異世界で奴隷を買って内政チートをする~異世界でスローライフを送るはずがいつの間にか大冒険!?

あずま悠紀

第1話


「えっと」

俺は困惑した顔のまま目の前の女をまじまじと見つめた。

艶やかな銀髪と整った容姿を持つ美人である。

年齢は恐らく俺より少し下ぐらいだろうが、妙な威圧感のようなものがあって同年代という気がしない。

いやそもそも本当に人間なんだろうか?

そう思うくらいこの女は浮世離れしているように見えたのだ。

まあ、そんなことはいいとして。

まず気になるところといえば彼女の服装だ。

白を基調としてフリルが付いたスカートに上着といった可愛らしい出立ちではあるが所々が破れたり擦り切れていたりとかなりボロボロになっていた。

それに全体的に汚れも目立つし。

まるで森の中を歩きまわってきましたとでも言わんばかり

「おい!」

はっ、いけない、見惚れてしまっていたようだ。つい我を忘れてしまうなんて男として恥ずかしいなぁ。

「はい?」

とりあえずここは下手に出るべきか?それとも高圧的な感じのほうがいいのか? いやまぁどちらにしたところで彼女が気に入らない態度を取るようであればすぐに殺してしまいそうな予感があるんだけれどね? ともかく今重要なことは何も

「お前が私の新しい主様だというのは本当なのか?」

「はい?」

え?主? 何言ってんのこの人。っていうかなんで疑問形だし。

さっきのセリフだとまるで君が俺に仕えるとかなんとかそういう風に聞こえるんだけど、あれ?違うよね?そういう話じゃないんだよねこっちとしては。むしろ逆なんですよ。君たちが

「どうなんだ?早く答えろよ!」

はっ!?またしても思考に没頭してしまったようだ。落ち着け落ち着くんだ俺、ここで焦ったりしてみろ、相手が余計イラつくことになるぞ!クールになれ!よし、落ち着いた!うん、やっぱり無理!

「あーはい、まぁそういうことに なりそうですけど」

という訳で再び動揺した俺は正直者の馬鹿野郎になった。いや、これしか言えなかったと言ったほうが的確か。だって相手さんの顔すげぇ怖いもん。

「ほぅ~なるほどなるほど、そうか貴様が私を買った奴なのだな?」

よし来た。もうこうなったら開き直ろうじゃないか! 俺は自分の

「ああそうだ、俺がその奴隷を買った本人だよ」

こう言うと、女はしばらく思案顔で顎に手を当ててから言った。

「そうか。ならお前は私にとってただの男ではなくご主人ということになるわけだ」

はいぃぃ?なんかよくわかんない理論が出てきたんだけど、まさかこいつ頭おかしいんじゃないか?それともこの国では奴隷を買い取ったらその奴隷は自分のものって法律でもあるのか?ええ?それはちょっと聞き捨てならないんですけどぉ~

俺は眉間に指を当てた。これは悩んでいるふりをして考えをまとめようとしているわけではなく単純に頭痛がしたからである。この女相手に会話するの結構大変かもしれないな。しかしここまできた以上逃げることもできない

「それで一体君はなんの目的で俺の元を訪れたんだ?まさか金でも奪いに来たんじゃないだろうな?いくら出すつもりだ?5万?10万?それとも50万ぐらい用意すればいいのか?生憎と今は100円しか持ち合わせていないんだがこれで満足してくれるといいんだが、なんせいきなり呼び出されたから身だしなみにも気を使っていないし、そもそも今日は土曜日だぞ!休日を満喫していたんだ俺は!それなのに急に現れやがってふざけやがって。しかもこの格好を見てくれ、せっかくお風呂に入っていたというのにこんな姿にして、いったいどんな恨みがあるというんだ!?まったく困ったもの

「うるさい!黙れ!」

女が大声を出したせいで部屋の中が一瞬静まり返ったような気がした。そして次の瞬間には部屋の中で爆発が起きたように激しい風が巻き起こる。俺の部屋の中が台風の目に入ったかのようにぐるぐると回転し始めたのだ。当然立っていることすらままならず俺は地面に膝をついて目を閉じた。そしてしばらくしてゆっくりと目を開く。そこで見た光景は驚くべきものだった。なんとその女の姿がなくなっていたのだ。それだけではない。周りにあった机や棚がまるで竜巻に巻き上げられたみたいになって天井まで飛んでいる。壁に立て

「ぐあっ!?いててててて!!」

俺は床にうずくまって腕で顔を覆うことを余儀なくされた。するとその直後俺の腕に何かが触れてきたのだ。それは柔らかいものでどうやら人間の手のようである。それも女の子の手のようだ。

「ひゃっ!?ちょ、ちょっとどこ触っているんですかあなた!」

ん?女の子?ということはつまり、 俺は顔をガードしていた両腕をどけて視線を上に向けるとそこに女がいた

「お前、どうやってそこに上った?」

彼女は俺の隣にある本棚の上に立っていた。本棚はかなり大きくて幅も広かったはずだがそれをまるで足を踏み台にしたかのような軽やかな動きであった。だがそれにしてはジャンプしている気配もなかったのだがどういうことだ 俺に指摘されても彼女はまだ自分が何をしたのか自覚していないようだった。首を傾げている。

「私がやったのか?今の?どうして?」

「ええ?」

俺は再び思考が停止してしまうところだったがなんとか踏みとどまった。まだだ、まずは彼女の話を詳しく聞かないとな

「お前、さっき何をしたんだ?さっき手に触れた感触だと本当に浮かび上がった感じがあったんだけど、えっとその」

そう言いかけたところで俺は彼女の名前を知らなかったことを思い出した。いかんなぁ自己紹介もしないうちに変なことになってしまった。まずはこの子に落ち着いて貰おう。

俺は彼女に笑顔を見せて優しく問いかける。できるだけ安心感を与えるために優しい声で、子供に接する時のように接しようと努力した。まぁ、そんなの今までの人生経験で一度も試したことがないので本当にできているかどうか自信はないんだが

「君の名前を教えて欲しいんだけど、あ、ちなみに僕は高梨っていうんだ。まぁ好きに呼んでくれればいいけどね?」

とりあえずはそう言ってみることに。反応はどうだろうか?少しだけ不安である。さっきからずっと黙り込んでるからなぁ。も

「あぁわかった。私の名前はエフィムと言う」

意外と素直な子なのかな?普通に教えてくれた。まぁ、それじゃぁ早速

「よろしくね。エフィルちゃん」

そう言った後でしまったと思う。この歳で"ちゃ"をつけるのは流石に行き過ぎじゃないかと思ったのだ。いやまぁ別にいいんだけど一応初対面

「んんっ!ごほんっ、ええとそれで一体全体なにしに来たのか聞かせてもらえないか?」

ここは仕切りなおすこととしますか

「私はご主人様に用があってここを訪れたのです」

はいっ!ここで問題です。彼女の言葉を日本語として解釈した場合に一番適切かつ違和感のない回答はどれでしょう!3秒以内に答えよ!えっ?1問しかないって?そり

「へ?僕に?でもなぁ」

正直な話あまり会いたくないタイプだと思うんですよ。

なんでって?

「君は、僕のことが嫌いなんだろ?」

そう聞くとエフェちゃんは無表情のまま小さくコクッと首を動かした。

「うん」

いやいや即答かい!っていうかそこまでき

「きらいじゃない」

あれ?今喋らなかったか?そう思いつつもあえて無視する俺。こういうときはスルーに限るぜ!

「ふぅん。で、何のよう?」

そう聞いてみると今度は小さなため息を吐いた。そのあとで彼女は

「私は奴隷としてご主人様に買われました。しかし私は奴隷になりたくなどありませんでした」

「ほう。それなら何故奴隷なんてものになろうとしたんだ?」

そう聞くとまた彼女は沈黙し、そして

「復讐のためです」

「は?誰に、なんの復讐をするつもりなんだ?」

俺が質問をぶつけていくたびにどんどん不機嫌になる彼女。なんだよ、何が気に入らない

「私の両親を殺し私を買った奴隷商人を殺した奴隷殺しに、そして私を苦しめた全てに対して復讐をする」

「奴隷殺し?」

何言ってるのかわからない。この子が奴隷殺し? 奴隷を殺す奴隷がいるってことなのか?

「それはどういう

「だから、その邪魔をしそうな人間は全て殺す」

「はぁ?俺が?まさか俺のことを言っているのか?えっ、っていうかなんで俺を殺そうとすんのさ!?俺はお前の敵でもなければお前を助けに来たヒーローでもないぞ!」

俺が必死になってそう訴えるも、

「問答無用!」

そう叫んで、彼女は突然腰に差してある刀を抜いて振りかぶってきたのだ。おいおいおい

「待て待て、お前俺のこと恨んでいるのはわかるが、さすがに命の恩人に対して刃を向けるのはやりすぎじゃないのか!?」

俺がそう言うと

「そうか」

なぜか攻撃をやめた。一体どうしたのかと思ってよくよく見ると俺が先ほど彼女を召喚した時の魔法陣が再び光を帯び始めているのが見えた。いや違う、光がだんだんと近づいて来ていたんだ

「くそ、もう発動するかよ!」

「なに?うわっ!」

彼女が驚くと同時に俺たちの周りに白い空間が広がっていく

「一体なにが」

「これは転移の術式です」

彼女は冷静な口調でそう言った

「そうか、それで、どこに行くつもりなんですかね~」

はぁ~これって結構やばい展開なんじゃないかな~もうこれって絶対詰みだよね~なんせ逃げ場ないんだからさ~。

「私と共に来ていただきます」

は?一緒に?ってまさか奴隷狩りに会う前に連れてかれるってことですよね?えええぇ~嫌だよそんなの、絶対に殺されるじゃん~せっかく助かったと思ったのに再び殺されかけることになるとは予想外でした。まさかこんな結末になるとはねぇ~まったく想像できなかったんですけど~。これって異世界転生ってよりむしろ地獄行き直行便的なアレですよねこの流れ。まぁそういうこともあるよね。諦めて大人しく死にましょう。いやまぁ死ぬ覚悟

「ちょっとお待ちください。これはどういうつもりですか?なぜこのようなことをするのでしょうか?ご説明願いたい。もしや何か良からぬことを吹き込まれでもしましたか?もしもそうならば私が力になりますのでどうか、ご容赦ください。必ず貴方様のお役に立ちますから。この身を捧げてでも」

おや、俺が覚悟を決めて潔死しようとしていると隣

「なんでって、あなたに、ついて行く必要なんか無いから、あなたには、私の復讐のために死んでもらうだけ、だから」

なんでこいつらはそんな物騒な会話しかできねーんだ!もっと平和に話し合いで済ませられないのかよ!?ま、いいけど 俺がそう思って視線を外すとちょうど視界に入った。俺が元居た場所だ。そこでは相変わらず本が空中に浮き上がり部屋が滅茶苦茶になっていたがそんな状況の中でも一か所だけ変わらない部分があることに気づいた。それは本棚だ。そこには漫画が並べられておりその棚自体は倒れていない。そしてその棚の中には

「ええ!?あれ俺の漫画だ!っていうか他のも、あ、やべっ、全部なくなってやがる!ああぁぁ!なんでこんな目に!畜生、俺の全財産がぁ!ってんなことよりも」

本が空に浮かぶという異常現象の中、棚だけが倒れることがないのはおかしかった。

俺は慌てて棚に向かって走り出す。そしてその本を一つ手に取ってみるが、特におかしな様子もないようだ。

次に棚に並べてある別のマンガを取ってみた。やはり普通に開くことができた。ただ気になったので試しに数冊本を取り出そうとしたところ バキ、ゴトン、

「あっ」

本棚から取り出した瞬間、まるでそれが当たり前だったようにあっさりと壊れてしまった。

「ちょっ、うおおぉ!」

俺の部屋がめちゃくちゃにされながらその本はゆっくりと落ちていき ガシャン!! 音を立てて地面に落下してしまった。すると当然中に入っていた本達が床にぶちまけられてしまったわけで

「あっ、うわあぁぁ!なんてことだ、俺の一カ月の努力の成果がぁぁ!ちくしょう!なんていうことだ!俺の命よりも大事なコレクションが!なんてことしやがんだ!あんまりだろこんちくしょー!」

俺の怒りは頂点に達してしまっていた

「ふざけんな!お前!俺が何をしたってんだぁぁぁ!!」

そんな風に叫んでいる間にも彼女の攻撃は続く。

俺が彼女への怒りで我を忘れている間にも状況はどんどん悪化していた。俺の周囲では今も魔法陣が浮かび上がっていた。しかしそれも徐々に小さくなっていきついには消えてしまった。どうやら転移の効果が切れてしまったらしい。それでもまだ彼女による攻撃は続いていた。さっきまでは斬撃が主であったが今では魔力を込めまくった拳での攻撃へと変わっている。

しかしいくら強力な一撃であろうとも所詮女の子の腕力でしかない。俺もさっきまでとは違い余裕があった。だから避けようと思えば避けられるのだが、それをしなかった。理由はいくつかあったがその一つとしては今俺が置かれているこの現状

「なぁ、お前に聞きたいことがあるんだが」

攻撃を防ごうともせず彼女に話しかける俺を見て彼女は一瞬だけ動揺するがすぐさま攻撃の手を止めることなく攻撃を続けた しかし俺の質問を聞いて少しは手を止めてくれたみたいである。彼女はこちらを振り向くことはなく答えてくれた

「質問?私は何も話すことなどありませんが」

いかんなぁこういう時は素直になるのが一番だって相場は決まっているんだがな。だが今の彼女にとってみればそれは難しいことなのだろう。

しかしここで引く訳にはいかないのだ。何故ならこの状況の原因であるあの本を壊されたことで完全にやる気を失ってしまったからである。俺の人生は今日で終わるかもしれないがこの世界ではまた新しい人生を生きることができる

「なぁ、お前はどうして奴隷になろうと思った?」

「それは、奴隷商人を殺して復讐するためです」

「じゃあお前はなんでその復讐が上手くいかなくてここにいるんだよ」

「そ、それは、ご主人様に、助けていただいたことは感謝しています。ですがそのご主人様を殺さなければ私はまだ復讐を終えることはできない」

「ふむふむ。で?俺を殺したいの?」

「はい。ご主人様のことは嫌いですが、今は殺すべき理由ができました」

ふ~ん、そうなんだ。でもそれ俺に言っちゃだめでしょ 俺に殺されるとわかっているのにわざわざそのことを伝える意味はあるのかしら

「へぇ~そうか。それなのに俺と一緒に来てくれるんだ」

「私は復讐のために生きています。そしてその相手は今貴方様に危害を加える危険人物なのです。ならば貴方様を守ることこそが私の為すべきことだと考えました」

「俺を守るため、ね」

俺が彼女に向けてそう言い放つと彼女は再び驚いたような表情をした後で顔を伏せてしまった。そしてしばらくしてから顔を上げると

「私はあなた様を殺します」

そう言った。でもその声色は今までと違ってとても弱々しく感じる。どうやら自分の発言が矛盾していることに気が付いてしまったようだ。

だからだろうか、俺を殺そうとしてくるもののあまり本気ではないように感じられた。おそらく彼女はこの俺

「そうか、わかった。んじゃ俺をお前が殺したくなったときに殺してくれればいいさ。それまで俺は逃げるから」

「え?」

「別に俺をどうこうしたってかまわないさ。でも俺は死なないぜ?俺は強いんだよ。でも、そうだな。もしこの俺を殺すことができれば俺はお前のことを許してやってもいいかな」

俺の言葉に呆然とする少女。まぁ、俺が死ねば全て丸く収まるのに俺にそうしろと言われたのは予想外のことだったのだろう。さてはこいつ俺を殺すつもりがないな?よしこうなったらとことん調子に乗ってやろうじゃないか 俺はそう思うと彼女を挑発することにした。

「で?俺を殺す決心がついたのか?俺のことを殺しに来たのではないのならば早くその腰にぶら下げた刀を抜かないのか?それともその鞘で殴るつもりなのか?俺にはそれで勝てるとでも思っているのか?あぁ?おい?俺の実力が信じられないと?俺のことが怖いのなら仕方ないがな」などと言ったりしてさらに相手を混乱させていった。まぁ、実際かなり弱いんですけどね。なんせ俺は戦闘経験ゼロですから。ま、俺のことよりこの女だよこいつは。まさか自分が奴隷として売ろうとしていた相手に逆に脅されているとか思ってないよねきっと だからこんな言葉が出てしまった

「私と共に来ていただきます」

こうして俺の二度目の人生が始まったのであった ま、まずはここから出ませんかね それから数秒ほどお互いに沈黙の時間が流れたが、すぐにその均衡を破るかのように魔法陣が輝いてその光が消えたと同時に一人の少年が現れることになった

「えっ?」

そしてそこに現れた人物はどうやら彼女と同じ年頃の少年のよう

「はぁ~よかった。転移が成功したよお兄ちゃん」

転移の成功で安堵した彼は俺たち二人に向かって微笑みながらそんな言葉を紡いだがそれに対して少女の方は驚きを隠せないようで そんな彼女に俺は一応説明してあげることにする。何が起こったかわからない人も多いと思うし。うん。親切でいい奴じゃんか俺は よし説明しよう。まず初めにここは先程まで彼女がいた森の中ではなく見知らぬ部屋だったってことだ。そこはベッドに机にクローゼットがあるだけの質素で狭い部屋の中である。窓から外を見ると大きな湖が広がっているのが見える。そんな風景に感動しているとそこで扉が開かれて一人の女性が入ってきたんだ。その女性というのがさっきの少女ってわけだね。

「お疲れさん。もう戻って大丈夫だよ。ありがとうな、無理言って連れてこさせて。助かったよ。さ、君は戻れ、仕事に戻りなさい」

「え、はい。わかりました。えっとその、ご迷惑をおかけしました。それでは失礼します」

「あ、ああ、頑張るんだぞ、えーっと、名前は」

「あぁ!はい!僕の名前はタロウって言います!それでは!」

そう言うなり急いで部屋から出て行った。なんとも慌ただしい少年だったが 俺はとりあえず彼に声をかけておくことに。どうやら彼女と同じように俺が敵だとは気づいているようだし。そんな彼がこれからどういう選択をするのか見てみたくて

「やっほータロウ君、久しぶりだねぇ。ちょっと大きくなったんじゃないか?」

俺がそういうとその少年は

「え!?ど、どうして名前を!?というか知り合いでしたっけ?」と

「覚えていないのか。俺はお前と以前一度出会っているんだが。その時には俺はお前のことを見捨ててしまったんだがな」

その一言に彼の体は一瞬強張り緊張が伝わってくるが、すぐに平静を取り戻し俺に向かって笑顔を見せた。

「そうですか、でも、僕のことを覚えてくれている人はいます。だから僕は生きていこうと思います。この世界で」

俺の目を見て力強く答えるその瞳から決意を感じ取った。この世界の人間に対して恨みや憎しみを持ってはいないようである。まぁこの世界がどんなものかは分からないが

「そうか、まぁお前の好きにするといい」

「ところで貴様は何者だ。ただの人間とは思えない」

彼女は警戒を緩めることなく俺を睨んでいる。まぁいきなり自分の部屋に知らない男がいたんだから当たり前の反応だが。まぁ、彼女の疑問はもっともだが 俺もお前が何者かが気になるんだよね。見た目的に日本人っぽいのは確かなんだけど。髪も黒いし。だけどそれだけじゃ断定できないからな。

そんなことを考えている間にも彼女は剣を俺に向けいつでも攻撃できる態勢でこちらを警戒している様子である。その光景にため息が出る。せっかく異世界で自由に楽しく生きられると思ったら今度は奴隷商に殺されかけて。そんなことを繰り返していたらそりゃ性格歪

「で、俺になんの用だ?俺のことが欲しいっていうなら悪いが俺はそんなに暇じゃないんでな。俺を殺したいんなら俺を楽しませろ。それが出来ないなら殺す価値はない」

その言葉を聞いた瞬間彼女は怒りの表情を見せ

「戯言を言うな」と言い放つ 彼女はこちらへと一気に駆け寄り攻撃をしかける。その動きはとても素早く無駄な動作は一切ない。それはまるで獣の如きスピードでありそしてそれは俺に致命傷を与えうるものであるのだろうが俺には効かなかった

「くそ、この私が一撃も与えれないなんて。それになんだその異常なまでの頑丈さは。普通なら即死レベルの一撃を繰り出したというのにも関わらずその攻撃は通じなかった。だが私にはまだ攻撃手段が残っている。だから、覚悟してもらう。ここで確実に終わらせるために。この技は私の持つ唯一の固有スキルである「一刀両断」この一撃を耐えられた者は一人もいない」

なんか物騒な単語が聞こえてきたような気がしたがそれよりも気になったのは彼女が最後に口に出した名前について

「一刀、なんちゃら?」

俺はその名前を反復しながら聞き返してみたのだが彼女はそれを聞こうとはせず最後の攻撃を仕掛けるために集中し始める 俺はそんな彼女を横目に考える

(なんつったあいつ?あれかな?斬ると二倍になって帰ってくる的なやつかな?う~んわからん)俺はそう結論づけることにした それからしばらくして俺と少女による激しい打ち合いが行われた その結果は引き分けという形で幕を閉じた というのも両者一歩も譲らない激戦を繰り広げた結果お互い魔力を消費しすぎて戦うどころではない状態になったからだ(まぁ俺は違うんだろうけどさ、一応これでも元神様だしね)そして今はお互い少しだけ離れたところで向かい合って座っているという状況なのだがその状況になってからはずっと俺

「で?俺を殺したいんだろう?かかってこなくていいのか?それとも俺を殺すための切り札はもう尽きたか?」

俺は目の前のこの俺を殺そうと必死に努力していたであろう少女に対して挑発するようにそう告げた。その挑発に彼女は悔しそうな表情をしながら答えた。その声色からは先程まではあった余裕のようなものは全く感じられないことからかなり焦っていることがわかる しかしそれでも彼女は立ち上がり刀を構えた

「私の全力を尽くして貴方を殺します」

俺に殺気を向けてくるが、どう見てもそれは虚勢でしかないように見える。俺が手を伸ばせばそれで終わってしまうくらい

「そうか、まぁ頑張れ」と言ってみる。だって彼女かわいそうだからさ、こんな子供相手に本気になれんからさ、手加減しないといけないじゃん、でもさすがに女の子相手に全力を出すというのは憚れるわけですよ、だから、うん、仕方ないんだよこれが そして彼女に向かって無造作に手を伸ばす。すると当然のことながら彼女は俺の手から逃れようとするのだけれど俺はその彼女の首根っこを掴み上げることにした

「えっ?ちょっ!はなしなさいよ!」などと言う彼女を余所に俺はそのまま彼女を持ち上げてしまったのであった そしてしばらく持ち上げてみたり放り投げてみたりするとだんだん諦めたのか大人しくなっていった 俺はそんな彼女をベッドの上に

「お前、名前は?どこの出身だ?年齢は?家族は?兄弟はいるのか?恋人とか好きな人は?あぁ、あとこれは質問じゃないぞ。俺の独断と偏見と願望によって俺がお前に問いかけることを決めるものだ。拒否権は無い。あぁ、俺を楽しませることができるなら話は別だぜ?」と聞いていくと最初は無視

「ねぇ?なんなの?なんでこんなことするの?私あなたみたいな人のことは知らないよ」などと言っていたが俺はそれを無視し続ける やがて疲れて何も喋れなくなったのか俺が「お前の名前教えてくれないか?」と尋ねると「私の名前は」と言った後黙ってしまう。その沈黙があまりにも長かったので仕方なく

「名前は」という風に催促したらやっと口を開いてくれた。

そこから出てきた名前がまた長いものだった どうやら名前はミレアナという名前らしく 彼女はとある国の貴族の次女に生まれたのだという。その貴族の家が没落してしまい彼女も一緒に没落してしまうことになるのだが、運良く彼女が奴隷として売りに出されることになった時にとある奴隷商人に見初められ奴隷になることを免れたようだ。

そんな彼女の両親は奴隷として売り出される直前で彼女と奴隷契約を結ぶことに成功しそのお陰で奴隷となることはなく自由を手に入れることができた。その後、なんとか新しい生活に慣れていく内にいつの間にか自分が両親よりも強い存在になったことに気づいた。

そして彼女はそのことを自覚してからは自分をバカにした者達に復讐を誓ったという。そのためにまずは両親の財産を取り戻すべく、金を集めることに

「そこで私は冒険者になる道を選んだんです。幸い私の才能に魔法適性があったため、すぐにランクが上がりました。そこで、お金をある程度貯めることができましたが、その途中で私はある依頼を受けてしまって」

その依頼は魔族領域での物資の運搬だったらしい。その任務中に起きた出来事のせいで彼女は死にかけていたところを俺に助けられ今ここにいるってことだ。

彼女は俺を睨んでいる 俺が何者なのか、どうして助けてくれたのか、何故私を助けようとしたんだ、などの様々な考えが浮かんできているのかもしれない 俺は彼女の頭を思いっきり叩いてやった。そうしたら彼女は涙目になっていた。どうやら痛かったようだ。

「何すんのよ!?」彼女はそう

「はぁ~あのさお前の親はお前が死んだとしても喜ぶと思うぞ、多分。なんなら死んだ方が良かったんじゃないのって思われるんじゃないかな」

「えっ?なん、なんでそんな酷いことを言うの!?どうしてそんなことを平気で口にできるの!?おかしいわ!あんた人間じゃない!」彼女はそう叫んだ

「おい、人間じゃなきゃダメなのか?」

俺がそういうと彼女は驚いた顔をした後悲しそうに俯いた 俺は彼女のその態度に罪悪感を覚えたがそれを隠して言葉を続けた

「人間じゃなきゃお前は嫌か?」俺はできるだけ優しく問い掛ける

「当たり前じゃない!なんで私がそんなこと言われなきゃならないのよ!確かに私の両親が私を捨てたのは間違っていないことかもしれない!だけどそれでも私は生きたいの!だから私にとって人間であることは大事なことなの!でも貴方にとってはその違いは何の価値もないのかもしれない」そう言い終わると同時に涙を流し始めた 俺はその姿を見ながら考えた。きっと彼女の言う通りなのだろうとも思うしやっぱり納得できない部分もあるのだと思う。だけどそれはあくまでも自分の中の価値観であって相手の価値観はもっと複雑なものだとも感じる まぁつまり俺からすれば別にどちらでも構わないというのが俺の考えである ただ俺も一つ言っておかねばならないことがあったのを思い出したので彼女の言葉を遮るように言った 俺も俺なりにお前がどういう人物かということが分かった。お前のことを

「なぁ、ちょっと俺の頼みを聞いてくれないか?」俺がそう頼むと彼女は怪しげに俺を見てからこう答えた なに?一体なんのつもりなの?いきなり人を殺そうとしたり奴隷にしてやろうとか考えてたような奴のいうことを聞くと思ってるの?そう思ったのだが何故か不思議とそのお願いを聞き入れたいという気持ちになってしまった 彼女は俺の言葉に耳を傾け始める 俺の願い、それは

「俺の従者にならないか?俺の世話をする使用人として。その代わり俺はお前を守ってやるしお前は俺のために尽くせば良い」俺はそういった すると彼女はしばらく悩んだ後にこう答えるのであった

「いいよ、なってあげる。でもね約束しなさい。もし私が貴方の傍にいる価値がないと判断した時は貴方を殺してでも逃げる。その時は追いかけてきたりしないで」

俺としてはそれは願ったり叶ったりなわけで「わかった」と答えると彼女も「いいでしょう」と答えた こうして俺は新たに仲間を手に入れた さてこの子も仲間に加わったことで色々と整理しなければ この子の処遇を決めなければ まぁ大体の方針は決めてはいるんだけど、その前にこの部屋にある俺の荷物を取りに行かないと。俺がそう伝えるとミレアナは少し警戒したような様子を見せる まぁそりゃそうなるか、今までの話的に俺がどんな人間かわかっただろうしさ 俺は彼女に俺についてくるように声をかけてから部屋の

「待った。どこに連れ出そうとしているのかわからないけど私を連れて行く必要なんてないでしょ。ここで殺せば済む話」俺としたことがうっかり忘れていた。彼女は俺を殺すために俺と行動を共にしようとしているのだ。それなのに勝手に一人で出ていこうとしているのだ、止めないはずが無い だが俺にはどうしても確かめなければならないことがある

「なぁ、俺はさ。実はお前と同じ転生してきたんだよね。そんで俺も前世の記憶があってさ、お前と同じように前の世界の時の知識があるんだよ。だからお前は俺を殺しにきたんだよな?俺を殺すことができれば元の世界に帰ることができると思ったんだろ?俺の勘違いじゃないんだよな?」と問うと彼女は少しの間を置いてから首を横に振

「はっ?はぁぁぁぁぁ?なんだそれふざけてんのか?」

俺が思わずそう聞くと彼女は少しムッとした顔でこちらを見る 俺だってこの子が言っている意味がよく分からんしイラついてる。だってそうだろう? なんせ俺は殺されかけた。そのせいで俺はこの世界に連れてこられて奴隷として働かされることになって。それで今は彼女によってその状況から救われている状態だ そしてその彼女から殺そうとしておいて実はそうでなかったと聞かされました もう訳わからん。とりあえず落ち着け。こういう時こそ深呼吸だ。ヒッヒーフー、ハッーハッーハァー ふぅ、よし落ち着いた。で、

「で?結局どうだったの?俺は殺されたのか?それとも違うの?違うなら違うで説明してほしいな」と尋ねてみた。しかしどうにも要領を得ない回答だったので詳しく聞いてみると「私の目的はあくまであなたの暗殺だから、貴方さえ殺していればそれでよかったの。それにその可能性は高いから、貴方を本当に殺すつもりだったし。だからあなたを殺そうとして、でもできなかった。そのあとは私の命を助ける代わりに私の言うことを何でも聞いてくれるという契約を結んだから、だからその契約のおかげで貴方は死んでいないのよ」とのことらしいのだが、いまいち釈然としなかった なので、俺の方からも質問をしてみることにした お前はさっきの話の感じだと元々は別の世界に住んでいたんだよな

「うん、それがどうかしたの?あっ、そっか。私が嘘ついているって疑っているんでしょう。私を陥れるために。そうなんでしょう?」

俺がそう聞くと彼女からは予想通りの答えが返ってきた。正直に言えばそうだが俺はそれを否定しておく 俺は元々こことは違う世界に居た。そこでお前は生きていた

「なん、ですって?私が違う世界の住人?」と彼女は驚いていたが、まぁ当然の反応だと思う。俺もそうだったから。

俺もその世界で生きていた頃があった 俺がまだ小学生くらいの時だった ある日、家族で買い物に出掛けようと家を出てすぐのことだった。

家族全員で歩いていると突如地面が揺れ始めた。

「おい!大丈夫か!?しっかりしろ!」「パパ、ママぁ」

「あなたぁ、あなたぁぁ」などと声が上がる中俺は父さんの体に覆い被さるようにしていた。

地震は収まったのだが、その時には既に周りの光景が一変していた。

まず目に映ったものはビルや道路といったコンクリートで作られた人工物の数々。

まるで映画の撮影に使われるセットのような街並み

「ここはどこ?どうしてこんなところにいるの?夢?幻?現実?なんでこんなものが?」

俺は呆然として、他の家族達も同じようなものだろうと思っていた

「なにを惚けとんじゃ!お前はわしをなめとんのか?」と父の叱咤が飛ぶ そしてようやく

「ねぇお父さんお母さん、これどういうこと?」と言った。父は苛立った表情で

「知らん!とにかくここから早く逃げないと」と言い俺の腕を引っ張る そこで初めて自分のいる場所が見慣れた風景ではないことに気がついた。そして同時に気が付いたことが一つだけあった 俺の家族以外の人達は誰一人動かず、しゃべらず、そこにいる全員が固まってしまっているということ。

そこで母さんから「お腹空いたし喉も乾いたし何か飲み物買ってきてちょうだい」と言われそこで初めて気づいたんだが俺が手に持っていた鞄も財布も全部消えていることに気がついた 俺が慌てふためいているのは周りから見れば異常なのかもしれないがそんなの関係ない

「おぉ~い」と呼び掛けるも誰も返事をしないのでどうすることもできない。

仕方がなく近くにあった公園に入っていった。幸いベンチやトイレは普通にある

「さて、これからどうするべきか」と考えても何も出てこない。どうしたらいいんだ?誰か助けに来てくれ!と思っていると後ろから声を掛けられた

「ねぇ君何してるの?あ!ひょっとして迷子?困ってることとか無い?」その女の子は見た目は小学4年程度、服装はこの辺りの学校の生徒のもの

「あ、ああ。ちょっと助けて欲しい」俺がそう答えると「わかった!じゃあ行こう!こっちだよっ」と言って俺の手を引いていく そして連れていかれた先はどこかの喫茶店みたいな店の前でその子は入っていく 俺もこの子の後に続いて入っていって店員のお姉ちゃんに

「あのね、この人がね」と説明してくれる。

「わかりました。ではお客様、少々席で待機してください。すぐに案内しますので」と受付嬢はそう言ってから

「さぁこっちだよ」と先ほどとは打って変わって子供っぽい喋り方に変わって俺を誘導してくれる そして個室に入るように言われ、俺は指示に従う

「それで君は一体何をしたいのかな?」そう尋ねられてしまったので、正直に自分が置かれた状況を話していく その話を聞いた少女はとても信じられないというような顔をした後、しばらく沈黙してからこういった

「ごめんなさい。まさかここまでひどい状況だったなんて思いもしなかったの。でも信じて。貴方のことは守るわ。だから貴方も私の言う事を聞いて欲しいの。貴方にやってもらいたいことがある。でもその前にいくつか話しておかないといけないことがあって、だから貴方には私の仲間になってほしいの。これは貴方にとっても悪い話では無いわ」彼女はそんなことを言う

「な、仲間?」俺はその言葉に疑問を感じたのである だっていきなり現れたよくわからない女の子が俺に対して仲間になれと要求してくるなんてどう考えても変だ だから俺としてはこう言うしかなかった 俺は別にお前のことを信じる理由が無いんだ そもそも会ったばかりだし信用なんかできるはずがない。だから俺の味方になってくれるのならばそれ相応の行動を見せてほしい

「なるほどね、わかった。なら私が貴女の協力者になるっていうのなら、貴方も仲間になるという約束をして」

彼女はそういうので俺は まぁそれなら

「よし、なら俺の仲間たちが今どこにいるか教えろ」そう聞いたのだが 彼女はなぜか不思議そうな顔をしていて

「え?だって貴方が自分で言ったのでしょう?私を信頼できるほどの証拠を見せて見せろって。だから貴方の質問に答えただけであって、まだ仲間になってあげるとも約束したわけでもないんだけど、それにさ、私の名前だって教えたわけじゃないんだけど?私は確かに貴方が信頼してくれそうな情報をたくさん知っているけど、それを教えてもいないし私も私のことをあまり人に話したりしないんだけど。私を信頼してくれたら名前くらい教えるけど」などと言っているが俺にはその真意がわからなかった 俺はどうすれば良いんだ? 俺は彼女に向かって、

「俺は君のことを知りたくはない」と伝えた だが彼女は「ならいいわ。もういいから帰りなよ。貴方には関係のないことだし」と言い俺を追い払おうとするが俺はさらに続けた 俺を納得させるだけの何かがあるのか

「残念ながらあるの。さっきも言いかけたけど私が貴方に伝えたかった情報って実は私の目的と深く関わっているものでさ。私としてもそれは手に入れておきたかったものなの。だけど私にはまだそれを手に入れる力は無くって。でもこれを手に入れたから私も貴方と同じ立場に立てるようになったってわけ。だから後は勝手に一人で探すといいんじゃないかな。私と一緒にいるよりもその方が効率的だとは思う。私だって貴方が嫌々一緒に行動されてるより一人で勝手に動き回ってくれている方がありがたいとは思っているから」と言う 結局彼女はその後黙ってしまいそれ以上は何

「ねぇ、ところで君。もしかしてその格好のまま外に出てきたの?」俺が彼女に対してその質問をしたのは俺の家に帰ってからだった。だって今の彼女の格好、かなり目立つんだよ。髪の色から目の色まで真っ黒なのだから。おまけに着物姿で肌も露出している箇所が少なく、まるで喪服を着たみたいだ それを見て思わず聞いてみた。すると彼女は一瞬不機嫌な顔になったかと思うと「まぁ、そうだね。この国に来る時に着てた服が流石に無くなってて、それに着替えを持ってなかったし。だからしょうがなかったの」と言った。俺は「しょうがなくはないだろう?せめてその羽織かマントのようなものかフード付きの上着とかないのか?あと出来れば靴も。それと刀も隠せるなら隠しておくべきだと思うぞ」と忠告をしておく。実際それでどうにかなっているのか知らないが俺は気にしていたからな。でなきゃわざわざ指摘はしなかったし。俺がそう伝えると「そっか、ありがとう。うん、分かった。これから気をつけるようにするよ」と答えた。それからしばらくして、ようやく俺は寝ることが出来たのであった 目が覚めると隣に昨日の女の姿があった。俺は反射的に起き上がり距離を取ろうとしたが腕を掴まれてしまう。そして彼女が「おはよう。早速出かける用意をして」と言ったので、慌てて俺は身支度を整えてから彼女に質問をした おい!どこに行くつもりなんだ?

「ん、とりあえずこの国を歩きまわってみようかと思って。それでいろいろ見回っていこうと思っている。まずはここが何処なのかを知る必要があるから」という返答が返ってきたので俺は更に質問を続ける で?その目的は?

「それは後で。それよりもさ、貴方のステータスを確認したいんだが」

俺のステータスは?

「それは後で、ね。まずは外に出ないと、だから早く行く準備を」そう言われてしまっては従うしかないので俺は素直に従った。そして家を出て、近くのコンビニに向かう

「さて、ここでいいだろう。まずはこれを受け取って」そういって渡されたのは一枚のカードでそれを受け取る

「それが冒険者ギルド会員証。これが無ければ入れないから絶対に忘れないで」と言われ俺は自分の胸ポケットに入れ、財布の中

「で?これからお前について行ってもいいのか?それとこれからどうする?」俺がそう問いかけると「付いてきて、まずは冒険者になろう。話はそこでする」と言われてし 仕方ないので俺は彼女に従って街を歩いていく。途中で見かけた屋台などで軽く買い物をする ちなみに財布の中身を確認してみると所持金は0

「ねぇねぇ君。あれ見てみて」と彼女が指さす先にある店の中に入っていく。店内に入ると武器が置いてあり、店員の女性が

「いらっしゃいませ。何をお探しですか?」と言われたので 俺は「あの剣を見たい」と答えて、その女性の案内で店の端っこにあった棚から一振りの細身の剣を取りだした

「どうぞ手に取ってみてください」と促されたのである程度の感覚を確かめる そこで女は「お目が高いですね。こちらのお品はかなりいいものだと思います。よろしかったらそちらの値段のご提示もしていただきたいのですが」と言い始めたので俺は正直に伝えた 買う気はないが、売ってもらえないか

「はい、分かりました。ただ、お客様のお気持ち次第で、お譲りするかもしれません」と言い始める。そこで「あ、そうそう、その人買う気がないから。ほらお金もないんでしょ?だったらやめときな。あ、でもあんまりいいもの置いてるならちょっとは買ってやっても良いかな~」などと上から口調で言うと

「ではお客様はどの商品に興味がございますか?」

俺が選んだものは

「かしこまりました。ですが、その代金は当店での買い取り金額と相殺させて頂くことになりますのが宜しいでしょうか?」と確認を取ってくる 俺が問題ない、と返事を

「そうそう、君ってば意外と良いセンス持ってんだね。あの店ってそんなに品質良いのが置いてる訳じゃなかったし、その剣ってそこそこ安いから普通ならそんな感じで取引されやすいんだけどね」そう言うと俺の方を見てにこっと微笑んだ。

その笑みが何を意味しているのかはわからない。が

「ふむ、その程度ならば良いのでしようかね。では、はい。これは私からのサービスで付けておきましょう。ただし今回だけでお願いします。お客様の事情をある程度は察しておりますが、私どもとしましてはあまりこのようなことを行いたくはないのですよ。ですのでどうか、今後ともよろしくして下さいね」そう言って、にやりと笑う。そして彼女は

「え、まじ?ちょ、何やってんだよ。私の時もそれくらいしてくれたら良かったのに。でもそのおかげで助かったのかもしれないけど」と俺にだけ聞こえるような声でぶつくさ文句を言い始める なにか俺に対して不満を持っているようだが、そんなの知るか 俺はそんなの気にしない。そんなことよりも今はこの目の前の問題を解決することに集中しなくてはならない。だから俺は「まぁ別になんでも構わない」と適当に答える。そんなことを言っているうちにいつの間にか俺の目の前には一本の刀が置かれていた

「さて、では貴方の装備一式も揃ったところで本題に入りたいのだが?」そんなことを言い出す 俺の今の服装と荷物についてはスルーらしい。だが

「その前に俺の仲間のことを教えてくれ。俺は今から仲間を探す旅に出る」と伝える すると

「うん。それは良いと思う。君にはまだ足りないものが多いからね。だけど一つ注意点があって、君の場合その仲間を見つけるためにかなり苦労することになると思う。なんたってこの世界の住人は、基本的に自分の力を隠す傾向が強くてね。だからなかなか仲間が見つからない可能性が高いと思う。だからその前に仲間を探し出すことをお勧めしたい。私の仲間にも何人か貴方と似た状況の仲間がいてさ、だから私はその子たちと協力して行動しているんだけど、やっぱり最初は結構苦労したし。だからそのアドバイスとして伝えておくよ」と言ってきた なにが助言だよ。その仲間がどうなっているかも知らないくせに だが俺がそんな事を言ったとしても

「それはそうだよ。私はその仲間の居場所を知らないしね。それに私が貴方に伝えようとしたことはそれくらい重要な事だったんだよ」と自信満々な様子で言い放つのだ 俺にとって大事な話か。そう言われると聞きたくなってしまうではないか。なので一応耳を傾けておくことにする。するとその話を要約すると 俺の目的は元の世界に戻る方法を見つけ出したいというもので間違いなかったな?それは俺一人の力でどうにか出来るのか?もし可能だとしたら俺も手伝おうと思うんだ 俺は彼女の目を真っ直ぐに見て尋ねた

「それってどういう意味?」

その返答は予想していた通りのものだったが、やはり俺も少しは不安になってしまう そもそもどうやって帰るのかさえまだ分からないんだ。

「んー、そう言われても私も詳しくは知らないんだよ。だって私もその手の専門家じゃないし。でもよくは分からないけれども、君の望みをかなえられる可能性がある人物が二人ほどいるのは確かだよ。でさ、そろそろいいんじゃないの?」

「何がだ?」

俺は思わず素の反応が出てしまう だが相手もそんなことに構うことなく

「いやいや、誤魔化さなくても良いよ。貴方が異世界に来てやりたい事は二つあるでしょ?それも両方、もしくは片方は貴方一人では成し遂げることはきっと出来ないんじゃないかな」と言う。そして彼女は続けた で、どちら

「まずはこの国の現状を把握する必要があると思うんだ。そのために君は冒険者として旅に出なくちゃいけない。そして、もう一つの目的に関しては君自身が直接その相手に聞いてみるといい」と、にっこりと笑いながら言ってくる

「その目的っていうのは」俺は質問をした。すると、女は自分の顎の下辺りに手を当てて

「ん、ちょっと待ってね。この国についてもう少し詳しいことが知りたければこの人に聞くのが良いと思う」と呟いた。そして彼女が指さした方向には、先程までの受付の店員さんが立っていた その人は俺に笑顔を向けて、話しかけてくる

「お客様のお探しのものについても何か知っているのでは無いかと思います。で、そちらのお方は、どのような御用件でしょうか?」

そこで俺は先程の女の人の発言を思い返し、この人が俺の目的を知っていた理由を考える。

そこで俺はある一つの答えが導き出されたので尋ねてみる事にした

「お前は俺が元からこの世界に来ていることを知ってるってことでいいか?」

俺がそういうと女性は一瞬驚いた顔をした後で、苦笑しながら「はい。存じておりますよ」と答えた 俺の考えていたことと合っていたらしい で?

