第4話 金持ちが天国に入るのはらくだの穴を通るより難しい-2
まりや:まあ、私の場合は贅沢したいなんていう欲望がそうないの。高価なブランド物よりも、可愛らしいものが大好き。毎月の什一返金は私にとって、必要不可欠だわ。
ゆり:収入の十分の一を捧げなさいというより、神に返金しなさいという教えね。
まりや:私は什一返金をしてから、人生に行き詰ったことはないわ。
人間の悩みは、健康、金、人間関係というが、それらはスパイラルしているけど、どれにも行き詰ったことがないの。
ゆり:富をいくら持っていても、それに埋もれたギャンブルや女遊びでかえって借金をしてしまう人はいるわよ。まあ、そのなかで最たる怖いものは麻薬だけどね。
まりや:江戸時代、紀伊国屋文左衛門は和歌山みかんで大儲けしたけど、最後には頭がおかしくなって、一枚十万円くらいの値打ちのある一両小判を道に敷き詰めたり、ばらまいたりしてついにはホームレスになってしまった。
ゆり:でも、さすがに商売人だけあってホームレスになっても気前だけはよかったというわ。
まりや:ギャンブルの場合は、一文無しどころか借金を抱え込むことになるし、ホームレスになりひったくりなどやりかねないわ。
ゆり:結局、富が自分の首を絞める結果となるのよね。
まりや:薬物問題でも、親は子供に金を与えてはならない。
子供は親の金で薬物にはまるから、だから子供から嫌われても、金を与えるべきではないというわ。
ゆり:結局、金を与えることで、ますます子供は薬物依存症になっていくのよね。
まりや:私は、イエス依存症でよかった。富というのは、目に見える財産だけでなくて、能力という意味もあるわ。
ゆり:能力のある人が、そうでない人を見下し、傲慢になった挙句の果て、災難に見舞われるということもある。
まりや:それはそうと、私は大食いの能力があったの。おととい、腹痛をおこし、胃薬を三回飲んで直したけど、どうやら魚の生焼けが原因みたいだったね。
ゆり:魚の生焼けって、表面だけ火が通っていて中身は腐ってる状態のものもある。
そうすると、腐っているのを気づかずに食べた五時間後、腹痛に苦しむ結果となる。
まりや:人間年をとると、老害などと言われて使い物にならなくなるけれど、でもそのなかで私の楽しみは信仰と、地元にカフェになりつつあるわ。
私、よく通っているカフェのママさんから言われるの。
「あなたにとってイエス信仰は、大きな影響を与えている。
教会に巡り合ったことが、運命の転機だった」
ゆり:まりやって、なんとなくしっかり者みたいに見えるから、あまり変な誘惑などないでしょう。悪党も逃げていきそうよ。
まりや:現在、教会は限界集落状態になり、若者は少なくなる一方、高齢者が多くなり、その高齢者も年齢と共に教会に来れなくなってしまうという状態が多くなっているの。まあ、これはキリスト教会だけではなく、仏教の檀家も新興宗教までそうなりつつあるのよね。
ゆり:そういえばこの頃、子供相手の駄菓子屋、子供服屋、おもちゃ屋も閉店しつつあるわ。だからこそ、伝道の必要があるわね。
まりや:アーメン。アーメンの意味は、神様、その通りです、ハレルヤの意味は神様、感謝しますの意味よ。
ゆり:まさに天国に向かってハレルヤの気分ね。
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