、これで終われると安心していたその時だった 氷柱の中の魔王の瞳の輝きが増した。そして 氷柱は粉々に砕け散り 氷の破片が私達に襲いかかってきました

「え?な、なに?なんなのよ!なんで!なんで壊れたはずの魔王がまだ動けてるの!?意味がわかんない!」そう叫びながら私はお姉様と真衣、真耶の元に駆け寄り三人で固まりました 私達は迫り来る攻撃に対して防ぐことも出来ず、このままだと死んでしまうと思い覚悟を決めた時

「おいお前ら伏せろ!!」という声と同時に巨大な光の玉が落ちてきて全ての攻撃を飲み込んだの 私達は呆気に取られていました。すると今度は上空から

「ちょっとそこのお兄さん! いきなり呼び出すんじゃないの! お陰で危うく巻き込まれるところだったじゃない!」という少女の声とともに巨大なドラゴンが現れてその

「あれは!まさか幻竜種か?! いや、違う?! 一体なんなんだあれは!」とお父様の声が響き渡り、皆が困惑していると再び

『まあまあ、落ち着きましょう皆さん。まずはその人を助けませんか?』と女性の穏やかな声が再び聞こえた 私はその声で正気に戻り、慌てて魔王がいる方向を見てみるとそこにはさっきまでの傷だらけのボロ雑巾の様な状態ではなくて。綺麗な状態の そして先程まで誰もいなかった場所に突如現れた女性がそこに佇んでいたの 女性はゆっくりとこちらを見ると

『初めまして皆さん。【迷宮都市】にて勇者をさせてもらっているリリィです。そしてこっちは私の

「え、何? ちょっと待ってください? リリィさん?って確か【迷宮学園】の理事長ですよね? という事は真衣達の先輩?」と混乱しながらも質問をするお姉様 お姉様の反応も納得の出来だった リリィさんといえば以前、魔王が真央と二人でいるところを真央の師匠が迎えに来たとき、一緒について行った事があるので知っていたのだが。その時はまだ今ほど大人っぽくはなかったのだ。ただそれでも凄い美人である事はわかっていた しかし今はどうだろう? 明らかに真

「あら?真奈さんではありませんか。その節は弟君と仲良くしてくれて有難うございます。ふふ。それで私達の関係ですか?それはもう。夫婦になる運命なのですが。どうかしたのでしょうか? それとそちらの美しい方。もしよろしければ、お名前をお聞きしても宜しいでしょうか?」

そう言いながら微笑みかけてきたリリィさんはお母様を見つめたあと真耶の顔を覗き込んでいた そうして一通り眺め終えたあとに真衣を見た途端に驚いた顔をして真衣をガン見したあと、真耶の方に視線を移すとその真耶を見つめながら目を細めて真耶の頭から足の先までを凝視した そういえば前にお母様

「ねぇ? 真央。お友達を作る上で一番大切な事は何だと思う?真央ならわかるかしら」なんて言われたことがあるのよね その時にお母様の事を思い出したのもあってつい言ってしまったんだっけ お母様にも内緒にしていることを言ってしまうくらいには私も動揺していたらしい。でも真央は私よりもっと焦っていて「お母さん!真央にも教えて! お願い! 何でもする! 真央が言うことを聞く! 真央の全てをあげるから!」と言っていた お兄さんの転移が終わり。俺は妹に手を貸すために、妹の手を取った瞬間。突然目の前に女の子が降ってきた。そして女の子は俺の方を

「まぁまぁ!あなた!よく見たら可愛い男の子じゃない!なんて美味しそうなの!? 」なんて言いながら飛びついて来て。それをどうにか避けた俺は妹に声をかけようと思って横を向いてみれば

「むぅ。避けられちゃった」なんて言っている女の人の頭を鷲掴んでいる姿が目に入ったので一瞬唖然としてしまうも とりあえず助ける為に声をかけることにした。ちなみにこの時も一応警戒しながら話しかける為に近づいたのだが、その警戒も無駄に終わることとなる。何故なら この女はいきなり後ろを向き俺

「えへへ。私ねー! こう見えて結構強くて。だから私に任せてくれれば大丈夫だよ!お兄ちゃん!お姉ちゃんをちゃんと守ってくれるでしょ?」

「もちろん!守るよ!真衣は私達の大事な家族だもん!」そう力強く言った後で私をぎゅっと抱きしめてくるお姉ちゃん。私はその暖かさを感じていると少し落ち着いた気がしたので離れようとするんだけど。

でも私が強く抱き締めていて離してくれないので、私は仕方なくそのままに

「あの!お姉様と話をしたいんですが!」と大人の女性のような声で誰かに言われ振り返ると さっきまではそこにいたはずなのに消えてしまった女の人がいて。私は少しだけ恐怖を覚えたけどお兄ちゃんが近くにいたおかげで怖くはなくって、私は少し震えているだけだった。だけどそんな事を思っていれば当然周りのみんなも同じ事を考えてしまう訳であって 特に魔王やあの男の人なんてかなり取り乱してしまっているようで、あの人達の会話から色々と大変な事が起こっていることが伺えるが。そんな中で一番落ち着いていた人は間違いなく彼女だろうと思った

(やっぱり魔王さんよりもこの子の方が遥かに怖いわ)なんて思っているとはつゆ知らず。真央は真衣を抱

「ちょっとそいつは誰なんだよ!」そんな怒鳴り声をあげながら真耶の方に向かってきた少年は真耶の前に立ちふさがるようにして立ったが。それとほぼ同時に真央から

「真央はお兄さんと一緒に真衣を守る! いいね!お姉様!」

私はそんな風に言って来た真央が頼もしく感じてしまい だから だから

「うん。私達は一緒にお姫様を助ける王子様になろう!」そう答えると真央は嬉しそうに笑い お姉様は何故か困ったように笑って。お婆様に至っては

「え?私達が王子様?流石に年が行き過ぎていないかな?私まだ17歳だし? それに私達の王子様って」そう言ったかと思うと何かを察してしまったのか急にお婆様の顔つきが変わった そして何かを言いかけると

『あはは。リリアーナ!流石にそれはないでしょう!』

突如現れた少女が苦笑をしながら声をかけてきて リリィさんと呼ばれた彼女は

『だって。魔王を倒す勇者召喚。私達にとっては嬉しい事ですが。これは本来あって良いものではありませんから。魔王といえど元は人の子ですし』と言ったの その言葉を聞いたお婆様が少女の顔をまじまじと見つめて

『なるほど。貴方でしたか』と言って リリィさんの横に並んだ

「えーと?私なにか変な事言いました?あ!まさか! あはは。その冗談。ちょっと面白いですねー」そういって頬っぺた掻きながら苦笑いしている 私はそこでようやく思い出した。確か魔王討伐のクエストに同行するのはリリィとリリアだった筈なのだが。まさかこんなところで会えるとは そしてここで会ったのならば是非伝えなければいけない事がある!私は急いで駆け寄ろうとしたのだが。私が近づくと同時にお父様

「貴様何者だ!」そう言って腰に下げていた剣を抜き放ち。リリィと呼ばれる少女に向け放った。

だがしかし お父様の剣が届く前にリリィは光

「あら。私としたことが。つい本性が出てしまったわ。いけない、いけない。気を付けないとね。それよりも

『リリィさん?で合っていますかね?リリィで構いません。それよりお久しぶりです。えぇ。そちらのお兄さんは真央さんと真衣さんでお間違い無いですか?』と 私達と初めて会った時の口調に戻って話しかけてくれたの 私達は慌てて「はい!」と返事をしてお礼を伝えるとお婆様が一歩進み出

『ごきげんよう、勇者様。それと魔王殿も。そして皆さま。私のことは気軽に

「リディアと呼んで頂けるとありがたいのですが」分かりましたリリア。私は魔王の妻であると共にあなたの母であります故、どうかお気になされずに。お好きにお呼び下さいませ」そう言って一際大きな魔力を放ったかと思うと突然 その場に居た全員が突然現れた豪華な椅子に座った女性に視線を集中させたかと思うとお婆様がその女性の肩に手を置いて口を開いた

「え?お母様?どういう事?」思わず呟いたお姉様に対してお母様

「まぁその。何と言うべきなのかしらね。つまり」そこまで言ってお姉様の頭をお爺様が撫でると

「私とこっちにいるリリアが【魔王】だ」そう答え お兄様が「え?じゃ、僕たちは勇者?」

魔王の娘が「え?え?お父様に?お母さん?え?え?どうなってんの?」なんて混乱していたのを見て私と真央が同時に「ふっ」「うっ」と吹き出したあとでお互いに顔を見合わせて微笑み合い 魔王の娘が私たちに気づくと、私に笑顔を向けた後にお兄様の手を取り「初めまして! お兄さん!お義理さん。私真衣!お姉ちゃんと一緒の お い て る!これからもよろしくお願いします!」そう元気よく挨拶をしてきた そしてその後ろから遅れてリリアさんが現れて、こちらを見ながら優しく笑う。そして私はリリスの姿を見て少し安心をした。そしてそれと同時にリリナの事も心配になる そういえばお婆様

『そうそう。真央様は今、何処かに旅に出られているそうで、今はおられないそうですよ。何でもこの世界を救おうとしているのだと聞き及んでいます。なのでその件でお話があるのなら。お会い出来ると思いますよ。今はリリナ

「え?真衣がこの世界に居る?」そう言ったの お兄様も知らなかったようで、目を丸くしていて、でもすぐにお姉様に

「そっか。それなら早く行かないと。きっと寂しがっているよ」そう言ったあとに「それで僕は誰の相手したら良いんだっけ」なんて言ったら リシアから怒られてた。私は少しお兄様が可愛そうになって

「え?それでは私は? 私はどちらに向かえばよろしいのでしょうか」そう聞いたのだけれど

『それはリリナに聞くしかないんじゃないかなー?なんて。だって、リリアの転移は、転移先がどこに飛ぶのかは

「私達はあなた方と同じ場所にはいけぬが。そなたらの旅に同行させてもらってもよいだろうか」

私達に頭を下げて頼み込んで来るお婆様。

私はその時、確かにお婆様なんだけど見た目が違う事や、いつもとは違う雰囲気。何より魔王の時とは違い威圧感が無いので困惑をしてしまう。するとその横から 魔王の妹、リリィさん

「えーと。それなら問題はないはず。そもそもこの子は私達の味方だから。私とお母さんにはあなた達を止める理由は無いし。ただ一つ問題があるとすれば

「この子はまだ子供でね。まぁそれもそうだよね。この子が生まれた時にはもう世界が崩壊しちゃってたわけだから。それでもこの子なりに色々頑張ってくれているんだけどね。そのおかげでリリナもなんとか生きている訳だし」とリリィさんの言葉を遮るように言うと

「ちょっとリリィ!?私は別に頑張るとかそういうつもりじゃないんだよ! ただ、ただ、お友達が沢山欲しかっただけで!」慌てるリリィ。

「ほぉ。それが理由で、今までは魔人族の領域にちょくちょく行っていたと」

お兄

「い、いいじゃん。私は人間族とも仲良くしたかったんだよ。私はリリアが大事だし、それに

『私に人間の知り合いがいても困らないだろう』とかって言い訳しないの。大体私をおいて他の人達に近づこうとするし、この間なんか私に内緒で勇者に会いに行ったらしいし、私がどれだけ不安になったと思ってるの?リリスやリリティアの事を頼んだって言ったのに!」

「そなたが私の側に居ればそんな事にはならなかったであろう。大体私とそなたは対等。故に私の行動は私が決めても問題はあるまい。むしろ私の勝手な行動をそなたが咎めるのはおかしいではないか。私達は互いに支え合うパートナーの筈である。それを」リリアは不満そうに頬っぺたを膨らませる。その様子はお世辞にも美しいとは言えないものであった。

リリリィはその頬っぺたを思いっきり両手の指で挟み込むように潰した

「むぎゅ!いふぁい!」

「あぁ。やっぱりお婆様もリリィもリリアもそっくりなんだ」お兄様の一言が胸に染みた。

私もついつい「そうですね。あぁそうですわね。お婆様の気持ちは分からなくもないかもしれません。それにリリィさんの言っている事ももっともでしょう。私がもしリリアさんの立場だったとしても、同じことを言っていたでしょうし。リリティアが魔王で無くなってからというもの。ずっと心がざわついていて、気が気では無かったですし。だからこそ私はリリアさんをリリリィと呼ぶことにしたのですし」と私と似たような事を口にしたリリィ そしてお兄様も

「そうだな。うん。確かにそうだね。僕もお爺様から聞いて驚いたし、今でもまだ実感できて無いけどさ。だけど。僕達がこうして生きてて良かったって思える事が本当にあったから、それだけは忘れないで欲しいって。リリリリアも多分そう思ってると思う」そう言い切ったお兄様。

お姉様も私達と同じように嬉しそうに微笑んで、それからお爺様に「お爺様。それでそのリリナは?」って質問した時にリリリアとリリィさんの表情が少し曇り、そしてリリアの方がゆっくりと口を開いた

「実はですね。その。あちらに」

リリアはそう言って右手を差し出す

「その手の中にいる。そうですね」そう言って微笑んでいる

「はい!そうなんです!えへへっ。あの時も凄く格好良く見えましたけど、改めて見てみたかったんです!あぁ!お姉ちゃん!これお人形!すごい可愛い!しかも動いてるぅう!」リリィさんはリリンさんを見て、すごく喜んでいたのだが、「ねぇねぇ?真衣がここに居るの?」と真央さんの言葉に、一瞬で表情

「あ、いえ。私も会っていないので分かりかねます」と言うと「えぇええ。リリナは一体どこに?」

「お母様。お母様なら分かるんじゃありませんか?」とリリアがリリアに聞くと

「分からない事も無いけれど、今の私はリリナではないのよ。そうね。リリリスが近いかもしれないかしら。まぁ。それはそうと。まずは私達の娘と息子に、私の娘を預けてくれたことに対して、深くお礼申し上げさせてください。ありがとうございました。リリナは今、幸せに暮らしていると思います。」リリアはそう言うと頭を下げるのであった お爺

「そうか。リリシアの奴は幸せか」そう言って笑うお爺様。「え?リリシア?お母さん?リリアナじゃなくて?」リリディアさんに聞き返す真央さん

『リリリナではなくリリシアルか?』

リリリナさんが「リリナで構いませんよ?えっと。あなたは確か魔王のお父さんのリリィさんですよね?」そう言うとリシアが

『そういえばお前たち親子がこの世界の出身だったことを忘れていた』なんて笑いながら言うものだから、私もリシアが魔王であることをすっかりと忘れてしまっていたのだけれども、お兄様は

「え?あれ?でも。この子が?リリナのお姉ちゃんなの?うそ。」なんて呟いていた

『そういえば真衣。この子は?リリシアの娘のリリリリアか?大きくなったな。そういえばこやつと私は似ているのか』

「お父様は確かにそう言われるとお顔が似ていますわ」リリシアがお父様の方を見つめてそう言った お婆

「それでリリナはどうしたのかしら? あなた達は何か知らないのですか?リリナの事はあなた達の方が良く知っているのではないかしら?」お婆様はお父様に向かって話す。私はお兄様と一緒にいたから知ってるし。お婆様は私が知る限りではお父様をとても尊敬していた。だから私と同じ様に、お兄様もお婆様はリリナの事が嫌いだと勝手に思っていたらしい。

でもお婆様はとても真剣に話していて。それどころか

『おい、リリィ。ちょっと代われ。そいつと話がしたい』

「あら。珍しいこともあるのね。そうね。私は少し席を外すことにするとするわ」そう言ったリリィさんが「それなら私も少し休憩するわね」と言い

「それでは、私は先にお風呂に入って来ようかな。それでは」リリティアはその場を離れた 私達はリリィさんの後ろ姿を見送りながら「それでは私達はこの子を連れて行きますので」そう言い残してリリアが消えた リリアとリリィは二人並んで座っている。

お婆様の向かいに座っていたリリィの隣のリリアの横に私は座り直している。

リリィがお婆様の横からこちらに来てくれたのだ。お婆様の隣にはリリィさんがいるし

「えーと、それならリリリアはどうしてお城に?」真琴くんのその質問にリリィさんは

「リリティアに頼んだのですよ。リリティアにリリアの事と私のお願いを伝えたの」そう言ったリリィ リリィの返答に

「んー。リリアさんはどうしてここにいるんだろ?」と疑問を素直にぶつけると リリィさんが私の耳元に顔を近づけ

「私にもはっきりとした事はわからないけど。きっとリリニアに聞いても答えは帰って来ないだろうね。だから私の方で探りを入れてみることにします」と小声で私だけに教えてくれたのである リリミアにお婆様が「そう。リリアは本当に幸せな生活を送っているのね」と嬉しそうにそう言っていた。

「お母様、それでその。このお城は大丈夫なのでしょうか?」私は心配だった

「安心して良いぞ?そなたの父様は私達の中でも特別だったのだ。その力は既に失われてはいるが、そなたにもしっかりと流れているであろう。故に問題はない。まぁ今はリリリスと一緒だが」そんな会話をしていたその時、部屋の外から誰かの声が大きく響き渡る

――そして次の瞬間には私とリリアさんの体は消え去っていた 突然の出来事であったが、不思議とは感じなかった

「これは、夢ですね」私は目の前に広がる景色を見ながら口にすると、隣にいる筈の少女の姿が無かったのだ。辺りを見るとやはり誰も居らず一人きりだった為か、恐怖心を抱き始めていた。そんな時に遠くから私を呼ぶような声を聞いたと思った矢先。私はまたも別の場所に

「ほぉ。なるほどな」私の耳にリリアさんの言葉が入ってきた 私の前にはリリアさんの背があった。リリアさんの正面には

『久しいなリリリ。そしてリリリィも。こうして再会できるなど夢のようだな。それにしても随分と面白い場所に来たものであるなぁ。ふふふっ。私も昔を思い出して、久々に楽しめそうであるなぁ』

そこにいたのはかつて世界の半分を支配していた伝説の大悪魔であるリリリアさん。その視線の先にいたのはその妹のリリアだった

「そうね。こうしてまた会えるのであれば、あちらの世界に行ってみるものいいかもしれませんね。あの時はリリリに負けてしまったのでリベンジがてらというのもあるのですが。あの時私はリリリを殺す事が出来ませんでしたから。ただ。その前にまずはあの子を」とリリアさんは言い切る前に、私の後ろに立っていたリリアさんと入れ替わるようにその場所に移動した。私はリリアさんに手を引かれ

「さっきまで私がいた場所にリリアさんがいってしまってますよね?って、え?なんで私が!?」と混乱気味に口を開いたらリ

「それは簡単ですわ。先程までは私がリリリと話をしていたからですわ。ですが。今のこの場所には私もいますし、リリシアも」リリリアがそう言って指差す方向に目をやるとそこにはリリィ様とリリリアと、それからもう二人の女の子。三人仲良く並んでいる姿に思わず笑みが溢れていると

「まぁそういうことで。あ、リリリアさん?はお母様とリリアが話していますから、私たちはあっちにいきましょう」と、そう言って歩き出した。そして、少し歩くとお城の中庭のようなところに辿り着く。そこでリリリちゃんは立ち止まり

「それで。あちらの世界にいかれた後に。あの方はどうされたのでしょう?」とリリシアが質問を口にしたのだが

「あぁあの方のことは残念ながら知りませんの。ですから私から言えることといえば。お父様の力は私よりも強い。そう思って頂ければよろしいのではないかと存じますわ」と微笑んでいるのだが、その微笑んでいるリリシアの瞳からは、どこか悲しみのようなものを感じ取れた。リリリちゃんはそれに気付いたようで、リリシアの方へ歩み寄ろうとするがリリリアによって止められ

「ごめんなさい。このお話はここまでで終わりにしましょうか」と微笑んでいる。でもそれは無理をしているように見えるのであった リリ

「さてと」リリィがそう呟くと一瞬だけ視界を暗転させる 暗闇の中でリリナの声だけが聞こえてきた

(あなたがこの世界を滅ぼそうとした本当の理由を知っているんですか?)

「もちろん知っているよ?」

「ねぇねぇお母さん?何でここに居るの?それとお父さんのことだけどね。私ね?お父さんに会いたいんだけどどこにいるのか知らない?え?会いたくない?お母さん?」

『我はお前をずっと見守ることにしてやった』

『私達姉妹をよろしくね』という言葉と共にリリナは消えたのであった。そして次に意識を取り戻した時には元の世界にいて、目の前にお爺さまとお婆様、そして妹とお兄様の顔

「あら、真琴君ったらもしかしたら私の事を好きになってくれたのかしら?」お婆様に言われて、慌てるお兄様。それを眺めながらお兄様のお膝の上に座る私、その様子を見て頬を赤く染めながら羨ましそうに見つめる真央さん、お兄様のお背中から顔を覗かせながらジト目で見ているお姉ちゃんと目が合い。なんだかおかしくなって笑い出す私。

私はリリィとしてお父様やお婆様にリリアやお父様の娘であるリリリさんのことを聞かれるのだけれど、 全てにおいて曖昧になってしまうのだ だって私はその話を聞いていただけだからね? 私が見ていたのは そうやって幸せそうに暮らしていた光景だけだったから

「リリティア。そなたは一体なにをしておるのじゃ。」と リリリさんが困っているとリリアさんが現れ

「リリアさん?その子は?私の知り合いの親戚の子としか分からないの。私はこの子が私の娘だとは思えないし。私の子だというのならきっともっと可愛い子になっている筈だから」なんて そんなやり取りを聞きながら私もリリリさんもお互いに苦笑いをするしかなかったの

「んー、それならば。とりあえずリリリと、リリリが知っているお友達さんと私で話し合いをしましょう」

「リリシアがそう決めたのなら構わないと思うのですよ」と、そんな

「お主達は少し黙れ!それでは今より緊急会議を行う」

「ん?リリリはお婆様の子供なんですよね?それなのにお祖母様の言うことを聞かないのですか?」

「確かにそうだな」

「お、おばあちゃま?」と動揺しながら言葉に詰まっているお婆様。私はリリリアさんのことが気になり。チラリと顔色を窺いながら様子を確認する。そしてお母様がお祖母様の前に立ち。その顔を両手を使って挟み込んで持ち上げ

「こら。リリアお嬢様。リリィの前で嘘はいけませーんだよ」と そのまま抱きしめていた。

そして「うー」と言いつつ、涙を浮かべながら、お母様を見上げていて。お母様はそれを嬉しそうに抱きかかえて

「お母様なんでしょ?」そう問いかけるのと同時に

「そう。私の娘」そう言ったリリリアは嬉しそうにしている。

「それならそれで良いじゃない。リリアさん。いえ、私達もリリリアさんと呼びますけど」そんな言葉を私に投げかける。私はそんな二人を見て思う。やっぱり私の考え過ぎでは無いだろうかと お母様とリリアお婆様が楽しそうに会話をしていたり、リリリアがお父様とお話ししている横で、私はお姉ちゃんの

「それで、その、真琴は?」と言う質問に私は答えられずに居た。するとお兄様が助け舟を出してくれ

「まぁ。リリリアが言っていたじゃないか。あいつはもうこの世にはいないんだろ?ってな」

「そんなこと分かってはいるのですよ。ただ私はお兄様が側にいて欲しいと」そこまで言ってお顔を真っ赤にする。私はそんな姿を見てお父様とリリアが同時に咳払いする

「えっと、私は。その」

「大丈夫、お姫様。私はあなたが誰と恋に落ちようと邪魔したりしないわ」

そんな言葉を聞いた私とリリリアはお互いが照れたような

「そなたが誰かに心奪われるなど許し難いことだが。まぁ今回は目を瞑ってやる。それよりも問題は」

リリアがリリリアを指差しながら

「あの子の事だろう?俺もあの子に聞きたい事があるから」と真剣な表情を 見せるお父様。

「そうよね。リリリが私達の味方になった理由は理解出来たとしても、あの子が私達に力を貸す理由が無いのよね」と私に同意を求めるように聞いてきた。その通りだった為 首を縦に振る私にお兄様が「そうなれば直接あの子と話してみるしかないか?」

と、言い出してしまうのである

「ちょっと待ちなさい」お父様の言葉に、

「リリアさん?あの方はいったい何をされているのでしょうか?」と、質問を投げかけて来た。

「あの子?あぁ。そういえばリリシアは会ったことなかったね。あの子は」そう言ってリリアは話を始める。その話を私は、ただ静かに聞いていた。それはとても懐かしい話で、私がまだ幼かった頃の話なのだ。リリリアの口から出てきたのは私が体験した出来事であり。私があの時聞いたリリアさんの声とリリアの想いがそこにはあり。私にはその話が嘘のように感じられなかった

「というわけで、あの方については今はこんなところですわ。何か他にご質問等ございますかしら?あるのであれば遠慮せずに仰られて下さいませ」という言葉でこの場は収まったが、「それでは次に、魔王についてご報告させて頂きますわ。こちらをご覧ください」そう言われ スクリーンが映し出されてそこに写されていたのは黒いマントを羽織っている少年の姿であった

「これが現魔王であるマコト殿なのですわ。そして先日も」と映像が流れ出すのだが、その内容はあまりにも衝撃的な内容であったのだ

――世界最強と呼ばれた者達でさえ太刀打ち出来ない存在が突如として現れてしまうとは。それもその力は全てを奪うものであり全てのものを殺し尽くせるであろうものであった。これは我々人類の敗北を意味するのではないかと危惧していた時に奇跡が起きたのだ。

そして私はこの国と、それから世界の秩序

「そうです。リリシアお姉ちゃん、私たちの住んでいた村を襲った奴らが。その男の人に殺されて。私たちはお兄ちゃんに助けられたんです。それにその人は私達を助けてくれただけではなく、お兄ちゃんが勇者様で、お姉ちゃんとリリィさんが聖女様に。そしてお兄ちゃんと旅をしてた仲間が三人で、その人と一緒にこの世界に帰ってきたんです!」

――と、いうことだった。

私はその時の映像を見ながら思ったのであった。

何故?どうして私が勇者に選ばれないの?私の方がずっと強かったのに。私のほうが強いはず。なのになぜ?お父様はリリリ様のお姿を見るなり、

「お前は何をしているのだ。」そう言うだけで 私に向かってくることはなかったのに そうやって考えているうちに目の前が明るくなって来て私は現実に引き戻されたのであった お父様とお婆様が

『娘に変なことを吹き込まないで貰えるか?』と言ったあと

「そうね、それなら、あなた達はこれからどうするつもりなのかしら?リリリ」と リリリに問う

「私はこのままここに残るつもりよ。でも一つお願いがあるの」

「あらあら、おねがいですか?」お母様はとても優しげに微笑み。リリリは頬を赤く染めて恥ずかしそうにしている

「その。もしよかったらのだけれど。私はここにしばらく留まりながらリリアとリリリの成長を待っていてもいいかな?と思っていたの。ダメかなお父様」そう言って、お父様の反応を待つリリリ、 するとお父様は少しの間だけ考えてから「いいだろう。お前は今までずっと頑張ってきたのだから。少しばかりゆっくりすると良い。ただ条件はある。それを聞いてもらえるか?」

「な、なんでしょう」そう言ったリリリアの顔に少しの恐怖

「まず一つ目は。あまり勝手な行動はしないようにする事だな。それから二つ目の条件としてリリアと仲良くして欲しいということなんだが?」「もちろんだよ!だってリリアとリリリアさんが一緒に来てくれるってことでしょう?」「リリィと真央と、そなたの姉にもよく言い聞かせておくが良いぞ」お母様とのお話を終わったリリリアは、そのまま部屋から出て行く。残された私にお母様が話しかけてくる。私はお母様がリリリアのことを気に入っているのに気づき 私はそんな光景を見ているしかできなかった お婆様は、お母様の事が大好きらしく。私や妹に対しても優しく接してくれる

「リリアと、リリアリが一緒に住んでくれても構わない」そう言った。私は、それを聞くと安心することが出来たのだった。そしてその後お父様はリリリアを連れてどこかへと消えてしまった。私はお父様の行動に驚いていたけど、お婆様は何も言わなかったので 私は何も言えずにいたの お婆様が少し疲れ気味だったので「少し休憩しませんか?」と言ってみると。「うむ。そうだな。お主達が居るおかげでだいぶ負担が減ったのは事実だからな。」そう言いつつも。リリリアの事はお母様に任せっきりで良いのか不安になっていたの。

お父様とお婆様は、二人で話し

「とりあえずお主に話しておきたいことがある」と言われ リリリのことを聞きたいとお婆様がお父様を呼び出していたので私は席を外すことにする。

リリリと真央がリリリの話をする間。私はお母様とお茶をすることにした

「それでリリィはリリリを気に入っていたみたいだけど。リリアとリリリは本当に姉妹なの?」そう聞かれる

「えぇ。リリアがお母様の妹さんの娘さんなのですよ。」

「そう。それであの子は元気なの?最近連絡が取れていないの」

「あの子?あぁ、リリアの事ですね。はい。元気でしたよ」私はリリリアの様子を思い浮かべながらそう言った。

私はそんな事をお話ししつつリリリのことが心配になるのだった。

「それじゃ、私も真緒ちゃんに会いに行ってくるねー」

「うん。また明日」と手を振ってくれたので私も振り替えしその場を離れようとする。しかしリリアが、その前に「真央。私もついて行っていい?」

「いいけど。リリアちゃんも真緒の所に行きたいんだったら。私は先に行ってくるけど」そう言って私は、二人を置いて歩き始める。そして真央は走って追いかけて来る。私は二人が見えなくなったところで、さっきリリリアと別れるまでの出来事を思い出す。

リリアと別れてから。リリリと真緒と別れた私は、そのままリリリの部屋に向かうと 部屋の前に着くと同時に

「リリリ」とお兄様の声が聞こえてきた。お兄様はそのまま中に入ろうとするのだが 私はお兄様が何かに引っかかって入れないで困っているように見えた

「あぁもう」と呟き、そのまま私を見て「ごめん。今扉を開けようと思ったんだけど」と言い。私もその言葉に驚き、そしてお兄様がそんなことをしなくても、普通に入ってしまえばよいと思いながらも リリアリがどんな顔をするのか見てみたくなっていた お兄様がリリアの手を引き

「ほぉらリリア、お姫様が来たぞ。おめかしして出迎えないと駄目だろう」と笑いながら

「ちょっ!お兄様!?いきなりなんてこと言ってるんですの?」そう言いながら、私の顔を見る

「リリリア。会いに来たわ」

私はそれだけ言い残して。そのまま部屋に入らずに帰ろうと振り返り。リリアリの方へ目をやるのだが リリスはその様子を見ると慌てて「ちがいますわ。私はまだ準備が出来ておりませんわ。もう少しお待ちくださいませ」と、私を静止させようとする。私はリリアの言葉を聞いてからすぐに引き返し その慌てぶりがとてもかわいかったため「わかったわ。ここで待っていてあげるわ」「わかりましたわ。すぐに戻りますわ。お兄様。リリィ様をお願い致します」と私に告げ

「はいはーい。任せておいてくださいよ」そうおっしゃったおにぃ様

「はぁ。仕方ありませんわ。参りましょう」と言うので 私はそのままリリアに引っ張られていくのであった。

そして現在にいたるのだが「それではお父様。私は一度城に戻るとしよう。何かあればこちらに連絡を入れるようにしてくれれば良い。それから勇者召喚の件だが」と、そう言うとお父様がリリリの顔を見る

「お父様は勇者について詳しいですの?その辺りの説明がまだなんですわ。」そう言い、リリアが説明を始めるのだが、その様子はまるで先生が生徒に教えているかのような姿であった。

「勇者とは、世界を救ったとされる方々であり。その勇者は【異世界】と呼ばれる場所から来ていると言われており、その力は非常に強力であると。」そう説明するリリアの目は真剣そのもの お母様が、「勇者とは、魔王を打ち倒し、世界を平和にするものです。魔王が復活したという知らせを受け。私は魔王の復活を阻止すべく動き出したのです。私はこの世界に残り魔王の動向を探ることに。そして勇者を探そうと、私達の国に来てくれるものが現れるまで私は待つ事にしたの」と

「その話は聞き及んでおりませんが?」とお父様が尋ねると

「私はお父様達に迷惑をかけたくなくて。」と リリリの瞳には、涙が溜まっていたの それを見たお父様が リリアに近づき

「私にもお前を、助けさせてくれないか?お前は私にとって大切な娘なのだ」と そう言われたリリリの目元が少し赤くなってしまう。私はそんな様子を見ていて胸が痛くなって来たの それから私は、そんな雰囲気の中 お兄様は「俺は俺でやりたい事があるんだ。だからお前達と一緒には行けねぇよ」と、そう言ったのだけれど。それは嘘だと私は思うの。

「私はお母様のように立派な人になりたいの」

私はお父様にお願いをした。「お父様お願いがあるの。私はどうしても真央の事が気になって気になって仕方なくて」とそう言い

「うむぅ。まぁお前の頼みならば。良いでしょう、真央のそばにいてあげなさい」と言ってくれたため 私はリリアにお願いをして一緒に

「ありがとうお父様!」と言い。そのまま走り出し真央の住む家に向かっていったのだけれど そこで私の頭の中に声が響いた 《マスター。緊急事態が発生しました。》

(わかっている)

『お久しぶりね。』突然のその言葉 私が困惑しているのを見ると。お姉様はそのあと

「あー、ごめんね?今は時間があんまりないのよ」

と、言われ。私は何が起こったのか聞くことが出来なかった。私は急いでその場から離れようとする。

しかし「リリィ!どうしましたの?」と。リリアに腕を掴まれてしまう。

「リリア。私はこれから真央のところに行く用事があって、それに貴方達はお父様が呼んだんじゃなかったのかしら?」

「私達は、リリィが気になっていただけですの」

そう言うと私の腕を掴み

「私はリリア。お友達が欲しかっただけなの。だから、だから!リリィ、あなたも私のおともだちになってもらえないかと思って、お誘いしたんですのよ?」そう言われると私は「はぁ、しょうがないですね。それじゃ、今日は真央の家に泊めてもらっても良いですか?それで許してもらえるのなら。」

そう言った後に

「ふぇ?いいけど。私も一人は寂しいのよ。あー、それとね。さっきの人はリリリのお母さんじゃないの」と、そう言われ

「え、えー!?あ、でもあの人と顔そっくりなんだもん!」って思ったことを口にしてしまう。だってあの人も綺麗だし。

そんな会話をしながら私は真央の元へ向かって行く

――そして私はまた違う場面に居るような気がした

――目の前にいる女の子が誰なのか分からなくなっていく感覚に陥る そこには一人の女性が居た ただそれだけで、ただそれだけなのに。

私はなぜかその子から目が離せなかった 真緒ちゃんとリリリアちゃんを先に行かせたあとに 私はお婆ちゃんの部屋に来ていたの。そして少しの間二人でお話をしていた

「それでお主は本当に良いのか?あの二人と一緒にいるよりこちらに来るということの意味が分かるかの」とそう聞かれる

「えぇ。分かってるつもりよ。私は二人の事を心の底から大切に思っている。だからこそ。私は、二人が幸せになれる選択を選んだ。それだけのことよ。」

私は、お婆ちゃんの顔を見ながら。しっかりと目を見て答える。

お婆ちゃんは、しばらくすると「なるほどの。お主にそこまでの決意があるのであればもう何も言わん。好きにせい」と言い

「ただし。これだけは忘れてはならぬ。必ず帰ってくるのじゃぞ。それが約束できるのならば、わしは何も言わん」そう言って、お茶を一口飲む 私はその後すぐにその場を離れてリリリの部屋に向かった 部屋に向かう途中で、

「おぉリリリ様、どちらに向かわれるのですかな?」と そう声をかけてきた人物。

「はい。リリア様をお迎えに」

そう返すとその男性は私を睨んでくる

「しかし、リリア様は先ほど真央さまと共に行かれたではないですか。」

そう言って来るその男性に対して、私は「お母様と話をしていたのですわ。お爺様から許可を頂いておりますわ。私は真央様を信頼しておりますわ。もちろん。お母様からも、ですが。それよりもあなたは何か御用でいらっしゃいますでしょうか?」と そう尋ねるとお爺

「はい。私めがご案内します。ついてきてくださいませ」

私はお爺さんの後についていきながら考える お父様からはリリリの側に付いてやって欲しいと言われたのよね。って言う事は私はリリリの側から離れることは出来ない リリリのお祖父様は勇者に詳しいみたいだったし、お父様は信用してるようだったけど。それでもやっぱり私はリリリの近くには行ってはいけないと思うの 私のせいでリリリが危険な目に合ってしまうかもしれないって考えた時に。

怖くなった。リリリを守ることが出来なくなってしまうんじゃないかって。もしリリリがいなくなってしまったら きっと耐えられない。

そう考えていると、リリリはこちらを振り返り、「どうされました?リリア。やはり私と居るのはつまらないのでは」と言われて 私は首を横に振り

「そんなことありませんわ。私とても楽しいですわ」と言うと お姫様らしい表情になり「ではなぜそんなに悲しそうな顔をしていたのでしょう?」と尋ねてくる。その問いに答えようと思っていると。リリリの視線が私の背後に注がれている事に気が付く

「お母様っ!私を出迎えに来られたのですね」と嬉しそうにリリリはお母様に飛びついた そしてそのままリリリを抱きかかえたお母様

「えぇ。貴女がどこに行こうとしているのか気になってしまいましてね。私はいつも通り城で待っております。勇者の件は任せなさい。お父様の方はお兄様が何とかしてくれることでしょう」とおっしゃり

「お兄様のことは心配していないですわ。それより勇者様ですわ。勇者様について知りたいことがあるのですが教えていただけませんかしら?」

とお母様に尋ねた

「勇者についてですか?私は勇者について詳しくはないのですが、この国の書物では勇者とは【世界最難関】と言われる【迷宮都】の最奥部にある【魔王の宝物庫】の宝を手に入れ、そこから得た能力を使って世界を救うものだと言われており」と そう説明を始めた リリリはその説明に満足できないらしく。もっと詳しく

「【世界最高難易度】とまで言われたダンジョンを踏破したのよ?しかも一人で。それも勇者として選ばれた理由がそこにあったのでしょう?」とおっしゃられるが

「私はそういった文献などを読んだわけではありませんので」とお父様と同じような回答をするお母様であった それを聞いて少し不満そうに頬を膨らすリリリであったのだが、急に思い出したようにリリリが私に聞いてきたの。それは

「ねぇ?真央がこの世界で勇者なんですの?」と。

お姉様が「それに関してはまだわからないのよ」とそう答えると。

「でも私達の世界の人なの。間違いないわ。私の愛した人が」と言い切ってしまうの それを聞いたお姉様が

「リリア。どうしてわかるのかしら?」

私はそれについては黙っていた。でも、なんと言えばいいか困ってしまう。私が知っていることなんて何も無いのだもの リリリもそれ以上は聞かないでいてくれたので助かったのだけれど。リリリの部屋に着いてしまえばそんなこと考えることも出来なかった。だって、目の前にはお

「リリリ!!久しぶり!お邪魔してるわよ!」

リリリアちゃんのお母さんであるルミさんと、もう一人の女性の方に私は挨拶をして。自己紹介をしたあとに、真央の話になる そこでリリリちゃんのお母さんは、

「真央は今、王城の方に居るはずだけど?どうするつもりなのかしらん?まぁあんたが決めたことだ。止めはしないさね。だがあいつが本当に真央のことを好きだっていうならあんた達二人は、覚悟を決めるんだよ。これからあんたらの世界に帰ればもう会えなくなるんだから」

と。私は、その時に改めて感じてしまった。

私が帰る場所はここでは無いことを。

「リリリ!リリア!あんた達は先に寝ちまいな!後は私達が話してるから」と。リリリちゃんのお姉ちゃんらしき方がそう言ってくれたので 私たちはそれに甘えることにして、おやすみなさいと言って、私達は眠りについたの。

次の日は、私は真央に呼ばれたため、

「あ!ちょっとお花摘みに行ってきます」と言い残し。私は部屋を出た。お姉ちゃんと一緒に。

お父様とお兄様が待っている部屋に向かい、扉を開くとそこにはすでにお父様とお兄様の姿があった。どうやら話は始まっているようだ。私は少し離れたところに座っていた。

「あの娘はお前にとって何なのだ?リリアよ」

私はお父様の言葉に、素直に答えて良い物かどうか悩んでいたが。隠す必要が無いと思ったので

「私はあの娘の事を愛しています。あの子が幸せなれる道を選んでくれた事を私は本当に嬉しいと感じております。しかし、そのせいであの子を失うことになったとしても、私は後悔することはないでしょう。私は、あの子の事が大好きなのです。だから、リリリが私に助けを求めてきてくれるまでは、何も致しますつもりはありません。リリリに助けて欲しいと言われた時私は何をするかは分かりません」

私ははっきりとそう言った。そう言う風に宣言したんだ。だけど、お

「お主は、自分がどうなっても良いと思っていおるようじゃが、わしはそう思ってはおらぬぞ。あの二人を助けようとするのはかまわん。お主の考えに口をはさまぬ」とおっしゃった。そして

「お主はこの先、二人に付いて行ってやるつもりは無いのじゃろ?わしはそれについても何も言わん。好きにせよ。だが、二人を守り抜くことが出来るのであろうか?」

私は、その時のおじ様の瞳を見て。嘘を言えなかった。だから正直に伝える事にしたの。リリリの側にいることはできないって。すると

「うむ。それがよかろう。ならばお主に頼みたい事がある」

「はい。どのような事でございましょうか」

「わしの知人を訪ねてもらいたい」とおっしゃり。その方の名前は教えて下さらなかった。ただその方は私達に良くしてくださるとおっしゃって下さいました。

その日の夜。リリリの部屋に向かったお爺様はリリリとリリアの三人で話し合いをしたそうです。私はその会話の内容は分からないのですけど、お爺様の口から、お二人の決意を伝えられたのです 私はお婆様に呼び出されました。そして私を待っていたお母様と共にある部屋へと案内されたのです その部屋はお母様のお部屋であり。お母様の私室だった。

その部屋に入った瞬間、お母

「お母様」

私は、リリリの母親であるルミが私を呼んだ意味に気が付き、リリリの母であるルミの元へ向おうとしたのだが、それを止めたのはルミであった そしてルミは私に向かって言う

「私はね?貴女の事を大切に思っているわ。でもね、だからこそ貴女とリリの仲を裂く事になってしまうと分かっていても。それでも私は貴女に頼らなければならないのよ」とおっしゃられた。

そしてお母様もまた、

「私とお母様がリリリを守る為に貴方に託さなければならない事はわかって頂けたかと思います。お願いしますね。リリアさん。私は娘を守るために最善の方法を取るつもりです。どうか、お願いできませんでしょうか?」と。

そこまで言われてしまうと断る事はできないのですよね

「はい。分かりました。私が出来る限り力になれるよう頑張ります」と言った後私はこう思ったのです。なぜこのタイミングなのだろう お母様からの話を聞いた数日後の事である。俺は今王城に来ていて国王から勇者として任命された後で勇者についての細かい説明を受けることになっている。そして俺は王城内にある一室に通されていた。その部屋のソファーの上で俺と姫宮は並んで座っており。テーブルを挟んで向かい側には勇者任命の立会い人と国王がいるという状況だ。

「さて勇者よ。勇者とは何か知っているかね」いきなり王様からそんなことを

「魔王を倒し世界を平和に導く者でございますか?」と。そう言ってやったぜみたいな顔していたんだけど。そしたらいきなり「勇者よ。お主は何も知らないのだな。この世界の魔王について知っていることを述べなさい」と そう言われるので俺は素直に従うことにし

「はい。私が知 りうる範囲でよろしければ。私の世界では魔王と言うものは存在していないのです。私が知っている限りですと魔王と呼ばれるような魔獣は存在しておりません」と言っておくことにした。まぁ、これくらいなら別に構わないと思うし。これでこの話が終わるのであれば楽なんだけれど しかし。「なるほど、では勇者についての説明を始めさせてもらうとする。勇者についての知識を持っていればこの世界の住人ではないので説明を聞いてもらう必要はないのだが。その前に一つ質問がある」

はい。何かよくわかりませんがどうぞどうぞ?

「その服はどこのものだ?お主の故郷の国でも同じものを?」

はい?まぁそりゃぁ確かにこっちで着てる物は地球の文明が進歩した結果なので同じものがありますが まぁそれはそれとして、

「は、はぁ。えぇ、一応、日本と言う国のものですが。まぁ私にその知識が間違ってる可能性の方が大きいとは思いますがね。で?その服が一体?それに今の話と勇者にどんな関係が?」とりあえず、話の流れがよく分からなかったので。そんな風に聞いてみた

「お主に聞きたかったのはそのことなのだ。この世界で生まれ育った人間はその服装など見たこともない」と な、何?じゃあその勇者の召喚とか言う奴はどうやってやってるんだ!?と突っ込みを入れそうになってしまった だがそんな言葉は飲み込んで「そうですか。しかし、私が知る限り、こちらの世界の衣服も私の世界のそれとほとんど変わりないように思えるんですが」と答えてみることにした。そう言えば

「お主のいう、こちらの世界という物が地球で無いことはわかったが、お主はどの辺りの話を言っているのだ?」

んー?あれ?おかしいぞ? 何となくで答えてしまったんだが。どうも変

「お主な、自分の生まれた星のことをこちらの世界と言っているのか?それはおかしくはないかい?こちらの星というのは我々の住んでいるこの場所。つまりこの世界に他ならない」と言われてしまって。そこで俺にはピンと来てしまったのだ。まさか!と思いつつも、

「はい?まぁ確かに仰られてみればそうなのかもしれませんが。私はそもそも、ここへ来るまでに異世界に来たという認識が曖昧だったので」と言いつつ「あの、ちなみに私はどういった経緯でここに呼ばれてきたんですか?もしやとは思うのですが、その私が居た所から別の誰かを連れてきた、ということはありませんよね?例えばあなた達では無い人間が私達のようにこちらの世界に呼ばれる、なんてことが起きている。もしくは起きていた、といった話をお伺いできたらなと思っているのですが」

と言ってしまった。正直に言おう。これはもう間違いないと踏んでいるんだ。だって、もしもそうじゃなかったとしたら、まず最初に俺に対して

『お前は何を知っている?』と問いかけてくるのが普通じゃないだろうか?そして俺はそれを肯定した。その時点で向こうが探ろうとしていることを、隠しているんだ。

しかし相手はそれを追及してくることもなく、

「そうか。ふむ、そうだな。その通りだと認めざるを得ないようだ」

何やらぶつくさと言い始めた。どうやら本当に、俺が元居た場所から来たわけでは無い、ということらしい

「さて。勇者殿。お主が知り得る勇者に関する情報はここまでで十分だろう。次に我々がお主に問いただし、お主に知っておいて欲しいことについて話す事にしよう。お主にこれからしてもらう仕事についてもな。しかしここで一つ問題がある。それは勇者である君をこのまま城に留め置いても良いのかということだ」

ん?どういう事だろな?

