3、春が終わる
みっつ年上の姉と入れ違いに
入学する俺にとって
春は試練だ
姉の弟であることを
自他ともに強調されて
へこむ
血は繋がってないけどな
と何度胸中で
つぶやいたか
千鶴の奴は
何やら悪目立ちしていたらしく
あのバカタレが
春が終わるころ
ようやく落ち着き
考える
良くも悪くも
千鶴がいないと
始まらないことを
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