「貴方は何故俺の事を知っていて尚且つ、手助けしてくれようと?そして俺はお前の味方なのか敵なのか?それを確かめておきたい」と俺は続けて質問する だが「それはお教え出来ません。お客様にお会いするのはこれで最後ではないですから、そのときを楽しみにしておいてください」と笑顔のまま言うだけだったのである。俺はその言葉を聞いてこれ以上この人と会話を続けようとする気が一気になくなってしまったのであった 俺はそこで一度ため息をつき、それから気になっていた事を聞くことにした

「お前の名前は?」と、

「私の名前ですか?」そう言われてしまったが、それでももう一度名前を尋ねたところ、「ふぅ」と諦めたような顔をしながら「メイリーですよ」と答え

「で、俺の名は?」俺がそう尋ねると彼女は

「あはは、ごめんね」と、そう答えると 次の瞬間、 俺は突然現れた謎の光によってどこかに転移させられてしまっていた 目の前にはあの女の姿があり、その背後にある巨大な扉を俺に向かって手で開ける動作をして「ようこそ私の城へ。貴方が求めていた物は全て揃っております。是非ゆっくりしていらっしゃってください」と言って俺を送り出そうとする。そこで俺が「待ってくれ、俺は一体どうなったんだ?」と問いかけると

「え、何がどうなっているのかわからないの?じゃあそのままでいいや」

そんなこと言い出したと思ったらそのまま消え

「はっ?」俺の視界は再び真っ暗になったのである 次に見えた光景は一面草原地帯が広がっていた場所ではなくて、どこかの建物の中のようだ。俺がそんなことを考えていると一人の男がこちらに近寄ってきて俺に声をかけてきたので「貴方は?」と声をかけ返す すると男はいきなり頭を下げ始めたのだ

「申し訳ありません!実はあなたを間違ってここに呼び寄せてしまいました」とかいうふざけた内容を口にし始めたのである そこで男に事情を聞いたのだが どうやら彼は元々こちらに来るはずの人間だったのに誤って俺を呼び出ししてしまったのだと。なので俺の願いを一つだけ叶えてくれるというので俺に出来る範囲内の頼みごとをした。そこでこの世界についての常識的な知識を色々と教えてもらったのである そこで彼が

「あぁそういえば、これからどうされますか?」と言ってきた

「とりあえず情報を集めながら仲間を探すつもりだけど」と俺が答えると

「それでよろしいと思いますよ。それと、貴方様の今後の生活に必要な資金の調達手段をいくつか提供させて頂こうかとおもいますが、いかがなさいますか?」と言われたので俺は

「じゃあ頼む」と言った。すると その男の後ろから二人の女の子が俺に話しかけてきたのでその人たちにも話を聞きつつこの世界のことを説明してもらう。

一人目の子は「わたくしはミレーユですの。気軽にみっちゃんとお呼びになってね」と言い二人目の子も「私はマロンといいますの。よろしくですの」とそれぞれ自己紹介をする

「じゃあさ、早速なんだけれど」と、俺は二人にお金を稼ぐための手段として盗賊退治を提案したのでその通りに動くことにする

「さて、では行くか」と俺は言って歩き始めると

「あら、どちらに向かわれるんですの?もしかしたら、その目的地とは別の場所に飛んじゃうかもしれませんよ」とか言い出して焦り始め

「そんなの困っちゃうの」

そんなことを言われてしまった。俺は別に気にしなかったのだが「でもそんなことは関係なくてよ」と急かすので仕方がなく俺はその指示に従って、その盗賊たちがいるという場所に歩いて向かうのだった ちなみに、その二人が俺に付いてくることに関しては、俺は特に気にしていない なぜならその二人は何故か一緒にいるのだから。だからそんなに心配する必要もないだろうと判断したのが正解なのだろう 俺が歩いていると遠くから悲鳴が聞こえてくる そこで俺はその現場に急ぎ駆けつける。するとそこには盗賊に襲われそうになっている男女三人のパーティーがいた そして、

「助けて!」その少女は叫ぶように助けを求めて そこで、俺はその三人組を庇いながら戦い、相手のリーダー格を倒すことに成功したのであった そのリーダーが「貴様に何ができる!?俺たちに歯向かったところでお前らには何も出来ない」みたいな事を口走っていたが 俺がそのセリフに「お前らは、本当にその通りだと思うよ」と、言い放つと彼らは「なんだと?調子に乗るなよガキ風情が!!」そう叫んで襲いかかってくる だがその攻撃を余裕をもって回避するとそのリーダーの首根っこを掴むようにして持ちあげ、その顔面を思いっきり殴りつける。そして、意識を失ったのかぐったりと力なく地面に倒れたのだった

「うぉ、すげーぞ」

その攻撃を見た他の仲間は驚いていたが俺としてはこんなもんだったな程度に思ってしまっており そのあと俺に礼を言った男たちに対して

「いいや。当然のことだから」

そう言い残してその場を去るのだった。するとその道中に先ほどの三人と出会うことになる 俺は「おっ、さっきぶり」

「さっきはありがとうございました。おかげで助かりました」

「いえ、無事ならばよかった」

そんな話をしつつ彼らの話を聞いていたのだが この世界にはモンスターがいる。だから戦闘は日常的にあるとのこと。ただ、さすがにそれは一般人にとっての話らしくて、彼らのような普通の冒険者なんかはそう頻繁に戦うものではないとのことだった で、そこで、

「でさ、ちょっと相談があるんだけど、もし良かったら私たちと一緒に行かない?」と誘われたので ま、いいかな ってことで一緒に連れて行ってもらうことになった ま、なんとなく予想してた

「私の名前はミルダっていうの。こっちの子がカリーナでそっちの背が高い方がリッカだよ」その自己紹介を聞いて俺は思った うむ、やっぱり

「俺はコウスケだ」と、そんな自己紹介を終えると今度は彼らが俺を誘った経緯を話してくれた。そしてその流れで、この国の王様は悪い人ではないということと、俺と同じ境遇にあった人物がこの国のどこかに住んでいるという話を聞くことができたのである。それに関しては正直驚いた。まさか自分のほかにも同じ立場

「あぁ、それは多分違う」と、俺は彼らに否定の言葉を投げかけた。だって俺がこの世界に来て最初に出会った女はこの国の王の側近であり、俺を召喚したのがその人であるのだから それに俺に「君は私と同じような力を使える」と言っていた そして俺にその力を使って欲しいとも言っていたのだ その発言を思い出しながら俺はそのことを皆に話す

「そうなんだ」

「ふぅん、じゃあ私たちは君とは逆の立場になるってことだね」

「でもいいじゃん。それでも、その人にお願いされたんでしょ?」

「ああ、そうだ。でも俺もその人が誰かわからないんだよ。名前すら聞いたことないから」

そうして、俺は彼女から聞かされたことをすべて話すことにしたのである まずこの世界に来てしまっているのは俺一人だということ 俺をこの世界に呼んだ人物は俺の知る限り俺が知っている中で一番強く、一番の権力者でもあると、そういった内容のことを。そして

「あの、すみません。少しいいですか?」

「うん?何?えっと名前は?」

「私はマシロといいます。貴方のお話は本当なのですか?」

その質問に俺ではなく彼女が答えた

「嘘じゃないよ」と その言葉を聞いた途端彼女は俺に向かって

「え、あの、どういうことですか?」と問いかけて

「あぁ、俺をここへ飛ばした奴の言っている事が事実なら、この世界から脱出するために必要なアイテムを入手できる可能性が一番高いのは俺だけということになるんだ。その点についてはこの女の言っている事はおそらく正しいと思う。だから、俺をここまで呼び出した理由を考えれば俺にしかできないことなのだということがわかるし」と説明すると

「な、なるほど」と、驚きを隠せないような様子を見せると俺の方を見て「で、でしたら是非ご協力させて下さい。私もこの世界を出たいと思っているのです」

そんな彼女の目には涙が浮かんでいた どうやら何か事情があるらしいと

「分かった」と一言だけ口にした。そして、それから俺達は共に旅をする事になる。

その後、俺たちはその足取りを辿るため街へ向かうことに

「でもどうやって戻るの?私たちこの街の場所もわからないのに。そもそも、どこにどんな国があるのかもよく知らないわけだし」そんな不安の声を上げる彼女に俺はこう言う

「大丈夫。俺はある程度この世界についての事を知っている。この世界で生活するために必要な知識を持っているから」と その言葉で彼女はほっとしたようで

「じゃあそろそろ出発しよう」と、俺が声をかけて歩みを進めるのであった 俺達が街を目指して歩いているとモンスターが現れた そこで俺はその相手をする事に

「私が戦おう」と、そんな声とともにそのモンスターは真っ二つになった

「え?」

「どう?」

「お見事でございます」

「凄い」と、そんな声が上がると彼女は笑顔を見せて

「私のスキルの力なの」と言って自慢するかのような口調で俺達に向けて説明してくれた その技というのは、自分が持つ武器の切れ味を最大に引き上げるというもので、それで敵を斬り伏せるというものだそうで、俺がさっき見たのもその能力を使った結果なのだということがわかった ちなみに俺はそんな彼女の動きに目を輝かせて見ていたのである

「どう?」そうやって俺に見せつけてくる彼女に俺は「おお!すごいな!」と答えていた すると、

「でしょ?」そう言って嬉しそうにする 俺は素直にそう思い、褒めることにしたのだ。

「凄いな、その力。使いこなしてるし威力も高いし」

すると照れ笑いをして、「えへへ。ありがと。ところで、君のスキルもなかなかだと思うけどね」そう言われてしまった。確かに俺のスキルは攻撃に特化しているからなと改めて考えてしまうと複雑な気持ちになってくるのだが。ただそのおかげで、今までのピンチを切り抜けられたのも確かで、そういう意味では感謝している面もあったりする。だがしかしだ、俺はこれからこの世界で過ごしていかなくてはならないわけでいつまでもこんな生活が続くわけではない。そう考えたらやっぱりどうにかしないとなと 俺達はその後もモンスターに襲われながらも何とか進むことが出来た。ただ、そこでまた厄介な事態

「あ、ちょっと待って、あれ見てください」と指をさす方角には盗賊と思われる連中の集団がおり 俺はそんな連中に気がついた。

だが、それを確認して

「あいつらか。さてどうしたものか」

そう悩んでいるとミルダとカリーナとリッカがそれぞれ「私に任せて欲しいの」と言い出す 俺はとりあえず三人の好きにさせ、俺は後ろで見守っていることに その結果、盗賊の討伐に成功。ミルダは「私の実力なの」と、言い放ちカリーナとリッカも似たような感じだった。

俺はその活躍ぶりに関心しながら盗賊たちを縛り上げていく そして盗賊のリーダーは俺が「一応聞いておく。この先に進むと、盗賊たちが潜んでいると噂されている森があるはずだ。そこに向かった理由は?」そう問いただすと「ふん、貴様らごときに話しても何も意味はない」そう答えると 俺が「ま、別にいいよ。じゃあな」そう言い放つと男は顔を青ざめさせて黙り込んだ。ま、そんなこと気にせず俺は先へ進む しばらく歩くとその森の中へとたどり着く

「さぁてと、それじゃ行きますかね」と俺。

その言葉を聞き「本当に大丈夫なのかしら?」と心配してくれるカリーナ そんな会話をしながら進んでいくと目の前に突然人が現れる。その人物は俺達の行く手を阻むように

「おっと、ここは通しはしないぜ」

「悪いことは言わない、さっさと引き返しなさい」と忠告してきた。

「おいお前、今すぐ帰れ」

「ふざけるな、ここから先に行かせるつもりはない」

そう告げてきた男に向かって「悪いけどあんたらを通すわけにはいかないんだわ」俺はそんなことを言いながら剣を構える

「ほぉう。面白いことを言うじゃねえかい。このオレに刃向かおうとするとは」

俺の言葉にその男の目は怒りの色を帯びると同時に笑みを見せていた そんな相手に対し俺は余裕綽々といった態度で

「あぁ、そうだよ」と返事

「舐めた真似してくれんじゃねぇか。いいだろう。そこまで言ってきたなら仕方ない。このオレを怒らせた事を死ぬ前に後悔するがいい!!」そんな台詞を口走るなり襲い掛かって来た。

ただま、それは俺からしたら大した脅威にもならないもので 俺はそんな攻撃を難なく避けてみせる そして反撃に出るのであるがそれもあっさりとかわされてしまい。逆に蹴りを入れられる その衝撃に吹っ飛ばされそうになるので俺はそれを受け流し後ろに下がって間合いを取る。そしてそのまま突っ込んでいった。今度は俺が攻撃を仕掛けた だがそれはことごとく交わされてカウンターをくらうことになった

「はぁあ、くそ」俺は悪態をつきながらも

「やるじゃないか」と称賛した すると、

「ほう、今の一撃で仕留められなかったのは君が初めてだ。さすがは王から信頼を置かれるほどの男。少しは出来るようだ。どうやら手を抜いている場合ではないらしい。このオレが本気で相手をしてやろう」

「ふーん。なら見せてもらおうか」と、挑発的な言葉を俺は投げかけてみた それに対して「良いだろう」と答えた後 彼はこちらを見つめると構えをとる そして、その直後姿が消える。その事に驚きつつ俺は「こっちか」と、その気配を感じ取って 相手の出方を伺った。そんな時

『ガキン』そんな音が鳴り響く

「ほう?これを受け止めたか。しかも初見で。これは面白い。ならば次はどうする?」その問いかけに

「試したいことがある。だからその申し出を受けてやるよ。かかってこい」そう口にすると 再び姿を消す。そして次の瞬間俺の後ろに現れ殴りかかろうとするのをなんとか受けきった。しかしやはりその攻撃力はかなりのものだったようで俺の腕が折れそうになった。そんな状況に「は?なんなんだよこいつ?強すぎ」と、口にしてしまうと。「ようやく気づいたか?オレの力に」そう言うと、彼の腕に纏っているものを見て俺は驚く。それが何であるのかを理解するために必死に観察すると どうも、俺と同じ能力を使っているらしく俺は驚いた。

「どうやらわかったみたいだな」そう口にした後「この姿を見た以上生かして返すことは出来ないな」

俺の目の前にいる男はそんな言葉を口にし襲いかかって来る。どうやら相当プライドが高いようであった。俺は仕方なく戦闘態勢をとり迎え撃つことにした。そんな戦いの最中で俺は 相手が俺の知らないスキルを使う度にそれを自分のものにしていった

「このスキルはなかなか使えるな」俺は、そんな感想を抱きながら戦っていた。それから、そんな風に戦い続けているうちに、とうとう決着がついてしまうのである。そう、それはほんの数秒で終わってしまうような結末に。

俺は勝利を手にしそして「どうやら俺の勝ちらしいな」そう口にした。すると

「なに、勝っただと?そんな訳あるはずがないだろう?何を言っているのだ?」そう言った後に俺を殴ろうとしてくる だが、その動きを予想していた俺がそれを避けた直後 俺がさっき使っていたスキルをその男が使う だが俺は

「無駄だよ」そう呟いて そしてその男から奪った力でそいつの体に触れた そうすると、

「バカな、どうしてそんなことが?」そう疑問を投げかける相手に

「俺も同じスキルを持っているからな。それでお前からその力を吸収した。それだけの話さ」と説明 その後、男は

「まさかここまでの力を持っているとは、侮れない男だ。だがこれで終わりじゃない。覚えておくがいい。いずれまた会いに来ることになる。そのときまで、首を洗って待っているんだな」と捨てゼリフを残し去って行ったのであった。

その背中を見ながら俺は

「また来るのかよ」そうため息交じりに吐露する そんなことがあり、その後森の捜索を続け、盗賊が潜んでいるであろう場所に辿り着いた。だがそこにいたのは一人の女だけ。その女が俺たちを睨んでくると

「あなたたちね、あの盗賊たちを片付けてくれた冒険者っていうのは?」そう聞いてきたので俺達は素直に答える すると、「やっぱりそうだったの。それでどうするの?」と俺達に向かって尋ねてきたので「俺達がその盗賊たちを潰します。そしてその証としてその宝箱をください」

そう答えておいた。

すると、

「えぇ、もちろんいいわよ。だけど気をつけてね、あの中にいる奴らが持っている武器はなかなかのものばかりなの。私達にとってはそれほどの価値はないけれど、あなたのレベルじゃあ簡単に勝てる相手じゃないと思うわよ?」その言葉を聞いた俺はその忠告を胸に刻み込んだのだった。

俺がそうしていると、 その盗賊

「よく来たな。さて、お前たちはこのオレ達に何を差し出す?」とそんな台詞と共に現れた。その言葉に対して「はいこれ」と俺は、そう言って先程もらった宝石を渡した その行為に、その場にいた連中全員が固まってしまった 俺は、その隙を逃すことなく一気に攻め立てた 盗賊連中に攻撃を加えた結果、あっという間にその数は半減してしまった その光景に、その場は静まり返ってしまう。その沈黙を破るかのように 盗賊団のリーダーらしき人物は

「ふざけるな、たかだがこれだけで済ませるわけにはいかない。こうなったら貴様ら全員皆殺しにしてくれる!!」そう叫んだ後、襲い掛かってきた。ただそれはあまりにも

「おいおい、ちょっとは加減してくれないか」

「あぁあ、俺達の楽しみを邪魔した上にそんなことを口にするとは、もう我慢できないぜ」と、そんな言葉が次々に飛び出す。そんな中俺は

「お前らに構っている暇はないんだよ」そう言い放つなりそそくさと盗賊達の前から姿を消した。そして、俺は盗賊が潜んでいるはずの場所に向かって突き進んでいく すると 俺が向かっている先とは全く別の方角から悲鳴が上がった それを聞き、俺は慌ててその現場に向かって駆け出し

「なっ!?」そんな声が漏れ出るほど 驚愕させられる。そこには倒れている複数の盗賊の死体が転がっており。俺はすぐさまその死体を調べると その中に

「こいつは一体誰がやったんだ?少なくとも俺が知っている限りでは あんなことができる人間なんてこの世界には存在していないはずだ」俺はそう考えながらその人物に近寄っていった。

そして俺はそいつの顔を見て思わず「なに、この子可愛いすぎるだろ」そんなことを口にする すると そいつはその言葉で目を覚ますと

「うっ、ここは、あぁそうだ。わたし、捕まってたんですね。でも、助けていただいてありがとうございます。それでここはどこなんですか?あとこの人たちは誰なんでしょう?」

そんな疑問の声をあげるので、とりあえずこの場所を 説明する。

それからその女の人は 自分が記憶をなくしているということを知り、ショックを受け 落ち込んでいた そこで俺は 彼女に名前をつけることにした。

「ねぇ君、名前はある?」そう尋ねたところ

「すみません、何も思い出せないんです。それに わたしってそんな名前がつけられるものなのかなって」

とそんな言葉を口にしたのだった。なので俺はそんな彼女にある提案をしてみた

「なら俺が決めても問題ないかな?嫌なら別に断ってくれても構わないけど」そう告げた俺に彼女は

「お願いしてもよろしいでしょうか?」そう頼んできた 俺は少しの間考えた末に

「分かった。それじゃあ君の名前はリスタでどうかな?」

「分かりました、その名前を頂戴します。ところで あなたはいったいどなたなんですか?」そんな質問をぶつけてくるので 俺は素直に打ち

「俺はタクト、ただの旅人です。

それじゃあ俺は行かないといけないので。それでは」と告げてから歩き始める だがそんな俺に

「あの、もし宜しければ、わたくしと一緒に旅に出てみませんか?実は一人だと寂しかったりしていたので、どうしようか困っていたんですよ」

そんな誘いを受けた俺は悩んだ末。一緒に行動することにした。こうして俺は、新しい仲間をゲットしたのであった。そして俺はそのまま町に向かい。ギルドに登録してから王都へと向かうことに 俺は今王城の謁見の間で王から呼び出しを受け そしてその王の話を聞いていた その王曰く

「魔王軍の討伐、ご苦労であった」

俺は「はい、お役に立ててよかったと思います」

「さすがは勇者の仲間に選ばれた者だな。これからも頑張ってくれ。期待しているぞ」と そう言葉をかけられると俺は「はい」と答え、部屋から出て行くのであった。その帰り道に

「どうやら上手くいったみたいね。あなたならやってくれると信じていたわよ」

その言葉をかけてくれた

「うん。それでこの後どうするつもりなの?」

俺の問いに対し

「そうね。あなたならわかってるとは思うけど。このまま あなた一人で戦い続けることは不可能だと思うの。

だから私はまずはレベルを上げていこうと思っているの あなたもレベルを上げたいでしょ?」

その彼女の意見を聞いて俺は少し悩むが

「そうするしか無いみたいだね」そう口にすると、俺のレベル上げは始まることになったのである。

俺はその日初めて冒険者として依頼を受けることにした。その内容はとある魔物を狩ってくるというものであった だがその報酬額はそこまで良いものではないのだがそれでも一応仕事として依頼されているものである。

そんなことを考えながら目的地であるその場所にたどり着くと俺は早速 獲物であるそいつを見つけ出した それは巨大な蜘蛛であった。俺はそんな蜘蛛を視界に入れるとすぐに攻撃を仕掛ける すると俺が繰り出した攻撃に対して反応してきたのである。そんなことをしてくる奴を今まで見たことが無かった俺は

「マジで、こんな化け物がいるとは、思ってもなかったな」そんな言葉を口にしながら さらに追撃を加える それから何度かの攻防の後 ついに俺が放った一撃が相手の急所に当たり倒すことに成功する。その事実に俺はかなり興奮した。

それから俺は、その素材や、魔石などをアイテムボックスの中に入れ込むと次の相手を求めて移動していく それから、何体かの敵を倒すと、そのどれもが、俺が苦戦するような相手ではなかった しかし、そう言った経験をすることによって、自分の中の戦闘技術というものがどんどん磨かれていくのを感じる そんなこともあり 俺はその感覚を忘れないようにしようと思い、戦闘の時は 極力集中力を研ぎ澄まし戦いに集中して、自分の戦闘スタイルを確立しようと決めた。

「これで、今日やる分の依頼をこなしたことになるな」と そんなこと口にしていると、

「おいあんた!その荷物をよこせ!」

「いやいやその前に、お前からそれを奪わせてもらうよ。覚悟はいいよな」と、そんな声が上がると、俺に向かって襲い掛かってきたのであった。俺はそんな奴らを、一人ずつ倒して回ると あっという間に全て片付けることが出来たのであった。

その後俺は町に戻りギルドに寄り今日の出来事を報告すると受付嬢からこう言われた。

「あなたは最近冒険者の質が落ちてきてるという声が多いんです。あなたが倒した奴らもこの町に蔓延っている盗賊団のメンバーですよ。そういった輩をあなたが倒してくれたおかげで随分の人に感謝されています」と、その話を聞く限りだと、冒険者はどうにも盗賊に弱いという傾向が見えるような気がする。

そういえば昔読んだ本の中で

『盗賊というのは悪の象徴として描かれがちだが。実はそうでもないんだ』とかなんとか書いてあったっけ 確かその本にはこう書かれていた。盗賊は元々は、犯罪者などであり。国から追われるような罪を犯した者たちなのだ。だからこそ彼らの中には義賊と呼ばれる者達もいたのだという。

そして俺はそのことをふと思い出すと

「あのぉー」そう言って俺は受付嬢を呼び出して話しかけると

「はいっ、なんでしょうか?」

「盗賊の件で一つ質問なんだけど。その盗賊って元は犯罪を犯す人間だったんでしょう?」

その言葉を聞いた瞬間受付嬢は驚いた表情を見せると

「えぇっ?まさかあなたは彼らの素性を知っていると言うの?」

そう言われて

「えぇまぁそうですね。俺は盗賊に狙われている人達を助けるように依頼を受けてまして。その際に、盗賊団の連中が、どうして盗賊なんかをやってるのか、それとなく聞いたことがあるんですよ」

「なるほど。それではあなたの考えは当たっていると言っていいでしょう。確かに、彼らは元々盗賊ではあったものの。それはもう十年くらい前の話で。それ以降は、盗みなどの悪事には一切関わっていないという。そんな風に語っていました」と そんな話をしてくれる

「そうなんですか、ありがとうございます。それでは俺はこれで失礼させていただきますね」と俺はそう言い残してから、その場を離れるとそのまま自宅に戻っていくことにしたのだった。そんな時に俺は、一人の女性と出会い、そいつも俺と同じく、依頼をこなすためにここに訪れていたようで俺に話しかけてくる。

その人物というのがかなり可愛い娘だったのだ。俺はそんな彼女が気になり

「ねぇ良かったら、君も俺と同じ依頼を受けようとしてるところなんだろ?一緒に行かないかい?」とそう問いかけたのだった。その俺の言葉を受けた彼女は少しだけ悩んだ後に こう口を開いた

「はい、構いませんよ」と その言葉を聞き、嬉しく思った俺だったがその感情を抑え

「それじゃあさっそく出発しましょう」と、そう言うなり、俺達はその場所に向かって歩いていき。その場所にたどり着いた俺達であったが。その魔物とは遭遇することなく無事に帰ってくることに成功をした。だが俺はその時あることに気づいた。彼女から漂ってくる匂いは 間違いなく人間のものであり、それも女性特有のものということであった。そんなことを考えていた俺に対して彼女は

「どうしました?何か悩み事でもあるんてすか?」と、聞いてくる。なので

「なんでもないさ」と 俺はそんな風にしか返せない それからその日一日の体験を彼女と共有した後。別れることになった

「またどこかで出会った時にはよろしくお願いします」

とそう言葉を残して そして翌日。

俺は昨日と同じようにして依頼をこなそうとしていた その日もまた何も起きなかったわけであるが しかしそこで俺はあるものを発見する なんとそこでは、俺の予想通りに、誰かが襲われそうになっていたのだった。

そしてそこに駆けつけた俺が目にしたのは 複数の男性に絡まれ、怯える女性の姿がそこにはあり

「助けてくれよ~、なあ頼むぜ、なに、金なんていらねえよ、それよりも俺に女を紹介してくれ、なに、別に変なことしようっていうんじゃないんだ。ただ単に楽しませてもらえるだけで俺は満足だからよ。だからちょっと付き合ってくれよ。なあ?」などと口にしてくる そんな男共に女性は「そんなの無理だよ。あなた達のやろうとしていることは、絶対にできない、私は今からお使いにいかなければならないの。だからあなたたちの相手をすることだって出来っこないの」とそんな風に反論をするのだが。男は聞く耳を持たず。そんな言葉を一方的にぶつけ続けている それを見て俺は

「あの、すみません」そう声をかけると男たちはこちらを見つめてきたのである。そんな状況でさらに続けて俺はこう告げたのである

「そこのお姉さんは今から用事があるみたいですから」と、すると男たちの一人が

「何?この人は俺たちの仲間になるのが気に入らないとでもいうつもりかよ、へっ、生意気な態度取りやがって、おいこいつのことボコっちまえば問題はないだろ」と、そんな発言をしてきた その発言に周りの奴らも納得してしまったらしく それから俺は、殴られた挙句 縄で縛られて、連れていかれることになった。

俺はそれから町のはずれにある倉庫に連れていかれた。するとそいつらはいきなり服を脱がせ始めたのである。

そしてそこから俺は地獄のような時間が始まったのであった。

その男共が、俺のことを殴ったり蹴ったりしてきたのはもちろんのこと、俺に性的行為を強いようとしたりもしてきたのである。その度に俺は抵抗を試みたのだが。

「大人しくしろ!この野郎」と、怒られてしまった。そんな風にされている内にだんだんと意識がもうろうとし始め、俺は完全に無力化された状態で放置されてしまった。

するとそんな時、一人の少女が姿を現すと、男どもは一目散に逃げ出していった。

「大丈夫?」そう声をかけてくれる彼女の顔を見た俺は、見覚えがあることに気づく それはそう、俺をこの場所まで案内をしてくれた、可愛らしい女の子だったのである。だが今はそんなことよりも

「助かったよ。君がいなければ、俺はあいつらに酷い目にあっていただろう。ところで君はこんな場所になんで?」と そんなことを俺は彼女に尋ねると、どうにも彼女の方はここである依頼をこなしに来たみたいであった。それでたまたま 俺が、襲われそうになっているところを見つけて、救出するために行動に移ったのだとか そんなことを言ってきたのである。そんなことを聞かされた俺は、とりあえずは立ち上がってみると。体の方に異常がないことが確認できたので俺はすぐに

「俺はそろそろ帰らせてもらってもいいのかな?依頼の途中なんだよね。確か盗賊団を討伐して欲しいという内容の依頼を」

そう俺は、口にしたのであった。それに対して、目の前にいる人物は

「それなら私が代わりに依頼を達成してきましたよ」と、そんな言葉を聞いてきたので俺は思わず驚き

「そんなことが出来るもんなのか」と、そんな感想を述べてしまう。

「えぇ可能ですよ。私、一応こう見えても結構腕が立つんです。それに私のことを知らないという時点で、盗賊団もそこまで強くないことだけは、わかってしまいますから」と、そんな風に彼女は説明してくる

「それはすごいな。それでは早速だが俺は帰るとするか」そう口にすると俺が立ち上がろうとした瞬間。体が動かなくなってしまったのであった。一体何が起きたのかと思い、困惑をしていた俺であったが。その現象の正体はすぐにわかった。

「あなたはもう少し休んでいてください」

そう言われる

「しかし君に迷惑がかかると思うんだけど、これ以上はさすがに甘えることは出来ないぞ?俺の方だっていつまでもこんなところを一人でうろうろしているわけにはいかないしさぁ、さっきみたいな連中に絡まれるかもしれないし」

正直に言ってそういうリスクを考えればなおさらここに残る理由はないという結論に達した俺は その旨を彼女に伝えたのだがそれでも彼女が俺を連れていくと言うものだから、俺は素直に従うことにした。

そしてその道中の出来事である

「お前さんの名前はなんというんだ?それと年齢を教えて欲しい」俺はそう質問する。すると同時に彼女からは「そんなことが聞きたいんですか?私はエルと言います、年齢は13歳ですよ」と言ってくれたのだった。そしてその名前を聞くことによって

「そうか君があの有名なあの子の親戚だったりするのかい?」

そう言って俺が指差すと、彼女は首を横に振り

「いえ違いますけど?」と、そんな風に返されたのだった。まあその反応をみる限り、俺の考えは間違っていなかったようである

「なに?あの子が行方不明になって随分な時間が経つんだけどね。もしかしたらこの町に戻ってきてたりするんじゃないかと思って聞いたんだよ」

そう伝えるとその反応をみた彼女は少し考え込んだ後に

「もしかしてあなたが依頼を受けて助けようとしていた人って」その問いに対して

「まあそうだね。俺は彼女の両親に依頼を受けてね。それを果たすためにここまで来たんだ。だけどその途中で襲われて、俺はそのまま拘束されちまったんだけど」と、そんな話をしてから、俺達は、目的地にたどり着いた。それから俺は家に帰るなり そのままベッドで眠りについてしまう。すると不思議な夢をみることになってしまう。それは自分が知らない誰かと一緒にいるという。そんな夢の話

「ねぇどうしてそんな風にして寝ているの?起きなさいよ」と 誰かが俺の体に触れてくる。そんな感触を俺は味わっている 俺はその手の持ち主を探そうとして、体を必死に動かすのだが、全く体は動いてくれない

「ねぇ起きなさいってば」というそんな言葉を耳にした後に俺の目が覚める その瞳に写るのは

「ようやく起きたのね。おはよう、そしてお疲れ様。これで私はあなたとの契約を切ることにさせてもらうことにするわ」と 彼女は、俺にそう伝えてきた。

そんな風に彼女は言うと、突然俺にキスをしてきて。そして

「これからあなたには頑張ってもらわないいけないんだからね。私とあなたの子供を作ってくれるかしら?」とそんなことを口にしたのである。そんな発言を受けて俺は

「はい」と答えると、彼女と再びキスをしたのであった。それからしばらく俺は彼女との性行為を続けた結果 ついにその時が訪れたのだ。その結果、生まれたばかりの赤ちゃんを抱いて俺は涙していた。

するとそんな俺の元に彼女は現れる その姿を見ると彼女は 俺の腕の中に生まれたばかりの娘であるミリーのことを抱きしめながら「おめでとうございます。パパ」なんてことを言う そこで目がさめた。どうやら俺は長い時間眠ってしまっていたようで窓

「おぉよく帰ってきたな」

そう言われてしまった俺は苦笑いをしてしまうと そんなことを口にしてしまった相手は「そんな風に笑われるようなこと言ったか?」なんて言葉をかけてくるのだった。そしてその言葉に対して俺は

「なんでもないよ」なんていう風な言葉を返すのだが。

「そう言えばお前さんの連れが最近、依頼で忙しいってことらしいな。なんでそんな依頼受けてきたんだ?」なんて疑問に思われる。

確かにそう思うだろう。普通なら冒険者が、護衛の募集をしていない依頼を引き受けるなんていうのは基本的には無いのだから なので、俺はその理由を、ありのままに話すことにしたのである。そして俺の話が終わった直後に彼が口に

「へぇ~面白いな~お前も、そんなに楽しい旅が出来るなら俺も行きたかったぜ~なにせここ最近はずっと仕事漬けだからよ~」

そんな感じのことを彼は口にしたのであった。

俺が、そのことについて、彼に話しかけようと思っていた時に。急に外から扉が開かれる。

するとそこには一人の人物が立っていて。俺達の方に歩み寄ってくる。その姿を見て

「あぁあんたか、いや~今日は何日だ?いやそれよりも何か用事でもあるのか?」

なんてことを言い出す彼だが、そんな問いかけに対する相手の答えはこうだった その人物こそ俺達が会いに来ていた人だったのであり俺はそのことを思いだすと。改めて挨拶をすると共に依頼を達成したことを報告することにしたのである するとそれをきいた彼女は、「本当に達成してしまったとは驚きですね、お疲れ様です、まさか本当に盗賊団の討伐に成功されるとは正直思ってはいませんでしたから」と言われてしまう どうにも彼女は、依頼の完了を信じてくれなかったみたいでかなり驚いていたようだが。それでも無事に完了したのであるから問題はないはずであろうと考えてから俺は口を開くことにした まず依頼の内容を確認したところまでを話した俺は、それから盗賊団の

「いやー俺もお前の話が嘘だって疑ってはいないんだぜ。でも証拠を見せてくれるっていうのであれば、その言葉に乗ってやるよ。さすがにこのまま何も言わずに、帰らせるのもなんだか気が引けるし」と言われた俺は。依頼の証明になるものを取り出すと、すぐにそれを見せる すると

「ほほう」とか「ふむふむ」と呟く声を上げていく そんな彼女の言葉に耳を傾けながら、俺は彼女の質問に丁寧に答えていったのであった。

そうするとしばらくして彼女は

「とりあえず今回の件に関しては文句なしということで、報酬については後日ギルドで受け取るようにしてください」といってから この

「いやーそれにしても今回は、お前さんのおかげでいい稼ぎができたよ。礼を言わせてくれよ。いやまあ本当は、依頼の方にもっとお金をかけたかったんだけど、まあこれくらいで勘弁してくれ」そういってから、報酬金を支払ってから帰っていったのだった。

それから数日後のこと。俺が宿の部屋で暇をしている最中のことだった。突然に扉が開かれ

「失礼します。今少しよろしいでしょうか」

そんなことを言われた俺は「はい大丈夫ですよ」と言って部屋の中に招き入れることにしたのである。その客人というのが、前に依頼で知り合った女性なのだが 依頼で俺と面識のある彼女は、俺の顔を見るなり

「あの時は助かりました」

「ん?あぁ例の依頼の件のことかな」そんな会話を交わした後で

「それであなたにちょっとした頼みがあるんですけど。聞いてもらえますか?」そう尋ねられた俺はとりあえず内容だけを確認すると その話を聞く限りではその依頼の手伝いをして欲しいというものだったので、その言葉に従うことに決めて 彼女に言われるままに外に出てから目的地へと向かったのだった。

その道中では特に大きな問題も起きず順調に

「よし、ここです。それでは私は、先に戻っていますので後は任せました。あとこれがその証になります」

そう言って俺が、預かる形となると彼女はその場から消え去っていってしまう。それを見た俺は

(これは一体どういうことだ?)と考え込むことになるのだが。

それは仕方ないことだともいえよう なぜなら俺の前には一つの建物があったからである。そしてその建物を見て、俺は少し考えると。俺はその中に入ると そこにいた人物はこちらの姿に気づくなり近づいてきて、こんな言葉を発してくる

「やあやあよく来たね、歓迎するよ。私が今回、君を呼び出した張本人だよ」とそんな風に言われてしまうと、俺は

「それはありがとう。それであなたの目的はいったいなんでしょうかね?」なんて言葉を返していく。それに対して相手が答えてくれた内容は

「なぁにただの余興のようなものだと理解して貰えればいい。なぁに別に殺しあうわけではないんだから安心しろ」とそう言ったのだった。しかしそんな相手の言葉を聞いたところで俺が簡単に信用できるわけもなく

「なにか怪しい行動をとった場合には容赦無く殺す」とそう告げると、相手は笑うだけで俺を気にすることも無く

「君達はこの世界には興味がないのか?もしそうなのであるのならば、私はそんな者達に世界を好き勝手させるつもりは毛頭ないのでね。悪いがその力を封じさせてもらうぞ?」

「は?」思わず間抜けな反応を返してしまった俺だが、その直後に、体が思うように動かなくなる まるで体の動きが誰かに操られているかのような錯覚に陥りながらも必死に耐えようとした。だがそんな俺にさらなる追い打ちがかかる。目の前にいたはずの人間が突如消えたと思った次の瞬間には俺は意識を失ってしまいその場に崩れ落ちてしまったのだ。そしてその後で 目が覚めると俺は知らない場所のベットの上に寝かされていた 俺が目を開けて周囲を確認しようとするのだが体は何故か動いてくれない、そしてそんな状態の俺に対して

「やあようやく起きたかい」

「誰ですかあなた?」そんなことを口にしてしまった。だがそれも仕方ない。なにせ知らない人に自分の顔を覗き込まれているのだ、そんな

「おい!ふざけている場合か!」そんな声を耳にしてしまう。だが俺は「すいません、本当にわからないんですよ」と答えると

「はぁ~もうお前は黙ってろ、私の仕事が増える」と そして俺はその人物の手によってどこかに運ばれると、再び目が覚める頃には、別の場所に運びこまれている。そして再び俺は

「お前達の名前はなんという」なんて質問をされる。その問いに対して答えようとする俺であるが その言葉すら出てこない状態になっていた。そんな風に戸惑っている俺の態度を見ると 男はため息をつくとこう語りかけてくるのだった

「お前達が異世界から来たということは既にわかっているんだよ私はね、そこで一つ提案させてもらおう。なぁ~そっちが異世界からの転生者なんだろ?どうせなら仲良くしようじゃないか、そうだな友達としてだな」そんなことを伝えてきた相手に俺は何も言えないまま沈黙を続けるしかなかった。そしてそんな様子を見せている俺の様子を見かねたのだろうか?彼女は突然立ち上がると思いっきり蹴りを放ってきたのだ、「痛い!」ついそんな悲鳴を上げて

「おっ?やっと素直になったようだな、いや~私の話をちゃんと聞くとはいい心掛けをしている。どうだ?私の配下にならないか?」と聞かれてしまった俺は、正直何と答えれば良いのか判断がつかない状態だった。

そんなことを考えている俺に向かってその人は、さらに続けて言葉を発してきてしまう

「どうだお前達が、この世界に来れた理由ってのを聞かせてもらわないかな?」そんな言葉を受けて俺は 正直に話さない方が良かったかもと思えたが、隠してもどうせばれるだろうからと開きなおって話すことにした。俺達が何故この世界で生きられるかというと、この人が、何かをした結果だということを説明する そして説明が終わると同時に俺を拘束していた鎖は外れていく。すると俺は

「それで結局俺達に何かしたいのかな?」そう尋ねてみた。すると彼女は笑いながら

「そんなことはお前に言う必要は無い。まぁお前も、そのうち気がつくはずだ。今の自分はまだまだ弱い存在なのだと、そして強くなるためにもっと色々なものを見聞きして学んでいけ、それが生きる術になる」そんなことを言われてしまったので俺は、とりあえずその人を 見つめ返す。すると

「お前の気持ちが固まるまでは、何もしないから、ゆっくりと考えろ、じゃあ帰るわ」と言って彼女は帰っていくのだった。そうして残された俺と仲間たちであったが俺は これからどうするかを考える必要があった その翌日のことである 昨日の件について考えてみる。まずこの

「まぁいいや。お前さん達の話はよくわかったよ、でもなぁ本当にこっちで生きていくのか?俺としてはお前さんの事を、この世界の奴らに渡したとしても問題が無いような気はするんだけど、まぁでもお前さん達がそう望むのであれば止めはせんさ。でも、どうしても向こうに行きたいのであれば話は変わってくるがどうするよ?」

そんな言葉に

「俺は行きたくない」

「あたしも」と、仲間二人が口にすると、その言葉を聞いた男性は、残念だったなと言ってから立ち去ろうとする その男性に対して 俺は

「最後にあなたの名前を教えてもらえませんか?」と、問いかけた。すると

「ん?ああ名乗っていなかったか、俺はゼクトだよ」そういわれて 俺は

「覚えておきます」と答えた そんな感じで俺はその日を終えた。

あれから数日後のこと。俺はギルドにて 依頼の報告をしていた。その際に 俺に依頼を持ちかけて来た女性に 俺はこんな言葉を告げられたのである

「あなた方に依頼したいと思えるような仕事があればまた声をかけますのでよろしくお願いしますね」

それからというもの、俺のもとに、その女性が現れることは一度も無かった

「いやーまさか依頼を出す前よりも、依頼が成功するって、なかなかに面白い展開ですよね。さすがに今回ばかりは予想外ですよ」と俺の耳元で囁いて来たその

「あの~すいませ~ん、そこの彼女」俺はそう言って 彼女の耳元でそうつぶやくと その女性は驚いたように体をビクッとさせると俺のことを睨みつけてきました 俺はその瞳を見ながら 彼女に近づき 俺はその女性の耳元でささやく その言葉を聞いてその少女の瞳に一瞬動揺の色が見えるのを確認する それを見た俺は、少しだけ口角を上げると。