「あの、私はこの国の民でもなければ王族でも無いんですよ。私に何かあった時責任が取れない。って言うんでしょうけど。大丈夫ですよ。俺はそう言うの気にしない性質ですから」そう言ったんだ。そう言ったのは嘘偽りのない本心だったんだが

「い、いや、そういう問題ではなく」と焦ったように国王が言う いや、なんで焦る必要があるんだろう?って思っちゃうよ

「いえ、本当に気にする必要ないですから。むしろ私を信頼して貰えるのであれば、出来る限り期待に応えたいとも考えています。だから私は私なりに与えられた責務を果たすべく努力するつもりです」と言った後に、ちょっと真面目になり過ぎて堅苦しい感じにしてしまったと思ったのだけど なんか俺に視線が集中していて「うん。いいんでないかな?」なんて事を考えてたら

「うむ。分かった。そこまでお主自身が申すのであるならば信じぬ訳にもいくまい」そう言う王様の言葉を聞いた後に俺と勇者についての話し合いが始まった 勇者ってなにをすれば良いんでしょうか?と訪ねてみると、王様が、

「さて。お主はこの世界に来て何をしたいと考えた?」と聞かれた

「私は、私達の住むこの世界について何も知らない状態なので。出来ればその事を知りたいとは思っています」と答えた。そうしたら王様は

「ではその役目をお主に頼むことにするか。この国は広い。その全てを回りきれるとは限らぬ。だがお主にはこの国に散らばる国々を巡りながら情報を集めてもらいたいと考えている。もちろん危険もあるかもしれないからその点に関しては気を付けて欲しいところではあるのだがね」と言ってくれた それからしばらくの間俺は城に留まる事になったのだったのだが。リリアさんからは俺への依頼である、魔王討伐の為の旅に出て欲しいと言われるのだがそれはまた後の話しで という事で。俺は今リリアさんと共に【迷宮都】と呼ばれる国の中心に位置する街へと向かっていたのである 道中リリアさんに勇者についての簡単なレクチャーをしてもらったのである 曰く、「勇者と言うのは元々魔王を倒す為に異世界の人間を召喚し戦わせるものなんだよ。私もその話を聞いたときは驚きを隠せなかったけれど。今は納得できているよ。そう言うことなら仕方がない、と思って」と言っていた。そして勇者として召喚された人達はその召喚に応じてくれる代わりに魔王の情報を勇者に提供する、と言うことになっているみたいだ。そして、今回勇者が呼び出されることになったのは数百年に一度起こるかどうか分からない事のようで、その周期で世界が危機に晒されているという。その為勇者として呼ばれた人間は世界の為に尽力することが義務付けられるという。そして今回の呼び出しによって召喚されたのは姫宮 真央ちゃんと、真衣ちゃ、ん いや待って?え?な、なんで!?真央ちゃんと、真央姉!?どうして二人までこっちの世界に来てるの?それになんで?姉妹そろって?と、思わず疑問が口をついて出そうになったけれど、俺は必死にその気持ちを抑えつけた

「お主?勇者殿?聞いているのかね?」と声をかけられたので「あぁすみません。少しボーッとしてしまっていました。少し考えることがあったもので。で、その話というのが?」と俺は慌てて誤魔化した。王様の方を見てみたのだが、彼は苦笑した後で、話を続けてもいいよ?と言ってきた どうやら俺の考えていることまでは読み切れていなかったようである 俺は、この世界の勇者

「では勇者様は私のことを覚えていないと言うことで良いんですね?――いえっ!責めている訳ではないんですが!そうですか」と

「はい。覚えておりません。ですがお力になれず申し訳ありません」と頭を下げておくことにしておくことにした まぁそんな風に謝りつつ内心で思うことは やっぱりこうなるんじゃないかと思っていたんだけどさ?とそんな感じであったのだがそんなことを考えながらも話は続いていたのだった そしてその話をしていくうちにわかったのだが、

「お爺さまのお話では私がこの世界に来た時にはすでにこの国の勇者は既にいなくなっていたとのことなのです。しかしそれでも魔王が現れた際にはその力が発現し世界を救うことになると言われているようなのですが」そう言って困ったような顔をしていた。

そこでふと思うところがあって。それじゃぁ今までの俺たちは何をしていたんだ?と思ったんだけどまぁそれはさておきで、

「なるほど。それであれば、私がその任を引き継ぐ形で構わないのですね?」と言えば、王様の眉毛がピクッとしたんだよね、その後、俺の方に目線を寄越すとにっこりと笑って見せてくれたんだが

「あはは。いやー!君のような若い子が居てくれて助かるよ。僕としてはぜひこの任務を任せられるのは君だけだと確信していたんだ!うん!君は本当に素晴らしい!」なんて言葉を聞いて あーこれは絶対俺に面倒なことを押し付けられる流れだよな。と思いつつ「あ、あはは。そ、そうですか。い、一応確認しますけど私はどんな風に行動すればよいんですか?というか勇者が不在となった時のこの世界の勇者の役割は一体誰が引き継ぐんですか?そもそもこの国の王は誰になるんですか?と言うよりもこの国の名前はなんて言うんです??それと私は一体何処に向かえばよろしいんですか?そして何故私なのですか??そして最後にお答えいただきたいのですが私のステータスってどうなっているんですか?」なんてことを言い放ってしまった

「うーん、質問が多すぎて答えようもないのだけれど」と言いつつも答えようとしてくれてはいたのだけど、

「勇者よ。お前に問うぞ。まず、この国の王にはなれるのか?と言うことだな」

「はい」と俺が答えるとその横に立っている女性が「あの!勇者様がこの方々の王になってくださるんですか?」と俺に詰め寄るようにしながら言ってきたので

「あの、その方はどちら様でしょうか?あと近いですよ。もう少し離れてください。」とお願いをしたのだけど、彼女はハッと気が付き、恥ずかしそうに離れて「ご、御免なさい。わ、私ったら、こんなにも取り乱してしまうなんて」なんて事を言っていたのだけど、俺の視線に気付いた後でこちらをチラっと見て来て

「私、王妃やってます。リリアナと申します。お見知り置きを。それで、先程の問いですけど。どうなんでしょう?私達は皆あなたに期待しています。どうか、あなたの口から聞きたいのです。もしダメだとしたら私はどうすればいいの?私達」とリリアさんが尋ねてきたので その問に対して「分かりました。やってみましょう。でもまだどういった方針にするかも定まってないのでその件に関しては後日ということで」そう言う

「うむ、では勇者よ。まずは、その、だな。すまないがステータスを開示してくれるだろうか? それによって勇者が勇者たる所以の力を有しているのであれば、お主はもうその役割を終えることができる」と、言われたので「えぇ解かりました。私としてもこの勇者と言う立場は辞退することが出来れば一番良いと考えていますのでよく調べて貰うことにしましょう」と答え、自分の前に手を伸ばすようにしてステータスを開こうとする動作を行ったのだ

すると目の前に現れた画面から名前:マリアベル(真央)レベル

:99/∞体力

/無限 筋力:測定不能

敏捷力/9999兆9900億 魔力 /計測不可 精神耐久力:1兆8800京6300万5500 幸運度 /9999億 98500000スキル一覧表示(未開放のため非表示中)

:【剣技極致化Lv10 】

『剣術極み』

:【体術神化Lv10】

『拳闘神域』

:【武眼神の加護Lv10】

「「「!?」」」その場の全員が驚いた表情を見せていたのである ちなみにこの時俺は「あれ?これってチート過ぎるのかな?」と不安になった。

なぜなら俺はゲームの中では最強の部類に入るプレイヤーだったからだ 俺は、このゲームに出会ってからは毎日寝る間を惜しんでやり続けていたのでゲーム内の最強クラスの強さを手に入れた。だが俺が今手にしている力はそれよりも遥かに高いレベルではあるのだけど、この世界の人達のレベルを考えればその強さは異常なのだろうと理解できた だから、俺自身でさえもちょっとこのステータスっておかしいんじゃ無いか?と思ってしまう程なのだが いやだって俺この世界に来たばかりでしょ?なんで既に上限に達してるの??

「おい。なんだそのふざけた能力は!何が勇者だ。化け物ではないか」

とリリアさんの側にいる女性から声が上がった。

「えっ!?俺、今そんなに強い数値なの?っていうより、俺が今持っている力の方が異常じゃないの?」と思わず俺は疑問を口に出してしまっていた。それに対して「確かにその数値が事実なら君にその役目を託す事も可能かもしれん。しかし、君の今の数値をみて誰もが勇者であると言う認識を持つ事は無いだろう。勇者というのはもっと高尚なもののはずだ! 勇者は人々を救う英雄の筈だ!それならば、この世界に君しか存在できない勇者を、そんな数値に頼った勇者を果たして勇者と呼んで良いものなのかね? それに勇者召喚とは勇者召喚に応じた人間に強大な力を授ける儀式でもあるはずなのだが。君の持つ能力を見る限りではその力の一端が発現してさえいないように見える。

それどころか君はどうやってそれだけの能力を入手したんだ? それに、君は一体どこの出身だというのかね?見たところ日本人のように思えるが。いやそもそも勇者としてこの国に来てくれると言ったのにも関わらず勇者の責務を放棄するなどと口にする時点で何かがおかしくないかね?それはつまり魔王と対峙する事を恐れ逃げ出そうと言っているようなものでは無いのかい?」と 言われてしまったのだった。だがしかしそれでも「はいそうですね。わかりました。お爺様のおっしゃる通りこの世界に来てすぐに勇者という肩書きを放棄して逃げるというのも無責任過ぎますよね?それこそ俺は最低最悪のクソ野郎になってしまいかねません。俺は、自分がやりたいことを貫き通す為にここに来ていたのであって勇者になりたいが為ではなかったのですから。俺の望みは自分の目的の為に自由に行動できる権利が欲しいだけなのです。俺はその為に勇者になることを選びはしましたが。それ以外の事は正直言って面倒臭いしやりたくないのですが。ですがそう言ってはいられない状況になってきてしまってはいますしね」そう言って王様の方を見ると彼は少し悲しそうな顔をしていたのだが、次の瞬間

「ふぅ。そうだな。そういえばこの場にいる者たちはまだ知らなかったか?勇者がこの世界で勇者として在れる時間は限られておったことを」と言った後に続けて

「実はな?ここにおるのは勇者の中でも歴代最高の逸材なのじゃ。この世界に来るまでの経緯までは把握出来ていないのだがな? しかしじゃ。こ奴のステータスを見てみるが良い。これが本当に今の勇者なのであれば、歴代の勇者など比べるまでも無い。そう言い切れてしまうほどの才能を持っておるのだよ。

そして、その才覚故に我が孫の代にてこの国は滅亡するであろうと覚悟を決めていた。だからこそこの国の王の座については他の候補者たちには任せるわけには行かなかったのだよ。

まぁそれはそれとして、お前たちが勇者と呼ぶものが本当にこの国にとって必要で、魔王を倒す事が出来るだけの存在であるのかどうかは私が判断させてもらう」と真剣な面持ちになって言う それを聞き俺と国王は顔を見合わせて苦笑いをした後で「分かりました。では私が王となって良いという事でよろしいでしょうか?」と聞くと「ああ。それで頼む」と言われたのであった そうして、色々と話をしていく中で、まず最初に俺自身がどのような行動を取りどのように動いていきたいのか?という希望を伝えた。その際にもやはり一番の問題となっているのが俺の能力についてだったのだが、そこは仕方ないのでとりあえず隠しつつ、出来る範囲で説明した。

「うーむ。どうやら本気のようだし。その願いは叶えてやらんこともないんだが、さすがにこの世界の現状を知らずに任せられるような話ではないからのぅ」と言いながらも最終的には俺の提案を飲むと言ってくれたのだけれども、「では勇者殿には早速旅に出てもらいましょう」と突然リリアさんから提案されたのである。

そこで改めて詳しい内容の説明を受けて俺は【迷宮都市ラクルス】に向かって移動を開始することにした。

ラクルスに到着した俺は、まず街にある宿を確保してから情報収集を始めることにしたんだけど、宿屋の女将さんの口利きで商人をしている人から武器や防具、道具屋などの場所を教えてもらった。その後で冒険者ギルドの場所についても確認が出来たのだが

「ねぇ、あんた。もしかして、もしかすると、もしかするとさ?あの『剣豪』とか、『武闘姫』なんて呼ばれたりしている『ラクルス』の勇者様じゃない?」

なんて、唐突に声をかけられた 俺は「そう呼ばれていることに関しては否定するつもりは無いけど。でも俺に声を掛けて来たのってなんで??」

と、尋ねてみたら「やっぱり!!うわ〜マジかよぉ。なんでそんな大物がこんなとこまできてんのよ」と言われてしまった。

そんなこんなで会話が続いていった結果。この街で起こっている問題。その1つ、盗賊が活発化しているのが大きな問題になっており困っているということだった。俺は

「なに!? それは、許せん。そんなことが許される訳がない! 分かった、俺がなんとかしよう。ただ、その問題を解決するには時間がかかるかもしれない。その間この宿に居てくれると助かる」と伝えると「お客さんが来てくれたことは嬉しいのだけど、あまり大っぴらに出来ないんですよね。私達がやってる事を知られちゃうと、せっかく集まってくれている人達にも迷惑がかかることになっちゃうんです。ごめんなさい。お気持ちはありがたいのですが」と断られた だが、そこで諦めない俺。

「よし、なら。今、俺の手元にある素材で何かを作れないか聞いてくれないか?それが報酬ということでどうかな?」と言うと

「えっ?もしかしてあなたって鍛冶職人さんですか?」って聞かれたので

「いや、違うよ。どちらかと言うと生産系スキルに関してはレベル上げをしてない状態だから何もできないけど」と答えた

「あ、そっか。私って勝手に思い込んでたから勘違いしてました。そうですよね。うん、わかった!あなたがどんな人であれ、私は信じる。だってあなたからは優しい雰囲気が溢れてるから。だから信じようと思います!」と言うのだった 俺はこの時初めて女性から『優しそう』だの『温かい』などといった言葉を掛けられ、少し感動してしまった それから、俺は、その人の手伝いをしながらその人に教えを乞い、剣を鍛え上げることが出来たのである そんなこんながあって数日が経過した後

「お客さま!お待ちしておりました。こちらが今回、当店より提供する最高級武具となります。またお時間のある時に、私の元に来て下さいね?」と頼まれ 俺自身も久しぶりに良い物を作ることができた。この

「ふぇ?」(↑変な声)

ってなってるのはリリアさんのステータス表示を見てしまったからだ。彼女は俺のことを『天才』だと褒めてくれたんだけど

【名前】:リリィア=レリウス(16歳女)

職業:魔法剣士(勇者Lv5)Lv8

HP:2600万/6500(600000)

MP

:50000000

(50000×10000×100×2倍

魔力量:測定不可

攻撃力:2000+2500

耐久力:1540万

精神力:4400

魔力 :計測不可

敏捷力:

「ちょっと待ったぁ! なんなの?? どういう事なの??? これ俺、絶対におかしいから!普通じゃないのわかってるから!だから!俺、ちょっと自分の事、調べてくるから、もういいかな!?俺がおかしい事だけは分かったから!あと!俺に勇者を名乗らせないようにしてくれるのは有難い! っていうか、俺が自分で勇者を名乗るつもりが無いっていうのを良く理解してくれていて感謝してる!でも、俺はこの世界での役目を放棄はしてないんだ! っていうことで俺はしばらく留守にするんでよろしくお願いします!!」

そして俺は急いでその場を離れた。そしてすぐにステータスを確認した。その結果。この数値

「俺、絶対ヤバイ奴になっちまった」

【称号一覧】

異世界からの迷い人 転移してきた勇者 神々の祝福 【特殊設定】女神のお気に入り 神の寵愛を受けた者 LUC値MAX LUC数値化 幸運の神が認めたもの 創造主の祝福 【ユニーク】

女神からのプレゼントボックス 【詳細】

勇者が持っている力 女神の加護 経験値増加 成長速度UP LUC補正

「なんか凄いことになってる」

とりあえず今は、落ち着いて、考える時間を貰おう。そして冷静になろう。俺は、一旦宿に戻ることにした。宿に戻り、荷物をまとめた。それから街に出て食料を買って宿に

「お世話になりました」と言い残し俺は旅立つことにした 俺の今の現状を把握しなければならないし 俺自身何が出来て何をすべきなのかを 見定めなければいけないと思ったのだ

「はい。わかりました」と宿屋の主人に伝えて俺の新たな旅は幕を開けた まずは、情報集めをしなければならないのだが。まずはこの街の近くにある山に向かった

「とりあえずはここから始めないといけないんだよな」

「ふむ。なにか言いましたかお兄さん」と背後の方でいきなり話しかけられて驚いてしまう俺 そこにはフードを被った女の子がいた 俺はすぐに戦闘体勢に入る為に腰の辺りに手を持って行く。そこでようやく気付いたのであるが

――俺は刀を持っている事に気が付いたのだった この子。どこかで

「お前は一体誰なんだ?」と俺は聞くのだが

「ん〜。それを聞いてどうするのかなおにいさん?」と聞き返されてしまったので、取り敢えず「俺はお前の事を知らない。だから警戒しているだけだ。悪いがそこをどく気がないのであれば実力行使させてもらっても構わないぞ?」

と警告をした。すると少女はクスッと笑い。「やっぱり君は強いね」なんてことを言った後で、「そうだよ。私は勇者の一人で君が探してるリディアだよ」と名乗った。だが俺はそれを信用できず「どうしてここにいるんだ」と言うと

「そりゃあ。君のことが心配だったからだもん!当然でしょう。だって私が居ないとまともに食事が取れないじゃん。それに私が守ってあげないと、君なんてあっという間に死んじゃいそうだからね。私が居て良かったね。うん」と自信満々に言うのであった その発言を聞き、俺の中でこの子はやはり敵であると確信を得たのである なぜなら俺はこいつが俺に対して敵対行動を取れる立場に居るとは思えないし。それどころか俺の側に常に寄り添っていてくれた方が色々と安全だと思うのだ

「ははははは。面白い冗談を言うじゃないか。じゃあお前の事は殺さないでいてやるよ。だけどさ、なんでこんなところにいるんだ?」と聞いた 俺の質問に対し「うーん。やっぱりまだ、君と話すことはできなさそうなんだ。だから私に勝てたら答えを聞かせてもらうね」と言った瞬間に俺は間合いを詰められる。そこからの戦闘で何度も剣を交えるが俺はリディアの強さがわからないまま、結局負けてしまう。そんな感じで俺はずっと戦い続けながら、話をした リ「私と互角だなんて、君も中々やるようになったねぇ」

ラ「当たり前だろ?伊達にこの世界に呼ばれたわけじゃないからな。で、本題に入りたいんだけど、俺を騙そうとしてるなら今すぐ止めてくれ。じゃないと、俺の大切な仲間が黙ってないと思うぜ?」

リ「そうかもねぇ。で、なんで私の正体について探りを入れてきたのかな?」

「だから本音をぶつけに来た。で、お前の本当の正体はなんだ?勇者なのは知ってるけどそれだけじゃないだろ?」

リ「へ〜。そこまでわかってたのね。流石は『英雄』ね。まあでも、そうよね。うん、やっぱり隠し通すのは難しいかぁ。わかった。ちゃんと答えよう。でもね、これだけ覚えていてほしいの。私達は、いいえ、私達の世界の人々は、本当にあなたの味方であり。あなたと一緒に戦える事を心の底から望んでいるって事」

「それは、信じて欲しいという意味か?」

リ「もちろんよ。私達の国では『魔王復活の予兆』が観測されてからというもの。『英雄様の召喚を』『この世界を救ってください』などと騒ぎ始めた連中の対処がとても難しくなっている」

「で、それがなぜ俺と関係ある?」

リ「それがね、その件が私の所まで回ってきたんだけど『世界を救うためには勇者が不可欠!しかし勇者を呼ぶためには莫大な金と労力が必要だ』と言われてて、そこで私は思った。確かに私の国にそんな余裕は無いわって」

「なら。勇者になるようなやつは呼ばなきゃ良いだけの話だろう?そうすりゃ問題にならない」

そう言って

「リリア。今すぐ帰るぞ。これ以上は危険だし時間の無駄にしかならない。早く戻るぞ」と伝えた するとリリアと名乗る少女はその言葉を聞いた時。顔をしかめてしまい。その後

「あぁもう分かったよ!だから、そうやって私の名前を簡単に呼ぶな。ってか、そうやって名前呼んでくれるのって私くらいなんですけどね。もう、わかったよ。そう言えばいいんでしょ。わかったよ」

「それで? どういう事だ。詳しく説明してもらおうか」と言うとリリアは少し不機嫌な顔になったもののすぐに切り替え「うん。そうだね、ごめん。少し焦ってたのは認める。実はね。その勇者があまりにも酷いんだよ。自分達の思い通りになるようにと無理矢理な力を振るってさ。で、それを止められるのは私だけだったってだけ。あとついでに言うと勇者をどうにかできるのは勇者のみ。そういう決まりらしいんだ」と言うと続けて

「あの人達が勇者になったのは間違いだと私は思う。でも勇者が『勇者でなくなる』って選択はできないみたい」と苦々しい表情を浮かべていた

「なるほどな。お前の言い分は分かる。だが俺がお前に協力を求めなければ良いだけの話でしかないだろ?」

リ「いやまあその通りで、私もそれが一番ベストだとは思うんだけど」

「なら何も問題はないだろう。お前が気にすることは何もない」と言ってその場を離れようとした。

「ちょ、待った待った!何でそんな冷たくあしらうのかな?私は君の力になりたいって思っているの。それにね、私が居れば絶対に大丈夫なの。だから一緒に頑張ろう? 私と二人で、みんなを救うって決めよう!」と真剣に言ってくるものだから俺としては困ってしまう。俺はその提案を受けるべきかどうか悩んでしまったからだ そして悩む事数秒後。俺の中である結論が出た

「断る。というより、正直迷惑なんだ。勇者の力を過信している。もしくは俺の事を利用しようとしているだけだと思っている。もし違うと言うのであればその証明を見せて欲しい。そしてその考えが正しいのであれば今後一切俺の側には近づくな」

そして俺の言葉を聞き、悲しそうな顔をした後で

「うぅ。わかりました。ごめんなさい。今まで、勝手に舞い上がって、勝手な事をしました。どうか、お許しを」と涙を流しながら、俺に対して頭を下げている 俺はそれを見てしまったので、なんだか悪い事をしてしまったと思えるようになっていたので、

「あぁ。いや、なんかこっちこそ悪かったな。言い方をきつくしたかもしれんが、決して嫌いで言った訳では無かった」と謝ると

「いえ、こちらが悪いのです。申し訳ありません。今後は近寄らないと約束いたします」と言い残してその場から立ち去った

「あ、ちょっと」と呼び止めるもそのまま姿を消してしまうのであった 俺と別れてしばらく歩いていた。それから「おい、出て来い」と呼びかけると目の前に突如女の子が現れて、

「はいはい。やっと出てきたのですね。お久しぶりなのですよ」と言うのだが

「誰だよ」と言うと驚いた様子で「あれれ?おかしいのですよ。この気配は確かにあなたの筈なのに、記憶を消し忘れたのでございますかね? それとも、何か別の原因があるとか。これは早急に手を打っておかないと、大変なことになりかねないですねぇ。ま、それはそれとしてなのですが、お兄さんはどうしてあんなに怒ってたんですかねぇ」と疑問を口ずさみながらものすごいスピードで俺の周りをグルっと一回転していた そこで、ようやく俺に攻撃しようとしているのに気付き。俺はすぐさま戦闘態勢に入った

「うーんやっぱり。さっきよりも強いのはなんででしょうか。でも。今はそんな事は関係無いのでございます」

そこで初めて女の子が戦闘モードに入ったのか目つきが変わる そこでようやく思い出した

――この子が、俺の記憶に残っていない女の子だってことを

――俺とこの子は知り合いで、仲が良かったということ だけど今の俺はこの子の顔を覚えていないのだ

――だからこそ、警戒しなければならないのだ 俺の攻撃は全てかわされてしまうのだが

「あぁやっぱりダメなのですね。仕方ないので諦めます。どうやら貴方に勝つ事は出来ないのですね」と言うと女の子の姿が消えていった 俺にはその動きを認識できず

「え、どこ行った?あいつ」と思って周囲を確認する

「ふっ。そんなキョロキョロッとしたところで意味ないのですね」と言われたのだが声だけが聞こえた そして、またも姿が見えなくなってしまった どうやら俺は完全に相手の術中に嵌ってしまったようだと理解できた俺は、「はぁ。マジか。お前、いったいなんなんだ」と問いかけるのだが、その問いに対する答えは無く

「ではこれで終わりにしましょうか。もう会うことはないでしょうけど。じゃ、ばいばーいなのですよ」なんて言って去っていったのだ そうすると次の瞬間 視界の端の方に、リリアの影が見えるのである 俺はすかさずそいつの方を向くのだが そこにリリアの奴はいなかった そして俺は、意識を

「おい。貴様。我の声を無視するとは良い度胸ではないか」なんて声と共に俺は意識を失ったのである。

――俺は夢を見た。それは、この世界に俺が来てから起こった全ての出来事を、俺の視点で追っていくというもの その全てはとても短い時間だったけれど だけどそこにはたくさんの大切な想いがあった それは

「あぁ、これこそがきっと俺の望んでいた世界だ」と思った時、俺は目を覚まして、起き上がると、なぜか隣にリリアが座っていた ラ「お前、なんでここにいる?」

リ「へへ〜実は君が起きる前からここに居たんだよね。で、君ってば凄く気持ち良さそうに寝てるなぁって思ったんだよね。まあそれだけじゃないんだけどね」とリリアは少し悪戯っぽい笑顔で言うのだった リ「それでね、君は気付いてるのかな?」

「ああ、多分な。ここは夢の中だろう?」と答えると、リリアは嬉しそうな顔になり リ「流石は英雄と呼ばれるだけのことはあるね。うん。この世界では『英雄召喚』と、『神隠し』の合わせ技を使って『勇者』を呼び出す事が出来るのね。しかも、『勇者』を呼べる条件は『英雄』が近くに存在すること。これがどういう意味を持つかというと、『英雄』の魔力の波長と共鳴することによって『勇者』に召喚が可能だという事になるんだ。ここまででわかるように『勇者』を呼ぼうとするなら必然的に『勇者』と『英雄』はセットなわけ」

「なるほど。そうすれば勇者の『固有スキル』が『神の加護』になるのも納得できる」

リ「でしょ?で、私は『神殺し』の称号を持っていてね、神様の力を打ち消すことが出来るの。ちなみに言うと称号には二種類の意味があるんだけど、まずは『○○を殺すもの』。次に、その対象の弱点がわかってしまう。さらに言えばその弱った箇所に対して直接ダメージを与えられるようになるというもの」

「えげつないな」とつい言ってしまった リ「うん。本当にそう思う。でね、君の方には私の能力で得た知識が入ってると思うんだけど、私と君は、実は恋人なんだよ」と言ってきた

「え、いやちょっと待てよ?俺にリリアって女との接点はねえぞ?なのにも関わらず俺はその事実を認識している」と言うのだがリリアは

「うーん。それについて話したいところなんだけど。先に君の力を解放したいの。だから、ごめん」

と申し訳なさそうな表情をして謝ってくるものだから 俺としてもあまり深く言及することが出来ないでいるのであった

「わかった。じゃあさっさと済ませてくれ。それと一つ確認させてもらうんだが、俺はお前にとって必要な存在か?」と聞くと、 彼女は真剣そのものの表情になって

「もちろん必要だと思っている。というより私は、私が助けを必要としていることを理解して欲しいと思っている」と言ってくるのだ。それに対して俺は、彼女の言葉を信用することしかできないでいた

「はぁ分かったよ」と言って力を抜くと、すぐに変化が現れたのだと分かるの

「なあ、これはいったいなんだ?なんか身体の中に熱い何かがあるっていう感覚があるんだけど」

リ「それはね、私が持っている力のほんの一部でしかないの。今はまだ完全に目覚めてないみたいだけどね。まあ私達二人はこれから二人で頑張っていくことになるからね」と言うと、突然光に飲み込まれて、俺達は別の場所に飛ばされていたのであった そしてそこは見た事も無いような光景が広がっている場所で、まるでおとぎの国のような場所になっていた。そこで、一人の少年

「あれ?ここってもしかして」と思っていると 目の前にいる男の子

「おい。早くしろ。この扉の向こう側に行けばお前の望む全てが待っている」と言い放つので 俺はその言葉に釣られるかのようにして扉を開けるとそこには信じられない程巨大な龍が鎮座していて その奥にある祭壇の上にリリアの姿が見えたので慌てて駆け寄ると リ「よかった。無事に来てくれたのですね」なんて言われてしまう そこで、ふと気づくと

「お前ら俺の邪魔をするな!」と声を荒げるのだが リリアは悲しそうにこちらを見つめていて、 俺はそんな彼女を見て 俺は「なあ頼む。そこを通してくれ」と言うと リリアは静かにうなずき そしてリリアと男の後ろを通って先へと進んでいった だがそこで男が振り返り リ「なあ。君。さっきの言葉が本当ならば。僕は君に協力してあげよう」と言ったのだ 俺

「えっと。あの人は一体何を考えているのだろうか」と思いながら前に進むと大きな扉の前で足を止める すると、リリアと男が同時に

「さて、そろそろいいか」と呟くのと同時に目の前にあった巨大な扉が開くと、そこにあったものはまさにおとぎ話のようで、その中心に存在している小さな光の塊。そしてそれに吸い込まれるように、俺と、リリア、男はその空間に取り込まれていく 光が収まると、そこには何もない空虚な部屋だけが存在していて、その真ん中に、一人の女性と、その隣には男性が並んで立っていた 俺は、二人を交互に見やると

「え、もしかしなくても」なんて思い、

「おい、ここはもしかしなくとも」と言っている間に俺と男、リシアは地面に降り立った 俺はすぐさま二人の方を見ると、俺と目が合った女性

――そう。俺の母親であるリリアは「あなたをずっと待っていました」と言われてしまい

「母さん!今までどこにいたの?」と言うのだが そこでふと思ったのが、そもそもリリアがここに居る理由である。リリアは魔王によって滅ぼされた筈で、そんな人物がどうしてこんな所に居ることができるのだろうか

「リリア。なんで俺の母さんが」と考えていると、いつの間にかに俺の隣に来ていた男性に腕を引かれてそのまま抱きつかれてしまう 俺が戸惑っているのに構

「久しぶりだな我が息子。元気だったかい?」と話しかけてきた

――どうやらこの人が俺の父親らしい そして父さんから事情を聞くために、俺は自分の家に戻ってきたのだ。すると、俺の家はもぬけの殻になっていて、代わりに手紙が置かれている事に気づいたのだった。そこには『お前にはもうここに帰ってくる権利はないからな』と書かれていた。そしてその横に

「お前の両親を預かっている。お前一人でここまでこい、いいか? 俺はお前とお前の妻には何にも手を出すつもりはないが、お前の妹とリリアの命だけは奪わせてもらおうか。なあリリア」と書かれた文章があったのだ。俺はすぐに家を飛び出したのだが、そこで、あいつに会ったんだ ラリアsideend 俺は家を出ると、すぐにリリアに連絡を入れたが返事がなく

「リシアが心配だ」と言ってリリスは城に向かうと言って走ってどこかへ消えてしまったのだが。とりあえず、まずはこの場を切り抜けなければならないのである そう考えるとまずは武器の確保が必要だと思い。店に入る すると、「おお。これは英雄殿ではないですか。今日はどのような御用件で」

「ああ。この剣と鎧をくれ。ついでに魔道具もあるとありがたい」なんて言って店を後にするのだが

「英雄様のお越しとあれば特別価格でお売り致しますよ」なんて言われてしまうので

「いや遠慮しておく。また機会があれば買うことにするから」と言うと「分かりました英雄様」といって 店の中に戻っていった。俺はリリアの無事だけを祈りながらも走り続けるのであった リリスは俺の家に戻ると、家の中に人の気配を感じ

「誰かいるんですね?」と言いつつ玄関を開けると そこには俺の両親が立っていましたってどういう状況なんでしょうか リリスは、いきなりの出来事に対応出来ないでいた

「なぁお前。よくもまあ俺たちの前にノコノコと現れたものだな」と父が言うので

「あんたたちのせいで俺の人生滅茶苦茶になったんだよ? それを分かっているの?」と言って睨みつけているのだが

「お前には選択の余地すら残されていなかっただろう?」と言われると 確かにそうかもしれないと思ってしまう自分もいるのです

「まあいいわ、それよりも早く私の大切な人を返しなさい」

「残念だがそれは無理な相談だよ。俺達とお前の旦那との約束でな」と言うので俺は頭に血が上りそうになってしまうのだが そこにタイミング良くか悪くか分からないが俺が帰って来たため 俺はすかさずリリアの元に走っていく

「大丈夫?リシアは?お母さんも?」

リ「ええなんとかね。それより私達の事を気にしてくれてるみたいね」と微笑むとリシアも同じように笑ってくれた。そしてすぐに父は「貴様!リリアスから離れろ」なんて言ってきた

「は?嫌ですよ」と即答してやるが、母は冷静な表情のまま「お父さん落ち着いて下さい」

「しかしリシアが」と言うと、彼女は優しく微笑んで「大丈夫だから安心して」と答えるのであった。

「なあ母さんの身に何か起きていないなら、俺はリリアを助けに行かなきゃいけない」そう言い残すとその足で駆け出そうとするのだが、そこで母が「ねえ貴方。私達もリリアの事を助けたかったけど出来なかった。でも彼は私達が想像していなかった程強くなっていたわ。だからきっと何とかしてくれるはず」と父が「しかしだな」というとリリアも「お願いします。リシアの事は私がどうにか出来るように考えていますので今はリシアを優先して欲しいのです」と言うものですから リ「それに、私は今、リシアと一緒の部屋に居ます。なので、もしもの時に助けを呼ぶ事も可能ですから」と言ってくる

「そうか。それならば任せようではないか」と俺の頭を撫でてくれるのである

「では行ってまいりますの」と言い放ち俺はリリアと共に外へ出るとそこには黒い騎士甲冑を装備した集団に囲まれていたのだ その集団を蹴散らしながら進むこと数分後、ようやく辿り着いたその先に待っていたものを見て絶句してしまうのだが

「あら。来てくれたんですね?勇者さま」

そこには純白な

「どうして、なんで、リリアがいるの? どうしてそんな姿で立っているの?リシアは?俺のリシアと母さんは何処にいるの?」と言うと 目の前にいる白い女性は静かに笑うだけで何も答えてくれなかった すると後ろの方から複数の人間が駆けてくる足音が聞こえたのでそちらの方に視線を向けると そこには武装した兵士達がいて俺を見つけるなり

「お、おいあれは、本当にあれが魔王を討伐してくださった英雄なのか?あれが?なんだあのふざけた装備は?しかもあんな小さな子相手にあの大人げない態度、あれが俺らの英雄だというのか」と兵士のひとりがいってくる それに便乗するかのごとく周りの奴らも

「なんだとこのやろう!いくら魔王を倒してもらったからっていい気になるなよ」とか色々言われるも リ「ちょっとうるさいですね、今あなたたちに構っている暇はないんですよ」と言い放つのであった

「さすがはリリアね」なんて呟いていると「おいこらそこのチビ女!なめた口きいとんじゃねぇぞ。痛めつけられたいようだな!」なんていう馬鹿が数人出て来たんだけど、リリアに「そこの騎士の人達は強い人ばかりだからあまり舐めない方が良いかも」なんて言うと、「あなたは黙っていてくれる?」なんて言われてしまう そして「そこの君達さっさとその子供を捕まえておきなさい」と指示を出してくるのだけど。それに対して俺は何もしなかったのだ

「なんのつもりだい君は。早くその子供を捕らえてくれないかな?」なんて急かす様に言われたのだ 俺はその言葉に一切耳を傾ける事もなくただじっとその場に立ち尽くしていたのであった。するとそこで兵士が近づいてきたと思ったら俺に向かって攻撃を加え

「てぇやあああ」と言う声とともに振り下ろした大剣をそのまま叩きつけてこようとしたのである。俺は咄嵯に身を翻すようにして避けて その男に一撃入れようと思った瞬間だった。突然その男は「ぎゃああああああ」と言い出してその場で崩れ落ちると

「何やってんだお前」と呆れたような口調で男が喋ると、俺の後ろに立っていた女性に殴られ気絶してしまった そして俺の方を向いたかと思うと「お前さん。今のを避けたのだけは評価できるがな。まだまだ甘すぎるぜ?」と言われ

「お前は?」と言うと「俺はこの国の宮廷魔導師筆頭にしてリリアの護衛を務めているものだ。名前はリリスだよろしく頼むよ」と言われ

「リリス。俺のリリアは?」と質問をする

「はあ?何を言っているんだよ。お前さんの母親はそこにいるじゃないか」と言われ リリアがリリスに何かを手渡し リリアはこちらを振り向くことなく 俺にこう言った

「さあ。一緒にいきましょう」

「どこに行くっていうの?」

リリアsideend

「俺は母さんを助けに行きたい」そう言い放つも「リリアは母じゃないから助ける必要もないはずだ」なんて言われ リリスは

「じゃあどうする?この場で俺を殺すか?」と言い放った 俺は即座に否定する

「いいや殺すわけがないだろ?そもそもお前を殺せば俺の命が危ないし」と本音をぶちまける

「なあ?俺らってもう友達だよな?そうだろ?ならこれからの事も考えていこう」と言ってきた

――は?俺に友達だって?なんでそんな事になってんだよ?訳がわかんねぇよ 俺は「俺はお前と仲良くなんかなれないよ。それよりも母さんを助けるためにも協力しろって話だろ。そっちの方が大事な事だし」と言ってやったのだが、リリスはそれを否定した リリスの話によると まず最初に

『世界最難関』と呼ばれる【迷宮都】の最奥で復活した魔王を倒した時に召喚された勇者達はリリスを含めて3人いるのだが、その内の一人『黒髪の女騎士』というのが『聖女の加護』を持つリリアであるらしく、その能力がかなりチートなものなのだそうです ただこの『聖女様』には問題があって、リリアスを異常とも言えるほど愛しているという性格破綻者でしかないらしいんですね という事で、もしもの時の為に対策を考えたい

「だから協力してくださいお願いします。というか助けてください」と土下座してきたのだ 俺としてはリシアを取り戻せるならばどんなことでもしたいと考えていたから素直に協力することにする。そして俺も少しだけ質問をさせてもらった。それは 俺の幼馴染である妹が何処に行ったのかについてであった。すると彼女は「えっと確かあの子なら俺と一緒に城まで来る途中に会ったなあ」と言うではないか

「マジでか!で?で?あいつらは何処に連れて行かれたんだろうな?」って言うのと同時に彼女の腕を掴むもすぐに払いのけられてしまう まあ当たり前っちゃそうなんだよな。なんせ俺はこいつの護衛役みたいなもんなんだよな?なら簡単に

「ちょ、待ってくれって!悪かったってば!つい出来心でさ」って言ってみたけど、やっぱりダメだわこれ

リリスは俺の事を警戒しているのかさっきよりも距離を取っている感じになっていた。まあいいや今はそれよりも 母さんの事が心配過ぎるわ、リリアには悪いけどここは無視してさっさと母さんの元に向かいますかね リリアside: 私の名前はリリア、年齢は14歳であると一応説明しておきますが私自身正確な数字を数えていないものですから

「おいこら。何ボーッとしてやがる!こいつを拘束しとけ」と命令されてしまい その男に従って、私は彼の事を捕縛してしまいます。そして「さぁ。こいつを連れて行きな。私は忙しいんだから邪魔しないでよね」

と言い放つと私は部屋の中に通されてそこで待っているように指示されてしまうのでした。

そして暫くの間、私は待つことになるのだけども、そこで先程、私に絡んできた男が私に絡んできました

「ようリリアちゃん。久々だよな。相変わらずいいスタイルしてるな。それで俺のモノにならないなら無理やり犯してしまおうかな」

と私を押し倒そうとするの

「私は貴方のような人は好みではありません。ごめんなさい」そう答えると その男はかなりムキになった様子で私の身体に触れようとしてくるのでした

「へーえ。そんな口が叩けるのか?なら力ずくで従わせてやるまでだがな。大人しくしておけば優しくしてやるって」と手を掴まれてしまうのです でもその時だった 扉が勢いよく開かれそこから入って来たのはこの国の王様で、その人が入ってきて早々こんなことを言ってきたのです

「リリア。お前は勇者の嫁候補に選ばれた。なので今日からこの城の客室で過ごすが良い」

「私が、どうして?」なんて疑問を口にしても答えてくれるような方ではなく そのまま連行されるような形で連れられてしまったのです。そして客室に通された後は何故か、着替えるように言われて、渡された服は白い清楚なドレスでありました そしてその後 私はとある部屋に連れてこられると「ここで待機しておいてくれるかい?僕は仕事があるから失礼させて貰うよ」と言って 部屋の外に出て行ってしまうのでした。

そしてその数分後 一人の男性が部屋に入ってくると「リリア。俺の嫁になれ」なんて言い放ってくる始末なんですよ さすがにこれはおかしいと思ったんですよ。何故いきなり見知らぬ

「初対面の男性と突然結婚しなければならないのか?」なんて思うと怒りを覚えてしまうもの

「そんなに怒ってどうした?俺がそんなに気に入らないのか?じゃあ俺がもっと良いものを見せてあげよう」と彼は言った後に懐から一枚の紙を取り出してきたのだ その紙には『婚姻届け』と書かれていて、既に相手の名前が書き込まれているもので

「ここにサインさえすれば君は俺の妻になれるんだぞ」なんて言って来ても「絶対に書かない。書く訳ないでしょ」なんて言葉を吐き出すと

「ふん、仕方ない。君の意思を無視して強引に俺の物にしてしまうしかなさそうだな」と言い放つと私に迫ってくる さすがに怖くなったので

「来ないで!」って大声を上げると さすがの彼も驚き戸惑っているようで、 しかし直ぐに「俺の気持ちを君にわからせてやろう」と言って私の腕を掴み引き寄せようとしたのであった。

――いやっ!怖い。誰か助けて欲しいよ。

そう思って目を閉じるも その瞬間

「俺の奥さんに手を出すのを止めてくれませんかね?」と言いながら私と男の人との間を遮るように立ってくれた人がいたのである その人の顔は良く見えなかったんだけど、背格好は凄く大柄だったので恐らくは男性だと思うのだけど

「誰だてめぇ?俺は今大事なところなんだ。とっとと消えて無くなれよ。俺に殺されてもいいんかよ」なんて脅してきたのだけども 男性はそれに全く怯む事なく、「俺は彼女と結婚するんですよ。あなたは関係無いんで。それと俺の妻に近づかないでいただけますか?」と言い返してくれたのだ その言葉を聞いて男は完全にキレたみたいで、その男性の胸倉をつかみ殴りかかろうとしたのである

――危な――

その瞬間 その男の動きが止まってしまったのだった そして次の行動に移ることなくその場で倒れ伏してしまったのである

――いったい何が起きたの?

