第8話 あなたの敵を愛しなさい。あなたを憎む者にも親切にしなさい(ルカ6:27)

まりや:先ほどの火遊びのストーリーも含めて、私が聖書の話をするのは、まず第一神のためであり、第二が人のためなの。

 芸能のように、人から拍手や笑いを頂き、それが商売になるというパターンとは根本的に違うわ。

ゆり:ときには誤解されたり、新興宗教からは反感を買われたりするけれど、まりやは神への使命として、伝道をしてるのね。いや、まりやという存在自体が、すでに伝道の対象になっているのよ。

 たとえば、宝石を売るセールスマンは、それにふさわしいきれいな格好をしなければ誰も信用しないわね。ヨレヨレのトレーナーに破れたデニムパンツ(ロックアーチストの間では、貧乏で穴のあいた服をきても、悪事は行わないぞというファッションアイテムになるケースもあるが)をはいているセールスマンが「宝石を販売にきました」と訪問しても、誰も信用しないわね。

まりや:「あなたの右の頬を打つ人には、左の頬をも向けてやりなさい」

(ルカ6:29)の意味はね、決して暴力賛成という意味ではなくて、右の頬を打たれるということは侮辱を意味するけど、侮辱をもって返してはならないという戒めなの。

「目には目を 歯には歯を」というユダヤ教の言葉があるが、それは目を傷つけられたら、目以外のところ(たとえば眉毛や鼻)、また歯を傷つけられたら、歯以外のところ(歯茎や唇)を傷つけてはならないという、過度の復讐を防ぐための戒めなのよね。それほど人間の復讐心は強いという意味なのよね。

ゆり:復讐の倍返しをとめるためね。でも、まりやは人に対して憎しみや、復讐心を抱いたことはないの? 人間誰しも、愛する人が浮気されたら、お門違いとはわかっていても、浮気相手を憎んだりするじゃない、またいい子が悪人に被害を受けた挙句の果て、殺されたなんて話を聞くと、他人事とはわかっていても、悪人を極刑にせよなんてSNS炎上が起こるわね。

まりや:そりゃあ、私にもジェラシーや、憎しみ、復讐心はあるわ。

 しかし、その前にやはり神に委ねることね。聖書の御言葉にもあるわ

「復讐は神のすることである。あなたは自らの手を汚してはならない」(聖書)

 神の罰は人間の想像以上なの。復讐するということは、悪人と同じレベルに立つことになるわ。

ゆり:正義のための人殺しなんて、存在しないものね。

まりや:子供の頃、事故でも殺人でも犠牲になって死んだ子は皆、天国に行くというわ。

ゆり:キリスト教は墓参りはするけど、供養はしないというわね。

 昔、私の家は日本、特に日本海側にいちばん多い仏教系の宗教だったけどね。

 小学校時代、毎月お坊さんが拝みにきていたけどね、なぜかそのお坊さんが帰った時点で、部屋中にどろりどろりとした妙な雰囲気が漂っていたのが、今でもはっきり覚えているわ。

まりや:私たちが祈るのは、神様だけであり、ほかの偶像は祈らないけど、やはりお門違いのことをすると、そこに妙な霊がとりつくのね。

ゆり:あの世へ行った人はあの世の生活があるので、昔生きていたこの世のことを思い出させてはならないともいうわ。

 この世にはいいこともあれば、思い出したくないこともある。

 たとえば、仕事が終わって深夜、寝静まっているときに、仕事仲間から電話がかかってきたら迷惑だと同じように、この世の人は、あの世の人の足を引っ張るようなことをしてはならないの。

まりや:そうね、あの世へ行った人は、天国で幸せに暮らしているのだから、もうこの世の人が、供養をし、冥福を祈るなどといった形で、世話をする必要はないの。

むしろ、天国から見守ってくれているわ。

ゆり:そうね。天国に行った人は、私たちがこの世で誘惑や災難に負けないように、とりなしの祈りをしてくれてるというわ。

まりや:墓の前の礼拝するのは、死者と共に神の交わりに生きるという意味ね。

ゆり:「あなたを憎む人にも親切にしてあげなさい」(ルカ6:27)とは、ずいぶん心の広い人格者だけど、そんなことをしたら、かえって人からなめられ、その優しさに付け込む悪い奴を輩出しかねないんじゃないの?

まりや:そうね、人間的にみれば、そういうことも考えられるし、かえって裏のある偽善者みたいに誤解されるかもしれないわね。

 しかし、このことは神様のみわざによって成り立っているわ。神様はイエスキリストを通して、私たちの罪を赦して下さった。

 だから、私たちもお互いに赦しあいましょうということね。

ゆり:「敵に塩を贈る」と同じ意味ね。塩というのは、この世で用いられ、この世を清め、この世のものを腐らせないように保存するという意味があるわ。

まりや:だから相撲のとき、最初の清めの塩をまくし、飲食店では「この店がこの地域で用いられるように。トラブルがないように清められ、この店が長続きするように」との願いをこめて塩の山を置いたりするのね。

 しかし、日本の文化というのはユダヤが発祥だそうよ。

ゆり:そういえば、日本古来の行事であると思われているおみこしや神主の衣装もユダヤ教とそっくりらしいわ。

まりや:純日本風なんて本当にあるのかしら? そういえば和食といわれている天ぷらも中国が発祥だというし、肉じゃがはビーフシチューが発祥だというわね。

ゆり:そういえば、はかまも韓国のチマチョゴリにそっくりね。

まりや:話は戻るが、結局私たちは、いろんな人や国から影響を受けた上で、生かされているのね。だから赦しあわなきゃね。

「互いに赦しあいなさい」(聖書)

ゆり;どんなに腹のたつことでも、赦した方がラクだというわ。

まりや:そういえば、元ビッグアイドル中森明菜曰く、昔のビッグアイドル松田聖子が、なんとライバルの中森明菜が口紅がなくて困っているとき、歩み寄ってきて

「私のでよかったら使って」と口紅を差しだしたといってたわ。

 明菜いわく「聖子さんにはいろいろお世話になりました。まるで人形か妖精みたい」聖子の怪物的な人気の秘訣は、この人間性よね。

ゆり:口紅というと、いちばんその人の個性がでるじゃない。

 なんと大ライバルに口紅を貸すとは、やはり懐の深い人ね。だから連続トップチャート一位が二十四回も継続したのね。

まりや;松田聖子は、カトリックの女子高に一年間通っていたというわ。

やはり、その影響を受けているのかもしれないわね。ハレルヤ


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