2、風になれたら
花壇のパンジーに水をやりながら
母さんが口ずさむ歌が
ここまで届く
カーテンが揺れて
千鶴がふざけてぶら下げた
ミニ鯉のぼりが空を泳ぎ
色や形はなくとも
そうやって風は
存在を主張する
そんなふうな
風になれたら
とは思えない俺は
何を主張するでもなく
この優しい家の内側に
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