「リリアさん。大丈夫ですか?」とその男性が話しかけてきてくれたので とりあえず返事を返し

「え、あ、はい。大丈夫ですよ。ところで何が起きているんです?さっきまで私に襲いかかっていた男が急に倒れてしまいましたが」と言うと

「俺もわかりませんよ。気がついたらこいつら二人が床に転がっていただけですからね。まあ多分ですけど俺の仲間達がどうにかしてくれたんじゃないですかね?」と言う

「俺には仲間がいない。だからこそ俺のリリアが狙われないように守らないといけないから。俺はこいつらを叩き潰さないといけなから行くけど。何か困ったことがあったら遠慮せずに俺に言うんだぞ」と言い残し

「では俺はこれで」と言って何処かに去っていくのであった 俺は母さんの事がとても心配で心配

「俺にはまだ母さんの救出する術が無いんだよな。せめてあの変態共の連絡先が分かっていれば」と思っていても現状はどうしようもないんだよな 俺と母さんは離れてしまっているし母さんと接触できるのを待たなければ母さんは戻ってこれないのであって 俺はリリスと話をしながら、あのクソ親父の話を詳しく聞いてみる事にしたのだよ。

リリスは俺を睨みつけながら

「あんたがリシアをさらっていった魔王なのか?だとしたら殺すしかない」とか言い出したもんで 俺もそれに乗ってやろうと「リシアの居場所を吐かせてからなら好きにしていいぜ。リリス、おまえは強いのか?リリスよ、リシアがさらわれたのは知ってる。その場所を早く言わないとリシアンをお前と同じ目に遭わせちゃうけどそれで構わないか?」なんて言い返すことにしたら彼女は震え出し始めてしまったので少し可哀想にも感じたので「冗談だってば!本当にやらないから安心しろ」と伝えておいたのだ。

そうこうしてる内にリシアンが帰って来るなりこう報告して来たのだ

「ご主人様~、お姉様達との話は終わったから一緒に遊びましょう♪ってかあの人たち超弱すぎじゃないですか?」なんて言っているのだがリリアスの方もなかなかな化け物みたいなんだからあまり調子に乗った発言しない方が良いと思うのだけどね というかこいつらを一撃必殺で倒せるくらいに強くなるつもりだから問題は無いだろう それから暫くの間みんなで談笑しながら食事を取っていたわけなのだがそこに現れたのがあの女騎士と俺の父さんの幼馴染でもある『黒髪の騎士』だったんだよね。そして父さんにこの世界についてレクチャーしている様子だったので俺も混ざる事にしたのだがそこで衝撃的事実を知ることになった この世界には本来召喚されるべき筈のもう一人の俺がいて

「え?マジで?」って思い 思わず口に出してしまった 俺の幼馴染が二人いたんだ その事を知らなかったから驚いたのと同時にちょっと嬉しかったりして 父さんと二人で感動していた。

リディアの奴は「えー、なんかそれ嫌なんだけどー。私の兄ちゃんがこの世界の勇者になるのは良いとしても、私よりイケメンなのはダメ」と意味不明な事をぬかしやがるし、もうこの娘何考えてるのか分からないから放置しておくとして この国の姫であらせられる『聖属性魔法習得可能』の『勇者Lv1(光)

HP10 MP50』

そしてもう一人は、『剣の極み Lv2』『体捌き LV5

「勇者の加護 」で 攻撃力+20,防御力+120 状態異常完全無効。回復系魔法の威力倍化。攻撃時相手の弱点を見極めやすくなるというチート能力付きである これは俺もビックリだ。こんなことってある?レベルとステータス補正値だけでもヤバすぎるし 更に言えば

『聖属魔剣エクセラー 装備効果。聖属付与 全属性の攻撃ダメージ増加 斬撃耐性無視 クリティカルヒット率上昇

「闇落ちの呪い」(敵全体に中確率)』っていうやべー武器を所持してるんだぜ。しかもこのエクステンダーってやつは神器と呼ばれる伝説級の武器だったりするらしい。その効果は 【聖属魔法】スキルを取得していなくてもこの剣を装備することで全ての基本となる五つの系統の初級、中級までの魔法を習得することが可能 この国でこの剣を持つことができる勇者候補は現在一人しか居ないというのだ。つまりこいつが勇者で決定な訳である。

そうそう、あともう一つ気になったのが この勇者の名前に覚えがある。そう、それは、俺の兄貴だったのだ。名前が同じだけじゃなくて顔も似ているのですぐに分かった。ただ、俺

「お兄さんには会えるのかな?お世話になったから一言挨拶したいところなんだけどな」なんて思っていたらその日はすぐにやってきたのだ 俺に面会を求めてくる人が大勢やって来ていて俺の部屋に押しかけてきて、俺の目の前で勝手に話し始めている始末。そしてその相手は俺の親父とリリアの母親。そして俺の爺ちゃんとリリアの両親なんだよな 俺はリリアンの両親の事は正直に言ってしまうと余り好きでは無かったからどう接して良いのかわからないし。リリアの母親のことも苦手意識を持ってしまっているのだ なので適当にあしらいながら対応してやったよ。そうしたらさ

「あなたが私たちの娘を救ってくれたという子なのですね。ありがとうございます」と

「私からもお礼を言わせて頂くわね。本当にありがとう。あなたのおかげで娘の大切なものを守ることができたわ」と頭を下げられた訳で。俺は慌ててしまってさ

「そんなことはいいからさっさと本題に入ってくれよ」と言った後に直ぐに

「俺がここに呼ばれた理由は何なんだ?」と尋ねてみると母さんは「貴方の力を貸して欲しいんです」と言って来たんだが、母さん曰くこの国は魔王の脅威に晒されて大変な事になっているらしくて、俺の力を借りたいという訳なんだそうな。それで俺も色々考えた結果、力になることを決意した。

「俺もこの国の為に何かできることがあるんなら協力するよ!」と言ってみたら何故か俺の周りに集まってきた

「「「キャァ〜〜」」」なんていう奇声を上げてやがるが一体何が起きているんだ!?と思いつつもその声の主を見ると、リリアの姉さんが3人ほどいやがるんだよな そいつらを見たリシアの両親が慌てふためいてんのが分かるし 俺も流石にビビったよ でもまあこいつらが俺の事を取り合うように纏わりついて来ているのは、俺とリシアがくっついたのが原因だとは思うけどね 俺も悪い気分ではないしこいつらのやりたい様にやらせてやろうかと思って放っておくことにしたんだよ。だって俺はこれから忙しくなるだろうし。こいつらにかまっけている暇が無いんだよな 俺の

「お前達の願いを何でも叶えられるとは限らないができるだけ要望に応えてやる。その代わりとっとと俺から離れてくれ」

「私達と一つになりたいって言ってくれたのは嘘だったの?」

「私はリシアお姉様が大好きです。リシア様のお姉さまとも仲良くなれましたがやっぱりリシア様に会いたいんです」

「私はご主人様が欲しい。だからお願い」なんて言うもんで困ってしまったよ。そして リリアは「あー、私が先にプロポーズしたのに!それにみんな私の兄貴を独占するつもり?許せないから」なんて言い出して収集つかなくなってしまったのだよ。そして俺は

「わかったから、まずリシアン。君はリシアの弟なんだったな。君のお母さんも一緒に俺の家族として暮らすことになるんだし家族みんな一緒が一番だろ?それから、そこの三姉妹も全員俺の家で暮らすんだし、俺は今の生活を続けるけどそれでも文句は無いんだな?」と言うと 皆納得し始めてきたのであった 俺は父さんと母さんに連れられて父さんの実家に来てしまったのだが、そこで母さんが衝撃的な事を告白するのであるのだが 母さんが父さんと結婚することになった理由があまりにもくだらない上に、リディアと全く関係のない内容で呆れてしまった。だがこの母さんの話は割愛させていただくがこの話をすると長話になって大変だし とにかく結婚する事が決まった後でリシアの

「私の方が絶対美人なのに」なんて愚痴を言われてしまったんだが この女

「お前のどこに美しさを感じた?容姿は普通で中身もクソじゃん。リシアなら性格が良ければどんな奴でも良いんだがな。この女とお前は大して変わらないぞ。むしろリシアの方が良い女だよ。そもそも見た目の事を言っているのならお前はブス専の趣味なのか?」なんて言ったら顔を真っ赤にして怒って部屋から出て行ってしまいやがった この程度の言葉で引き下がるとは随分とお子様なのであろう。

それからリシアンが戻って来てまたリディアが怒り出しそうになったので、リ

「リシア姉ちゃんは黙っててくれるか?俺も少しムカついていたからさ」

「分かった。今回はリディア姉さんに負けを認めてもらうために私達は戦うことにする。だけどリディア姉さんと手加減なしで全力でやり合いたいと思うの。だって姉さんはこの国最強の称号を持っているのでしょう?だから私達が勝てばもう私達に手を出すことができない。リディア姉さんにだって私達三人を同時に倒すことは不可能だからね。だって姉さんはリシア姉様みたいに戦えていないから」

リリアも参戦するみたいなんだがこいつもかなりぶっ飛んでる。というより俺に甘えて来た時も変な娘だと思っていたが戦闘狂で変態娘でもあったのか?って思っちまった

「おい、あんたらの望みは何だ?まさかと思うが魔王討伐のために俺達を利用しようとか考えてはいないだろうな?そんな事は絶対にさせねぇからな。もしそれが俺への頼みだというのであれば聞いてやれないこともないが条件が有る。この国に危害を加えないと約束してくれ。それとこの国の民にも被害は出ないように守ってほしいんだ。そうでなければ協力はできない」なんて言ってやった。

俺のこの一言でリディアの表情が変わったので多分断るとかそういった感じで俺を脅してきたりするのだろうなと思ったんだけど予想通りで

「それじゃダメ。それじゃあ私達は安心することができないから」とか言い出すのである 俺は「それじゃあ、何ができるというんだ?言ってみてくれ。俺の答えによっては交渉決裂だ」と言い返したら、俺の前に土下座し始めて泣き落としを仕掛けてくるし 俺がちょっと引いて戸惑っていたらリシアの「もうやめてあげなよ。この人たちにはもう抵抗の意思はないはずよ。だからお兄ちゃんの言うことを聞いてあげたら良いんじゃないかな?」って言葉に渋々従ってくれるようだった

「ではこの者たちの命を奪うことはしない。この者共の住む家を提供し、そこに滞在させる。ただしこの国から一歩も出る事を禁じ、更に私の許可無くこの家に近づいたりすることも禁止する。私からの要望はその二つだけだ」

「分かりましたわ」とだけ答えてその日からその三姉妹を家の使用人として雇うことになった その日の夜 俺の元に一通の手紙が送られてきたのである。送り主はあの リリア からだった。その手紙の内容はこんなものだった 【勇者様へ。この度魔王が復活しその勇者がこの世界に召喚されました。なので勇者に対抗すべく私たち勇者パーティは修行の旅に出かけなければならなくなり、しばらく帰って来ることができません。その間にあなたにはこの世界の問題を解決してほしいと思います。

私はあなたに全てを賭けます。あなたの力なら世界を救えるかもしれないし、

「世界を救う為の代償に魔王を倒し、あなたには勇者となってもらう必要があるのです」

「はぁ!?俺に何を求めているというんだ? それにリリアが何故そのことを知ってんだ!?あいつはまだ何も知らんはずだし。何で知っているんだ?」

「ふぅ、あなたが知るにはまだ早いですよ。今はただ旅立ってください。これは私の最後の希望です。リリアと二人で頑張って下さいね。そして私の夢を実現させて。さようなら。お元気で」

「なんだそりゃ!どういう意味なんだよ!説明しろ!」

俺は混乱してリシアに相談してみることにした。そして リシアの話によればどうやら俺がこの世界で目覚める直前に何かがあったようだ。そして俺は気を失っている時に何者かの魔法攻撃を食らい意識を失ったらしい。その際に俺の精神はリシアの中に入り込んでしまっていたのだというのだ。それでリシアが俺の心が入れ替わってしまっている事に気づくことができたんだが、その魔法の効果のせいで俺が元に戻ることは不可能な状態だったそうだ。

リシアは自分の精神力を

「この力は全てをお兄ちゃんに捧げた。だから私は死ぬ。私の魂ごと全部あげるから」と言って俺に力を貸してくれたらしく。俺に自分の心の一部を残して行ったから、俺の体を使ってリシアがリシアと入れ替わる事ができたわけで、その結果俺がリシアの記憶も全て引き継いでしまったんだとさ、そして俺にその事をリシアが気付かせないようにするために俺は無意識の状態で生活していたようで、俺が目を覚ましてからは リシアの口調や態度も自然に変化していったということだったんだ そして俺はリシアの体を好きにできる状態にしてしまったため、

「リシアはお前の物だ! 俺の女だ!」と俺の中のリシアも俺に対して恋愛感情が芽生え始めているし。もう既に恋人関係だしね 俺は今リシアの部屋に向かっているんだが今日は俺が寝込んでいたからってんでお見舞いに行くんだが、そこでいきなりとんでもない事を言ってくるんだよ。俺はリディアと決闘をする羽目になってしまった。俺としてはこいつらは別に悪くないし俺の力で助けてやりたいとも思ってるんだよな。

このリディアが俺の彼女になったリシアの姉で、この家の令嬢だってことも分かってるし、だからこの国のお姫様でもあるんだよな。

でもこいつの本性が分かった以上こ

「私に歯向かったら容赦はしないよ」

「なぁ、俺も一つ聞いていいか? リシア姉さんが俺の事好きなのはなんとなくわかってるがリディアの奴も俺に好意を抱いているだろ?それはどうしてだと思う?」と俺の質問に対し「さっき言ったでしょ?リシアの体を借りてリディアの目の前で私とお兄ちゃんが愛し合ったからでしょ? つまりそういうことなの」と 言われてしまうと 俺は困ってしまうのだが。俺自身そんなつもりはなかったのに、勝手にそうなってしまっていたとは思いたくないんだけど、やっぱりそうなのか?と思いながらも、やっぱりこの娘が俺を騙

「騙していなんかないよ?私が嘘ついてもリシアは分からないし。それに、さすがに妹に嫌われているとは言わせなから。まぁ、私の場合は本当に兄妹としてだけどね」と笑顔で返されてしまったので、俺は諦めることにした。だが問題は

「おい!リディア。今すぐにここから出て行け!でないと今すぐ殺すぞ。いや今すぐ消えろ」と言った瞬間リディアが凄まじい形相になり殺気を放ちながら

「今の言葉取り消しなさい」とか言って俺に迫ってくるから、慌ててリシアに「こ、殺しちゃダメだ。お前はこっち側に来る必要は無い。こっちに来るのなら俺を頼れ。お前の気持ちは分かったから、頼むから出て行ってくれないか? このままだと俺はこの女を殺すしかなくなってしまう」なんて言ったので、渋々といった感じで納得して部屋から出て行ってくれたのである。リシアがあんなに必死になるなんて俺もびっくりだ この国最強の冒険者であるリディア姉さんが俺の恋人になっちゃったんだ。

この娘がリシアよりも強いって事は分かるんだけど リディアはリシアのことが嫌いみたいなんだよね

「私は絶対にリシアに負けませんから。この国では私が一番なのです。なのにリシアの方が人気があるからって嫉妬しているだけなんです。本当は私と友達になりたいと思っているんですよ?だけどあの子は強すぎるせいで恐れられているだけなのです。そんなに心配なら一緒に遊べば良いのに、恥ずかしがり屋さんだから仕方ありませんね」とリディアは苦笑いするばかりだ。この娘は意外とリシアに厳しいところがありリシアが少しでも落ち込むと「何ですか?また泣いてるの? 泣き虫さんですねー」とか言い出してリシアを泣かせようとするのである。リディアってかなり性格がひねくれて

「うそだよぉ、ちょっとしたお茶目じゃないですか」

とか言ってご機嫌とりしてくるけどな。その顔は明らかにニヤついているのである。どう見てもからかっているのが見え見えなのである。リシアが泣き出すのが見たくてわざといじめているようにすら思える。この娘はSの気質があるみたいだ。俺的には可愛いんだがリリアの前では絶対に見せないようにしないとリリアにバレたときが怖いなと思ったのである。このリリアがドM体質なのは間違いなさそうに感じるから。その点リディアはリシアに辛く当たる事で自分を保っているように思えたからな。リディアもきっと寂しいのだろうと思う。だからこそ俺

「リディアもそんなに気張らなくても良いと思うんだけどな。少しくらいは素直になっても良いんじゃないか?リシアには俺が付いていてやるから安心しろ。俺はリシアの兄だぞ。それに俺はお前たちのことを家族のように思っているんだ。だからリシアの事は安心してくれ。俺の大切な妹のことはこの命に代えても守ってみせるから。それにお前たちには幸せに笑っていて貰いたいしな。だからお前の苦しみは全部俺が受け止めて見せる。だから安心してくれ」と言って抱きしめてやったのである。そうしたらリリアの顔がみるみると真っ赤になっていくのが分かり、その後、ものすごく動揺しまくって挙動不審になっていたから

「お前はリシアと違って、ちょっとやきもち焼きなんだな。俺がお前を一番好きだし、大切にするから」と俺の方から言ってあげたら嬉しそうな顔をし始めて、それからというもの俺の腕の中で甘えてくるのであった。

「私達姉妹があなたの奴隷になってあげましょう」

リディアのこの発言から俺はリディア姉妹の主人になってしまった。俺に拒否権はない。そしてリディアからリリアの方に視線を移して「あなたがリシアの姉であり、リシアは私の妹。そして私達は三人姉妹なのです。あなたにその姉妹全員を差し上げますので仲良くして下さい」

と頭を下げたんだ。リディア

「さああなたは私達の事をどう扱えば良いのかしら?」と言ってくるし リシア

「私の事も忘れないでください」

リディア

「私の事もお願いします」と懇願されてしまうし、もう逃げ道が無いんだ。それに、こうやって迫られると断りきれないんだよ。それにリリアの奴は、俺と目が合うと直ぐに逸らしてしまうし

「俺はお前たちを大切にしたい。だから今は俺の側に居て欲しい。そして少しずつでいいんだ。お前たちが心から笑える日が来るまで。俺と一緒に頑張ってくれないだろうか?」と俺は言ったんだ。そしたらリディアが

「あなたは何を言っているのですか?私はずっとリシアの事が羨ましくて。それ故にリシアが憎らしく思っていただけで。今は違いますよ。私は心の底から感謝しています。だって、こうしてお父様もお母様も私の元から離れて行ってしまい。私の味方など何処にもいないと思っていたのです。でもリシアと出会ってから。私は毎日が楽しくなりました。こんな楽しい時間はリシアと出会うまでの私の人生の中には無かったんです」とリディアが涙を浮かべながら語るから、俺は思わずリディアの手を握りしめて

「だったら俺もリシアとリディアの3人で幸せになろうぜ」と言ってやるとリディアが俺に抱き

「そうですね、私達が3人一緒ならば。きっと幸せになれると思います。ですがその為には、まず私達にちゃんとした名前を付けて欲しいのです」と言ってきたので

「俺はお前たちとこれから一生を共に歩んで行きたいと思っている。だけどお前たちは今のままじゃいけない気がするんだ。お前たちも俺たちが出会った頃のお前たちの気持ちを思い出してくれ」

と言ってやることにした。

「確かにそうですね。リシアと出会った頃はまだリシアの事を妬ましいという気持ちも残っていたかもしれません。だけど今は全くありませんよ。今ではリシアの事大好きになりすぎて、逆に虐めてしまいそうなほどなんです。私に出来る事があれば協力させて頂きます。リシアに酷いことされて傷ついたりした時は私が癒しますのでいつでもおっしゃって下さいね」とリディアが笑顔で言うものだから、俺はこいつらの事が好きになってしまいそうだし。リシアのやつ俺をここまで魅了するなんて このリディアは本当に凄い女の子だと思う

「さぁ!お兄様!リシア姉様と二人で私の名前を呼んで下さい」とリディアに言われるが

「う〜ん、なんか違和感がすごいんだよなぁ。でも二人共可愛い名前だと思うんだけどなぁ」と言うと

「まぁ、そこは私たちに任せてもらえれば、いい名前を考えてみせますので楽しみにしていて下さればよろしいですよ!」と言い出してくれたのだ この二人が仲直りしてくれるなら、それはそれで良いのかもしれないけど、正直俺としては不安しかないんだけど それにリシアが悲しそうな表情をしているから、なんとか二人の関係修復を図らなければならないのに 俺は何の力も無いし どうしようもないよなぁ。それにしても、この娘二人は俺の事本当に好きなのかな?俺は二人に何かをしてあげられてるとは思うんだけど。この娘達は一体どんな悩みを抱え込んでいるのだろうか?俺を頼って来てくれた以上は全力で助けてやりたいと思うんだよね。

リリスさんとは一度会って話がしたかった

「あの!私はあなたの娘ではないのですが! なぜ私に会いにいらしたのですか?」と言われてしまう まぁそりゃ当然だよな。リディアやリシアも最初は同じ感じで戸惑っていたもんな。

リディア

「ま、まさか!私達の姉妹の誰かが妊娠して、産んだ子供なんでしょうか?もしそうであるならその娘はどうなったのですか?その子はどうなるのですか?もしかしたら私達と同じ扱いを受けることになるんですよね?私達はそんなに不幸じゃないけど、それでもこの国では普通とは違う暮らしを強いられるんです。もしかしてそのせいで産まれてしまった子供が私達の元に来たのでは無いのでしょうか?そうでなければどうしてこの子がここに来ることが出来たのか理由が分からないわ」

「うーん俺の予想は違うと思うけどな。その娘の事は俺の嫁に迎える事になったんだ。俺の妻になるから俺の子供として育てて行くつもりだぞ。俺の妻となれる女性はみんな俺の子供を産む事になるから。そいつも俺の子供を身籠る事になるが、別に構わないだろ?俺と妻の間にできた子だから。もちろん君らもリシアの事も愛してやるから安心してくれ」

「そ、そんな、私はリシアの友達なのに。友達の子を孕ませるような男のところに私は嫁げないです。絶対に無理です。そんなの絶対に出来っこない」

「俺にそういう感情を持ってる時点で俺には関係ないからな。リシアを一番大切に思っているのはこの国の誰よりもお前だろ?その思いに偽りがなければ何も問題ないはずだけどな。俺はお前の気持ちに応えてやることくらいしかできないんだ。俺はお前のことを妹だと思って接しているし、その気持ちはこれからも変わらない。ただ、お前の気持ちに応えられなかったら。ごめんな。」

「リリアはリディアのことを大切に思っているのは分かっているんだ。それにリシアはリディアの妹だし、俺にとっても可愛い義理妹のリディアと妹のリシアだと思っているんだ。だからさ、リディア。リリアが俺と結婚するのは仕方の無いことなんだよ。俺だってリリアのことが好きだし、結婚もいずれすることになるのもわかっている。でもその相手はお前なんじゃないかとも思ってしまうんだよ。リディアと初めて会った時から。そして俺にはもう心に決めた人がいるんだ。リディアと出会ってすぐに。その人以外と結婚をする気はないからさ。俺は君の事を妹のように接しているが。それでも良いって言うのなら、俺と一緒に幸せになれないかな?」と聞いてみることにする。

するとリディアが

「私もあなたの事が好きになってしまったのです。どうぞよろしくお願いします」と言ってくるのだが、やはりリシアとの違いを比べるとどうしても差が出てしまい、つい見つめ合ってしまい お互いに目を逸らしてしまうとリリアは少し拗ねた顔になって俺に近寄ってくるので頭を撫でてやる

「私はあなたの一番の奴隷なのでしょう? だったら私のことも大事にして下さい」と言ってくるので「勿論大切にするよ」とだけ言っておいた それからというもの、この二人はお互いを意識しているのか目を合わせないようにしており、この二人は俺の想像以上に仲が悪いのである。

でもこの娘たちの関係をどうにかしなければ俺が辛いのは間違いないだろう。

「とりあえず、二人の名前はリディアとリシアのままでいこうと思う。だけどいつまでもこのままじゃまずいからさ、何か対策考えないとな。あと、二人は姉妹で一緒にいるように心掛けてくれないだろうか?」と頼んでみたんだ リシアは俺が頼み込む姿を見て

「分かりました。お兄様のおっしゃるように私も心を改めていきます」と返事はしてくれたんだが。やっぱり二人の間には見えない壁が出来てしまっているんだ。これでは俺はリシアの側にいてやれない。何とかしないとなぁ リディア

「お父様は、リシアがお兄様と結婚したら、私のことは邪魔者として扱うのでしょ?それじゃ、私にとってはリシアも敵なんです。ですから私はリシアと一緒に行動するつもりなど全く無いんです。私はリリアお姉様さえいれば幸せなんです。それを理解してください。私はリシアとお揃いの名前で呼ばれることに凄く違和感を覚えますし、私はリリアという存在は嫌いなんです。私だってリシアという人間が存在するから、私は存在しているというのを理解できていないんですか?」と言われてしまい リディアと仲良くしようと心から思って、リディアの

「リディアの事が大好きだよ!」と言うのだが。俺の言葉がリディアに伝わる事は無く。

リディアもリシアの事が憎らしくなってしまったらしく。

「私がこんなに想ってあげているというのに。リシアは本当に悪い女です」

と言って、リシアの事を見下すようになったらしい 俺はそんなリディアの姿を見た時すごく悲しい気持ちになり、

「俺はお前の事が大好きだから。リディアとリシアの両方とこれからずっと一緒に居て欲しいと思っているから。だからさ、頼む。どうか二人のことを好きになってくれないだろうか?俺はリディアとリシアにはこれからも幸せに生きて欲しいと思っているんだよ。そして俺は、これからリリスさんにも会いに行こうと思っているんだ」と言った。

「まぁ、そうですね。リシアにはリデアお姉様も付いておりますし。これからお父様がリシアの事を選んでくれればきっと幸せになれると思うんです。私にも、幸せになれる道があるという事ですよね。私もリシアの事は嫌いじゃないんです。ただリシアの事が好きになりすぎてしまったのと、リシアの存在が気に入らないってだけで、本当はリシアの事もお父様に選んでもらえるまで好きでいられる自信はあるんです。だから、お兄様はリディアの事も愛して下さいね」と返してきた リディアとリシアの関係が壊れてしまう前にリディアの事を俺の一番にしよう 俺にはまだリリスさんの本当の目的が分からないんだよなぁ。

この世界のどこかにいるはずの魔王を倒しに来てくれたのか それともこの世界に俺たちの事を呼び寄せるためにこの世界に送り込んで来てくれた女神的な存在を探し出して、俺達を呼び出した女神を見つけ出すのに協力してもらうのか。

ただ、この世界で何かが起きようとしている気がする 俺の本能が危険信号を出している この娘達は一体どういう関係なのだろう?俺にはまったくわからないが。とにかくリリスに会い

「リディアは私にとって大切な子なんですよ。リディアとこの国のために戦おうとしているあなた達のこと。私が応援するのは自然なことでしょう。あなた達の戦いが無事に終わるその時まで。私はあなた達のサポートに全力を尽くしますから、あなた達も出来る限りの協力をしてください」とお願いされ

「俺はリリアを護りながら戦います。俺はリリア以外の人はどうなってもいいんです。俺の大事な人が傷つけられるのだけは絶対に許せないんです。リリアの事だけを最優先に考えたいんです。そのために俺の力が必要なら俺を使って貰っても構いません。俺の命に代えてもリディアは護り抜きますから」と言い切った すると、リリスさんに抱きしめられて頭を優しく

「いい娘を持ったねぇ。本当に、いい子に育ったもんだ」と俺に言い、続けて

「私にはね。リディアっていう子もいたんだ。まぁこの子はあんまり話したがらないけど、昔は仲が良かったのよ。でも私達の関係はいつの間にかね。私も年をとってね。あの子のことが可愛く思えなくなってしまったのかもしれない。今更、あの子を私の元に戻すことはできないのでしょうけど。それでもね。あの子が心配なの。あの子を助けてくれるというならいくらでもお金も渡すし、私の全てをあげるつもりなんだけれど。無理よね?」と聞いてくるので俺は

「無理じゃないかもしれませんが、俺としてはその人の幸せそうな笑顔が一番好きなんですよ。無理矢理俺が幸せにしたとしても。それが続くとは限らなかったりするじゃないですか。そんなことになるのは絶対に嫌なので。そんなわけなんで。もし協力していただけるというのなら。報酬をいただきたいと俺個人では思っているのですが?」と言う

「ふぅーん。なるほどね。リリアくんってばなかなかのやり手みたいね。私は君のこと気に入ったから何でも用意してあげるけど。リリアちゃんは何を望んだんだい?あの娘にして欲しい事があったんならそれを言って欲しいんだけど?私は君に借りを作ってしまうことになりかねないからねぇ。それは少し困るんだよ。それに私には私の目的もあるから」と、言ってきたため 俺は

「そうですねぇ、じゃあさっき言ってたこと全部本当で良いですよ!それで良いです。でもその代わり俺はあなたの目的に協力することはできなさそうだな」と言うと、リリス

「わかったわよ、仕方が無いか、でもさすがだね。そこまで見透かされているとなるとちょっと厳しいものがあるかなぁ。でもリディアを助けるために協力してもらいたいことがあるんだけど」と言われるので俺はリリスさんのお願いを聞くことにしたのだけれど その内容はあまりにも酷

「う、嘘だろ。俺にこれをやれってことか?」と思わず叫んでしまったくらいだ

「そう。貴方にはこの世界で勇者と呼ばれている存在として、リディアが召喚した魔王を倒してきてほしいの。これはもう決定したことなので諦めてもらうしかないの」

と言われてしまい。もう断ることもできなく、俺には選択肢などない 俺はリリス リディアが召喚したとされる魔王がいるとされている【迷宮都】の城へと向かっていく。

俺の名前はアゼム。年齢は23歳。身長172センチ体重65キロで髪色は金で、目は黒。顔立ちもそこそこ悪くは無いはずだ。

この国の王から直々に呼び出されたのは先日

「リリス殿からの連絡によりそなたの存在を知り。是非会いたくなり呼び出したのだが、余は、リリスに命を奪われるような事をしてしまったらしいな。だがな、我が娘と妻が死ぬ間際、リディアのことをよろしく頼むと申しておりおったのだが。リディアの事を頼めるのは貴様しかいないと、そしてもしもの時に助けて欲しいと言っていたのだが。リディアを嫁にやることは出来ない。だが、どうしてもと言うならば、お前がリディアを満足させてみせてくれ」と言われ、 俺は「俺は魔王討伐の任を引き受けることにしました。俺は魔王がどんな奴なのか、そもそも、リディアという姫と、俺のリディアに対する気持ちが本物であるかどうかも分からず。魔王とやらを退治できるのであれば。引き受けようと思っております」と答えた 俺は魔王討伐を引き受けた

「まずは、情報を集めるところから始めるべきか」

俺はまずリディアについて知るべきだと思い。俺は、この国の第一王女リディアに会いに行くことに決めた。この国の城の地下に牢獄があるらしいと聞いたのはつい最近のことである リディアの情報をもっと集めなければならない。そしてこの国がなぜリディアに対してこれほどの執着をしているかも知らねばならないと思った俺は、リディアスのいる地下牢に向かうために城内を移動していく

「おいそこの者何用でこのような場所にいる。許可なきものは入ることは禁止されているぞ。まさかとは思うがここに入った者は生きて帰ってこれないとか言われておる場所に入り込んだのではないのか?」と言われてしまった

「はい。そうですよ」と俺が言うと衛兵は驚いており

「冗談を言うな、ここは一般人が入れるところではないのだ。ここから出ることをお勧めする。」と言われた 俺が、リディアが捕まっているというのを聞き、リディアに会う為にここまで来たのだが。そんなことを言えるはずもなく

「すいません。この城に囚われているという。リディアって人と話がしたいんですが。呼んでもらえませんかね。」と言ってみた。

すると衛士たちは俺の話を聞いてくれたらしく

「悪い事は言わない。リディアはここにはいない。ここに来てるのはリディアのお父上のご指示によって幽閉されているリディアの姉上だけだ。だから帰れ、お前みたいな怪しい者をこの先に行かせるわけにはいかないんだよ。リディア様にも、お前の事は知らせている。この国からは出られると思うから、早く出て行け」

俺は衛兵の人達の言葉に従い、俺はリディアに話をしにきただけです、そしてリディアさんが居るらしい姉が待っている部屋に連れて行かれることになった。

部屋に着くと

「あら?もしかして貴方が噂の人なの?お父様から話は聞いています。貴方のことは。お父様もお認めになっている方ですから。リディアを幸せにしてあげてください。そして私とも仲良くして下さいな」と微笑む。

俺は、リリアと名乗る女性の顔を改めて見てみる。とても美人で優しい感じの雰囲気をまとっていて可愛い女性なのだ。俺は、リディアによく似た姉妹に

「はい。必ず幸せにします」と答えると リディアに似た女性は、少し寂しげに

「私はね。私達姉妹は、リディアと違ってね。本当に不細工でね。皆からも嫌われていたのよ。それでも、この人は優しく接してくれたんだ。こんな私にも優しくね。でも私はね。そんなこの人を好きになりすぎてね。私のものにしてしまいたいって思ってしまったの。この人は、本当に優しくしてくれる人でね。でも私のことだけを見てはくれないのよ。でもリディアのことを大切に思ってくれるというのなら私は、この人の手助けをすることに躊躇はしないわ。この国から出て行くっていうのなら、リディアのことは諦めなさい。でもこの人の事を諦めなければ私は容赦はしません。この人に手を出すことだけは絶対に許さない。リディアに迷惑がかかってしまうことになるんですから」と言われる。

リディア姉さんからは、「私達の大事な娘を不幸にするようなら許さねぇからな!覚悟していろ!!」と言われている 俺が、そのように考えているとお姉さんに抱きしめられてしまい、頭を撫でられてしまう。

俺がそのようにされるがままになっていると 突然、部屋の扉が開かれ、 一人の女の子が現れる

「私を助けに来てくれましたのか!?」と言われてしまい。

俺はリディアが助けを求めに来たのではないか?と期待してしまう 俺に話しかけてきた少女の顔をよく見てみると、リディアに似ている 俺とこの子も血が繋がっているんじゃないかと思われるくらい似ている 俺はそのように思い。リディアの妹に

「リディアっていうのは君の名前かい?」と聞くと 妹は嬉しそうに「はい。そうですよ!私の本当の名前はね。リディア=アルフォートっていうのよ」と教えてくれた この子はとても可愛らしい 俺は、この子を助けたいと思えてきて リディアを裏切る行為だと解っていても 助け出したいと思ってしまった。

俺はリリス リディアにリディアと瓜二つの容姿を持つ妹の話を聞かされて

「私があなたにお願いしたい事なんだけど。この国の国王の娘、つまり私の実の母親を殺して欲しいの」

俺はリディアのお母さんを暗殺することになって 俺は今。魔王討伐のために【迷宮都】の城に向かってる

「魔王を討伐してくれだなんて無理ゲーだよな」

俺はそんなことを考えながら、【迷宮都市】に向けて歩き続ける リディアが召喚されたとされる街に到着すると 【迷宮】と呼ばれる場所にたどり着いた。そして、俺はこの迷宮の最奥部を目指すことになった 俺は迷宮に入っていき 【魔物】と言われる生物と遭遇していく そして、最深部に辿り着くまでの間に俺は【鑑定眼】で相手の能力を看破しながら戦っていっている そして【鑑定結果】を見ていた俺は驚愕

「こいつらは、あの化け物か」と思い至った時に、突如現れた巨大な怪物が襲いかかってくる だが俺の敵ではなかったのだが 相手から放たれている膨大なオーラに威圧感を覚えてしまう

(なんだこいつは。これが勇者のオーラってやつか?)と恐怖すら覚えた 俺は、魔王に近しい力を感知したため

「俺はお前を殺す。お前も俺を殺しに来るか?」と相手に問う 相手が、言葉を発していないため。こちらに攻撃をしてきているわけではない。だが 俺は、圧倒的なまでの存在感を目の前にいる男から感じる。俺はこの世界の住人にここまでのプレッシャーを与える事ができる人間を今まで見たことがなかった だが、俺は戦うしかない そうしないとこの世界の人間が殺されてまうだろうから 俺と奴はお互いの攻撃をぶつけ合う。奴の力はやはり異常だ 奴と俺の力は互角。

俺はこの世界を救い

「魔王を倒すために旅立った勇者アゼムです。よろしくお願します」

リリス 俺は勇者アゼムと出会ってしまったことで魔王に勇者アゼムを始末させにいくことを決意する。

まずはリディアのことについてだ。

リディアを確実に救出するためには、リリスをどうにかする必要がある。だがリリスは、かなりの力を持っているため、まともに戦ったところで勝ち目はないのだ リリスは俺よりも年上で 見た目はリディアよりかは幼いが年齢は俺と同じ23歳で身長165センチ 髪の色は金色 そして髪の長さはセミロングである 顔立ちは可愛い顔立ちで髪の色と相まって 綺麗にまとまっており。まさに美女と言える

「私はリリスと申します。この世界で最強と名高い、勇者である貴殿の足止めをするのが仕事となりました。なのでどうかお手柔らかにお願いいたします」と自己紹介をした彼女は礼儀正しく 丁寧でとても好印象を持てた 彼女の強さを見抜き俺は彼女を仲間として迎えたいと考えた俺は「俺は魔王を倒して元の世界に戻るという使命があるんだ。リリアはリディアの姉で俺の仲間になるはずだった。俺はお前が魔王討伐の旅の同行者になってくれれば嬉しいと思っている。だから俺と共に来てくれないだろうか」とリディアのことをリリアに伝えてから、彼女を連れていこうと考えた リリアと俺はしばらく戦い続けた

「そろそろ本気で戦おうぜ!」とリリアに言うと リディアから借りた大剣を振り回している。その攻撃速度は尋常ではなく。まるで雷が襲ってきている

「この一撃で勝負をつけましょう」

「いいぜ」と俺は答えて全力でリディアが貸してくれた魔装を展開し始める。俺の体の周りが青白く輝き始め、それと同時に魔力が俺の中に入り込んできて 俺の強化が行われる この状態での俺はリディアと良い戦いを繰り広げることができる

「流石に俺もここまで強化するとは予想していなかった。お前の実力を認めよう」

俺がそういうと、俺達は互いの全力を込めて 攻撃を仕掛ける。そして リリアの渾身の一太刀により

「お前の負けだな」

俺はリリアに勝利したのであった

「私の完敗ですね」と言うリディアの一言によってこの戦いは終了したのだった

「私はあなたのことが好きになってしまいました。私はあなたについて行くことにします」と言ってくれたので。これからはリディアの護衛役を任せられるなと思った リディアとリリアには、この世界に呼ばれた時の記憶が残っているらしく。その時のことを思い出し

「「私はこの国に恨みを抱いています。私達を閉じ込めようとした、お父様を、それに姉さんはお父様に殺されたんです。」」と言われた リディアスにはこの二人を救ってほしいと言われていたが 俺が救えるのか不安になってしまった リリス 私はリディアの姉リリア この二人は本当にそっくりで私から見ても区別をつけることが困難であるくらい

「姉さん、あのね。私が勇者さんと戦ってみたかった理由なんだけどね。実は私はね、昔。リディアちゃんみたいになりたいって思ってたの。それで私はリディアちゃんに憧れていた。でもリディアちゃんは私みたいな容姿の子が近くにいて嫌じゃなかったのかな?」と聞いてみた

「それはね、私はリディアとは、ほとんど同じ顔をしていてね。私はそれが少しだけコンプレックスだったんだよ。でもね。リディアはその私に優しくしてくれたのよ。リディアは自分のことしか見えていない子だけどね。でもね。リディアは本当は優しい子なんだ。だからこそあなたもリディアのことを嫌って欲しくはないんだ。だって姉妹だしね。あなた達が一緒にいることを望むなら私もそれを望んでるよ。リディアのこと頼んでも良いよね?」と私はお願いした

「はい! もちろんです。私もリディアの事は大好きなので」と返される。

この子は凄くいい子なんだなぁって思い 私は思わず抱きしめてしまった リディア 私がこの国を出て行くことを決めた後。私は【迷宮都市】から遠く離れた山の中にある村までやってきた。そこには私の友達の【精霊王】がいるから

「こんにちは、元気にしていた?今日はあなた達に報告に来たの。私この世界から去ることにしたわ。ごめんなさい、せっかく仲良くなれたのに」と言い。私が謝罪をする 私に【妖精神】が声をかけてきてくれた。どうやらこの村の守り神のようで。私が【迷宮都市】から出ると言った時に、「私ならリディアを【迷宮】から助け出せる。私と一緒に行きなさい。私とリディアなら二人で協力すれば、どんな強敵が相手でも必ず倒すことが出来る。だから安心しなさい」と言われ。

「うん!そうだね!それが良いかも。この子達の力を貸してもらえないでしょうか?」とお願いして。私の大事な仲間達を紹介してあげた

「ふむ、リディアの頼みであれば仕方がない。私の力を使っても問題ないか?それとも私の力を借りずにリディアだけで倒せるのであろうな」

「はい。リディアの大切な人達を傷つけることは許しません」と私の決意を伝えると

「分かった。では私の力を貸そう。その前にリディアが持っている武器は見せてもらわないとダメなんだけどな」と言われる 私は、リディアのお父さんにもらった剣を取り出し 【鑑定眼】を使い調べてもらうと、

「【魔剣】だなこれは。しかもかなりの逸品だな。だが、使い手を選ぶ。つまりリディアの魂との親和性の高さでのみ扱えるということなのだろう。これならば十分だろう。私の力を授けてあげる。私の力をあなたに宿せばこの【迷宮】の中でも生きていけるでしょう」と言われる 【迷宮】の中での生き抜き方を知っているらしい。

私はリディアのお母さんが持っていた魔法鞄から回復薬を取り出すと リディアは「お母さまの物を勝手に使うのですか」

と言ってきたけど 【迷宮】を抜けるのに必要なことだと説明したら

「なるほど。納得しました。ではよろしくお願いします」

と言って頭を下げた 【勇者アゼム】と別れ。【勇者アゼム】から受け取った大剣で戦っている

「この大剣があれば魔王といえども恐れるものではありません。これで勇者も魔王を倒すことができます」と言うと。「リディア、魔王を倒せたとしても、その後世界が平和になっていない場合はまた復活するのだよ。その時はリディアに頑張ってもらいたいのさ」

と言ってくれて嬉しかったのを覚えている だがしかし

「あれは一体なんなのかしら。今まで感じたことのないほどの威圧感を放っている。リリスとアゼムでなんとか抑え込んでいるように思えるけど」と考えながら、私は、リディアの側に付きっきりになって戦っていた。

魔王が復活したことで 魔王城の近くにいた人間たちが殺されてしまっている現状があり 私たちはその生き残りを救出すべく

「リディア、リリスとアゼムとリディアの4人でこの世界の人たちを助けに行きましょ」とリディアに伝える

「分かりました。お母様。でも大丈夫なのでしょうか」という疑問をリディアは抱いていたが。私は自信を持って答える「リディア。心配することは何もないわ。私がついて行ってあげれば怖いものなんてないもの。ただね、私達よりも強い敵が出てくるかもしれないわ。リディア。貴女はそんな化け物と戦うことになるかもしれないけれど。それでも戦う覚悟はあるかしら」

「はい、そのことは分かっています。リリスさんは勇者ですから」と笑顔で言ってくる 私は、こんなにも可愛い子を

「リディア、貴方は可愛いすぎるの。もっと自分を磨き上げなさい。そうすればきっと良い人が見つかるはずです」と私はリディアに言い聞かせて。

「えっ!? どうしていきなり」

「リリス。お前は何を言っているのだ。リディアはもう嫁入り前なのだぞ。あまりそう言った発言は控えろ。リディアも勘違いをしてしまうではないか」

とリディアのお父様が注意をしてくださったので

「あら、そうなんですか。失礼いたしました。私としては娘に変な虫がついたらいけないと思いましてね」と伝えると

「あぁー、それは確かに。リディアには早く彼氏を作って欲しいところではあるが。リリアは結婚しているし。うーん、リディアは誰か気になっている男とかいないのか」とお父様が言って下さる

「そそそ、そ、その。特にそういった人は居ません」と答えていた リリスが「ねぇ、リディアちゃんはリリスにそっくりだから、私がお姉ちゃんになってもいいよね?」と言われた時は焦りまくってたけど 私達は魔王城の目の前まで来ることができた するとそこに現れたのが 【剣聖】の称号を持っている【勇者エヴァンジェリン】だった 彼女はリディアと同じ金髪で綺麗で、可愛らしい見た目をしている女の子。でも私と違ってリディアのことを溺愛している

「お久しぶりです。エアリスさん。まさか生きていたとは驚きですね。あの時の私はあなたのことを殺そうと思っていましたが。あなたの娘は本当に強くなっていますよ」

と言ってリディアを見てくる 私はリディアの手をぎゅっと握る

「リディアは私達の希望よ。だから私達にはあなたの力が必要なの。あなたのその力と、リディアスのその力を使って」と私が言うと

「はい。そのつもりです。リディアをあんな酷い目に合わせた連中を許すことはできないのです」と怒りを抑えきれずに話してくれてるのを見て 私は心の中で安心する この子達には、やっぱりこの世界で幸せになって貰いたいと思う 私は、この世界に呼ばれてきた【勇者】の一人でもある。この子達を守るのは当然の事である

「じゃあいきましょう。みんなで力をあわせてあいつに勝ちましょう。」と言う リリスの呼びかけで全員が攻撃態勢に入った。私もこの場にいる全ての人達の力を集め 一撃で勝負を決めたかった

「リディアー、いくわよ! 」

「リディアも全力でいきます! リリ姉、お願いします」

『お姉ちゃんは私と一緒に行きますよ』と私に声をかけてくれる精霊王のリリィが声をかけてくれたの。私もその意見に賛同し、リリディアと精霊王は私の中に戻ってきたの 私は自分の中に入ってくる精霊王に話しかけることにした

「私に協力してもらってもいいの?私の魂は魔王によって封印されてしまって。リディアも私の力を借りることができない状況になってしまったの」

精霊王 リリィ

「私ならあなたに力を与えることが可能なのよ。あなた達二人が望むのであれば、私達の力で魔王を倒すことも不可能ではない。それにあなた達がこれから生きていくためには、どうしてもこの力が必要となるのですよ」と私に言ってきて。

私はリディアの方を向いて。リリスとリディアにどうするか問いかけた

「リディア、私があなたのお母さんになるのは構わない?」

「はい、私もずっと会いたかったの。リリス、リディア、一緒に頑張りましょう」と言われ

「うん、よろしくね。リディア」

リリシアの魂を持つ少女、リディアとリリリスの姉妹はお互いを抱き締め合うとそのまま消えてしまう。だが二人はこの瞬間、この世界を創造した神と同等の存在になった リディアの体を借りて、精霊王が顕現してくると私

「リディア、あなたのおかげで私を【神化】させることが出来ます。今から私と一緒に魔王の討伐を行います。私に力を預けなさい。そして私と一緒に戦ってください」

私はリディアに向かって微笑む。リディアは涙を流しながらも私の目を真っ直ぐに見てくれて

「はい、お母様、私、お母様に会えてよかったと思ってます。お母様は優しくて大好き。私は絶対に諦めないから。リリリスさんと力を合わせて。必ずこの世界を取り戻してみせるから」と言ってくる。

私も自然と涙が出てしまい。私は、魔王を倒すために。この世界を救うために。この子の想い

「分かった。私とリリス、それとこの世界のすべての人を守るために。私たち4人の力を結集させて戦いましょう」

リリスとリディアはお互いに抱きしめあって、一つの体に溶け込んでしまう。だがそれは二人の意識が失われることではなく。二人で一人の魂を共有することになったためだ リリスは【神剣エクスカリバー】を構え、リディアが【大魔剣バルムンク】を手に持つと二人して、

