4、考えている

地球儀をまわす俺の手は

実際とてもちっぽけで

世界中で起きている問題にくらべれば

俺の悩みなんてちっぽけだ

凄惨な光景を映し出すテレビの前で

ただ茫然とする

世界を相手に真っ向から声をあげている

俺と同世代の

同じ日本人の

活動家たちだっているのに


「シンク・グローバリー、アクト・ローカリーでしょ、こうちゃん」


それでも千鶴の朗らかな声が

俺をすぐに立ち直らせる


「みんなが同じようにすることないもん。まずは自分がどうするかでしょ」

「おまえは何か考えてるわけ?」

「考えてるさー。考えてない人なんていないでしょ?」

「……だよな」


みんなが考えている

誰だって

この世に生まれて

幸福に生きたいと

そうやって

生まれてきたのだから

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