「少しお話ししません?」そんなことをその女性に尋ねることにしました そして 俺は彼女に「俺と一緒にお茶でも飲みにいきません?」と言って誘ってみると彼女は少しだけ困った顔を見せながら「申し訳ございません、今すぐに向かわなければならないところがありまして」と言われてしまう しかしそんな言葉を言われたくらいで俺が引き下がるはずもなく

「えっと実はですね。このあたりで美味しい甘味処があるんですけど、もしよろしかったら一緒に来ていただいたりとかできます?」

「えっ、それはいったいどういうことでしょうか?」そんな反応を見せる相手に対し 俺はこう伝えてみせる

「もちろんです。一緒に来てくれるだけで構わないですよ」と、そんな風に答えると彼女は戸惑いながらも「はいわかりました」と答えてくれたのであった。そして 俺と少女が二人で歩いている姿を見た周囲の人々は、二人に視線を向けてくる。

それも当然だ、なぜなら俺たち二人はかなり目立っているからである。その理由というのは 先

「ははははははは、やっぱり君は最高だよ!」なんて言葉を俺に向けてきたかと思うと、俺が持っていた袋を奪い取るかのようにして手に取ってしまう

「あっおい、それは大事なものだぞ。返してくれよ」

「嫌だ、返さないよ。だってそれは君の大事にするものじゃないよね」

「そりゃそうだが」

「うんうん、そうだよね。君にはもっと別のものを用意したから、それは僕が預かっておくからね」

「別にそれでも良いんだが。できれば返してもらえると嬉しいかな」

「駄目、これはもう僕の物だから」そういわれると 俺はもう何も言えなくなってしまった ちなみに俺が

「どうしてそこまで執着するんだ?俺にそんなに魅力を感じているのか?」なんて言葉を伝えると。

「うふ、そうそう僕はね。欲しい物は手に入れちゃうタイプなんだ。君みたいに強い人と戦えるなんて滅多にないことだと思うから、だからこそ僕は君と戦う権利を欲しくて仕方がないんだよ、まぁ無理かもしれないけれど、その時はその時に考えるとするさ。あぁ、そういえば今日はどこに連れていってくれるのかは決まっているの?」なんて言葉が返ってきた 俺達はとりあえず目的の店へと向かうことにする 俺達が向かった先には 最近人気が出てきているらしい茶屋が存在していた 俺はとりあえずその中に入ると 注文

「じゃあお姉さんはあんみつを一つ、そしてこの子はクリームあんみつを一つで、飲み物はコーヒーでいいかい?」

そんな俺の注文を聞いた店主は微笑むとその要望通りの物を準備してくれるようだ。だがここで俺は違和感を覚えていた

「なぁ?俺があんみつを頼んでいるときにクリームあんみつを用意している時点で気づいていると理解してほしいが。もしかお前も俺達と同じようにこちらの世界の人間ではないだろ?」俺の言葉にその女性は 笑顔を絶やすことは無かった

「なんのことやらわからないのですが?」と、そう口にしてきた それに対して俺は

「とぼけるなよ。俺はもうすでにこの世界で起きていることを知っている、その上でお前はここに来たってことだろ?」なんてことを言うと 目の前にいる女性はクスリと笑う

「ははははは、やはりそう言う事ですか、なるほど、つまり貴様も私と同じということですか、ならば仕方ありませんね、殺しましょうか」そんな風に言われてしまった俺は、とりあえずその相手の出方を伺う

「それで?なんのためにここに来たんだよ?」そう質問した俺にその人は「貴方を誘いに来ましたよ。一緒に楽しいことしていきませんか?」そう言ったかと思

「ふざけるなよ」と、俺は思わずそんな言葉を吐いていた。俺は目の前の人物に向かって 怒りの感情をぶつけた。それは当たり前だろう? 自分の事を道具のように扱われたのだから、俺にそんなことをしてくる相手に怒りを感じることは普通のことだろう?しかし、俺の発言に対してその人は笑っていた

「何笑ってやがる?」そんな言葉を相手にぶつけた俺であったがその人はまだ笑っているようだった。

そしてしばらくの時間が経

「いや~、すまないな、お前を怒らせようとわざとやらせて貰ったのだ、許せ。でも、そのおかげで私はあることが解ってとても良かったよ、ありがとう。では本題に入ろう、単刀直入に言うぞ、一緒に来ないか?」その問いかけは俺を誘ってくる その提案は正直受けたいと思っているのだが 仲間が居る手前で勝手に受けるのはまずいだろ 俺がそう思ってしまったからなのか 俺は返事をすることができずにいたのである。そんな様子を見かねたのか 彼女はこう俺に告げてきたのだった

「まぁお前に選択肢を与えていないのに いきなり答えを求めようとした私が悪かったな。ならどうするかはお前の自由にして良い、仲間も連れてきてもらって構わないから、とりあえず一度考えてみてくれ、どうだろうか」

俺の仲間も一緒に付いてくるのを許してくれたということは。少なくとも俺一人で行動しているよりも良い結果になると判断をしたからであろうか。

その人の話を聞きながらそんな風に考えていた俺であったが、俺はとりあえずその申し出を受けることにしたのである。

「あぁ俺がここに来てからも色々な事が起こっているってことを、教えてくれるってことか?」そう尋ねられたその人は俺のことを見据えると

「そういうことになる。さぁついてこい」そんな風に俺に対して言葉を向けて来た そして俺はその後ろについていく それからしばらくの間歩くと目的地に到着したようである

「なぁ、ここが一体何処かわかっているのか?」と俺が尋ねてみるとその人は 笑いながら「もちろんだ、お前だってこの場所のことを知っているんじゃないか?ほら見てみればいい」そういわれて俺は周囲を見渡すと、そこに見えた光景とは、見慣れない服装の人たちがそこには存在していたのだった そんな人々を見た俺に対してその女性はこう伝えてくる

「お前たちはどうにも他の世界に行かせたいみたいだったがな、どうやったら行けるようになるのか。それが分からなかったんだ。そこで考えた末にたどり着いた場所、それは『召喚魔法』というものだ。これはまぁ簡単に言えば。特定のものだけを呼び出したりすることのできる便利な魔法の力といった感じで説明することができるんだ。これを使ってお前たちをこちら側へ呼び寄せたというわけなんだが、これでわかってくれたか?」そう語る彼女の顔を見て俺は思う 彼女は何か隠し事をしてるように感じた そしてそんなことを思っていれば俺が思ったように、彼女は俺の考えていることを読み取ってくれたらしく。

「どうした。私になんかついているのか?」などと口に出してしまう始末である 俺は慌てて なんでもないと誤魔化そうとするが彼女は「遠慮しなくて良い」

「いや、別に隠すことでもないんだけどさ、その、ちょっと言いづらいかなとね」なんて言葉を俺が返すと

「はっはっは、何を今更気にする必要がある。それよりもさっきの話だが、私の頼みを受けてくれないか?頼む。この通りだ」なんて言って頭を深々と下げて俺達に頼んできた その行為に対し俺は

「頭をあげてくれ、そんなこと言われなくても俺達は一緒に行くつもりだったぜ」と伝える

「おぉ!そうなのかい?それじゃぁこれから仲良くしようか」

そして

「それで?俺はどうやって異世界に渡れるようにするんだよ」そんな俺の質問に対して

「それじゃあさっそく行こうじゃないか、向こうでまた落ち合うことにして」とそんなことを言ってきて 彼女は俺の目の前に立っていたかと思うと

「それじゃ、またあとで」とだけ伝えてきた その言葉の意味がわからなかったが俺はとりあえず転移させられる前に一言だけでもと口を開くと

「俺はお前が何者でなぜこの世界に現れたのかは分からないけど。もしお前に何かがあったとしても。俺と、この世界で一緒にいる仲間たちだけは、絶対に守ってみせる」と そんな

「うん。ありがと」そんな短い言葉が帰ってきたのであった。そんな会話を終えた俺達の身体が突然輝き始める その瞬間俺は「また会おう」と、彼女に言葉を送る 彼女はそんな俺を笑顔を浮かべたまま眺めていた その視線が、なぜか印象的に俺の心の中へと入ってくるのであった。そして その光は次第に収まり俺達は元の世界へと戻ってくる すると 俺は先程までのやりとりを思い浮かべてしまう

「俺が彼女を信頼してしまっている理由。それは彼女があの時俺に見せた笑顔が原因かもしれない。なんでかなんてわからない。ただ俺は彼女との約束を守らなければならない。それだけの想いが心の中で大きくなっていた」

俺達が戻ってきたときには

「あら?貴方達が帰ってきていたんですね。それにしてもよく無事に戻ってこれましたね、良かった」なんていう反応が返ってきたのだが、それはつまり俺たちは死んでいたということになるのだろう。

そのことについて聞いてみれば。その女性はこう口にする

「確かにあなた方の死体を確認していましたが、すぐに死体の処理をしてしまっていて、ですから。確認することが出来ませんでした。本当にすみません」と、その人がそんな風に伝える まぁそんなことだろうとは思っていた。だからこそ、俺には疑問がある

「俺が死んでからどれくらいの月日が経過したのか、教えて貰えるかな?」そんな質問をぶつけてみる その質問に対しては

「あぁそんなに経過していないですよ、貴方達が出て行って1時間ぐらいのところでしたから」

「そうか。でもあれからそんなには時間は経っていないんだね。とりあえず俺はもう寝させてもらうことにするよ」

俺の言葉を受けた彼女は

「ははは、そうですか。疲れているでしょうから、早く部屋に入って休んで下さいね。そして、明日こそは必ず成功させるのです。いいですね?」

「ああわかったよ。必ず俺があいつを連れて帰ってくる。だから心配せずに待っているとよい」

「はい。お願いしますよ。期待していますよ。私はここで待機をしているので用があればいつでも起こして頂いて構いませんので、ではゆっくりお休みになってくださいね」と言ってくれたので俺はその人に甘えてゆっくりと休むことにしたのだった 次の日の朝になった。今日はいよいよ魔王のところに向かう日となる まずは身支度を終わらせた俺は、仲間達を起こしに行くと。

「みんな、おはよう。昨晩はよく眠れたかな?」なんてことを尋ねてみると。全員が眠そうにしている中で。一名だけが目を輝かせており「ご主人様。私はとても気持ちよく目覚めることができています」なんて報告してくれた。それに対して そうかそうか。よかったなぁ

「そっかぁ。それなら俺の方も嬉しいな」なんて言葉を伝えると。

「私も、私も。凄く気分がスッキリとしています」と。

「それは何よりだ。よし!準備が終わったのなら早速出発をしようと思うが大丈夫だよな?」そんな問いかけを行う それに対して皆は、それぞれ俺に向けて「えぇ、勿論よ」「当然なのだー。だからもう行こうよ~。お姉ちゃんも待ってるだろうしさ!」「主の命であれば従うのみ、我もそのように思うぞ」などと口々に発言しているのが聞こえる なので

「分かった。それじゃぁ。出発するとするか」

俺達はその

「あぁそれと、君たち二人は先にここをでても構わないよ?そのほうが動きやすいだろうしね」

その言葉を俺は、彼女たちに伝えたのだが。

彼女からは、こんな返答が帰ってくるのだった

「いえ。私たちは一緒について行きますよ?私はご主人様に、最後まで付き従いますので」

そう答えてくれるのは有難いのだが、しかし

「そうは言ってくれるがな。俺の仲間である以上、あまり危険を伴うことは、なるべく避けて欲しいんだ。俺のせいで君たちが傷つくとかそんなことは俺は望んじゃいないからな。まぁ、どうしてもついてくるっていうのなら仕方ないけれどな」

俺の問いかけに対して少女の答えとしては、「うむ。まぁそれも致し方あるまいな。我がついて行くという事はそういうことなのであろう」などと言い出した。そんな様子を見ていた少年の方が口を開いている

「僕はそれでも付いて行くことにしましたから。だって、そうじゃないと、僕の存在意義が無くなっていましまいそうに感じるんですよね、ははは」と少し自虐的に呟いていたがそれを見ていたもう一人の仲間の女の子は「だとしても私は、私の決めた道を歩もうと思っているんですが。ダメでしょうか?」などと問いかけてくるのが聞こえたので俺は首を振ってその言葉を否定しておくのだけれども やはり俺としてはかなり不安だったりする そんなことを考えていれば俺達の身体はいつの間にか移動をしていたようで。気付けば目的地についていたらしい。

その風景を見てみれば大きな城のようなものが存在していたりしていてかなり賑やかな街となっているようだ そしてそんな街の中に存在する宿屋の一室で待つことになるのだが、そこの部屋で俺はふと窓の外の風景を見ながらこんなことを考えてしまっていたんだよね。

(この街にたどり着くまで随分な

「んっ、なんだ?なんか外が騒がしいな」なんて声をあげてしまった俺に対して、隣のベッドに座る女性は、こんな風に言ってくるのである

「あぁ。それに関しては私が説明しておきましょうか?」

「いや、俺が聞いておくから大丈夫だよ。それで一体外で何が起こっているのか分かるか?」そんな言葉が思わず俺の口から漏れていた そしてそんな俺に対して彼女は、そんな言葉を伝えてきた

「どうにもこの街の近くに、強力なモンスターが出現してしまったようです。それで今現在この国の兵士たちで対応に当たっているということなのですが、しかし。かなりの苦戦を強いられているようなんです。そんなことをすればいずれは力尽きてしまうのではないかと。それがこの国での現状であると考えられます。そしてこの事態の打開策を模索した結果。この世界に住まう住人達の中で特に強い者達をこちら側に呼ぶために、私達をこちらの世界に呼んだという流れになる訳です。その目的を果たす為に必要な条件は、この世界の人間には無い。別の力を持っていることで、それが今回呼ばれた人たちであるということ。つまり貴方達のことでもあるんですね。この世界の住民では勝てないものも。召喚者である貴方達の力を借りればどうにか倒せるのではないかと考えたのでしょう。」

なるほどなぁと、思いながら俺はこの女性が話していた内容を頭に叩き込んでいた。そして俺は「つまり。これからその化け物を俺達は討伐しに行かなくちゃいけないんだよな?」そんな質問を投げかけた するとそんな質問に対しての彼女の反応は。「はい、そうなるでしょうね。そして、貴方達二人ならばそのモンスターを倒すことも可能だと思いますので。頑張ってきて下さい」とのことだった。その言葉に対して俺は そんな話をされている最中に俺の隣に座っていた少女が 俺の耳元で「おい、お主」と声をかけてきた それに反応した俺は。その方へ視線を向けると。そこには何かを必死に伝えようとしている少女の姿があったのだった。俺はそれを見て

「何か言いたいことがあって。話しかけてきたってことだろ?」そんな言葉を伝えたのだが その質問に対しての答えとしては、ただ一つだけだった

「お主に。伝えておかねばならぬ事がある。あの時の会話を、思い出すのだ。そうしなければ恐らくだが、この先の戦いは厳しくなるものだと考えてくれ。それだけは伝えておきたかったからな」

そんな

「うん、わかった。とりあえず、伝えてくれたって事だけで俺は十分に助かるよ。ありがとう」と俺は感謝を口にする そして 俺の言葉を受けた少女の方は嬉しそうにしている そこで会話は終了したと思った俺はそのまま会話を終了して寝ることにしようと決めていた

「よし。とりあえず寝るとするか」と、その言葉で 俺は眠りについた すると、不思議な感覚に襲われていたのだった

「んっ、なんなんだ?この夢」

そこに広がっていた光景といえば、森の中のような場所であった

「なんでこんなところに」なんて言葉をつい口にしてしまうのだが

「それは、貴様が一番理解できているはずだ」なんていう、謎の男の声が頭の中に響く

「それは、そうだが。俺は、お前を知らないはずなのに。なんで、俺の事を。俺のことを全て知っているかのような言い方を?」そんな言葉を俺が発するのと同時に俺の目の前にはその男が立っていた そいつは一言で表すとするなら 黒髪で顔には眼鏡を掛けていて服装には黒いジャケットとズボンを身につけている。

その外見だけを見ると明らかに普通の人間には見えなかった 俺はその男を睨みつけながらも質問をぶつけていくことにする

「お前は、何者だ?」そう問いかけてみれば。そいつは答えてくる

「何者と聞かれた所で答えることはできるのだが。しかしあえて答えないという手段を取らせてもらうことにしようか」そう言った後、彼は俺の方に手を差し伸べてきたのだ その行動に疑問を覚えた俺は「どういうつもりだ」と言う言葉をぶつけてみた所それに対してはその男は「いやぁ別に意味は無いんだけどね」と返答してきた 何がやりたいんだ?こいつはと思いつつさらに言葉を放つことにしておくことにしたんだよね ただやっぱり相手の真意が全く掴めないせいでどう動くべきなのかの判断が難しいところではあるが。それでも何とかしないと何も変わらないってことはわかっているわけだしと自分に言い聞かせ

「それじゃぁこっちが聞き出せなかったら。俺はここから出て行っても良いのか?」なんて言葉を吐き出してみれば。その返答とは「いやいやまいったな。俺だって、このままじゃ面白くないんだよね。だから俺を退屈させないでくれよ?」そんな言葉だった しかしここで黙り込んでいるだけでは相手に対しての不信感だけが膨らんでいくばかりなのは目に見えた結果であるのでここは覚悟を決めるしかないだろうと俺は思った そして俺は言葉を発する

「それなら俺を。あんたの言う面白いと思わせれるだけの奴にさせてみせる。俺がもしそうすることができたのなら俺を自由にしてくれ。それでいいんだな?」と 俺の問いに対する男の答えとは

「あぁ構わないよ。そうしてくれるのならね。だから、早く強くなってくれないかな?」という何とも軽い感じの内容のものであって、俺としてもそんな簡単に強くなれるものでもない

「それならさ。俺が強くなっていく過程を見守れよ」そう告げると共に俺の身体は覚醒していった 目を覚まして最初に目に飛び込んできたものは、やはりというかなんというか 昨晩も見たことがある風景が広がっているのだった。そんな状況を確認しながら俺は自分の隣に眠っている少女の方へと手を触れて「あぁ良かった、まだここにいてくれるよ」と、安心している自分に気付いた そして

「ご主人さま。おはようございます。よく眠られましたか?」

「ああ。ちゃんと眠れてるし。ちゃんとした睡眠が取れるなら俺は満足だよ。それより今日こそモンスターを倒しに行こうか」

「はい、分かりました。ご主人様のお望み通りに、私達が戦うことでこの国の平和を守り抜くことに繋がるのですから頑張りましょうね」と、そんなことを言ってくる彼女 そんな彼女に対して俺は、少しの違和感を覚える そういえば、俺は彼女の

「えぇと、君は、誰?」そんなことを呟いてみて それからしばらくして「はぁ、私は一体何を忘れているのですか。この私が、記憶を失ってしまうだなんてことが」などと言っている彼女を見ていると。どうやら完全に忘れられてしまった訳ではないようで一安心できた そんな様子を見せている少女を横目に俺達は部屋を出るのである 宿から出た俺は街の中心にある広場を目指して歩いていたのだがそんな道中に一人の人物と出会う 金髪のポニーテールをした女の子なのだが、見た目からでもかなり強そうな

「おっ?こんなところで人に会うことになるとかマジでついてるわー私ついてるんじゃね!?だってこの街にはもう誰も居ないだろうと思っていたし!」なんてことを言ってる彼女はかなり元気があり余っているように思えるなと感想を抱いていたんだが。その後すぐに「あっ?私ったら名乗りもせずにこんな話し方をしてたら流石に不味いか。一応自己紹介はしておくべきかな?」なんてことを言うのを聞いている限り悪い人では無さそうな雰囲気である なので俺はその女性に向かって名前を訪ねてみると「うむ。それならば名乗らない訳にもいかんか」と言った後に続けてこう言ってくるのだった。

「我の名はアテシアだ。そして今は一人で旅をしている。ちなみに今現在の目的は特に無いな。ただ気ままにあちこちの街を渡り歩いている最中だ」とそんな言葉を残して俺の視界からは姿を消してしまうのである そしてそれと同時に。後ろの扉から現れた女性は、俺の背中に勢い良くぶつかってきたのだった その衝撃によって俺は前のめりになってしまうので。倒れそうになったところを必死に踏ん張ろうとしていた。そしてそんな俺を助けてくれた人物は俺の手を引いて支えてくれていた

「全く。いきなり前を向いて走り出したりしたら危ないと。あれほど教えたじゃないか」と、そんな声が聞こえてきたので。俺はその声の持ち主の顔を確認する するとそこにいたのは。昨日、一緒に行動することになったあの女性である

「すまない。だがあの女は」とそこまで言葉にして、俺はある事実に気づいた そういえば彼女は俺のことを忘れていると言っていたことを思い出し、俺が「君は、覚えていないんだな」と言うと。

彼女は首を傾げながら

「何のことだ?お前とは、初対面だと思うぞ」と口にした そんな彼女の反応を見た俺に対して彼女は「ふむ、私の事を知っているようだったのだが。お前の勘違いか?いや、それはそれでおかしな話だな。私の記憶に間違いが無いのならば。お前は間違いなく初対面のはずなのだが」とそんなことを口にしていた そんな二人の会話に割り込んで来たのは例の少女であった。「お二方共仲がよろしいようですね。お二人のような方が仲良くなっている光景を見ることができてとても嬉しく思います」なんて言葉を投げ掛けてくる少女 それに対して俺が「まぁ。それなりに長い付き合いになるかも知れませんので、お互いに認め合える存在になっておきたいですので」

俺が

「そんな、他人行儀な態度を取らなくても良いのではないでしょうか?」そんな言葉を投げ掛けるのとほぼ同時に少女は「それもそうでしたね。すみませんでした。ご主人さまと呼ばせてください」と口にしてしまっていた そして

「はっ、そう言えば」と、少女は言葉を発してから俺に話しかけてきたのだ

「そうですよ。貴方は。私達の目的を果たすための大事な駒の一つなのです。その事についての説明が遅くなってしまい。申し訳ありません」と言う言葉を聞いた俺は、この子はいったい何を言っているんだと疑問を覚えながらも、それでも話を遮るのはよろしくないので、俺はそのまま聞く姿勢を取ることにした すると

「では。簡単にお話しさせて頂きます。これからの未来。つまり。この世界を救うためにご主人様にはこの国の首都にまで出向いていただく必要があります。しかしそれは容易なことではありません。なぜならこの国の周辺には多くのモンスターが存在しているため。首都まで向かう前にご主人様は死ぬ可能性が高くなり得るからなのです。そこで」そこで少女は言葉を切って

「そこで私は考えたのです。どうすれば。この世界での死亡を防ぐことが出来るのか。と。そして、思いついた答えとは、仲間の存在。仲間を作ることが、生存確率を高めるのに最適な方法だという答えに行き着きました。なのでご主人様には。仲間を一人。作っていただきたいと考えています。その相手とは私自身であり。この少女の二人ですが。まず。この二人はすでに。ある程度の信頼関係を築き上げることに成功していると言っても過言ではないと思いますので。どうか私達の目的の為にも。是非ともこの二人が仲間になることを許可して貰えないでしょうか?」なんて言葉を言い終えてから、俺の方を見つめて来ている しかし、ここで俺は考えないといけないと思った。何故なら俺の目的は、元の世界に戻れるかどうかを探す為の行動だからである

「いや、しかし。君たちは俺が記憶を失っていることを知らないからそんな提案をして来るかもしれないけれど、俺の本当の目的を知ってしまった時点で。そんな話は通用しない。それにだ、そもそも君たちだけで。どうやって俺を守っていくつもりだったのか教えてほしい」と俺は言葉を返すのと同時に少女のことを見つめたのだが。それに対しては。

その少女は何も言葉を返してこず。それどころか「ご主人様。私と、アテシア様を。どうなさるかをお決め下さい」なんてことを言ってくるので。ここで、この子たちが俺に付いて来て。もしもこの国が滅びてしまったら元も子もない そんなことは絶対に許せない だから俺は彼女に対して

「君たちと。俺は行動を共にすることなんてできないよ。俺にとって大切な人は。この世界の人たちだから」

俺の言葉を聞いた少女に対して俺は「それに俺がこの国の人達の味方で無くなった場合、それこそ俺が君の期待に応えられる保証がないだろ?」なんてことを言い放つと

「なるほど。それで、貴方が私たちの仲間にならずに、この街に残ろうという選択をした場合なんですけど。私たちはこの国から離れて次の目的地へと移動することになります」そう告げた少女の声色は。先程とは少し違っていて。真剣な表情を俺に見せつけて「それだと、貴方に生き残るチャンスは無くなってしまうわけですが。それで、本当に良いのですか?私はそれを望んではいませんよ。だって私はまだ。貴方が、どのような能力を所持していて、どんなスキルを持っていて。そして、どれ程のステータス値を持っているか把握出来ていませんからね」なんて言葉を放つ少女 俺がどうしたものかと悩んでいた時だった。そんな彼女の手を引いた人物がいた アテシアと呼ばれる女性で、金髪の長い髪をした。いかにも活発そうな女の子 その女の子に腕を引っ張られたせいで体勢を崩

「おい、私と勝負しろ。お前が、その男がどれほどの力を持った人間なのか私に見極めさせてくれ。そうすれば私も納得出来るだろう」

俺がその声を聞いて、後ろを振り向いてみるが。そこに立っている女の子の顔を見て、思わず目を大きく開いてしまうことになる そこには昨日俺と共に行動を共にしてくれた。あのアテシアと名乗る女の子の姿

「なんだよ?私が何かおかしな事を言ったか?」

「あ、いや、別におかしくないさ、ただ。その顔でその喋り方をされるのに慣れなくてな」俺としては正直な気持ちを伝える 俺の発言を受けた少女が

「なにを言うか!これでも十分可愛らしいと思うんだけどなー私は!」そんな風に、笑顔を見せて言ってから

「さっきの話の続きなんだが。どうだろうか?もちろん。これはあくまでもお願いであって。命令とかそういうものでは無いから断ってくれても構わんぞ」

その問いかけに、俺がどのように返答すべきか考えていた時だった。俺はある事を思い出す

「なぁ、一つだけ聞きたいことがあるんだが。この街に居る間。あの宿屋は無料で利用することが出来るって話を聞いてな。俺が泊まるはずだった部屋はどうなったんだ?」と、そう言うと、彼女はすぐに

「それはもう問題無く使用できる状態になってるはずだ。ちなみにだが。この宿に宿泊する代金についてもタダになっているはずだ」

俺の問いに対して、彼女が即答してくれたことに、感謝をしながら「なぁ。君に名前を教えて欲しいんだが。俺も、君の名前を呼んだ方が良いんだろう?俺は、白夜。それで、そちらの女の子の方が、レイラちゃんだったかな?それで」俺がそんなことを尋ねている途中で、その女性は大きく息を吸い込んだ後

「そうか、お前は、私の名前が知りたかったのか。だが、残念だったな、名前を聞くにはもっと相応しい言葉が。この世にはあると。私は知っているぞ」

「いや、そんなこと知らないし、知っていても教えてくれなくてもどっちでも良いわ」と俺は素

「なにぃ!!そんな言い方はないんじゃないか!?普通にショックだぞ。私の名前は、そうだな。じゃあ。仮に名前を聞かれたとしても。答える気が起きなかったから適当に答えさせてもらおう。私はな。その昔。とある場所で出会った奴の事を好きになって。それでな。まぁそいつの事を好きになって色々とアプローチをかけてみたが。見事に振られてしまい、その結果。私は、自分の力の全てを失った。だがそれでも私は諦めきれなかったんだ。だがそんな私の想いなど。お前は知る由もないのだ。私の正体すらな」そう口にする彼女に対して俺はこう返した

「はっ、何が言いたいかさっぱりわからんが」俺はそう口にしてから、目の前に立つ女性の目をしっかりと見て

「お前みたいな奴は。どうせロクでもない理由があるはずなんじゃないのか?例えばお前の場合はアレだ。お前は過去に失恋を経験をしてそれを引きずっているとか、もしくは自分に魅力を感じていなかったから、誰かに告白されても付き合えないから」そこまで言葉を口にしてから一呼吸おいて「いや、やっぱり違うか、もし本当にそうならば、俺にこんな話をしたりしないはずだもんな。だからお前はきっと過去なんか引きずってはいないんじゃないのか?」

俺の質問に対する返事

「いや、そんなことないさ。確かに私は過去の事を忘れていた訳ではないが。それを引きずり過ぎて生きている。だから今の私は。とても幸せだよ」

そんな言葉を返して きた彼女の顔はとても眩しく感じられて しまった。だからこそ俺は。俺の中で、一つの決心を固めることにしたのだ。この子たちの仲間になってしまえば、俺は、もしかしたらこの世界から抜け出すことが出来るかもしれないと考えたからだ しかし、この子が嘘を言っている可能性もあり得る そう考えながら、この子達の話に乗るかどうか迷っていたのだが。そこで、この少女は言葉を続けてくる

「まぁまぁご主人様。あまりお悩みにならなくとも大丈夫ですから。このアテシア様にお任せください。このお方が。この世界でどのように生きるべきか。そして。これから先。どう生きていくのかを。このお方は既に理解しているのでしょうから」

彼女は、笑顔で、自信満々な態度を取り続けている少女に対して、俺は

「君達は俺の本当の目的を知っているのにどうして仲間にしようなんて言えるんだよ。だっておかしいだろ?それなら。君達だけで動いた方がいいじゃないか」そんな疑問に対して、その女性は笑顔を浮かべてから「ふむ。どうやらご主人様は勘違いをしているようですね」と言ってきて

「私達の目的は、この国を救うこと。この国に住んでいる方達を助けていくこと。それだけですよ」その言葉は どこかで耳にしたことが有る気がしたが。それよりも俺は別の言葉の方に反応を示さないといけなくなってしまった

「いや、それはちょっと待って欲しいな。君たちは、今。この国が、どんな状況に陥っているかも知らないだろ?」と、俺が尋ねると

「ああ、そう言えばまだ説明していなかったね。ご主人様には全てを知る権利が有りますもの」そう言った彼女の口角が釣り上がって から 俺はこの子たちがこの国に訪れて来る前に何をしていたか 俺は、彼女たちから聞かされた話を整理していこうと思っている 彼女から聞いた話では まず最初に。アテシアと呼ばれる女性が、この国の周辺に存在する魔族の住処である森に一人で出向いて。そこで魔王軍に所属していると思われる魔物と戦っていた時のことだった アテシアが倒した

「くそ、また失敗だ。一体どういうことだ。私のスキルの力が完全に封じられているではないか」なんてことを言うアテシアに近付いて来たのが 彼女の幼馴染だという存在の女の子 その二人は一緒に行動するようになり それから数年の月日が流れた頃。突如として現れた巨大な力を持つ化け物により国が滅ぼされてしまったのだという話を俺は聞いていた。

そして現在

「アテシア殿」そう声を掛けてきた人物の外見的特徴についてだが。その人物は全身黒ずくめの服を着ており、黒い仮面をつけているので顔を確認することは出来ない ただ声が明らかに若い男の声であることから恐らく男性なのだと推測をすることが出来た そんなことを考えている間に、その青年はアテシアの側に寄り添うと耳元

「少しよろしいでしょうか?」と尋ねてくると アテシアと呼ばれたその女性は何も答えないまま 無言で小さく首を振るのみの反応を返したのだと言う

「分かりました、それでは早速、この場を退散しましょうか」と、その男は口にすると「こちらに来られる際に利用した馬車は。先ほど盗賊の者達に襲われていましたが。問題なく救出することは出来たので、とりあえずはその点については安心していて下さい。それでは」

そして二人の気配がその場から消えた直後。

「あ、あれ?私ってば何をやってるんだろう?確かアテシアに呼び出されたような記憶が残ってるんだけど」と、そんな風に口にしながらアテシアが戻って来たらしく、俺に向かって「あ!ようやく戻ってきたの?遅いよもう!」なんて言葉をぶつけてくる。

その光景を見て俺が思った感想と言えば、その少女に対して俺はなんて声を掛けるべきなのだろうか?そんな事を考えていたのだが。ここで一つ思い出して欲しいことがあるんだ 俺はそもそも。その二人によって。この世界に連れてこられたんだよな?なんてことを考えると。俺は「あのさ。一つだけ聞かせてくれよ」なんてことを言い放つと その言葉を受けた少女が首を傾げて

「え?私に何か聞きたいことでもあるの?」と、そんなことを言われてしまう。

俺はその質問の内容を伝えるために「お前ら二人が俺のことを呼びつけたんだろ?なんの目的が合ってなのか知らないけど、でもまぁ。取り敢えずは話くらいは聞いてもいいぞ」

俺のそんな言葉を受けてからそのアテシアは俺のことを真っ直ぐ見つめながら「あ!やっとまともに会話が出来るようになってくれたんだね!」なんて言って笑顔を見せてくれると。隣に立つ謎の男が

「そういえばまだ名前を教えていなかったので教えておくことにすると。俺の名前は」と、そこまで言葉を続けた瞬間。突然の頭痛に見舞われる 俺がその場に倒れそうになると

「おっと。いきなり頭を抱え始めるとは。流石に驚きを隠しきれませんね。ただ」と口にした後。すぐに少女の方へと目線をやりながら

「この者の名前は既に知っておるはずです。何故なら貴方は俺と同じように。俺がここに連れてきている人間の名前も知っておるはずなのですから。それこそ俺の名前を聞いた段階ですぐに気づくはずです」その男は そう言うと。続けてこう告げてきたのだ お前に名前を呼ばれた時に私はすぐに理解したはずだ 私が知っている奴の名前に似ているなと。だからこそ

「まぁ、そんな話は置いておきまして。私は、お前がこの世界に居る限り、ずっとお前と共に行動させて頂こうと思っています」そう言い放ってくると俺に対して「それでですね、ご主人様」と、言葉を紡いでくる この世界のどこかには。異世界召喚をすることの出来る装置が存在するのだろう。だからこそ俺はこの

「ご主人様。この世界での暮らしに。早く馴染んでくれることを期待していおりますから」

そんな声が聞こえた直後に

「なぁ、君は俺の名前を呼んでいる訳だけれども。なんで俺の名前がわかるのに名前を呼ぼうとするのか全く分からない」俺がそう伝えると「んー。そうだなぁ。私は、まぁなんだ。お前と一緒にいることになるんだから。名前くらいは教えておいてやらないと不味いだろ?」

彼女はそう口にしてくるのだが

「いや。別にそこまではしてくれなくても良いんだけれど。まぁ一応名前を教えてもらえると助かる」

「私は。アテシアだ。よろしく頼むぞ」と、少女はそう口にするのだが、正直俺は彼女の名前が本名ではないという確信を抱いていたので「それって本当?俺に気を使わずに本当の事を教えて欲しいんだけど」なんてことを口にしてみる そんな言葉を投げ掛けてみると「な、なんでお前って奴は。そんなに簡単に心を見抜くことが出来てしまうのに」と言い始めたので 俺がその言葉を口にしようとすると

「そうそう。その事についてなのだが。お前のステータスに私と同じ力があるのだな。これはどういうことなのだろうな」

俺の言葉を遮って彼女はそう口にしてから「それでさ、私にも、同じ力が欲しいんだけど。どうにか出来ないかな?」

彼女が

「俺の力になりたいって?」と、疑問を抱くように言葉を放つと

「そうだよ。なにせ、今のままじゃ私は何も役に立てないし、それにさ。今のこの国の状態を見たら。どう考えたって。あいつが関わっていそうな感じじゃないか。だとしたら。私達二人で何とかしてあげないといけないだろ?」彼女の表情からは、本気でそう思っているというのが感じ取れてしまった 俺はそんな彼女を見て「分かった。それなら協力してもらう事にしよう」そう伝えてから 俺は 彼女の方へ歩み寄って行く 俺は「な、何で近付いて来るの?や、やめてよね!?」と。彼女の身体に触れ

「ちょっと痛いかもだけど我慢しろよ」なんてことを俺は口にしながら彼女の頭に手を触れることにした その次の瞬間だったと思う。俺の視界の中に変化が起きたのだ?それは 真っ暗に染まりつつある空を眺めていた時の話になる。その時にふと感じた違和感があったのだが、しかしそれは特に気にするような事でも無いと思っていたのだが 俺の手に触れたその少女は「ひぅ!あ!あんまり変なことしない方が良いんだかんねぇ!いいんちょは恥ずかしいんだかりゃ!」そんな反応をされてしまうのだがそれでも俺は手を止めることなく動かし続ける するとそこで不思議な感覚に襲われたわけだ?まるで脳に直接電流が流れているようなそんな刺激を感じたかと思えばその直後には視界に変化が訪れ

「あれ?ここって?確かさっきまで学校に行ってた気がするのに?どうなってんだこれ?」俺がそう口にすると俺の横で目を閉じてぐったりしている彼女の姿を見つけることが出来たので「おい。どうしたんだよ一体?こんなところで何やってんだよ」

俺は彼女に声をかけてみたが返答は無かったので仕方なく彼女の頭を叩いて起こすことにした。すると

「いった~いなぁ、ちょっと。もう少し優しく起こしてくれたとしても良かったんじゃないの?それに、この格好は。どうなっているんだよぉ」とか言い出したのだ

「この服装?確かにちょっと変わった格好だよな」俺は自分の身に起きている異変に戸惑いを覚えて

「ま、いいや。取り敢えずさっさとこの場所から抜け出すとしますかね。って、そう言えばここはどこなんだよ。俺が最後に居た場所と違うっぽいんだけれども」

そんなことを口にしていると「あれ?どうしてこんな場所に来ちゃったんだろう?ってかこの子は?見たことが無い顔立ちをしてるんだけど?」そんな事を言ってきた。

俺はその言葉を聞いて「え?もしかして俺のこと知らないの?嘘、マジか。なんか悲しくなってきた」そんな風に思いつつも。俺は「とりあえずこの部屋から出たほうが良くないか?なんつーかこの部屋に何か嫌な気配を感じるんだよな」と、そんな風に呟く すると

「うー。なに言ってるの?」と言われてしまう

「なに?どうかしたの?」俺がそんな言葉を口にすると同時に「うん。君たち。ここで何をやってたんだい?」と、扉が開かれてしまったのだ。そこに立っていた存在の姿形を確認する 見た目としては、20代後半から30代の男性に見える容姿をしていた 俺はそんな人物を見ながら警戒心を露にする。すると

「ああ、大丈夫だよ。別に僕は君の敵ではないから。だからその武器をしまってくれるかい?そうした方が話しやすいだろうしね」そんなことを言い始める。そしてそのまま 俺の方に歩いてきて俺の顔をまじまじと見てくる

「やっぱりね。間違いなかったか。でもまさか。彼が僕の世界に来ていたとはね、それもあんな形でね」

彼はそんな言葉を俺に向かって投げかけてくるのだが。俺は彼の言葉の意味が良く分からなかったので、それを問いただすことにすることにする 俺がそう口にしたところ。彼、この世界の魔王が その言葉を受けてからすぐに 俺のことを見つめたままで

「それじゃあ、とりあえずさ。自己紹介をしちゃおうか。僕の名前は。レイナだ。気軽に呼んでくれても構わないよ。さて、まずは、さっきの言葉に対して、どんな答えを出すつもりなのか。教えてくれると嬉しいんだけど」と、その男はそう言ったのだ。

そんな言葉を聞いた後に俺は考えることにする。

俺が元いた場所で。俺は何をしていて。俺はいつの間に、この見知らぬ場所にきてしまっていたのかを そう考えた時。俺は思い出してしまった。確か俺の住んでいた町が襲撃されたのだ。俺はその最中に殺されそうになって。

そんな俺を助けてくれた存在が 目の前の。この男によく似ているような

「お前が俺のことを救けてくれたんだろ?お前に良く似ている人が俺のことを襲ってきて、それで、お前に似た奴に助けられる夢を見てたんだ。あの時はありがとうな。それと、ごめんな。あの人に殺されるところまで見届けられなくて。本当にごめん」

俺がそう言葉にして謝ろうとすると。その男性は首を横に振り「いや、あれについてはこちらの不注意でもある。あの場でお前に危害を加えようとしていた者達を排除しようとしてたのだが、その結果がお前の死を招くことになった。申し訳なく思っている」

「俺が死んだ原因を知っている?」と、俺がその言葉に反応して質問をする

「知っているさ。俺のせいだって言うのなら。その原因を説明してくれないか?」

俺がそう尋ねると

「お前には俺の眷属になってもらおうと思っている。俺に力を貸してくれると言うのであれば。お前の望みも叶うはずなのだが」その男性、魔王は俺にそんなことを口にしてくる 俺が黙っているとその男性が「それともお前は別の世界に帰りたい。そういう事を望んでいるのか?」なんてことを言い出してきたので「そうだなぁ。正直言って俺に何が起こったのかよく分かってない状態なんだ。だからさ。少し時間を貰っても良いだろうか?俺はこれからこの世界で生きて行こうと思うんだ。だからこそ、この世界のことも、色々と知っていく必要があるだろ?その為に時間が必要だって思ってる」

「そうか、まぁ、お前がそう望むのならば、仕方がないのか。それに、この世界で俺の邪魔をしたお前は。既に俺にとっての特別な人間になってしまったからな。どうやら、俺はお前と縁があるようだ。だからこそ俺は。お前の願いを聞き入れることにした。それくらいで良いだろう」

俺は彼に言われて、改めて考えてみる。俺はこの人について行ったら。どうなるのだろうと

「俺はあんたと一緒について行っても良いのかな?」そう伝えると「まぁな、それに。今の俺にはお前以外には興味は無いのでな」なんて言葉を返してくるのだった。

「は?今なんて?」

俺は、聞き間違えでなければ、とんでもない発言を受けた様な気がしたので

「な、なんでもないよ?それよりも、だ。俺について行きたいと願っているのなら。その前に、お前を召喚した。あの馬鹿娘を見つけ出さないとな」

「え?もしかしなくても。この子のことですか?なんでまたこんなところに居るんだろうな?そもそもここは何処なんだ」

俺はそんなことを呟いてしまう すると「あ、あなた。誰なの?さっきから私の身体に触りまくって!何するつもりだったの?!」そんなことを口走って いきなり攻撃しようとしてくる

「おい、何してるんだ?危ないだろうが」俺は咄嵯に攻撃を防いでしまうのだが「お兄さん!こいつは、この人は!悪い奴なの!早く退治しないと!みんな死んじゃうの!」そんな言葉が飛んでくるのである そんな状況の中で俺は考え込むようにしながら「なるほどな、つまり君は異世界からの転移者ってことだろ?」そんな言葉を投げ掛けると「そうだけど?なに?それがなにか関係あるの?」

俺は彼女の反応を確認してから

「じゃ、取り敢えず。ここから出るとしよう。ここの空気が悪いし」と、口にしたのだ。そして俺は、そんな彼女を連れてその場を移動していくことになるのだ そうこうして俺達は部屋を出てから外に出ると。そこは湖が一望出来る高台のような場所になっているようで そこには 沢山の人たちが集まっている 俺がそんな場所に足を踏み入れると同時に その人達の中から 一人の女性が現れて「ようやく。戻って来たか?全くだ、私がどれだけ苦労をしたことか」などと声をかけてきたのだが