「いっけぇー!! 魔王を倒してやるぅ!!」と雄叫びをあげる 私はそんな光景を見ながら、魔王に対して憐れみすら感じてしまっていた リディアとリリスの【勇者姉妹】は、二人ともリディアの身体を使っているが

「リディアとリリスは別人」という認識なので呼び方が【リリス様】と【リディア様】に分かれる リリディアはお母様と呼んでおり。

リディアの方は、私をお母様と呼べないため。【リリ姉】と呼び

「お姉ちゃん」と呼んでいる そんな【勇者】と【魔王】による最終決戦が始まる。

「さて、まずはこの空間を壊しましょ。リディア。リリス、私のそばから離れないでね。あと、リリス、私から離れるんじゃないわよ」と私が言うと

「「はい!」」と元気よく答えてくるリリスとリディアに、つい笑ってしまうと。魔王に気が付かれてしまって

「なぁ。我を馬鹿にしておるのであろう」と言ってきた それに対して私は「いいえ。あなたになんて興味ないもの」と言って。私達の目の前に巨大な扉が開き。その中に入り込む そこは魔王城の謁見の間のような場所であり、そこには魔王の姿があり、玉座に座り、肘置きに頬杖をつきながら足を組んで私を待っていた

「お主たちがここまで辿り着けたのは奇跡のようなものだな。リディアをここに連れてきてもらった礼だけは言わねばならぬようだな」と言うと リリスはおどけた様子を見せながら「へっ!お前みたいなやつに言われても嬉しくなんかねーぜ」と言ったので

「こらっ、そういう事を言ってはいけません。魔王に礼儀正しくするのよ」

私はリリス

「はぁ~い」と返事をした。それを見て「くっくっ」と笑う魔王 そして私は「私達にそんなもの必要ありませんよ。それよりも魔王。なぜリディアを狙ったのですか?」と聞くと

「リディアか。お主の妹か。ふはははっ。我が妹を殺した理由はただ一つ。勇者召喚が行われた時に、その近くにたまたま居合わせてしもうたからだ。まさかあんなに多くの犠牲が出るなど思っても見なかったわ」と言い放った。

リリスは激怒しているのか「ふざけるなよ。お前はたくさんの人達を殺してきた。お前の所為じゃない。それだけは間違いのないことだ。お前に何があったのか、それは知らないが。これ以上好き勝手な事はさせねぇ」

魔王はその言葉を聞き、「ほぉ。我と戦うつもりか。いいだろう、面白い。ならば来い。この剣を抜け。貴様が持っている剣よりも、こちらの剣の方が遥かに上だと知れるぞ」と言うので。リディアの腰に差していたリリスの【剣】を抜き取ると。その瞬間、剣が姿を変えていき、その見た目は完全に、私がいつも愛用している【剣】そのものだった リディアは驚いているようだったが、リリスの表情は、少し辛そうな顔をしているように見えたので リディアには【神剣】を渡したほうが良

「お姉ちゃん、ありがとう」と言うリディアの言葉を聞いて 私の中でリリスとの会話が行われる

『リリス。私達の力で【剣】を作りました。それをリディアに譲渡しました。あなたの【武器】と、リディアと融合させたのです。これであなた達は二人で一人となります。二人で力を合わせることで。本来の力が解放されるのよ。さぁ私とあなたの力であいつを倒しましょう』と話しをする

「うん、分かった。行こう。お母さん」

「私もお母様について行きます」という声とともに リディアとリリスは私の中に戻ってきた

「さあ行くわよ。魔王、覚悟しなさい」とリディアに声をかけると リディアとリリスの二人が手をつなぎ、その

「「【ダブル合体魔法】【女神剣エクセリオン】」」

と二人が言うと。その剣が光輝き。【光の刃】を放つと 【闇】を司るはずの魔王 にダメージを与えて行った

「ぬおっ!なんだ!なんなのだ! こんな事が、ありえない!あり得ないはずなのに」と叫ぶ 私はこの光景を見て驚きながらも 【剣聖の極致】を最大レベルにまで上昇させる

「【究極武技】

『天翔斬』」と私が唱え 空を蹴ったかのように一瞬で間合いを詰めて

「【無慈悲なる断罪の一撃】」を繰り出した。

私はお母様

「リリス。私の後ろに下がって。ここからは私達が前に出るわよ」と言われ。私は後ろに下がりお母様の隣に立つことにした。

リリスとお父様は魔王との戦いを見ていたけど 私にとっては これがお初になります お母様と私は魔王の前に立ち 私はお母様が魔王に向かって言った言葉を耳にした。それはまるで私のお婆様みたいで。とても優しい声色だった。お母様は 私達二人と力を合わせて戦うことを決断した

「あなた達が私の力を貸すことを望んでいる以上、あなた達に協力することが、私に出来る最大限の協力です」と、私達二人に向かって話しかけてきて。

「リリス。これから私の力を半分、いえ。あなたはあなたで戦って。私はあなたと二人で戦います。リリス、一緒に頑張りましょう」と言ってきた

「うん、お母さんと一緒に頑張ろうね」と答えると。

「「【ダブル変身魔法】【女戦士】」」と同時に変身して、【神装武具】を装備すると。魔王に攻撃を仕掛けた 私は【神

「お待たせしました。魔王さん」と言うと。魔王は「ふん。この程度なら楽しめそうだな。リディアとリリスの【神】は、リリスの体を使うとここまで強くなるものなのか?」と尋ねて来たので

「そうかもしれません。だけど、私のお姉ちゃんだって。強いんだから。魔王に負けてあげないよ。私は【神】として覚醒してから一度も魔王と戦ったことが無いの。私は魔王と本気で戦って、そして勝ちたいの」

「ほう。ならばお主にも我と戦ってもらえるようにしないとな」と魔王は言い放つ

「私と勝負してくれる?」

魔王は「ふはははっ。いいとも、我の力の一部を開放するとしよう。さすれば、貴様は我に届くやもしれんからな」と自信満々に言ってきたので。私もそれを受けてたつ 私とお父様に攻撃してきた魔王の攻撃に対して

「リリス」

「リディアお姉ちゃん」

私達は同時に動き出し。それぞれの役割分担を決めて行動する 私の役割は魔王と戦いつつ、リリスの攻撃をフォローすることだ。リリスは私と一緒に魔王の動きを阻害するように動いていく。リ

「リリス。魔王を足止めするわよ」と言って 二人でタイミングをあわせて【闇の魔力弾】を放った。しかしそれをあっさり避けたあとで、反撃をしかけてくる魔王だが、そこにリリスが現れていて

「こっちにも来てくれるよね。魔王さん」と言って剣を振り回して来るのだがそれも簡単に避けられてしまうので。私は【神速】を起動させて移動しつつ【剣舞】を使い攻撃を続けるのだがそれでも決定打にならないのだ どうするべきか?と考えつつ私はさらに加速していき、【超高速戦闘】まで使用してしまうと もはや目で追うことすら難しいほどになっていた そして【大剣化形態変化】を使って剣を巨大化させるとそのまま

「【極限奥義】

【滅竜剣】」

と【大剣モード】の状態で発動した【大剣術】が使えるようになる。

その【剣】が振るわれ。その斬撃が巨大なドラゴンの幻影を生み出し。魔王に襲いかかっていく。そして、私の狙い通りにその攻撃を受けきることも出来ずにまともに受けてしまい 魔王はそのまま壁際近くまで吹っ飛んでいった。魔王の体は壁に叩きつけられ。そこから地面に落ちていく

「くっ!まさか、我の身体にダメージを与えることが出来るとは」と苦虫を潰したような表情を見せる魔王。それに対して私はお母様からの言葉で、今の私が出来る最大の攻撃を繰り出すことに決める

「私は全力でお母様のために魔王を討つ」と宣言し

「私もお手伝いいたします。リリス様」とリリスも言うので

「私達は今こそ本当の力を発揮すべきとき。だから私と」

「はい!リディアお姉さまと」

「「合体変身」」

「「【トリプル合体魔法少女変身】

『ミラクルマジカルエンジェルフォーム』」」

リリスがお姫様の姿になって 私は天使をイメージした衣装に変化し

「魔王よ。覚悟なさい」

「「【三位一体必殺剣】

【聖天浄化剣エクスカリバー】」」とリディアと共に必殺技を発動させたのだが 魔王が「舐めるなよ!【混沌の深淵】よ。我が肉体よ、我が魂よ、共に滅びたまえ。そして蘇りたまえ!」と言う言葉とともに

「魔王の肉体と魔王の心は【カオスソウル】と言うアイテムの中に封じ込まれていました。その【魔王】こそが私達の母親なのです」と言い放ったのだった その話を聞いた私は、自分の中の記憶を振り返っていた。確かにリディアの容姿と私の知るリディアの容姿は全く同じなのだが。その違いは髪の長さだけしか無い つまり、このリディアは私よりも後に作られたということなのだろうかと、疑問

「お主の母であるリディアは既に死んでしまったのじゃ。このリディアの母親は魔王の人格データをベースに作り出したAIであり、【リディア=ラスター】と言う名前を持つ、お主と同じ姿をしている存在のはずなんじゃよ。お主には理解できないと思うが。これは科学の力で、人の心は複製出来る技術を持っていると言う証明になる。それ故お主には申し訳ないが、このリディアの心を消さねばならない。それは分かるかの?」とリリアナ先生が真剣な顔で説明をしてくれた 私にはそれがどういうことなのか全くわからない 私達は【世界樹】を登っていきながら、魔王の話を聞くことにした

「そもそも、なぜ【リディア】を作ったのか。それは人類を滅ぼすために作っているのです」と言われて 私は少し混乱をしてしまい。何を言っているか良く分からなくなってしまった 私は「私達を滅ぼそうとしたら私達が生まれないはずだよ」と言ったんだけど。リディアはその答えを既に知っていたみたいで、すぐに話を始めた。その話はリディアが生まれた経緯についてだった。私達は魔王に作られていて 私はその目的の為に生み出されたらしい その私の生まれた目的は「人間を殺す為だけに作られている」らしく。

そのために私達

「私達は魔王によって生み出されました。正確には【神】を生み出すための研究の副産物です」と言われると お父様が「そうですか」と静かに言うのであった 魔王は続けて「魔王の目的は人間の抹殺でしたが。その為の方法が【神】を量産する事でしたので、私が作られたのですよ」と言われたけど。魔王の目的が分からないので 私が魔王をじっと見ていると 魔王は「そうですね。私は魔王の役目を果たし終えた。ただの残骸に過ぎませんから。教えても問題はありません。私とリリスは魔王を産み出し。魔王は人類の滅亡を目指します。しかし【リディア】の役目は別で。【リディア】はこの【迷宮都】にあるダンジョンの最下層に眠る魔王を倒すための道具として作り出されたのです」

と聞いても、まだよくわからなかったので。お父様の顔を見つめると お父様もその意図を理解したようで

「それはもしかして」と言ってから「あなたが魔王を討伐するための切り札。勇者なのでしょうか?」と尋ねた 魔王は微笑んで

「いいえ、違うのでは無いでしょうか?おそらく私はあなた方から見れば裏切り者でしょうから。私の使命は人類に害を成す魔王を駆逐することですが。あなた方の世界の人間は【リリス】の願いにより保護されて。平和の中で暮らすことになったのではないのでしようか?」と言って来たの

「リディア」とお父様に言われてから私はお父様に近づいていくと、お母様に背中を支えられて。それから魔王の方を見て

「お姉ちゃんの事は知ってるのね」と言うと 魔王は

「えぇ。私とリリスは姉妹のように仲良くなり。お互いに情報を交換しあって、色々な事をして遊んでいたのよ。だけどね。リリスが大人になり始めた頃からリリスの性格はだんだんと歪んで行って。ついには、私の事を利用するようになって」と言って。そこで言葉を一度切ると。魔王の目が悲しげに揺らぎ始める 魔王の言葉を聞いた私は。魔王に何が起きたのかなと思って魔王の顔をジッと見てしまった そんな私

「リリス」とリリアナ先生の声を聞きながら私はお父様の胸に顔を埋めていた お祖母様からお話を聞いていたのでなんとなく予想していたんだけど。私にとっては衝撃的な事実を突きつけられて。でもお兄様はお父様と一緒で。魔王を敵として見て。私に剣を向けるように命令する 私も魔王にお別れをしないと行けないと思い。お姉様と一緒に魔王に近づく

「リディア、貴女に会えて嬉しかった」と優しい笑顔で言ってくれるので。思わず涙が出そうになった お姉様と私は同時に動き出し。魔王の動きを止める為に攻撃を行うが。それを簡単に回避されてしまうので。私は「魔王はお姉ちゃんの邪魔をして来ないように動きを阻害するようにするから。お姉ちゃんはその隙を突いて魔王を倒して欲しいの」と言うと

「分かった」と返事をしてくれるお姉様 私はリリスの攻撃をサポートしつつ お母様との思い出を思い出す。お母様とお買い物に行って。手を繋いで歩いているのを お婆様とお茶を飲んだときのことを リリスと追いかけっこして。一緒に怒られたことも 魔王は

「ふふふ。まさかこのような形で再会するとは思わなかった。あの時はまだ私は自我があったのでな。しかし今の私は、もうすでに【混沌の欠片】の制御が出来なくなっておるが故に」と言ってくるので

「私はあなたの味方だから」と言うと 魔王は涙を流し。「私は魔王である前にリリスの母だ。だが今の私ではすでに限界でな。だから、魔王を倒した後は【混沌の神】が復活せぬよう、この場を破壊しつくして欲しい」と言うの その言葉を受けて。私は「リリスもお願い」と言いながら魔王の胸を貫く その行動が引き金となったかのように魔王に亀裂が入り。そのままバラバラに砕け散ってしまったのである そして 私はそのまま意識を失ってしまった

「あれ?」私は目を開けようとするのだが。目を開く事が出来ずに

「気がついたかい?」という声が聞こえる 聞いたことがある声だったんだけど。どこでだろうと思っていると

「君は僕の事を憶えていないよね?」と言われてしまう 私はどうやらベットに寝ているみたいだったので。その声の主を確かめようと頑張って起き上がると その人の姿を目にすることが出来たのだが この姿を見た瞬間に「あっ!」って私は思い。その人が

「君の名前はリディアだよ」と言うので。私は、お母様と妹の姿を重ねてしまい 私の頭はまた、くらりとしてしまったのである

――お姉様と妹のリリスは【迷宮都】の攻略を進め。とうとう【迷宮都市】の全てのダンジョンを制覇した その結果。この【迷宮区】の階層を探索している途中で魔王が残したと思われる宝箱を見つけ出すことに成功し その中に入っていてアイテムを入手した。それが【混沌の核】と【混沌の書】であり。

【混沌の核】の中には【カオスシード】と呼ばれる【混沌の種】が入っていたのだが。【混沌の種の力を抑えることが出来る】と言うものだったのだ。だから【混沌

「リリス。そろそろ地上に戻るよ。ここを抜ければ出口だし」と、私はリリ

「はい。分かりましたおねえさま」

私はリリの手を引いて走り出したのだが 【混沌の深淵】の最下層を抜けた先で見た光景が私達には信じられなかったのだ。それは お兄様が【神殺しの剣エクスカリバー】を手にしていて。それを構えた姿がそこにあり。その剣は真っ赤に染まっていたのである

「おにい、さまっ!何をするつもりなの!?」

私が大声でそう叫ぶと お兄様は

「俺がお前達を助ける!絶対に」そう言い放って。それから「はあああぁー」と言う雄叫びと共に、手にしている武器を振るった その瞬間、赤い刃は【魔】に向かって飛んでいき。お姉様がその斬撃を受け止めるのであるが。その時

『グガァア』と言ううめきが聞こえたかと思うと お兄様の体が崩れ落ちる

「なにこれ。どういうことなの?」と リリスが震えながら 言うのを聞いて。リリは「そんなこと分かんないよ」と 答え

「リリ、おにいさんを助けに行こうよ。きっとだいじょうぶ。それにリリのたいじばんもあるから」リリの背中を押すリリスに私は何も言えないまま 私は二人の後を追いかけて行く。その後を追おうとしたのだけど。その時にはお姉様とリリスの二人がお兄様を抱えて走って行くところ

「お兄様。しっかりしてください。私達が居ますから」と、お姉様が言ってくれて。私達三人はその場から逃げ出そうと

「リリス。【魔】の力が強すぎてまともに戦えないわ。とにかくここから脱出するわよ」と、お姉様が言って。お姉様は リリス

「【転移門】で逃げるしかなさそうね」「はい」「あそこよ」「え?あそこから行けるんですか?あそこは【神の祭壇】ですよね」「そうね。でも今のままだと私たちではどうしようもないのよ。今はとにかくここから出ることを考えましょう」と言って。二人はお兄様に肩を貸して移動を開始した。でもおに 私は慌てて二人を止めに入るけど「おにいいさまいいいぃ!!」とお姉様もリリスも聞こうとしてくれないのであったけど。そんな私も足止めされてしま

「リリアナさんとリーリスを先に逃がした方がいいと思いますが?」と、言う人物によって私達の邪魔が入ったからである

「あんたは」と、私はその人物を見据えると

「申し遅れました。私の名前はセフィウスと言います。リリスとリディアは私が預かりますんで。リディア。あなたが持っている【聖剣 アスカロン】と、あなた自身の力で魔王を倒してください。大丈夫。あなたなら出来ますから」と言って私から離れて行ってしまう リリスもお姉様も「ちょっと待って」とか、「お姉ちゃんも助けに行きますから」と叫んでいるが。私はそれを無視するようにセフィウが お母様の名前を口にして、それから私の背中を押してくるものだか「わかりましました」と答えてしまい、私の方から近づいてしまうと 私の頬に手を添えて「ごめんねリディア」と微笑んでくれるのです。それからお母様とリリスの姿が見えなくなってしまい 魔王

「魔王?どう言う事なんだ?なぜ貴様までこんなことを」とお父様の怒号が響くと。その声を聞いたお母様が 魔王に話しかけていて 魔王

「我に自我が残っているうちに頼みがある。どうか娘を頼む。あいつだけは魔王を倒す勇者になる必要は無いのじゃ。あやつは優しい子なのだ。どうかリリスを頼んだぞ我が友よ」と言って消えてしまったの お母様と魔王のやりとりに戸惑う私にお父様は優しく頭を撫でてくれて お兄様が目を覚まし

「くそ、なんて奴らだ。リリアナとリリスをどこに連れて行きやがった!」と言うと。私に「リディア。リリスを探しにいく。付いてこい」と言うので私はそれに従う事にした

「おにいさま」と不安そうな声のリリスを見て。お姉様も心配なんでしょう。だって顔色がすごく悪かったから。

私達は二人で行動することにしたのだけど しばらく進むと。リリスが立ち止まってしまい

「リリス?」と言うと

「ここ」と言うので お兄様と一緒に近寄ると そこには小さな祠があったのだけど。リリスはその祠の中を指差して「ここ、だれかいる」と、言った瞬間にお兄様が剣を抜き放つと「魔王の気配じゃないのか?」と言った瞬間に、お姉様と

「リリスの様子がおかしいです。何かあったんでしょうか?」

「どうなってるんだよ」

と。お兄様とお姉様の声がして。リリスの側にお姉様と お兄様が現れて。お姉様がリリスを抱きかかえると お兄様と目を合わせ「魔王はリリスとリリスが連れていかれた。俺の【神殺しの剣】と、お前の【混沌の深淵】の核の力があればなんとかなるかもしれない」と

「リリス。必ず迎えに来る。それまで辛抱していてくれ」と言うと

「は、はい。リリス頑張ります」と答えた。それから お兄

「あの子はもう助からないわ」という女性の声で 目が醒めると 俺は地面に座り込んでおり。そして俺の前に一人の女性が立っていて俺の方を見ながら 女性の言葉に俺は愕然とするしかなく ただ一言呟いただけだったのだ

――それから数分の間があってからの事だったんだけど 目の前の女性が何をしているかと言えば――それはもう見なくてもわかる通りだったりするんだけど 女性は倒れている女の子の前でしゃがみ込み、手をかざすと。淡い光が溢れ出して それが終わると立ち上がってから 俺にこう問いかけてきたんだけどな。うん その少女――魔王の娘なんだけど。彼女の状態はかなり酷い状態だったみたいでな

「私の力はそこまで強くはないのだけれど――今のあなたの魔力量でこの子を蘇生出来るかどうかはわからないわ」と 言われてしまい 俺はその言葉に対して。俺の考えを伝えてみる事にした

「俺がこの子の命を繋げる事が出来るかどうか――」そう切り出すと、女性は真剣な眼差しを向けてきて「やってみないと分からないのよね?」と言う だから「はい。多分。無理だと思う。けどやれる事はやっておきたい」

魔王の娘

『なんじゃ?まだ生きておったのかえ?』って 私はいきなり聞こえた

「お前は何者だよ?」って。

そう言ってみても 相手はまるで反応してくれず

「無視なのかい。それとも聞こえていないふりでもしているのかい?それとも本当に気がついてもらえなかっただけなのか」と言うと『妾には名前など存在せんのだよ』と言われてしまう

「名がない?そんなわけがないだろう」って

『事実なのじゃ。だがしかし。お主がどうしても妾と話がしたい。そういうことならば特別サービスとしよう。少しだけ時間をあげよう』と言われた直後だった 私達がいる部屋の扉が開かれ。そこに立っていたのは黒髪の少女。年の頃は十五~六といったところだろうか。その子は私達を見ると「あ、あれぇ?えっとこれはその違うんですよぅ!別に覗いてたとか、そんなこと無いんですぅ!ホントですよぉ!?ただですね、私がここで本を読んでいたら突然変なお姉様方が来られただけで、私は何にも知らないんですっ!」と言い訳を始めたんだ 俺は呆気に取られていたのだが。とりあえず「お前さんはこの娘の家族かな?名前は?」と言ってみたりするが。少女は何も言わずにそのまま逃げて行ったのだが。その姿を見て俺は思ったことがあったりもするんだよなぁ

『逃げられてしまって良かったのう』

と 魔王 リリリスが居なくなってしまった それに気づいたリリアナも慌てて追いかけようとするが。セフィウスと言う人物が

「お二人はリリスを探すためにここに残った方が良いと思います」と 言ってきた事で 私は渋々引き下がったけど。でもセフィウスが「大丈夫ですよ。きっと無事ですから。信じましょう」と。そう言うのであればと納得する事にしたのであった セフィウスは魔王から【神力】を借りており。【魔王の祭壇】と呼ばれるこの場所は

「さてと、まずは状況確認と行こうじゃないか」と言って 私に話しかけてくる セフィウの話によると セフィウも私と同じように魔王を討伐するための剣の使い手として召喚されたそうで リリスと私はセフィウにとっては妹のようなものらしい。セフィウが私に向かって微笑んでいる姿を横目に

「リリス。お前はこれからどうしたいんだ?」と聞いてきたものだから リリスも一緒にいると答えると お姉様も一緒なら心強いと言ってくれる セフィウが魔王と戦おうとするのを止めようとしてくれたのも 私の事を大切に思っていてくれた証拠だと思っているし。

「お姉様が戻ってこられるまで私がリリスの事を守って見せます」と言ってくれたこともとても嬉しかった 私はそんな事を思い出しながら「私達が居なくなった後も【神の祭壇】が機能しているとは思いませんでした」と、私は【魔王】の祭壇を見ながら呟くように口にしていた 魔王

「私としたことが」私は自分の不甲斐なさを悔やむしかなかった。

「まさか魔王の器になる娘が現れるなんて」と私は魔王に言うと 魔王は「確かに想定外ではあるが、これで世界の崩壊が防げたと思えば儲けものだろう」と言った後に「ところで、リディアの様子はどんな具合なんだ?」と言ってくるもので 私は魔王と勇者とのやり取りを説明した後。私自身の推測を魔王に伝えると 魔王が苦虫を噛み潰したような表情になってしまっていて。それから 私の予想が正しかったのだと証明するように「やはり、リディアが鍵なのだね」と言って 私は魔王が私に伝えた情報を聞いてみると。そこには、リディアが魔王を倒す為に転生してきたと言う内容があり 魔王はその事については触れなかったが。リディアの持つ力が強すぎるので、それを封印

「いかん。リディアの力を封じようとしたらリディアの身体が崩壊しかねん」と魔王が焦っていると リディアとリリスの悲鳴のような声を聞き。急いで駆け付けると。そこには二人のリディアの姿と その二人に攻撃を仕掛けている 魔王と勇者の姿を目に収めてしまった瞬間に リディアと魔王を救わねばと思い。

リディアとリリスの側に駆けつけると。二人が私を見て リリリスが何かを叫ぶと同時に私の目の前でリリディアの姿が変化していき。リリディアスは魔王に襲いかかる 勇者はリリアリスとリリスを抱き抱えてから「お前ら逃げるぞ」と言うと。勇者は

「俺が囮になれば。こいつはしばらく動けないはずだ」そう言った瞬間に勇者の腕の中で暴れている少女を見て私は思わず「勇者殿。リシアだ」と言っていた。

勇者が「姫?って。リリスの妹だったか。すまん。説明は後にさせてもらっていいか?」と言われ。それに了承して。私はリリスに「ここは勇者に任せて先にいきなさい」と言う リリスは戸惑いを隠せないようで「でも。リリス。リディアのそばにいないと」と言うので「リディアならきっと無事よ」

私は笑顔で答えると リリスが「分かりました。リリスは行きます」とリリスが言うとリディアと

「姫様」と言って抱きついて来たので「心配いらないわ」と頭を撫でた後。

私はその場から離脱することにした

「私達は今すぐにこの場を離れましょう」

リリスの手を引きながら走り出そうとすると 勇者の方を向いて。リリスに「おにいさま。また会いに行きますから」

と言い残してから走って行き「リリリス!!」

俺はリリディアの攻撃を捌

「クソッ!キリがない」

俺は目の前にいる魔王リリスと対峙しつつ 俺の仲間でもあるはずの魔王リディアの攻撃を防ぎ続けている。

「おにいさま!」リリスが俺を呼ぶので 俺は振り返ってリリスを見る

「早く行け」俺は短く告げると 俺は攻撃を避けた隙に剣を振るうが「クハッ」

俺の腹に蹴りが入ってきて。吹っ飛ばされてしまう 魔王に目を向けてみると、俺の方に歩いて来ていて。

そして「そろそろいいかのう?お主の事は気に入ったのじゃが。これ以上邪魔されるのは御免なのじゃ。消えてくれぬかの」と言われるので

「魔王を倒してからなら。いくらでも聞いてやるぜ。だから今は。この世界のためにも死んでくれねえかな」と言うと「ほほう。お主も面白い事を言うようになったではないか」と言いながら笑っていた リリアナとリリスは城の中を走り回っていたが その最中。【転移陣】を見つけ。二人は顔を見合わせると「お父様!お母様!」と、二人は両親を必死で探し続けていた しかし、その姿が見当たらないことから、最悪の結末が想像できてしまい。

リリスは泣きそうな顔をしていた

「まだ、まだ諦めるのは早いです!」

リリスがそう言い聞かせてくれるのだが。その瞳からは涙がこぼれ落ちており。

「リリスちゃん。無理はしない方がいい」

「私はお父様とお母様のことが大好きなんです!もう失いたくないんです!こんな思いをする位なら私はお祖母様のように強くなりたいんです!」とリリスが言ってくる 私はその言葉でリリスの事を見直したが

「気持ちはわかりますが。無茶はし過ぎないようにお願いします」と。言うことしかできなかった。リリスも分かってはいるようだが。私達の前には【魔王の祭壇】が存在し。リリディアと魔王の力を感じ取れる 私は、ここでリリアナが リリアナ リリアナの意識は薄れていく中。【魔王の祭壇】から

「なに?なんなのよこの女は?どうして私に歯向かって来るのよ?おかしいじゃないの?私には勝てないっていう事がわからないのかしら?それとも理解できない?どちらにせよ。こいつには痛めつけないといけないようね。まずはこの女から殺しちゃいましょ」と、魔王が楽しげな声を出し。私を殺そうとした瞬間だった 私の前に人影が見えたのだ。私が気を失いかけているせいなのかは分からないが。私の前で戦う男の後ろ姿を見たのは間違いないだろう

『リリリスとやらはおらぬのかい?』その人はそう言ってリリリスを探し始めてしまって その人に事情を説明しても「それは良かったのう。さてと、リディアを殺そうかのう」

と言って私達から離れていってしまい。魔王にリリディアを任せて私とリリスは急いで後を追いかけることにした。

だが。私は足止めを食らう事になってしまった。魔王リリスによって。私の視界が歪んでいく中で 私は【リディアの神力】を発動させる 私の身体が神化し。私の力が上がって行くのを感じたが 私の目の前に居るのは、先ほど出会ったばかりの少年と。その仲間らしい人達だけで。リリディアと魔王の姿は見えなくて

「あんたら。あの子をどうするつもりだい?」と聞かれたので。私が答えようとすると リリスが

「助けて欲しいのです。リディアお姉様を助けて下さい。お礼は出来る限りではお支払いいたしますから」

と、私の代わりに話してくれていた 私はそんなリリスの優しさに感動していたが 私の視線がリディアの方を向くと。魔王がこちらに近づいてきて「お前もしつこいの」と言いながらリリスに殴りかかってきたのを見て。

私は慌てて剣を構えるが、私は弾き飛ばされ。壁に激突してしまい

「くぅ」と私がうなり声を上げると。

「リリスに手を出すんじゃ無いよ」と言って。私の前に現れてくれた。

「大丈夫か。嬢ちゃん」

私は声をかけられ。私がそちらを向き

「ありがとう。あなたが私を守ってくれたおかげで怪我もなく済んだの。それとリリス。貴女のことはお友達になったばかりだけど。あなたとなら、私は戦えるわ。リリスを守りたいもの」と、私は二人に向かって言った後で。

リディアの【神の祭壇】の管理者としての力が発動して リディアはリリスに対して攻撃を仕掛けてきた 私は、リディアを止めようとしたが、間に合わず。私の身体は動かず。

リリスは吹き飛び。私に駆け寄ってくれるが、私は動けない リリスとリディアがお互いを見て。

「私の勝ちだ」

リディアは、そう言うと

「えぇ。リリス。私の負けね」と、そう言ってから倒れてしまった。リディアが倒れたことで、私は動けるようになり。私は、私とリディアで創った剣を手に取り

「リディア。お前との決着をつけるぞ」と

「お待ちください」

俺はリディアがリリアナと戦っている姿をみて 思わず「リディア。リディア。今行くぞ」と

「お待ちください」と言って来たのが誰だったか俺は気にしなかった。

「リディア!お前が俺の家族に危害を加えようとした時点で。お前の命はない。お前を斬り捨てる」と

「リディアは私の大事な娘。家族。お前が私の命を狙うというのであれば、私は喜んでその身に受けよう。だがリリスは渡さない。私は自分の身よりリリスを守る事を優先する」と言う言葉を聞いた時だった 俺は「リリス?」と、つい口に出してしまっていた。

「あぁリリスは無事だ。この世界の王の娘として。リリスを大事に扱わせて貰っているから安心して欲しい」と言うので

「俺が知りたかったのは、そういうことじゃねえんだよ。てめえらのせいで、俺の仲間が大変な目にあってんだ。だから、この世界を終わらせさせてもらうぜ。リディアさん」と言い放つと。

「私を倒したところで。何も変わりませんよ。勇者殿」と言われ その言葉を無視して。リリアナがリディアと一対一で向かい合っている所に向かうと リリアナをリリスが庇い リディアが

「よくも私のかわいい妹と、そして愛しい孫を。許せないわよね?リリス。だから。私を手伝って」

「はい。分かりましたお母様」と言ったのを確認してから。俺は リリスに「リリス」と言うが。俺はそこで気を失ってしまった。

*

* * *

魔王は、「この男は本当に面白いのう」

「お主は一体何を考えているのか分からんの」と。

「私だって、何がなんだか良く分からなくなりそうになりますけど。お父様の事は好きですから。お父様と、お祖母様。そして。お兄様が居たからこそ私はこうしていられるんですよ」なんて言ってくる 私は、リリスの言葉に感心しつつ 魔王の方に意識を向けると 魔王の表情が変わったような気がした

「お主の魂。中々に良いの。お主に力を授けてやろう」と 魔王が言い出したのを聞いてから。

私は【リディアの祭壇】を使ってリリアナの【神格解放】を使い【リディアスの神力】を使う

「【神力付与】【全ステータス10倍】【攻撃力500%上昇】【HP1000%強化】【素早さ50%強化】【魔力100%増加】【自動再生】【MP50%回復速度超加速】このスキルが有れば問題なかろう。さぁ、そろそろ時間もないしのう。お主の覚悟を見せようかの」と言われた直後。

私は一瞬だけ【時空斬】を発動させるも回避されるも 魔王の動きについて行けそうな感覚を覚えた その証拠に 私と魔王の戦いを見ていた者達には 戦いは、一方的だとは思えなかったはずだ。だが 魔王は、動き回る度に傷が増えていき。最後には地面に叩きつけられた。魔王は「ぐふぅ。こ、これほどまでに強き者がまだこの世界におったとはの。そろそろ、わらわが消えるのであろう。ならばおぬしには託そう。この世界の理から外れた存在となったわしの。最後の頼みをな。どうかリディアと。その娘達と。リリアナは、あの男と一緒に。この世界に来て欲しい」と言い。その一言を言い終わると 魔王は息を引き取ったのである 魔王が死に。その亡骸は塵と消えて無くなった 私達が魔王の城で【リディアの神力】を使えるようになったのも確認できていたし 魔王が死んだ事を確認したため。魔王城の門が開かれ。そこから出てきたのは

「久しぶりね。リリス。お迎えに来たよ。それにしてもよくやったよ」と。リディアが出てきてくれて

「お母様!」と。嬉しそうにしていたリリスが 抱きついていて。私もリディアに「リディア様!リリスが」と言ってから抱きしめると

「うん。わかってる。お待たせしちゃったみたいだけど。私はもう、貴方達に手を出さないと誓うからさ。私達の家族になってくれるかな?」

と、聞いてくるので

「はい。私でよければ喜んで。よろしくお願いします」と 私達は手を取り合い。私達の家族の温もりを感じるのであった

「それじゃあさ。君達にはこれからやる事があるんだけどさ。僕達の仲間に加わってくれない?」と言ってきたのは 俺の目の前にいる青年であり。リディアの話ではリディアのお爺ちゃんでもあるらしいのだ 彼は、魔王を討伐するために。まずはこの大陸にある国全てを支配する必要があるのだと言い。その為に必要なものは、【迷宮都】と呼ばれる場所で手に入るとの事だったのだが 【迷宮都市】の攻略の為には戦力が必要らしく その力を持っている人物を探しているとの事だったが。俺達と【魔王の祭壇】で繋がった事で俺の力を得た事を確信しての勧誘らしいが リディアは、俺を見て

「リリアナちゃんは?」と、

「私に、リリスとリディアさんとリディアさんが大切にしているこの世界。どちらが大切なんですかね?と。問われたら。私は即答できる。私の家族が居る。リリスがいる。この二つを選ぶわ」と言い。俺はその気持ちに応えるべく「分かった。俺はこの世界を、リディア。君の居るこの世界を守りたいと思っている」と言う その瞬間。リディアとリリアナの間に光が生まれ それがおさまると。

そこには、金髪の女性が立って居

「初めましてかしら。私は女神です」と言って来たので。

リディアを見ると

「私じゃないよ」と言って来る

「私は貴女方をこの世界に召喚する役割を与えられました。その関係で貴女たちと繋がることが出来ていましたが、今回は貴女の力が私の領域に達したことにより、繋がりを得る事が出来たのですよ」

その言葉を聞き。リリアナの方を見て

「お兄ちゃんは、きっと私と一緒に来てくれる。私はそう信じてる」と言ってくれた

「えっと、その」と、俺の口はパクパクして何も言えないでいる

「私とお兄ちゃんの間には【神の祝福】という特別な契約関係があり。それによって、私の能力の一部は。私が許可をした人だけだけど。譲渡する事が出来ます。なので、私の能力を一部譲渡しておきます。それでどうにかならないでしょうか」

そう言われて 俺が悩んでいると

「私が行きます」と言いながらリディアさんが現れた

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私はリディアと向かい合うと。私は「この子を連れて行かせないよ」と言う 私は「私はお姉さんなんだから」と呟くと。私が【神力開放】を使い始めると 私の中に、不思議な力と記憶が流れ込んできた 私のお婆様は 私の中で眠るリリアナさんの記憶を思い出し 私に対して語りかけてきた リリアナさんの思いは伝わってくるの お母様を守りたいと言う思いを そのお母様を、

「私は、お父様に認めて欲しいの」と。

そう言いながらも。私を殺さないと。そう思ってくださっていることも感じ取れます。

私の力は、私だけのもの。

でもお母様は、この世界の人達を幸せにしたいと言う強い意思があります。

だからこそ私はこの世界の人を守るために お父様を、そして、お兄様を倒そうとしています 私はお母様の事も好きですが この世界の人も大好きで お兄様はそんなこの

「私はお兄様の事は大好きでした。ただお父様のやり方には賛同出来ないのです。だから私は、お父様を倒すために。そしてお兄様に認められたいから」


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俺は、今起きている現象がなんなのか。理解が出来なかった 俺は【迷宮】を攻略しようと思っていて。そこに居たはずなのだ なのに気が付いたら知らない場所に立っていた 周りを見渡すと そこには俺を、リリアナさんを助けてくれた

「やあ。久しぶり」

と言った後に、俺の頬を軽くつねってきたのである 俺は、「やめてくれよ」と言いつつも。その懐かしい感覚を感じていて

「本当に久しぶりだな」と。言ってみたら、「うん」と言うので 本当に久しぶりの再会だと感じると共に。

なぜこんなところにいるのかを聞くことにしたのである そして、彼――

いや。彼女から聞いた話によると 彼女が俺に会いに来てくれなければ。今の状況は発生していなかったのだと 彼女の話では この世界は元々1つの大陸であり 魔王とその仲間によって支配されているのが現状であったようだが ある日を境にこの大陸は分裂してしまったらしく

「この子は、魔王の手の届かないところで保護されて。そして、この子を逃がすのが目的で作られたこのダンジョンのボスが、僕の眷属の一人なんだよ」と言っていた 彼女は続けて この世界に存在する【魔王の祭壇】について説明してくれたのだが この【魔王の祭壇】の攻略こそが魔王への最短の道である その為にはこのダンジョンをクリアする必要がある ちなみに【勇者召喚】の儀式場がある場所までは案内出来るとのこと その道中では、モンスターが待ち構えており。

それらを倒さなければならないらしい この辺りの情報はリディアの【神力】により得られた情報らしいのだが この世界で俺の持っている神の力を使うことが出来るようになったのは【リディアの神力】によるものだろうとの事 そして、今。この世界で確認されている【

「僕とこの子も行くけど、君がもし僕達の事を信用できないのなら無理に一緒に来てとは言わないよ」と言ってくる だが ここで俺だけ逃げてしまうような人間に。俺はなるつもりは無かったので

「大丈夫だよ。それに君は一度。リディアに助けられてるんだろう?」と言うと 少し照れくさそうにしながら「そうだね。リディアは優しいよね」と言うので

「そうですね」とだけ返しておいた 俺は【神格開放】をして そのスキルの【ステータス100倍強化】を使用する事にし 更に【攻撃力500%強化】と【素早さ50%強化】を発動させてから。このスキルを【全知全能の神ノ剣技

「じゃあさ。君にはこの世界を救う為の鍵の一つを預けておこうと思う。僕の名前はリュアシアだよ。じゃあ頑張って!」と言い終わる前に姿を消してしまい。気が付けば目の前にいた少女がいつの間にかいなくなっていた その事を確認したあと。

まずは【転移の陣】で【迷宮】の入り口付近に移動することにするのだった

俺は【迷宮区攻略用拠点(通称:迷宮都)

ここはリディアさん達の女神達の力で作り

「リリスの作った【神の祝福】の効果と似ていますね」と。言われたのだ 確かにそう言われれば似ているのかもしれないと思えてきた。リリアナさんは、お兄ちゃんと離れてしまえば、私達の繋がりも無くなって お姉ちゃんとしてではなく妹のようにしか見てもらえなくなるんじゃないかと思っていたみたいなの それは間違いでは無いのだけれど リディアは、私とお母様を、自分の子供のように

「この世界の全てを愛してくれるのですか?」と言われてしまったけれど。それは当たり前だと思う。だって私はリディアのお母さんで、この世界に居るリディアの大切な家族を守る事が私にとっても大切で幸せなことなのよ?

