幕間

 この事件、まさか私が絡んでいるとは君は思うまい……。ぬくぬくと育ち、苦労という苦労を知らず、簡単に能力を手にし、使ってきた。

 暖かな愛をもらい、君は成長したんだ。私にはないものを君は持っている。

 それが私は憎い……!

 

 君に挑戦しても、いつも簡単にかわされる。

 術を飛ばしても、君は全て避けてしまう。結界だって、私が先に張れるようになったのに、いつの間にか君は私よりも強い結界を張るようになった。

 式神だって、私は死に物狂いで……でも、君は簡単に遣わせている。でもそれを公にはしない。それを使うこともしない。

 あの人は言ったんだ。彼は謙虚だし、誰かを使うことはしない。誰かにやらせるのなら、自分が先に動くような人間だって。

 いいよな……認められているやつはさ……。

 世の中は不公平だ。

 何度やっても、どれだけ努力しても、報われないやつはいる。

 何もしていなくても、大して努力していなくても、簡単に手にするやつもいる。


 私は……この能力を使いたい。

 それがたとえ、やってはいけないことだとしても……。


 君に挑戦するよ。

 私が、最強だって。あの人を継ぐのは自分だって、証明してあげるよ……。

 ほら、こっちおいでよ……。


 私は待っているからさ。ここにおいで……。

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