「貴様!俺を裏切っただけではなく!我が息子までも手に掛けようとするとは!この罪は大きいぞ!この場で俺が裁いてやろう!」と、叫びながら 武器を構えたままで走り寄って来ている しかし俺はそこで、彼女が俺達の方に攻撃を仕掛けようとした時に「待て、その男は俺のものだ。だから殺すな。それから、その娘の事も見逃してくれて感謝している。だからもう何も手出しをすることは許さない」

「ふざけるな!そいつは、お前の息子を殺そうとしたんだ。そんな危険分子を生かしておくわけにはいかない。俺は、そんな奴を許しては置けない!」と、口にした すると「だからお前は。いつまでたっても。そんなだから。あいつらに足元を掬われるんだ。そんなのだから」

そんな風に口にしている間に 彼女は武器を取り落としてしまい「嘘。そんなわけが、私は、どうして?だって、貴方にそんなこと言われたら、従うしか無いじゃないの。お願い、何でもいうことを聞かせて、私を、あなたの、好きなようにして良いから」と そう口にし始めたのだ 俺はそんな二人を見やりながら

「え?一体なんなの?え?なんで?なんでこの子って、こんなにも、弱気になってるんだよ」と そんなことを考えてしまう 俺の隣にいる存在、この国の王様

「さてと、お前たち、俺はこの国を納める存在になったわけだが、何か俺に頼み事などはあったりするのかね?さすがにこの国に居座ることになってしまうとは思わなかったからな。少し、俺の方としても。困ったことが有るのだよ。出来ればその解決に力を貸してもらいたいと思っているんだが。どうだろうか?」と そう伝えてくる。俺は「それじゃ、その問題というのを聞いてみないことには答えられませんね。だから教えてくれますか?」そう伝える

「うむ、分かった。実は最近な。魔族共が活発に動いているらしくてな。そいつらが我が国に対してちょっかいを出してくるようになったのが原因なんだよ。だから、それを何とかしたいんだが」そんな風に言ってくる その言葉を耳にしてから

「分かりました。そういう事でしたら俺に任せてもらえませんか?その問題を解決する方法を考え出してきますから」俺が、そういうと。その人は「ああ、よろしく頼む」と言ってきたので「任せてください」そう口にしていた。

さて、と、まずは俺自身の力の確認から始めよう。

ステータスは見れないみたいだし 俺のステータス確認は、この世界に存在している。鑑定系のスキルを持っている人の協力が必要らしい。まぁ、それでも、レベルさえ上げていれば。どうにかできるとは言われたけど ちなみにこの世界に存在して居る種族には、人間と呼ばれる生き物

「お前さん。人間なんだろ?それで間違いは無いはずだよな?」と、目の前の男性にそう言われて 俺はその言葉を受けて「はい。間違いはありませんよ」と答えておく。

俺はそう答えて 自分の姿形をしっかりと見ていく この男性。年齢は40代くらいで、身長が170センチ位。

髪の毛は短めであり、黒髪である。

顔は、美形で、髭が生えているが、あまり手入れ

「そんなことは、どうでも良かったな。お前さん。これから先な、この世界で生活していくうえで。絶対に守らないといけないことがあってな」

そう男性が口を開いてきたのだ 俺はそんな男性の顔を眺めながら「はい。それで。その、注意点とかはあるんですか」と、言葉にして問いかけた

「おう。俺の言葉をよく聞くんだぜ? まずは、この世界では、人間って奴が。お前が思っている以上に弱い立場にある」と、男性はそう言って 説明を続けてくれる

「お前さんの故郷には。人間以外も。当然、人間と同じで生活を営んでいる訳だが、ここではそうも行かない。人間は人間同士殺し合う。他の生物を殺し合い、自分達の生活環境を良くしようとしている訳だが。それの繰り返しが、ずっと続いている。それの何が駄目だって?」と、そんなことを言って 俺の返事を待ってくれていた。

俺は「はい。その質問に対する回答として 俺は、こう思いました。

確かに、この世界の人達からしてみたら、それは間違っていない考え方なんだと思います。

だって。そうしなければ生きていくことが、できないから。ですが、それを繰り返してしまうと、いずれ。この世界は終わってしまいかねないですよね?だから」と、そんなことを俺は伝える

「なるほど、だから。俺は最初に言ったんだがな。人間なんて。大した力を持ってないんだ。だから、自分以外の生き物を殺して、生きていこうだなんて考えるなよって」そんな風に俺に告げてきたのだった。

そして彼は続けて「人間っていう生き物はな。自分が生きる為なら、平気で他人を傷つけたりもする。だから、そんな奴らの為に戦うなよ。そんな奴らの味方にならなくていいから。もしも。俺の話を聞くことが出来ないと言うのなら。今すぐに俺の前から去ってくれ」

そんな言葉を告げられたの

「それってどういう意味なの?」

そう問いかけてみると、 男は笑い出した

「そのままの意味だな」

俺は男に、 その男の話を素直に受け止めて その日を 終えることにする 翌朝になると、俺は、外に出てから空を 眺める為に 屋根の上へと登っていくと そこには 俺のことを睨みつける 女の姿がある 俺がその女に視線を向けると同時に「なにか用なのか?俺の顔を見つめてくるだけなら。俺からは何もしないが。何か用があるのならば 話ぐらいは聞こうじゃないか」と、話しかけてくるので

「な、なんだよ。そんなに警戒した表情でこちらを見てきて、俺が何をしたっていうんだ?ただ、空を見上げているだけだぞ?それにしても凄い星が見えるんだな」そんなことを口走っていたのだが。すると彼女は、いきなり攻撃を仕掛けてきた。なので咄嵯に対応できてしまった。それから少しの間は、戦闘が続いてしまうのだが。俺は彼女の動きを止めることに成功すると。

彼女に向かって「なんなんだ一体?いきなり攻撃をしかけてきて」そんな疑問をぶつけると彼女はいきなり地面に座り込んでしまった。それから俺はそんな彼女を放置するわけにもいかないのである程度距離を開けた場所に腰をおろすと、彼女に言葉を投げ掛けてみる

「さて、落ち着いたところで本題に入ろうか。君はどうして俺に対して攻撃してきたんだ?」そう伝えると彼女は

「うぅ。私の命が狙われててね。このままだと私死んじゃうんだけど。助けてほしいの!」

そう言うので俺はとりあえず詳しい事情を確認することにしたのだ なんでも彼女は俺よりも年上の女性なのだそうだ この国の姫様をしているそうで。

この国に住まう人たちの中では、かなり偉い位置に存在するらしいのだが。しかし最近は、とある事件のせいで国中がピリついているそうなのだ ただ、俺は「それが、なんなのか?詳しく聞いてみても良いかな?もしかしたら協力出来るかもしれないから」と、そんな風に提案してみるのだが、それに対して女性は少し迷ったような様子を見せるのだが。そこで俺は女性の手に目線を向けながら、その手を取る

「え?ちょっと、なんなの?いきなりこんな事されちゃって。私どうすれば良いの?」困惑している そんな様子がよく見て取れる

「うん?何をしているのか。気になるの?」と、俺はそんな感じに声を掛けると、「気にならないわけが無いじゃない」そんな言葉を口にしてくれた

「じゃあ、説明するから。その耳をしっかりと貸しておくれ。君を救えるかどうかは分からないけれど、少しでも力になれればって思っているんだ」そう伝えた後に 女性がうなずいた 俺はそれを確認し終えたら、それからしばらくの間 彼女の体を触ったりしながら、体の状態を確認させてもらっている。

そしてその結果としては 彼女の体には異常は無く、本当に怪我なども

「さてと、そろそろ君の身に起きている問題についての説明をしてくれるかい?それと、どうして君はあんな場所で襲われることになったんだい?その理由を教えてくれないかな?俺は別に怒るわけじゃないんだが。君を襲った相手が、どうして、俺達の家にまで来ていたんだろうかって思うんだ」

「そういえば貴方って私を襲ってきた相手を倒して、私を守ってくれたんだっけ?それでね、私ってさっき貴方にも伝えていた通りでさ。もう殺されそうなのよね」と

「ああ、そうだな。俺もなんとなくは分かっているさ。だから俺もこうして協力してやっているわけだしな。でも、さすがにこのまま殺されるのを待つわけにはいかないだろう?俺は、この世界を救いたいと思っているわけだしな」と 俺なりにそう答えてやる。すると彼女が「えっと、それってさ、貴方に一体どんなメリットが存在するの?」と、そんな事を聞いてきたので

「メリットは存在しているさ。まずは、そうだな。俺には、この世界を変えたいと思う目的が存在していて。そのために力が必要だ。だけど今のこの世界では俺の力じゃ足りないと思っている。それどころかこの世界を変えようと思っている存在に対して、この世界に住む人間達が邪魔をしてきている状況なんだ。そんな現状だから。俺は君が助けを求めているからこそ、俺自身の力をしっかりと証明したうえで、俺の目的に協力して欲しいんだ。そうすれば俺の事を信頼してくれると思ってさ。それに、この世界に存在している。君みたいな人間がさ、これから先、どんどん増えていってしまうのは、嫌なことなんだよ。だからこそ。俺はそんな状況を何とかするために動いているんだよ」と、 そんな説明をしてみせると 俺の言葉を聞き終えると「なにそれ?変な人だなぁ」と言いながら微笑んでいたのだった それからしばらくの時間が経過する。

この世界に訪れている危機についての詳細をある程度理解してから その

「それなら、なおさら早く何とかしないとダメだろ」と口にした そこで私は

「うん。それは私も分かってるつもりなんだ。だってこの国は、もう既に、その危険に呑み込まれて行っちゃっててね。もう。私なんかで対処できる範囲を軽く超えてるからさ」そんな風に答えた。

「そういっても、どうしようもないんじゃないか?そもそも。あの国が滅びてしまうことに関してだが」と俺は口にしてみると、「え?滅ぶ?そんなことは、ありえないはずよ!だってお父様には私が付いていてあげるんだもの」とかそんな風に伝えてくるが。しかしそれでも俺は構わず言葉を続けていくのだ。なぜなら俺は

「そうは言われてもな、でも現にこの国は、そんな事態に陥っているじゃないか?だったら。どうにかする方法なんて存在しないんじゃないか?」そんな言葉を告げると「それって。あんたがどうにかできないの?」とか「それってつまり、貴方が私の敵になれば解決するってことなの?」そんな言葉を俺に浴びせかけてきた

「そんなに慌てたって仕方がないじゃないか。まだ、その時は訪れていない訳だし。まずは俺の話し相手にでもなってくれ。そんなに急いだところで何かが進展することは無いから」そう俺は言い切ってから「それよりも、だ。君は一体どこで寝泊まりしていたんだ?まさかこの家のどこかに隠れ住んでいたりするんじゃないだろな?」

そんな言葉を女性に問いかけてみる そう問いかけてから 少しの間が過ぎてしまう 女性は、何かを考えるように下を向いて黙り込んでしまうと

「ねえ?それなんだけどさ。もしも良かったら。今日から、ここの二階の部屋を使ってもいいかしら?お願いしたいことがあるの。もし、許してもらえるなら。貴方が使っている部屋のとなりがいいんだけど。どうかしら?あとね、できれば、そこのお部屋を使わせて欲しいの。ほら、あそこの部分。あそこは私にとって一番落ち着けるところなの。それにさ、なんだか不思議な感覚で。とても居心地が良さそうに見えるから」そんな風に口にした。

「なんだよ?また、突然、おかしなこと言うな。まあ、べつに、かまわないけどさ。俺のほうとしても、そんな場所があった方が助かるわけだからな。俺が使ってる部屋にはベットとテーブルしかないが、君は問題無いのかな?」

俺の問い掛けに対し、 女性は笑顔を浮かべながら「うん。ありがとう。それじゃあお世話になります。そうだ!せっかく同じ建物の中に暮らしているわけですし。私と一緒にご飯食べましょう!」

それから食事の時間になった 彼女は

「これ。すごく美味しいですね。貴方がいつもこれを食べて育ってきたって、そういう事なんですか?だとしたら。これは私にとっても、ありがたい食べ物ですよね。今までずっと我慢してきたので」そう言って俺に笑みを向けたので 俺は「まぁ、君が気に入らないなら 俺が作ろうか?一応、俺も料理人をしていてな。ある程度の物なら作れるぞ。なんなら。料理の仕方を少し教えてくれ」

俺の発言を聞いた瞬間に 彼女は「へぇ。あなたって料理人をしているんですか?だったら是非、ご教授いただきたいところなんですよね。それでなんだけどさ。今度からは一緒に、その、ご飯食べたいな。駄目でしょうか?」そんなことを口走った そんなことを口走っている彼女の様子を見てみると「うぅ。どうしてなのか、わからないのに。涙が出てきちゃうんだよ」そんな事を彼女は口走っていた そんな彼女のことを見つめながら

「なにか悲しいことがあったのかい?」

そう質問してみると「どうして、かな?どうしてだろうね?」そう答えた後に、さらに続けて「でもね。不思議と、あなたの顔を見つめていると、心が落ち着くんだよ。きっと、貴方のことを信用しても大丈夫なんだと思える。なぜか分からないけれどね。でもね。なんだかね。こんな気持ちは初めてかもしれない。貴方が側にいてくれると嬉しいなって、そんな気がするんだよね」と、そんな事を言っている。それからしばらくしてから彼女は眠ってしまい。そのまま眠りについた。

「そういや、俺はこの子のことを助けに来たんだよな?でも。助けるのは、俺の役目ではないのかも。なんというかな。もっとこうさ、彼女にふさわしい人物が現れるべきじゃないのかな?って。俺は思ってしまった。なんでこんな事を考えてしまったんだろうな。俺はこの子には幸せになって欲しい。俺の手で彼女を救ってあげたいと思っているのに。なぜなんだろうな」とそんな風に考えてしまっていて。そして、 俺自身も彼女と一緒の時間に 幸せな気分になれてしまっている事に、ふと気づくと。その時にはすでに。彼女には この世界に訪れつつある危険が迫っていることを 俺は忘れかけていたのだ。そうすると俺は焦るように行動を起こしていた。

俺の行動の理由。

それは俺の使命を果たすためであり。この

「さすがは、勇者様!やはりこの国の危機に気づいておいでなのですな」

そんな声を耳にした俺なんだけど。そこで 俺はこの国の王が俺に話しかけてきた この人は俺の知り合いなのだが。俺は この人のことはあまり好きでは無かったりする。というのも。

この人は

「勇者さまには私の娘を妻に迎えてもらいたく。それで今回、私は この話をさせていただいたのでございます」と、 そんな言葉を告げてきたので。そこで俺は「ああ、そうだな。君の娘さんとは仲良くさせてもらったこともあるからな」と答えた後で

「悪いんだが、君の娘さんをもらうことはできないよ。だって俺は君の娘である君を あまり好きじゃないみたいだからな」そう伝えると「そう、ですか」と言い残すと 悲しげ

「ああ。君が俺のことを大切にしてくれているのはわかるよ。だからこそ俺は。この世界に存在している。俺を必要としている存在に力を貸すことを選んだ。そして 俺は君に力を与えることができない。でもさ。だからこそ俺は、君の願いを聞き届けてあげるつもりなんだ」と、そう俺は伝えてやる。そこで王は嬉しそうにしていたので 俺は王のために力を尽くすことに決めた。だから俺はこの王の頼みを聞くことに決める。

この国の王との謁見が終わった後で俺は「なあ、君が本当に望んでいることは一体何なんだ?」そんな風な疑問を投げかけてみたんだ。すると「この国が無事に平和になれば良いと。そんなことを考えているだけなんだがな」とそんな

「なあ。君には大切な家族がいるだろ?それって。絶対に失って欲しくないものだろ?でも、それが壊れてしまうかもしれないとしたらどうする?それでも君は自分の娘の命を救うことを優先するのか?俺は君に娘が死んでしまった時の苦しみを与えたくない。それくらいなら、いっそ俺に殺されることを選んでほしいと思っている。それでも俺は、 君の願いを聞き入れることができる。この世界は。まだ終わっちゃいない。まだまだ続くはずなのに 俺はここで立ち止まっていいのだろうか?俺はまだ動けるはずじゃないか?」

そんな問いかけを 俺はしたのであった。

俺は王に対して、その問いをぶつけるのだが。その返答として王は

「私にとって。一番大切なものなんて、とうの昔に決まっているのだ。だから。それを、守りぬくことが私の願いだ。私だって死にたくはないさ。だがな、 それでも。お前ならなんとかできるのではないか?」そんな言葉を俺に投げかけてきた。それに対して俺は「そうか。でもな。この世界で生き続ける限り。

君は死ねないことだけは確かだと俺は思う。もし 俺の力では解決できなかったら、その時は、どうか頼むから この国に危機が訪れた時は俺のところに訪ねてきてくれ。必ず解決して見せるから。それじゃ」そう言葉を残して 俺はその場を去った。そうやって城から去って行った俺は 自分の屋敷に戻ると そこで、俺に 救いを求めに この屋敷を訪れた女性がいた 彼女は、その身が危険な状態であることを知りながらも 必死

「貴方様に、お願いがあります。どうか私の話を聞いてください。お願いいたします。貴方様にお願いすることで、私の目的が果たされようとしているんです。私と一緒に逃げてください。そうして 二人だけで暮らしていきましょう。きっと幸せになれるはずです」そんな事を言ってきた 俺はその申し出を受けることに決めてから 二人で逃げることを決意 俺達が逃げた先に

「貴方の傍にいるために、この私が、貴方を守る為に戦う」

そう宣言する女性が居たのだった

「ねえ、もしもの話なんだけどさ。もしも、私達の住んでいる場所の近くにモンスターの大群が押し寄せて来た時があったとするじゃん?その時にさ?私達で何とかできないような相手だったらさ。あなたは戦ってくれるかしら?私を守るために、 どんな状況でも 私を守ってくれる?」そんな風に尋ねてくる彼女の質問を受けてから 俺は「まあ、そうなった時に考えるよ」そんな曖昧な返事をしておくことにした すると、俺のその答えを聞いた彼女は「ふふっ。なるほどね」と意味深に呟いて笑っていた。

「貴方なら そう言うと思っていましたよ」と彼女は口にしていたので

「まあ、そうかもな」そんな適当な相槌をしてみたりなんかして。そして 俺達は二人で町の中を見て回ったりしてみるが。俺には少し、町の様子がいつもと違っているように感じられた

「なあ、少しおかしくないか?この辺りには、あんなに強い奴はいないはずだったはずだが。あれはなんなんだ?」

俺のそんな疑問に 彼女が「多分だけど。あいつが近くに現れたんじゃない?」と、指差した方向を確認してみると そこには「おお、あれは。確かに強い個体かもしれないが。今の私にとっては、さほど驚異ではないようだ」と

「なぁ。君はどうして俺のことを信頼してくれているんだい?君みたいな女の子に、こんなことを言うのも変なのかもしれないけど。でも。どうして俺を信用しようと思ったんだい?それに。どうして俺が勇者だと知っているんだい?俺は君のことを信用しても大丈夫なのかい?俺はこの世界のことを知らないんだ。

もしかしたら。何か俺には知らされていない重要な秘密があるのかな」と、そう尋ねる俺に対して彼女は「うーん。そう言われてもね。困ってしまうんだけど。そうか。私は そんなにも貴方のことを信じていたって事なのか。それと どうして私は貴方の事を 最初から 信じられているのだろう?」とそんな事を口にしたので 俺はその彼女のことを見つめた後に 彼女

「うぅ。なんだろうね。なんなんだろうな」そんなことを彼女は言っている そんな彼女を見つめながら

「そうか。君はそういう人間なのか。だから俺のことを信じてくれると、そういう訳なのか」そう口にして

「わかったよ。君のために俺はこの力を使って見せよう。俺は、君のために全力で戦う」

俺は彼女を救うために戦いを決意した そこで彼女は嬉しそうに「ありがとね。でもさ、無理はしないで欲しいんだよ。あなたはきっと優しいからさ。だから、誰かを助けようとしてしまうんだよ。そうでしょ?」そう彼女は問いかけてきたが

「そうだね。きっとそうだ。俺が俺らしくあるため、俺はこの世界に訪れてしまった問題を解決するために。君を助けるよ」と俺はそう彼女に言い切ったのだ。すると 彼女も笑顔で「私は、そんな貴方を信じる」と言ってくれたので。俺もそんな彼女に笑顔を向けると お互いに手をつなぐことになった。そして そんな俺達に向かって、この国の王からの使いの人が俺に手紙を渡してくれた。それは王の娘との結婚を認めるという内容の手紙だったので俺はそれを読んだ後で「ああ、これは君のお父さんからの招待状なんだな」という結論に至ったのだ。そして俺は 彼女の父である王に会いに行くことを決めたのである。

そうして王の元へと赴いた俺は王の娘と結婚したのであるが。王の娘である彼女の母と俺の父はどうやら知り合い同士であり。

「お前が結婚か~、なんだが複雑な気持ちだな」「おいおい親父が情けないぞ」といったやりとりが行われていたりしたのであったが 王は嬉しそうであったのでよしとしたのであった。それからは王はずっと上機嫌であり続けていて、「今日は良い日だ!祝勝会をしなければ!皆の者宴の準備をするが良い!はっはっは!」などと楽しそうにはしゃいでいる王様の姿を眺めながら酒盛りをしていたのだがそこで、俺はあることに気がついて「ああそうだそうだ。あんたが大切に守ってきた娘さんと結婚させていただきましたからその報告だけはさせてもらいますよ。これでいいですかね?」と言ったところ、その一言で王の態度が変わる 俺の言葉を受けて

「そうだな。娘も喜んでいるようで安心したよ。だが一つだけ確認したいことがある。もしもあの時、俺が娘の命を奪ってでもお前の力を借りることを望んだ場合、本当に、そうしたのだろうか?」

「なあ。そんなくだらないことで悩むな。俺は、自分の好きな女一人のために命をかけることができる男なんだぜ?俺はそこまで甘くはないさ。俺はただ単純に。あんたのために戦おうと思っているだけのことだ」俺はそんな言葉を返したのだった そんなやり取りの後 王の娘である彼女と結婚式を挙げた俺だったが王との約束通り国を守る為

「俺は君のために力を使い続けていく。それが例え。俺の命を奪うようなことであったとしても、な」そんな言葉を呟いたのであった。そうしてから俺と妻は王の元へと向かったのだ。王との面会を果たして俺は、そのあとで妻とともに、この世界を救えるようにと旅を続けて行くことに決める。そしてその途中で俺が出会った女性とは 彼女はどうやらこの国に忍び込んで

「この国は俺が守る」そんなことを宣言していた暗殺者であった。彼女は、自分の存在を知ってなお受け入れてくれたことに感激し そして、その日から、俺に懐いてしまうことになる そうしてしばらくの間 俺はこの国の王女と結婚し続けていたりすることになるわけなのだが。俺が結婚した相手が

「私の名前は。ルミアっていうんだ。あなたの奥さんの、お姉ちゃんになるんだよ」なんて言葉を聞いた俺は驚いてしまい。

俺はその事実を聞かされた直後「へえぇ!?俺に義理の妹ができてしまうってことなのかな?そうなんだ」とか口にしながら困惑したりしてしまったのだが そうして その少女は。「よろしく。私達の未来の王子様」そう言葉を残し去って行ったのであった 俺は。この世界を救うべく、この世界に訪れたのだから当然な流れではあった 俺は異世界召喚に巻き込まれてしまっており 俺は、勇者だ。そう呼ばれており そのせいで俺は、俺が巻き込まれたこの世界において、俺が主人公なのではないかと勘違いしてしまいそうになることもある。けれど、やはり俺は、主人公であることはありえない。俺はそんなことを考えながらも「俺は俺の為に戦うしかないのか」そんな言葉を口にして。これから訪れるはずの脅威に備えて準備を始めた。まずは情報収集を行いつつ仲間を探そうと行動を開始した

「私は貴方の剣となり盾となることを誓います。どうか私に命令をください」

「私の主が貴方であればよかったのに」

「俺の名はレイ。お前の事はしっかりと守ってみせるからな」

「私が貴方のお傍にいます。貴方の味方です。だから貴方も、どうか私を受け入れてください」

「俺の力が貴方の役に立つのならば、喜んで力を貸すことにする」

俺の嫁と義姉妹がこんなにも多いのに。ハーレムができない。なぜだ?そう言えばこの世界には奴隷制度が存在していたのだったか?だとしたら。この子達が俺の妻であることは。奴隷を買ったと解釈することも出来るのではないのかな?

「私達を買ってくださった旦那様には。絶対に幸せになってもらいたいんです。私達は全員、貴方のものになります」そんな事を言ってくる彼女たちに対して俺は苦笑いを浮かべると「そうか。俺は君達の事を守っていくよ。必ず幸せにするよ」と口にすることにした。そんな風に言ってくれる彼女らと過ごし始めて数日。そんな生活の中 俺と、彼女は出会ってしまった 俺は彼女に一目惚れをして 彼女は俺に優しくしてくれたので。

そして そんな俺と彼女の関係は、やがて家族へと変わっていき いつしか、彼女と一緒に暮らすようになっていった 俺はそんな彼女を守るため 彼女を愛し続けると決めた そうして俺は、魔王を打倒することを目標に掲げた 俺は彼女の事を守るために 戦い続けると決意した 俺が

「俺が 貴女を守り通して見せるからな」そう言った 彼女は、嬉しそうにはにかんで

「ありがとう。あなたは、私のことが大切なんだね」

「当たり前だよ。俺にとって、君は誰よりも、大切で、大好きなんだから」

「そうか。なら。仕方がないよね」そんな言葉と共に彼女は微笑みかけてくれるので 俺は彼女から視線をそらしてしまう 彼女は、俺のことを、心から信頼してくれているようだ 俺の全ては、彼女に捧げるために存在する 俺には彼女以外には何も必要のないのだから 俺の全てを捧げても きっと、それでも、俺は、まだ足りないのだろうな だから俺は

「君を決して傷つけることの出来ない俺のことを。俺を信頼してくれると嬉しいな」

彼女は笑顔を見せてくれながら「もちろんだとも」と答えてくれたのだ。

「ああそうだ。私は君を愛しているよ。この想いを伝えることが出来なくて辛い思いをしているけどね」俺はその言葉で 思わず顔を見てしまったのである。するとそこには笑顔の彼女がいるので俺は 俺は、そんな彼女のことを抱きしめた 彼女の笑顔を見て 胸の奥で何かが大きく脈打っているのを感じる 俺は 俺は、彼女が好きだ。そう実感した。そうやって、彼女の顔を眺めていた俺の顔の前に彼女は自らの顔を近付けてきて 俺のことを抱き寄せてきたのである。そして 彼女の

「私だって。私だって」そんな言葉を耳にしたことで

「君にこの気持ちが届いているだけで十分だ。君へのこの気持ちは、何があっても変わらない」と

「うん」と嬉しそうにはにかむ彼女と、しばらくの時間を過ごすことになったのであった。その後、俺は彼女と二人で買い物に出かけたりすることになった。そして俺は彼女とデートをした。そうすることで俺はより一層彼女にのめり込んでいくことになり そうして彼女に惹かれていった俺は、彼女と二人きりの時に「君と一緒なら、俺は何をしても楽しいんだと思う」「私は君と出会えてとても幸せなんだよ。そう、私は、君のおかげで、今はとても幸せなんだよ」俺は、彼女に向けてそんな告白をしてしまう

「俺は君の事が好きなんだ。本当に」と すると、俺は彼女にキスされたので そのまましばらくの間、見つめ合ったままに時間を過ごしたのだった。それからしばらくして「もうすぐ私は君のもとから離れなければならなくなる。けれどそれは。きっと、いつか、君の元に戻ってこれる時が来ると信じていて、だから今は。別れを告げるのをやめておきましょう」そんな彼女の言葉を耳にしたので、俺は、何も言わずに、ただ、ただ、静かに彼女の言葉を待ち続けることにしたのである。そうしてしばらくの間が過ぎ去り、俺は。彼女の話を聞いて。その時に感じたのは、怒りであった。俺は、彼女の話を遮ってでも、彼女のことを離さないようにして、ずっと一緒に

「ごめんなさい」

俺は そんな謝罪の言葉が聞こえたことで、我に返ることになった

「ごめん。ごめんよ。君には迷惑をかけたくなかったから。本当はすぐに会いに行こうと思ったんだ。だけど私にも立場がある。だから、少しだけ我慢してほしいんだ。私はまた君に会うために戻ってくるから。待っていて欲しい」と泣きそうな声で言われてしまったので俺は、黙って彼女を抱きしめたのであった。

俺の目の前には

「ねえ貴方、私はどうしたら良いんだろう?」なんて問いかける女性が居る。俺はそんな彼女にこう答えることにした。

「そうだな。俺は俺にできることは何でもやるつもりだ。ただ、そうだな。俺は俺のやりたいことを優先させる。それだけは忘れないでくれ」俺がそう告げた途端に女性は涙を流す。

俺はその女性のことを強く抱き寄せると「俺は絶対に帰ってくる。その時には俺の妻となってくれないだろうか」と告げた。そうして

「ああ、ああ。そうだね。わかった。その時まで待つことにします」

俺は、妻を連れて帰るために 俺の帰りを待っていてもらうために。俺は戦うことにした。俺のために戦おうと誓ってくれた女性を一人置いて俺は この世界を救うための戦いを始めようと決意する。俺がまず最初に目指した場所は、この国の王がいるであろう場所である。俺は、俺自身の力を王に見せつけてやらなければならないのだ。王を納得させることによって俺は王の力を借りる事に成功し。そうしてこの世界を平和に導くことが出来るように行動を始めるの

「俺には愛する人が居る。だから、俺は彼女を守るために戦うんだ」と俺はそう口にして この国を救う為 この国に住む人達を救う為 俺は戦い続けることを決意する 俺が守りたいと思っている人はこの国では一番上の人間であり この国では一番上の存在なのだ。だからこの国の王がどれだけ強くても関係ない。俺は、俺の意思を貫くだけだ。そうして、王に戦いを挑んだ俺は、あっさりと負けて そのあとに王は俺に提案を持ちかけてくる この国に忠誠を誓う気はないか、と。だがしかし 俺にとってはそんな事は関係が無いことでしかなかった 俺の目的はこの世界に召喚されてしまったこの国の人を救うことであるからだ。だからこそ俺はそんな提案に乗る

「私も君を気に入った。だから、君は私の息子だと思って接することにしよう。だからこれからは遠慮せずに甘えてほしい」そんな言葉をかけてもらえたので、俺の願いを聞き入れてくれることになったので 俺が仕えるのはこの世界そのものということになるわけだ 俺に力を貸してくれそうな人間は大勢いた

「僕はお前が好きだ。この世界でのお前は僕の弟分みたいな存在でいて欲しい。だから僕の傍にいるべきだ」とか「私は貴女を守る。私にとって大切な貴女の幸せを私が守る為に私は貴方に手を貸すことを決意した」そんなことを言ってくれる仲間もいる

「私の力はお兄ちゃんの為に使うから」と妹のように接してくれる奴もいた 俺を弟扱いしてくる連中の中には俺を利用しようとする奴も居たりするのだが 俺は俺の為に動いてくれたあいつらを信じる そう決めたので

「私はあなたを信じています。ですから貴方も、どうか私を。私の家族達を受け入れてくださいませんか」俺に、そう言葉を投げかけてくる女性に対して俺はこう答える

「俺はお前の家族を受け入れることにする。この世界は俺にとって大切だ。俺の命を賭けても守るべきものだと思ってしまった」そう言うと彼女は嬉しそうにはにかんで

「なら良かったです。ありがとうございます」と

「俺は絶対に守れるだけの力を身につけるぞ。この世界を脅かすものが現れても対処出来るくらいに強くならないとお話にならない」と俺は口にしてみる。そうすれば、俺の仲間達は皆が揃って笑顔を見せてくれたので俺は思わず微笑みをこぼしてしまった。俺を信頼してくれる彼女達を守るために。そして、彼女を安心させるために。そうやって俺は、彼女を守るための力をつけ続けるのであった。そうやって日々を過ごす俺の元にある日一人の男が現れる。そして、そんな男が俺の前に現れたことで

「初めまして。レイ君、君とは初対面になるね」と言われてしまうのだが、それが誰なのかはすぐにわかることになる。そして、俺のことをよく知る

「まさか、貴女が、俺の所に来るなんてな。俺としては嬉しい限りなんだが」

そんな風に俺は目の前の女性に言ってみせると

「それは、こちらのセリフなんだけどね。まあ、君がこの世界に留まってくれると言うなら。私としてはそれでいいんだよ。そうそう。君はこの世界の勇者になっちゃったみたいだから。君は私の娘達の事を守って欲しいの。私と、あの子達はね。もう二度と離れることの無いような関係でいたいと、そう願っているから。そのために、お願いできないかな?私は娘達のことを心から愛しているから」そんな事を言われると俺は断ることができなくなってしまったので

「俺の嫁さんもみんな強い。そして可愛い女の子ばっかりでな。だから俺が守らないとダメなんだろうな。この世界の平和も」俺がそんな言葉を紡いでいくと、俺の母親を名乗るこの人物は笑顔を見せながら「それなら大丈夫ね。君はとても強い。それは、私が保証するわ。それにしてもね、君はやっぱり。優しい男の子だった。私なんかじゃなくて。他の子が君の本当のお母さんになってあげられたらよかったのにね」

俺はそんなことを言う目の前の人物に、なんて答えればいいのかがわからないでいる

「さっき言った通りだよ。君がこの世界を救えるのであれば。この世界を救った後に、私と、娘の誰かと夫婦にしてくれればそれで良いの。別に私は君が望まないのに結婚を迫ったりするつもりは無いのよ?」そう告げられたところで俺は、彼女のことが心配になり声をかけることにする

「俺はあんたと一緒に居られるだけで満足なんだが」と、そう告げると 彼女は嬉しそうに「うん。そうだよね。うんうん。君は本当に、とても優しくて良い息子を持って、本当に私は嬉しくて仕方がないの。私は君を息子のように接しているし。そして君のことが好きだけど。でもね。君の奥さんの事も私は大好きだし。君のことも好きになってしまったから。これはきっと、君と、そして、君のお友達の二人が悪いんだよ?」と、俺が聞き捨てなら無いことを言い出してしまう

「君には感謝しているし尊敬をしているの。だからそんな、私は君ともっと親密な関係を築きたいなーなんて思っていたりするわけですよ」なんて言葉が続けさまに出てくるが。それでも俺は「それはちょっと待ってくれないか」と言って

「どうして?君はとても強くて格好良くて素敵なのに。そんな君とならきっと、私は幸せになれると思うの」

「そうじゃないんだ。確かに俺だってこの世界で暮らしていく中で、色んな人と触れ合う機会に恵まれてきたわけだが。その中でも特に俺と仲良くしてくれた奴が三人居るんだ。そんな、俺に懐いてくれている三人の娘がいる。そいつらを守り抜く為に俺は。俺はこっちの世界に残るつもりは無いんだ。俺の大切な人達を危険な目に合わせたくないから」

俺がそういうと

「私は君と家族になりたいって思う。私にとっても大切な家族で。私にも子供がいるから、私は。その子達が私を必要としてくれるように私もこの世界を。君に必要とされたい」と。

そんな、まるで愛の告白のようなことを言われたが 俺は「俺は俺の力でこの世界を救うと誓った。だから俺は、そんなに簡単に死ぬつもりはないんだ。俺は俺の手で幸せにすると決めている相手が居る。俺は俺のためにこの世界を平和にすることに決めたんだ」そう、はっきりと告げたのだ。

そんな言葉を俺にぶつけてくる目の前の女性は

「私の想いを聞いても尚、その答えを出してくるのね。流石、私の自慢の息子なだけはある」と、少し悲しそうな顔をしながら告げてくるが。俺が何も言えないでいると「なら、君がその誓いを果たし終わったその時に。また会えたらその時に改めて。私との話を前向きに取り扱ってくれないかしら」と言われたので

「ああ、そうだな。もしその時にまた、お互いに生きていればその時には、もう一度俺の嫁に来てもらえないだろうか」俺がそう口にすると

「わかったわ。約束します」

そんな感じのやり取りがあったのだ。だから この世界のために戦う 俺は 俺に出来る精一杯をやり通す為に戦おうと思ったのだ

「そういえばお前。俺に何を言おうとしたんだ?」

「えっと、ですね。あの時は、私の力も通用しないくらいの相手に貴方が立ち向かっていた時でしたので、私も加勢しなければと思い。それで私の持つ刀を抜こうとしたんですよ」と、彼女が言う

「ふむ。それで?」と俺は問いかけてみたのだが

「いえ、それだけなんですけど」と言われるが「おい、俺にそんなことを説明させる気なのか」と言い返してやると彼女は苦笑いしながら「ごめんなさい」と言うのだが

「まったく。次からはしっかりしろ。俺は妻を守ると、この国を平和にするためにも頑張ろうと思っているから」そんな言葉を口にすると

「なら、まずは私の家族を、よろしく頼みます」

とそんな言葉をかけられるが「お前の家族も含めて守って見せる」そんな俺の返答を聞いた彼女は、どこか嬉しそうな顔をしてから

「私も出来る限りの協力は惜しみません」そんな風に言葉を残し、去っていった 俺は俺の為に、大切な人達の為に。自分の力を信じて戦う そう決めたんだ

「俺の力を認めてくれた者達の為に」

「私達は私達の力を高め続ける。君に、私達の力を見せつけるまで」

そんな言葉を俺に言ってくれる女性に対して「ありがとう。期待に添えるよう努力していくことにする」そんなことを言ってみる。すると

「うん、ありがとう」と微笑んでくれたので

「まぁ、とりあえず。俺はまだしばらくこの世界に留まるつもりでいるから」そう言ってその場を去ろうとするのだが 俺の仲間が皆、この場に残っていてくれていることを思い出した。そして皆に礼を告げると、仲間の一人がこんな事を

「お疲れ様、お兄ちゃん。お姉ちゃんを助けに行くときは私達も連れて行ってください」

「俺からも頼もう」と口々にそう言い出すので俺は、一人ひとりに声をかけて回ることになったのだが。皆、それぞれ 自分なりの方法で俺に協力してもいいと思ってくれていたようだ。なので俺はそんな仲間達と別れを告げて。そして、今。この国に起きている問題を調べようと、俺はこの城にある資料を閲覧しに行ったわけなのだが。そこには驚くべき情報が記載されていた。その内容が 魔王軍幹部の暗躍によりこの国が滅ぼされる寸前まで追い詰められたこと。それを一人の少女が救ったのだということだ。そしてこの情報を見て。俺は思い出したことがあった。この国の王である人物の名前を知っていることに 確か名前は、アスターだかアルターだか。いや、これはどうでも良いか。そんな

「しかし。魔王軍が動いているだと。それは間違いのない事実なんだろうな」俺がそうやって呟くと。近くに居た騎士が「それは、確かな情報です。この国から逃げ出した元冒険者を名乗る者の話では」と言われてしまう。俺は思わず舌打ちをしてしまう。俺はこの世界での生活を始める前にこの世界で勇者召喚が行われていたこと。それが原因で魔物達の脅威に晒され続けていることを知った上で、それを阻止するための策を考え続けてきたというのに。そんな状況が今もまだ継続中だということを知って俺は怒りを感じ始めていた。俺には俺の目的があって行動していたわけだし、それが無駄な行為でなかったのならば構わない。だが俺の行動のせいで多くの人が苦しめられているというのであれば、それは許されるべきではないことであり

「この世界の人々を不幸にしているのが魔王側だけじゃ無いのであれば、それを止めないとな」

俺は決意を新たにしてそう呟いていた。そんな風に考えている俺の所に

「ねぇ。あのさ。レイ君は、これから先。どうするの?君は何を目標にして生きることを決めたの?」なんて質問を投げかけてきた人物がいて。俺はその相手を睨むように見つめて「なんだ貴様は」と口にしてみたのだが

「うーん。そうだね。私の名前はリリィ。私は、レイ君のことを気にかけているんだけどね。君は私のことを嫌いみたいだからね。だから私も。この世界に蔓延っているくだらないルールに則って君に接してあげる」と、意味のわからないことを言うので「悪いが俺にも、お前の言いたい事が理解できないんだが」

「それはそうだろうね。君には私の言っていることを正しく理解できるだけの能力があるとは思えないからね。だから私が直に教え込んであげる。私と君の違いをね」そんなことを言われるが、この相手と戦う理由もない俺は「なら俺は失礼させてもらうよ」と口にするが。

「そうだよ。それでいいんだよ。君は何もしなくて良い。君みたいな無価値な人間はただ、大人しく、誰かに利用されることを甘んじながら、私達の役に立てば良いの」と。まるで呪いのような言葉を俺に向けてきたので

「ふざけんじゃねえよ。この俺が誰かに利用されるだと。俺を舐めすぎじゃ無いのか?」と。俺はそんなことを言ってしまったが。それでもこの女の態度は変わらなかった。そんな時

「そこまでだ。この場での勝手な行動をこれ以上許すわけにはいかない」そんな言葉と共に現れた男が居て

「貴方にそんな発言が出来る権限なんて、本当はないはずなんだけどな」なんていう声も聞こえてきたが 俺はその二人の会話を聞く限りで、この二人がそれなりに高い位の人物だということは察することができた

「なるほどな。ならこの二人はこの国にとって必要な存在なんだな」と、俺が思った事をそのまま言葉にしてしまうと

「そんなに偉そうにしないで。貴方はこの国の民じゃないでしょう」と、その女性の言葉が耳に届いてきたわけだが。そんな彼女に対して「なら、そんな奴に、お前らの好き勝手にされようとしているこの状況を。お前らはどうしてみすみす見逃しているんだ。お前らにこの国を、俺の大切な人達を守れるほどの力があれば、きっとそんなことをせずに済むんだろう?だけど俺は違うぞ。俺一人でもこの状況を打破できると思っているからこそこうして動かせてもらっているだけだしな」という言葉を発した俺の前に立ち塞がり 剣を振り下ろしてくる男の一撃を回避した俺に向かって

「私は、お前の考えは素晴らしいと思うがね。でもな。だからといって私はお前を認めたりするつもりはないよ」と そんな言葉を俺に言ってきた

「私はお前を認めない」と口にして剣を構える男を前にして「なら俺も言わせてもらうが、アンタに認められようなんてこれっぽっちも思っていない」と言葉を返しておくと「面白いなお前」「面白いわね」などと口にし その二人を相手に俺は戦わなければならない羽目になってしまう。とはいえ そんな簡単にやられるつもりは無いと。自分に言い聞かせるようにしながら俺は