「そう。お母様の想いが私の中に伝わってきました。私もそうです。リディアさんの事が大好き。私にはこの世界が大好きなのと同じように。貴方にも。リリアナお母様。お母様が大好き」と言ってきてくれた

「リリスの気持ちが私に届いたよ。ありがとう。私達の娘になってくれるかしら」

私はそう言うと リリアナの事を抱きしめ

「もちろん」と答えてくれるので。

嬉しくなって

「えへへ。嬉しい」と言う 私がリディアの事を抱っこしてあげた時に「お兄ちゃんは、リリスちゃんの事、どう思う?」と言われたが

「うーん。俺にとっては娘達全員大切な存在なんだが。やっぱり一番はリリスだけど、でも俺の事を支えてくれるって言ってくれてるリリアナは可愛いから。好きかも?」と言うと リリアナの顔から笑みは消えず「ふぇ!?」と言っている姿はとてもかわいくて 俺はリディアの頭を撫でる

「そろそろいいかしら? あまり長い時間は繋げられないから、早く移動しないとダメよ」と言われるのである なので俺は、リディアをお姫様だっこのように抱えて 【空間接続】を使用し。

【神の試練場】へと向かって行くのであった。

俺は【神の聖域】と呼ばれるこの場所でリリアナの話を聞いていた その話の途中に、リリアナの母親のリディアが現れたのだが リディアと目が合った時、一瞬にして【神格開放】されたのだが すぐに元に戻って 俺に対して微笑むだけで何もしなかった 俺の事をリリアナの妹と間違えていたようだったが それならばそれで構わないかと放置することにした 俺の見た目は、この世界に来る前の姿になっており。【神力】を封印することが出来なくなっているの

「えっと、リディアさんが俺の母さんと言うことでいいんですよね」と言うと 俺と視線を合わせてはくれないが「そうなんです。お兄ちゃん」

俺はその言葉を聞き「えっと、お兄ちゃんと呼んでもいいよ」と言うと 顔を赤くして恥ずかしいみたいだけど「うん。分かったよ。リリアナお姉ちゃん」と言うと喜んでくれた

「私の事もママと呼ぶといいよ」と言うとリリアナの口を押さえ「お姉様はちょっと黙っていて下さい。私のお姉様なのですから」と言うので。俺からすると、リリアナも妹のようになるから良いんだけどなぁと思いながら 話を続ける

「私はこの世界の管理者の一人でもありまして」と言い始めたので俺は「うん」と言うしかなかったので 続きを聞いていると この世界を、俺達が暮らしている星を作り出した神様で 俺の知っている【異世界召喚者】は【勇者召喚】を行った人であって。

この世界の人は、そもそもこの世界の人達は神の存在を知らないようだと言う事を知ったのであった この【異世界】は【地球】とは違う法則が支配しており 魔法があり、精霊や悪魔も存在していて。神もいるので 俺の世界の神話に似たような物が存在するようだという事を知らされたのだった。

俺が【神の啓示書】を読み進め

「それでこの迷宮区のどこかにある祭壇を破壊して魔王を倒して欲しいんだよ」

俺はそれを聞いた後に【鑑定】を使い。その詳細を確認してから答えた

『祭壇の破壊が条件』とあると伝えた上で「このダンジョンをクリアすれば良いのですね」

そう聞くとその通りだったようで。リディアが嬉しそうな表情をしているのだが俺には分からなかった だが俺は【ステータス1000倍強化】を使用後。【神速】を発動し。一気にこの場から離れることにした

「え、あれ?」と、そんな俺の様子を見ながら呟いているのが見えて。俺は【神力】でこの部屋を【神域】に作り替えると【転移の陣】を起動させ【神々の国】に移動するとリリアナと別れることにした

「この先には行かない方がいいですよ? リディアさんに怒られちゃいますから。それとまた、お話しましょうね。今度はもっとゆっくり時間があるときに」

そう言い終えるのと同時に姿を消してしまう リリアナがいなくなったあとも 俺はそのまま歩き続けると そこにあったのは【魔王の祭壇】と思われる建物であり この建物を消滅させたら魔王を倒せるかもしれないと考え。そしてこの場で破壊してしまう事に決めたのである

「これでよし」俺はこの世界を救う為に必要な事を終わらせることが出来た その後 魔王が復活するまでは平和が訪れるはずなのだが それはもう少し先になりそうだと感じていた。

そして俺は 再びダンジョンに戻り【神界門】で地上に出ることにした それから俺は、リディア達と合流した 俺はリリアナを抱き上げながら、リディアと手を繋いでいたが。その姿を見て

「あら? 真央。その方はどちらなのかしらい?」と聞いてきたので俺は「え?あ、この子がさっき言っていた妹だよ。俺はこの子のお兄ちゃんになるんだ」そう伝えると

「そう。なら良かったわ。真衣と仲良くしてあげてくださいね」と言うので

「もちろん」と伝え。

リリアナも

「はい。これからは、私もよろしくお願いしますね。お母さん」と言っていたので リディアの笑顔に、俺は安心していたのだった。

それからリディアは、リディアの神力でリディア達の住む【神域】へと戻ることにし 俺たちもそのリディアと一緒に【神域】へと向かい そこでお母様達に歓迎されて。そして、この世界では【勇者召喚】を行うことができないことも

「この世界の住人達は神を信じていないし、そもそも。【勇者召喚】をしても。【 神 ノ 聖 剣 】の力に耐えられないだろうから」と言っていました だから、この世界の人々は自分達の出来ることをやり。それでもどうしようもない時。それが【魔王復活】の時

「私もそう思っています。リディアが居なければ。この世界にはもう誰もいないですもの」とお母様が言うとリリアナが

「え? リディアが居ないの?」と言って驚いていた 俺は【全知全能ノ神リリスの記憶共有能力】により リディア達女神達の役割について説明

「えぇっと。じゃあ。この世界に来ているのが私達三人って事は。あとの三姉妹はどこに行ってるの?」と、リリアナが疑問をぶつけてくると。リディアは少し寂し気な顔をした後。

「あの子達の事を心配するのは分かるけれど。今はこの世界に来てくれていることを喜ぼう?」とお母様が優しく諭してくれた 俺の知らないリディアの事を教えてくれたり。色々とこの世界のことを聞いているうちに

「今日は疲れたでしょう?ゆっくり休んでね」とお母様から、そう言われたので。俺が泊まっている屋敷に連れて行ってもらうことになったのだ 俺の屋敷に到着した時に、既に皆が戻ってきていたので俺は「ただいまー。母さんとリリアナ連れて来たよ」と声をかけると お母様に抱きしめられた俺は頭を撫でられて

「無事に戻ってきてくれただけで嬉しいわ」と そう言ってくれるのが凄くうれしくて 俺はつい、お母様に抱きついて泣いてしまったのであった「お父様! 」と

「おう、帰ったのか」と俺達を迎えてくれるお祖父ちゃん達を見て 俺の心は満たされていき。

俺にとってこの家族が本当の意味で大切な家族なんだなって思うようになったのであった 私はお祖母ちゃんに呼ばれて 家族会議をする為にリビングに行くと

「リリスは【神格】を解放したら駄目だぞ。リディア様を敵に回すような事をしてはいけないから」と言われてしまった 私は、リディアさんを尊敬していて大好きなお婆ちゃんだと思っているけど 私はリディアさんの娘で、リディアさんと同じ立場なのでお母様って呼ぶようにしているだけなのに 私は「えっと。どうしてですか? 」と言うと

「うーん。お前はまだ分かっていないかもしれん。しかし。リディア様は優しいからな。今すぐどうにかしようとは思っていないはずだ」と言うのである お父様の話によると この世界で魔王が復活したとしても。この世界に住む住人達が、この世界を救える可能性は0に等しいらしい その理由の一つとしては、この世界の人々に信仰心というものが存在しない事と。この世界の人たち

「えっと。それなら私が。勇者として召喚された人が【神の試練場】をクリア出来たらいいんですよね」と言うと

「それはダメよ。リディアが許さないから。それよりも、その話は置いておきなさい。リディアはあなたのお姉様なのよ。あなたはこの家に来たばかりだけど。この家のルールは守る義務があるのよ。分かったわよね。リリアナ。それに真紀は私の事、リディアさんとしか呼ばないでしょ」と言われた 私にとってはこの家にきて。まだ二日目で、お姉ちゃんが出来て。お姉ちゃんに甘えたくて仕方がない年頃だと言う事を理解してほしいのに。お母様

「うん、分かったよ。お姉ちゃん」と言うとお姉ちゃんにギュッとされてしまいました お姉ちゃんと一緒だと凄く幸せだけど 私の役目をちゃんと果たしたいと思ってしまいます。だけど お姉ちゃんの事が好きだからこそ一緒に居たいとも思い始めてる お姉ちゃんが嫌な思いをしないように頑張らないといけません。

でも、お姉ちゃんは私の事が好きだって気持ちをずっと隠してくれていたのでしょうか? 私はこの家で暮らせて幸せだと思う 最初は、お父様と、この世界に来る前まで住んでいた世界の話とかをして

「真央の家はここと違って、もっと賑やかで。もっと楽しいんだよ」と言うお話を聞いて。ちょっと嫉妬してしまったのです 私は、真央さんの話を聞くのが大好きなのですが。最近は、この世界の方が好きになってしまった気がします。真央さんに、この世界で楽しく生活してほしいと思います それから、私は真紀と一緒に暮らすようになりまして。

真衣が真琴様と結婚することになり。真樹君という子供ができてからは、とても幸せな日々を送っておりました。

ただ、そんな幸せだった日々も突然終わりを告げる事になり 魔王が復活し、そして魔王軍の幹部の一人が【転移の陣】で現れたそうです そしてその魔王軍はリディアに敵対するつもりはなく。

むしろ、リディアと敵対して

「勝てる見込みがないので見逃して欲しい。そしてもし良ければ【神の啓示書】を読んでみて欲しい。きっと役にたつはず」そう伝え。その【転移の陣】をリディアに渡し姿を消したそうです 魔王はその後 神に祈りを捧げ

「我が娘である、マコトが無事に成長できるよう見守っていて下さい」と言い。そのまま意識を失い その後すぐに、リディアは【神の啓示書】に記された通りに行動を起こし、その結果

「えっと。私の名前は、神原真希といいます。この度、この世界に迷い込んでしまいました」

リディアさんから事情を聞いた、私達はこの世界の救世主が現れたと喜んで歓迎したのでありますが

「真衣、ごめん。俺はこの子と旅をしたいと思うんだ」そう言い出す真央さんを止める事が出来なくて

「分かりました。真央さん、お母様をお願いします」と頭を下げる事しか出来なかったのであります それから数日が経ち 勇者召喚が行われたのである。そして、私達に勇者召喚が行われないようにする為に。私達はこの世界で生きて行くことを決めたのである お爺様もお父様もこの世界に残る決断をしたようで。

私とリディアだけが

「じゃあ行こうか?リディア」と手を繋ぐ 真央さんの手を離し。私達姉妹の絆を深めてくれたのも。リディアの存在があってこそでした 真央さんの【勇者召喚】は成功したけれど【全知全能ノ神】の力を持ってしても、異世界からの来訪者を呼ぶことは出来ないはずでした リディアの力があったからできたことでしょうね そう考えていますし真衣達にも言っています 真衣達は、私がこの世界に残った理由を知ろうとせず ただただ祝福の言葉だけを贈ってくれたのには正直感謝しかないんですが やっぱり、私がここに残る理由は、あの人にもう一度会いたかったからだというのは秘密ですよ そして私は、再びお

「お兄ちゃん、起きてください。朝ご飯できてるから食べよう? ほら、お母さん達が待ってるから。今日から学校行くんでしょ?早くしないと」と言ってくれている妹の姿を見ながら私は、夢を見ていたんだと思いながら。今日も妹の声を聞きながら一日がはじまるんだ。と、俺は妹の頭を優しく撫でると

「おはよう。真奈」と言うと、俺は布団からでて顔を洗い。

「よし、飯を食べてから学校にいこうかな」と言ってから、俺は制服姿の妹の後ろ姿を見ていた すると妹は振り返り俺を見て「ん?どうかしたの? 」と言ってくるのであった。それから俺は食卓に着くと朝食

「「いただきまーす」」と言い、二人で食べると「あれ?お父さんは?いつも早いのに。どうしたの?」と聞かれて「なんかさ、急に仕事が忙しくなったみたいで、もうしばらく帰れそうにないから、先に会社に出勤したみたいなんだよ。連絡来てない?」と言うと、真衣が慌てて鞄から携帯電話を取り出し確認していた。そして「お姉ちゃん。どうしよう」と言っているのが聞こえるので

「大丈夫だって、どうせ直ぐ帰って来るって。それよりも、真奈は俺と同じ学校に入学が決まったんだから、そっちの心配をしなさい」と言うと「そうだね。お姉ちゃん、ありがとう」と言っていたので「はいはい。それより学校は近いの?自転車で行った方が便利?」と聞くと

「んー。自転車はやめときな。あの辺の通学路、車が通る道と通らない道の境目がはっきり分かれていないから、事故が後を絶たないから。だから歩く方がいいよ」と言われ

「じゃあ今日は電車を使っていくよ。お金が無駄にかかるだろうけど仕方ないか」と言うと

「お兄ちゃんが変なことしないのは分かってるから安心だけど、あんまり派手な事だけは控えるように」と真衣に釘を刺されてしまった それから俺は朝食を終えて「真衣、俺に何か手伝えることあったら言ってきてね。それぐらいはさせてよ」と頼むと

「分かったよ。でも本当にいいの? 」と言われるので

「俺がそうしたいんだし気にしなくても良いよ。でも、なるべく自分で何とかするように努力はしていくから。真衣、お昼は適当に弁当を買ってくるから。それと、今日の夜は何にする?一応、何食べたいか聞いておくけど」と言うと

「うーん。お肉いっぱいのお好み焼きが良いかも。豚肉とキャベツがメインなら嬉しいな」と言うと

「お!了解!任せておいて」と胸を叩いてみせると。何故か苦笑いを浮かべていたので

「え?なんでそんな反応するの?もしかしたら豚肉が無いのかもしれないじゃん。でも、もし無いなら、真菜の分だけでもなんとかしてみるから」と言うと

「真央、真奈、行ってきます。あと。昨日渡せなかったから。はい。これ」と言うとお姉ちゃんから紙袋を手渡される 中身は服とアクセサリーだった「お姉ちゃん。この服って、お姉ちゃんが選んでくれたの?可愛いんだけど」と真奈が言う

「うん。リディアさんが、私の娘なんだから。そのくらい当たり前だよねっていうから」と真那に笑顔で言うと真耶が恥ずかしそうな顔をしながら「ありがとね」と照れくさそうにお礼を言う

「リディアさんが買ったわけじゃないのに、私にそんなことして貰えるのかなって。思ったけどね。だけどリディアさんは気にしなくていい。って言われたら、それに従うしかないよね」と俺が言うと

「お婆様の好意に甘えてばかりもいけないしね。その服を着ればリディアが喜んでくれる。それは確かだよ」と言うので「じゃあ早速着替えちゃおう」と俺は部屋に上がり部屋

「なぁ。これから何処に行くつもりなんだよ?ってかどこに向かって歩いてるんだよ?まさかとは思うけど迷ったりしていないよな?真央は知らない土地でも普通に見えるような奴だからな。それに真央は勇者なんだよな?だったら案内人とかいてもおかしくないだろう」という真樹に対して俺は

「確かに俺ならこの世界でも生きていけると思うぞ?でもさ、俺よりも勇者っぽい能力持ってるのは真衣の方だと思うぜ?」と言う 真央の話を聞いた真樹はすぐに反論しようと口を開けようとする前に真央から言葉を被せられてしまうのだ 真衣には不思議な能力が備わっていた それが『聖属性魔法』と呼ばれるものだ 真樹は『闇』という存在

「お前は誰に断って人の身体を操っているんだ。ここは俺の世界なんだから俺に従え!」と言う その言葉に真衣の口から

「そんなに私を苛めて楽しい?あなたにそんな事を言われる覚えはない」と言った直後 魔王が突然現れた時に使ったスキルである【魔王】を使用した 真

「おい、そんなに暴れたいのなら相手になってやるから表に出てこい」

真紀がいきなり怒り出したと思ったら魔王を憑依させたようだ。

どうやら自分の意思ではないらしく 俺の【全知全能ノ神】が発動し【全知全能ノ神】の能力の一つである鑑定結果が

「魔王」と表示される。真衣から感じる魔力は凄まじく 真衣から溢れ出た禍々しいまでの力により辺り一面の空間は歪み始めていく。そして真央から【真衣が暴走した】と聞いた俺は

「おい真央、落ち着け。今の真衣はお前の姉貴で間違いないんだろう? だが今は違うんだ」と言い 続けて「お前が冷静になれば、真衣は元に戻るはずだ。そして真衣に今起こっていることを話してくれ。そうすれば俺は対処法をすぐに考えつくことが出来るから」と言うのであった それから真央の話によると リリアは 自分が死んだ後は真奈が一人でもやって行けるようにと真

「ねぇ、真奈、この子も私の妹にしてもいいかしらん?そうそう、この子が私の孫で真央がお爺様。この子がお祖母様ね」

そう言って私の手を握りながらお母様はそう言った。最初は何を言われているのかわからなかった けれど、お父様からお母様の話を沢山聞かされ続けていたから、きっと冗談とかそういうのじゃなくて、本気でお母様はこの子に妹になるかを聞いているのだという事が理解できた。

だから私はこの子のお母様の目をしっかり見つめながら返事をする

「はい。私はそれで構いません。ただこの世界にいる間に色々と教えてくださいね。私はこの世界のことを全然知りませんから」と言うと お母様から笑顔で抱き着かれました。この子はどうして私なんかにここまで懐いているのだろうか そしてこの子は真奈ちゃんという名前だと聞き私はこの子とお揃いの物を作ろうと決める お婆様に頼めば何とかしてくれるわよね?だって私は真央の義娘で、あの人が大切にしていたあの人の子供なのだからと心の中で思いながら私は真奈の頭に手を置きながら「良かったね。お姉ちゃんと家族になれるよ」と言ってあげていたら

「お兄ちゃん!大丈夫!?急に大きな音が聞こえてびっくりしたんだからね。お姉ちゃんがどうしちゃったの?ってずっと心配してたし。あ、お父さんが帰って来た。お父さん。どうしよう。どうしたらいいの?」とお父様と真奈の声が聞こえてくる するとリリナは、まるで今までの出来事が何も無かったかのような顔をしている だから俺はあえて何も言わずに、そのままにしていたら

「ふむ。これはどういう状況だ?」

と言う声が耳に届いたので俺達はそちらを振り向くと

「リディア、久々じゃないか。しばらく帰れないって聞いてたけど、帰ってきたのか? それにしても今日帰ってくるなんて急すぎるんじゃないか? それと、こっちに来てくれ。リリアと話がしたい。リディアも少し付き合ってくれ」と言うのであった そして私とリディアはリドルと向かい合うように座って居た。

そしてリリシアはお父様の横に立っていた。お父様の表情からは読み取れないけど、リディの顔を見ると明らかに動揺していて、どうやらこの状況を理解してないように見える。そんな状態のまま「なぁ、リディア、説明してくれないかな?」と言う。だから私がお婆様との約束についてを正直に伝える事にする。

お兄ちゃんとリディアお姉ちゃんの会話を聞く限り、

「お主。まさか記憶があるまま生まれ変わってきたと言うことじゃな」

と言うと。

「そうだ。お前との記憶は全て持っているぞ。あの後俺は魔王を倒せたが、結局封印することしかできなかった。あの後の事は知っているだろう?」と言うのじゃ だから私は

「えぇ、存じております。だから、あなたは私に会いにきてくれたのですよね?」と聞くのじゃ お主と初めてあったのは、まだこの世界に生まれて間も無い頃で、その頃はお主に会っても、あまり思い出せることは無かったのじゃが、成長するにつれ。徐々に記憶は蘇り始めておるの そんな事を思ってる最中に リリティアとリディアとが睨み合い始めたのだ

「あらまぁ、そんなに喧嘩しないでも宜しいんじゃなくて」

と仲裁に入ると二人共納得しないながらも矛を収めることにしたようだ ただリディアには「おぬし。わしらの子供を殺した罪を贖うことを忘れるでないからな」とだけ伝えた。それからというものはわしは何もせず二人の好きにさせることを決めたのだ。だがしかしリディアの行動だけは注意しておかなければなるまいなと思っており わしらは今。真央達と共に旅を続けているのだが、何故か突然転移門が現れてしまった為に立ち往生する事態になっていた 真奈と一緒に歩いて行こうと思っていたのだがどうやら転移門には魔素が含まれているらしく、それが身体に入り込んでしまい思うように動けなくなってしまったからだ 真衣はそのせいで魔力

「おぉ、なんという事でしょう!私達がここに来てもう2週間が過ぎようとしています。そろそろ次の国へ出発しようと思っておりますが、皆さま、お体の方は大丈夫でしょうか?」と言うと 俺は

「うーん。なんとも言えない。なんせこっちの世界の人みたいに魔法は使えないし、ステータス表示がされているわけでもないからね。だけど、俺としては、このままゆっくりしていきたいんだけどね」と俺が言うと 真衣が

「でもおにいちゃん、この国は結構平和で良いところだと思うんだよね。だからここで暮らしていくのも良いかもしれないって。私も思うんだけど、どう思う?おねえちゃん」と言うと 真衣がお婆様がくれた服に着替え終えると 真衣と真樹はお互いを見合って「「やっぱりおにい(ねぇ)ちゃんの方がカッコいい」」と言うのだった。

そして、俺と真衣がお互いに褒め合っていると。リリィと、俺の母さんの二人から真樹を取られてしまう

「ちょっと。貴方は私と買い物に行きましょうね。真奈ちゃんと真樹君は私に任せなさい。さ、行きましょうか」と言うと 真樹は嫌そうな顔をしながら俺と母さんの方を見ながら「俺は行かない。真衣は行くの?俺はこの場を離れる気はさらさらないから。真衣がどうしても俺を連れて行くっていうのなら真衣の言い分を飲ませてもらってからじゃないなら俺は絶対にこの国を離れないし。真衣を一人で外に出すような真似をするような父親を俺は認めない」と 俺はその言葉を聴きながらリリシアの方をみると、やはりと言うか何と言うか。リリシアがリディアに対して、とても厳しい目線を浴びせていたので、これ以上刺激しないようにしようと心に決めた それから母さんの買ってくる洋服は確かにセンスが良いものが多かった それに母さんの買い方にも特徴があって「この子が着ている姿を想像しながら」と、母さんが選んだ洋服

「これは私の子供である真樹君の為に」そう言って、その服を選んでくる母さんを見て、俺よりも真衣に着てもらいたい服を着させているのだな。と思いつつ母さんの気持ちが嬉しかった 母さんが真奈のことを本当に愛しているのがよく分かる 俺もいつかこんな風に真

「真衣。今度一緒に出かけよう」

と真奈の頭に手を置きながら俺は、今この瞬間。この時を楽しむことにしていた するとリリリアが近づいてきて

「真央様。私と二人で少し歩きませんか?この世界ではまだまだ見たことがない景色ばかりで、楽しいですわ。そしてこの世界を救っていただいてありがとうございます」

と言うので俺は少しリリアを連れてこの世界

「うん、それじゃ、真央ちゃん。お母さんが戻ってくるまで少し散歩してくるといいよ」と真央の頭を撫でながら私は言うと「真奈とリリリは真緒とリリリのお店に行っておいで。私も後で合流するから」と言うのであった そして私達は三人で仲良く手を繋いで歩いていると

「お嬢様方。どちらに行かれるのですか?」そう声を掛けられて私達は足を止める 目の前にいるのは執事の格好をした女性 どうやら真紀の事が心配になったようで真樹にお願いをして連れてきてもらったのじゃ この子には真希との記憶が残っているのじゃが この子が真

「あはは。あ、あはははは。あはははは」

笑いながら壊れていってしまわれたのでわしらで面倒を見る事にしたのじゃ この子からすれば自分のお爺様が自分のせいで死んでしまったのに、自分が生きている。

そしてこの世界で幸せになっている姿を見たからこそ。

この子は耐えられなかった お主は優しい。お主の育ての親が、この子にどれだけ酷い仕打ちをしていたのかは知っておるのだろう? だからこそこの子はこの世界に生まれ変わることを願った

「あの時の真琴の願い通り。お前はこの世界にもう一度生まれ変わってこられたのであろう? あの時は助けてやれなくて悪かったのぅ」と声をかけると

「私はあの人に殺されても構わないって思っていたの。だって私がお兄ちゃんの妹になるのを許して貰えなかったら私はまた一人になってしまうのだから。だけどお姉ちゃんがお兄ちゃんの本当の妹になって、それで私が、ただの家族になれて、あの人の家族になれるんだと思ったら涙が出て止まらなかった」と真琴は泣いているのであった

「おにぃ、私とデートしない?私ね。ずっとおにぃと二人で遊べたのに、急にお婆様が現れてからずっと二人っきりの時間なんて無かったもん」と言って甘えてくる真 俺の事を好きでいてくれる女の子達と一緒の部屋で寝ていたり 朝起きて最初に見る顔は真の顔だし、 昼にはみんなと食事をしている時に俺が口に食べ物を運ぶ度に真

「おにーちゃーん」とか言ってきて「もう、真は食いしん坊だな」と言いながらも食べさせていて、俺が食べる所をじーっと見つめる視線を感じるんだよ。そして夜には真 俺の横でぐっすり眠っているから俺が起きてる時と違って安心してるのか「ふにゃ〜」って顔をするし。たまに俺の背中の方に抱きついて来たりするんだけどさ。あれ、凄く可愛いんだよ。そんなことしておいて次の日の朝になると「お兄ちゃんのばかぁーーー!」とか叫んで、布団の中でじたばたし始めるしさ。なんか可愛くて仕方が無い 俺にとっての一番の宝物だよ。あいつは でもさ。やっぱり俺はこの世界に来て

「真奈。俺はやっぱりこの世界の方が良い。この世界には真奈がいるし。リリィや母さん、真央もいるしな。俺はこの世界にいて、俺の大事な人達と一緒にこれからも生きて行きたい。それが今。俺の素直に思えることなんだ」

俺は俺の隣に座るリリディアの手を取り、そっと握りしめると、俺が握るのとは反対の手に、母さんと父さんがそれぞれ手

「ねぇ。あなた。私達と一緒に暮さないかしら?もうあなたは自由になって良いの。あなたは自分の為に生きて良いんだから」と言われてしまい「ごめんな。真。もう俺達には何も残ってないけど。お前の事だけはまだ守る事が出来るからな。俺にもう少し力があれば良かったんだけど。もう、そんな力は俺にはない。でも真は絶対に死なせはしないと約束しよう」と言うのだった

「ねぇねぇ、リリィおねぇ。リリリはリディアママの所に戻っちゃうよね?」とリリィと二人だけで居たはずなのにいつの間にか私達の傍にいたリリリアは寂しそうな顔でこちらを見ながら言うと

「うーん。そうだねー。だけどそれは仕方がないよねー?」とリリアが答えるとリディアーは少しの間黙ってしまったが

「大丈夫ですわ。貴方を置いていくわけではありませんもの。ちゃんとお迎えに参りますから。ね?」そう言うと今度は少し不機嫌になってしまったようだが、「うん!分かった!それまで待ってるから、だから絶対に迎えに来てね!約束ね!おねえちゃん!」と言うリリディアに対しての答えに対して満足そうに微笑むのであった。しかしどうしてこうもリリアはリディーに対しての当たりが強いんじゃろう? まあ良いのじゃがな 真姫も今は大人しくなってくれたし、これでしばらくは

「私と遊ぶ時間が増えた。真樹は嬉しい?」

そう言いながら真樹にぎゅ〜ってしてもらって嬉しそうにしている 真樹も真衣が喜んでくれているからなのか、真衣の髪をいじくり始めた それから俺が母さんとリリシアと四人でお茶を飲みながら会話を楽しんでいると コンコン 扉を叩く音がしたので俺が席を立ち扉を開けに行くとそこには真衣を抱いた真央の姿があった 俺は一瞬真衣が真衣じゃないような錯覚をしてしまい驚いていたが

「真央様!?」リリアは慌てて真央の元へ走り出すのだった リリシアの表情が明らかに変わったのじゃ わしと真衣

「ちょっと。真央。お店で何してるの?お母さんは貴方をそんな風に育てた覚えは無いのだけれど。それと私の娘から離れてくれないかしら?早く」

と言うのじゃ

「真央ちゃん、リリリのお家に行こうか」とわしは真央を抱きかかえてリリシアから距離をとる事にしたのじゃ この場から一刻も離れないと危ないのじゃからのう それからしばらくしてリディアと真斗 そしてリリシアもやって来た リリディアは明らかに真樹に対して警戒心を持っており、まるで親の仇のような目線を真樹にぶつけ

「真様が、真様に一体何をなさったのでしょうか?」と聞いてくる それに対して真樹が何かを言う前に 母さんが間に入って話を進めるようにしていた そしてリリシアが「あ、あのぉ〜。そのぉ〜」と言った所でリディアが真奈に気がつき「あら。もしかして真奈なの?大きくなったのね。会いたかったわ。あ、真奈は元気にしてた?」と いきなり真奈に抱きつくのである それを真奈も嫌がらず「リディアママ。おかえり」と笑顔で言うと「真奈が笑ってくれた。よかったわ。また会えたのね」と言うので 俺達はその光景を見つめていたが そこにリリ

「真奈ちゃん。私の事忘れちゃったの?ほら、よく一緒に遊んであげたのに」と言うと真奈の様子がおかしくなり「知らないもん」と泣き出し その場に崩れ落ちてしまう するとリディアとリリ アは真奈の異変に気づき リリアは「なんなのよこれ。私、リリが嫌い。大っ嫌い。消えろ」と、かなり怒りながら魔法を発動しようとしていた そしてリリはリディアの耳元でぼそりと

「お兄様は私が守ります。邪魔しないでもらえませんか」

「私達も真樹が大好きなのだから真樹を守る権利はあると思うんだけど?」と言い合っているうちに真那の体が崩れて光の粒子となって消える リミは「ごめんなさい」と言って俺に向かって頭を下げる 俺はすぐに駆け寄って抱きしめようとしたが触れることは出来ずに通り抜けてしまい「なんだよ。この力。こんなの無い方がマシだ」と言うと同時に意識を失ってしまう それから俺が目を覚ました時には自室のベットに

「あれ?みんな何処行ったんだ?」と言う声を聞き付けたのか部屋に飛び込んできた母さんから真衣達が消えたことを知らされるが「俺は夢を見てたのか?いや違う。この感触確かに本物だな」そう言って俺にくっついてきていたはずの真衣がいない事を確かめた後「夢ならいいんだが現実だとしたら、まずいな」

「あの子にはもう力はないの。もう、魔王として覚醒する事はできないはず」と、そう言うと母さんは「あの子は、また、自分の娘を殺したんだね」なんて言っていたけど俺は何も言えないでいたら、真樹とリリシアの気配を感じたので「とりあえず、みんなのところに行くぞ」と母さんに声をかける

「真樹。あの子は、真奈の体を乗っ取って真姫として生まれ変わろうとしている。私は、私の力でもう一度真姫を止めてくる。貴方はどうする?」と言われて俺が返答に困っていると

「私は、私が真様と幸せになれる道を探します。ですので、私に力を下さいまし。私は、私のせいで真様を苦しめる者が現れたのならば、私自身がそいつを殺してしまいたいとすら思ってしまう程、お姉様の事が憎いんです」と言い「お願いします」と言い俺の前に片膝を着き 手を差し伸べた 俺は少し考え「分かった。俺は真を守れなかったから。俺は、リリアシアを真に近づけるわけにはいかない。でも真衣を助けに行かなきゃならないし、真樹は、真樹が連れて来たリリアシアは信用してるしな。ただ、リディア。君は、いや、リディアはリリアには渡せない。でも、今のリリアは昔の君とは違うし。リリアを信じる事にするよ」と言うと

「ありがとうございます。お兄様はやはりお優しい方ですね。ですが私に真樹様への愛情はありませんので。真樹様は、真衣お義姉様は、真樹お兄様のものですから」と 言われてしまうのだった 俺は、真と、俺に懐いていた幼い少女の事は覚えているのだが俺の本当の両親とか家族については一切記憶になかったのだ だから、リリディアの言葉が少し胸に突き刺さり「そうだな」と答えると「真樹おにーちゃんはわたしのだよー。おねえちゃんがいじめると、だめなの」と言われ

「ふーん。貴方、真樹の妹になったんだ。へぇ。それじゃあ、私と同じになるね。よろしくね」なんて言葉が聞こえてきて

「私ね。リディア。本当は、あなたが気に食わないの。あなたが居るせいでお兄様は私だけのお兄様で居てくれないの。ねぇ。死んでくれる?私のために」と突然言うものだから、俺と真が慌ててリリアを止める そして「お前ら少し黙れ」そう言っただけで黙ってくれたが「真が、真が、妹を殺して、私から奪った」と言うと

「そうね。私が悪い。全部私が原因。おにーちゃんは、私とずーっと一緒。そう約束してくれたのに。私のおにーちゃんを取らないで」

「うるさい。貴方になんかあげないんだもんね!ずっと一緒にいるって約束したもの!絶対に離さない!」

そんな会話をしている二人に割って入ったのは「あらあら。私の大切な子供達に手を出した罰を受けさせますわ。もちろん、二人共死ぬことになると思いますわよ?」と言うリディアの声だったが 二人の間にいるはずのリディアの姿は無く、二人の背後に立っていて 真が咄嵯に身を引こうとするが間に合わず 首から下を真っ二つにされてしまっていた 真央はその様子をみて「え?リリリ、リリリ、ママ?なんなのおねえちゃんもそうだけどなにもいないところで急に現れてなんなのおねえちゃん達みたい」と言いながら

「おねえさんたち、ぼくといっしょに来る?」と聞くと

「おねえさんたちはね。悪い人を懲らしめに来ただけなの。真央くん。貴女を救いにきたの」と、そう答えるとリリディアは「リリも真央と遊びたい」と言うので 俺が「真央が気に入ったみたいなので」と言うとリリディアは

「まあ。そうなの?でもダメなの。これは私と真紀が二人で考えたお芝居なの」と言うと「まおう。しね」と言って真央の首をはねようとした所で 俺と真が慌てて止めるが 俺の時とは違い真央の体に触れられないようだ そして

「じゃあいいわ。じゃあ私がやるから。死んじゃえ」

とリリアが言い真央の首を切り落とした

「真姫。何をするのですか?」

「何するのよ。この子は、私達の真樹を奪ったのよ。だから殺したの」とリリディアに言うと

「何を仰られているのかさっぱりわかりませんが、私達は魔王の力を無くすための儀式をする所ですよ。」と言い出した。

「魔王の力は私が貰う。あんたはいらないの。だって魔王の娘なんだよね。でも私は勇者の子供だし。私が真樹と結ばれないと。この世界が終わるの」と、言っているが「この世界の命は私が終わらせませんわ」とリディアが言うと

「リリも手伝う。みんなみんな壊してしまえば、それで終わりでしょ?」と言うと「それもそうね。早くやっちゃいましょう。リリも手伝えるなら、リリリディアちゃんの力は要らなそうだものね」と リリリリアはリリアに同意を求めており それにリリリリアが「うん。いらなーい」と返事をしていた

「あの。魔王。いえ。今はリリちゃんと呼ばせていただきますね。貴女の体はもう必要無いのでこちらで処分させていただいても宜しいでしょうか」と言ってリ

「良いけど。どうすれば良いの?私。もう魔王じゃないんだよ。力が使えないの。真衣の体を乗っ取ったらもう、力が無くなって、リリが魔王の力を欲しているのは知ってるのに」と泣き出すリリ

「その、力に関しては私には使えますので。その体さえ返してもらえればすぐに」と言いかけるとリリは泣きながら「真樹に会いに行くから」と 俺の名前を口にしていた

「あの子達は私が止めてくるから安心して」と言ってくれた 俺とリリリシア ア リミ リリリ リリディ ア リザの六人は魔王城に向かう事に 俺達三人が到着すると、既に魔王が殺されていた

「遅かったですね。リリア様。ご無事でなによりです」と真那はリリアに抱きつきそうになっていたのだが、リリアは真那に近づき 思いっきり蹴りを入れてしまい

「私の前ではもう二度とそういう事をしないで下さいまし」と言った後

「私にはもう貴方と真樹様との子がいるのです。貴方は真姫様。真樹様に捨てられた可哀想な人ですわね。貴方のような人の面倒まで見切れなくなりましたわね」「そっか。やっぱり私なんて邪魔だったんだ。私なんてもう死んでもいいよね。じゃあバイバイ。私を産んでくれてありがと」

そう言い残し真衣は俺の方へと歩いてきて抱きしめてきた。俺は戸惑いながらも 俺が抱き寄せるより先に真が後ろから俺を抱きしめて俺を守ろうとしていた 俺は少し困った表情になりながら「お前は何をしにここへ来た?」と言うと 真が

「それは俺の方が聞きたい事だが。とりあえずお前らは何をしようとしている?」

そう質問をしてくる 俺は「俺には何もできないだろ?」と答えた後に俺は

「お前は俺の味方で居てくれるのか?それと敵なのか?」

「お前が敵に回るつもりがあるのであれば最初から俺はお前らと行動を共にしてはいないだろうな」なんて言っていたのである

「私はね。勇者になんてなりたくなかったの。勇者になるくらいだったらせめて勇者の夫になれるような人が良かった」そんなことを言ってから真を見て 俺に向かってこう宣言してきたのであった

「貴方は、真樹は、お姉様の側に居るべきでは無かったのに。お姉様の隣に立つには真樹はあまりにも優しすぎたのよ。それに比べて、貴方はとても強い人で、そして、私にとってお兄様は貴方だけだった。貴方が私を選んでいたらきっと、こんな風にはならなかったと思うの」そう言った後にリリアに「リリは、今度こそ失敗しない。貴方に認めてもらうために、私に力を貸すのよ」と言い

「私ね。本当は嫌だけど。貴女と、真樹と子供のためなら、お母様の望み通り。私の愛で、私の真樹を守ってあげる」と言い そして俺達に近づいてくる

「リリはリディア。リリって呼べばいいのかな?」

「違うよ!リリリなの!」そんな二人のやり取りを見ながら

「えぇ。では改めて自己紹介させていただきましょうか。初めまして勇者様。そして真衣さんですね。先ほども名乗らせて頂きましたが改めさせていただきますわね私は」そこまで言うと「え?嘘でしょう?ちょっと待てよおい!お前は一体誰なんだ?なんでそこに居る?お前だけは居ちゃいけないんだ」と焦り始める 真が俺と同じような言葉を発すると同時に 突然俺達が光りに包まれてどこかわからない空間に飛ばされてしまうのだった リリアはリリリディアに連れ去られてしまう それを俺の目の前から突然姿を消したことで確認した直後俺達も 同じように消えたのであるが そこは真っ暗な世界で

「お前が、リリアをさらっていった犯人だよな?」そう声をかけるが何も返ってくることはなくただ真っ暗闇だけがそこには広がっていて「答えてくれないと。こっちから攻撃することになるが、構わないんだな?」と言うが 反応はない

「まあ。良いけど。それじゃあ、いくぞ」と言い放った瞬間 俺の手の平から光の矢が出てきてそれが一直線で伸びていきリリリの心臓を貫いてしまったのである そして そのまま俺の腕を掴み「ねぇ。まだ足りないでしょ?もっともっともっと殺さないとダメ」と まるで壊れた人形のように「殺し、殺し、殺すのよ!さぁ!」と叫んでいると 真

「おい!真央。なにやってるんだよ!落ち着けって」と肩を揺するが そんな言葉を聞かずに

「うるさいな!僕はこの女を殺しにきたんだよ!離せよ!」と言い放ち暴れ出すのであったが リリが「ええそうですよ。でもね、私はリリアであって。真央ではないのですよ」

「リリリディア」と言いつつ

「お久ぶりね真央。元気にしていたかしら」

「お前は、なんで、なんで、リリリディアなんだ?」そう聞くと

「なんでと言われてもね。この世界に来た時点でこの世界の人間なんですよ?だからもう魔王とかそういう次元じゃなくて。まあ一応この世界に元から存在する存在なのですから私がここに存在していても問題ないのでは?まあ私が本当に私なのかと言われると微妙かもしれませんけどね」と言うと真が「なら何故?その体にいるんだ?」

「まあ理由はありますけど。私がリリアという器に入ってる間は真樹の側に居れるわけですけど。その状態ならば貴男のお父様にお願いすればなんでも言うことを聞いてもらえると思ったんですが」と言い出したので リディアを指差すと いつの間にかいなくなっていた 俺達がリリディアを倒した直後にまた別の奴が現れる そいつは何時ものフードではなくて顔が見える格好をしていたのだが

「あれは俺の姉のはずだ」と俺の言葉を聞いた後 すぐにリリと入れ替わっていた

「ふぅ~これでもう私はリリちゃんの中に戻れないのです。残念」と 笑いながら

「私が私のままリリちゃんに乗り移る事が出来ればこの子を壊さずして済むと思っていたのにぃー」と言っていたのだが、真は怒りのあまりかリリに斬りかかろうとしていたが

「お待ち下さいませ勇者様、私達はこれからどうすればよいのでしょうか?」そう言い

「そうだ。真樹。お前はこれからどうするんだ?」と

「真樹君。僕達はこれからどうしよう?」と言うが「とりあえずリリアの救出は諦めるか」とリリリの体を蹴り飛ばそうとしたので 蹴り飛ばした足を掴むが。リリが「貴方はこの娘を殺す気で蹴ったよね?それに私に危害を加えようとすると、リリがリリリリリアが死んでしまうんだよ?そんな事は出来ないんだから」そう言われ リリの体は俺の胸に飛び込んできたので「わかったよ」と俺は言い

「お前ら。俺達の仲間になれよ。俺とこいつの二人だけじゃ魔王の討伐は難しいから。それにリリリディアをこのまま野放しにしておいてもいいのか?」と問いかける

「それはどういう意味だ?」

「俺はお前の姉が生きているのは知っているし。その体から出せば助かることも知っているが。だが俺が助けようとしなかったらそいつはそのまま死んでしまっていた。だがお前達なら俺と同じ事ができるはずなのにどうして放置している?それは何故か」そう問いただして

「それはだな。俺とリリの約束があるからな。リリアに害をなす事はできないのだ」と俺にリリリリアが抱きついた状態でリリは 俺達に向かってそう言ってきたのである そして「リリ。もう俺達の負けなんじゃないかな。これ以上戦う理由も無いんだしさ。大人しくリリの体の外に出てくれると嬉しいんだが」と頼むとリリアは「わかりましたわ。貴方は私を愛してくれると誓ってくれますわね」と言うと

「ああ。誓う。お前と俺はずっと一緒に居続ける事を誓う」と答えるとリリ

「では」と リリア リリ リリディアの三人が手をつなぐと同時に眩しい光がその場を満たしたのであった そして三人とも無事に戻ってくると 俺の方を見つめてきて

「私ね。お兄さんに会えたからもう大丈夫だよ」なんて言っているが。そんなリリリディアを見てリリが

「真央は渡さない」と言ってリリリディアが真に手を出してきたら。

それを掴んで自分の胸に引き寄せ 俺の方を向かせて 唇を重ねて「リリリディア。俺はもうお前だけの俺では無くなるし、真はもうお前と関わる事ができなくなるが。それでも俺と一緒に来てくれるか?」

「ええ勿論です。真姫様の望みとあらば喜んでお供いたしますわ」

リリがそう答えたので リリスと手を繋ぎ真に話しかけようとしたのだが 真

「あのな。お前。何で、俺がお前のこと嫌いだって知ってんのにさ、そんな風に、近づいてくるんだよ」と 顔を赤くしながらそう言

「貴方が好きだからに決まっているでしょう? それと貴方は真衣さんの事が好きで。真樹さんの事も好きで。真樹様の事は大好き。私の事なんて興味が無いでしょうし。私の事を嫌っているのもわかっているわ。だけど、それでも貴方に側に居て欲しいの。側に居ないと安心できないのよ」なんて泣きそうな声で言ってきやがった 俺にはもう選択肢は残されていないようだった 俺はもうすでにあいつのことが、いやその。好きになっていた でも今はまだそれを口にしてはいけないのは確かで。

俺とリリリディアと真で魔王城へとたどり着くことができたのであるが

「おいおいおい。なんだこれ?」

「お姉様!待っててください!私が今いきます!」

とリリリディアは剣をふるってリディアと戦闘を開始していた 真は真衣を抱きかかえたまま 俺の後ろに隠れていて 俺は「俺に任せろ」といい 剣を抜き取り、リリの前に立つ そして一振りすると、リディアの姿が煙に飲み込まれていくのだが、そこに居たのはやはりというかなん

「やっぱりお前は、強いな。さすがは元勇者と言ったところだろうか」と言い出すと 俺も真

「お兄さんは相変わらずお姉さまの前に立つと別人みたいになるんだから」

と言い出したのである そんな感じで、リディアとの決戦が始まりしばらくした後。突如現れた謎の人物が現れて

「久しぶりですねリリディア様。今日はこの場を引き上げさせていただきましょう」と言うが、それを聞いた真は、「逃げる気なのかよ。お前。こんな時に。」と言うが。それを聞いて「いいえ。この世界の管理者としての権限を一時的に解除してこの世界を去るだけです」と言うが。

「まあ。良いだろう」と言うと。「では失礼させていただきます」と言うと同時に。その者は消えてしまったのである それから数日して 魔王城の外でリリリディアと真を俺の家に招くことになった リリリディアをこの家に置く為でもあって この世界でリリと生活するためには 色々と環境が整っていないからである リリリディアを家に招き入れた後は真に今までの事を色々と話したり リリの体を洗ってやって。

寝る前に

「真。愛しているぞ」と言いつつ キスをしてやって。

真もそれに応えるようにしてくれて。

「俺。本当に幸せになっても良いんだよな?」

そう言うと真は「俺。まだ子供だぞ。俺より弱い奴なんか。俺の側に入れるのに相応しくないしな」

なんてことを言い出し始めた

「なぁ真。俺と真剣に戦ってくれないか?」と聞いてみるが 首を横に振るばかりで

「駄目だ。お前はリリに守られているからな。そのせいで。まともに戦ったこともないだろ?」

そう言われてしまうが それは事実であるから。何も言えない リリと暮らし始めて。俺達の日々は本当に楽しいもので。

そしてその日の夜。リリが

「真樹君が好きなの」といきなりそんなこと言われても困るのだが。

リリの顔はとても不安そうになっていて。

それで俺はつい本音をぶつけてみたくなってしまって 俺はこう口走ってしまったんだ。もう抑えきれない感情をぶちまける形で「ああ好きだよ悪いかよ。お前の事しか考えられないくらいお前のことを思ってんだよ馬鹿野郎」って言う言葉とともに俺はリリアの唇を奪ってやったわけだけれどもそれがいけなかったようで、その次の日になって目が覚めた時には、ベッドに横たわるのは俺だけになっていたというわけで

「私も好きですよ真姫様。ずっと一緒にいてくれて有難う御座います。これでようやく二人で過ごせますね」そう言い出したリリは 俺に抱きつきながら俺に キスをしてくるのだが。それは触れる程度ではなく。深いものへと変わっていくのである そんな状況になっているとは知らない俺は、 朝になり。目を擦りながら、リビングへ向かうと。

「やっと起きたんだね? 僕の方が早かったけどさ」そう言ってきたのは、真で

「おはよう真樹君。昨晩はよく眠っていましたね」と言うのはリリアであった 二人して同じテーブルに座り込んでいて 俺は二人の間に入るような形で席

「リリィと二人きりでどんな夜を過ごしたの?」そう言われてしまうが 俺は「ああリリイと一緒にな」と 誤魔化すことしかできなかった その後食事をする事になったのではあるが

「どうですか?この味」「うん美味しい。流石に料理に関しては俺より上だな。俺も負けない様に努力するよ」そう言い返すと「はい♪頑張ってください」なんて笑顔で言うので、可愛いと思ってしまった俺は、もう完全に彼女に惚れてしまっていたようである。そうこうしてるうちに食事を終えて、俺達は街に繰り出していた。リリと真は二人並んで歩き。俺は一人寂しい気持ちで歩いていた しかし。俺にもついに恋人ができたんだ

「真。お前ってモテているのな。あんなに沢山の人に囲まれているなんて羨ましい限りだよ」そんな言葉をこぼすと

「お前だって。リリに凄く好かれているじゃねえか」そう言われたのだが 俺はそれを軽く受け流すことした

「俺は、リリに好意を寄せてもらうような男ではないからな。それにお前と違って俺とリリリディアの間に血のつながりがないんだし」

俺がそう答えると。真は

「そうか。お前にはもう心に決めた相手がいるのか」と言うのだ 俺はそれを 肯定することもせず。否定する事もなく ただただ聞き流し続けていた。

「お主は相変わらず不器用なのだから。少しは素直になった方が良いのだ。そうしないと妾が手を出しても意味が無くなるではないか」

なんて事を言われると、俺は「ああわかったよ。俺はもう少し頑張るとするか。お前ともう一度会える時までにもっと成長できるように努力するとしよう」なんて事を言い出してしまったのだ

「真姫ちゃん。今日は一緒にお風呂に入ろうね」

リリリディアにそんな事を言われると。

恥ずかしくて リリの方を見ることが出来ない 俺が照れているのはバレバレなので、そんな様子を見られて クスッとした表情をされたのがまた嫌だったりするのであるが。

リリリディアは、そんなこと気にしていない様子で、 一緒に入浴することになってしまった 俺の方は リリ

「お背中をお洗いいたしますね。お兄様」

俺の方を向いてそう言って来るので 俺の方を振り向いた時に リリのおっぱいだとわかるものが目の前にあったのである そんな感じに俺がドギマギしながらリリに背を向けると。後ろでゴシゴシとお湯を使ってタオルにお泡を作り始め

「それでは行きますわよ」と言い出したので、俺が緊張していると。突然背後から抱きしめられてしまい 俺は思わず驚いてしまうと 耳元でリリが「私はいつまでも貴方と一緒にいるつもりですわ」なんて言うもんで。心臓の音がうるさい程高鳴っていて。俺の理性も飛びかけてきたところで、リリ

「はい終わりましたよ。真姫様の髪。いつも以上に輝いていると思いますわ」と言ってくれるが。

「俺は別に普段通りのはずなんだがな。」と 言い返してしまうが

「真樹君。今日も可愛いね」なんて言って来たリリリディアに 頭をポンと叩かれる そしてそのまま俺の頭に頬ずりしたリリリディアの体温は俺のよりも暖かく 心地よい温度であり。とても心が休まる そんな時間が続いたのである 俺と真はリリリディアに連れられて街へ買い物に行くことになったのである 俺は特に何も思っていなかったのだが。リリは俺の手を握ってきていて 手を繋

