第4話犯人はこの中にいるっ!

鶴田高校で女子の水着が数人分盗まれた。

学校は警察に通報し、ミステリー研究会も独自に捜査していた。

「部長、またヒロちゃんが犯人じゃないの?」

黙っていた田島ヒロシが山岡に噛みついた。

「ずいぶんな事を言ってくれるね、トシちゃん。オレが水着に興奮するはずがねぇ!」

「黙れ!この前科一犯!」

「2人とも冷静になりなさい。犯人は学校関係者です。南京錠のカギを常に管理している人間が一番怪しい。でも、証拠がないの」

「ま、まさか教頭先生を疑っているのか?」

部長の小林は頭を縦に振った。


警察が被害にあった女子から、事情聴取を取っていた。

そこにミステリー研究会、否、高校生探偵団が現れた。

一人の刑事が近寄る。

「小林君、久しぶり。今回は水着ドロボウ。何で私ばかりこんな仕事が多いのかな~。君のお父さんは警視庁でしょ?僕ら田舎の警察は、珍事件しか担当出来ないんだ」

「佐伯さん、それだけこの街が安全って事ですよ」


「犯人はこの中にいるっ!」


「誰だ?誰だ?」

「うぁ~ヒロちゃん、どうしたの?自信ありげに」

ヒロシは、小林にウィンクして、続けた。

「皆さん、今回の犯人は毎日カギを管理している者、すなわち教頭先生!あんたが犯人だっっ!」

辺りは静まりかえった。

「君、今日は教頭先生は研修会で学校には来てないよ!君はマガジンの読みすぎだ!」

ヒロシはガックリ肩を落とした。


そこへ山岡が近寄り、ヒロちゃんの肩を叩き、前に出た。


「犯人はこの中にいるっ!」

「き、君は大丈夫なのかい?」

「大丈夫です。この犯人は仙人ですっ!」

「君、仙人って誰だい?」

「僕の出番はこれまでのようですな。刑事さん後はヨロシク!」

山岡は、

「アディダス」

と、言って去って行った。


「アディオスじゃねぇのか?どうなってるんだ、この高校は!」


3日後、校内の防犯カメラに映った20歳無職の男が逮捕された。

この一件で、予想外の反響でミステリー研究会の入部申し込みが殺到した。

そこで、3人は面接で部員を決めるのだが、それはまた後日。

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