「おい、あんた」俺に声をかけられて振り向いた相手に

「俺はこの世界のために戦おうと思っている。その為にこの国を救わないといけないんだ」と。その言葉に驚いた顔をしてから

「私だってそうだとも。この国は私達が生まれ育った場所だからな」そう、言葉を残し、この場を去っていったので俺は

「ああ、だからこの国を、俺の仲間を傷つけるような真似だけはしてくれるなって」と言い放ち、俺はその場を離れようとしたのだが。

俺の前に再び、そいつが現れた。それも今度は

「ふっ。お前の思い上がりを私とこいつで打ち砕いてやる。そしてお前の愚かさに気づくが良い。お前にこの世界を平和にする資格など無いとな」なんて言ってくるので「ふん。俺の邪魔をするのであれば。俺はこの世界を守るために全力で抗うまで」と口にした俺は目の前の男との戦いに挑んだ そんな戦いが今現在行われているのだが。どうやら俺の予想以上に この男は、強く、厄介だった。この世界で、今まで出会わなかったタイプの強敵に 苦戦を強いられているのだが 俺はそんなことを気にする必要もなく 俺には俺に出来る事をやれば それだけで俺は俺の目的を達成する事ができるのだと思い込んでいたの

「はぁ。本当にこの人は何を考えているのかな?」

そんな事を僕が考え始めたのには当然わけがある。今の状況を説明しておくのなら。僕はある人から、とある依頼を受けていたわけなんだけど。その依頼内容がこの国の国王と王女を誘拐してくださいという、物騒極まりないものだったというわけなのだけれど。そんな依頼を引き受けた以上はその報酬を受け取り。その報酬分の働きはしようと思って色々と準備を進めていたわけなのだが そんな中。この国に勇者と呼ばれる少年が現れて しかも、彼は

「あの子と同じ異世界から来た」そう言って そして あの子とか呼ばれる相手が誰なのかはすぐに判明した。僕の知っている中でそんなことを口にするような相手といったらいないだろうと思えるくらいに、彼女は、有名で、そして恐れられていたからだ

「まぁ、彼女があの子と一緒に行動していたのならば。勇者召喚が行われた世界だ。そうやって呼ばれた者が、勇者と似たような力を宿すことがあってもおかしくない。か。うん、そうなるとやっぱり、彼女の実力を試してみる必要がありそう」と そんなことを考えた俺は。早速準備を整えて、彼女を拉致するための作戦を開始することにした しかし、そんな時

「あれ。おかしいな。どうしてこの場所が分かったの?」

と。俺の前に現れ

「まさか。ここまでの力を隠し持っていたなんてね。それにしてもよく私の目から逃れられて来たものだね」そう言った そんな彼女との攻防を繰り返しながらも どうにかこうにかもがき続けた俺は 彼女にも俺の事情を語って理解を求めようとしていたのだが 結局は、この世界は

「こんなくだらないものなの。貴方のような人が、幸せを手にすることなんて許されないのよ」なんて、わけの分からない事を言っていたのは覚えているが、それ以外のことに関しては まったく頭に入らなかった そして俺は、なんとか窮地を脱することに成功したので 急いで、

「この国の問題を解決しないと」と。俺がこの国に居る目的を果たそうと、動き出したのである。そんな風に俺の事を気にかけてくれる少女がいたことは。嬉しいことでもあったが。

だが、それでも俺は、自分が為すべきことをするために動いていただけに過ぎない。だから、俺は、俺に助けを求める者達を救えなければ何の意味も無いと思い だから 俺は、勇者が魔王を倒すために、行動を起こした時に

「なら俺もその行動に協力しようじゃないか」そんな感じに俺は考えていたのであった。そして

「俺に何かできることがあるなら」俺は、この世界で この世界で生きる人々を助けていくために行動を開始したのだった 勇者様のパーティメンバーとして一緒に旅に出

「この世界の人々に手を差し伸べて欲しいんだ」なんて言われ この世界の現状についての説明を受けた

「そんなこと、言われても。どうしろというんだ」

俺としては、勇者としてこの世界に召還されてしまったという現実が どうにも受け入れ難いものであり 正直なところ、もう帰りたい気持ちの方が大きいのだが 俺にも、守りたいものがあるから

「俺は帰るよ。自分の家に」なんて 俺は口にしてみたりしたが

「君なら大丈夫だよ。君はとても強い人間だ。だからこの世界でもきっとうまくやっていくことが出来るはずだよ」と言われてしまうので「はは。ありがとうございます」と 一応お礼の言葉は述べておいたが。

やはり俺は

「無理ですよ。そんなの。いきなりこの世界で、この世界で生きている人たちを助けるのを手伝ってくれなんて言われたとしても。いったいどうやって助ければいいのかすら俺には理解出来ないんですよ」

俺の声に耳を傾けてくれる勇者様に対して、俺の意見を伝えておくと そんな俺を まるで憐れむかのような瞳をこちらに向け

「それでは困りますね。勇者殿。貴方は我々、勇者様に力を貸してくれる仲間を探しているというのに、そんな我関せずの態度を取り続けるつもりなんですか?」と 騎士らしき女性 俺の前に突然現れたその女性はそう口にして俺に剣を振り下ろして来ようとしたが「そこまでにしてもらいましょう。いくらなんでも貴方はやりすぎだ」と 剣を受け止めた勇者様の姿

「あら?これは失礼しました」とその女性はそのまま剣を引いて 俺から離れて行ったが「お前のような者に構っている暇は無いんだよ」そんな言葉を残したままその場を離れて行き 俺の元には勇者様だけが残された形になっていた。そんな俺を見て「とりあえず君は私と行動を共にしてほしい。私達は君の助けが必要だ。私達のこれからの行動次第ではこの国が大変な事になる」なんて言われてしまったわけなんだが 俺としては、その国のために動くとか、そういったことにあまり興味は無かったし

「俺にできることなんて、たかが知れていると思うけどな」なんて呟くと「それでも私達には君の力が必要なんだよ」と。そう告げられたので 俺にだって、この国で生きていきたいという思いもある。そんな俺にとって その国のために協力するのは別に問題無かったので「まぁ。やれる限りの事はやってみるか」と口にすると

「そうかい。そうしてくれれば助かる」そう、口にしてくれたので俺は、まずは自分の身を守る為に 魔法で攻撃を加えようとしてきた相手に攻撃を仕掛け そんな相手を倒し

「この世界は随分と危険なようだからさ。あんまり無茶はしないほうがいいぞ」と 忠告をしてやったら素直に従ってくれたみたいだったのでそれで良かったと思ったのだが。そこで俺は、改めて自分の置かれている立場を理解してしまってから 勇者が、魔王を倒した後にも戦いが待ち受けていることを知っている俺にとっては、「面倒なことに巻き込まれたもんだぜ全くよぉ~」なんてぼやくしかなかったんだが 俺が巻き込まれているのは勇者に召喚された事が原因だし。それは仕方がないにしても。問題はそこからどうすればいいのか分からなくて そのせいなのか俺に襲ってきた相手のことを少し恨んでしまっていたりもしたわけなんだが そのおかげでこうして襲われていたわけで

「はぁ。本当に疲れるわ」

そんな愚痴を零すように俺の口からは言葉が漏れていたのだが。

それから数日の月日が流れたが。俺は勇者一行と共に行動することが多くなってしまい。しかもその勇者様の世話をすることになったわけで。

はっきり言うと、勇者という肩書きを持つ人物に、この国の王女である姫の護衛を任される羽目になってしまっているという状態に陥っていた

「あ、そうだ。君にはまだ自己紹介をしていなかったね。僕は、アデルバート=ヴァン=グランツ。この国で、この城で王女様の側付きをしているんだけど。まぁそんなことは今はどうでもいいか」と。俺に向かってそう口にした勇者様だったが。

「いや。どうでもよくはないんじゃないか」

そんな俺の突っ込みを無視して、勝手に話を進めていく勇者様が、そんなこんなで俺を無理やり連れて行くような状況に陥り。俺はこの城に、勇者と一緒に住むことになり。勇者が魔王討伐の為に旅に出てからは、この城で暮らす日々を送っていたりする。

ただこの世界での生活は、思った以上に楽しかったりする。その理由は簡単で

「おはよう」と 朝早く起きていた

「おう。相変わらず早ぇーなお前は」と。俺は挨拶を返してから、部屋で着替えてから 俺はいつものように城内をうろつき始めるわけだが。そんな時。ふと 俺の部屋の前に立っていた女が

「ちょっと良いかな」と言ってきた

「俺の所になんか用があるってんなら。遠慮せずに入ってくれ」そう言いながら、その女の事を部屋に招こうとしたが 彼女は、首を左右に振り「そうじゃない」と言ったので

「それじゃ何だ?」と。俺が質問すると

「うん。この世界はね。色々と大変なことが多すぎて。だから貴方にも色々とお願いをしなければならないことがあるの」そんな風に彼女は口

「まぁ。俺が何か役立てる事があるのなら、協力はしたいとは思うが」

そう口にしながら 俺は、彼女の言葉を真剣に聞く体勢に入り、そして彼女もまた、俺に視線を向ける

「私はこの城の警備を担当する部隊を任されていてね。その私の部下に一人、かなり腕の立つ人間がいるのだけど。貴方はその人と一度手合わせして欲しいの」そう言って来た彼女の要望を聞き入れた俺は その女性に案内され。俺と、部下だと言う男が手合いを始める場所へ到着した 俺の前に立っている、そいつの姿を眺めてみると どう見ても。その男の顔立ちはかなり整っており、髪も長く綺麗であり、顔に傷なども見受けられず、まさにイケメンと呼べるような風貌の持ち主であった

「おい。こりゃ俺に対する当てつけって奴なのか?」そんな軽口を叩いてみたが。

男はそんな俺に、まるで興味が無いというような顔をして「いえ。そういうわけでは」と答えたのだが。そんな会話をした俺達二人の様子を見ていた女性は

「貴方の気持ちは分かるけど。ここは私の指示に従いなさい。でないと。私の権限を行使しなければならないのだから」そんな風に言われてしまい 仕方なく従うことにしたのだが その、俺が相手をさせられることになってしまった相手が構えたのを確認してから「始め!」と。そんな掛け声で 俺は、その男との手合いを始めてしまった。ただそんな手合の中で俺は

「確かに。あんたの腕は確かなようだが」そう口にしつつ 相手の出方を観察することにしていた するとそんな俺の様子を確認したのか 俺に一撃を加えてみせた後 距離を取ったのだった。

そんな彼の様子を、しばらく見ていた俺に対して 相手は口を開く

「なるほど。これはなかなか。やりがいのある勝負になりそうな予感がしますね」と。そう口にした後 彼は、

「この世界に召還されてからというもの。この世界のレベルに合わせるため そして自分がこの世界で生き延びる為の術を身につけるために、ひたすら努力は続けてきましたから。そんな僕を相手に この世界の人間ではないはずの貴方はどこまで耐えることが出来るでしょうかね」と 挑発気味な発言をしてきてから、再び俺の方へ向かって来ようとしたようであったが。そこで突然

「もう止めましょう」と。俺達二人の間に割って入るようにして入って来た女性が居た 俺と彼の動きを止めるための行動を取ってくれたらしい女性は、俺達に背を向けた状態で、そのまま言葉を続けた

「これ以上戦う理由も無いですから。ここでお互いにやめておきましょう」

俺と、その男との、この

「なんでやめる必要があるんです?まだ勝負が終わってはいないはずでしょうに」という発言を受けて女性は口を開き

「私の目が正しければ、今の貴女の実力は、そこの男性と比べてもそこまで劣っていないと思うのだけど。それにこの人は、私と同じ元勇者様の仲間。つまりは私と同格の存在よ。だから 私と同じような力を持つ存在と戦うことで得るものがあるのだとしたら 貴方にだってそれくらいはわかるはずよ」そんなことを口にした女性の 俺に対しての物言いに対して、文句を口にしようとしたのか それとも単純にその女性の言葉に従おうとしただけかは知らないけれど その俺と向かい合っている男が俺に向けて

「今回は僕の負けで良しとしておいてあげますよ」なんて口にしやがった その発言に 思わず俺は苦笑いをしてしまったわけなんだが。そんな俺を見た女性から 俺がどんな表情を浮かべていたのか 気

「なぁあんたらさ。どうしてこんなに必死に俺と戦おうとするわけ?」

俺は、この目の前の女性。

確か姫と呼ばれていた気がするが。彼女にそう尋ねたのだが 彼女は俺からの問いかけを無視するように 言葉を続けるのだ それはきっと 俺のことを気にしている余裕が今はないからだと思っておいたほうがいいだろうな その辺りは理解出来ていたので、それ以上何も言わなかったんだが そこで姫と呼ばれる女性は俺に向かって

「それよりも、これから一緒に生活をする事になるんだし。これから名前で呼んでほしいところなんだけど いいかしら?えっと。その方が これから先いろいろと話しやすい事もあるかもしれないでしょ? それに あなたには勇者様に力を貸していただきたいと思っているの。もちろん報酬だってちゃんと用意するつもりはあるわ。そのつもりで あなたの身の回りのお世話をさせてもらっているのだから」

そんなことを口にしたのを見て

「別に、金がもらえるのはありがたいとは思っているし。この世界に来てからも衣食住に困ることはない生活が続いているわけで。そこまでしてくれるって言うのであれば俺もそれなりに この世界での暮らしを快適にするために協力してやろうかと考えているんだけど。まぁ。でも、俺は俺の目的があってこの世界に来たから 勇者の手伝いをして、そのついでに俺が求めるものを見つけられるのなら。まぁそれもありだなって感じでは考えているから。それで 勇者の力を借りる必要があるのなら。俺の頼みごとを一つ聞いてくれるのなら。勇者の手助けをしてやってもいいかなとは考えていたりはする」なんてことを 少し偉そうな態度で告げてみる

「あら。随分上から目線で言ってくるじゃないの」と。その言葉を聞いた女の反応に、俺が にやけた笑みを見せると そんな俺のことを見るその女の目つきは更に鋭くなってしまい 俺は少しばかり後悔してしまう しかしすぐにその視線を和らげてから

「あ、い、いや。ごめんなさい。別に、あなたに怒っていたわけじゃないの」と言い出したその女に対して 俺が、どういう反応を返せば良いのか悩んでいたら 俺の隣にいた勇者様の野郎は、俺よりも先に「あははははは」

「やっぱり君は面白い人だね。君のような人を僕は待っていたんだよ」なんて口走ってしまっていたので、それに対して どう返してやったら良いのか悩んだ結果 俺は、とりあえず無愛想を装うことにしてみた

「まぁそんなわけで、だ。俺のことは好きに使ってくれ」と。そう言い放った俺に対して 勇者の奴は、何を勘違いしたのか「それじゃよろしく頼むよ。それと君に一つ確認しておくことがあるんだけど 君の名前は?」なんて言い出しやがって 俺は俺の名前をその勇者に教えたのだが 勇者様は

「アデルバート=ヴァン=グランツか」なんて名前を呟いた直後 急に黙り込んでしまった。

ただそんな勇者の行動を 俺は特に気にすることなく放置することにしたのだが それからしばらくして 勇者と俺は別れることになる。そして

「また明日。ここで落ち合う約束になっているから。それじゃ」と。俺に向かってそれだけを告げると その場を離れて行きやがったので

「それじゃ俺も。行くとするか」そう独り言のように声を出しながら、俺もその場所を離れようとしたところで 背後からいきなり何者かに声をかけられた 振り返ってみればそこにいたのは、俺がこの城で暮らしているうちに仲良くなった一人の女の姿があった その女の見た目はというと

「どうも。いつも元気そうですね」と そう口にして、軽く会釈してみせる彼女からは親しみを感じさせられたので 俺も彼女に対してはそれなりの好感を抱いている そんな彼女は俺に近寄ってきて話しかけてきたのだが。

俺は彼女と会話をしている暇は無かった。その理由というのは単純明快なものなのだが、彼女が着ている服に問題がある。彼女は、俺に対して、何かお願い事がありそうだということを遠回しに口に出してきた後、唐突に俺に対して自分の服装を見せびらかすように見せつけ始めたわけだ。ただ 彼女は、何の為にその行動を起こしたのか。俺は理解出来ていないので「何か、用があるなら手短にお願いしたいところだ」

「分かりました。では簡潔な話だけをお伝えしますね」と言ってきた彼女の話を聞こうとした瞬間の出来事である。彼女の隣に現れたそいつのせいで邪魔をされてしまった形になるわけだが そのそいつと言うのは姫と呼ばれている人物なので

「姫さん」とかそんな風な呼び方をしておいたほうがいいだろうかと思ったので 一応そういう呼びかたをすることにした

「私と貴方とでは立場が違いすぎるんですからそんな丁寧口調なんかやめてくださいね」そんなことを口にしながら微笑みかけてくる姫の様子を見るとどうしても緊張させられてしまうのだがそんな事はおくびにも出さないようにしつつ、さっさと本題に入らせてもらうことにしようと思っていたのだが、その直前に俺の背後に近づいて

「あの~ちょっとよろしいですか?その、私の部屋に招待して差し上げようと思っているのですけど いかがです?」そんなことを口にしてきて 俺の事を誘ってきた姫に対して、一体どんな意図があってそんなことを口にしているのかが分からなかったので。

「えっと。その、どういった意味の招待なのかが、その。分からないんだが」と。正直に伝えてみると

「そんなに身構えなくて大丈夫ですよ。貴方に、少し手伝っていただきたいことがありまして」と。その程度のことしか言われないので それならば俺の方としても特に断る理由はない そもそも俺は一人で勝手に旅を続けている最中で、今はこの国にいるのだし、ここに居る間くらいは、誰か

「そうね」と口にしてから「では案内するわね」「あっ。ありがとうございます」「いえ、別にこれくらいで感謝する必要は無いですからね。むしろもっと褒めてくれた方がうれしいわね」なんてやりとりをしながら俺はこの姫の部屋まで移動していたわけなのだけれども 道中で、何度かすれ違う人間から奇異の目線を向けられてしまいながらも目的地に到達することができたという流れなわけなんだが。俺達がたどり着いた部屋の中で、彼女は早速、仕事に取り掛かろうという姿勢を見せていてくれて助かったと思う。そのおかげで俺は余計なことを考えずに済むようになったからだ そして姫さんの作業を手伝った結果どうにか終わらせることが出来たという感覚を覚えた後はその作業を済ませてもらった礼だとか言って

「はい。私に、これを、渡してくれたりはしないんですかね?」と言われてしまえば 俺だって、断るような真似は出来ないし。それを貰う以外に選択肢がなかったわけなんだが。しかし、まぁそんなこんなで。俺と姫さんは、その後 二人でお茶を飲みつつ談笑をしていた そんな時のことである

「ねぇ」と俺のことを見つめながら姫は、そんな言葉を発してきて。そんな彼女の態度に 少しばかりの恐怖を覚えていたりする俺の気持ちなんて知る由もないであろう目の前の女の人は、俺に質問をしようとしていて。それが俺の耳には聞こえてきているわけで。その声の響きから、その言葉の中身から、俺は

「な、なんだよ」と少し震える声で返答してやるのだけれど その様子も特に気にすることなく、彼女は言葉を続けて来て

「あんた。これから先、何か困っていることとかない?」と尋ねて来た姫の言葉に対して 俺は「別に。今のところはな」と。俺としては素直に答えてやったんだが。

まぁ別に困っているようなことはないしな 強いて言うのであればこれから先のことが少しばかり心配だったんだが。そんな風に思案していた俺に姫は続けて言葉を伝えてくる

「これからもさ、いろいろと困ったことがあったら。遠慮無く私に相談してくれていいんだから」そう言った姫の言葉に少し

「なんでそんなことを?」と思ってしまった俺がいるわけで。俺が、どうしてそんなことを言うのかについて疑問を抱いて そのことを尋ねると「そんなのは決まってるでしょう?あなたは勇者様に気に入られてしまった存在だから。今後あなたは、きっと色々と苦労することが多くなるはずよ。それは間違いの無い事実だと思うわ。だからその時に私があなたに助け舟を出す。それであなたは困っている問題を解決できるの。それはとても素敵なことだと思わないかしら?」なんてことを口にした姫 その意見には同意できそうなところは確かにあった 確かに俺は勇者様の興味の対象となっているらしい。だからこそ俺はこの

「まぁ、その、なんだ」なんて曖昧な返事をして誤魔化しておいたわけで。俺に出来るのはその程度なことしかないから 俺に、勇者が望むことを手助けできるだけの能力が果たしてあるのかどうかが問題だ。だけどそんな俺に対して

「別に。無理に勇者の望み通りに動けとか言わなくても構わないんだけどね」と 彼女はそう言い放って来た 俺に対して、まるで、お前が俺の代わりに行動を起こしてきてくれと そんな言葉を投げかけられているかのような気分になってしまうわけで 俺としては全く嬉しくはない。むしろ迷惑な話なわけだが。

「それなら俺がお前の頼みを聞いてやる必要があるってことになるのか?別に、俺はそれでも構わないけど」と。俺がそう言えば彼女は笑顔で

「あらそうですか。でもあなたに、この国の人達を助ける義理はあるのかしら?まぁそれもあなたの好きにしても良いとは思うのよね」

俺が姫に言われたそんな一言によって俺の中に生まれつつあった迷いが吹き飛ばされることになったのは当然のことだっただろう 何故なら、俺はこの城で過ごしていくうちに 俺の事を慕ってくれる奴らと

「俺に力を貸して欲しい」とそう告げてくる奴らに囲まれてしまっていたという過去を持っているのである。しかもそいつらは全員男で そいつらの面倒を見てきたせいで、こいつらを見捨てたくないと感じ始めてしまっている自分がいて もしも、そんな連中を救ってやることができるというのならば、その機会を与えられたのならば そんな考えを抱くようになってしまっていた俺は「その話、引き受けさせてもらう」そう彼女に宣言していた すると「やっぱり。あなたは優しいのね」と姫は微笑みを浮かべたまま そう口にするのである そして 俺と別れると口にした後に「それじゃ、私達はこれでお別れだけれど。また会うときが有ればよろしく頼むわね」と それだけを呟くと姫とその仲間である女の子二人はその場から立ち去って行った。その背中を見送った俺は 勇者達と一緒にこの王都を出て行くことを決めた。そしてそれからしばらくの後のことでもある。

俺が城を出る準備を終えた後に姫は俺の元に姿を現したかと思うと 俺の手を取りながらそんなことを言ってきたのだが

「悪いが姫。そのお願いは聞いてやれそうに無い。俺はもう行かせてもらうぞ」俺がそんな風に断りを入れてから城を出たところで俺の前に一人の少女が立ち塞がり

「貴方に付いて行くからよろしくお願いしますね」と そう口にして 俺のことを引き止めようとしてきた。

その

「ちょっと待って」

俺にそう言ってきた女の声に反応したのか俺と彼女の二人以外の存在は誰も居なくなっていた。

いなくなってくれていたことが俺にとっては幸運だったかもしれないが。その声の主に対して 俺は

「なんだ。お前か。急に現れないでくれ。びっくりして心臓が止まっちまったらどうしてくれるんだ?」

「ふふん。私の気配にすら気づかなかったんだ。私の行動に対する文句なんか言える筋合いは無いんじゃないのかな。それよりも君こそいきなり私の前から消えるとか酷すぎるんじゃないか?」とかそんな風に言ってくる彼女の言葉に対して 俺は何も言えないまま押し黙ることになってしまったのはそんなやりとりが既に数回繰り返されているという事実が関係しているからであり。

俺は目の前にいる少女の姿を眺めながらこう考えていたわけ

「この娘は俺に対して好意を持っていてくれるみたいだが 俺は、どう対応してやればいいのだろうか」と。俺としてはこの世界に来たばかりの頃の あの頃とは違うんだからそんなことはあり得ないと。その感情を否定してしまうのだが。しかし、どうしても 俺はこの子の姿に見惚れてしまうのだ。それはやはり 目の前

「なぁ」と言って 俺に声をかけてくるこの子は可愛過ぎると思うんだ。見た目的には高校生くらいの少女にしか見えないんだし。そんな相手に、ついつい心を奪われてしまう自分を自覚させられる それに彼女は可愛いだけではなくスタイルだっていいわけで

「おい」と。そんなことを考えてぼけーっと考え込んでいたせいか、彼女が不満そうに口を開けば、その小さな口から出てきた息の音まで聞こえてくるくらいで そんな状況で彼女に対して話しかけられるような度胸を残念ながら持ち合わせていないという事にも気が付かれてしまって 彼女の声を無視して俺は歩き続けることにする。そんな態度を取ってしまったら俺に構ってもらえないと判断したらしい少女は必死

「ちょ、待ってくださいよ。あの、その。私と話をするだけでもして頂けないでしょうか」なんてことを口にして 俺を引き止めるべく俺に駆け寄ってきていたのだけれど。その途中でつまずくことになった

「大丈夫か?」俺は倒れ込んだその子を助け起こそうと手を伸ばす

「えっと、はい。ありがとうございます」俺に助けられた形になった少女は恥ずかしがっているのか顔を赤めさせてそんな言葉を漏らす

「その。ごめんなさい。突然こんな風に近付いたりしたから。その、気持ち悪かったですよね?」その質問は俺の心を激しく動揺させたが俺はそんな自分の反応を見せまいとするかのように平静さを装い。ただ単に

「いや、特に問題は無いが」とだけ返せば。何故か彼女は悲しそうな表情になり。それからはずっと俺の隣から離れなくなった。それが この娘の癖なのか?そんなことを考えたりしながら 俺はこの娘と行動を共にし始めたのだった まぁ結局のところ。俺には選択肢が無かったわけで。この娘と一緒に行動をすることを受け入れていたりしてしまうわけなのだが その選択によって。俺にとって大切な存在を失うことになってしまえば。俺は間違いなく後悔をするに違いないと。そう確信することが出来る程度には今の状況は危険な状態に陥っているのは確かなことだった。

俺の横にぴったりとくっつきながら歩いているこの少女の名はアリサと言うらしい。俺はそのことについて名前を教えてもらっている際に知った。

「私の名前。どうかしましたか?」

俺の顔を下から覗き込んでくるような体勢になっているせいで。上目遣いに なってしまっている目の前の彼女は本当に魅力的に見えて。だから俺は少しばかりドキッとしてしまって 俺はその事実に内心では驚いていたりしていて。まぁつまり。俺はその、あれだ。目の前に立っている彼女の顔から視線をそらしてしまっているわけで

「なんでもねぇ」そう答えた俺の言葉に納得がいかなくて俺の事を見つめ続ける 目の前の存在の瞳を見続けていると。その、俺は その、なんだ。吸い込まれてしまいそうになる 俺と彼女との間にはそれなりにの距離がある。

そんな近いとも、遠いとも、微妙な距離感を保っている俺たちは。特に何か

「目的地」があったりするわけでも無く、あてもなく街の風景を楽しむようにして歩き続けながら 適当に目に映る店をのぞいてはそこに置いてある品々を確認などをしながらの散策をしていた そして。しばらくの間はそんなことをしていた俺だったんだが

「あのさ。さっきから、あんまり人の話を聞いていないみたいだし。もしかして私に、興味なんて無かったりします?」

俺は思わず。「どうしてそう思ったんだ?」と問いかけてしまったわけで。

「いや、その、その、ですね。その。何というか、私に全然意識を向けてくれてないなぁ、と」そんなことを口走ってくる彼女を見て俺は 俺は

「そっか。悪いけど。今はそのことに気をかける余裕が俺にはあまりない。そんなに不安に思うなら。俺はこれからすぐに城に帰ることにする」と そんな言葉を口にしてしまった。それは

「いや、その、その、そういうわけじゃなく。いえ、確かに。私が、変なことを言うせいなんですけど」と慌てている目の前の彼女の姿を見た時に俺は我を取り戻すことが出来た そんなわけで。

「お前が悪いって訳じゃないんだからそんな風に落ち込む必要もないんじゃないか?ほら。落ち込んでいると幸せを逃してしまうぞ?」と そんなことを口にしていた。すると、目の前に立っていた少女が

「あはっ。そうですか。なら良かった」と、笑顔を見せてそう言う。そして それからしばらくの間。二人で一緒に歩くことになった しばらくの時間。俺達は何も喋らずに歩いていたが。別にお互いに無言で居ることを苦にするような仲でもないから、その状態で気にせずに俺達は歩き続けていた そして

「そろそろ。お腹が減ってきませんか?私はそろそろお昼時かな、と思っているのですけれど。お時間的に。その辺りはどうでしょうか?」そんな風に口にしてきてくれたので俺は素直に

「そうだな。そろそろ。お昼食でも食べようかな、と思っていたんだが。俺の感覚でいえば今は大体正午頃なんじゃないかと思うんだが」そう口にすれば。彼女は微笑みを浮かべると「はい。その通りだと思いますよ」と口にする。

俺は彼女の提案に乗って

「よし。なら食事にしちまうか」

そんな風に言ってから。適当な店で食事をとることにしたのであった そして それからしばらくが経った後のことである。俺たちは城に向かって帰る途中にあった。

城の近くの街に寄り道をして。買い物をしていると。そんな最中のことだった。突如

「助けてください」と。助けを求めてきた女性の声が響き渡る。そんな叫び声を聞き付けた俺は「悪いがちょっとだけ。俺に付き合って貰うぞ」と。彼女にそんな風に語りかければ 彼女は「分かりました」と、そんな風に呟いてから 俺と一緒に女性の方へと駆けつける そんな行動を取った俺達二人が駆けつけた先で見たもの。それは、血を流している一人の冒険者の男が モンスターに襲われかけている光景だったのだ 目の前に広がっている惨状を目の当たりにして 俺は思わず固まってしまっていた。そんな俺の姿が余程、間抜けな物に見えているのか。それとも 目の前の出来事について俺と同じように理解が追いついてこずに混乱しているのか。そんなことは

「分からないが」目の前の女の子は俺の目の前に立ってくれていて

「ご主人様。ご安心ください。この場は私が」と言って。

彼女は 俺を守るかのように前に進んで 俺が 先ほどまでの俺は目の前の現実を受け入れることが出来ていないから そんな俺の前に 一人の勇敢な少女が立った。その姿はまるで物語に出てくるヒロインのように見えたのだ

「この人を助けるのに手を貸す」俺にできることはそれだけだと。そんなことを 考えながら。俺の目には、そんな彼女がとても綺麗に見える。そんなことを考えながらも俺は

「ありがとう」と 俺は目の前の美少女に声をかけることしか出来なかった

「いいえ。私の大切なご主人様に怪我を負わせるような奴らを許しておくことなど出来ませんので」

目の前で。そんな言葉を吐き出した目の前に立つ女の子は、そんな言葉を残して。

俺が「待て」と静止しようとするが既に遅かった その女の子は既に、行動に移っていたのだ

「なにを」

俺がそう言いかけるよりも先に、俺は、自分の身に迫っている危機に気が付かされてしまう。それは。

「このっ!」俺は必死に回避しようと思うのだが、その時には既に。目の前に存在している敵によって俺は攻撃を受けてしまっていて そして俺は吹き飛ばされていた

「ぐぅっ!くそったれめ」と そう毒づいた俺だったが。俺はそんなことよりもまず。俺を助けてくれるためだけに動いてくれた。目の前にいる彼女の安否の方が心配だったのだが 俺が顔を上げれば そこには 彼女の無事な姿が目に入るのだから だが、俺は。そのことに安堵する暇も無いままに。再び。今度は、俺の命を狙って迫ってきていた存在からの攻撃を受けたのだ

「っっっ!!」その攻撃をなんとか避けることができた俺は、そのまま転がり込み。地面にうつ伏せになる そんな俺の姿を眺めて、楽しそうな笑みを浮かべながら近づいてくる

「へぇ、なかなか、やりますね。ご主人様のお命を狙う不届き者だと思ったのに」そう口にした彼女が手に握っている剣を見てみれば それは俺が知っているはずの代物では無くて 俺は 目の前に存在する敵の姿を見てしまうと 俺は恐怖で、動くことができなくなった

「なん、で、お前は、生きて、いるんだよ」俺は その言葉だけを絞り出すように口にして、そのあとは黙ってしまったのである そんな俺に対して 目の前に存在していた怪物。その存在は俺に話しかけてくるのだった

「あはははは。どうして私が生きているのか。不思議ですって顔をしていますよね?だって、普通はそうでしょう?あの一撃を受け止めた私も大概だと思うけれど。まさかあれほどの衝撃を受けることになるなんて思っていませんでしたから」

「じゃぁ、あの一撃は」

「もちろん。私を庇おうとしてくださった貴女に向けられたものですよ?」

「なら、どうして。そのお前がまだここに居られる?いや。そうじゃないだろうな。何故なら、その答えは」俺をここまで案内してくれた彼女は。俺に何かを伝えたかったんだと俺は思っていた。

だから、俺は彼女を信じた 信じたい気持ちがあったからだ だから。だからこそ。彼女は その事実を口に

「はい。ご名答ですね。貴方が口にしようとしたとおり。あれは私のお姉ちゃんに向けて放たれたんですよ。つまり、あれは。あれこそが、あれこそは」

目の前の存在の言葉を最後まで聞かずとも、俺にはすぐに分かった。そう。目の前の存在が口にしようとしていたこと。それが意味すること それを、理解した。俺の目の前に存在している怪物。その存在の正体は

「そう、あいつは」そう口にしながら俺は立ち上がると そんな俺の動きに合わせて。目の前に居るモンスターも動き出して 俺はそんな目の前の化け物の瞳を真っ直ぐに見つめてから、こう言うのだ

「俺と、同じ世界からやってきた、もう一人の勇者ってことだな」

「ふ~ん。そういうことですか。確かにそう考えるといろいろと辻つまが合う部分はありますね。だけど。それじゃあ」そう言って俺の事を見つめてきている相手は「どうして」と言う

「俺の事を殺そうとしないんだ?って言うんだろう?」俺は 目の前で俺を見つめてきている少女を見つめ返してそう言う

「はい、その通りですね。私は、ご主人様の事を殺すつもりでいました。なのに。あなたは、私のことを殺さずに放置して。そのおかげで私は生き延びることができたのですが」そこまで口にした目の前の少女に俺は、少しだけ。本当に僅かな間だけ、違和感を感じ取ってしまう その違和感を 俺は見逃さないようにして問いかける

「そうか。俺としてはあんまり気にしていないんだが。俺の事を、殺すつもりはなかったんだろう?」と すると。目の前の、目の前のモンスターに俺は問いかける 俺と 目の前に立っている、目の前に、今なお、目の前で立ち塞がり続ける。目の前の女の子の 二人の視線は、互いにぶつかり合っているが。

「まぁ、それは、その。あはは。ごめんなさい。実は私がこの世界に来る時に。間違って、一緒にこの世界にきちゃっていたんですよ」と あっさりと答えてくれた。俺は目の前に現れた少女のことを信用することにした そんな少女と俺はお互いに会話を続ける 俺からすれば、俺が殺されなかった理由など。正直言って興味がないといえば無い話なんだが しかし そんな俺の考えとは裏腹に。目の前に佇む女の子は。そんな俺が気になって質問をした。俺のことを殺そうとしなかった理由は「この子が勘違いしてしまっただけで、その勘違いが原因で、この子の姉を殺してしまったからだよな?」という言葉が口から漏れ出た そんな風に口走ってしまったのは 目の前に立っている。彼女のことを信頼したいと思ってしまった俺の感情が原因になっていることは確かで

「そうですよ。ご主人様の言っていることは、間違いではありません。私はお兄様がこの世界に転移してしまうのとほぼ同時に。お父様とお母様と一緒にこちらの世界に来てしまって。その時はお姉さまは丁度、私とご主人様がいるこの場所で、一人寂しく暮らしていたところだったのですが」と その続きを聞いてしまえば。きっと俺は後悔するだろうと分かっていても

「この子が誤って殺してしまうまでは、とても仲の良い姉妹の間柄だったんですけど。今では」そんな言葉を吐き出して

「そうか」と俺は返事をするしか無かった 目の前に姿を現した少女が俺の目の前に姿を見せると。

俺は思わず固まってしまっていた 目の前で俺の方に向かってきたモンスターの一撃を受けた彼女が、どうなるのか

「俺を守るために、彼女は死んだのか」そんな言葉が自然と出てきてしまうくらい。

俺にとっては。彼女は。

大切な存在であったのだ そんな彼女が、俺を守ってくれた。その行動の意味するところとは

「俺は」俺が彼女に、守られてばかりだという事実を受け入れたくないから そんな理由で。俺は必死になっていた 必死になりながらも 彼女は、そんな俺の行動に、一切口出しをしてこなかった

「どうして」俺の頭の中には、それしかないのだと 俺は目の前に立っていた女性に告げる

「ご主人様は、私がこの世界で生きているということを知りませんでしたのでしょうか」

「知らねぇよ。そもそもだ。どうしてお前が、お前が生きていたのならどうして俺の前に現れたりしたんだ」俺は その問いに対して 目の前に立ちふさがる存在に対して。彼女は、答えることも無く。俺に襲い掛かってきたのだ

「なっ!」俺は、なんとか攻撃を避けられたものの

「この」と俺は声を出すが。その時にはもう、目の前には、彼女の姿は消えていた どこに行ってしまったのか。探そうとも思ったが。そんな余裕もないと判断した俺の前に再び現れて 俺を攻撃対象として定めてきた彼女は「ご主人様はお優しい方なのでしょう」と言ってから 俺に攻撃を仕掛けてくるのである 俺を救ってくれたのは

「そうやって、また俺を助けてくれるのか」俺は、その言葉と同時に、俺は、目の前に存在する怪物に向けて「俺は」と口にする

「あんたがなんで、どうして生き残っているのかはわからないけれどさぁ!!あんたのおかげもあって今の俺があるわけだし。あんたに感謝だってしているし!!」そんなことを考えながら口走った後 そこで一度言葉を止めてしまおうかと思ったが、やっぱり止めないことにした俺は、「だからこそ!」と叫びつつ そしてそのまま口を開いた俺は、「俺は!絶対に負けられない!!」と言い放った後に。目の前に存在しているモンスターに向けて駆け出していたのだ。そしてそんな時だった。そんなタイミングでの出来事。突然背後からの気配を感じ取ることが出来て。振り向く事もなく、そのまま刀を手に持つこともせず。両手を振り上げてから後ろ蹴りを放ったのだった。

そして、その蹴りを食らいながら

「ぐっ!どうして私の攻撃を避けることが出来たの!?」と叫んでいる少女の姿が見えるのだが

「あ~。うん。それは、偶然って言うか。まぁ、奇跡的なことが起こったってことにしておいてくれれば」と俺は、そう言いかけてから「いやいや。流石にそう簡単に信じることは出来ないと思うんだけど」と俺は、そのことについて、彼女に向けて説明をしてあげることを決める だから俺は「まずはだな」と、目の前にいる少女に向けて話しかけようとしたのだが。その途中で俺の言葉は止まってしまう 目の前にいた少女が俺に向かって剣を向けて「あんたを倒せばそれで終わりでしょうが」と、口にしながら、勢いよく突っ込んで

「うおっ」その突撃を受けて。地面に倒れこんでしまう俺だったが。その瞬間 目の前に迫ってきていたはずの少女は「はぁ」と溜息をつくと 地面に座り込むようにしゃがみこんでいる俺の傍に寄ってきてから「ほぉら、捕まえました」なんてことを口にして、俺の身体をギュッと抱きしめてから 俺のことを見つめている少女の顔がすぐ目の前にある状態で。俺は

「お前が、俺の事を」その言葉を口にした後

「そうです。あなたの事を私が助けました。だから、今度は私が」と言ったところで、目の前に居た彼女は、俺を、俺の事を抱き寄せて「私のことを貴方の手で」

「わかった。わかった。わかっているから、頼む」俺は その言葉で 彼女を殺すために動いたんだということを思い出した俺は「ごめん。あんたの事を殺してでも俺は」そう言ったのであるが そんな時であった。

「えへぇ~。私の勝ち~」そう言って俺に笑顔を見せてくれた彼女に対して俺は 何も言えず。

ただ黙り込むことになってしまうのであった。そんな状況で俺の口から出た言葉が「なぁ、俺のことを殺すつもりは無いんだろ?」という言葉が俺の口から飛び出していて その質問に「そうだよ?殺さない。殺したくなんかないし。私はね」そう答えた少女は「ただ、ごめんなさい」と言うの

「謝ることは何もない。そう、俺の方こそごめんな」と俺は、目の前にいる少女に向かってそう言う すると少女は

「いいんですよ。私は、私はご主人様にこうして会えて嬉しいのですから」そう言ってから「私に出来ることならなんでもします」と その言葉を聞いた俺は「なんでもって」と少女の方に顔を向けた俺は その瞬間 少女に押し倒されたのだ そんなこんなで押し倒され続けている俺は「あの~」とか言ってみたんだが そんな言葉にも少女は一切動じることは無く「ご主人様のしたいことをしてあげますから」と言われてしまい。

その言葉を受けた俺は「まあ」なんて曖昧な反応を返しながら、そのあとは「じゃあ」という

「キスして欲しい」と俺が口にすれば その通りにしてくれる少女が俺の目の先には存在していた。そしてそれからしばらく、その行為に耽ることになった俺と 目の前に立っている女の子の二人は お互いに抱き合い続けるのだった。

そして、しばらくしてから「ご主人様がどうしてもっていうなら。私はご主人様の為に何でも致しましょう」

「ご主人様の為になることは。なんでもいたしましょう」その言葉を発した彼女は 目の前に立っている俺の瞳の奥を見据えるようにしてから そんな言葉を吐いてみせたのだ

「あぁ」と俺が呟き

「私にできる限りのことをして、ご主人様のことを大切にさせていただきますから」と続けて口にした その言葉を耳にした俺の口からは つい

「ああ、よろしく」という言葉が零れ落ちてしまう そんな俺の言葉に、嬉しそうな表情を見せた目の前に居る女性は「はい」と答えたのであったが。俺の方としてはだ 目の前に存在している。彼女の事を守るべき存在であると認識した だから その事を、彼女に伝える為にも「俺は君のことを守りたいと思っているからな」と 目の前でニコニコとしている彼女のことを、俺はそう言ってから。俺は彼女の事を抱え上げる いきなり抱え上げられた彼女は「きゃっ」と小さな悲鳴をあげるのであるが。俺は

「よし」と口にするなり その場から駆け出したのだ。目の前に見えている敵は 先ほど倒した奴を含めて。五体存在しているようであったので 俺は目の前の敵を始末し終えると 俺が連れてきた女性の方を向いた後

「ご苦労様」と言いつつ頭を優しく撫でてみると「ありがとうございます。これからも、ご主人様のお役に立つことが出来ると私も喜びがあります」と、そう言った後 俺の目には映らない場所に移動していったようなのである。その事に気づいた俺は「あ」と声を出して

「どうかされたのですか?」と不思議そうにしている彼女の言葉を受け止めた俺が「君が、さっきまで戦っていたモンスターたちは、どこに行ったか知っているかい」と口にする そんな俺の問いを受けた彼女が「おそらくでございますが、ご自身と、ご主人様以外に誰も存在しない世界にて、戦闘をしているかと」と、そんな返事が戻ってきたので 俺の頭の中に、ある一つの考えが生まれた。

「君は」そんな疑問が頭の中に浮かんだが、それをそのまま放置していた俺の視界に、こちらに向けて走って来ている存在の姿を確認することができた そんな存在に対して俺は その相手が誰なのかを判別するために「俺の傍から離れないでくれ」

「かしこまりました」そんなやり取りを交わした直後だった 目の前に現れた女性が、俺の目にはっきりと姿を確認できるようになり。俺は、そいつの名前を呼んでみることにする

「よぉ。お前がここに来ていたのか」そう、声をかけるのだが。俺の前に姿を見せた女は「あなた、どうして生きているの」と 俺に声をかけて来るのである

「あぁ、そうか。俺のことを恨んでいるのか」そんなことを口にした俺に「当たり前よ」と彼女は言う そんな彼女から、視線を外すことなく。じっと見つめたまま「どうしてだ」と 問いかける

「あんたが!あんたが!」そんな感じに、彼女は叫んでから 俺の目の前に

「うわぁ!!」

目の前にいた女性。彼女は、俺のことを見つめていたのだが。俺に近寄ってきたそのタイミングで その女性が俺を押し倒す形で倒れこみ その倒れた勢いのまま俺の顔面を両手で掴んできたのだ

「どうしてだ。あんたが生きてるせいで!私がこんな目に遭っているのはあんたのせいでもあるんだ!」

俺に向かって叫ぶようにしてそう口にしてきたのだが。その言葉を聞いた俺は「まぁ」とだけ言ってから。俺は目の前に居た女の顔をまじかで見ながら。

俺の顔を掴む両手の力に、徐々に力がこめられていくのを感じつつ。そんな状態で「どうして」と再び尋ねてみたのであるが

「どうせ殺されるなら。その前に、私のこの恨みを晴らしてやりたいって思ったんだよ」と言ってから。俺の顔から手を離して立ち上がってくれたので その隙を狙って

「悪いけど」と言い放った後に 立ち上がりながら、彼女に向けて刀を突き出すと「くぅ~」と言いながら倒れこむ彼女を眺めてから

「俺を殺そうとしたことについては別に許す。それにしてもだ」

目の前に居る彼女に向けて俺は言葉を続けた

「俺に、恨みを抱くことはあっても。あんたにとって大切なはずのその命を奪う気は、今は俺には全くなかったんだけどな」

「なにが言いたいわけ」と、俺の言葉に反応し

「いや、ただ。お前のことを殺さなかっただけだ」俺は、その事実を彼女に告げて それから俺は、彼女との話を続けていくことになるのだが。そんな俺の目の前に立っている、かつて俺に殺されたはずの少女の姿をした女は「なにを言っているのよ」と 俺に向かって文句を垂れてくる

「まぁ、俺が殺したのがそもそも間違っていたのかもしれないけれど」俺は、自分の行いに対しての謝罪の意味も含めて その言葉を漏らしてから「俺はお前を救えたはずだったのだから」と言うのだ すると「それじゃ、私の家族を返してよ。あの子たちを殺したことを無かったことに出来るのであれば」と、そう言ってから「まぁ、そんなことは出来ないだろうけれども」と続けた その発言に俺は

「出来るかもしれん」そう口

「嘘」

「まぁ、とりあえず。俺の仲間になるつもりはあるんだろ?一緒に来てくれると嬉しいんだがな。あんたの家族についても 何とかできないかどうか調べてみる」俺がそんな風に言葉にしてみれば 目の前の女の表情に変化があった

「本当に。どうにかできるの?」彼女はそんな質問をぶつけてきてから「もし、本当だったとしたら」とか口にしたのだ そして俺のことをじっくりと見つめ始めたかと思うとその瞬間

「私は、貴方のことを信じてもいいのかな?」と 俺のことを見つめつつそんなことを言うので

「ああ、もちろんだとも。というか、俺の事を頼ってくれるとありがたい」そんな事を言えば

「そう」という短い返事をして見せたので それから その少女を連れて帰ることに関して許可が出たこともあり。俺の足取りが早くなった結果。俺は屋敷に到着すると、そこで待っていた仲間たちと一緒に俺の部屋に向かった その部屋には、俺に用があるとかいう貴族様の関係者が居るらしいので。一応その貴族の人間に顔を覚えてもらう為にもと、俺が先頭になって部屋の中に足を運べば、その部屋に居る人間の顔が確認できたのであった

「それで俺になんのようだ?あんたらがわざわざ俺の屋敷にまで顔を見せに来るなんて珍しいな」と、そう言ってみたのだ。すると目の前にいる人間が、少しの間を置いてから「実はな」と言い出した

「あんたに一つお願いしたいことがあってな」「へぇー」そんな反応を示して見せる俺なのだがその時には既に俺の中では答えを決めていたのだ だが、それを口にするのは止めておくことにした なぜならだ、今はまだ早いと思ったからである ただまあ、そんな判断をした理由というのが まず一つ目の理由として挙げられているのであるのだがもう一つ別の理由が存在しているのだったのだな その理由は簡単だ 俺の目にはしっかりと映っていたのだ その部屋に居た貴族たちの背後に存在している人型の生物の存在を認識することができたからだと言えるだろうか?そしてそれは紛れもなくモンスターと呼ばれる類の存在であることも理解できていたのでそのことについては放置するべきではないと感じた為であるのだが 二つ目はと言えば単純にだ、そのモンスターの

「私と遊ぼう」と言った言葉を聞いた瞬間に、面倒だと判断したからである 三つ目はと言えば、その貴族連中は俺が作り出した結界の中に存在していた その事に気がついていたからであるのだから 俺の言葉を聞いてから 俺に話しかけてきた男は

「実はだな。あんたの作った魔導兵器。あれについて相談に乗ってほしいと思ってだな」と、そう口にして 俺に近づいてくるのであるが。俺としては「その前にだ。俺はその話をあんたから聞かないことにはならないのか」と、そう聞いてみることにした そんな問いかけに対して目の前の貴族が口にしてくれたのは「あんたの気持ちはわかるんだが、こればかりは仕方が無いんだ。頼む。俺たちを助けてくれ」

「はっ」俺はそんな返事を返したのであるが。俺の口から出てきたその返事は、あまりにも軽すぎるような そう言った印象を与えるようなものになったのだ しかし それでも俺は目の前に居る相手に向けて

「俺も、そっち側に加担することになる」そう口にしたのである。その言葉を吐き出した後に俺は続けて

「ただ、そうだ。条件を出させてもらっても構わないか?」と、そんな言葉を吐いてから 俺が思い浮かべているのは 目の前に存在する モンスターたちの方であり。そいつらが俺の方を見ながら 笑っているような仕草を見せたかと思うと

「私達を倒すことが出来たらね」

「倒せなかったら、貴方達は死ぬよ」

と、そんな言葉を俺に投げかけてきたのであった そんな二人

「ふむ」俺は、目の前に出現した人物の姿を見て。それが俺の記憶にある人物であるのかを確認した その記憶とは、つまり。俺がまだ冒険者として活動していた時の出来事だ 目の前に現れた人物は 俺よりも先に、冒険者として活動して成功を収め。今では、王国内でも五指に入るであろう存在として知られている存在。その人物が俺の目の前に立ちふさがる様にして姿を現したわけなので、そいつの名前は当然知っている。

そいつの職業が魔法剣士だったのもあり その攻撃が厄介だったことを思い出しつつ。目の前に突如として現れては攻撃を仕掛けて来ようとする相手を観察している俺がいたのだが そんな時である「旦那」と、後ろから聞こえてくる声に反応してから振り返ればそこには見知った顔の男が一人いたのである

「どうした。お前が俺のことを呼び出して、しかも、ここに来るように指示したのはこいつか」俺がそう呟けば「あぁ」という短い返事だけが帰ってきたので

「お前のところの大将から俺の所に伝言だ。お前の部下を使って、あいつの持っている道具を回収しろだとさ」と言って来た男に俺は「わかった」とだけ返してから「それとだ。こっちに来てくれよ」と、俺に言葉をかけてきたので「了解」と、短く返すと、俺はそのままの速度で走り出す。目の前に現れた相手の事を無視して。ただただ一直線にだ 俺が全力疾走を開始した瞬間に目の前の存在の動きに変化が見られた。おそらくはだ、相手が放つ技の一つなのだろうと予想できるのだが

「うぉ!」

その速度はかなり速く。その速度は俺をも凌駕しており、一瞬でも気を抜いてしまえば確実に捕まってしまっていただろうが。

俺と、その人物の速度がぶつかり合ったタイミングで、その衝突地点が光り輝き。俺はそこから逃げるようにしながら距離を取ってみせるのだが そんな俺に向かって「くらえ」と、そんな叫び声とともに 光の球が俺に襲い掛からせて来たので、俺はその攻撃をどうにかこうにか回避することに成功させた 俺のことを追い駆けながら何度も、そんな感じの攻撃を続けてくる。その度に、爆発が起きるのではあるが、その爆発は、それほど威力が強いわけではなく あくまでも牽制目的でしか使ってこないので

「お前の目的が、俺の事を足止めすることが狙いなんだとしたらだ」と、俺は相手に言葉を告げた後に 俺の身体に宿ったスキルを使う事にした。

その言葉を聞いた相手は、「はっ」と言ってからは、再び、同じことを繰り返すかのように俺にその手のひらを向けるわけなのだが そんなことをされながらも俺はだ、自分の視界が、自分の動きに合わせて動いていることを確認し終えると、そのままの勢いで俺は、相手とすれ違い、背後から迫って来た奴の一撃を難なくかわすことができたので「はぁ~」と、ため息を漏らしてから、再び俺のことを見失って困惑していた。そんな相手を 今度は俺

「まあいいか」そう言うと同時に刀を鞘に収めたまま 構え直した。その状態でだ、目の前で呆けていた相手の頭部目掛けて刀を振るったのだなのだが。その結果 目の前で血しぶきが飛び散ることになった それを目にしてしまった俺の顔に飛び込んでくるのはもちろんの事だが真っ赤に染まっており

「うえぇ」と、そう言ってしまった俺は、どうにか気持ちを落ち着かせるために深呼吸を行ったのだ。

「それで。俺のことを殺せたつもりなのか?」俺はそう口にしてから 目の前で倒れて動かなくなっている、先ほどまで会話を交わしていた相手の姿を眺めていた するとだ 俺に向かって「よくも私の大切な人を」とか言って襲いかかってくる その攻撃を受け流して見せて「お前の仲間はみんな倒したんだ。これ以上何をするつもりなんだよ」と言えば 目の前にいる人間は、無表情のままで、俺のことを見据えてきたのである。それから俺が口を開くと「仲間は死んだのだから、もう、私に残されているのはこの命だけだから。後は、あなたに託すよ」そんな事を言われたのだ。俺は「どういうことだ?」と、そんな疑問をぶつけた。そしてその問いに対して目の前の人間が口を開いた

「貴方はきっとこれからも色々な敵と戦って、時には辛い経験をして、自分の中に芽生えた力を、もっと強くするために、鍛錬を繰り返して行く。そうすると思うの。だって貴方には才能が有るから。その才が、どこまで成長していくのか私はわからないけれど、少なくとも今の貴方は、既に人族の中では最強の位置に立っているのは間違いない。それに私は、今まで色んな国を見てきていて、その中で出会った、様々な人々の姿を思い出すことができるから、確信を持てることができるの」

そんな言葉を吐かれた俺はと言えば

「俺にはまだ力が足りないのか?だからまだ弱いっていうことなのか?俺は」と その言葉を聞いてしまうと 目の前にいる女性は、ゆっくりと頭を縦に動かしてから

「まだまだ未熟だと思う」なんて言われてしまった 俺が少し落ち込み

「はっ」なんて、乾いた笑いを見せてしまい そんな俺を見た女性が「だから」と言ってから、何かを言いかけたところで 俺は女性の言葉を聞き取る事ができなかったのである そんな俺は、女性の方をジッと見つめているのだが そんな俺のことに対して 女性は微笑みを浮かべた後に「私が力をあげる」と言ってきたのだ。しかし、そんな女性の言葉を聞いた俺はと言えば、「いい。必要無い」と言い返してしまう。だが 俺の言葉を受けたはずの女はといえば、特に何も気に

「それは出来ないわ。これは決まりなの。貴方の力の根源となるものは確かに凄いけど。貴方の実力を考えても、今はそれが限界よ。貴方自身がその器に見合わない力を手に入れればその力は貴方の体を破壊し尽くす結果に終わる。貴方にはそれだけの才能がある。でもね、それと同じくらい。貴方は今よりも、更に強くなりたいと望んでいるんでしょう?ならばこそ、その方法を教えてあげるから、それに従ってちょうだい」そんな言葉を吐かれてから俺はだ 仕方

「仕方が無い」と口に出して 目の前の女性から 魔力を受け取るのであった

「じゃあ行くか」と、そう言葉にして 目の前に存在する巨大な魔物を討伐すべく その場所へと向かっていく俺がいた。ちなみに 俺と一緒に居る連中とは、一緒に居る二人の奴隷姉妹であり。二人に俺のことを見てもらうのと 同時に、彼女たち二人に、俺の戦いを見てもらおう そう思ったからでもあった。

そんなわけでだ 俺達はだ、俺と奴隷姉妹である三人 それと俺が生み出したゴーレム達を引き連れて、森の中に出現してくれたモンスター達の討伐に向かうことにしたのである まずは、森に出現してくれたモンスターの方から片付けていくことにした俺

「とりあえず。この森の中に存在しているモンスター達を駆逐して行けば問題はないはずだ。ただ、もし問題があるとすれば」俺はそこまで言葉を吐くと、目の前に広がる木々に視線を向けつつ 言葉を続けた。

「こいつらを操っている黒幕が、何を狙って行動しているのかによって変わる」と、そう言い放ってやると 俺の横にいた。一人の男 こいつは確か 冒険者のランクを金にまで上げた男 つまりはA

「あぁ。そういうことですか」その男は納得がいったというような顔を見せたかと思うと

「でしたら」

俺の顔を真っ直ぐに見ながら言葉を続ける。そんな男

「こいつらの大群を相手にするには、数が多すぎますからね。ここはやはり俺達が」

俺と、目の前に存在する、男の冒険者を見比べたあとにだ そんな提案をして来た。俺は、そんな冒険者に向けて「そうだな」と、一言だけ言葉を返してやったのだが。そんな俺にだ、横から別の声が飛んできて「なら、うちらも参加させて欲しいんだけど」と、声をかけられたのでそちらに視線を送ればそこには。

以前 盗賊に襲われ

「俺の奴隷にしないか」と、そう声をかけてやり その後、色々と事情があったので 俺の手元に置くことにして面倒を見てやっていた。

「あぁ~あの時、君達に酷い扱いをした、俺のことを憎むだろうと思ってたんだが」そう言ってやれば「そうでも無いかなぁ~」「別にぃ?」と、そんな感じの反応を見せてくれたのである。

「わかった。だったら協力してくれ。それとだ。お前たちにも手伝って貰うことにしよう。それと、他の人間達を俺が使役する人形たちを使って呼び寄せる。それで、その集めた戦力でこっちに集まってくる奴らを倒しまくればいい」俺はそこで、俺が創造神より与えられたスキルを発動させるべく

「俺のスキル発動【配下生成】」と、そんな短い詠唱を唱えると、俺が手を前にかざした先に、複数の扉が出現し。

その開いた状態の扉の先の空間には 様々な形を模した存在の者達が召喚された。その姿を目にした 俺以外の人間達は驚きを隠せないでいるようで、目をパチクリさせていたり 口がポカーンとなっていたりしていたので

「まぁ、こんな感じでさ。一応、これでも俺は神様でね。スキルが使えるんだよ」と言ってみれば、みんな「ははは」と笑ってくれたので一安心。

それから俺はというと 先ほど 呼び出した配下の能力を確かめるために その者たちが戦う姿を眺めていたわけなのだが。そんな中での事である。

その戦いの最中で 俺のことをジッと見つめていた一人の少女 彼女の名前についてなのであるが 彼女は俺に対して「お父様」などと言ってきたので

「誰の子だよ?」と 俺としては、そう問いかけてやりたい気分になる だって 俺ってば、自分の子どもがいる年齢でもないんだから

「私です」なんて、俺に向かって言ってくるわけだからな。俺はその言葉で

「えっ」って、驚いてしまったよ そして俺は、その言葉を言った人物の方に視線を向けると、俺に抱きついてきては「会いたかった」と 涙を流し始めたので。その光景を見た

「なんだあれは?おい」とか言ってきた 男の方は、その状況を目にしてから俺の顔を見ると

「なんで貴方が娘を」とか言い出すので 俺の事を睨みつけて来るし もう、なんだこれ?と思いたくなってしまう。しかし、俺は冷静でいたいので

「悪いな。あんたの娘さんの気持ちについてはわからないけどさ。だけど今は少し黙っていてくれないか?」と口にしていればだ。俺の言葉を受けた男が今度は怒り出し始める始末。もうどうなってんだよ!? まぁ、俺がそんなことを考えてばかりいて 戦闘に参加することなく眺め続けていると、先ほどまで俺のことを見つめてきていた少女の姿はそこには無くてだ。その代わりには俺の前に一人の少女が現れていて、そいつに俺はこう問いかけてみたんだ。「もしかして、君なのか?」するとだ「やっと見つけましたよ」と言われてしまったんだ。そしてその

「私と一緒に来て頂けませんでしょうか?」

なんて事を言われてしまった俺は 目の前にいる女の子に対して「お前は?」とか「一体何を考えている?」とか そんな疑問を口に出してしまったんだ。すると 目の前の少女はと言うと「詳しい話は私の拠点に向かいましてから、そこで説明したいのですが、構いませんよね」と、そんなことを言われてしまったので俺は「とりあえず、わかった。お前に従うことにするよ」そう告げた後にだ。少女の案内の元。森の中の、とある場所に向かうことになる。その道中で俺は気になっていた事があり。

「なぁ。俺のことを探し当ててはみたいけど。その前に一つだけ聞かせてくれないか?そもそも、どうやってここまでやって来たんだ?ここは人の手が入らないような場所で、普通の人間であれば、簡単に来れるとは思えないが」なんて質問を投げかけてみたり。

すると、その答えは意外にも単純なものであったのである

「あぁそれはですね」

そんな風に言うなりだ。彼女は俺の目の前で、俺の知らない間に身に着けていたという、俺の記憶にある物よりも

「おっ。それって確か、お前が最初に着込んで居た鎧じゃないのか?」と、俺は目の前に現れた、白銀の甲冑を見ながら 彼女に話しかけると「はい」と答えてから言葉を続けてくる。ちなみにではあるが。俺は、彼女が話してくれるのを待つこととして「それで。これは?」と聞いてみると。彼女からは

「これは私の装備の一つで、魔道具になります。この姿の私は、ある方々によって作られ。そしてその命を救ってもらったんです。その時にですね。私はある方の為に、この身を尽くそう。そう誓ったんですよ」なんて言葉が俺の元に届くと 俺はそんな彼女の言葉を耳にしながら。俺の中で、目の前に姿を現している存在についての興味が湧いてきたので その正体についても探り

「そう言えば。俺の名前をまだ教えてなかったな。俺の名前はだ」そう言ってから。自分の名前を名乗ろうとした時である。「あっ。その必要はないのですよ」そう言われた。なので俺は

「どうしてだ?」そう口にした。

するとだ。俺に抱きついて来たかと思うと

「私は。既に貴方様のお名前を知っていたりしますの」

そんなセリフを吐き出しては 俺のことを上目遣いに見て来るのである。しかも、そんな彼女はというと。何故か頬を赤く染めていてだ。「それで、貴方様にお願いがあるんですよ。貴方様のスキルの力を使い。私がここに居る、本当の意味を知ることが出来れば」などと。何か訳アリみたいな発言をしてきたのだが 俺としてもだ。

「じゃあ。とりあえずはお前がこれから何を行うのかを教えて欲しい。そして、もしよかったらで良いから俺に協力してもらえると助かるんだけど」

そう言葉にしてやれば、彼女は微笑むようにしてから

「えぇわかりました」と言ってから。俺に色々と語ってくれるのであった。そして俺達は 目的地に到着すると その目の前に広がっている、その場所の惨状を目にする その場所は森の中にぽっかりと空いている平地となっていて。

そこには大量のモンスターの死骸が転がっていた。それだけでは飽き足らず そこには人間の骨のようなものまでもが落ちていたりする 俺はこの場所に来ると 目の前に広がってる光景を視界に入れては そんな光景を目の当たりにしながら、俺の横に立っては その景色を見ている

「お前はこれを知ってるんだよな?」と、そんなことを聞けば「えぇ知っていますよ。全てね」などと言い出して。

そんなやり取りをしていた俺と、彼女を遠巻きに見つめるようにして見ている存在が一人 俺達が、この場所に訪れた瞬間 その場に居合わせていたことに俺達は気付かずにいたが。俺と、その彼女との会話を聞いていたらしい一人の男が姿を見せたかと思うと 俺達に向けて声をかけてくる。

その男は「おぉ~やっと戻って来たね。それでだ。僕に色々と話をさせて欲しい」と、そんなことを言うので。

その声を耳に入れた 俺の意識はというと 先程まで俺達の傍に立っていた、その存在に向けられることになる。そいつが「ねぇ君」そう言ってから 声をかけようとしたのだが。その行動を止めるように、彼女は言葉を繋げると、その言葉を吐きだすのだ。

「お久しぶりです。創造神さん。お会い出来て光栄に思います。私は貴女様から生み出されたものなのですから」と、彼女は創造神の事を 神と呼び、自分の正体が、創造神によって作られたものだと語った

「やっぱり、僕の予想は正しかったようだね。それで、そこの彼が例の人物だよね」そう創造神と呼ばれる者が言葉を返してみせると。俺に対して、そう問いかけてきた。俺はその問いかけに答えるべく

「そうだな。こいつは、俺のことを親父と呼んで慕って来る奴なんだが。その関係上。俺は今こいつも守らなきゃいけない状況になっててな。俺もこいつしか頼るものが居なくて、どうしたらいいかわからず。こっちに来たんだよ」なんてことを俺は伝えると。それに納得するようにうなづ

「そうだったんだ」

「そうなんですよ。あの方は私のご主人様なんです。私のことは大切にしてくれていますし、本当に優しい人で、あんな人を私は他に知りません」

「でもさぁ。君がその彼についていくのも無理は無いかもしれないね。なんせ、彼の持っている力は強大でね。今のこの世界の現状を見て欲しい」なんて

「確かに、酷い状態なのかもしれませんが。でもそれが、彼に関係があるとでも?」と、創造神に対して 彼女は、自分の感じたことをぶつけていたのである。するとだ

「うんその通りだよ。君の感じていることは間違いではないよ。だからね、彼は危険なんだ。だからこそ、彼をここで倒してしまうべきなんだよ。わかるかな?」なんて事を言ってくる 俺はそれを、横で静かに聞きながらも、二人の間に割り込もうと試みるも。しかし 俺にはそんなことが出来るはずも無くてだ。二人の会話は、どんどん熱を帯びていく。俺はどうすればと、そんなことを考えていれば。俺は一つの考えを思いつくことになる。それは「なぁ」俺はそう言葉にすると、

「貴方が何を考えて居るのかは理解しましたが、私は絶対にそんなことしません」そう言葉を紡ぐと その少女は、俺の目の前に立つと 創造神の方に顔を向けて「私のご主人に対して、危害を加えるような事があれば」

俺の身体を抱き寄せるようにして、俺の方に顔を向けると、笑顔を見せて来る

「その時は、私は全力で抵抗しますから」

「なるほど」

そんな言葉が耳に入ってきた。

そして 目の前の二人はというと。お互いに武器を手にしていた 目の前にいる少女は、その身に白い甲冑を装着して その手には何も持っていない。対して 創造神はというと 右手に槍を持っているわけだが 俺は、その戦いを止めようと思ったのであるが その時には既に 戦いは始まっていた 少女の方はと言うと、俺を守る為なのか 先程と同じように俺に抱きついてきて、そのまま離れることが無い そんな状態で、俺はどうしようかと困っている最中に 目の前の相手が「ふぅ~流石に厳しいよね。僕は本気を出していないと言うのに」そんなことを口にしていればだ。

少女の方はその言葉を受けてから、こう言葉を返す

「それは私も同じことですが」

そんなことを呟いて見せて、お互いの距離を取り また、構える姿勢を取っていた 俺はその二人の行動を目にしながら。

俺は俺でどうして良いのやらと、困惑しながら ただ、黙って見守っていた。

「じゃあ行くからね」そう言ってから、相手の方から 俺に仕掛けてくるのであった その動きがあまりにも速いもので 目にも止まらぬスピードで攻撃を仕掛けてきたのである それも一撃だけではなく 何発も 俺はそれを回避したり受け流して見せると その隙にと、目の前の敵からの攻撃を貰いそうになる

「ちっ」俺はそんなことを口に出しながら 相手との攻防を続けることになったのである。

目の前に、白銀の鎧に身を包み。そして俺のことを「私のご主人」と。まるで自分の所有物のような発言をしている女の子の姿があり。そして そんな彼女と共に、この世界に足を踏み入れてしまった俺は その先で、その目の前に立ちはだかっている。

彼女と同じ姿形をしている。

同じ装備を身に付けている人物と出会うことに

「くっく」

俺の背後で、誰かの声が聞こえる。それは男でもなく。ましてや女性でも無い。ただひたすらに、俺よりも年齢が下だと感じられる声であった。その声を聞いて俺は、この先に待ち受けるであろう

「おいで」そう言うなり、彼女は腰に差している剣を抜刀する。

その瞬間である。その彼女の表情は険しいものに変貌を遂げたのである。

彼女は一体。何をされたのだろうか?俺がそんな風に思った時には既に 彼女の首筋には刃物が迫っていたのである。そして 彼女は自身の持つ。刃を振り払おうとしてみせたのである。

俺がそんな行動をとったところで、俺の身体はというと 動かなかった 彼女の命を、見殺しにするのかどうか、選択をする時間を与えられてしまうのだが 俺の中で結論は出ていて 俺はその決断に従うことにする。

「まて、そいつを殺すのは待ってくれないか?」と

「は?」

彼女はそう口にすると同時に、俺に向かって視線を送り付けて来ながら、俺のことを睨んでくるのである。

その瞳はというと 怒りに満ちていて、明らかに敵意を剥き出しにしてはいるものの やはり、どこか悲しげで、そして切なそうでもあった。

彼女はというと、今

「はは」と笑いながら「あはあはあはあはははあは」と壊れたように笑っていた。その笑いは止まることを知らずに、何度も繰り返されることとなる 彼女は「殺すつもりですかぁ?」なんて事を言ってから その手に持つナイフを地面に落とす。すると

「ねぇお兄さんさ。僕を殺さないでくれるならさ」と

「そっちの女の子と僕を交換するというのはどうだろう?」と、言っては「あははは」と声を上げながら笑う。俺はそんな奴に近づいて「どういう意味だ」と問い詰めれば そいつは「簡単なことだろ」と言ってから「僕と君は初対面だ。そんな君に教えてあげる。君に僕のことを。それに」と言葉を繋ぎながら、俺に対してこんな提案をしてくる

「君の願いは知っている。君の持つそのスキル。僕の力を貸すかわりに君には僕の望みを叶えて欲しい」そんな事を言ってきたのだった。

俺はそんな奴の言葉を耳に入れると「お前は」そう言葉を繋げるが。その言葉に対しての返事はなく 俺達を囲うようにして現れてきた

「お~来た来た」そんな声を漏らしながら 目の前に出現したモンスターの群れを見ては、嬉しそうに

「さぁ狩りを始めようか」そう言ったのだった。そしてその言葉に反応するかのように。

俺の周囲に集まってきたモンスターは 俺に対して、一斉に襲い掛かってくるのであった。俺は

「さてと、少しは暴れさせてもらうとするよ」

その言葉を最後にしてから、その場から走り出すと、まず一番近くにいた魔物に拳を叩き込むと「おらぁ」とか言いながら そのまま腕を振るえば、それだけで、そいつは吹き飛ばされてしまい その勢いのまま他のモンスターの所へと移動しては、次々に 殴ったり蹴飛ばしたりを繰り返しては。攻撃の手をやめることなく 次々とモンスターを倒していく その様子を見ていた俺の前に そいつは姿を見せると「お~やるじゃないか」と言い出してから「その調子だよ」と続けては そいつは何かに気が付いたようで「うんうん。そう言えばまだ名前を名乗っていなかったな。僕はね リッカ。それが今の僕の真名になるのかな」そう自己紹介をしてきた。

俺はその話に対して特に反応を見せずに その隣で、同じように戦うことにしたのだが。

その途中

「あはは、もうすぐで僕の領域は完成される」そう口にしたのであった。俺はその意味を理解することが出来なかったが、とりあえずは無視して。戦闘を続ける それからしばらくが経つ頃には、その場には静寂が訪れ始めていた。俺の目の前にいた、その少年が言っていた「もう大丈夫だよ」という言葉通りになったのか 周囲の様子が一変しては 何もかもが綺麗さっぱりと片付いてしまったような状況になっていたのである。その様子を見つめていた俺の視界に飛び込んできた光景とは。先ほどまで俺の

「俺の世界に、俺の仲間に手を出すなぁああああ」そんな言葉が響けば それと同時に、辺り一面が、真っ暗になってしまったのであった。そしてその状況を目の当たりにしてからというもの。俺の視界には 白い光が見え始めた。

白い光が広がっていく中。俺の目には先ほどの景色とは明らかに違うものが映ったのである。その白い光が消えていくとともに 一人の少女がそこに現れたのであった。その姿を確認した後に 俺はその少女の頭に手を触れると「お前」と そう言葉にしようとしたのだけれども 目の前の少女は、涙を流し始めては 泣き喚きだしてしまう そんな少女の涙を拭いながら 俺は「心配するなって。お前が居てくれさえすれば、それでいいんだから」そう言ってから、抱きしめてやることにすると。少女は「うん」と答えては「ありがとう」そんな言葉を口にしていたのであった。

「あれ、なんで私生きてるのかな」少女はそう呟くと。目の前に倒れている。自分の姿を確認しては、驚きながらも。「えっと」と、言葉を口にする。すると、少女はこちらの存在に気が付き。

そして

「ごめんなさい」と、謝ってきてから。すぐにでも逃げ出そうとしているのだろうか。立ち上がって俺から離れようとしたのである。しかし俺はそれを許さずに。少女のことを強引に引き寄せてみせると。俺はその少女のことを抱き

「逃げるな」と言葉をかける 少女の方は、俺がそんなことを言って来ることが想定外のことだったらしく。驚いている。俺の方に抱き寄せられている為 俺が今どんな顔をしているのかが分からないらしい。俺も、この子と同じように 少女の顔を確認することは出来ないわけで。お互いにそんな感じの状態が続いていた。俺としてはこのままの状態でも良かったわけだが そう言う訳にも行かずに 俺が少女の背中を軽く叩いてやると、彼女はゆっくりと俺から距離を取ってくれた そんな彼女の目元は赤く腫れていたのであるが そのことについては特に気にしないことにした そして 彼女はと言うと。俺がどうしてここにいて、何があったかを説明してくれた。その話

「私はあの時に死んだはずなのに」そんな風に彼女は言葉をこぼしたのである。俺はそんな彼女の話を最後まで聞き届けることにしたのである。そして その話を聞いた俺の中に とある記憶が流れ込んでくる。そしてそれは俺にとっては懐かしく感じるものであり 思い出深いものでも在る それは「私が君を守ってあげよう」「君だけは」なんてことを、そんな事を言っている俺と彼女がそこには存在していた。そのあと彼女はというと

「またいつか会えると良いね」そんな言葉を残しながら俺の目の前から姿を消してしまうのであった。俺はそんな彼女に対して 声を上げることはしなかったが、俺はその出来事を思い出す度に、心の中では、彼女に語りかけていたりする。

そう言えばと 彼女は俺のことを「ご主人」と そんなことを呼んでいたなと 今更になってそう思い始めると、なんだか無性に 俺のことをご主人と呼んで欲しいなと思ってしまう自分がいる事に気が付くと

「ねぇあなた。ご主人様って呼んだ方がいい?」と俺にそう聞いてきてから 微笑むと「じゃあいいよね」なんて言いだしてくると。そのまま俺にキスをしてきたのである。突然のことに驚く俺の唇を堪能した後で「ふふん」と満足そうにしている彼女を眺めていると そんな俺たちの間に割入るようにして、カリーナが現れた そんな二人を見た俺はというと ま、

「お前が居ると色々と面倒なんだよな。さっさとどっかに消えちまえ」そう口にした そしてそんなことを言われたのにも関わらず。何故か上機嫌な様子の彼女は俺に近寄ってくると、いきなり そんなことを口にしてきたのだった 俺はその行動に戸惑いを覚えて、思わず

「どうしちゃったのさ。いつもならここで殺しに掛かってくるじゃん」そう言ったのだが。やはり反応はなく

「ねぇ」とか

「ねぇ」と連呼してくる 俺には、その言葉の意味を理解することが出来ずに、戸惑うだけ

「い、一体何を考えている」そんな質問を 投げかけてみたのだけれど。やっぱりその言葉に反応し

「別に何でもないわよ」と素直には教えてもらえなかった そこで俺は仕方なく別の方法を取ることに決めた というのも俺には固有スキルがあるからこそできる芸当なのだが、「あぁ~」などと言ってからは両手を上に向けるようにして 大袈裟にしてみる こうすることによって大抵は相手の意識をそちらに向けさせることが可能となるわけだ 実際に今の状況もそうなっていて「なぁ~にそれぇ~可愛いんだけどぉ」などと口にしながら飛びついて来ようとはしていたのだけど。何とか耐えきると 今度は「もう仕方がないじゃないの。だってあなたの事が好きだもの。好き過ぎてどうにかなっちゃいそう」なんて言っては頬に手を当てたりしていて。明らかに挙動不審な

「お前はいったいなんでそんなに嬉しそうに笑っている」そんなことを聞けば「だって、好きな人にそんなことを言われて喜べないという人は絶対に居ないもの。そう言うもんなの」そんな事を言っていた。

俺はそれにどう答えたらいいのかわからないまま「う、嬉しいのか」とそんな言葉を口から出してしまったのである。そんな俺の反応を見て、さらに嬉しそうに「そう。凄く嬉しくて幸せを感じることができる。そうやって言葉を交わすだけでも幸せなの。それだけでいい。それ以上を望んだら罰が当たるの」

俺はそんな彼女を見ながら 本当に嬉しそうにしていることを見て「そっか」と答えた後に 少し気になった事

「俺は、俺は。この世界で生き続けても良いのだろうか」

その言葉にカグヤは、驚いた表情をしてから 直ぐにはにかんでみせたのである。そして「当たり前でしょ」と、そう言葉を口にすると、俺に寄り添ってきた そして「あなたがもし元の世界に戻るのならば。その時は私も連れて行って欲しいの」なんて言いながら。俺の首筋辺りで顔を動かす そして俺の匂いを確認しながら、その香りを楽しむように鼻を動かして見せていた。俺にはそんなカグヤの行動がどういう意図をしているのか分からずに、ただ見ているだけで、特に口出しをすることも出来ずに。そのままでいることに決めると 俺はある疑問を抱いた この子は

「俺が元の世界に戻れば。俺についてきてくれるっていうのかい」その言葉に対して、彼女は笑顔を見せると「えぇ」と、はっきりと口にしたのであった。俺はそれを聞くと「そっか」と、そう答える他に出来ることはなくて その言葉の後で俺は、自分の中に眠っているであろう。

記憶を思い起こしていた。

俺の住んでいた国 日本と言う国は、

「俺にとって。一番大切な人」そんな言葉を自然と零してしまう程に、大事な存在となっていた。だからなのか、俺の中にはどうしても。彼女の姿しか映らないようになっていた そして 目の前にいる、少女のことが 頭から、離れていかないのだ。俺の側にいる、こいつらが あまりにもしつこいからなのか?いや違うな 俺自身。

俺はこんなにも未練が残るような男だっただろうか 俺の生きていた時代には、俺の隣にはあいつがいて そして俺に話しかけてくる奴はいたけど それでも、ここまで強い気持ちを抱いていなかったはず これは何が原因になっているのか。その答えはすぐに分かる 俺は今この異世界に来てからというモノ。初めて自分という

「一人の人物のことだけを想っているのだろう。

そして俺は。彼女のことを考えると。どうにも心が苦しいというか なんと言うか。胸の辺りが熱くなるというか

「どうしようもない」そんな風に感じてしまったのだ それからと言うもの 俺の心の中にある感情は「俺は彼女に会いたい」と言う その願いが強くなっていくばかりだった

「どうしたらいいんだ」俺はそのことについて悩むことになってしまったのであった

「俺が元の世界に戻ってしまえば、俺はもうここには戻ってこれなくなる」そのことについて考える しかしそれは既に決めていたことでもあったはず そして俺にはまだや

「やるべき事がある。俺はまだ何も成せていない」俺はその言葉を口にすると

「そんなにあの人のことが好き」と、カリーナに聞かれた為 素直にそうだと伝えると「ふーん」と口にした後に

「私はそんなに強くはない」なんてことを口にする。そして俺の方に向かって歩いてくると、カリーナは、抱き着くようにしてから 俺に顔を近づける。

そして彼女は「私はご主人のことが大好き。でも、私は弱いから、ご主人のことを繋ぎ止めておけるほどに強い言葉は言えない。だからね、お願いがあるの」そう言ってから 俺のことを押し倒す そのあと

「ねぇ」と、

「私のこともちゃんと見てよね」そう言った後に。彼女の手が、ゆっくりと伸びてきた。俺はそれに対して抵抗することも無く、されるがままになっていた そしてそのままカリーナの手を握ろうとするのだが 俺の手に触れる寸前で、カリーナの手が止まった そして彼女は、寂しげな瞳をしながら

「私じゃ駄目なんだ」そう口にしたあとに 俺の元から離れて行く そんな彼女の背中を見つめてから俺は思ったのだ 俺はあの子のことを愛しているんだなって、それはもう、どうし様もなくて どうすることもできないくらいに大きな そんな感情に振り回されながらも俺はその日を過ごす そして俺は、とある場所にたどり着いたのだが。そこには 俺の仲間である、ミレアナが

「あ、来たのですね。良かったです。実はね、今日も一緒にご飯を食べませんか?って誘おうと思っていたんですよ。さ、いきましょうか」そんな事を俺に対して言ってくる

「ま、待ってくれ。お前も、俺と一緒に、付いて来てくれるってのか?」俺の言葉に彼女は「はい。あなたと共に歩むことを誓いましたから」そんな事を言ってくる。そんな彼女を見ながら

「俺のことは嫌いにならないのか?」なんて聞いてしまうと 彼女は笑いながら「ふふっ。大丈夫ですよ。だって私とあなたは夫婦になるんですから」そんな風な言葉を掛けてくれた 俺の目の前に居る女 カリーナと俺は、結婚をする。そして

「なぁ俺が居なくなったとしても」その先を言うと 彼女は悲しそうな目を見せてきてから「そうかもしれないけど。やっぱり嫌なんだよ」そんなことを言う そんな彼女を前にして俺は何をして良いのか 分からないでいた。

だってそうだろ。俺は今まさに。

「俺が死んだ後の世界を考えて」そんな事を考えている。

そんな俺の考えなんて関係無しに

「やっぱりさ、私と一緒だと迷惑かな」そんなことを言ってくるのである。だから俺は「お前は本当に、面倒な性格をしていやがりますな」そう言うと

「なにそれ酷いよ。私をそんなにいじめないで」なんて言ってくるから「はいはい。まぁ、俺にはよくわからんのだけどな。お前が何に悩んでいるのか。ただな、そんな事を考えている暇があればさ。さっさと解決しちまった方がいいぞ」

そう言い切った俺はその場を去ろうと、背を向けたのであるが。それを見計らったかのように。カグヤが後ろから、抱きついてくる。そんな彼女に驚きながら俺は「どうかしたのか」なんて聞くのだけれど。やはり返答はなくて そのまま俺は動けずにいる すると今度は 何故かは知らないが、ミレーナまで俺の事を抱き寄せてきた。

それから俺はしばらくの間。彼女達から逃げることが出来なかった カグヤは俺の匂いを堪能してから、名残

「ねぇ、今度こそ、二人きりで会いに来てくれないかな」そんな事を言ってきたので。俺の目の前で頬を膨らませるミレアナに一言断わりを入れると 彼女の返事を待たずに転移を使って移動する 俺の目の前に居たのは、いつもの様に微笑みながら俺を迎えようとしてくれているカグヤで。

その姿を見ただけで俺は安心できたし。

嬉しくもあったのだ 俺はその嬉しさが顔に出るのを我慢しながら カグヤの事を抱きしめる そんな行動に対して彼女は嬉しそうな声を上げながら 腕を伸ばしてきたかと思うと。俺の顔を引き

「えへへ~。可愛い」なんて言ってからは俺のことを強く強く。抱きしめてきたのである。俺はそんな彼女の事を見て「可愛い」そう口にすると。彼女は笑顔を見せてから「ありがとう。大好き」そう言うのだった そんな俺たちを見てから なぜか嬉しそうにしている、カリーナとミレアナを俺は視界に入れる。それからカグヤを離してから。

俺は、彼女たちに向けて「そっちに行く。もう少しだけ、待っていてくれ」そう口にしてから再び姿を消す。

そして、俺は 二人の前に現れると、俺がいきなり消えてしまった事に戸惑っていたであろう、彼女達の元へと向かう すると彼女達は突然俺が消えたことで驚いたようで 俺がそこに

「すまないな。少しの間だが待たせたようだ」と、言葉をかけると

「別にいいんだけど。なんで急に姿を消したりするの」なんてカグヤは文句を言い始める。そんなカグヤに向かって、ミレーナは

「もしかして私たちが邪魔だと思ったのかしら。それで姿を消してしまわれていたのでは。そう思ってしまいました」と、心配するように話しかけてきたのだ。そんな二人に俺は「いや違うんだ」と否定をした。そのあとで「俺には俺で、色々とあって」そんな風に言葉を濁していると ミレーナは俺の手を取ってきたのであった それから、俺が

「悪い、また会える時は必ず会いに来るから」と言うも

「約束だからね」そう、念を押してきた それからというもの 俺はカリーナを連れて、ギルドに向かうことにした。目的は魔物の素材を集めることなので そんな俺に対して

「私は、どんなことがあってもあなたの側にずっといますから。だから安心をしてくださいね」なんてことを聞いてくるので 俺は彼女の頭を優しく撫でてから「頼りにしてる」なんて言葉を口にする。そしてそのまま俺は、カリーナを連れたままに その場所に足を運ぼうとした時に

「あの、どうして私はこの場に呼ばれたのですかね」そんな事を口走ったカリーナに俺は「お前に話しておくことがある。俺はこれから。ある場所で戦いが始まるから。だからその間の俺の護衛を任せたい。お前ならきっと。出来るはずだ」なんてことを口にした後。彼女の頭に手を乗せてから 俺の魔力の一部を、譲渡したのであった そのおかげなのか、彼女の力が上がっていることを確認出来た俺は満足気に笑っている。そんな姿を見てか カリーナは俺のことを見つめてきた後に「わ、わかりました」そんな事を言ってくるので。俺は「期待してるから」と言って。俺はカリーナの手を握ると、俺が今、向かっていなければいけない場所へと向かったのであった それからと言うもの 俺はカリーナ

「どうですか、これ?似合っていますか」なんて言って。スカートの裾を持ち上げて俺の視線に自分の姿を見せてきたのである。俺はそんな彼女を見て「悪くは無い。が、俺はもっと露出の多い方が好きだ」そんな風に言ってみるも 彼女はそんな俺の言葉を聞いた後に「そうですよね。ごめんなさい」なんて事を言ってくれたのだが それでも 俺の目を見てくるカリーナの気持ちを、汲み取るためにも「お前はそのままの格好の方が絶対に似合う。他の奴らは知らんが、俺だけは知っているから」そんな風に伝えてみると。

「ありがとうございます」と。そんな言葉を口にしてくれる そんなやり取りをしている俺とカリーナの前に、現れたのはカリーナの姉であるミリシアさん。その人である。そしてその人に向かってカリーナは「お久しぶりです」なんて言葉を口にした

「お姉ちゃん」と、カリーナは言葉にしていたけど、カリーナは彼女に向かって「お、おねえちゃ、うぐぅ」と、言葉を続けようとしたのだが。

カリーナの頭上に手を起き

「相変わらずの甘えん坊さんですね」と言い切る それから「それにしても」と、何かを考えるようにして俺の方を見つめた彼女は俺に向かって「妹が随分とお世話になっているみたいですし。今晩どうでしょう。あなたに渡しておきたいものがありますし」そんな事を言われたのである そんなことを言われるも どうしたら良いんだ と、俺は悩んでいた。

そんな俺に対して カーナは

「あの、私のことを愛しているというのであれば、私の願いも叶えてください」と そんな事を言ってきたのである そして俺の目の前にいる 俺のことが大好きだという少女は俺に対して「あの時は貴方に私のことを信頼して欲しいって言ったけれど、今はちょっとだけ事情が違うんですよ」そんな事を言う。そんな彼女に対して俺は、「あぁわかったよ」そう返事をするのだが。俺はそんな返事をした瞬間に後悔することになる なぜならば カリーナが、俺のことに飛びついてきて、そして俺のことを押し倒してくると

「ねぇ。私がどれだけあなたに焦がれているのか分かりませんよね。だから教えてあげましょうか?」なんてことを言ってくる それからはもう大変なことに なるんじゃないかと、

「な、何を言うつもりなんだよ。そんなこと言われたら。流石に俺だって」そう、俺はそんな言葉を発すると、彼女は「なにも問題ないですよ。むしろそれが狙いなんですから」と そう言ってきた。その言葉で俺は察してしまったのであった。

そんな俺に彼女は続けてこんな言葉を放ってくるのだった ねぇ。君

「なんだ」俺の名前を呼ばず。俺の事を呼び続けるカグヤ

「なんで私を置いて、勝手に何処かに消えてしまうわけ」そう問いかけられてしまい。俺は少し困ってしまった。なにせ。俺は俺で色々と考えたかったからである

「俺は俺なりに。これからについてを考えていただけだ」と、そう告げ

「それで、君は何を考えているんだ」と、聞き返すと。

「私は私よ」なんて答えが返ってきてしまう。俺はそれを聞き やっぱりカグヤには、何も言えないんだろうなと思ってしまい

「なぁ。俺のことは嫌にならないのか」なんてことを問いかけていた。

すると彼女は 俺のことを見据えてから「どうしてそんな事を聞くの」なんて言葉を吐き出す 俺はそんな彼女に「お前は、俺が嫌いになったりしないのかよ」なんて事を口にした。

そうすれば彼女は 俺の体を、抱きしめながら「好きよ。大好き。私は君の事が大好きだよ。でも、だからこそ、不安にもなるよ。もし君が死んでしまったりしたら、そう思うだけで怖くて仕方ないの。ねぇ。お願いだから死なないで」

泣きながら、必死に懇願するように。彼女は俺に訴えかけてきてくれたのであった そんな彼女に対し俺は「お前を一人になんかさせない。そんなの当たり前だろう」なんて事を言っていると。

「ならいいんだけどさ。本当に気をつけて欲しいんだけどな」

そんな風に呟いた彼女の唇を、俺は強引に奪っていた 俺はその行動に対して

「俺はお前の前から消えたりはしないと約束は出来ない。けれどこれだけは言える。俺は死んだとしてもお前の元に戻ってくるから」

俺はそんな言葉を吐き出した。それから俺は

「ま、その事は置いておいてだ。俺は俺のことを好いてくれている人の為に。力を使いたいとそう思ってる。俺には力があるからな。だから。これからの俺はもっと強い存在になる。そんな俺を見て。それでも俺のそばにいてくれるのか?」

そう聞いてみると彼女は「そんなの当然じゃない。そんな事を気にしなくても私は、貴方のことを見ていますからね」

「そっか」そんな言葉を漏らすと 彼女は俺の頬にキスをしてきた そして、彼女は微笑むように

「私は、いつまででもあなたのことを待っていますからね」なんて言葉を口にするのであった。俺は、それを嬉しく思いながらも 俺は俺で考えないといけないことが残っている

「悪い。俺は少し用事を済ませに行くことにする。その間お前はここにいろ」

俺の言葉を聞いて「どこにいくの?」なんて事を言ってから

「待って」なんて言葉を口にするが。そんな彼女の頭を優しくなでてから「少しの間だけな」そう言うと 俺は彼女のことをそこに残してから転移を使った それからというもの 俺はある部屋の中にやってきて そこにある

「ようこそいらっしゃいまして下さいました」そんな声が響き渡り俺はそこに目を向けてみると。そこには一人の男性が立っており、その男は、白を基調としたスーツのようなものに身を包んでいたのであった そんな男性を見つめたまま 俺の意識が一瞬にして覚醒していくような感覚を覚えた俺は、そこでようやく自分がどこに来たのかを理解した

「ここは、お前の精神世界か」なんてことを俺は口に出してみるも 目の前の男性はそれ

「はい。お初にお目にかかります。私はこの世界を作り出した者です」と、そう告げてくる そんな彼に「それで」なんてことを告げると

「単刀直入に申し上げます。私と取引をしませんか?

「内容次第だが。どんなことだ」俺はそう言い放つ

「あなたには、私が作り上げる新たなる世界に旅立ってもらいたいのです。ですから私は、この精神世界の全てを、あなたに譲り渡そうと思うのです。その代わりに、この精神世界において私はあなたの味方となります」

「つまり俺にこの世界で自由に生きろ。その代わり。何かあれば俺の手助けをしてやる。そんな事をお前は、俺に伝えてきている。そうだな?」

その問いに男性はうなずく それから「理解されているようで助かりました。そうですね。そういうことです。なのであなたは、安心して自分のやりたいことをして貰って結構ですよ。ただしこちらからの頼みを聞いてくれるのであればの話になりますが」そんなことを言ってくる

「わかった。それで、その内容とは、一体なんだ」俺はそう言葉にするのだが。

そんな時だった いきなり部屋の景色が、変化していき 真っ黒の世界へと変化していき。そんな場所に俺は閉じ込められた 俺のことを見据える男性に視線を向けたまま俺は警戒心を強めていくのだが。

そんな状況で 目の前に 女性が現れると、彼女は

「はじめまして。わたしの名前はレイ。よろしく」と それだけを言い放ったのである そして俺は思った これはあれか いわゆる ゲームでいう所のチュートリアルという奴なのだと 俺は そんなことを考えつつ目の前に現れた人物に対して質問を繰り出したのだった「あーはい、どうも。で?俺に何を伝えたいわけ」そう言ってみれば目の前にいる女性は にこやかな表情のまま口を開くと「君って本当に何も覚えていないんだね。まぁしょうがないかもしれないけどね」と だけ言ってのける そんな彼女に向けて言葉を返していけばいいだけのような

「んなことを言われても困るがな。それより 俺はお前のことを知らないんだぞ。まず自己紹介とかしてくれるのか?」

その言葉に

「はい。分かりました」と言ってくれた彼女であったが それから彼女はこう言った

「私は、神ですよ。えぇ、分かりやすい言い方だと、全知全能です」と、だけ口にしたのであった ただそれから彼女は言葉を続けていき「そんなに難しく考えてくれないでも大丈夫ですよ」なんてことを言った後だった。

「貴方は、今、大変な状態に陥ってしまっているわけです。そんな時に私がこうして現れました」

そんな風に説明を始めてきたのだった そんな彼女の言葉を黙って聞き続けていた俺に対して、その人は

「今、大変なことになっているんです。そして私はそんなあなたを助けるために。ここへやってきました。それで、私はあなたの敵ではありません」そんな風に俺に対して、彼女が言ったのだ。

そんな彼女に対して 俺は疑問をぶつけてみた。

するとその人物は「そうかもしれません。私には私なりの理由があるのだから。けれどそれは貴方には関係ない話」とだけ そんな事を言ったのであった

「それで、あんたは、俺を助けに来て、それでどうするつもりなんだ」とだけ告げると。その女性は 俺に対して手を差し出してくる。俺は、その女性の手を握ろうとはしなかったのだが 彼女は「別に、私と握手をしても意味は無いんですよ」なんてことを言ったのである。そして続けて彼女は俺に言葉を放り投げて来たのである。

それは

「ねぇ君さ、君はもう死んじゃっているんだよ。君の人生は既に終わっていて、君はもうあの世に居るんだよ。君は死人なんだよ」なんて事を言ってきた 俺は

「だからなんですか」と、そんな言葉を返すと彼女は、俺の胸に手を伸ばし

「君をこのまま死なせる訳にもいかないのよ」そう口にした後で俺の心臓辺りに 何かを施していった

「さて、これで君はもう、普通の人と一緒だよ。私は君の味方だから。私が出来ることは全てやったからね」と その人は、俺に話しかけてきて

「じゃあ後は頑張ってね」と言いながら、その姿を消したのである。そしてその直後の事であった 俺は、自分の体の異変を感じ取ることができた それは体が熱いような感覚に襲われたからにほかならない。

そんな俺の視界の片隅では。俺のことを見据えながら ニヤッとした顔を浮かべる女性が見えた気がしたが、そんな事は気にせずに俺は

「ありがとな。本当にありがとうな」そう口にしていた そんな言葉を漏らす

「気にしないで。貴方のためなら私は何でもするし、貴方の力になりたいと思っているんだからね」なんてことを言ってくる

「分かった。俺のことを助けてくれ。それと」俺が言葉をつづけようとしたところ。それを遮る形で

「私のお願いは、聞いてくれないの?」なんてことを彼女は聞いてきたので 俺はそれに応える形で「お願いします。どうか俺の体をもとに戻してくれ」と頭を下げたのである。

「そんなことしないでよ」そう言われるも俺は 頭を深々と下げ続けるのであった 俺は俺の身体を取り戻すことに成功した しかしそれと同時に、俺の心の中には、大きな空洞のようなものが出来てしまっていたように思えた。そして俺の隣にいたカグヤもまた、どこか寂

「大丈夫?」

そんな声を、かけられるまで 俺は自分が涙を流している事にすら気付かなかったのであった。

そういえば 俺は一体何をしているんだろうと思ってしまうが。その答えが分からずにいると、俺はある光景を目にしてしまう。

「そうか、思い出した」俺は そんな言葉をこぼした。

俺達が、これからやるべき事は一つしか残っていないということを思い知らされたからだ 俺達の目的は、ダンジョンの攻略であり、この世界がゲームと同じ仕組みならば この世界には、ある特定のアイテムを手に入れることによって進めることができるルートが存在していて、そこにはボスが存在しており、倒すことが出来れば、その場所が攻略されクリアとなり。その報酬として、新たな階層へのゲートが開かれることになる

「なぁ、カグヤ。お前の力で、今の俺の状態を調べてくれないか?」そう言葉を放つと、彼女は俺の言葉の意味を理解してくれたらしく「うん。まかせて!」と、俺の胸に触れてから、すぐに俺から離れていくと 俺に向かってこう言葉をかけてきた

「ごめんね。やっぱりこの世界はゲームとは違っているみたい」そんな事を口にして、俺から距離を置くので。俺は彼女に質問をすることにする 俺のことを「カズさん」と呼ぶ少女の言葉を信じたから

「お前に教えてもらいたい事がある」そう言い放つ

「いいけど。そんなに怖い顔をしないでも大丈夫だからね。ちゃんと教えてあげる。だからそんな目つきは止めよう」と 言われてしまう そこで俺は、素直に従うことにして 彼女の話を聞くことにする。すると彼女の方からこんなことを伝えてくる

「この世界で、一番大事なことは。自分の役割を理解していること」なんてことを言われたのだが。そんなことを急に言われても困

「そうだ。俺の役割を教えてほしい」そう言葉にしてみれば、俺のことを見据えていた彼女は、「本当にそれで良いんだよね」と言うのだった 俺はその言葉に対して 静かにうなずいたのだが

「そう、なら私からは、何も言えない。ただこれだけは言えるよ。自分の役割を果たすため、しっかりと行動することだって。私はそう思う」そう言葉を残した彼女ではあったが、俺の方を見つめると

「この世界を生きる人達に、あなた達の力を誇示してほしい」そう言い残してから俺の元を離れていった それからしばらくの間俺は、この精神世界の中で過ごしていくことになるのだったが。その間に、色々と考えることにした 俺に与えられた役割とは、何なのかについてである そんな時だ

「そろそろ時間です。準備は出来ましたか?」そう言って姿を現したのは、先ほど、精神世界で、別れ際に言葉を残していった カグヤの姿であった。

俺は そんな彼女と会話をしながら 精神世界での出来事を振り返ることになったのである。

そうして俺は精神世界において。

神と名乗る人物に出会い話をすることになったのだが。俺はそんな彼女に対して

「頼みがある。頼むから、俺に力を貸して欲しい。俺はお前たち神の力を借りる為にここまで来たんだ」そう告げたのだが 俺が神に願いを伝えるよりも先に。神を名乗る人物が言葉を続けてくる その言葉の内容は

「残念だけど無理です。私達神様に、人の頼みごとを聞くだけの力なんて無いんですよ。そんなこと出来るわけが無いじゃないですか。それに私はもう役目を終えてしまっているわけですし。だから、私が君に協力をするのは無理です。私が出来ることと言えば。君のスキルを強化してあげたり、ステータスを弄くったりくらいなものなんです。ですから」そんな事を俺に言ってきたのだ。だが俺はここで引き下がるわけにはいかない 俺には

「そう言わないで欲しいんだ。あんたには、俺の目的を果たすために。俺に協力してもらえるように、どうにかしてもらうしかないんだ。だから俺の手助けをしてくれ」と 必死になって、言葉を吐き出すと、彼女は「はぁ。分かりました」なんてことを言った後に「じゃあ条件があるんですよ。貴方には、私の言うことをなんでも1つ聞くって約束して欲しいのです。その条件で良ければ貴方に協力してあげましょう」なんて事を言ってきたので 俺としては、その程度のことであれば、特に問題は無いと思ったわけで、了承をしてしまった

「はい、では、私との盟約は成立しました。私と君はこれから協力をしあい、お互いに助け合うということになります。これからよろしくお願いしますね」とだけ口にした彼女は姿を消してしまった。

俺の身体に異変が起こったのは、それから少し後のことだった。その変化がどんなものなのかといえば、簡単に説明をしておこう。

俺は、まず始めの段階として、カグヤの体の中に居た頃のような状態に戻らなければならなかったので 俺は意識を失いそうになる

「大丈夫ですか?大丈夫ですよね?今すぐ回復薬を与えますから」と そんな声を聞いたような気がしたのであったが、それが本当のことだったのかは分からない。なぜなら俺は今 意識がはっきりしない状況にあるからである そんな時に、俺の元に 俺の体が戻ってくる 俺は自分の体に目を向けながら 確認を行う 俺は、カグヤから与えられた肉体へと、無事に戻って来ることができたようである。しかしそれだけではなかった 俺に与えられていた 新しい力は

「さっきまでの貴方とは違う。今の貴方にならば、あの人に対抗することが出来るはず」という言葉を耳にした後で俺は、あの女との戦いに決着をつけることを決意したのである。

そして俺はカグヤの体から抜け出た後で あの女と戦うことになるのだが 俺は 目の前にいる女の姿を見て愕然とすることになる そう 俺の眼前に存在しているのは、今まで俺を苦しめていた、俺を裏切っていた あの黒猫の姿ではなく。

俺がよく知っている人間の姿がそこにあったからだ。しかも その姿を目にした直後で俺は「そんなことある訳が」とかなんとか口にしてしまっのだが。しかしそれは、確かに見間違いなんかでは無さそうで、そこに存在していたはずの あいつの顔は俺の知る あの人物と瓜二つに他ならなかった 俺は、あの名前も忘れることができなかった奴の名前を、思わず口にする

「まさかお前なのか?」そんな俺の問いに彼女は答えることなく、手にしていた大剣を振るったのである。しかし俺も黙っているつもりなどなく、そのまま攻撃を開始すると お互いの攻撃が衝突して激しい衝撃波を生み出しながらぶつかりあうのであった。

俺は 自分の身に何が起きているのか理解が追いついていない。

俺は、自分の目と耳を疑うこととなる なぜ、俺

「なんでこんなことになっているんだよ。俺はただお前と戦いたくなかっただけだっていうのに」そう 俺の目の前に現れたのは。かつての相棒であり、そして今では、この世界に召喚された際 俺のことを騙すように近づいてきて そして最終的には俺を殺そうとしてきた存在でもある その女性の姿をした誰かであった

「どうしてお前が」と 俺の声に反応するようにして 彼女は「やっと気がついたんだね。でももう手遅れだよ」と そんな声を出したのだが。しかし俺の目に映る光景に 違和感を感じてしまうのであった 俺は、そんな光景を見て あることにきづいたのであった それは 彼女が振るう大鎌を目にしても、恐怖感というものが全く湧かないということである しかし俺はそこで思い出すこととなった。その女性が、俺に、自分の命を捧げてもいいと言ってくれていたことを だから俺は彼女に言葉を投げかける

「おい。やめろよ。俺は、お前のことが好きなんだ。だから」

その言葉を遮る形で 彼女は「ふっ。まだこんな戯れ言を口にするんだね。そんなことをしても、無駄だというのに。本当に仕方のない子だ」そう言い放ったあとで 彼女は攻撃を仕掛けてきたのだが、その攻撃を受けても、痛みが走ることは無かったのだ 俺はそんなことを気にしながら彼女のことを見ていると彼女は まるで俺の考えを読んだかのように「ようやくわかったみたいだね。私が一体どういう存在であるかを。そうだ。今の私はお前にとって最も都合の良い姿となっている。だからお前を傷つけることなどできないのさ」なんてことを言い出したのだが 俺は、そんなことを聞きたかった訳ではない。

そうやって会話をしている間にも 彼女は何度も攻撃を仕掛けてくるのだが。俺はそれらの全てを受け止めることが出来ているのだ

「だから諦めて私の物になっちゃいなよ。私は君に何をしてあげることも出来る。それこそ私と一つになることさえも可能だ。そうすれば君は、永遠にこの世界を生きていけるの。もう、死ぬことを恐れなくてもいいんだよ」そんな言葉を吐いてきた彼女ではあるが それでも、やはり、俺は

「断る」とだけしか言えないの

「なんで。なんで分かってくれないの」

そう言った後に またも攻撃を仕掛けてくる彼女に対して、俺は、どう対応したらいいのだろうか。と、考えるのだが。結局のところは、この世界のルールに従うほかはないのだという結論に達した俺は その一撃を受ける しかしそこで 不思議な現象が起ころうとしていることに、俺の目は釘付けになる その現象とは、この世界に存在するであろうシステム的な物だと俺は考えている それは、相手のレベルが一定値を超えたことによって起こる、いわゆるカウンターアタックのようなものなのではないかと思っているのだが。俺はそんなことを考察しながらも。自分の身に起こった変化に困惑している 俺のレベルは2しかない そのはずなのに その俺のレベルが 俺の体を

「なんで」そんな言葉と共に 目の前の存在を見つめると 彼女は、「へぇ~。すごい。私の攻撃を受けたにもかかわらず耐え切るだなんて、流石だよね。だけど残念だったよね」そう言って俺を煽ってきた。だが俺はそれに対して言葉を放つことはなく そんなことを考えていたのである。

そうして俺は改めて 自分自身の変化を確認することにしたのである。俺の肉体の傷は既に治っており 体力だって回復しきっていた。

「そうか。そういえば。俺はあの世界でカグヤの力を借りることで一時的にとはいえレベル99にまで成長させてもらったんだった」俺はそんなことを口にして 俺は、再び彼女と戦闘を開始するのだが 今度は先ほどとは打って変わって こちら側が押していく展開になっていたのである 俺は 先ほどまでは、彼女に対して反撃

「こいつは何がしたいんだ?」俺は、そんな疑問を抱えながらも。戦いを続けている そんな時に、俺は あることに気づいた 先ほどから俺は、彼女の攻撃を一方的に受ける立場となっていたのだが 彼女はというと 俺の攻撃を受け続けてはいるものの 致命傷を負ってまで 無理をして倒そうとしてくるという 様子は全く見られないわけで。俺は、そんな彼女の姿を見ていてある一つの答えに行き着くのである つまり、これは、そういうことなんだな 俺を自分のモノにしようとしている。そう思えたわけで そんなことを考えていた時に、俺はある事に気づく 目の前の存在が振るっている武器に目をやったときに 何か

「こいつは。確か、カグヤの体に入っていた時に見たことのある。神装兵器に似ているような気がする」なんてことを俺は考えた後に 俺は「やっぱりお前は」そう問いかけたのであったが しかし、俺の言葉に返事をすることはなく その女性は俺の懐に潜り込んでくると、俺に密着してきつつ そしてそのまま、俺に抱きついて そして唇を重ね合わせた 俺の体から光が漏れ出しているのを視界に捉えることができたわけで。そしてそんな俺に向かって 彼女は「大丈夫。すぐに終わる」そう言うのであるが。その言葉とは裏腹に。俺は、その女性を払いのけることもせずに。俺は

「なんでこんなことに」とだけ呟いた後で。目の前の女性が振りかざす その鎌を、俺自身の手で受け止めようとしたのだが。そんな行動を予測されていたらしく。俺はあっさりと、鎌で斬り裂かれて。地面に転がるのであった そんな俺に駆け寄ってくる彼女は「大丈夫。今から君の願いを聞いてあげよう」と言ってきたので俺は「俺がお前のことを殺せるようになる方法はないか」と聞くと 彼女は「あるけど。それをすると、あなたは死んじゃうよ」そんな事を口にしたのであったが。そんなことは 今更である 俺はカグヤの体に宿っている間。カグヤを救おうと考えていたのである。しかし その結果 俺が殺されることになったとしても

「かまわない」

そう答えると 俺の意識は途切れてしまった

「あれ?」と声に出す そして目を開けてみると。そこにはカグヤの姿があって、俺のことを見下ろしている どうやら俺は、仰向けに寝転んでいる状態になっているようだ。そしてカグヤは 俺に視線を向けると

「よかった。心配させないでください」と 声をかけて来たので俺は

「あぁ。うん」と 言葉を返した そんな俺とカグヤの元に「お兄ちゃん。起きたんだね。良かった」と、嬉しそうな声色で そう口にしながら。ユナさんが姿を現したので。俺は「え?俺って」と言いながら身体を起き上がらせると

「お姉さま」と言う 聞き覚えのある女性の声が耳に入ってきたので、俺はそっちに目線を向けた すると、その女性の顔を確認できたのだが。しかしその姿を確認した瞬間で俺は絶句する事になる

「なんで?」と口にする しかし俺が動揺した理由を彼女は理解できなかったようで 彼女は「なに?」と言った直後に「あはは。そんなに見つめちゃってさ」と笑った そんな彼女に対して「あんたがそんな格好をしているのを見たことがないんだよ」そう伝えると

「あはは。そうだね。確かにこんな服を着るのは始めてかもね」なんてことを言うので俺は「どういうつもりだよ」と質問をしたのであった 俺の言葉に「別に」と答えた彼女に、俺は更に言葉を投げかけたのだが 彼女は俺の話を聞くこともなく。そのまま「さぁて。どうしようかな」なんてことを口走り始める そんな彼女に「何が目的なのか。正直に教えて欲しい」と、そう告げると。彼女は少しばかり悩んだ様子を見せた後に、こう口を開くのであった

「実はね。君には死んで欲しいんだ」

「え?」俺はそんな言葉を口にしたのだが。しかし彼女の方は気にした素ぶりを見せないどころか そのまま言葉を続けてきたのである

「だからね。君は邪魔なんだ。私の目論見を崩そうとしているみたいだし」

そう言って 俺を睨みつける 彼女の姿を見ると 俺はため息を吐き出したくなる気持ちを抑えることが出来ずに

「なんだよそれ。じゃあなんだよ。俺のことが憎いのかよ」と言うと その女性は、「ふふふっ」なんていう感じで笑うと「いやいや。まさか、違うよ」と否定の返答をする そんな彼女に俺は問い詰めるような形になると 彼女は、「ふぅーん、まだわからないんだねぇ。まぁそれもそうか、仕方のないことだよね、だって私が貴方に与えた影響がそれほど大きかったって証拠でもあるもんね」と。そんなことを言ったのだが。

その言葉に対して俺は違和感を感じてしまう

「どういう意味だ?」と そんな俺の疑問に彼女は「言葉の通りの意味ですよ」と 言葉を返してくる そんなやり取りをしている中で、ユナは、俺の傍から離れずに。ずっと寄り添っていてくれたのだが そこで突然として「ねぇ。私達も一緒に行っていいよね」なんてことを言い出したのだ その言葉を受けて「いいんじゃないかな」

俺はそんな風に思った そして俺達が移動するために動き始めた直後 俺の目線は、一人の男性に注がれることになったのであった 彼はこちらの様子を気にしている

「もしかしたらだけど、彼こそが、君のお目当ての人物なんじゃないかな」俺は、隣でそう言ってきた彼女に対して「そうかもしれないな」と答えておくことにした そして俺は 王城で見た顔の事を 思い出すことになる あの時は分からなかったのだが。しかし このタイミングで、彼が現れるということはもしかすると 俺は彼に声を掛けたのだが。

しかし俺の呼びかけは聞こえていなかったようで 彼は その場に立ち止まっていたのだった それからしばらくの間が過ぎていくのだが。結局はなんの進展

「なんだよ。あいつは?」そんなことを思いつつも。彼のことを俺は追いかける すると どうやらその人物は誰かと話しているような様子を見せる 相手はどう見ても 貴族っぽい出で立ちをしていたわけで。その人物を見て その人が、カグヤを攫っていった男であることを思い出す 俺はその二人のことを見ていると その人物が急に俺達の方に向かってきたので俺は咄嵯に物陰に隠れると その様子をうかがうことにしたのである その男性は 何かを探しているような仕草を見せた後 何かを見つけることが出来たらしい その手に何かを持っているような気がしたが しかしそれは俺の位置からは見えなかったので。何をしていたのかという詳細はよくわからなかったが。

「何かを探していたのは間違いないはずだよな」そんなことを考えながらも。俺はその男の後をつけることにしたのである 男は ある一点に向かって歩いていくと その先にある部屋の中に入っていったので。俺はそこが、どんな部屋であるのかを確認するために 建物の内部に足を踏み入れることにしたのである 建物の内部に入ったのだが。その部屋には何があるというわけではなかったのだが。その室内に置かれている椅子やソファーなどを、念のために見て回ったのだが。何も変化はないようである 俺は、その事に少し安心していたのである その男が入っていった扉の先をのぞき込んでみると そこには先ほど カグヤを攫って行った男性が立っているのが確認出来た その

「おい。貴様。そこで何をしているんだ」という怒気をはらませた声を向けられて 俺は思わず 体を震わせてしまった そして俺は、声のした方向に目をやる そこには 怒りの形相を浮かべた男の表情が目に入ってくるのであった。そしてそんな彼が、俺の方へと歩み寄ってくると 俺は逃げようとするが。

すぐに回り込まれてしまい 俺達はお互いの顔を認識できる距離になる

「貴様。何者なんだ?」なんて言葉と共に、俺は肩を掴まれて そのまま床に押し倒されてしまう その状況の中。俺の上にいる男は「さっき、ここで何かを探してはいなかったか?」なんてことを俺に問いかけてきたので

「いえ。違いますよ」と。

嘘をついてみることにする しかし、それが通じるはずもなく。俺は「さては、貴様はカグヤを何処かに隠したな。さぁ吐け。さもないと痛い目を見るぞ」と言ってきたのであるが。そんな事言われても 正直に答えるわけがない。

しかし俺のその反応を見て。その人は「やはりそうか」と言うと そのまま「カグヤを返せ」と。それだけ口にして俺を無理やり立たせると。腕を掴むと引きずるようにして。その場所から連れ去ろうとするので。俺がそれに抵抗していると。俺の腕を握っていたその手は離

「え?」なんて言うと そのまま地面に倒れ込むことになったのだ。そんな光景を目の当たりにしたその女性は「あんた、一体誰だよ」なんて言葉を吐き出すと、そんな女性のことを 俺は「あなたこそ。どうしてそんなことを聞いてくるんですか?」そう質問を返したのである 俺の言葉を受けた女性は、困惑気味な声色で「そんな事どうでもいいだろ。それよりもお前だよ。カグヤを隠しているだろ」そう口にしてくる しかし俺は、その女性のことを睨みつけると

「だから、知らないって言ってるだろ。何を根拠にそんな事を言い出すんだよ」

そう口にして。俺に攻撃を加えようとした女性の行動を、何とか妨害しようとする 俺

「くそ」と言いながら 俺の手を払うと

「お前が犯人なのは分かっているんだ」そう口にする女性の瞳には、明確な殺意が浮かんでいるようであり。このままではまずいと判断をした俺は 即座に行動に移ることに決めたのであった

「はぁ。はぁ。クソ」そんな言葉を発しながら。彼女は俺に近づいて来る そのたびに俺は彼女から離れるために後退りをするのだが しかしそれでも、彼女に俺が追い詰められているのは変わりがなかった

「待ってください」

俺は 彼女の後ろに声をかけると。その声につられるようにして彼女は足を止めた

「なんだ?もう降参するっていうのか?だったらさっさと諦めることを勧めるけどな」

俺は

「だから、俺は違うっていってんだろうが。いい加減に理解しろよ。そんなんだと、友達なくすぜ」そう口にしたのだった その言葉を耳にして「なんで、私があんたなんかに説教されないといけないのよ」そう言葉にすると。彼女は その剣を振るったのである 俺の首を狙ってきたのだろうが そんなことはさせない その一撃が振るわれる前に、俺はその場から離れた その行為が、相手の感情をさらに逆撫ですることになったようで。彼女の攻撃を俺はかわし続けることになるのだが。しかし、彼女からの斬撃は俺に届くことはなかった そんな最中に俺は「ちょっと待ってくれ。話を聞け」そう叫ぶ しかし彼女

「ふざけるな」とだけ言い残すと 再び 俺の方に襲い掛かってきた 俺を殺そうと躍起になって 何度も斬りつけてきたが。俺は、それをどうにかしのぎ切ることが出来た そんな彼女の様子を見ていたユナなのだが そこで「お兄ちゃん。大丈夫かな」なんて事を俺に言ってきた それに対して「心配しないでくれ。それより、俺を助けようと思わないのかよ」そんな風に言葉を口にする俺なのだが。

ユナは、「うーん、でも、私はお兄ちゃんの味方だからね」そう言って 助けてくれることはないのであった それからしばらくの時が過ぎると 彼女の動きにも少しばかりではあるが疲れの色が見え始め

「はぁはぁはぁ」と 呼吸が荒くなる様子が伺えるようになっていた 俺は、彼女が息を整え終わるまでの間。少しばかりの休息を取ることが出来るので。

その時間を利用してユナとカリーナが話をしている様子を観察していることにしたのだが。どうやら 俺達の様子を見守っているらしいユナは

「カグヤお姉さんは元気そうで良かったです」

「そうだな。ところで、あの二人とはうまくやれそうなのかい?」

「ううん。まだ無理かもしれない」

「まだ?」

「はい。まだですよ」

そんなやり取りが行われていたのである そんな二人の会話の内容を聞いていたのだが。俺がカグヤの名前を出した途端に、二人の態度が変化したような気がしたので 俺はそのことを不思議に思うことになる しかし、俺がそのことに気がついていないふりをして 話を続けていくと。二人の仲が、かなり良好なものであるように思える内容になっていた

「それじゃ、今日はこの辺にしとくか」

俺の言葉に対して「分かりました」と返事をしてくれたカティーナさんの傍に近寄ると「これからも、一緒に頑張ろうな」なんてことを俺は伝えることにしたのである その言葉を受けて、彼女は俺に対して微笑むのだが。俺はその笑顔から目が離せなくなってしまう。そして俺の顔はどんどん熱を帯びてくるのだ 俺はその状態に耐えられなくなってしまい。

慌てて目を逸らすことにするのだが。

そんな風に恥ずかしがっている様子の俺は、そのカグヤと行動を共にしている女性からも、興味深そうに見られているようで

「なんだよ。なんだよ。なんなんだよ。この胸の奥がドキドキするような感覚は。おかしい。これは何かの呪いにかかっているんじゃないだろうか?」俺は自分の心に芽生えた気持ちの正体が何なのか分からないでいたが。それでもその感情が、何かを俺に伝えてくれていることに間違い

「おい、お前がこの騒ぎの犯人でいいんだよな?」と、そんな声が聞こえてきたと思った次の瞬間。俺は背後から、思いっきり殴られてしまい。その痛みのせいで俺は地面に転んでしまうことになった 俺はその男の姿を視界に捉えてみる そして

「は?」そんな声を上げることになったのだ

「やっと見つけたぞ。俺がどれだけ探したと思ってるんだよ」と、そんなことを口にした男の声はどこか懐かしさを感じさせるものだったのだが。しかしその人物を見て俺は 言葉を失うことになったのである 何故ならそこに立っていた男は、顔が半分焼け爛れたような状態だったからである その光景を見たカグヤは

「な、なんなのよこれ。どうしてあなたのような醜い存在が私の前に現れるわけなのよ」なんてことを、口にしてしまったのであった その男はカグヤに向かって

「カグヤ」と。それだけ口にすると。俺の方を指差して「そいつがカグヤをさらって行った奴なんだろ。だから俺がカグヤを助けるんだ」とか口にしてくる

「おい。そこの男。俺の女に手を出してただで済むと思っているわけじゃないだろうな」と、彼は言うので 俺はとりあえず、彼の目の前に移動すると その顔面に右ストレートを叩き込んだわけなのだが どうやら効かなかったらしく その男は俺のことを殴り返そうとしてきたのだが。そんな行動をとった相手に向けて、すかさず俺は回し蹴りを放ったのである

「カグヤに近づく悪い虫め。お前は、俺を怒らせた」と。

そう言葉にした俺は、地面に倒れ伏した相手にさらに追い打ちをかけていくと その男の体を踏みつけて、動けないようにしてしまうと。そんな状況を見かねたのだろうか。ユナが駆け寄ってきて、俺の腕に抱きつくと。カグヤを庇いながら こんな言葉を伝えてくれたのであった

「ご主人様。そろそろ止めないと。そろそろお父様が、ここに来ちゃいます」そんな言葉を受けた俺は その声を聞いて ようやく冷静になることが出来たので。地面に倒れている男性に、こう言葉を掛けることにする

「もう、俺に関わってくるなよ」と。

俺が放ったその言葉を耳にしていたはずのカグヤだったが。彼女は何も反応を示すことはなかった その行動に違和感を覚えながらも。俺はカグヤの手を引いて その場から離れようとするのだが そんな俺達の事を追いかけるようにしてやってきたのは、先ほどカティーナに切り倒された女性であった そんな彼女に対して

「あんたさ、俺とやり合いたいの?」と、俺は尋ねる 俺がそう言葉を発したことで 彼女の瞳は俺のことを見据えると「ええ、そのつもりよ」なんて言葉を吐き出してくるのである 俺は その言葉を素直に受け入れたのだが 彼女は、そのままの勢いで突っ込んできて。そのまま攻撃を加えようとしてくる だが俺は、

「そんな攻撃が通用するとでも思ってるのか?俺に勝てるなんて思ってるの?」

俺は彼女の動きを見ながら 相手の攻撃をいなし続けていた

「何が目的だ」俺はそんな質問を投げかける

「目的は、お前だよ」彼女はそう言って 剣を振るってくる 俺はその剣撃を回避する しかし、攻撃を避けたことで、俺は彼女との間合いが詰まってしまい 彼女は、再び剣を振り回したのであった その行動に対しても、俺は剣で対応すると。その行動は彼女にとって想定外だったようで 俺は 彼女の剣を受け止めることに成功していた

「なんでよ」彼女はそんな声を漏らすのだが。そんな彼女のことを

「お前、一体俺のどこを斬ったんだ」と 俺は言葉を掛けた その言葉を耳にして

「そんなの、分かるはずがないでしょう」と彼女は言い放つ 彼女はそう口にしながら、俺から距離を取ると。剣を構えた

「いいや、分かってないな」俺はそんな彼女の行動を嘲笑するように そう言ったのである その言葉を聞いた彼女の表情には怒りの色が見えるのだが そんな彼女の様子を目にした俺は「その顔。俺の事を舐めてたんだってことが分かるな」と 俺の方に攻撃を仕掛けてくる彼女を迎え撃つことにした それからしばらくは。俺の独壇場になったと言っても良いだろう 俺は 彼女に攻撃を許さずに一方的に叩き込むことに成功した そんな俺の攻撃をどうにか凌いでいるような状態だったが。それも時間の問題であり。俺は容赦なく

「俺に歯向かうのは止めた方がいいと思うけどな」そんな言葉を口にすると 俺の攻撃を受けて 意識を失った彼女をそのまま放置することにしたのである そんな風に彼女が気絶している様子を見ていると ユナとカグヤの方へと視線を向けた すると二人は仲良く話をしている様子だったので。俺は少しほっとするのであった そんなユナが俺に「お兄ちゃん、あの人が気を失っちゃったみたいだけど」そう伝えてきたので 俺達は、カグヤが連れ去られたという村へと向かうことにした その途中で俺達が歩いているのを見つけたのか。村人らしき人が集まってきて、俺達を出迎えてくれることになるのだが。その中に 村長と思わしき人物が俺のことを見つけ出した

「あなたが噂になっている旅人さんでございますか」なんてことを聞いてきたので。

俺とカティーナがその問い掛けに対して「ああ、そうだが」と答えてみせると。その村長は、「この度は、我々の村の者を助けてくれてありがとうございます」なんて事を口走ってくれたのである 俺はそんな彼に対して、「俺とあんたらは、今から仲間なわけだから。そんな他人行儀な態度なんてとらないでくれよ」と、言葉を掛けることにした それから 俺達は村長に連れられて、俺が助けることになった村を見学することになったのだが。その村は俺の想像以上に広く また 俺達に優しく接してくれる人達ばかりで安心する それから俺と

「この村にしばらくいるんですね」と 嬉しそうな声で俺の傍を歩くカグヤの様子は、今まで以上に可愛く見えた そして そんな二人と一緒に行動をしているユナは「うぅ」そんな声を漏らしているのだが。

そんなユナの傍をカティーナと二人で歩いている俺は、彼女のことを見てみると。少しだけ機嫌を損なっているような感じに見えるのだが。

カティーナのほうを見ると。カティーナは何やら真剣な様子であったので

「どうしたんだよ」と、俺は問いかけることにする

「いいや、なんでもねぇ」と ぶっきらぼうに答える そんなやり取りを交わしたあとで、俺は 改めてカグヤのことを視界

「おいおい。なんか様子がおかしいな」そんな言葉を掛けてみたのだ

「あ、あなたは私の事が嫌いなのでしょ」なんて言葉も漏れてしまう始末である

「どうして、急にそんなことを言うんだ?」そんなことを言ってしまった後になってから 俺はある事に思い当たるのだ そういえば、俺がレイナって名前を告げてから、ずっと態度に変化が見られなかったことに気がつき。俺の中で、一つの可能性が出てきたわけなんだが それってつまりあれだよな この子ってばもしかして俺の事が好きでしょうがないとかそういう展開ですかって話ですよねって思ったりしたわけであるのだけれども 俺の中ではその考えを否定するために色

「いや、待ってくれ。お前が本当に俺の事を好きなんじゃないかっていう仮説を立てたとしてもだ。その前提が間違っていた場合。俺はお前のことを嫌っていないということになるはずだろ。いや、そもそもその可能性があるとしたのならば。お前が俺のことを好きって気持ちは本物なんだろうか。俺をからかっているとかじゃなく」と そこまで言葉にしてみて俺は「やっぱりこの話はなしの方向で頼む」なんていう結論を出すことになったのだ 俺は自分の口から「俺を好きだというのなら。これからはもっと俺のことを構ってほしい」なんて言葉が出そうになって それをどうにか我慢することができたのである その俺の言葉を受けて「えっ?」と、彼女は言葉を漏らすと 頬を赤くして。下を向いてしまう そんなカグヤ

「い、いきなりなにを」そんな声を上げるのである それからしばらくの時間が流れた後に、カグヤの両親と対面するのだが。その時には

「貴方が噂になっている旅人なのでしょうか?」なんて質問をされてしまったので

「ああ、そうだけど。どうしてそんなことを?」

そんな疑問をぶつけると カグヤの父親が「それは」と、言葉を続ける その言葉を聞く前に 俺は理解することが出来たのである

「なるほどな」

それからしばらく時間が経過したのちに 俺がカグヤの父親の家を尋ねると。その家にはカグヤの姿がなかったのであった そんな光景を目の当たりにした俺の脳裏には 最悪の出来事ばかりを妄想

「まさかカグヤが、こんなところに連れ込まれているなんてことはないだろうよな」そんな不安が頭をよぎる 俺の脳内で、その最悪なことが起こったらと考えると背筋が凍る気分だったのだが。そんな時。俺のことを後ろから誰かが抱きついて来る感触を覚える そんな行動を起こした犯人の顔を見るために振り返るのである

「カグヤか?」俺はそんな確認を取る すると、俺の腕の中に収めた人物の反応を確認するために。彼女の顔を見つめる その女性は「ええ、カグヤよ」と 口にするのであった

「そうだったのか。心配させんじゃねえよ」と、そんな声を漏らしてしまった俺に ユナとカティーナも「大丈夫なんですよね」と、そんな言葉を投げかけてくる その声を受けた俺は カティーナが無事だったことにホッとすると共に 俺は心の中で

「ありがとう」そう、お礼を言うことにしたのである そんな風にユナやカティーナが カティーナの父親の家にいることに驚いていたが

「お父様、お願いします」と 頭を下げる娘を見て 父親は何かを理解したようにうなずくと「任せておきなさい」と言ってくれた 俺はその様子を眺めながら。何があったのかを確認しようとした時に「あなた、あの子は、あなたの事を待っていますよ」そんな言葉を向けられる

「あいつが?」俺はそう言葉を返したのだが 彼女はそれ以上何も言うことはなかった 俺はそんな彼女に「悪いけど。今はちょっと忙しいんで。その件に関してはまた今度にしてくれないか」と言葉を返すと。彼女は微笑を浮かべ「わかりました」と言葉を返してくれたのである そして俺は「あんたがカティーナで良いのか?」と 彼女の方へと顔を向ける すると「私に名前があるのだとしたら。それで合っていると思うけど」と言葉を吐き出したのであった 俺は「分かった」それだけ伝えると 俺はユナのところへと向かった