「私達は、仲良しなんです。兄妹みたいなものなんですよ」

そう言うと 納得いかないと言った顔をしていたのだが それ以上は何も言うことなく 大人しくしていたのである 俺達がまず最初に訪れたのは洋服店であって 真と、俺はそれぞれ別々に服を見繕うことにしたんだが。その時からすでに気になる物が出てきてしまった訳で。真が気を利かせて俺の選んだものを俺に手渡してくれて「それ良いんじゃないか?」とアドバイスをくれたので 俺はそれを購入する事にしてみた それからは二人で色々と話してみたりして 楽しい時間が過ぎていくが。そんな中。リリと真 二人が何かを話し合っていたが。俺にはその内容は聞こえなかったのである 真が俺の

「この辺りで昼ご飯を食べようぜ」という提案で昼食を摂ることになってそこで俺はリリリディアからあることを提案されたのだが それはあまりにも大胆すぎて俺にとっては刺激的な物でもあり。真はそんなリリを見て笑いながら。

「リリィ様。あんまり無茶したら駄目だからね」と言っていた リリの提案内容は、俺の事を抱っこしたいらしい

「大丈夫です。これくらい出来ます」

とか言っているわけだが。流石に俺としてもそんな事されると、

「流石にそれはちょっと厳しいぞ。ほら俺は子供じゃないんだしさ。俺だって一応年上だしな。リリの事を守ってやりたいって言う気持ちもあるんだよな。」

と本音を告げてみると

「真姫君は優しいんだね。でも、リリィさんが言う事ももっともだと思うよ?」と言うのだ

「リリスはリリの事があまり好きではないみたいだね。リリの事を邪魔に思ってるような態度を取っているよね。僕としても同じ気持ちかな。リリとリシアの関係も良くは無いからね。僕の母が言っていたけど。あの子達の関係は本当に良くないみたいだよ。まあそれは置いておくことにしよう。僕は君の味方だから。僕としては君に幸せに生きて欲しいからさ。僕が出来ることは何でもしてあげるよ。」

真の言葉は、とても嬉しいものだったのである。俺はリリに

「俺に抱えられる覚悟はあるのか? 俺は重い男だぞ。そんな俺を支えてくれると言うのなら。お前の力が必要だ。俺はもうお前以外何も見えないし何も考えられないほどにリリを想っている。だから俺はこれからもずっとリリアと共に生きていきたいと思っている。リリ。俺は、お前のことを誰より大切にするよ。そしてリリリディア。俺を選んでくれて有難う。俺はお前に出会っていなかったら今の自分はいないし、お前の支え無しでは何も出来ないと思う。だからこそ。俺達は二人で共に歩んで行くべきだ。俺はお前のことを愛し抜く自信がある」と そんな告白をする俺に対し。リリリディアは、泣きそうな表情を浮かべていた。俺はそんな彼女の体を優しく抱き寄せると。彼女は俺の腕の中で静かに泣いていた 俺とリリ お互いの事を理解し合っている関係になれた。そんな気がしたのである。その後で、リリにお姫様抱っこされながら街中を歩く事になったのだが。周りの目線がかなり痛い

「お前が望んだ事なんだろうけど。これは恥ずかしすぎる」

「あら? 私の膝の上に座ってくれるともっと恥ずかしいことになると思いません?」

と、そんなやりとりをしていると リリリディアと真が俺達のそばまで近づいてきて

「真君? 貴方がこの方と一緒になるのはわかりましたが。リリリディア様は私が頂いていきますので、そのつもりでお願いしますわ」と言うのだ 俺が、困った顔をしながら

「リリア。俺がリリの事をどう思っているかわかるだろ?俺はリリのことが好きだ。俺にとってリリ以外の女はただの女でしかない。そんな気持ち悪いことを言うつもりはないんだけどな。それでもリリの事は好きなんだ。俺の一番の宝物なんだ。誰にも渡したくない。」

そう言い切ると。リリアは俺の顔を見ながら、 リリにこう告げたのである

「いいえ真姫さんは私の物ですの。絶対に渡しは致しませんわ。それにしてもまさかここまで本気で真姫様のことを愛していたとは思いませんでしたが。貴女の負けは確定していますので潔く身を引くことを提案しましょう。貴女の恋はここで終わりです。真姫様に振られておしまいなさい」なんて言われたリリは、とてもショックを受けていたようで、「ごめんね。私はお兄様が好きになってしまったのですので無理なお願いなのですが。諦めてもらえますか」と言われてしまった 真に助けてもらいたいと思ったのだが。彼はもう何も喋らずただじっとしていただけだった。

俺には、それがどうしても信じられなくて 俺の心の中にはリリリディアに対する嫉妬心しか無かった リリに抱きしめられた状態で俺は、ただ何もできずにいると、真が口を開き「お前に一つ忠告しておくことがある。もし真姫を傷つける行為をしたのであれば、お前の命を奪うかもしれないということを肝に銘じておけ」なんて言い出したのだ。

そしてリリは「お姉ちゃん! お帰り。」とリリスの事を抱きしめながらそう言ったのである 俺は、リリの事を真に任せて リリと、リリスを連れて 俺の部屋に戻って来た。

部屋に入るなりリリは、俺に対して「申し訳ありませんでした」なんて言って来たのである。俺は

「俺が、お前に何を望んでいるかを分かっているよな。リリ」

「勿論。私はお兄様のお人形にさせていただきます。どうか私を思う存分に使ってください」

そう言って俺の前で衣服を脱ぎ

「早く、私の体を自由にして」

そう言って、自分の胸を指差しながら、俺を見つめてくるリリの体はやはり美しく

「分かった。俺は今日は少しだけ手加減が出来ないかも知れんが許せ。」

そう言うと、俺は、彼女に覆いかぶさると。俺の方からキスをして そのまま押し倒す形になる 俺は彼女の服を脱がせると

「今日はこのまま寝よう。リリ。お前も疲れているはずだから」なんていうと リリも素直に

「分かりました。私は、今はゆっくり眠りたいと思っ」

「そうだよな。じゃあ今日はゆっくりと二人で眠ろうぜ」

「はい!」と言ったところで俺は、彼女の胸に顔を近づけた瞬間に、彼女によってベッドの中に引きずり込まれてしまうのだが 真がいつの間にやら来ていて「僕もいるよー♪」なんて言いながら入ってきたものだから。俺達が着衣のままである事に気がついたのだが。真はそれを気にすることなく話を始めるわけなのだ。真はいつも以上に機嫌が良いみたいだがなにがあったのだろうか そして真の話を聞く前にまず確認しなければいけない事が1つ それは魔王が今どこにいるかということだ。俺達には知る術が無いのだが、リリは何か知っているようだ

「あの子は私の親友なの。だからあの子が行きそうな場所は全て把握済み。それで魔王の場所なんだけど。どうしようかな。教えてあげないって言ってみたり。教えてもいいよと言ってみたり。どうしよう。」と悩んだような顔をしていたので俺は

「とりあえず俺は魔王に会う為に、その場所に向かうぞ」

と言うと リリリディアは「あの子に会ったら多分だけど大変な事になってしまうよ。だから止めた方が良いよ」と助言してくれたが。俺はそれを無視して魔王の元へと向かったのであった リリスは俺に抱かれながら眠っているので。

そのままの状態で移動する

「リリ。案内してくれると嬉しい。リリならきっと分かってくれると信じてるからさ」と、俺が言うと。リリリディアは

「しょうがないなぁ。ついてきてくださいね」

そんなやり取りがありながら リリに連れられて移動することになったのである リリリディアに付いていく道中 リリリディアの過去を聞いていた リリリディアは元々勇者だったらしい その当時は、仲間が沢山いて そしてとても仲が良かった

「どうしてそこまで、仲良くなったんですか?」と言う質問をすると リリリディアはとても懐かしげに

「みんな大切な私の友達で親友なんだよ」と言うわけだが 俺はその話を聞かないほうが良かったのではないかと思ってしまったわけだ。だって リリリディアの表情を見るととても悲しい思いをしていることがよくわかったからだ

「ごめんね。辛いこと思い出させちゃったみたいで」

と俺は、そんな風に言うしかなかったのである そんなこんなしているうちに目的地に辿り着いたようであり 俺達の前に見覚えのある女性の姿があるのだ

「久しぶりだね。リリ。君はもうここには戻ってこないとばかり思っていたけど?」

「お姉ちゃんは変わらないね。私も同じ気持ちだよ。また一緒に冒険しようよ。って言う気持ちもあるけどね。それは無理みたいだしね。」と言いながら、リリはこちらを向いて

「この方はお兄様です。私がお世話になっている方の一人です」と 俺を紹介するわけなのだが 彼女は何故か驚いたような顔になり

「え?ええ?えええええ?リリさんの恋人は真さんでは?それにそちらの女性は誰?あれ?でも真さんの隣で眠る女性が真さんの好きな方では無いとすると。リリは真さんのことが好きなんですか?うわ。まさかまさかの三角関係?これはもうダメですね。私の勝ち目はもう完全に無くなってしまいました」とかなんとか。そんなことを言い出し 俺に

「リリリディアが本当にすみません。リリが失礼な事を言っているとは思いますが。彼女はこう見えて寂しがり屋な所があるので、優しく見守ってくださると助かります」と言われたので俺は

「えっと。彼女はどういう関係ですか?」

「彼女はリリと双子の姉妹です。名前は」

そんな紹介を受けている時に リリリティアは

「あっ、紹介するねお姉ちゃんと双子だからそっくりに見えるかも知れないけれど実は結構性格が違うの。お姉ちゃんが元気で明るく活発な子だとしたら彼女は、お淑やかな子だと思う。それと私はお姉ちゃんのこと大好きだけど、リリスお姉様も大好きです」なんて言ってる間にお城に到着することになった。

真の奴が俺達の事を見つけてくれて リリが俺達に説明をしてくれていたので俺が

「おぉーい。ここだよ。ここに俺達は来たんだよ。迎えに来てくれてありがとな!」と叫ぶと 俺が乗っているドラゴンを指差し

「お前の背中に乗ってるのは。まさかお前の妹なのか?リリアもドラゴンに乗るのが好きらしくて。俺の後ろに乗りたいって騒ぐんだ。お前の後ろにリリアがいるのか?そうかそうか!お前に妹が出来るんだな。おめでとう。」と言うので 俺も笑顔で答え

「おう!俺にもついに家族が出来たんだ。」

「俺にとってもリリは、妹のようだと思っている。だからこそ幸せになっ」

俺は、そんな会話を交わしながらお城にたどり着いた 俺が降り立つとお姫様が「ようこそいらっしゃいました。」と言いながら、出迎えてくれたのだ 俺に気づいたリリスは

「えへへー、お姉様。会いたかったよ」とリリに抱きつき

「もう。甘えん坊なんだから。私達の部屋に行きましょうか。真くんには悪いけど二人きりになりたい」

と言ってくれたので 俺もそれに賛成をしたわけだ 真が「俺は邪魔か?」なんて言っていたけど。俺としてはリリがいれば大丈夫だろうと思った。それに俺はリリスに聞いておきたいことがあったのだ

「リリアは、まだ帰って来ていないよな?」と聞いたのだが それに対して、リリは困った顔をして

「それがちょっと問題があって。今から魔王に会いに行くんでしょ。リリスさんも行く気満々なのですが。流石に魔王に会うと、魔王に取り込まれてしまいそうなので今回は止めました。お留守番をして貰うつもりです。ただそれだけの理由なら別に問題はありませんよね?真さん。魔王と戦う時は私達がいますから、あなた方の身は心配する必要はないと思います」と言うと 真が

「そうだよ。君達は僕が守るよ」なんてイケメンなセリフを吐いたのだが リリスがそれを

「リリちゃんの方が強いよ」

と言ったせいで。空気が崩れたのは言うまでもない そして俺達四人はお姫様に連れられて魔王が居るという場所へと移動する事になる リリ達三人のやり取りを横目に俺は考え事をしていたのだが、その途中

「どうやら来たみたいですよ」「来たってどこに?俺は特になんの反応も無いのに、なぜそう思った?」そう聞くのであった 俺が質問をしている時だった魔王が急に現れたようで俺も一瞬だけだが気配を感じることができたのであった

(やっと来たみたいですね)と思いながら私はお父様に念話を飛ばすとすぐにお父様は対応してくれました お兄ちゃんは魔王と戦闘を開始するようだったので私は先に行ってしまうことにしました だって、魔王なんて早く殺しちゃえば良いんですよ。あんな化け物みたいな魔物に付き合ってあげる必要は全然無いと思うのです。

真さんならもっとうまく戦えるかもしれませんが。今の真

「あいつがお前の父親である可能性が出てきたから殺すのを止めることにしたよ」と言われて。私は、お母様との別れを経験しているわけだから

「分かった。お父さんは、殺さなくてもいいよ。」なんて言ったら真さんがとても優しい目でこちらを見て そして

「リリス。ありがとうな。」と言うので少し照れ臭くなってしまったのは言うまでもないことなんです それから、真さんの方を見ているうちに魔王が出てきてしまって。私は魔王を殺す機会を失ってしまった 魔王が現れたら魔王の方をじっと見つめながら、お話しを始めました。

だって私に話しかけてくるんですもん。無視はできないでしょう

「君は一体何者だね?」

「私のことはリシアと呼んで欲しい」

「では、私の事もリリアでお願いします」

こうして、魔王とリシアの対話が始まったのであるが。その光景を見ていた真とリリリディア達には。

その光景はとても異質に映ってしまっており 魔王の圧倒的な存在感を前にしながらリシアと普通に話す魔王に対して違和感を覚えずにはいられなかったわけだ しかしそんな事を知らない二人は、お互いの現状報告を始めた そこで初めてお互いに相手が誰であるかと言うことを認識するのであった そんなわけでまずは

「貴方が、私の知っているリリであるかどうか確認したいんだけど?」と言う 魔王からの質問に対して

「リリアだよ」と答えると魔王

「やっぱりリリスなのね。お久しぶりです。元気にしていらっしゃいましたでしょうか?」

「うん。リリとリリスの人格は完全に別なの」とリシアが言うと リリリディアは「それどういう意味?」と言うので

「この身体の中には二人のリリが居たの」

リリスの説明を聞いて「それはどういう?」と疑問に感じた様子で聞き返すリリリディアだが その質問に答えようとしたリリを遮るようにリシアが

「リリの質問の回答をする前に私の用件だけ伝えさせてね。リリ。ごめんね」と言うとリリは「リリは気にしない」とリリが言う その言葉に「リリが、そういう子なのはよくわかってる。でも、リリのお母さんがリリスに殺されちゃったんだよ」と告げると リリスが悲しそうな顔をしながら

「リリ。あの時はごめんね。リリは悪くないよ。悪いのは、リリスだ。だから」とリリが言い終わる前にリリリディアは「知ってるよ」とリリの言葉を遮る

「リリの言いたいことも分かるよ。でもね。リリスも被害者だったんだよ。私達の母さんはねリリスに殺されたわけじゃないの」

「えっ?」リリスはその言葉を上手く呑み込めないでいた。なぜなら リリが殺したと思って疑わなかったリリスがリリスの知らないうちにリリと入れ替わっていたなんて思えなかったからである それにリリの知る限りではリリスが誰かを殺したとか、恨まれるようなことをした記憶が無いからこそである だからこそ。リリは自分の目の前で話している少女が何を言っているのか分からなかった そもそも 自分が知っているリリスは自分と瓜二つの存在であるリリスなのだからと そしてそんな事を考えているリリに対し リリリディアは

「リリがリアリスの事を信じられないというなら。それでもいいよ」と言うと それに対してリリが「信じるも何も私は実際に見たんだもの。」と答えた そんなやり取りを見たリシアはリリィがどうしてそんな事を言えるのかが、気になって仕方がなかった。リシアとしてはリリの味方としてリリスを助けなければならないと思っていたからだ そして自分の中の感情を整理した上で。リリスにこう告げる「確かにリリスが悪いわけじゃ無かったよ」

「それならなんの問題も無いよね」と言うリリスに「いや問題あるわ」と突っ込む すると

「えっ?なんで?」と言ってくるので「リリスのせいで私達はリリスのお姉ちゃんが死んだんだよ。」と言い放つ

「リリリスお姉ちゃんのことは今でも大好きだよ。だけどさ、私達はリリスが憎いのも事実なんだよ。リリと私は双子の姉妹なの。なのに、私達は生まれてから一度も会ったことが無いの。私達の母親は双子を生んだ後直ぐに病気で亡くなったらしいから。それでね、私は妹と会うために色々な方法を考えたんだよ。でね、思いついた方法が。私達が二人で一つの肉体に入るということなの。そうすることで私達は、ようやくリリと出会うことが出来た。だけど私は、リリと出会えたけどリリの意識は戻らなかったの。だから私は必死に頑張ったの。私が眠っている間もずっと。そして今、私はリリスの中に居る。」そう言って、リリが泣き出しそうになるが、我慢をする。だって今ここで泣いてしまうと。また話が逸れてしまう気がしたからこそ。リリは、涙を流したかったが。その衝動を抑える リリスは「ごめんなさい」と言いながら涙を堪えているリリを見てしまったら「謝らないで。もういいのよ。もう、リリスには何もして欲しくないの。もう誰も苦しまない世界になるのがリリの願いだったよね?その為には、リリスは死なないとダメなんだよね?」そう言った

「私は、本当は生きていたかったよ。でもリリアお姉ちゃんに迷惑をかけないように生きてきたよ。だから、リリにはこれから生きて貰わないとダメなの。私の分も長生きして」と言うリリスに。今まで黙っていた真が口を挟む「俺から提案がある。俺と取引をしてくれないだろうか?もちろん俺は、リリアの事を助けるつもりだし魔王を倒しに来たのだから」

それに対して。魔王リシアから返事は無く

「私の話は終わってない。リリスとリリが別人であると言うなら。リリスの望み通りにしてあげた方がいいと思うし、何より私はリリを救いたい」とリシアは言い切ったのであった 魔王リリスとの話を終えて俺はリリナの方へと歩み寄った

「さっきの話。俺の考えが間違っていたら訂正してくれないか?」そう言った後に。

俺は俺自身が感じたことをそのまま口にするのであった 俺が思ったのは魔王に殺されることでしかリリスの魂

「私のお腹に赤ちゃんが居たの。私もお母様も嬉しかった。だってやっと出来た孫だったから」と

「それなら。魔王を殺してしまえば。リリスの子供はどうなる?」

「魔王を殺せば子供は死んでしまうでしょうね。お父様とお母様も魔王に負ければ同じ結末を迎えていました。だからお父様とお母様の死を受け入れました」

リリアが言う。

「お前達の父ちゃんと母は強い人だったんじゃないのか?」と聞くと

「はい。とても強くて優しい方達でした。」

リリアは悲しそうな表情で言う

「リリアはリリスさんに子供を産んであげて欲しいと願っている。だから魔王を殺すわけにはいかないんだ」と俺がいうと。

「ありがとうございます。お優しいんですね。お父様は、お亡くなりになりますが。お兄さんである貴殿方がこの国を守って下さるというならば安心できると思います」と言ったのであった。そしてリリス

「真。リリスを倒さないで」と。お願いされたわけだ リリリスティア 私と、リリス。二人にとって一番の幸福だった時を思い返していた。

お兄ちゃんと一緒に居れた日々は幸せで、毎日楽しかった。そして何より。お爺様に拾って頂けたのが大きかったのだと思っている。

お祖父様は本当に

「わしのところにおいで。君たちの家族を探してあげるよ」

そう言われたのがきっかけだった その当時は私は6歳でリリはまだ4歳ぐらいだったと思う その日を境に私達の生活は一変していく リリリスが目覚めなくなって、3年。私は、15歳になったわけで、今ではもう立派な成人だ そんな事を考えながらも 私は今日も。勇者が居るという街の門の前に立っている。

「リリン。大丈夫?」とリリリアが言うと

「平気ですよ。」と答えてくれた。彼女は私の部下であるリリンは私の妹であり 妹のリリンも今は

「私も、リリアと同じ考えです」と。リリリスに言ってしまった あの日以来。リリスは一度も私たちの前に姿を見せることが無くなってしまい それ以来。お会いすることも叶わなくなってしまったわけで、 そんな事もあって、私達は。お父様の意思を引き継ぐことにした それは 魔王リリスを倒すための旅を続けることだ 旅を続けている最中。

魔物にやられそうな人たちを見つけたので 助けると リリスは私に聞いてきた

「あなたが私の代わりになってくれた子?」と その問いに私は答えることが出来ずに「えっ?」なんて間抜けな声が出てしまう

「ううん。なんでもないの。気にしないでね」

「はい。でもその言葉の真意は教えてください」

「ごめん。ごめんねリリリスは悪い子じゃないんだよ?ただね、ちょっと寂しい子なんだ。ごめんね」と言う言葉を残して

「また、ね」と言うと消えていってしまう その出来事があって、私は決意を固くし、改めて。リリスと戦う覚悟をした。でも、その気持ちを汲み取ってか 妹であるリリも一緒に戦うと、名乗りを上げてくれ それから

「お姉ちゃん。これから頑張ろうね。」と、言ってくれた 私としては嬉しい限りだけれど、正直。今の私が、まともに戦えるのかと言えば疑問符がつくわけで、だからこそ、もっと強くならないと、いけないんだ。そんな事を考えていると、目の前にリリスが現れる 私

「お待ちしておりましたよ」と。

「ふーん、私を待っていてくれるんだ」

と リリスが言った後 目の前から一瞬にして消える リリは「後ろ!」と言い放つとリリスに蹴りを叩き込む すると、リリスは吹っ飛んでいく 私は咄嵯の事で動けずにいたのだが

「何してるの?早く行かないとやばいよ。あいつ、今、本気だったから。私が抑えている間になんとかしちゃいなよ。お姫様なんだから」とリリに言われてしまう 確かにそうだ 私が守らないとダメなんだ 私が だから、私は 急いでリリスのところに向かう

「へぇ。意外とタフね」

リリスの言葉にリリが返す「そうでもないよ。そろそろ諦めなよ。私も時間無いから。早めに決着つけようと思ってるんだけど、リリはどうかな?」と言うと

「私を殺せると思わないことですね」と不敵に笑みを浮かべていた

「じゃあ始めましょうか」

そう言ったので 私は戦闘を開始した 戦いが始まった瞬間。私はすぐにリリスと距離を詰めた リリスは驚いていたけど私は攻撃の手を緩めることなくリリスに攻撃を仕掛ける

「くっ、速いなぁ」

そう言って。私は一度後ろに下がりリリに加勢してもらうように合図を出すと。リリ

「はい」と言い。私達の連携攻撃を繰り出し始める だが リリスは、私達の連携攻撃を受け流す

「さっきより速くなっているな」とリリスが言うと。

「あんたが弱くなったんじゃないの?」とリリが挑発をするが、それでも、私達の連携に対処しきれていないのか 徐々にダメージを与えていく

「リリリスお母さまを傷つけるのは止めて欲しいんです」そう言ってリリスが、私達の攻撃を止める

「リリス。まだ抵抗する気?」とリリが

「はい」と言うと

「仕方ないな」と言って 私の剣を奪うと そのまま、私の首を切り落とすと

「お疲れ様」と言うと、リリスは私の遺体から血を抜き取る その後で「リリ、私に力を貸して欲しい」と頼むと

「わかったよ」と

「ありがとう。これでお兄ちゃんの元に帰れます」

と呟いていたが、よく聞こえなかったので、私は、「何か言いました?リリス」と言うと

「何も言ってないです。それより、早くいきましょ?みんな待ってますし」と誤魔化されてしまったのだ あれは何を言っていたんだろうとずっと気になってはいたのだが 真との再会を果たしてからは すっかり忘れてしまっていたのだった 俺達の戦いが始まってどれくらい経っただろう 1ヶ月程経っているとは思うが。まだまだ序盤もいい所だ ただ、俺は思ったことがあるわけだ 俺達が使っている魔法はスキルの力を使っている だから、魔法の効果で。身体能力が上がることはない

「だからさっきみたいに急に速度を上げて。相手の懐に飛び込めば良いんじゃないか?」そう言うのだった。リリは俺の話を聞き終えると

「なるほどね。それはいいかもしれないね」と言っていたが、

「だけど、お兄さんはどうしたい?」

リリに聞かれて少し考えると

「やっぱり、お前が考えた技の方が強そうな気がするのはなんでかな?」と言った

「それならよかった」なんて言ってくれるが 本当に俺が使えるのか心配になった それから。数日経ってから俺達は街に着いたわけだが 街は大騒ぎになっていた 魔王軍幹部のリリがこの街に姿を現したからだ リリス お兄様

「真。行くよ」と言われ 俺はリリスと街の中に入っていったのであった。

俺とリリは街中に入った。そして魔王リリスは。

魔王軍の幹部であるリリと対面していた

「久しぶり。お兄ちゃん、それにしても私の妹はどうしてこんなにも可愛いんだろ?」そんな事を言われたが俺は「知らん」と答えた リリがリリスに言う

「何言ってんの?お姉様」そんな会話の後 リリが俺を見て「お兄ちゃんもお久し振り。それでお兄ちゃん達はここでなにをしてるの?」と。そして魔王であるリリスが言う

「私ね、魔王をやめる事にしたの」と そんな言葉を聞いて。

リリスは驚くのだった

「お兄さん、リリスに魔王の座を譲ろうと思うんだけど、手伝ってもらっても構わないかしら?」と聞くと リリは笑顔で「うん」と言ったので 俺は魔王の座を譲る儀式の準備を手伝うことになった そして、魔王リリスは

「ありがとうね。私もお爺ちゃんと一緒に旅に出るから。それまでは。ここを任せても大丈夫?」とリリスがリリィ様に言うと

「うん。大丈夫だよ。お祖父様にはお会い出来たの?」と聞くと

「それがね。会えてないのよ。でも。私達の娘は、きっとどこかにいるはずだと思うの。それに娘を探すって言った約束も守れてないの。だからね。私は。娘を探しながら、世界を旅する事にするね」と言い。それからしばらく話してから 魔王である証として、リリスはリリスの髪の色にそっくりだった銀色の長い髪を黒く染め直した。それを見ているとリリも俺があげた白い長い髪を黒に染め始めたのである。

そんな様子をみて リリスがリリの頭を撫でてから、リリに向かって言う

「私達はこの国を離れるけれど、リリスの事を守ってあげてくれると嬉しい」と頼まれてしまったので、

「当たり前じゃん。お姉様達は私が守るよ」

リリスはそんな言葉を貰うと

「頼もしいな。私よりもリリスは強いからな。頼りにしているぞ?」

なんて事を言うのだった

「任せてよ。じゃあね」そう言うとリリは俺の腕を引っ張って。城へと向かっていくのだった。その様子を見た。お父様とリリが嬉しそうな表情をしていたのを覚えている。

それから。しばらくしてから。俺はリリと王の間に呼ばれていたのだった

「お主のおかげで。リリスは魔王の責務を果たすことが出来た。そこで、リリリ。そなたが魔王になることを許可する」お父様はそう言った。すると、お婆様が続けてこう言った。

「私から、リリスから話は聞いているわ。でもね。貴方は、魔王を継ぐには早すぎると思っている。私は、そう思ってる」と、それからリリリは、お母様と姉妹に話をした後に、俺の元に来たのである

「ねぇ、お兄ちゃん、お願いがあるんだけど、良いかな?」と上目遣いで、俺を見ながら、リリスに、リリにだけ聞こえるように耳打ちをするのだった リリスはそんな光景を

「ふふっ」と言いつつ見ていた。俺は何を言い出すのかが分からなくて困ってしまった。

「あのね、私は、魔王をリリスに譲った。つまり、私は、もう、魔王じゃなくなる。けど。私はそれでもお姫様のままで居たいんだ。リリのお婿になって、一緒に幸せになりたいなぁ。だめ?」と俺の目を見つめながら言う リリは俺の顔が見れなかったのか。下を向いてしまって。

俺はリリがどんな気持ちなのかを考えながら

「えっと、お兄さん。これは、その。」とおどおどしているリリを見ると、とてもかわいいと思った。だが、それと同時に申し訳ないとも思ってしまう。だから

「わかったよ。お前はお兄さんのモノだ。だからさ、俺を楽しましてくれよ?一生をな」そう答えると

「うん。お兄ちゃん大好き」と言ってくれた

「私達はずっと一緒だから、絶対に、離れたりなんかしないよ。離れることは、許さない」そう言ってリリリも抱きついてくる 俺はこの時決めたのだと思う。この2人を幸せにするために生きると、そして。

それから数日後、リリス達は城を後にして。世界を巡るのであった。

俺はというと。リリス達について行きたいとリリリとリリスに相談を持ちかけた。そして 俺とリリス、そしてリリリは

「私達の愛の巣を作ろうと思ってます!」リリは俺達にそんなことを言うのだった

「俺達のってどういうこと?」俺が聞き返すと。リリスは、「私とリリアとでお兄ちゃんのハーレムを作ってみようかと」ととんでもないこと言う

「私はそれで構いません」と。リリリは即答したのだったが

「リリリスお母さま、私は別に構わないけど、私の分の部屋もあるんでしょうね?」と確認を取ると。「もちろんですよ」と言って。リリリがお兄様と寝るのは確定事項らしい

「リリはお母様と仲が良いよね」と俺が言う

「うん。だって私のお母様だもん」

リリスが少しむすぅとしながら。俺に甘えたような声を出す リリスは俺にべったりだ

「私達は兄妹だし、当然でしょ?」

「そうだよ。私は、リリスのことも。お兄様の事も好きだよ」と、リリが俺の手を握ると、リリスはリリリに嫉妬するのであった それから 俺は勇者である事を告げたのだった

「俺の力は弱いし。足手まといにしかならないかも知れない。だけど俺も戦いに参加させて欲しいんだ。俺は強くなりたいんだ」そんなことを言っていると

「大丈夫だよ。お兄ちゃんが守ってくれるなら」と言ってくれる

「えぇ。勇者様。私達はあなたを歓迎します。この世界の人達を守るために戦える方が必要なんです。是非私に力を貸してください。お願い致します」

そう言って。深々と頭を下げて

「ありがとうございます。微力を尽くしたいと思います」と言うと

「では、まずは冒険者としての登録ですね。それが終わったら、ギルドの方に寄ってもらってもいいですか?そのあとに宿屋に行きましょう。リリリ、お部屋の方は、私達が泊まっている宿と同じ所になりましたがよろしいでしょうか?」と言われたので

「はい。わかりました」と答えると

「それとリリス様とリリリさんはお兄様と一緒に行動なさっていても大丈夫ですので」

「私達も同じ所にいますので」

そう言われてしまった そしてしばらく歩いていると 俺はこの街に来る途中で盗賊に襲われている馬車を助ける為に飛び出してしまい、リリ達と別れてしまうのであった。そして助け出した女性と話をしてから、街に戻るとリリスがいた。それから数日経って俺は、この街を出ることにしたのだが。その時に。お婆様とリリスとリリリとリ

「気をつけるんじゃぞ?またいつか会いに行くのじゃから」と俺を抱きしめながら言うのだった それからリリスと俺達は旅を始めた。そして、魔王を倒したリリスに人々は、リリス様を慕っていたのもあり。この国は、平和を取り戻し。国民が皆が幸せになったのだった

「ありがとう。お兄ちゃん」そんな事を言われた気がしたが。俺は、何もしていないしな。そんな事を考えていたのだ そして数年後。お兄ちゃんと私は結婚しました リリスお姉様とは、今でも時々会っている

「リリはお兄様と結婚したの?」なんて聞かれたりしてる。でもお姉様も一緒になってお兄様の事を狙っているんだろうなぁ。そんな事を思いながらも

「うん。お姉様にも紹介するね」なんて言って お兄様に会いに来てもらう事が増えてきた。お姉様はいつもお土産を用意してくれているんだけど、どれも美味しくって困っちゃうくらいなんだよ そんなある日の事。リリスお姉

「ねぇ、私達。魔王を倒してから結構時間も経つんだけどさ。どうして未だにこんな生活をしているの?もうちょっと贅沢しても罰とか当たらないと思うんだけどなぁ」

私はリリスお姉様に言われるまで全く気付かなかったんだけどね 私が産まれてから一度も旅に出たことが無い事に驚いてしまった それに、私はまだ赤ちゃんを産んだことがない リリスが旅立ってからというものの、リリアは暇を見つけては、私の元に来てくれたりしている そして、魔王を倒せば、世界を救った英雄としての扱いを受けられて、国から報奨金をもらえるはずだったのだが、なぜか。それは貰えなくて、代わりにお婆

「お金はあるよ!ほら!だから早く結婚しよ?」と俺に言ってくるようになった

「うーんとさぁ?俺はお前達を幸せにしてやりたいだけなんだぜ?」なんて事を言うと。「あはっ。やっぱり面白いよぉ。だから好き」そう言って抱きついてくるのだった 俺達は旅をしながら魔物を倒しつつ素材を集めて売り払ったりした資金を使いながら生活していたわけなのだが 俺って基本的に武器って持ってねえじゃんってことで色々買ったのだった。それから数日後には 武器や防具を身につけている人が多くなった頃 街の中が急変してしまった。どうしようもない恐怖に包まれているような状態だったのだ。それもそうだろう。

「俺の目の前で俺が守るべき人達を殺されたくなけりゃ。俺に殺されろよ。死にたくないよな?じゃあお前の大事な奴らが死ぬのを眺めていればいいさ」と言って。そいつらを操っているのだろうか?とにかく。そいつらは街に溢れかえり始めた。

俺はそいつらから目を離さず。リリを背中で守り続けるのであった 俺は今の状況を考えると頭がおかしくなりそうになる だって。俺の仲間達は全員倒れていて。しかも傷だらけでボロボロだ。リリアだけは無事みたいだけど、リリアも意識を失っちまった。そんな状況だった。だから、俺だけでも生き残らないと行けない

「リリリス。ごめん。守れなかった」

俺はそんな風に言って。リリスが持っていたであろう。短剣を手に取り。そっと。リリアを抱き抱えたのだった。それから

「お前は逃げろ」俺はそれだけ言うと走り出すのだった 後ろを振り向い

「リリス」

リリスは気絶していて返事は出来ないけど 俺はそんな事を言いつつ走る 走って。リリアを連れて逃げる 俺は自分の身を犠牲にしてでも仲間を守るつもりだった 俺は必死になって逃げた。リリを守りながら リリが何か叫んでいるようだったが俺はそれどころではなかった。今はリリアを無事に安全な場所に逃す方が優先だから

「俺なんかの命よりもリリアを救わないと行けないし」と

「私を置いて行くなら置いて行って」と泣きながら言うのである

「バカかよ。俺が見捨てられる訳ないだろう?それにだ。リリだって俺の家族みたいなものなんだよ。だから」と俺はそう言って

「お父様」と言ってくれた 俺は 俺も、お前を娘だと思って接している。だから、これからもそうして欲しい。お前を一人にしちまうことになっちまうかも知れねえが 俺がそう答えると。涙声で「うん」とリリが言うのだった それから俺はリリを背負ってリリス

「お兄ちゃんが死んじゃダメだよ」と言われてしまって

「リリスが死んで欲しくないんだ。わかる?」と言う すると リリが泣いていたのだった。「嫌だよ。私。お兄ちゃんがいないのは。絶対に」そんなことを言われてしまうのだった。だけど俺の身体は既に限界を超えていて 俺は、リリリの方を見て。「ごめ、もう、俺。動か、ねえわ。だから、頼む、な?」そう言うと

「う、嘘。嫌だよ。いやい、ヤダァ。私をおいて、い、かないで」

「ごめんな。約束できなくって」そんな会話を最後に俺は、死んだのだ

「なんで、そんな事するんですか!」リリが怒りをあらわにしながら俺の事を責め立てるように怒鳴ってきた。

「いやだってさ。俺が死んだ後、リリスを守ってくれるのがお前しかいなかったからだぞ?」と言い返すと

「それでも、私は許せません」と俺を睨みつけていた。「そう、だよね」俺はそれだけ言うと黙り込むの

「本当にお兄様は最低だよね」と リリスの冷たい言葉を聞いて俺は、「リリス、その。怒ってるのも分かるんだけどさ。お願いがあるんだ。その。リリリは、リリリスのことを助けてくれる?きっとまだ大丈夫だとは思うんだよね」そう言うと

「当たり前です。私が守るの。私の娘なんだから」と言って。私達親子三人は手を取り合って リリリスはリリスの手をしっかりと握りしめると「私に任せてください」と力強く言っていた。「じゃあ。俺。ちょっと出かけてくるな」そう言ってリリスに背を向けると歩き出そうとしたのだが

「私と、リリスはお兄様がいなければとっくの昔にこの世から姿を消しているはずでした。お兄様のおかげなのです。そんなお兄様を見捨てることなんて出来ませんでした。私達に恩を感じていないのであれば別に構いません。この国を出ていっても私は文句は言いません」そう言った後に「ただ」そう言って リリリと私に向かって「私の家族ですから。この国の王としても。勇者としても。そしてお兄様として、そしてリリスとして。私はお二人の味方ですから。ですから、どうか私を頼ってください。お力になれたら幸いです」そう笑顔で言うと 俺はリリスとリリリを抱きしめ

「ありがとう。じゃ、ちょっと行ってくるからな」そう言って 俺の姿が見えなくなるのであった

「な、何が起こったのか分からない」俺はそう言うのだった 俺の前に突如として現れたのは魔王 リリスが倒してくれていた

「なぁ?リリス?魔王倒したんじゃね?」俺がそう聞くと

「倒していない」とリリスは答えてきた

「な、なあ、俺に力を授けてくれないか?」

俺はそう言うと

「いいよ。その代わり。お兄ちゃんの魔力全部もらうけど良い?」

そう言われた

「いいよ」と俺が返事をすると。「えっ?」と驚きの声を上げ

「えっ、だって。お兄ちゃんがそんな事をあっさりと了承してくれるとは思ってなかったし」と俺の顔をジッと見つめてきながらそんな事を言っているのだった

「うん。だってさ。俺ってばもう死んじまったじゃん?なのにさ。リリス達が助けてくれてるのって、俺がまだ生きてるような扱いにされてるってことだろ?そんな事をされたって事は俺の寿命も残されていないと思うんだよな。だから俺が魔王をどうにか出来るんならしてやりたいなって」とそこまで話すと俺に近寄ってきてリリスに キスされ 俺は、驚いて何も出来ずに固まるのだった 俺はそのまま、魔王を倒すための戦いに挑んだわけだが どうにも勝てなくて困ってしまった どうやったら倒せるんだろうな?と考え込んでいる時だった

「ねえ、お兄さんはどうしてこんなことしてるの?」と 女の子がそんなことを聞いてきた

「ええと?君は?俺の名前を知りたいの?」そう俺が質問すると

「そう。君って誰だ?名前を教えろ。と」と言われてしまい。俺は素直に従う事にしたのである そうすると彼女は。「うむう。仕方ない。我が名を聞くことを許してやろうぞ」と なんとも上から目線で言われるのだった

「は、はぁ。そっか」俺

「うん。そうだよ。ところでさ。貴方が持ってる剣って【聖剣エクスカリバー】じゃないですか!しかも二振りある!これは欲しい!ねえ!私と一緒に来てください。そうしたら貴女の望みをなんでも叶えますよ」と言われたので

「えーとさ。そんな事よりも俺の剣が目当てなのかい?」そう聞くと

「うん!そうだよ。私、強くなりたいの!だって強くないと大事な人守れないじゃん」とそんな風に言ってきていたので 俺が剣を一本差し出すと

「じゃあ。私と契約してよ。そして一緒に行こう。それが嫌ならさ。その二本の剣を持って帰らせてよ」と言ってきたのだ。俺はそれを受け入れると彼女の姿に変化が現れたようで俺はそれに気がついた時には俺はリリスによって殺されてしまっていたのだ。そう俺は、彼女に負けてしまったわけである それからリリスは必死にリリアを守ろうとしているみたいだった。どうすれば守れるだろうか?俺は考えたけども全くと言っていいほどにアイデアを思い浮かべることが出来ずにいた ただただ時間だけが過ぎていったのである ただただ時間を潰すことに苦痛を覚えながらも過ごしていたある時だった 俺は夢を見たのであるそれは悪夢のような光景だった そこには、リリスの姿があって そこに居るリリアを殺そうとしていたのである 俺はそこで目を覚ました 慌てて周りを見るとまだみんな寝ていて安心していると今度はリリが苦しみ始め

「痛くて苦しい。お母様」と 俺の腕の中で暴れ出した 俺は必死になって抑えつけるのだが そんな抵抗も虚しく。俺の腕の中から抜け出していくとリリアのそばに行ってしまったのだった

「お姉様が死にかけてしまっています。私は、お父様に嫌われても。見殺しにするくらいでしたら死んだほうがましなのです。どうか。この身体をお使いください」

そう言って、俺に向かって微笑んだ

「そんなことは出来ねぇよ」

俺はそれだけしか言えないでいると リリアが

「私の最後の頼み。聞いてくれないの?リディア。いやリリリス」

そう言うのだった リリリスは悲しそうな表情を浮かべ

「リリアお嬢様がそれを望むのであれば」と言って、俺に向かって一礼をしてから リリリスに何かを注射をしていった すると突然リリリスの動きが止まるのと同時に

「私は一体何を?」と言い出してきて「ああ、やっと元に戻ったんだな。お疲れさま」とリリリスの頭を撫でてやると「えっと。リディア。あの、ありがとう」と言われてしまうのだった。それからリリスの方を見て

「リリス?ありがとう」と言うと

「私もお兄ちゃんのこと好きだからね」と言ってくるのだった。

それから俺はリリスの方を見ている

「リリス。俺はお前が大切だし、守りたいと思っている。俺が死ぬまで、側に居てくれるか?」と真剣な眼差しを向けると

「うん」と答えてくれるのだった。それから俺達はお互いを見つめあい。リリスがキス

「なっ、リリス。抜け駆けはずりぃ」

そんな声と共に抱きついて来たのは『銀髪の女騎士』であり勇者の一人 リリリアである

「私だってリリスのことが大切なのだから。私が死んでしまわない限りはリリに渡すつもりはないわ」

そんな会話をしている二人の間に俺は入っていき。リリスにリリリアの相手

「よろしく頼むぞ。リリア」と言うとそれを受けてから、「分かった。私がしっかり教育してあげるからね!」と楽しげにしている そうこうしているうちに夜も明けて来てしまっいた。俺は、今日もまた魔王退治のために挑む事になるわけなのだがその前にやる事があるので リリリを呼び寄せることにすると、俺の近くに現れた 俺から少し離れたところに魔法陣が出現するとその中心から現れてきたのだ

「なんだい?僕は忙しいんだけどな?まぁいいよ。それで用件というのはなんだ?」と言われると俺の前に現れたリリスの姿を見るなり いきなり怒り始めるのだった それをなだめながら俺は話をするのだがどうやら彼女の中では俺よりも強いはずの

「リリスの方が俺よりも弱いんだ」という言葉を信じていないらしいのであった

「じゃあ勝負をしようじゃないか。もしもリリスちゃんが強いのならば僕が勝った時はなんでも君の言うことをひとつだけ聞くよ」そう言ってくれた そんな訳で勝負をする運びとなり、まずは模擬戦をすることになったのだが

「じゃあいくよ。手加減は無しだよ」そう言うとリリアが動き出した リリリに向かって一直線に向かって行くと剣を突き立てる だがしかし リリリはそれを軽くいなしてしまうとリリアの首に手を触れさせ「これで終わりかな?僕の勝ちだよね」そんな事を言っていたのだった。そうすると

「い、いやまだです。リリリスはまだ動ける」そんな言葉を残してリリスが俺に攻撃を仕掛けてくる リリリは「もう諦めればいいものを」なんて言いながら攻撃をかわすのだが俺はそれを見ながら考えていた どうしてリリがリリスの身体を使えなかったのかを、そして一つの結論に辿り着いたのだ おそらくリリスは意識を取り戻した時にリリに体を譲り渡したんだと思う

「リリス!戻って来てくれ」俺がそう叫んだ瞬間だった

「え?どうして。どうしてなの?どうして?」

「リリスが戻ってくるよ。今のうちに早く逃げるんだ」俺がそう言うと リリアが俺の前に出てきて。

「そんな事はさせない」なんて言うが俺は無視をして

「ありがとう」

俺はそう

「お兄さん。ごめんなさい。もう無理」そう言われてしまい リリスは力なくその場に座り込んでしまう リリリが

「リリスはやっぱり弱かったね。そんなんじゃあ魔王を倒す事なんてできないよ」そんな事を言っている リリスをリリリから引き離すと俺がリリスを抱きしめるような形で庇う すると

「リリスを渡せ。そうしたら君だけは見逃してあげよう。そうでもしなければ。リリスには勝てそうもない。さっきは運良くリリスが油断してくれていたからどうにかなったんだ。もしリリスに勝つことが出来たなら。その時は君と二人で魔王を倒してしまおう。そう考えれば。君は私達の味方をしてくれるだろう?」

リリリはそんなことまで言うが、俺は首を横に振るだけだった

「リリスがこんな目にあってるのは、リリスの願いが関係しているんだよな?リリス」

俺がリリスの目を覗き込みつつ言うと「うん。お母様の病気。どうしても治したかったの。そしてリリア。私はリリアの事を守りたかったの」そう言うと

「そっか。大丈夫。リリスの願いは俺が全て叶えてやる。約束だ」そう伝えると

「うん」とだけ返事をした

「ふむ。やはり駄目なのか。どうやらリリスが負けを認めなければ。私と君ではどちらが上なのかわからないようだ。私も無駄なことをしているのかもしれないね」そんな事を言ってからリリは俺の腕の中から抜け出していってしまう 俺がそんなことを思っていると目の前で リリアの身体が変化し始めて行きやがて 完全に姿を変えてしまったところで、リリアの顔になったリリが現れ俺の方に向き直ると「リリアの肉体も借りられたのだから。私は、お兄さんの一番になる為にこれから頑張るからね。絶対に」そう宣言されてしまう

「そんな簡単に、人の心に入り込めるとは思ってないさ。俺が本当に欲しいと思った人にしか。その人はやってこないって分かってたんだぜ」

「うん。そうだよね。私はお母様みたいにお淑やかじゃないし、それに女らしさとか全然ないし。それでも、好きになってくれる?」と リリスが言うのだった。それからしばらく俺は考えた後に

