第3話女子更衣室事件
「あ~、頭痛い~」
昨夜、山岡は飲みすぎたのだ。
「頭痛いなら、どうぞ」
田島は山岡にバファリンを差し出した。
「ありがとう、ヒロちゃん。優しいね」
「ま、オレは紳士だからさ。欧米文化を知ってるんでね」
「ヒロちゃん、欧米文化ってなんだよ!」
「そんな事も知らないのか?欧米ってのはな、チベット辺りなんだよ!ポタラ宮がある」
「へぇ~、頭良いね」
「ま、常識だよ」
ガラガラガラーー
部長の小林が現れた。
「皆さんに、また事件解決の依頼が来ました」
「なんだよ!昨日の2万円で十分だよ!」
「そんな事言わないの、田島君」
「で、どんな依頼?」
「お~、さすが昨日出番がなかった山岡君。女子バスケ部の更衣室から下着が盗まれたのよ!」
「何ですって!神をも恐れぬしぎ、許しません。なぁ?ヒロちゃん」
「あぁ」
「だから、あなた達女子バスケ部の更衣室を見張るのです。不審者はすぐ取り押さえてね」
田島と山岡は女子バスケ部が活動中、更衣室の影に息を殺して見張った。
だが、部活が終了するまでに不審者は現れなかった。
「なぁ~、ヒロちゃん。犯人誰だろうね?」「……難しい事はねぇ。オレが犯人だ!」
ドゴッ!
「ってぇ~、何するんだトシ君!」
「お前が犯人なら、部長に報告する」
「待て待て!オレはまだ死にたくない!これで、どうか部長にリークしないでおくんなまし」
田島は山岡に一万円札を握らせた。
それから、3日後。
「皆さんにご報告があります。女子バスケ部から盗まれた下着は昨日、全部戻ってきたそうです。犯人を知らないとは言わせない。田島ヒロシ君!あんたが犯人だね?」
「な、何故、オレが犯人なんだ?証拠を見せろっ!」
「昨日、信用出来る人物からたれ込みがあってね。そして、わたしは、中で見張ってました。そしたら、田島君が下着を置いて行くのを目にしてね。大丈夫、女子バスケ部には報告していない。ミステリー研究会の恥だからね。田島君、こっち来なさい!」
「う、裏切りやがったな!山岡!」
「何の事かのぅ」
バチッ!
「ぐわっ!部長のビンタ脳天を突き刺す痛みだな~」
「ヒロちゃん。これっ」
「な、なんだよ!裏切り者」
「頭痛にはバファリン」
「くっそ~!」
今回は、女子バスケ部からは褒賞金を受け取らなかった。
悪い子は、成敗!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます