第5話ミステリー研究会面接

「小林部長、面接希望の生徒は集まりましたか?」

部長は、丹念にメイクをしながら、

「大分、行列が長いね」

「ヒロちゃん、こう言う時は出来るだけ人が集まってからにしよう」

山岡が言った。

「そうだね、記者発表みたいだね。かわいい女子もいたよ!」


1時間後。


メイクした部長と、そわそわした田島と山岡はマイクに向かって、緊張している。

「皆さん、ミステリー研究会の部長の小林です。今日の入部倍数は30倍です。我々は難事件を解決してきた、高校生探偵団でもあります。中途半端な気持ちの方はご遠慮下さい!」

そうすると、

「何が探偵団だ!ボケッ!」

と、悪態を付きながら去って行く者もいて、人数は半分に減った。


「後はあなたたちに面接任せるわ。わたし、これから美容室なの」

「な、何て!自分勝手なんだ!なぁ、トシちゃん」

「シッ!チャンスだよ」

「何が?」

「ま~見ててな」


「皆さん、順番が有りますから気長に」

「杉村加奈子さん」

「はいっ!」

ヒロは舐めるように、杉村の容姿を眺めた。

「き、君は松茸好きかい?」

ヒロは言い放し、

「すまん、トシちゃん!」

「ま、松茸は好きです」

「君、胸でかいね。肩が凝るでしょ?」

「いっけね、悪いヒロちゃん」

2人がやり取りしていると、

「先輩、お二人とも、面白い方ですね」

「杉村さん!合格!」

「えっ、ホントですか?ありがとうございます」

「いいかい、ミステリー研究会の本当の実力者は僕たちなんだ!君!明日から部室に入る時は、胸を強調する上着で来なさい!」

「はいっ!」


「じゃ、2人目」

「やあ、お二人さん」

「中川!何でお前が?」

「わたし、頭使う作業好きなんだよね」

「お、お前はいいスタイルしてるよな?」

「は?」

「ヒロちゃん、大丈夫。お前、合格。明日は、体育服で部室に入りなさい!」

「誰がするもんか、バカ山岡!」


【皆さ~ん。面接、終わりました。はいっ、撤収!】


我々、2人は新入部員の杉村と中川を例のお好み焼き屋に行き、生ビールを注文し、杉村だけは、コーラにした。

【かんぱ~い】

「中川は酒強いんだっけ?」

「何、抜かしてんの、わたし酒屋の娘よ!」


中川は、生ビールを飲み始めた。

「ウング、ウング、ウング……てめえら帰れ!バカヤロー!」

「中川、酒ぐせわりなぁー」

「ヒロちゃん、僕も同意見」

この宴会は、20時まで続いたと言う。

酒乱の中川は脱ぎ魔で、ヒロちゃんとトシちゃんに、すんげ~ミルクタンクを披露したらしい。

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