「あーそうだな。俺に付いてくるってんならその答えは後々分かることだから」と言ってからリリスを抱き上げる そしてリリスが何かを言う暇も与えずにキスをしてそのまま街を出て行ったのである 【迷宮都】に向かう道中に魔物が出るのであるがその全てをリリスの魔力で

「邪魔。消えて」と言うだけで一瞬にして消滅してしまう そしてリリスの実力を目の当たりにしてしまうことになるのだった

「リリスが居てくれると凄い頼りになって良いな。俺も安心できるし。ありがとうな」俺がお礼を言えば「リディアが居てくれると私も楽しいし安心するし。えへへ」と嬉しそうにするのだった 俺達はそれから迷宮へとたどり着いた それから数日の間俺はずっと リリスと一緒の布団で寝ていた。俺の腕の中でスヤスヤ眠る彼女の寝顔がとても愛らしく感じてしまっていたのだった 朝起きると

「おはよう。リディア」そう声をかけてきたリリスの唇

「お前は誰のもんだって言ったよな」そう言ってやると「お兄ちゃんのもの」と頬笑みながらそう答えるのである 俺はそれを受けて「それなのに他の奴らに体を触らせたんだから。おしおきは当然として」

「何するつもり?」不安そうな声を上げるリリスに向かって俺は微笑んで見せてから耳元で

「お前の全てを奪い去ってやろう」と言ってやると 顔を赤くしながらも幸せそうな表情を浮かべて俺にしがみついてきたので そんな彼女に対してキスをしながら ゆっくりと押し倒していく

「リディア?ねぇ。まだダメ」

「黙れ。もう我慢なんか出来ないから」

「ちょっと待ってよ。お願いだから」なんて言いながらもリディアの方から舌を絡めて来るので、俺はそのまま彼女を受け入れてやり思う存分貪るようにリリスを可愛がることにした リディアを何度も求めてしまうと流石に耐えきれなくなったのかリディアの口から甘い吐息が漏れるのであった そんなこんなしてる内に夜になり 俺がいつものようにリリスの方を向いて眠ろうとするのだが「リリス?」と声をかけると、彼女は俺の胸にしなだれかかるようにして抱きついて来たのだ

「もうおしまい?」そんなことを言うので

「お前が嫌だって言ってただろ?」

「今はしたい気分だから。それに昨日いっぱいシてもらったから大丈夫だから。もっとしてほしいかも」と甘えた声で言われてしまい俺は少し迷ったが結局彼女を一晩中抱いてやることになるのだった それからはと言うと リリスに起こされてから俺は身支度を整えた後にリリカに会いに行こうとしていた そんなところにちょうどやって来たリリアと一緒に歩いて向かう事にしていたのだがそんな道すがらリリアから突然話しかけられることになったのだ「リリアね。最近少し気になることがあって調べている事があるんだけど。それとは別に魔王のことについての情報を手に入れたのだけど聞きたい?どうする?聞いた後はどうするかを決めておいてね」なんて事を言い出したのだ

「聞かせてくれ」俺がそう返すと「いいわよ。魔王はね?元々魔族の長だったの。けれどある時に魔王に挑んできた人間の勇者達を返り討ちにしてしまった事から 自分が魔王と呼ばれるようになったの。そこから長い時間をかけて人間を駆逐していったんだけど そんな時にリリスが勇者召喚によって呼び出されたわけ。最初はリリスのことを気に入ったらしいけど。その後リリスは色々と問題を起こして追い出されてしまったのよ。そんな訳でリリスがリリスになった時には既にかなりの年月が経っていたから、リリアの知る限りでは 魔王の事は知らないと思う。でもこの情報は私にとっては有益だったからね。リリアちゃんに教えといたのよ。さて、これで質問に対する回答は終わったから私はもう戻るから」そう言ってその場からいなくなってしまったのだった そんな訳でリリアが戻ってくると「ごめんね。あんまり詳しい事は分からないの」と申し訳なさそうに言ってくるので

「気にしない。それより、これから俺の知り合いに会うつもりだから。悪いんだが、リリリアを連れて来てくれないか?」と頼み込むとリリアは すぐに戻って来てくれたのだ そしてリリアにリリスのことを紹介しながら俺の昔の仲間のリリについて話を聞くことにしたのである

「リリスは昔どんな子だったんだ?教えてくれないか?俺は記憶喪失だからな。思い出せるかもしれない」俺がそんなことを頼むとリリスが口を開くのだが「私が話す。それで構わない?」なんて聞いてくるので「ああ。そうしてくれると助かる。じゃあ頼んだぞ。俺はその間街の外を見回りに行くから」そう言うと俺は街の外に出て行ったのである 俺は街の外にたどり着くとリリスから貰った刀を取り出すと抜剣し構えをとるのであった そうするといきなり現れた男が襲いかかってきたので それを軽くかわすと「不意打ちは嫌いじゃないが。気配を隠すくらいはしたらどうなんだ?そんな事をしても俺には通じないが。そんなことよりも何故俺を襲った」そう言ってから男の様子を伺っていると男は急に逃げ出そうとした為俺は咄嵯に足を切り裂いてしまい動けなくなるまで痛めつけてしまい尋問を始めるのだった

「まずお前は何者だ。なんのためにリリスを狙う?」

「俺の目的は、あのクソガキに復讐することだけだ。あいつが、俺の女を何人も殺したんだ」そんな話をし始めるのだが

「それは嘘だろうな。リリスを狙った理由は他にもある筈だ。正直に言わなければ、今度は手だけじゃ済まないからな」俺がそう言うと観念したようで、あっさりと口を割ったのだった

「くっそ。わかったよ。言えば良いんだろう。実はな。お前の持っているその腕輪に仕掛けが施されていて その効果はお前を殺すことで解除できるようになっていたんだよ。それが発動しなかったと言うことはその指輪の所有者はお前ではなかったと言うことだ」

「その通りだよ。これは、魔王の腕輪だ。これを付けていたせいで。リリスとリリシアと離ればなれになってしまったんだよ」俺は怒りに震えながら言うと

「リリと別れて。私はリリスとして生まれた。そしてお兄ちゃんがリディアを拾ってくれるまでリリアはずっとお姉ちゃんだった。私が生まれたのはお兄ちゃんがお腹にいる時からお兄ちゃんと私の魔力が混ざり合うのを感じ取っていた。そしてお兄ちゃんとリリアの魔力を足し合わせたものが私になるのを知っていた。だからこそ、リリアがリリスになったことで。私は私になれたの。だからお兄ちゃんが大好き」

リリスから突然そんな事を言われた俺は戸惑いながらも リリスが産まれるのを待ち

「リリス」と名前を付けた理由を話し その話を聞いた上で俺達はリリスのことも好きになっていったのである それから数日が経過し俺はようやくリリスが産気づいたことを知ったのである そこで俺は街に戻ると、急いでリリスの元に向かう それからしばらくして出産が始まり、無事女の子が無事に生まれた。俺は安堵しながらその子の名前をリリスに決めさせるのである

「リディアは?」と聞かれたので俺は

「リリスって言うんだ」と言ってやる。

そして俺の魔力を注いでやった後に

「俺の娘。よろしく頼む」と言うと「うん。分かった」と言ってくれたので俺が頭を撫でてやると嬉しかったのか笑顔を見せてくれる そんな様子を

「お疲れ様」と労うのが精一杯のリリなのであった 俺はリリスが落ち着いた後でリリスを連れて街を出ることにして、それから数日の間は旅をしていた 道中で何度か魔物に襲われたのだが俺達が襲い来る魔物を全て撃退していると

「凄いですね。リディアさん。それにリリスもお見事です。それにしても同じ血が流れる兄妹でありながらどうしてここまで強さに差が出たのでしょうか?」

とリリが疑問を口にするのだった。それを聞いて俺は思わず苦笑いしてしまう そんなこんなしながらも 俺達は迷宮都市と呼ばれる場所に着くことになったのだ

「迷宮都市。ここに来たかったの。ここでならきっとお兄ちゃんの記憶が戻せるようになる気がするの」とリリスに言われるが

「そうだといいな」俺はリリスの言葉を信じながらそう返事をする そしてしばらく歩くと迷宮へと到着するのである そう言えばこの街でリリスとリリアは冒険者として過ごしていたんだなぁ と思い出し俺は少し懐かしさを感じると共にリリスに迷宮についての説明を聞きながら進んで行くのである そんな時である 俺は目の前に現れた存在を見て愕然とすることになるのである そこには俺のよく知る存在であるリリアの姿をしていたからだ そんな事を思いながら見ていると目が合い俺の方に向かって歩いて来たのだ そしてこちらの

「久しぶりね」なんて挨拶に対して俺は どう反応すればいいのか分からず困惑していると リリスが前に出てきて 俺を守ろうとしてくれて そんな様子を見るとリリアは「ふぅん。リディアがそこまでして守りたがる相手ね?面白いわね。ちょっと会わせてもらえないかな?」なんて言ってくるのだ。それに対してリリスは何も答えようとせず 黙っている するとリリスはそんなリリスの行動に怒ったらしく

「お兄ちゃんを守る?冗談でしょ。リリスがそんなの許すわけがないじゃない」と挑発するように言ってくる リリスのそんな態度にリリアは

「リリスは少し大人しくした方がいいと思うわよ。貴方がリリスでないことはすぐにわかるのだからね」と そんなことを言うと、俺の前に立っているリリスがいきなり吹き飛んだのである それからすぐにリリスがリリスとして立ち上がりリリスは

「ごめんね。お兄ちゃん。少しだけ待っていて欲しいの。リリアを倒すまでで良いから」とリリスは言うとリリアと対峙した。その間にリディアと俺だけが取り残されている状況になっていた リリがどうなったかと言えば

「リリの偽物なんかに私がやられるはずがないでしょ?」

そう言い放つリリスが一瞬で距離を詰めてリリアの首を掴みそのまま押し倒す

「かはっ」苦しそうにしているリリアスの身体をリリスは容赦なく踏みつけ始めたのだ 俺はそんな二人の間に割って入り、リリリスからリリスを取り上げるように抱き上げる

「邪魔しないでくれる?せっかく楽しい所なのに」

そう言ったリリスだったが、次の瞬間に 地面に叩きつけられたような感覚に陥り目を覚ます そうするといつの間に現れたのだろうか。

「私を無視するのはいただけませんねぇ。この私、神殺しを舐めないでもらいたいものです」そう言って俺の事を睨んでくるので

「リリの姿でそんな事をされたくはないので。リリスを元の世界に帰してください」

俺はそんな要求をした そうして現れた自称神様を名乗る男は「リリスちゃんをですか。それは出来かねるかと思われますね。何故なら、その指輪は、所有者が死ぬと共に消滅してリリスちゃんに宿り、新たな宿主が生まれる度に指輪は増えていき。そして最終的に全てが集まって、初めて完全に封印することができるんですよ」

そんな話を聞くと俺は「リリは、どうなるんだ?」と質問を投げかけた そうしないと気が済まなかったから だが、そんな問いには答える気が無いのか「貴様に教えるつもりはない」と言い捨てる

「リリスに聞くしか無いようだな」

そう言うと俺はリリスを優しく下ろす そうすると俺の腕にしがみついてきたので

「怖くないか?俺はお前のお兄ちゃんなんだぞ」と問いかけてやる するとリリスは俺の目を見つめてくる その目を見ただけで俺は理解することができた。今から戦うであろう敵は強大だとわかっているのだろう 俺は、そんな事を思うとリリスの頭の上に

「心配はいらないから安心して見てろ。必ず勝って帰ってくるから。お前だけは守ってやるからな。だからリリスが信じてくれたら嬉しいぞ。約束だから」と小指を差し出すと、リリアも同じようなことをしてきた。なので俺もそれに応え同じように小指を出し絡めていく。

それを見ていたらしい神様が声を上げると、リリの姿が消え、変わりに全身真っ黒なドレスを着た女性が現れる。顔を見るととても美しいのだが何故か禍々しい感じがした その女性がリリスを掴もうとした瞬間 俺は反射的にリリスを抱きかかえるようにして飛び退いていたのだが その女性は、そんなことを全く気にせずに攻撃を加えてきて

「ほほう。この攻撃をまともに受けるとは中々だな」そう言うと今度は俺に攻撃を仕掛けてくるのだった。俺はそれを回避するも回避する先を読み切られてしまい、何度も殴られ続けるが何とか避け続けていた それから何回くらい攻防が続いただろうか?俺はついに避けることができなくなり直撃を貰ってしまう しかしどうにか持ちこたえることができたのだ 俺の様子を見て余裕があると判断したのだろうリリアは自分の体に戻ることにしたようであり、それと同時に神様が口を開くとリリアが消える それから神様の攻撃が再開されてしばらくすると突然 俺の中から魔力が無くなっていくように錯覚を覚えるほどの何かが現れそれが溢れ出てくるのを感じた。そこで一旦戦闘を止めてくれていた

「素晴らしい!私の魔力の半分を消費させて、それでもこれだけのダメージを与えられる存在は今までいなかったと言うのにも驚きましたが、私の一撃に耐えられたのは、本当に予想外でしたのでね」と言うと、また戦闘を再開した 俺は、リリスを守りつつ 相手の隙をついて反撃を繰り返すが、相手はそれを全て防いでしまい、こちらの手数がどんどんと減り、やがて俺の攻撃は相手に当たらないようになっていったのである そこで相手がリリアの方に標的を変えた事で、俺への攻撃が一時的に止まると、リリスを抱きしめる力が弱まる 俺はそんな事をしてくる相手を警戒しながらリリスに声をかけようとした時に俺は目の前の光景に唖然とする事になる

「リリア。そいつは誰?」

そう言っているのは俺ではなくリリスだったからだ そして俺自身も自分の意識が俺の中に戻ってくると リリスはリリアを殴り飛ばして 俺のそばに来て俺の服を握る 俺はリリスの手を握りながら「ありがとう」と言うことしか出来なかった そんなリリス

「あいつはリリアだよ。お兄ちゃんが助けようとしている人でもあるの」と言うとリリス

「へぇ。やっぱりそうなのね。でも今はお兄ちゃんの方が優先。悪いけど邪魔をしないで」

リリアを倒そうとしていた。

俺は慌てて止めようとすると、そんな俺を押しとどめ

「お兄ちゃんの大切な人を傷付けないようにはしたいんだけど。無理かも」と言うと リリアが

「あの娘が、あんな力を持っているとは知らなかったわね。でも、あれではまるで暴走ね。それにしてもあの指輪はいったいどこで手に入れたの?」

「さぁね。私はただリリのふりをしてるだけの存在だから、本当のリリについては何もわからないんだよ」そう言い放ち 二人は睨み合っている。

そして 先に動いたのがリリアで、それに対抗するかのようにリリスが仕掛けるが、それを避けることもできずに当たってしまう リリスはその勢いで壁に打ち付けられ

「ごほっ。ごふっ」血反吐を吐いているのだった

「どうした?この程度か?この程度ならばリディア殿は必要ないだろう。お前のような存在は、この場に置いておけないから私が処理しよう。それじゃ死ね」リリアは冷たくそういうと剣を振るってきたのだ リリアはリリアで

「さっきまでとは別人のようですね。今の私にそんな無粋なもので斬られるほど落ちぶれてはいないつもりです」と言ってきた そんな言葉に対してリリアは少し驚いた顔をしていたが直ぐに元の冷たい表情に戻ってしまったのである リリアは

「確かに先程までのあなたとは違うみたいね。だけど、その程度で私の敵になると思うのは少し甘すぎやしないかしら?」とそう言うと再び戦いが繰り広げられるのであった リリス

『お兄ちゃんが戦ってる』そう思った時には身体が動いていて リリが私の姿をして、お兄ちゃんと戦っているのが見えたの 私の中で眠っていた記憶は お兄ちゃんに指輪を渡したところからで終わってる そう言えば

「リリも俺と一緒に来ないか?」なんてお兄ちゃんは言ってくれていたっけ そんな思い出が頭に過ぎる そして私とリリスの戦いが始まった 最初はお互いが牽制し合うような形で距離を保っていたが少しずつリリスが攻め始めてきて、私は徐々に押されていくのを感じ始めていた時

「リリス様、リリスちゃんの身体を傷つけるようなことはしたくは無いのよ。貴方をこの世界に呼び出してしまった事についても後悔はしているの。お願い、目を覚まして。貴方の力を、お父様に貸してもらえれば、この世界が救われることは間違いないわ。私が、この国の為にできる最後のことだから。私ができることなら何でもするから。お願いよ」そう言って涙を流して訴えるリリアだったが、リリスは

「その涙を見ても、貴女を信用できないわ」

「そうよね」そう言って、泣き崩れた それからリリスは

「貴女の狙いが何なのかはわからないけれど。貴女の思惑通りに行くとは思わないで。それとリリスちゃんの姿で泣かないでくれるかな。貴女の事を嫌いになれなくなるじゃない」と優しく声をかける その瞬間リリスの雰囲気が変わるのを感じるとリリス

「残念。もう少しだけ遊んであげられるかと思ったのに」と言いながら構えると 私も臨戦態勢に入るのだった

「私としては、今ここで殺してしまいたい所なのだけれども。それじゃダメなんでしょう?だったら仕方がないわね。手早く片付けるとしましょうか?それが終わればいい加減諦めてくれる気になったりするのかしら?」そう言われてしまうが、私は、そんな言葉には騙されないと言わんばかりに睨みつけてやるとリリアさんは苦笑いを浮かべているのだったそして私は攻撃を仕掛けていったが簡単に避けられてしまっていた それから何度も繰り返し攻撃をしてみたのだが結局一度も攻撃を当てられぬまま体力切れを起こし倒れ込むと同時に目の前から気配とリリスの姿が無くなっていることに驚くと後ろから衝撃を受けたのだ それは 私の攻撃を回避した後で 私の視界から外れた位置で待っていたのだろう

「私の負けだね」

そう呟くと私は気を失ってしまった そして気が付くと見知らぬ部屋のベットに横になっていた。起き上がると、近くに椅子に座ったまま眠りについていたのか、うつ伏せで眠っている女性を見つけると私はその人に声を掛けて起こしてあげる するとその人は「ううん?あら、気が付きましたの?それは良かったです。安心致しました」そう言うと立ち上がり「私の名前はアリシア。アリシアと申します。ここは私の屋敷ですよ。リリア姫の容態は安定していますから、もうすぐ目覚めることでしょう」と言いながら 紅茶を入れてきてくれた

「私はリリア。リリアといいます。ありがとうございます」とお

「まぁ。お嬢様なのですか?これは大変な失礼を。それに、あの時は大変なお見苦しいものを見せてしまっていてすみませんでした」と謝られたが、 あの後リリアと話をしたらしいのだが リリアが

「いえ、こちらこそご迷惑をおかけしてしまいまして。」と謝罪の言葉を述べると

「いえ、お気になさらず。しかしまさかこのような事になるなんて。それにしてもあの方は何故急にあんな行動に出たのでしょうかね?」

そう聞かれるので

「そう言えばあの時の事を詳しく教えてくださいませんか?」と問いかけると

「はい。あの日はいつものようにあの方を城に呼んでいたのですが、何度お呼びしてもお越しにならなかったのですよ。そこで、城に仕える者が、部屋を見に行ったところ、ベッドの上にあの方が居たと報告を受け。何事が起きたかと思いすぐに部屋に向かわせてもらったんですよ。その途中で倒れられている貴方を見つけてここまで運んできたと言う訳なのですが。何かあったのでしたら話していただけたら嬉しいんですけどね」と困り顔で言う そんな状況の中 俺が目をさますとリリアの膝枕で寝ていた事に気が付いた俺は、慌てるとリリア

「リリスちゃんが心配な事は分かりましたけど、落ち着いてくださいな。まだお休みになった方がいいかもしれませんね」と言うのだった

「いや。大丈夫だ。それより、さっきの話だと、魔王との戦いの時に俺と、いや、俺達が戦った相手はリリアなんじゃないかって思うんだけど?」

そう言うと

「えっ?」

そんな事を言われたら、普通驚くのは当たり前だと思う。俺が逆の立場なら同じ反応をしていたと思う

「だって、さっきの話から推測するに、あの男はリリアを召喚して利用しようとしてたんでしょ?だったらあいつは、リリアを利用して俺達に喧嘩を吹っ掛けてきたと考えると。辻妻が合うんじゃ無いか?」と聞くとリリアが考え込んでしまい沈黙が訪れると、そんな雰囲気に耐えられなくなった俺は、「リリアはさ、この国の王の娘なんだろ?だったらさ、俺と結婚でもしてくれない?そっちの方も色々と事情があるかもしれないから無理に結婚して欲しいとかじゃないんだよ?たださ俺を側においてくれるだけでいいんだ」と言うと何故かリリスまで頬を赤く染めていたので俺は焦ってしまうのだがそれを見ていたのか、クスっと笑うリリアに対して俺はどうすれば良いのか戸惑っていたのだだがそこにアリシアというメイドが現れて俺は救われたのである

「ふふふふふっ」「あっはっーはっ」そう笑っている二人を見ながら俺は「お前等いつまでそうやってふざけ合ってんだよ!そいつが目を覚ましそうになってるんだぞ!」そう怒鳴ると二人が静かになったのである すると「私ね」と話し始めるリリス

「あのね。お兄ちゃんの事好きなの。だからさ、お兄ちゃんさえよかったらさ、私とさ。そのさ、結婚しようよ?」と言われ、それに驚いていると「あぁ、そうだよ。お兄ちゃんと結婚するのはこのリリス様さ」と言ってくるとリリアも俺の手を握って

「ふふっ。リリス様と、リリスさんでどちらが良いですか?」

そんな事を言って来て、答えあぐねいているとリリア

「では、私が勝った方と結婚しましょう。それで、どうしますか?リリスちゃんは」

リリス「お姉ちゃんの身体を借りているだけの偽物の私にリリスと呼ばれるのはちょっとあれだけど、リリアさんがそういうのなら、そうするよ」

リリスの身体でそう言われると違和感しかなかったのである。そして、その後二人は、少し言い合いをしてリリスの意識が戻ると二人は、また戦い始めてしまい、今度は、お互いに本気の戦いを始めようとしていた

「お前達。こんな狭い場所で何をするって言うつもりなのか知らないが、怪我しない程度にしてくれよ?」そう言って止めに入ったのである リリスが「はははは。冗談はやめてもらえるかな?私はお兄ちゃんとしか戦う気は無いの」と言ってリリスに止められていた そしてリリアは

「はははは。リリスちゃん。お兄ちゃんの事を取られたくないのはわかりますが、私にもチャンスを与えてくれませんか?」と言って俺の腕を組んできて俺も「そう言うことだ。今回は許してやる。リリスが勝つ方に俺が一口乗らせてもらうから、負けた方が、大人しくリリスに身体を譲ること。分かったか?」と言うと二人は「はいっ。もちろんだよ。絶対に勝っちゃうからね?」

そんなやり取りがあって、いざ勝負となるのだったのだが 結果はリリスが勝利して 悔しそうな顔をしたリリアは泣き出してしまっており そんな姿を見てリリスは リリスが身体を譲ろうとしたのだが その時リリアが突然抱き

「リリスちゃん。私の負け。約束よ。貴女は身体から出て行って」と言い放つ リリスも負けを認めたので

「はいはい〜。それじゃあお邪魔するよ〜」とリリスが出ていくのを確認した そのあと リリアは「リリスちゃんに、身体を譲りました」と言い出すので「そうじゃなくて。俺と結婚して下さい。これから一緒に過ごしていけたら、と思っています」と言うと恥ずかしくなったのか真っ赤になりながらも「はい。よろしくお願いいたします。あのですね?リリスちゃんには、悪い事をしてしまっているんです」と言うので

「うん?リリアがそんな事を気にする必要ないと思うけど?むしろさ?リリアスの方が俺よりも役に立ってくれたりするよね?」なんて答えるとリリア 嬉しかったらしく涙を目にいっぱい浮かべながら「本当に優しいんですから」と言われたが リリアの方が優しいと思うんだけどなぁと思ったのだった それから数日後にリリスに聞いた話では 今回の件はやはり神族の手によるもので、俺達は神の使いとして選ばれた存在であり、この世界に混沌を招く者達と戦う使命を持って転生させられたらしいのだ。

そして、魔王討伐後は神々が新たな世界を作り出すのに、俺達に力を与える為に、異世界より召喚したのだと言っていたようだ つまり、魔王が居なければ、元いた場所に帰る

「そんな事はありませんわ。ずっとこの国にいれば宜しいのです。貴方なら私の旦那様にするのに相応しいのです」と王妃

「いやいやいや。それは無理だろ?だって俺はこの国の騎士でも何でもないし」と言うと、国王に「それは大丈夫です。貴方の身分は我が国で保証致しますのでご安心ください。貴方には既に、聖属性魔法を使える者として認定されていますから、リディアが言う通りです。貴方は私の旦那になるべき人なのです」そう言われても、俺の気持ちが揺れ動くことは無かったのであった 俺の住む屋敷はリリアの屋敷からほど近い場所にあるので俺は今現在リリアの

「リリスちゃんの様子を見てきてもらえませんか?」との頼みを受けて、リリアと一緒にリリスの部屋に向かっている途中なのであるが、

「おぉぉ。これが勇者の力かぁ。凄いぞぉぉぉぉぉ。これならどんな敵だって倒せてしまうんじゃないかな?なぁ?そう思わないか?ねぇ。君もそう思うでしょ?ってか?おいぃ!リリス!聞いてるんだったらさっさと戻ってこいよ!」と言って

「うるさいなぁ。もうちょっとだけこのままでも構わないだろ?いいじゃないか。それにお前と一緒だと何か楽しい気がしてきちゃったんだからさ。もう少しこの状態のままでいてやろう」と言う すると、いきなり現れたアリシアが現れて 俺を見て一言。「お嬢様を返していただければ有難いんですけどね」と言われ リリスとリリアは二人で何事かを相談していたのだがリリスの方は、少し納得していないような顔だったのである 俺としては、「あははっ。そうだったのか。そういやさ、さっきリリアと話をしている時にさ、リリアってば俺に惚れてるとか言っていたんだけど、俺の事好きなら、俺と結婚したいんじゃ無いの?」そう言ってみる リリス

「あははっ。そんなの。嘘に決まってるだろ?リリアが僕にそんな感情を抱く訳が無いだろ?」と言うので

「えぇー。そんな事は無いんじゃない?俺的にはリリスの事が結構可愛いと思っているんだけど?だから、俺と結婚するんじゃ無いの?」と言うと リリスは「はは。冗談キツイっての!ってか?そんなこと言われて喜ぶ女の子がどこにいるんだよ?」と言うとリリアは

「リリス様。いい加減諦めて、リリスさんの身体を返してください。お兄様を困らせるのも大概にして貰えないでしょうか?私はお兄様の事が大好きで結婚したくてたまらないと言うのにリリスさんがいつまでも身体を乗っ取っているから」と言うと リリスは「おぉぅ。マジで。へへ。いいぜ。そいつがそんな事を言ってくれるなら僕は遠慮なくお兄ちゃんをゲット出来るもんね」と言い出し。リリスはニヤけまくっていると アリシアは、リリスからリリスが出て行き、「うひょおぉおおお」という声を上げるがすぐに消えてしまい、「あっはぁん」という感じの声を上げて俺の前に膝をつく

「ああんっ♡素晴らしすぎます。これで私もやっと本来の力を取り戻せたんですよ。ありがとうございます。貴方のおかげですよ。私は貴女の身体を乗っ取るために、こうしてやって来たと言うのに、貴女はこんなにも優しくしてくれる。これはもう。責任をとって結婚するしか無いんじゃないですか?それに、この国はリリアさんの領地なんでしょ?なら。私がこの国を手に入れることも簡単なんですけど、それでも私と結婚してくれると言うのならば」と言って リリスが「ふざけんなっての!お前の思い通りになんかさせるか」と言ってリリアに襲い掛かられそうになったのである

「あのさ。リリアを責めるような言い方は良くないと思うし。リリスもあまり変なことばかり言ってると嫌われるかも知れないよ」と言うとリリス

「ふん。まあ良いでしょう。今は貴女に構ってる時間も無いのでとりあえず今日のところはこれで帰ってあげましょう。リリアと二人仲良く暮らしてればいいと思いますよ。それと、お兄ちゃん?私は本気でお兄ちゃんのことを好きにさせてもらうつもりだよ」

そう言って去って行くので リリアは少し悔しそうな顔をしながらもリリスの言う事を了承するのである

「くっくそ。悔しいな。リリア。あんなに嫌がられて」

リリアは「あ、当たり前ですわよ。私達姉妹でさえもまだお話もした事も無かったくらいなのに、リリスちゃんが勝手に私の身体に入り込んできて。お兄ちゃんの事まで取り込もうとするなんて。本当に酷い人」と言うので

「そうだよな。俺もリリスに言われたから。俺とお前で結婚式を挙げてやろう。それじゃあさ。俺達で結婚式の準備を始めようか」と言うとリリアは嬉し

「お兄ちゃん。うん。それじゃああっちでゆっくりしようか」と言って、リリスの身体のままだったのだが俺の腕を組んできた

「なぁリリア。お前さ。やっぱりリリスに身体を譲るのは反対だったりしないのか?あいつ。お前の事を馬鹿にしたみたいだし。俺との結婚の話まで持ち出したりしてきてるし。正直俺には意味がわかんないんだけど。そもそも、リリアがそこまでして身体を欲しかった理由は一体なんだって言うんだ」そう言う俺

「それは。あのね。リリスちゃんがどうしてもリリアに身体を譲って欲しい。譲ってくれるのなら何でもするからお願いしたいっていうものなので。仕方なかったのです。それに、リリスちゃんには感謝はしています。お姉ちゃんは昔から、自分が女だってことが受け入れられなくて悩んでいたの。リリスちゃんがお腹の中に居るとわかってもずっと悩んでました。そして産んであげられなくて悲しんでいました」というのである リリスは確かに男勝りとまでは言わないが、俺から見ると女性らしく見えない部分もあったし、どちらかと言うとボーイッシュとでも言うのだろうか?そういう印象を持っていたから、そうだろうなと思っていたのだ

「なあリリア?リリスってさ?普段はどういう風にしているんだよ?」そう尋ねると

「あ、あの子ですか?基本的にはお淑やかな方ですよ?リリスちゃんはお父様とお母様に似て美人さんですから、男の人から言い寄られた事もあるみたいなんですけど、全て断ってきたらしいんです。だけど、最近。リリアのお友達で仲が良い子とか居て、その娘が凄い勢いでアタックをして来て、それで、リリスちゃんの心を射止めてしまったらしいのです。その娘の事が好きになったのでリリスちゃんに身を任せたいとリリアは言ったのですがリリスが拒否をしてしまったのですね。その時の事を私は覚えています。お兄ちゃんがお嫁さんを連れて帰ってきたのを見た瞬間、リリスがリディアの身体を奪った時のように、私の事を拒絶し始めたのです」と言うので

「な、なるほどね。俺も人の事は言えないけれど。俺の場合はちょっと違うけど、リリアとリリスの関係を考えると、俺もリリアとリリスに気を使ってしまうな」と話すとリリアは

「あははっ。お兄ちゃんったら優しいんですから。リリアもリリスもお兄ちゃんが好きなだけなので。何も気にする事は無いんですよ」

それから数日後に俺とリリアとで、リリスに祝福されて結婚式を挙げた リリスとリリアとリリアが入れ替わったのはリリスが自分の本当の姿を取り戻す為に俺の力を利用して、リリアの身体を奪うためだったがリリスはどうなってしまったのか 俺はリリアと一緒にリリアの屋敷に戻る すると、そこにはリリスの両親や弟や妹が待っていたので

「え?え?リリア?ど、どうしてお姫様になっておられるのでしょうか?」と言うリリスの弟 リリスは俺に寄り添って「えっと。貴方達が考えているような関係ではありませんの。彼は私の夫です。私達は結婚したんです」と言う 俺も一緒に「はじめまして。ええ、俺はリリアと結婚させていただきました」と言うとリリスは

「ふっふーん。いいでしょ?でもさ。私の方が年上なんだからね」

「え?リリアと入れ替わらないと年齢差が大きく開いちゃいますよね?」

俺がそう質問をするとリリスは、

「そうよ。だからね。この身体をリリスに譲ったら私はすぐに死ぬつもりだったの」

「はぁぁぁ。だからリリアと入れ替わったのかよ」

「あぁんっ♡だってさ?私は今まで生きてきた時間の中で一番幸せだったからさ」

リリスとの話を終えた後にリリアが俺の部屋に来る リリアは俺を見るなり俺の唇を奪ってくるのである そのままベッドに押し倒され服を脱がされる俺 そして俺に跨った状態で俺の顔を見ながら「今日も愛してくれますか?」と言われ 俺はリリアを抱きしめるとキスをするのだった 朝起きて部屋を見回すとリリスの物らしき衣類や小物が消えている事に気づいた しかし、俺が起きた時には既に着替えが終わり、俺の隣で

「お兄ちゃん、おはよう。ねぇ、昨日の夜は激しかったね」と言って抱きついて来るリリスが居た

「おいリリス?俺とリリアは結婚をしたんだよな?ならさ?俺の奥さんとして振る舞う必要があると思うんだけど。俺の事を旦那さまと呼ぶ必要も無いんじゃないのか?」そう言う俺に

「んっんっ♡だって、まだ夫婦生活も慣れていないんだもん。だからしばらくはこうしていたいな」というリアリスに、しょうがないと思いながらリリアも目を

「うわぁーっ!?リリスがいつの間にここにいるのさ?てかさ?リリスちゃん。いくら私がお兄ちゃんと結婚したとは言え、あんまりベタベタしないで欲しいかな」

リリアは少し不機嫌そうにしてリリスの方へと向かっていく

「あははっ。ごめんなさいね。私がお兄ちゃんと結婚していればリリアとも仲良く出来たのに。私はこの先ずっと、このままの状態で過ごす事になるでしょうし、そうなると私はずっとお兄ちゃんに抱かれ続けることになるからさ。お兄ちゃんと一緒ならそれでも良いと思ったけど。やっぱり、貴方達の結婚が許せないよ」と言うリリスに

「んんんんんっ!!もう我慢できない!今からリリスの身体を乗っ取ってあげる」と言うリリア リリアはリリスに近寄ると胸ぐらを掴み「何言ってんだ。リリス?お前なんかに乗っ取られるわけないだろうが」と言って、力づくでリリスの身体から追い出したのである 俺とリリスは慌てて、二人を止めようとリリアとリリアスの元に走るのだが 間に合う事も無く、リリアがリリスの胸に手を当てる リリアの手が光り輝くと同時に「あははははっ♪私の勝ちだ」なんていうリリスの声 そしてリリスが倒れこむ

「はぁぁ。やっと元の姿に戻れたよ。あぁ、私の大切な可愛い赤ちゃんのリリス。大丈夫だったかい?リリスが何かしたみたいだけど、お姉ちゃんに教えてくれる?ほぅらお姉ちゃんのおっぱいですよ〜」と言い、自分の大きくなった膨らみをリリスに触らせていた それを見たリリアが

「ちょっと、リリスちゃんから離れてくださいな。貴方には関係ないでしょ?」と言うのだが

「嫌ですよ。私には関係あるんですよ。なんでしたらお二人で私の代わりにお兄ちゃんの子を産むと言うのなら構いませんよ。お二人は元々私だったんですし、それに、今の身体では出産の時に負担が大きいんですから。諦めた方がよろしいかと思いますが。ちなみに私はもうすぐ生まれてきますから。その時にはまた身体を譲りますけど。それまではこの身体で過ごしますから」というリリスに対して俺は

「あぁぁあ。そういう話になるのか。それじゃあリリス。お前の言う通りかもしれない。だが、お前にはこれから俺の子供を沢山産んで貰わなければならない。俺としては嬉しいんだけど、そう言う事じゃないだろう?」

俺がそういうと

「あはははははっ。うんうん、流石は私のお兄ちゃんです」

俺とリリアとでリリスが産まれるのを待っている 俺もそろそろ、俺の遺伝子を引き継いだ子が生まれるのだと言う そして生まれた子は男の子であり名前はアリオン

「よし。とりあえずリディアと相談するか」と俺が話すと

「リディアですか。あの方は、魔王様に魂を売ってまで手に入れた力が通用しなかった事で、相当ショックを受けていますよ。まあそれは当然と言えば当然のことなのですけれど。あの力はあの方にとっては呪いに近いものだったはずなのですから。でも、あの方は自分の意志ではなくあの男の意思に従っていただけのようですね。それに、あのままあの方の肉体が死んでいたら間違いなく、魔王様の復活も叶わなかったはずなので。あの方にもあの子を産んだ責任はありましょう。それにあの子がどう育つかにも興味がありますから」

というので俺はリリアに「リディアがどうしてそんな事になったのか知っているのか?」と聞くと

「ん?そりゃそうでしょ?だって。リリスちゃんがお父様やお母様達を殺してしまったのだから、お兄ちゃんに殺されると思って。仕方がなかったんだよ。私達が居なければ。お兄ちゃんに殺されると思っていたんだって。だけどお兄ちゃんが優しく接してくれるもんだから甘えたくなって。お父様に助けを求めたんだってさ」という

「なっ、えぇ?どういうことなんだ?え?え?え?え?なんだよこれ」と戸惑っている俺に

「つまりはこういうことです。あの方にしてみればリリスは娘のような存在です。しかし、あのお方も人の子。我が子を愛さない親はいないのです。リリスは私の子ではありません。でもリリスの母は私の事を愛してくれたので私はあの子の事を愛しました。ですから、私は魔王の力を手に入れたのです」と

「な、なぁ。もしかして。リディアはお前の事をリリアの事を恨んでいるのか?」と俺が問うと

「はい。リリスの母が死んだ原因を作っちゃったんですもの。でもね。私は別に悪いことをしようと思って行動を起こしたわけではないんです。あの女が、リリアのお腹の中に居る私の事を殺そうとしたんです。私は、必死になって抵抗を致しましたけれど。それも無駄な足掻きで。結局は私は死んでしまったのですよ。ですがね。お兄ちゃんの魂と出会って。私達は夫婦になりました。そして、リリスと言う子供が出来ました。でもね。リリスはね。お母さんから愛されて育ってないんだよ。だから、きっと、お父様とお母様に愛されている私の存在が羨ましくて。妬ましかったんじゃないかな?それでね。自分より強い相手に戦いを挑んだ。それだけなの。私は悪くないよね?だからね?リリスを救おうとしてくれているのならば、お兄ちゃんは私に感謝して欲しいぐらいだよ。私がリリスをリリアから奪い返さなかったら。多分ね。リリスは生まれていなかったのよ。私がお兄ちゃんと出会ったのは、偶然じゃなくて。運命。私はリリアを好きになっていた。だからね。私はこの身体を手に入れて。リリアの身体とリリアの心を奪ってしまえば、リリスは救われる。そう考えたの」

俺はリリアの言葉を聞いてリリスが産まれるまで待ち続けたのである それから数ヶ月後。俺のベッドの中には元気そうな赤子が眠っていたのであった。

「ふぁー。よく寝たー。あぁ、お兄ちゃんおはよ」

リリアの身体を借りてリリスが現れる リリアはと言うと、少しだけ顔つきが変わった気がした そう思っているとリリスから

「私はこの世界でお兄ちゃんと幸せに暮らして、お兄ちゃんとの子供が欲しいの。リリアが邪魔で、お兄ちゃんの一番を私に譲ってくれないから。お兄ちゃんは私の物なのにさ」と言われてしまう 俺はリリスを抱き寄せると

「なっ、ちょっといきなり抱きしめられても」

と慌てるリリスの唇を奪う そして唇を重ねた後に、舌を差し込み絡ませる そのままリリスが息も絶えだえになるまでリリスを求め続けるのであった しばらくしてから唇を話すと、リアリスが

「あ、あああ、お兄ちゃんの馬鹿ぁぁぁ。リリアスはお兄ちゃんの事しか考えられないんだもん」

「あぁ、うん知ってるよ。お前の考えてい事なんて全部お見通しだ。それにお前が産まれてくることも分かってるさ。お前の事はしっかりと面倒を見るつもりだ」と言うと 顔を赤く染めながらも、少し嬉しそうにしている そうこうしてると

「ねぇ、その、お兄ちゃん?まだリリアとはしていないよね?まだそのね?リリアは私が初めてなの。お兄ちゃんは、リリアのことを好きなの?リリアと結婚したいの?お兄ちゃんが望むのなら私は協力するけどさ。お兄ちゃんがリリスを娶ってくれたら私はお兄ちゃんの妻に。そしてリリアは、お兄ちゃんの子供を産む。その役目はリリスにやって貰うけど。私はそれでも構わないの」と言うので

「なっ!?わ、私!?わ、私はお兄ちゃんと結婚したい」

「うーん。そうだな。お前が産む子供はリシアに似て可愛いだろうし。それならいいかな。俺としてはリシアのことは今でも愛しているけど。今は違う人を愛しているからさ。リリス。これからはリリアとリリスの二人を妻にする事になると思うから。それでもいいか?」と俺は言うと

「もちろん。だって、お兄ちゃんが私の事を求めてくれてるんでしょ?」

「あぁ、そうだよ。お前の事が誰よりも大切だと思っている。お前の全てが欲しい。リリス、お前のことが好きだ。お前さえ良ければだけど、今すぐ結婚してほしいんだけどダメだろうか?」

すると突然リディアが現れるのだが

「あっ、あれれ?お姉ちゃんいつ来たの?私達の事を覗いてたわけ?それともその気になれば私達の声を聞き分ける事が出来るっていう話な訳?」

と言うのだが、「まぁそういうことにしておいてあげるわ。ところで魔王様はどうなされたのですか?私は貴方に魔王様に会ってもらうためにここに来たのです」と言うのだが

「魔王なら俺の中に眠っているよ」と言う俺に対し驚いたような表情をしている そこで俺はリリアの方を見て話始めることにする

「えっとね、とりあえず、今の俺は二つの人格を持っている状態なんだよね。魔王は俺の中で眠っている。でも俺が表に出るときは俺が俺の意識を取り戻すことが出来る。だけど今の俺は、俺の意思では動けないし俺自身が外に出る事も出来ないんだ。ただね。リリスにお願いしたいのは、俺が目覚めた時俺と一緒に居て欲しいって言う事なんだ。リリアにはリリスが俺と結婚してる間俺の代わりになってもらって、俺が目覚めるのを待って欲しい。そしてリリスが産まれてきたら、一緒に育ててもらいたい」と言うと

「え?そんな簡単な事で良いの?うん分かったよ。じゃあリリスが産まれるまで、リリアとして生きてみるね」

「そうしてくれると助かるよ。リリスはまだ、産まれて来るまでに時間が必要だろうしさ」と言う俺に対して

「え?産まれるまでにかかる時間が分かるのですか?リリスの魂を転生させた時に魂の器を作り直しています。そのため時間がかかるはずなのですが?」と言ってきて、それからしばらく話を続けていく リリスが俺達の前に現れたのは、数時間ほど前のことであった。俺はリリスを連れて魔王の元に行くことになるのだが、その時俺はリディアに俺が持っている武器を渡して リディアにリリスを預けることにして、リリスは産まれたままの姿で魔王の元へと向かう事になった 魔王のところへ向かう途中 俺は自分の中にいる存在と話す 俺の中には魔王と、魔王の力を受け継いだ存在が眠っており、そして俺は勇者の力を受け継ぎ、聖女の力で

「魔王を封じ込めるために、勇者の力を使い続けて封印してきたが、それが仇になったな」というと、 魔王の魂を取り込んだ存在が答える

「ふふふ、そうだね。だけど、僕は後悔なんて微塵もしていないんだよ。だってね。君は僕にとってかけがえのない存在であるのと同時に僕の主でもあるんだよ。君の命令を聞くのは当然なんだよ。君の命令はどんな内容でも絶対に実行する事になっているんだよ。だってさ、そうしないと、また、あの女に負けちゃうかもしれないじゃん?あのリリアとかいう小娘には、僕の大切なものを取られたままなんだよ。だからさ。今度は取られないように。リリアから君の心を奪い取れば。もう二度とあんな思いしないで済むでしょ?だから、僕があの女の身体を乗っ取って。君の事をもっと知る必要がある。そう思うんだよ」

「まぁお前も大変だもんな。俺も人のことは言えないから何も言えないんだがな。俺にも色々とあって、俺は俺の事をずっと想っていてくれた女の子を死なせてしまった。俺が悪いんだが。その責任を俺の大事な妹分であるはずのリリスに押し付けた形になってしまった。その結果。俺は俺の本当の身体を手に入れることが出来ず。俺の中の魔王の魂に取り込まれる形になったわけだが。そのせいでリリスが産まれてくるまでの間俺は、魔王の力を抑えながら生きて来たんだよ。でも、俺は、リリスのお母さんとリリスが幸せになる未来を望んでいた。だから俺はこの身体を、もう一人の自分から奪い取り。この世界に復讐をしてやるつもりでいたんだ。だけどリリスは。この世界で生まれ育つことで、リリスとリリアは仲良くなった。俺はね。俺の妹分と、俺の妻が幸せになれて、それで俺達が幸せになってくれるのであればそれで良かったんだよ。それで、俺は満足だったんだ」

と俺は呟くと、それに同調するかのように「あぁ、そうだな」と言い

「さてそろそろ、お前の出番が来るようだぜ。あいつらのところに行けば俺は自由になれるんだ。俺はお前に体を返す。俺はあの身体の本来の所有者だし、お前は元勇者様だからよ。その力を存分に使ってくれや」と言われ、俺は俺が今までやってきた事を思い出す。この力を使って多くの人を殺したし殺した相手の記憶も見たり、吸収したりしたから。だからこそ

「お前の望みは分かって居るさ」といい俺は魔王城へと転移し、その後リリアの元へ 俺と入れ替わった【神】はと言うとその瞬間を狙って魔王に攻撃を仕掛けていた 俺が意識を取り戻したとき。既に事は済んでおり俺は倒れ伏している状態になっており そこに一人の人物が立っていたのだけれども。それは魔王であったからこそ出来た事だと言えようか

「貴様がリリスの母親か。我が名はリシア。リリアスの母だと言うことは聞いておろう?」

その女性はこちらを見る

「ええ、お母様のことは私も良く知っています。私はリリアスと申すもの」

とお互いに名乗りあった お互いの挨拶が終わると。俺は立ち上がり

「あー、なんか面倒なことしてくれたっぽいけど。俺は俺の目的があるんだ。だからさ、お前は消えてもらう」と俺は宣言しリリスに向かってこう言い放つ「リリス。リリスの事は大好きさ。俺の事が好き過ぎて仕方が無いって気持ちがすごく嬉しいし伝わってくる。お前となら一生一緒に暮らしても楽しいと思えるさ。だけどさ、今のリリスを産んでくれって言われても、その身体じゃ出産は難しいだろうし、お前は俺と一緒にいてくれた方が良いだよね?だからさ。俺は今すぐ。リリアの身体から出て行くよ。だからリリアは俺が連れ帰る」

するとリリスが反論する

「そんなのおかしい!お兄ちゃんは私のことが好きって言ってたじゃない!それなのにどうしてリリスちゃんを連れて行こうとするの?」と泣き出してしまう それを見たリリアが

「ねぇ。私ね、リディアお姉ちゃんのこと好きなんだ。私もリディアお姉ちゃんの子供が産みたい。リディアちゃんの赤ちゃんなら産みたいなって思ったんだ。だけど私はね。リリスのお世話もしないといけないからさ。それにリディアちゃんにはね。お嫁さんがいないの。だから私がリディアちゃんをお婿さんにしたい。でも私は魔王の娘なんだよ。リリアは私の親友なの。私は親友が悲しむ姿を見たくないしリリアの子供を可愛がりたいって思っている。でもね。私のお兄ちゃんの事も好きでいてあげたいの。わがままな話だけれど。だからね。お願いリリス。リリアちゃんのことをよろしくお願い」と涙を浮かべつつリリアが言うと リリスが

「嫌だよそんなの。お兄ちゃんとお別れしなきゃいけないの?そんなのヤダ。せっかくお兄ちゃんのそばに入れたのに」と言って泣き始めてしまい 俺としては困ってしまう

「リリス。泣くんじゃない。別に永遠のお別れになるわけじゃ無い。また会いに来るから」と言ってリリスの手を握って落ち着かせようとしたのだが

「本当?絶対に会いに来てよ。私は、ずっと待っている。そして私は、リディアちゃんに告白します。好きって言ってくる」と言って抱きついてきたリリスを俺は優しく抱きしめると

「わかった。リディアはリリアにとっても似ているからきっと大丈夫だとは思うが」と言うのだが するとリリスが

「えへへ。やっぱり優しいんだね。お兄ちゃん」

「えっとね。魔王様、私達は一度王都に帰るわ。貴方に言われた通り、私はリリスの身体を借りてここに来たんだけど。リリスはリディアの事を好いているらしいのよね。貴方の言うとおりリリアのことも好きだって言うから。とりあえずリリスにはここで待ってもらうことにするわ」

と言うので、俺は、リリスに話しかける「リリス。お前には俺と入れ替わる前の記憶が残っているんだよな。それで、お前は俺が眠っている間に何回俺の中に入ってきた?」と聞くと

「えっとね。五回目までは数えてたんだけれね。途中から、えっと忘れちゃった」と言うので、俺は

「リリス。よく覚えて居てくれてありがとう。それとな。実はさ。俺は俺自身の身体を奪わない代わりに、自分の意思を封じる事を約束させられたんだよ。そしてお前をリリアの身体を借りるように頼まれている。俺としても魔王の力が暴走して暴れられるより、こうして封印していた方が助かるんだよ。俺は魔王の力を使い続けた結果。魔王の力と勇者の力を持つ事になってしまったからな。そして、魔王を封印するためには勇者の力が必要になるわけだし。そのおかげで封印は成功したが、魔王の力を持った人間が生まれたわけだ」

「ふぇ?そうなんですか?お兄ちゃん。大変そうですね」とリリスは言った後に

「んーでもね」と言うと俺に近づいて来て キスをしたのちに、「えっちしよう」と言われたために

「今はダメ」と言い

「分かった。後ならいいんだね!」と元気良く言われるため頭をポンポンしながら リシアの方を向いて リリスが「ごめんなさいお姉様達も一緒に行かない?」と言うので 俺はリリアに対して話を聞くとリリアも了承してくれたのだった *

* * *

僕は【リリス】

「リリィ、今日も僕のために来てくれたんだ」と言う 僕のことをリリアムと呼び捨てにする人はリリアン以外にはいなかったから違和感があったのを覚えてる 僕の母は、とても美しい人だけれども気難しい人でもあったので。そのせいなのかリリスも美しかった。そのせいもあってか母に似ているリリスはとても可愛いくて、妹としてではなく。一人の女性として愛してしまった。

妹分であり友達であるリディアとも仲良くなりたいと願っていたが。どうにも上手くいかなくて、それでも仲良くなれたら良いなって思っていたら。

そのチャンスが突然舞い込んできた リリスの体の中には魔王の魂の一部が入っており、魔王の魂と融合することで、リリスの体に魔王の魂が定着していき魔王そのものになろうとしていたの

「リリス。君はその体を乗っ取られようとしているの。だから君が君でいるためにはリリアの力が必要なんだ。リリアは今リリアの中で眠り続けている。リリスの事を頼むって。あの子が言っていたの。だからね。リリスちゃん。あなたにあの子の体を預けます。あの子が起きて来たときにね。ちゃんとあなたの気持ちを伝えるのよ。それが出来たらあの子はあなたの気持ちを受け入れるはずよ。だから頑張るのよ。でも、あの人の事が好きなのであれば。諦めなくても構わないの」と言い残していった リリスが目覚めるまでリリスの部屋で待つことにしましょう それから三ヶ月が経った頃。やっとリリスの目が覚め 私はリリスの側に近

「良かったよー。本当によかった」と言うのと同時にリリスを抱き寄せると

「リリ、ちょっと痛い。もう少し力を緩めてくれないかな?」と涙声で訴えてくるから、力を弱めてから抱きしめていたの リリアにそっくりの顔に少し成長している胸や腰つきなど 全ては魔王の魔力の影響なのだけれど、リリスは元々リディアの妹と言うこともあってリリアとは仲が良かったらしく すぐに仲良くなったみたいだ

「リリスちゃんってば私の事を呼びすてするのよね。私はリディア様の方が好きになっちゃったし。私にとってのお姉様だもの。ねぇリリア。リリアのことはお姉様って呼ばせてもらっても良いかしら?」と言われて「え?あ、はい。構いませんけど。私は貴方の事はリリスと呼んでおりましたのよ。リリス」と言われるのだけど。私にとってはお姉ちゃんだもの 私は、お父様に「私がこの子を嫁に貰います。魔王の力を受け継いだ私ならばこの子と一緒ならお母様を倒す事も出来きると思うのです。どうか許可を下さい」と願い出たところ

「リシアがお前を選んだのであれば何も言わぬ」

お兄ちゃんのお母さんってどんな方なのだろう 私にはわからないけど。私のこの気持ちだけは譲れないのでお母様

「私はリリスの事を本気で想っています」と私が宣言したのを聞いたときお兄ちゃんとお母様が顔を合わせて

「やっぱりね」と言ったのだけれども 私はお母様とお話をすることにしました そして私は、お母様に「私の事をお許し頂けるのでしょうか?」と問うた時

「貴女にはまだ分からないかも知れないけど。私は貴女のことが心配でならないの。私のお兄ちゃんを奪った女の娘だからよ。私のお兄ちゃんは、貴女たち姉妹のことを大事にしていて、特にリリアちゃんのことを愛してくれていたわ。私はそんなリディアちゃんとお兄ちゃんが結婚した時からずっと見守ってきたけれど。お腹を痛めた娘が魔王の器になってしまうなんて想像していなかったし、魔王が私と旦那さんの命を狙い始めたときには絶望したものよ。でもね。魔王の力に抗う術を私達は持っていなかったわ。それにお兄ちゃんならリリアちゃんの事を守ってくれると思って私は安心していたんだけど。リリアちゃんはね。お兄ちゃんとの子供を欲しがり、その子供を守るためにリリアちゃんが封印される結果になってしまったんだけど。でもね。お兄ちゃんの事も、私は嫌いじゃないの。むしろ大好きなのよ。でも、リディアちゃんもお兄ちゃんのことを愛してるの。だからね。お兄ちゃんが眠っている間に。私はリリアちゃんにお兄ちゃんを任せることにしたの。だってリリアちゃんは、お兄ちゃんのことをちゃんと見て、そして、大切に思ってくれているって分かるんだもん。リリスちゃんが目覚めたから言うのだけど。お兄ちゃんはリディアちゃんにぞっこんラブなの。リディアちゃん以外の女性には全くと言っていいほど興味を示していないし、それはもう異常なほどの愛情を抱いているからね。そんなお兄ちゃんの心を癒してあげてね。私はそれが出来なくなってしまったけれど。リリスになら出来ると思っているからこそ。私はリリスにお兄ちゃんのことを託したい」と言うのを聞いて、

「わかりました」と言って、リリスの手を握る リリアのお母さまは優しく「大丈夫よ。私はリディアちゃんに危害を加えるつもりは無いわ。魔王の力はリリスちゃんの中にあって魔王自身は出てこないわ。それに、お兄ちゃんもお兄ちゃんの大事な人を害することを許さないわ」

そう言われても私は怖かった 私は自分が自分じゃ無くなってしまっていく感覚を覚えていて 自分の身体なのに自分で無い誰かが自分の身体を使っているように感じる その不安を感じ取ったリリアの母は「リリス。落ち着いて。今のままではきっとリリスも消えてしまう事になるわよ。自分の中に別の人格が存在していると言う自覚があるのであればまずはその自分の中の魔を払うのよ。リリス。お願い。貴方はきっと強い子よ。そして、お兄ちゃんの事を一番に考えてくれてもいいの。だからね。今はリリスの身体の中にある魔王の力を追い出しなさい」と助言された私はリリアの母親の言う通りに行動しようと心に決めて「やってみます」と答えてから私は意識を失った

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俺は、自分の中に入って来ようとしていた魔王を

「俺の中に入ってくるな」と拒絶したら魔王の力が 【光属性魔法】を俺が習得できないと言う事態に なったのだが、どうもこれは

『闇堕ち』と言うスキルが影響しているらしい その証拠として俺の中にはリリスが居たりする そして

「お主は本当に魔王の器だったのか」

「そうだよ。俺はリリスと一緒になるはずだったんだよ」

とリリアが答える

「ふむ。だが、なぜにリリアではなく。リリスなんだ?」と聞かれ

「リリスが目覚めるまでの間。リリスと入れ代わっていたんだ。その間にリリスと恋に落ちてな。それでリリスの体からリリスの意思を奪ってやったら魔王に取り込まれそうになってな。どうにかそれを回避したと思ったら今度は俺自身が闇の魔力を持つ人間になっていたんだよ。それがこの世界では魔王の魔力と呼ばれてしまっているんだよ」と教えてあげた

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「僕は魔王に取り込まれたんじゃないんですか?」

と私は聞くとその人は微笑んでこう言ったんです

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「違うさ君はまだ人間のままだぜ。君を乗っ取ろうとしていた奴を追い出しただけに過ぎないし君の精神力を吸い取ってやれば、いずれ君の心の中からその力は消滅するはずだよ」と言われたんです 私はその言葉を信用しませんでした 私に話しかけ

「君はまだ魔王の力の影響を受けていない。君はただ単にその体を乗っ取りにやって来ただけだ。だから、その体は返してもらう」

と言い出すのですが。私の体を返して欲しいと頼んできても私は嫌だったんです。

その人に

「お前の目的は一体何だ?俺達を利用する為に来たわけでも無いのに何故にこんなことを仕掛けた?」と問いかけてみるとその人の体から光が発せられて私は思わず その人の体から離れることに 私は

「なんで。貴方は、僕がリリアお姉ちゃんに恋をしてしまって。だから一緒になれればいいなって思ってただけの僕の邪魔をするのですか?貴方はお姉ちゃんのことを好きではないの?」と

「あぁ好きだとも。だからこそ俺はリリアに迷惑をかけないようにと思ってるんだ。だからな。リリスには申し訳ないがリリアの元を離れてもらって欲しいんだよ」と言われるんだけど 私は、お姉ちゃんに会いたかったから「わかった。貴方は僕の敵だね。だから貴方を倒して、それからお姉ちゃんの元にいく」って言って、戦闘を開始したんだけどね やっぱり私は強くなんか無かったし全然歯が立たなかくてね 私が殺されそうになるとあの人が 助けに来てくれようとした

「おーっと。君をこのまま殺させるつもりはない。君はまだ生きていかなければならない存在なの。君を助けて欲しいとリリスちゃんが望んでいるからね」と言うのだけど。私からしてみれば私はリリスお姉ちゃんの事を妹のように可愛がってくれていたから 私とリリスお姉ちゃんは本当の姉妹になったような気持ちで接していたから お母様の言葉は理解出来なかったの 私はあの人から距離をとろうとしても離れることは出来なくて お姉ちゃんのお母さんに「どうして私の力ではお兄ちゃんを引き留める事が出来ないのです?」

「お姉ちゃんがお兄ちゃんの心を支配しようとしているからなのよ。でもね。まだ時間はあるわ。あなた達の絆があればきっと乗り越えられるはずよ」と言われ

「私はどうすればいいのです」

「リリスちゃん。貴女は、魔王に負けない心を持たなければならい。今のリリスちゃんにはリディアちゃんと魔王の魔力が半分づつ存在してる。リディアちゃんが表に出てる時は貴女とリディアちゃんが入れ替わってる。そしてリディアちゃんが貴女になっている時でも貴女の中に魔王の魔力が存在する」と告げられて 私はショックを受けてしまいました でもお母様は「リディアちゃんは魔王の力を持ってしまったけど、それを貴女の力に変換しようとして努力を怠らなかった。それにね。貴女のその髪の色が黒くなっているでしょう。貴女の中にいるもう一人の私には白の色が宿っているのよ。つまりリディアちゃんには貴女の事がわかっていたのね。だからね。リディアちゃんの気持ちを汲んであげないとダメだよ」と私を諭してくれた

「私にはまだわかりません」と言うとお母様は「魔王はリディアちゃんの中で今も生きている。でもね。それは魔王が悪いのではなく。魔王に取り込まれると言うことはそうしないと魔王に勝てなくなるからなのよ。でも、今の状態ならリディアちゃんの方が有利になると思うわよ」と言ってくれた 私はお母様に言われた通りお兄ちゃんと戦う決意を固めると。リシアちゃんがお兄ちゃんと戦い始めて お兄ちゃんはお母様に止めてもらった後「俺の大切な人たちを傷つけようとするな。そんなのは許されない」とリリアの身体を使って話している リディアちゃんはお兄ちゃんを止めようと説得をしているんだけどお兄ちゃんが リディアちゃんが攻撃するのをやめてくれないからリディアちゃんはお兄ちゃん

「私を殺して、お願い。私を死なせて。もうこれ以上お兄ちゃんが傷つく姿は見たくないの。だからお兄ちゃん。お願い。私を殺してよ」と泣きながら言うの そしたらね。お兄ちゃんがリティアちゃんに近づいてキスをしたのよ その瞬間リディアちゃんが気絶しちゃってリディアちゃんが目を覚ました時に リリアちゃんに聞いたのだけど「ごめんねお兄ちゃん。私、お兄ちゃんの事が好きだけど。それでもお兄ちゃんと結ばれたら私はお兄ちゃんに殺される運命なの」と言って泣いてしまっていたの 私はリディアちゃんが泣いている姿をみたら 私も辛くなってきて。私はお兄ちゃんと

「私を好きなだけ犯してもいいよ。その代わりお姉ちゃんを幸せにしてよ。リディアさん。大好きだったよ」と言うとリディアちゃんがお兄ちゃんの方を見つめてから

「わかりました」と答えてから、リデアさんの方に歩いて行ってリディアちゃんと入れ替わるとリディアちゃんは、リリアのお父さまの前に

「私はリディアです。お久しぶりですね。私の可愛い娘達がお世話になります」と言うと

「まさか。リディアちゃんか?それにリリスちゃんも。大きくなったな。だが何故にこんな事を」と聞かれて私は、

「魔王の力が私達の中にあるんです。魔王と融合したのがこの私なんです。魔王と融合してしまったせいで私は魔王に取り込まれそうになってしまいまして。どうにか抵抗出来たと思ったら今度は私が魔王の力に支配されてしまいそうになってしまって。その事をお兄ちゃんに知られてしまったんですよ」

私は、その言葉を聞いて「お主は、魔王の力が自分を支配するのを拒んでいたと言うのか?」と聞いてきたので、「その通りですよ。私の中に入り込んできているのはリリアの体じゃなく私の体なのに私の心の中には入ってこさせないと頑張っているのです」と言うと

「ならば。その頑張りに答えてやるのも男だろうな。魔王と融合すると魔王の人格と意識は混ざってしまうのだが、それを拒むことが出来たのは流石だと言えるが、今の状態では魔王の意識が優位に立ってしまっているのだから、どうしようもないのではないのか?」

私は「そうなんです。どうしたら私は元に戻れるのでしょうか?」と聞くとリリスの体を借りていたお兄ちゃんが「それについては俺に考えがある。リディア。お前の力が必要だ。協力して貰えないか?」と言われて私は嬉しかったんだけど。リリスの体がお姉ちゃんと入れ替わったのを見て。やっぱりお姉ちゃんは強いんだなと思い知らされた気がしました 私はお姉ちゃんから渡されたリリスの剣を手にしてから

「この世界を守るために私は魔王と闘います」と言いました *

「魔王を倒すにはやはりこの方法しかない。君がこの世界で生きたいと思っているのであれば協力してほしい。俺は、魔王に負けるわけにはいかないんだ」とお兄様は言い出す 確かに魔王を倒してくれる人が居るのだとすれば、倒す事が出来る人に託したいと思えるけど、私は、この世界を救う為に旅に出たわけでもないのですよね。私の目的は一つだけ、私が居なくなってしまったことで悲しんでいるはずの妹の所に戻る為だけなのです だから、私が協力する事に戸惑いを感じていますが、今は私の力も弱っている事だけは事実であると言えましょうね

「私の事は気にしないでくださいね。私は私のしたいようにするだけですから。それに貴方に協力したいという私の気持ちも本物なのでしょうからね」と言うと彼は笑い出してから私に手を差し出してくれて

「ありがとうリリス。さて。君は何をしたいんだい?」と質問してくるから

「私の目的はお姉ちゃんに会うこと。お姉ちゃんと幸せになりたい。それだけなのです」

と答えると「俺のやる事は魔王と闘う事だ。だから魔王の討伐には手を貸せるぞ」と言い出してくれたので リリアちゃんと二人で話し合ってから。私は

「リリアちゃんと相談させて下さいね」とだけ伝えた リディアちゃんと魔王が戦うとリディアちゃんが負けてしまう。

そう考えた私は、お母様とリディアちゃんを避難させるために 魔王の元に向かっている最中なんだ 私が、魔王と戦っているとリリスちゃんの体のお兄ちゃんが駆けつけてきてくれて お姉ちゃんと話をして

「私が時間を稼ぐ。お兄ちゃんは早く逃げて。魔王が動き出したよ」と魔王が現れた事を伝えると、 リディアちゃんとお姉ちゃんは私に任せて お母様とリディアちゃんを連れて 魔王の元に行ってしまった 私は魔王の動きを止める為に。私は全力の一撃をお見舞いしてみせたんだけど

「魔王には全然歯が立たなくてね。でも私は、お兄ちゃんと約束したからね。諦めたりは出来ないんだよ」とリディアちゃんに伝えていた リリスちゃんが、お兄ちゃんと私の為に時間を稼いでくれていたから

「お姉ちゃんはリディアの力を使えたんじゃないですか?どうしてリディアスはお姉ちゃんに会わせなかったの?どうしてリディアはリディアのお母様が生きている事を言ってくれなかったのですか?」と言われるんだけど

「お母様は、リディアが生まれて直ぐに亡くなったはずなのよ。私はリディアの記憶を封じる魔法をかけたから覚えていないけれど。私はね。妹を守りたかったのよ。お兄ちゃんの側にいて欲しくなかった。妹には普通の女の子として幸せに暮らしてもらいたい。その為なら何を失ってもいいって思ったくらいなのよ。リディアは、リシアに似ていたから。お母様にそっくりの貴女は絶対に不幸にはさせたくなかった。でもね。貴女が魔王の娘だってわかった時は本当に嬉しかったけど」と言うと リディアさんは自分の力で私の中に入り込むことに成功していて 私の中に存在しているのですけど、まだ主導権争いを繰り広げていたので 私が主導を握ってしまおうと思って話しかけてみると

「貴女の中に私が眠っている以上は私の方が有利になると思うわ」と言って 自分の体を操ろうとしていました だから私は、

「いいえ違いますよ。私の中に眠る魔獣の意思こそが最強の魔物の王であると言われているんですもの。そんな意思を持つ私に勝てるはずがないわよ」と告げるのです そうするとリディアさんの身体の主導権を奪い取り返しました でもリリアちゃんの身体の主導権を私は奪われてしまった

「私の勝ちですね」

「ふーん。なるほど。これがお兄ちゃんの妹の実力って言うわけだ」

と言うリディアちゃんの姿を見て私はリディアちゃんから奪った能力を発動させる 私の持つスキルをコピーして発動できるリディアちゃんの固有能力なんだけど。私にも使える事がわかっていてね お兄ちゃんが私を守る為に使ったスキルを私も使う事ができる それは 【神龍化】というスキルなのよ。この能力は、一時的にステータスを向上させる効果と身体強化の効果が得られる お兄ちゃんの話では。このスキルが、リディアちゃんの切り札でもあるらしくて リディアちゃんは、このスキルでお兄ちゃんのステータスを上回る事に成功したらしいのです お兄ちゃん

「リディア。魔王を頼めるか?」

「はい。任せてください。私の力はこんな物ではありません。お兄ちゃんは私の事を信用してくれないの?私を誰だと思っているのよ。私はお兄ちゃんの嫁であり。お兄ちゃんの妻であるリディアさん。リリアちゃん。リティアちゃん。お兄ちゃんが愛しているリリアちゃん達の母親なのよ。お兄ちゃんを裏切ったりしないし。お兄ちゃんの役に立つためだけに生きてきましたから」

リディアは俺の頼みを受けてくれたんだけど 魔王は、リディアが俺よりも弱いと思い込んでしまい攻撃を仕掛けてきたのがまずかったな 俺はリリア

「お父さま!もう止めなさい!」と声をかけると、攻撃の手を止めてくれたんだ そしたら お姉ちゃんによく似た女の人と小さな男の子を連れているリデアさんのお父さんに良く似た人が現れたのですよ

「魔王に騙されるでないぞ!こやつは魔王じゃ!」と言うと、リディアに抱きついて泣き始めたんですよ。その光景を見たら私のお母さんが私の手を取りながら涙を流して「無事だったのね?良かったわぁ~私はずっと後悔していたんですもの。娘を死に追いやった原因を作った張本人に謝罪すらできなかった事を。あの時はごめんなさい」と言ってくれたんです。私も思わず泣いてしまったんです。私は私の事を許してもらえる

「リディアちゃん。私の事をママと呼んで」

と言うので。私が、「ママ、おかえり」と言った瞬間 私の体から何かが出ていく感覚があり そして 私は リリアに戻っていたのでした。


* * *

魔王が「お姉様が私の元に戻ったのか?」と驚いています。私は「私はね。リリアだよ。魔王」と言うと魔王の顔が歪んでいくのがよくわかりました

「なぜだ。なぜなのだ。私は勇者に倒されて封印されたのだ。それなのにどうしてお前が魔王を名乗っているのだ。私には理解ができない」と魔王は言っていましたが リリアが私の耳もとで教えてくれました

「私はこの世界の人間ではなく。お兄ちゃんの力で作られた魂だけの存在だよって言い聞かせたの」とリリアは私と入れ替わりながらも私をサポートし続けてくれた

「だから。お兄ちゃんと魔王を倒すのはリディアちゃんじゃなく。私とリリアの二人でやる事にしたの。魔王がリディアちゃんの中に入って支配しようとしたけれど。お兄ちゃんとリディアちゃんの繋がりが強いから。その隙を狙ってね」と言われて リリアちゃんが私の中から抜けて行くのを感じた私は リディアの意識を取り戻す事に成功して 魔王の前に立っているのだが 魔王の攻撃によりリリアの体が崩壊し始めるのがわかると私は リディアちゃんを安全な場所に隠してから魔王に近寄って 魔王の胸倉を掴む

「あんたがこの世界を侵略した目的は何よ。私は、この世界の住人だから魔王がなんなのか知っているの。私は、お兄ちゃんと一緒にこの世界を救ったことがあるのよ。だからね。この世界が、お兄ちゃんの世界とどう関わってきたかも全てを知っている。それでもね。魔王は私の敵なんだよね」と言うなり魔王を投げ飛ばすと同時に拳を叩き込むと、そのまま地面に突き落とすと同時に地面に向けて炎属性魔法を使いクレーターを作ると共に爆発を起こして煙幕を張る その間に私は

『真樹君、聞こえるかしら?』と言うと 真樹君は返事をして来てくれる。だけどね。私は今の状態では魔王との闘いに参加できないからこそ 私の代わりに闘える存在を探し出す為に動いていたんだけどね そこで俺は、ある人物が気になっていたんだけど。俺にはわからないけど 母さんと瓜二つの女の子がいたんだよ。その人が突然現れてはリディアに近づいて来ては、何やらいちゃついているような気がするんだよな リディアもまんざらの様子だしで

「ちょっと待った。母さんとリディアはどういう関係なんだよ?」と聞いてみるが

「あら?真樹。リディアさんのお兄ちゃんから聞いた事なかったかな?」

と母さんが答えてくるけどさ。そんな話は一度も聞かなかったし

「えっ。リディアさんのお兄ちゃんは魔王の事知らないんじゃなかったっけ?」

「あれぇ。私説明しなかった?」

「うん。俺の所には一切情報が無かったんだけど。リディアさんにはお兄ちゃんがいるとかそんな話は聞いていたんだけど。それが魔王とは思わなかったし」と説明すると

「あはははは。私の説明不足ね。でもね。今は、魔王なんてやってるみたいだけれども。元はと言えば私の娘なのよ。私とお兄ちゃんの大切な娘」と言い出したんだよ

「へぇーそうなんだ。てか、どうして?お姉ちゃん。魔王に狙われている理由があるの?」

と母さんの話を聞けば聞くほどにリディアとの関係性が怪しくなって来たよ

「リリア。お姉ちゃん。私はリディアちゃんと二人だけで話がしたいのよ。少し時間が必要なのよ。それに。真樹が助けようと思っていた女の子。その子のことも心配じゃないの?」と言われる 確かに、リディアが言う通りかもしれないけれど。あの女の子が何者かはまだ分からない だからといって。俺が勝手に行動して良い物かどうかも判断が出来ないわけだし と母さんに言われては。仕方が無いと諦めることにした リリスちゃんの事も、母さんがなんとかしてくれるらしいから。安心できると言うわけでも無いが とにかくリディアの事を頼んで見送った後 俺達はと言うと

「で、母さん。これからの事を色々と話し合わないといけないと思うけど。とりあえずは」と言ってから、リリスに目を向けて見ると

「うむ。わしはこの子を連れて行きたい」とリリディアさんの手を引いて 歩き出していたので、それを見ていたら

「ねぇ。この子はどこに連れて行くつもり?」

「うむ。この子を魔王の元へ返す」

リリアは「え?本気で言っているの?」

リリシアさんは「それはダメですよ。そんな事をすればリディアちゃんが悲しまれるだけだわ」と言っていた 俺が「いや。リリシアさん。リリシアさんには悪いですが。俺もその意見に賛成だ」と言うが

「しかしな」とリリシアさん

「いやいや。そもそも。リリアもリディアさんもリリリシアも。同じ名前の三人で混乱するからリディアとリリアで区別して呼べばいいんだと思うよ。で、そのリディアと、この子はどこで合流させるわけ?」

リリアが「私達でこの子の面倒を見れば?」と言って来るが

「いやいや。流石にそれは難しいでしょ。まずは魔王に勝てる戦力を用意する必要がある。その前に。リディアは大丈夫だとしてだ。あの子がどうやってここまでやって来たのかも知りたいところだよな。だから。一度合流してみてもいいんじゃないかな?」

そう提案すると

「それならばリディアが魔王を倒し。リディアが戻ってきた時点でこの子に事情を話せばいいだろう」とリリスが言ってきたので。それなら問題はなさそうだが 一応、リリアの方を向いてから確認を取った

「問題は無いよ。私がお兄ちゃんを裏切る事は無いんだから。だってお姉ちゃんが私のお姉ちゃんであるように。私とこの子はお兄ちゃんと私の家族みたいなものだからね」と言われたので 俺は、「ありがとう。リリア」と言うしかなかった

* * *


* * *


* * *

お兄ちゃんの役に立てる事が嬉しかったのです。お兄ちゃんの側にいる事こそが、私がお兄ちゃんの嫁になる条件なのです お

「ねぇ。真樹君、ちょっと聞いておきたかった事があるの。真樹君はリディアさんに何をして欲しいって言ってあったの?あと、私も聞きそびれたんだけどさ、あなたがあの子と入れ替わった後にリディアさんが言ってくれたことなんだけどさ。真樹君と一緒にいてあげて下さいね。とお願いされましてたんだけどさ。これってもしかして。そういう意味だったりするのかなぁ~と思って」と言われてしまったが、正直言えば、俺自身ですら何が起きたかわからずにいた部分もあって説明が難しい状態なのだから困るわけで

「えっとですね。母さんにも説明していなかったと思いますけど、魔王の中に取り込まれている状態のリリアがリディアさんの中に入っていました。俺はそれに気づいていないふりをしていたわけだけど、リディアさんの体が崩壊する寸前に、リリアは、リディアさんの中から飛び出してきたんだよ。その時の言葉を聞いた時に、俺の中での仮説が生まれているんだけど。まだ検証が必要だから今は保留って事で それとね。リディアさんを魔王の元に送り返したとしても、多分。魔王の元に帰ってはくれないと思うんだよね。俺と一緒に来てくれる事を望んでくれたみたいだし。それってつまりは、リリアもリデアさんも、リリアは違うかもわからないけど、もしかすると魔王も同じ気持ちなんじゃないのかと俺は思っていますよ」

俺は思ったことを素直に伝えた

「あ!そうだ。忘れるところだったが。リリア、リリシア。お前たちは今の姿のままで行くの?」と言うと

「んー特に考えてはいないのだけれどね」「私は、この姿が一番好きじゃからな」「まぁ私の場合はね、今の姿を気に入っているわけじゃなくてね、元々人間じゃ無いのだからさ」「それにしてもさ。この姿で外に出るのは危険すぎるしね」「そうなんだよな」と答えてくるが 真衣は「お父様は人間ではないんですか!?」と驚いてはいたが 母さんが「私とリリアは魔人族で、この子達はエルフなのよ。で、真樹の事は、リディアちゃんの件を片付けたら、改めて紹介しますので待っていて欲しいかな」と説明していた。

真緒が納得している横では、俺に対して疑問をぶつけてきている。

俺の見た目年齢とかについても聞かれているのだが。そんなのわかるわけないじゃんと思いながらも答えていく

「あ、あの母さんに質問だけど、お兄ちゃんはお爺ちゃんになってたりするの?」とか言われた時には リリスとリリディアさんからはクスクス

「お、お母様にそんなこと言うもんじゃないですよ。リリスちゃん」

「あら?リリスさんは、私の事がお嫌いなのかしら?でも。どうして?」

真紀さんに「お、お母様は今何歳なのでしょうか?」と言うと

「うーん。今年で30歳だっけ?」と言いながら、リディアに視線を向けるとリディアは

「う、うーん。今年の3月で20歳になったよ」と苦笑いをしながら答えてくれていたが

「へぇー真樹君の年齢は今19歳で合ってます?」と聞くので 俺としては「うーん。実を言うと正確な数字は覚えていないんだよ。確か10万は超えていなかったかな?」と答えると

「へぇーリディアちゃんの年齢の2倍以上なんだ。なんか。すごいんだね。ところでお兄ちゃん」と言ってから

『あの魔王を倒してしまえばいいの?』と言ってくる 俺は「ああ。それが一番手っとり早いと思うよ」と答えた

「えー私達だけ除け者にして楽しようと思っているの?」と母さんが言ってくるが

『あー私達のお母様なんだから。別に良いんじゃない?どうせお兄ちゃんがどうにかしてくれちゃうでしょう?私達にだって出来る事だってあるし』

と、リリスは言っていた。俺的にはリ

「えーリリスと、リリシアにはやって貰いたいことがあるんだ。とりあえず、俺に付いてきて欲しい」と言う事にすると リリアが不満を口にしていたが 俺は気にせずについてきてと言ったが「リリアちゃんが言う事ももっともよ。私はともかく、この子は普通の女の子よ。流石にそれは無茶が過ぎるんじゃないかな?」とリリシアさんが言い出した 俺自身は「え?」という顔をしていたかもしれないが、『確かに。普通に考えたならリリアちゃんが言っていることは当然だわ。私はもう諦めるからさ。真樹君はその子にちゃんとした生活とご飯をあげなよ。それだけで良いから

「で、真希ちゃんはこれからどこに連れて行くの?」と母さんに言われて。

「魔王が住んでいると言われている屋敷があるはずでしょ? その場所を教えてもらいたいと思って。母さんが知っている情報で教えてもらえませんか?」と言う リディアはリリスに「お母さん、大丈夫?」と言われていた リディアが俺に向かって話しかけてきてから、「リディアさん。大丈夫ですか?」と俺が言う

「大丈夫です。ただ、その、リリスの事なんですが。本当に妹なんですよね?」と言われてしまう それに対して俺自身が答えるべき事ではなく。リディアの母親が「え?どういう事?もしかして。この子も何かの病気に罹っているって言うの?それは、大変。早く病院に連れて行かないと!!」と言っているので。

リディアの母親の肩に手を当ててから、「落ち着きましょう」と一言。リディアの母親の身体に手を触れたままでいると「うん?私ったらいつの間に眠っちゃってたの?」と呟く 俺は「少し寝かせてしまいました。リディアさん。貴女の妹の事で相談に乗っていただきたくて。申し訳ありませんが時間を下さいね」と言う そして「その、リリスがリディアさんの事を姉だと思えないのは、きっと、この世界に来る前に俺が言ったことが原因なのだろうけど。でも、それでも。あの時。魔王に殺されそうになっていたリリスを助けた時に。リリィは俺の嫁になるとまで宣言して助けてくれたわけなんだけどね。俺からしたら、その事を恩に感じてほしくて一緒に行動して欲しいとお願いしたんだけどさ。もしかしたら。それすらも裏目に出てたりしてね。リリスにとって俺の嫁になるということはリディアさんが死ぬこととほぼ同意義だから。だからこそのリリスの拒否反応みたいなものだと思うんだけど。もし良かったら、リリスの過去については、もう少し詳しく話して貰ってもいいのかな?」

リディアが真剣に相談に乗ってくれている姿を見ていた俺は

「ありがとうございます。リディアさんのおかげもあって冷静になることができました。それでなのですが もしかしてなんですけど

――」と言うと 俺の考えを伝えていく

――そして話を終えようとした時にリディアさんの方を見てから「あ!ごめんなさい」と言うと

『この子の面倒をしっかりと見てあげてください』と言うのだった

* * *


* * *


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* * *


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* * *

私が目覚めた時に見た光景は。真樹お兄ちゃんがリリティアちゃんに抱き着かれておりましてですね「あ!起きた?大丈夫?」と聞いてきたりしたので 私が答えるよりも先に真樹

「あのさ。リリティナ。お前さ、ちょっと離れろよ」

「なんで?お兄ちゃんは、私の事嫌いになったの?」と言われた時には

「うーん。お前が嫌いっていうわけじゃなくてな」と言うと リリディアさんが「ふむ。リリスティ、リリア。あなた達がリディアを死に追いやった元凶なのね。だからといって殺すつもりもないけど、リリアの事は、許せない」と言われ

『私の邪魔をする奴は排除します。私とお母様が、この世界を支配すれば。私達兄妹の幸せな生活を取り戻せるのに。あなたたち二人のせいで台無しだよ。覚悟し

「待ってくれリディアさん。今はそんなことをしている場合じゃない」とリディアさんの暴走を食い止めようとしてから「リディアさん、貴方の本当のお母様であるリリス様はどんな方なのかをお聞きしたいのですが」と言うと

『あ、リディアさんの事よりお兄ちゃんの方が優先だから リ

「リリス、あまり私に気安く話し掛けるんじゃないよ?お前の命がないよ」と言ってくるのだが。俺は「えっと?なんのこと?あ!わかった。お腹すいてるんだよね?」と言いながら回復薬を取り出しリリディアに飲ませようとするのだが

「なにをしているのよ!なんで私の方に渡そうとするのよ!」と言ってきていたので。

俺は小声で(真衣が持っているんだよ。でさ、

「リディアさん。今の話を聞く限り。今の状態はリディアさんにとっても不本意であり。望んでいる状態ではないと思うので、一度話をするべきだと思いました」

『だから。私達に任せて貰えるかな?』と言ってくれる 俺はそれに甘え。リリスに『後は頼んだ。俺にやれるのはこれくらいだしな』とだけ言っておく

『了解しました。あーでも。お兄ちゃんの事が心配になってきたよ。だってさ

「お兄ちゃんには【全知】の力はないんだからね」と言うのであった。俺がそんなことを言うのは、この世界に来たときに

「あれ?俺の職業とかステータス画面は見れないのか?」とリリスに聞いたのだが

「うーん。お兄ちゃん。多分だけどさ、それは無理だと思われるよ」

「そうなの?」

「うん。だってね。お兄ちゃん。今の自分について調べる方法を知っているの?知らないでしょ?でしょ? お兄ちゃん。自分がどれだけ弱いか分かってないでしょ?」

と、リディアさんの前で俺に対してリリスに叱られながら。リディアはリリシアの様子を見ながら「大丈夫かしら?」と呟いていた リリスが「大丈夫です。お兄ちゃんがどうにかしてくれると信じていますので。それと、お祖母ちゃん、お母さん。これから、私の家族に挨拶に行きたいと思います」と言い出した

「え?私も行って良いの?」とリディアは言っていたが。リリシアさんは

「まぁ仕方ないか。じゃあいこうかね。お兄ちゃんが、何をするつもりなのか、楽しみだね」

と言ってくれた 俺は

『真央。悪いが真緒の世話を任せた』と伝える

『はい。わかりましたが。どうなるのでしょうか?』と言うが『わからないが』とだけ伝えておく。

『リリスさん。では参りましょう』と声をかけるとリリスは

「はい。リディアお姉ちゃんの事をよろしくね。あ、でも、リディアお姉ちゃんには、ちゃんと私からの連絡が来るまでここで待つようにと、伝えておいて下さい」と言う

「分かったわ。それぐらいなら、私にも出来そうだしね」

「お願いしま」と言うが

『あのさ、この世界の魔王について教えてくれませんか?』と言うと リリスは「え?」という顔をしていたが。リディアの方は、「そういえば、この子にはまだ説明していなかったわね。リリア。この子を、連れてきてくれるかな?」

リリシアに、俺を連れてくるようにと指示を出し リリシアに連れて行かれたのは、

「あの?ここは?」と言うと

「魔王城と呼ばれている場所です」と言われてしまった

「え?ここって?」と驚くと リリシアが

「え?真樹さんはこの世界がどのような世界になっているのかを知らないでこちらの世界に転生されたのですか?」

と不思議そうにしていると

「この世界が、ゲームの中だと知っているからね。この魔王が作り出した世界だと知っていますので」と言うと

「あら?でしたら、リリスと一緒なのですね」と言われ

「リリスと同じ?」と聞くと

「私はね。この世界がゲームの中の世界だと知ったうえで。魔王が作り出しているものだと知っているのですよ」と言うと

「私の場合は。お姉さまに教えていただいたので、それを知っていたのですけど」と言うのだった。

そして「お二人は同じ境遇なんですね。でしたら。私が、このゲームの設定でしかないと思っていた世界を救って欲しいと思っているの」とお願いされてしまう そして

『その設定をぶち壊して欲しいと?』と言うと

「そういう事になりますね」と言うのだった 俺は目の前に居る少女。魔王の力をその身に宿している存在に、剣を突き付け

「俺の名前は真琴 俺の大事な嫁達の為に、あんたを殺す」と言ったのだったが 魔王はそんなことよりも「どうして私の妹に攻撃を加えようとしたのよ」と怒鳴りつけてくる

「俺の家族を傷つけようとしたからだ。それ以上に理由が必要か?」と言うと

「え?あ!あ!もしかして、妹から何も聞いていない?もしかしてさ。私が誰なのかも?」と言われるので

「俺は、リディア=アルバフォート。お前は?」と言うと リリスは「ふふふ。やっと、私の事を覚えて貰えたのですね。私はね、あなた達の言う、魔皇とでも呼んでくれればいいと思うのですが。私達はね、あなたのお姉さん。つまり、私の本当の妹の事を殺した張本人。リディアは私の事を、姉と呼ぶことは許されないのよ」

そして「お姉さん。あなたも本当は分かっているのでしょ?私が誰か。だって私のスキルを持っているわけですもの。さぁ、そろそろ時間切れなのですから。早く終わらせないといけませんよ?リリスティア。あなたと、リディアは本当に姉妹なの?血は繋がっているの?そんなわけないでしょ。だってね、私がこの世界を支配しているわけだし。私の娘でもあるわけ。あ!あなたがさっき使ったのが、私の娘であるリリシアちゃんなわけ。あ!ちなみにあの子達の名前の後に付いている、【リ】とか、【ル】っていうのは、私の力の1割ずつ与えた娘で、私の能力の一部を受け継いだ子なのよね」と嬉々として語っている

「リリスが私に何を伝えようとしていたのか分からないの。私がこの世界を支配できれば良いと思ったのはね。私の本心なの。リリス。リリティアが居なくなったことで、私にとって一番辛い時期が終わってしまった。リリティアさえ居なければ、私達兄妹3人が幸せに暮らせたのに」と言うと

『リリスちゃん。ごめんね』と言い出すと。

「だからさ。リリスが気にする必要なんて無いんですよ。私とリリスはね。私とお兄ちゃんに殺されるために作られた人形なんだから」と悲しそうな顔で言う

「えっと?どういうことなんだろう」

「私はさ、元々は人間じゃないの。リリスがさ、勇者であるリリディアと敵対するために造られた。対となる聖女として生まれた存在だったんだから。お兄ちゃんと一緒にね」と俺に抱きつきながら言っていると

「あーあ、またリリスちゃんのペースに呑まれてるし」と言うと リリスは

「えへへ。でもさ。今はお兄ちゃんがいるだけでいいもん。私にとってはお兄ちゃんだけが頼りで、大好きで、お兄ちゃんの為なら、リリシアお姉ちゃんや、リリディアお母様が相手だとしても、お兄ちゃんのために戦うことができるんです!」とリリスは言い切るのであった 俺は、目の前の少女。魔王の力を手にいれた。

リリス=フォンアルク 俺は、目の前に居る少女。リリス=フォンアルクに対して剣を構え

『あんたが魔王になったとして、この世界に何かメリットは有るのか?』と質問する すると

『あると思いますが?少なくとも、私達親子にはありますね』と言うのだが

『じゃあなんで、あんたはリリスを殺そうとしていたんだよ?』と言うと

「それは、もう用無しだったからに決まっているでしょ。あのまま放っておけば、お兄ちゃんや、お兄ちゃんの奥さんの邪魔をするかもしれないでしょ?それにさ。この子が生きている限り、私はリリスに勝つ事ができないから」と言うのだった 俺にそんなことを言うと。俺の背後にいたリディアとリリシアが前に出てくる

「お姉さまは。そんなことを考えていたのね。確かに、お姉さまがリリスを庇うように立ちはだかったから、手を出すことが出来なかった」と言っているのであった。そして、

「それに、私だって、お兄ちゃんとリリシアさん、それと、リリシアちゃんの子供を見守る役目があったはずなのに。お兄ちゃんの事を好きになる人が現れないように見張るつもりだったのに。お兄ちゃんがリリシアちゃんを選んだ時には。どうせ負けると分かっていたから」と言い出した 俺はその言葉を聞き

『もしかして、お前もリリアの事が好きだったのか?』と言うと

「うん。大好きだった。私ね。お兄ちゃんみたいに強い人と結ばれたいと思ってる」

俺は『そうか。だが。悪いけど、リリはあげれないよ』と言うと

「別に要らない。お兄ちゃんのお嫁さんはね。リリアさんだけだから」と言うのだが

「じゃあどうすれば。私を認めてくれるというの?」と言うので

『簡単な事だ。俺はお前と仲良くしていきたいと思っている』と言うと

『うん。じゃあさ、私の事を、妹として扱ってくれる?』と言うので

「ああ。そうする事で納得してくれるんであれば。それでいいぞ」と言うと

『分かったわ』というので

「それじゃあ、今からは俺の妹って扱いでもいいか?」と言うと

「お父さまは優しいね。私はあなたの家族になりたいと思っていたけど。それが叶ってよかったわ」

『これからよろしく頼むな。リリス、妹よ。リディア。ちょっと話したいことがあるので席を

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幼馴染の彼女は魔王になりまして?~俺はただ平凡な日常を過ごしたかったんだ!〜 あずま悠紀 @berute00

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