「ユナ」俺はそんな風に声を掛けるが 彼女は俺の胸の中に顔を押し付けていたせいか 俺の存在に気がつくことが出来なかった

「おーぃ」俺は 少し大きな声を出してしまったのだが それでも彼女は、俺の胸に顔を埋めたままで 動こうとはしなかった

「ユナさん、そんなにもお兄ちゃんに会いたかったの?」

カティーナがそんな声をかけてくれたおかげで ユナがゆっくりとではあるが 顔を上げてくれて

「あぁ」そんな声を出して俺から離れて行ってしまう だが離れていく際に「会いたくなかったら」と、小声でそんな言葉を残してくれたわけなんだが 俺は そのことについて深く追及することをやめることにした

「ところで、俺達が助け出したあの人は誰なんだよ。お前達の家族なのか?」俺は 先ほどの女性について そんな風に疑問を口にした

「はい。私たちの母で、あの人の名前は。セツネです」

「なるほどな」

そんな会話をした俺は 改めてカティナのことを見たのだが 俺は「俺達と一緒に行くことになるんだけど。そっちはいいんだよな」そんなことを伝える 俺の質問に カティナが返答する前に。カティーは

「お兄ちゃん、お母さんに会えたのはうれしいけどさ。でもね、もう時間が無いの、お姉ちゃんが連れ去られて、もう一日が過ぎてるんだから」

「どういう意味だ?時間がないって」

俺は ユナのことを助けに行く準備をしながら そんな風にカティーナに聞き返してみると

「このままじゃ。カグちゃんが連れて行かれちゃう」そう言ったのであった その言葉を聞いた俺は ユナの母親のことはひとまず置いといて。カティーナの話を聞いてみることに カティーナの話では、ユナとカグヤと別れてから。すぐに追いかけてきたカグヤであったが 途中でモンスターに出会ってしまい。そこでカグヤは負傷してしまう それが原因で意識を失ってしまったらしいんだな そして目が覚めた時にはすでにカティーナはその場にはいなかったらしくて。一人で、森の中をあてもなく彷徨っていたそうだ 俺はその話を 黙って聞いていたわけなのだが

「俺達に出来ることがあったらなんでも協力するから。なんでも言ってくれよ」俺はカティに対してそんな言葉を告げると 彼女は「うん」

「とりあえず、俺もカチ―タと一緒に行くぞ」そう告げるとユナの傍にいる彼女の母親に向かって「こいつを頼む」と言葉を掛けてみると「わかったわ」なんてことを言われたのである よしっ。これで行けるはずっ!!と思ったときに 目の前に現れた人物は「なにやら面白い事をしているみたいですね。どうですか。僕とも一緒に行きませんか?」なんて言葉を口走りやがったのだ そこに現れた人物が一体誰かは知らないが その男に言われるまま。同行するのはあまり良い考えではないと感じた俺は、「いやいやいや、そういう訳にはいかないだろ」と 言葉を漏らしていたのだけれど カティーナの方を見ると、カティア

「この人は信用できるよ」そんな言葉を俺に投げかけるのだ

「どうしてだよ」俺は カティーナの言っている事が信じられなかったので 思わずそんなことを尋ねてしまっていた

「この人の目的がカグヤだから。カグちゃんのことを本気で救いたいって気持ちが伝わってくる」そんなカティーナの意見も一理あると俺は思ったのである それにしても カティアってやつは俺の事を良く知っているような言動をしてくれるわけだけれども。こいつの事は 俺は

「なんだよ、俺が信用できないって言いてぇわけかい」

そんな言葉を口にしてきたわけなんだが それに対してカティーナが言葉をぶつける前に俺は

「悪いんだが、そういうわけで俺達は、お前らと一緒

「そうですか。ではしょうがないですねぇ」俺の言葉を遮る形で。俺とカティーの前に立ちはだかったその男の身体から、魔力が立ち込めると 俺の視界に入ったその男は姿を変えるのであった

「お前の望み通りにしてやるから」そう口にした俺だったが その言葉を聞き届けてくれることなく。その男は姿を消すと。俺の隣には見知らぬ少女が現れたのであった。そしてその光景を目にすることになった俺とカティーはその言葉を失うしかなかったのである。

それから少しばかりの間だけ沈黙が続いたのだ そして俺はようやく我に返り「なんでだよっ」と言うと 隣に立っていた少女の肩を掴み

「なんで、俺の前に現れたんだっ!!」

そう言葉を荒げたのだ。

そんな俺の言葉を受けた

「だって」なんて言い出すもんだから「理由になってねえ」なんて言葉を返す すると

「そんなことよりも」そんな風に言われてしまう そのやり取りをしていた俺たちのことを、ユナとカティーの二人がじっと見つめていることに気づくと 俺は冷静になろうと思い その二人の前に立つことにしたのである それから「お前たちは、あの女のことを知ってるんだよな」と、二人に向けてそんな質問を投げたのだが 二人は揃って首を縦に振って「私達があの人と会ったの」そんな返事をしてくると「あの人はね。私達が暮らしていた村に。その」そこまで言ってから言葉を濁す その様子を見かねたのか カティーナは「私達を助け出してくれた人なの」と カグヤの本当の事情を教えてくれのである

「そうか。それは悪かったな。いきなり怒鳴ったりしちまって」

俺はそう言葉を吐くと 俺は 俺の頭の中で思いつくだけの質問をすることにした それはカグヤという女についてだったのだが 俺の口から飛び出したのは

「カティーナ、お前の母親のことについて教えて欲しいんだが」という言葉 そんな俺の質問に答えてくれたカティーナから 俺はカグヤがどういう人間なのかを聞かされることになる 俺はカグヤのことを

「なぁ、その。あんたが、あの人が助けてくれたんだろう」

俺は そんな声を出しながら 俺の前に立った そいつの顔を見る するとその表情からは 何かの決意のようなものが読み取れるように感じることが出来た 俺は「まぁそんなところなんですけどね」そんなことを口にした奴の顔をマジマジと見てやった 俺の目から見た感想は「俺に似ているかもな」なんてことを思ってみたりした その俺に似た男が 俺に何かを語り掛けようと「あぁあああ!!!あーううーーーーーあが」と、まるで獣のように叫び出した そんな光景を目の当たりにしてしまった俺は。咄嵯

「おいっ!どうしたんだ!?大丈夫なのか?!」

そう叫ぶのだが

「はい、大丈夫ですよ。驚かせてしまったようですみませんでした。実はちょっと、僕の体についていた傷痕が痛み出したみたいなんで」

その言葉を聞いて 俺は「あんたの体は、まだ完治したわけじゃないんだな」と 問いかけてみると その俺の言葉を聞いた目の前の青年は 俺のことを見ながら微笑みを浮かべ「そうなんですよ。治りかけてる感じですけど。まだまだ時間はかかるようです」なんて言葉を吐き出すと そんな風に言葉を続けていた 俺としては「そんなことより。お前の体の方が心配になるぜ」と言ってやりたいところではあったが。今はそいつと話をしている場合でもないので「俺は、あんたが何者かとかってことは聞かないことにしておく。だが一つ聞かせてもらいたい。もし、あんたがその。あー、なんだ、あれだ、カグヤの嬢ちゃんを助けたいと本当に思っているんなら、今、あんたはいったいどこにいるんだ?」

俺がそんな風に疑問を投げかけると その疑問に対して その男は何事もなかったかのように 平然とした顔つきで「僕の名前は、ラガスと言います」と自己紹介を始める 俺はその行為が意味することが何を意味している

「それで、お前はカグヤの奴が、どこに向かったかを知っているのか?」俺はそんな風な言葉を放つ そして俺の言葉に対する返答は その青年が 口を開くことで紡ぎ出される事になる

「僕は彼女とは行動を共にしていたわけではありませんでした。彼女が、一人で森の奥に消えたあと。僕は彼女を追いかけるためにその場を離れてしまっていました。なので残念ですが。今の彼女に起こっている状況について詳しくは分からないのですが」

そんな言葉を吐き出した

「それじゃ、俺は、これからカグヤを探す為に動くが、一緒に来る気は有るか?それともここに残ってカティア達の面倒を頼むべきか?」俺はそう言葉にしていた 俺は正直な気持ちを伝えて 俺が、俺の事を この世界に連れてきた張本人に カグヤが向かったであろう場所に案内をしてもらおうと考えていた

「僕もついて行きましょう」そう口にする 俺に対して 俺は「無理する必要は無いぞ。もしかしたら命の危険を伴うことになるかもしれない場所だからな」と そんなことを言ってみるのだけど それに対しても、この男は

「いやいや、別に貴方のためではなくて。僕が彼女のことを助けに行きたいと思っているので行くだけなんですよ」そんな事を言ってきたのであった そんな会話をした俺達は それから行動を開始することにする カティアやカティナのことも気にはなるが とりあえずはこっちを優先してしまおうと思う

「悪いが。カグヤが連れて行かれたところまで案内してくれるよな」俺が そう言葉を掛けると、その青年は「えぇ。構いませんよ」そんな言葉を口にして そして「それではこちらに」

俺のことを誘導し始めたのである。

それから俺達は 森の中をひたすら進み続ける カティとカティーナの二人と別れてから数時間が経過したわけだ

「なぁお前さん、名前聞いてなかったな。なんつーんだ?」俺は目の前を歩き続けていた青年に声をかけると その男は「ラガスです。よろしくお願いします」

「へぇ、そうなのか」俺の呟きに反応する形で言葉が投げかけられる

「はい。貴方のお名前を聞かせてもらっていただけないでしょうか?」俺は 少しだけ考えた上で。この男の名前を聞く

「俺は、レイ。一応は、カティーナと一緒に暮らしてる男だよ」

俺はそう言葉を吐き出すと共に 俺は自分の右手を差し出して「ほら握手でもしようぜ」と声を掛ける そんな風に俺から手を出すと。その男は俺の事をまじまじと見つめ始めたわけなんだが その視線には、なんか気持ちの悪いものを向けられてるようにも感じられる。なんというか 蛇のような 爬虫類が俺を品定めをしているみたいにも思える。そんな目だ そんな風に思っていたのが

「ありがとうございます」そんな言葉を発してきたその男の態度から分かる通り その男は俺に手を握り返してきてくれていたので「いいって。そんなに感謝するような事じゃないさ」と言葉を返したのだけれど そしたらその男は 何故か ニヤリとした笑みを浮かべるのだ

「ははは。まさかとは思いましたけど。貴方が噂になっていた方なのですね」

俺からすれば こいつの言っている言葉の意味が全く分からなくて。俺は少しの間だけ黙り込むことにしたのだ それから 俺は「あんたは、カティーのことを知っているのか?」と、問いを飛ばすと

「まぁね。僕の仲間達が、カティーナと一緒に住んでいた家の住人達から聞いたらしいんですが。なんでも、カティーの村を襲おうとした輩から。自分達を守ってくれた存在がいたっていう話を聞きましてね。そんな人物と会えるなんて、これは運が良い。本当に、嬉しい限りですよ」

俺はその言葉を聞き届けて

「そうなのか」そんな言葉を吐き出すしか出来ないわけなのだが。

そんな俺に向かって「はい。そんなわけで」と口にしたそいつが「貴女から見れば、僕の事は、敵として映るかもしれませんが、どうか、僕を信じてくださいね」そんな事を俺に言い出してきたのである 俺の頭の中は なんで俺のことを女だって判断したんだとか、俺があいつを助けたのって、結構最近の出来事のはずだろ。なん

「なんだよその笑顔は、それにお前が信じてほしいのって誰のことを言ってるんだよ」俺はそう思った それから俺は「俺を女だと間違えるってどういうことだ?」と質問をぶつけてみると。そいつはまた笑うだけで。答えようとしないのである そして俺が「なんだよそれ」と言う前に ラガスは 俺が歩いてきた道とは別の道を進むと言い出し その言葉を俺は「なんだよ。別のルートもあるんじゃねえか。なら、そっちの方を教えてくれればいいのによ」なんて言葉を漏らすと。俺が言葉を発したのとほぼ同じタイミングだったのだろうか ラガスの奴が急に立ち止まってしまったせいで 俺の体が そいつにぶつかりそうになる。

俺の体とそいつの体との間はほんの僅かしかなかったはずなのに そいつはそのわずかな隙間を利用して くるりと体の向きを変えたかと思えば そのままの状態で静止してしまった

「おい!いきなり立ち止まるなって。危ねぇだろうが」俺が文句を言うと

「ごめんなさい。僕の仲間が来ているみたいなのですよ。それでちょっと確認の為にね」とそんなことを口にしていた そんな奴の姿を目にした俺

「お前さん仲間って?」なんて言葉を口にしてしまう 俺がそんな言葉を放った瞬間のことだ。俺はラガトの後ろ側から迫ってきていた何者かによって殴りつけられてしまった。俺は不意打ちを食らい、地面へと倒れ込んでしまう その行為に対して俺は声にならない悲鳴をあげてしまい、地面に這いつくばってしまうことになった。そして殴られた箇所が痛みだし始めて それと同時に、俺の体に異変が起きたのである。俺は突然全身が震え始め その場にうずくまる

「おい!てめぇ何の真似をしやがる」

そんな風に言葉を吐くのだが 俺は今の状況が一体何を意味するのか理解できずにいたので。俺は混乱した。

俺は「おいっ!俺は、何なんだよ!俺に何をしやがった!!」

そんな言葉を吐き出しながら。俺を殴ってきた相手を見る。するとそこには カティとよく似た女性と。もう一人の人物がそこに立っていた。そいつらの服装が この世界の人間ではないことが見て取れて。俺としては少し警戒感を抱いた その二人は この世界に存在する一般的な服を着こなしていて。腰に武器を携えていた。俺の体も いつの間にかに、いつもの姿に戻っており。俺自身の視界も良好になったわけだ 俺の前に姿を現した二人組。

一人は男。

もう1人は女で 二人ともカティアと同じくらいの年齢に感じる見た目で 二人共、金髪

「はっ!!やっぱりあんたが、私達の計画を潰そうとしていた黒幕ってことなのかしら?そうやって私の可愛い妹を連れ去ろうとしているってことなのかしら?」そんな言葉を発しながら俺の事を睨み付けてきた それから女の方は、「あぁ、私は大丈夫だから。こんな奴の言葉とか無視してくれていいわよ」そんな言葉を投げかけてくれたのだけれど。俺はその女の言葉を受けて 自分の体を自分で調べた。特に何かをされたわけではないようだな。だが

「どうして、あんたらがここにいる?そして俺はどうしてこんな風になっている」そう問いかけると 2人組みの女の方が口を開くと。

俺が口を開くよりも先に その言葉を遮る様に言葉を紡

「それはね。私たちもカティちゃんを助けに来たってだけよ。それとさ、あんたに一つ忠告しておいてあげるわ。カティちゃんにはね、この世界には絶対に手を出さない方がよかったって、伝えておくべきだと、思うんだけど」とそんな言葉を残して

「なんだよ。俺はカティの居場所を知りたいんだ。それとも教えてくれる気があるんだったら。素直に従っても」と、そこまで言った時に

「お前さん。俺の言うこと聞いてくれないかな?」俺とカティアたちとの関係がどうこうというよりも。単純に。俺がカグヤのことを 助け出したい。

「なに言ってるのよ。こいつは敵よ?」そう言葉を漏らす 金髪女。俺は「だから。敵も味方も、関係ないだろ」

俺はそう言って、自分の意思を伝えていくと 俺が喋り始めたと同時に。そいつは「へぇー。面白いこというじゃん。あんた、自分が誰か分かっているのかしら。貴方をここで殺してしまえば、カティを助けられるかもしれないってことなんだよね。だけどさ。あたしがあんたを殺すのには意味が無いんだよね。だから、その前に。その命、奪ってもいいってわけ?」と そう口にしてくる 俺が、その言葉を受け止め そして俺は この場をどうにかしようと思考を巡らせる カティーナを救い出さなければならない 俺はカティーのことが好きなのであって、他の子が好きだというわけではない。なので 俺は カティーナを救うことを最優先事項にすることを決めた 俺は 目の前に存在している二人の男。そのうちの一人の男のことを見つめる その男のことを、俺は

「お前の名前は?」と そう言葉を放り投げたのだ。その男から、俺が名前を聞き出すことが 今回のミッションになるはずだからだ

「はは。僕の名前を聞きたいですか。別に、貴方がどうしても知りたいというのでしたら。教えても構いませんけど」そう言葉を返してきた。その男の態度は 先程までの態度と全く違うので。こいつが敵だと、はっきりする それから「僕の名前は、ラガスと申します。今後、貴方に僕の事を話す機会が訪れるかどうかは分かりませんけどね」と口にすると。

男はニヤリと笑い始める。俺の頭の中には疑問しかないのだけれど。今はとりあえず。カティを助けるのが優先

「なにを考えているのさ?」俺

「なにかを考えるのが僕の仕事なんですよ。それに僕は、自分の目的のために生きているので。それを成し遂げるための努力を欠かすことが出来ないんです。そうしないと、自分の目的を達成できなくなってしまう」

そんな言葉を聞いたから 俺は、そのラガスってやつに対して言葉を発そうと思ったのだけれど。俺はそこで、ある事に気づいてしまった。俺は今 こいつに、自分の正体を明かしてしまっている カティナと似たような姿をした女の子の側にいたので、油断をしてしまったのだと思う。そしてそのせいなのだろうか カティーナがこちらに歩み寄ってくる そのカティーナの瞳は虚で、何も映していないような気がして。俺が「お前、カティーナだよな?」と問いかける。

俺がそう問いを飛ばすと、カティーナは自分の手を眺めて、その手で俺のことを殴ってきた。それから

「あなたは、誰?私が知ってる。あの人とは。違う、あの人が。私の知っている。あの人とは違う。」

そう言い出すと、彼女は 俺の腹を殴りつけて、その痛みに俺が動けなくなったところを 蹴り上げてくる 俺は、彼女に 抵抗することも出来ぬまま、ただ

「やめて」としか言えなくなっていて。彼女の攻撃を避け続けるしかできなかった。

それからしばらくして カティの攻撃が止むと、その場には。血まみれになった、俺だけが取り残される結果になっていた 俺が倒れ込んでいる姿を確認した後に、カティと同じような格好をしている2人の女性達は そのままカティの手を引いて立ち去っていくと

「ま、まって」と声を出す俺の声が耳に届いているのかいないのかはわからないけれど とにかく そのまま、彼女達が立ち去る姿が見えたので。俺としてみれば「追いかけないとな」

なんて思いつつ なんとか立ち上がり そして、ラガスと名乗った男のほうを見る その男が俺に対して「お前さんは、あいつのなんなんだよ。あれだけ大切にされている存在なんてそうはいないと思うんだがな」なんて言葉を口にすると。俺が

「俺が、お前に話す義理なんて無い。それに俺としても。カティとは仲の良い友人で、それだけの関係で。それ以上でもそれ以下でもない。俺にとってあいつは、大事な奴だってだけだ」と、そのように告げると。そいつは「そうかい」なんて、返事をするだけだった。俺の言葉を受けて、俺がどういった人間なのか判断しようとしているように見える

「それよりも、だ。あんたの目的を教えてくれ」俺が言葉を発すると そいつは 俺の方を見ながら、「さて。君は一体何者だい?」と言葉を放つ

「俺か。俺の名前をあんたに聞かせる必要があるのなら 俺はレイスと名乗っておくことにする。俺はあんた達がやろうとしていることに対して 妨害するつもりはない カグヤを取り戻すために。協力できることがあったら協力したいとも思ってる」俺がそんな風に言葉を紡ぎ終えると その男も「なるほどな。君が敵ではないことは分かった」と言ってくれたので。

「俺はあんたの邪魔をしない。俺はカティアに危害を加えるつもりは無い。それは誓えることだ。そして俺に、力を貸してほしい」と、そう伝えたのだけれど

「残念だがな。私達にも譲れないものが有るんだよ。私達の計画を潰そうと企んでいる相手と。手を組むことなんか出来ないだろう?私達にはまだ。やることが残っていてね。悪いが君に手伝うことはできないんだよ。だから、私は私自身の為に動くだけ。だから私は私の意思に従うことにしている。そして私はカティアを助けたいと、心の底から願っている」と、その男はそんなことを口にしていた 俺は、その男の顔を見据えて「じゃあ どうして カティを助けようと思ったんだ?」

俺は、俺の言葉を受けたその男は

「私はカティアが好きだからね。あんな表情の彼女が見たくなかったんだ」と そいつは、カティーの気持ちを知っているみたいで そいつはカティーのことを好きだったらしい カティアも、こいつのこと、好きなんじゃないかなって思うんだけどな

「俺の邪魔をしなけりゃ それでいいさ」と俺が口にすると。その言葉を聞いたその男は「君は 不思議な人間だね」と、俺のことを見てそんなことを言い出していたが。俺が「あぁ 不思議だろ?だから俺はこの世界に馴染めない」そんなことを言ってみせた

「なぁ あんたの目的は」と、そんな言葉を発しかけたのだが

「さぁ?もう時間切れです。また会えたらいですね。次にお会いするときまで 僕と貴方の関係がどのように変化しているかが楽しみなんですよ」と、言って。そいつも 俺の前から姿を消していった。それからしばらく時間が経つと 今度は、先程別れたばかりなのに、アテシアから念話が飛んできたのである。俺はそれを受けると

「カティちゃんと、同じ容姿をした女の人達がこっちに来ているみたいなんだけれど。もしかしたら その子も 貴方のことを殺したがってる可能性があるわよ」なんて、言葉をぶつけられてしまって。俺としては 俺はその事実を知ってから、慌てて、その場所に向かうと。確かに カティアと同じ顔をした女性がそこにいた

「おい!お前ら!!その女をこっちに渡せ!!」と俺が声を出す カティアの姿を借りているその女性は「貴方はだ~れ?」と言い出してきてくれた 俺はその女に近づきながら「あんたには関係が無いだろ」と言葉を返したのだ そして そいつは 俺の目の前で「関係ないわね。貴方を殺すだけだもの」そう口にすると いきなり魔法を行使してきて 氷結系の技を使ってくる。

だけど俺は 俺の事を攻撃対象にしてくる相手を、敵としてみなして戦うことを選んだ それから、戦いを始めていく中で。相手がどんな攻撃をしてきているのかをしっかりと見極めることを意識して戦闘を進めていく そして俺の攻撃によってその相手から カティアの体が剥がれ落ちそうになる そのタイミングを狙って 俺はそいつに対して剣を振り抜いて そのまま、相手の首を撥ねると。首が取れてしまったことで 胴体が地面に倒れ込みそうになったので 俺はすぐに

「危ないからな。俺が回収しておくからな」なんて声を掛けて、その場から離れようとしたのだけれど 俺に近づいてきて

「貴方の事は許せない」

そのように言葉を吐き出すと その女の子は 俺のことを押し倒して、俺の首に手を掛けると そのまま 絞め始めてきた 意識が飛びそうになりながらも 俺の意識を保つ

「俺を殺したいなら もっと強くなれ」俺がそう呟くと そいつは泣き始めて、俺に抱き付いてきたのだけれど。俺の体に何か柔らかいものが当たってる感触があるんだよな それから数分が経ったころに カティによく似た少女は、涙を流し続けている。それから カティがこちらに歩いて来る姿が目に入って。彼女はその光景を見ると、直ぐに行動に移った まず、自分の分身を一体生み出すと 自分の分身に対して 自分の意思を伝えてから、こちらに向かって駆け出すと。カティアの姿をした女性を蹴り飛ばしたので。カティの分身に、俺は

「その人はカティアじゃない。お前の主人が お前に命令をして操っている存在なんだ」と伝えてみると。カティーの分身の目が虚になっている カティーのその行動を見ていたカティアは「なんで なんでカティーナが」なんて言っているけれど。その言葉を聞いてもカティーの耳に入ることはないだろうと思う

「私の事なんて、忘れて、良い、カティ、あなた、は」なんてカティの身体で話し続ける女性の方にカティが

「ねぇ あなたは何者?なんでカティーナの中に存在しているの?」

カティの言葉にカティに憑依していた奴は答えようとしなかったので

「黙ってちゃ何も分からない。あなたが何者かを教えてくれないと 私もあなたの目的を知ることが出来なくなってしまうの」と カティアは、相手に話しかけていた それから、そいつは自分の事をカティに伝えようとする 自分が誰なのかを。

カティに憑依しているそいつが言うに 自分は元々、普通の人間だったらしくて カティに殺されたので カティの中に入ったらしい。その話を聞いた時に、カティと似たような格好をしていたあの二人がカティと一緒の服装をしているのは偶然ではなく、必然的

「カティアさん。お願いだから 私を殺して欲しい」と。そう口にする彼女に カティアが困惑しながらも「どうして なんで私の名前を知ってるの?それに どうしてこんなにも苦しい思いをしているのかは私自身わからないけれど 私も貴女と同じなの」なんてことを言っていた カティアのその言葉を受けた女性は「そうよね だって私達は姉妹なのだもの。ごめんなさい。私は、ずっと前から貴女の事が大嫌い。だから殺したかった。私が殺されなければ 私の代わりに死んでいった 妹の仇を取れるような気がしていて。それに 妹が死んだ後 私も死にたかったのに、私は、貴方のお姉ちゃんに助けてもらってしまった。私はもう死んでいるはずなのに、私は生きている」なんてことを口走っていたのだ。その発言にカティアは反応を示す

「それってもしかして あの子のこと?」と そう尋ねてみると、その女は、「あぁ あの子は、本当に優しい子だった。だからあんな無残なことになってしまったんだ。そして、あの妹が、カティア。貴方と同じような容姿をしているんだけれど。そっちの人と一緒に 私はカティアに倒されたの。でも、私は死ぬ間際。貴方の身体を借りて生き長らえていた」と、そんな話をしてくれるのだが カティアも カティアの姉と思えるその人物も

「えっと、よくわかんないし そもそも。貴方が何をしようとしているのかもよく分からなくなってきたんだけど。とりあえず、私の体を返してほしいんだけど」と そんな風に言葉を紡ぐ その言葉を聞いたその女は「残念だけれど それは出来ない相談なんだよ」そんな風に告げると その女はカティアから離れて 俺の方へ近寄ってくると。そこで、俺に語り掛けてくるのだ

「君には悪いけど 私はまだこの世に生きていたいんだと思う。君達二人のことは とても憎いけれど 私はまだ生きて 色々とやりたいことが沢山あるんだよ。そして私はまだ。この世界を、諦めたくは無いんだ。だからね 君達の事を見逃すことはできない。そして君は 君自身が持つ力を正しく使ってくれ。君達の持つ力は強すぎるからね。そしていつか。また、どこかでお会いしたいと思っているよ。じゃあね お元気で。私はここで失礼させてもらうとするよ」なんて言葉を残して、俺とカティアの前から

「待て!」

俺は声を上げて追いかけたけれど。俺が手を伸ばして捕まえたと思った瞬間 俺の手をすり抜けてしまう 俺は必死になって探したのだが。結局その人物は俺の前から姿を消していってしまった。それから俺達が 王都に戻ってきてからは大変な事態が起きていて。

「あれは もしかして」俺がその言葉を漏らしている間に、その男は俺とカティアの前に姿を見せてきたので。俺は咄嵯に カティアのことを庇うようにして その男に立ちはだかる

「やっぱりお前か」

俺はそう口にすると

「お前の考えている通りだ」と、そんなことを言われてしまい。その男の傍に居るカティアのことを

「俺がこの手で守らなきゃならないから」そう呟いて 俺が前に立つことにしたのだ 俺はカティアを守る 絶対にこの場からは離れさせない その決意と共に カティアの前に出てから俺はそいつに視線を向けている カティが心配してくれているようで 俺に抱き付くと。そいつは「久しぶりじゃないか。俺のことを覚えているかな」なんてことを言い出してきたのだが。俺はその言葉を受けて「知らん」そう言葉を返す 俺の反応を見たその男は 少し笑

「知らないと言われては仕方がないが。俺のことを思い出すまでは俺に付いてこいよ」なんて言葉を投げかけられると

「断る!!」

俺の声に反応したかのようにして カティアから「貴方はこの人とどんな関係なんですか」という質問をされて。それに対して「俺はこいつとは敵だ。俺はこいつを始末してやる為にここに来た」と そう伝えてきたのだ

「貴方の目的は」と、カティアが聞いてきたので。俺は答える

「俺は、こいつに、カティアの体を乗っ取られてるみたいでな。だから 俺の手でこいつを倒す」

俺の言葉を聞いたその男は「お前に お前に出来るわけがないだろう」

「俺の力を知らないようだし。教えておいてやるが俺は強いぞ。そして 俺はお前を殺さなくてはならない。俺自身の目的の為にも」

「ふぅん。それで、その目的はなんだ。俺が力になることが出来るかもしれないだろう」そう男が問いかけてきたので

「それは無理だろうな。なぜならお前の目的など俺が知っているからだ」と伝えると

「俺とカティアの関係を知っていると」と、尋ねてきたので「ああ」そう俺が返事をするとその言葉に対して

「そうか」と、一言 その言葉を口にしてから、何かの魔法を使い始めて、その男の姿を確認できたときには、その姿は消えていたのだ。それからしばらく経ってから

「貴方に怪我とかはないの?」と尋ねられたので

「特に問題ない。あいつは、カティアの体を奪いに来ると思うから気をつけろ」とだけ言っておいたのだ 俺が宿に帰ると、そこには一人の少女が待っていた。その子はこちらの姿を見つけると嬉しそうな顔をして走り寄ってきたのである それから俺が何かを言う前に彼女は飛び掛ってきて。その少女は俺の背中へと勢いよく抱き着いてきて そのまま、その状態で彼女は動こうとしない 彼女の行動に困り果てた俺は、彼女に向かって声を掛けてみた

「あのぉ そろそろ 離れてくれませんかね」

俺の言葉に反応を示してくれる

「嫌です 私とあなたの間に壁を作られてしまいますと 寂しいので」なんてことを彼女は言うのだけど。俺はそれを聞きながらどうしたらいいものなのかと悩んでいた そしてそんな風に悩んでいると彼女が口を開いてきて

「私は貴方のことを愛しています。なのでこれからずっと一緒に暮らしましょう」なんて言ってくるので 俺はその言葉を聞いていると、「そうは言うがな そもそも なんで俺なんだ?なんで初対面同然の人間相手にそんな風に思ってるんだよ」なんてことを言うと その女性は「一目惚れというものでしょうか。貴方の事が好きです。私の事を救ってくれて、そして貴方に助けられたことを私は忘れられなくて。ずっと好きだったんですよ。貴方の事を。私はあの時に、あなたによって救われました」と言ってきた 彼女のその言葉で俺が思い出した記憶の中には その女性に良く似た姿の女性が存在していた

「君は確か あの時 殺されてしまった」そう俺が言うと その人は「貴方のおかげで私は命を繋ぐことが出来たんです。ありがとうございました」と、それだけを言われる それだけではなく、俺は、目の前にいる女性の言葉を聞くことが出来なくなってしまったので そのことについては「とりあえず。その話はまたあとで」ということにして 今の状況について考えようと思って その女性の顔を見てみようとするのだが どういう訳なのか、俺は、この女性がどんな姿をしているのか 見ることが出来ない状態になっていたのだ そんな状態の俺を見た女性は

「私のことを見ることは出来ないでしょうが。私のことを思い続けてくださると嬉しいのですが」と そう言葉を紡いだので。とりあえず「あぁ そうさせて貰おうかな」とだけ答えておくことにした するとその女性は俺から離れると

「お父様から連絡を頂いた時は驚きましたけど 本当に会えることになるなんて」

そんな言葉を紡いでくるので 俺も彼女に言葉を返していく

「あ、俺もだよ。君の父親から、君のことを聞かされたときは 正直、驚いた。君には感謝してもしきれないよ」なんてことを口にすると

「お父様にも感謝はされていると思います。でも 私が感謝したいのは、貴方の方です」なんてことを口にするので 俺は、その女性の顔を見ないようにしつつ「そっか」なんていう簡単な返答をして それから、彼女と話をすることにしたのである それから、俺とカティアは宿の一室で二人きりになり 俺は、カティアと、これからの話をしていると カティアがこんな話を切り出してくる

「私ね やっぱり 自分のことが許せない」

「えっと なにが?」と、そんな感じに言葉を返すと

「だって、私ね。貴方の足を引っ張ることしかできないから。迷惑をかけてばかりで 本当に申し訳ないと思っているんだよ」と、そんな風に言葉を伝えてくるのであった 俺は そのカティアの表情を見ながら。言葉を伝える

「いや 別に 俺的にはそんなことは気にしていないけど」

「本当?良かった。なら良いんだけれど」

「それに、俺は、君がいなかったらここまで生きてこれなかったし カティアが俺のことを大切に思ってくれているって、俺がカティアの側に居たいと、そう思えるくらいだから そこまで、自分を卑下する必要はないと思うぞ」

俺の言葉を受けたカティアは。

「そうね 私、頑張ってみることにするわ。私のせいで誰かが傷つくのなんてもう見たくないの」なんて

「うん、頑張れ」なんてことを 俺は口にしていたのだった。俺は、カティアの傍から離れて 部屋を出る際に、部屋のドアに手をかけたところで

「そういえば お前にまだちゃんとした自己紹介が出来ていなかったから。まずは、俺の名前を教えておいてやるよ」そう俺が言葉に出して 名前を告げていくと

「それが名前なの?不思議な名前よね」

「そうだよ。お前も似たようなものだろ」そう言い残して 俺は、外に出たのだった 俺は外を歩き回っていた。そして

「そうか。ここを潰せば。後は あそこだけだ。あいつらが逃げられる場所があるとは思えないし」

俺の目に入ったその場所に向かうために

「少し痛いかもだが そこは我慢しろよ」

俺がそう口にしてから。手にしている剣に力を込めると、次の瞬間には何もかもが無くなっていたのだ。そんな風にして、この場所での戦いが終わったのだが 俺はその場を後にすると、再び、この場を離れようとしたのだ そんなことをしながら 移動しているうちに

「この先から、血の匂いが」俺はそう判断すると、その道を進んでいく そうしてから暫く歩いていると、一つの家を発見した その家に近づいていくと そこには二人の男がいたのだ

「あんたら 何者だ」その

「こいつらは、この国の勇者と王様じゃねぇか」そう、俺が確認を終えるのと同時に そいつが話しかけてきた

「俺が、俺達が誰であろうと関係ない。お前たちは死ぬのだから」と、そいつがそんなことを言ってきやがったので。俺はそいつに対して攻撃を仕掛けて そいつを倒すことに成功して 俺はそいつの首を持って、国を出たのだ 俺は王城に戻ってきた

「おい こいつが今回の件で犯人だ。お前たちが探し求めていた魔王だ。こいつの首をお前たちに渡しておく。これで 満足だろう。だから俺のことをこれ以上関わらせようとするなよ」と そう伝えてから、城から出て

「よしっ。俺も、目的を果たせたし。ここをでるか」

それから俺は この国から出ると、その国での出来事などを全て忘れて、新しい人生を送ろうと、そう決意して旅を始めたのだ それから俺は、とある町にたどり着いたので。

「ここでいいだろう。ここに俺の家を建てれば」

俺はそれから その町の中に存在する不動産に足を運んでから「あのぉ。家を建てたいんだけどさ」と 俺の言葉に反応して出てきた人物の姿を見てみると そこにいた存在は女性であり、そして見た目としてはとても美しいのだが。なぜか違和感を感じる部分が存在していて。なんだろうと思いながら彼女に向かって俺は「どうかしたのか」なんてことを尋ね

「貴方にお聞きたいことがあるのですが」なんて言われたので「なにかな」なんて言葉を俺が返すと その女性が言葉を口にし始めるのである

「私は、貴女の味方になれますか?」

彼女のその言葉を聞いた後 俺は彼女に向かって

「それはどういう意味なのかを聞かせて貰えないだろうか?」

俺がそう問いかけると彼女は「私のことを守ってくださいますでしょうか」なんて言葉を出してきて その言葉を耳にした俺は。その女性に向けて言葉を紡ぐ

「それは出来ないかもしれないが。とりあえず。俺はお前が困っているのなら。力になれることがあれば手を貸そう」と、俺は その女性に返事をすると 彼女は「分かりました。ありがとうございます」と言ってから、立ち去っていき。それから俺は この町を去ろうと思った時に「ちょっと待ってくれ。お兄さんは何処に行くつもりなのかな」なんて声が聞こえたので振り返ると。その先には その女性の父親がいて 俺は「まぁ色々と事情があってな。これからは、自分の力でどうにかして生きようと思っているんだ」と 俺の言葉を受けてから 彼女の父親は

「君に何かがあったら助けるよ。だから 何か困りごとが起きたら連絡してほしい。それと、もし良ければ 私のところにも連絡をしてもらえるかな」なんて言葉を残して去っていったのだ それから、俺は。とりあえず 今日は休むことにしたのである

「あ、おかえり。お腹空いたから。ご飯用意しといてくれると嬉しいなって」なんてことを告げる少女を見て。私は微笑んでしまうのであった。すると 少女はこちらをジッと見つめてきている なので 私は彼女の頭を撫でてあげたのだ

「えへへぇ」と気持ちの良さそうな表情をしているのを見て、私自身も心が落ち着く気がしたのだった

「えっと、それでね。今日は何をしていたの?」と 彼女が訪ねてくるので

「えっと。私に妹ができたんですよ。この子、とっても可愛くて、私の大切な宝物ですよ」と、私が言葉に出して言うと。それを受けた女の子は私に飛びついてくる そんな女の子の姿を見た私と妻は お互いの顔を見合わせて

「この子がね。最近ずっと甘えん坊になっちゃっていて」と妻が言葉に出して言うと。私にくっついていた女の子が そんなこと無いと言わんばかりに強く抱き着いてくるので。それを感じた私は、この子を優しく抱きしめると そんな様子を目の前にいた二人が見て。とても嬉しそうに笑みを浮かべている。そうやって過ごしているうちに。夜になってきて。

お風呂に入ることになった

「お姉ちゃん。あのね。一緒に入ると、楽しいと思うの」と。その娘が口にするので。そんな風に提案されると断れなくなるので

「そうね。お姉さんと一緒に入りましょうか」なんてことを言いつつ 三人でお風呂に入ることになって。お湯に浸かっている間も 私の娘はお話をしたがったり。楽しそうにはしゃいでみたりしていた そのあとは私の部屋に戻り。寝ることになったのだが。その際に。娘の髪を丁寧に櫛を使って整えてあげることにするのだった そうすると、すぐに眠りにつくことができたようで 安心できた 次の日の朝になると、私の娘が元気良く。朝早くから「ママ!一緒に行こう」なんてことを言い出して、私と手を繋ぐと そのまま走り出すのである。すると私も、その子について走ることに決めて。そうして辿り着いた場所は、いつも私が子供達と遊び場に使っていた広場だった。そこで私達は、子供たちが遊んでいる姿を見ながら、二人並んで腰を下ろしたのだった「ママ!」

そんな感じの声がしたのでそちらに顔を向けると、その声を発した子供が駆け寄ってくる

「ふぅー」息を大きく吐いてから。私が立ち上がると そんな風に、勢いよく駆け寄ってきたその子供を、しっかりと抱きかかえると 今度は子供も、同じように大きく深呼吸をして

「すぅー」という音を立てて お互いに見つめ合って

「あ、ごめんなさい」その言葉を発してから

「おはよう。今日も良い天気ですね」

その挨拶を交わすと、私は。自分の娘であるカティアちゃんを連れて歩き始める そんな風に、カティアちゃんとの幸せな時間を過してから

「さてと。そろそろ行かないと」と。

そんな私達の元に。

一人の少女が現れた その人は、昨日出会った人の家族の一人だとわかると

「どうしたのかな」と私から話しかけてみた

「え、あの、アテシアって人に会いに来たんですけど。会わせてもらえませんか?」と、そう告げられて 私と妻の会話を聞いている そんな彼女を見て「貴女、もしかして、リリアさんの妹さんの」と、そこまで口に出して その

「うん、私は。リリアン。お久しぶりだね。お母さん」

「うん。そうだね。そういえば。この子のことだけど。よろしく頼むよ」と、その言葉を告げてから。私と彼女は 別れることになる。

そして、彼女と、私の家族の暮らす家に向かって 足を進めると。その家の前に着いた私は ノックして「あ、帰ってきたのですか?入ってください」と。

その言葉を耳にすると同時に 私は扉を開けると。そこにいたのは、妹のサーニャさん

「こんにちは。お父さん」と、その言葉を

「はい。ただいま戻りました」そんな風に伝えてから「えっと。そろそろ昼食を食べようと思っていて」「わかりました」私はそう返事をしながら。その食事を用意するために その場を離れる それから 少ししてから 料理が完成したので、その料理を持って。リビングに移動すると「パパ、美味しいよね」と。

その娘さん

「はい。とても、美味しいです」と そんな言葉を

「あ、そう言えばさ。この家に新しく人が住み着くらしいんだ。そいつのことについては知らないんだよな。一応。お前達の様子を見に来てくれと頼まれていてさ」

そう、私の父がそんな言葉を出すと その言葉を受けた 二人は「そうなのですね。その人と会う機会があれば良いのですが」

と、そんな言葉を発し 私は「そういえば。貴方達が探し求めていた魔王の身柄を手に入れたんだけど。貴方達に渡した方が良いかしら」なんてことを伝えてみる。すると「本当に?」「本当だよ」と。

私の言葉に食いつく二人の反応を確認してから「貴方達が望むなら。その人物を引き渡すよ」と。

そう言葉にして伝えると。私に向かって「お願いできますか?」と尋ねられたので「いいよ」と、簡単に返事をする それから その人物が眠る部屋に案内されて その部屋の中にはベッドが置かれてあるのだが その隣に小さな箱があって 私はその箱の中身を見ると

「この中に魔王がいるの?」と 私の問いかけに対して「はい」なんてことを、彼女 その人物は

「ん。んぁぁぁぁ」そんな声を漏らしながら その体を起こし始めたので。それを確認して それから私は その少女が意識を取り戻した事を確認する為に近寄ると「お目覚めになりましたか。気分は如何でしょうか?」と。そう問いかけて見るが その質問に答えは返ってこなくて ただジッと私の顔を眺めてくるだけだったので「とりあえず。まずはその体を休めることが大事ですよ。ゆっくりお休みください」そう言って私は部屋の外に向かっていく すると後ろから声が聞こえてきた

「待て!どうして俺を助けた」なんて言葉を耳元で聞くことが出来たので 私は振り向いて、彼女のことを見据える すると彼女は私のことを見る

「貴方に聞きたいことがあったので。だから、こうして。貴方の目を覚ますのを待って居ました」と、私がそんなことを告げると「そうなのか」なんてことを口にしている

「それよりも その怪我、治療させてもらいますね」と、そう言いながら 私自身の魔力を使って。彼女の体に宿っている呪いを取り払う

「な、何してんだ」そんなことを口にしているが 私はそんな言葉を無視して、それから 私は彼女の体の中に存在する異物を取り除く そうやってから 私は 彼女の体の中に存在していた呪いを綺麗に取り除くことに成功したのである そうして私は

「これでもう大丈夫でしょう」そう言葉に出して、私の言葉を受けた 目の前にいるその人は

「おい、ちょっと」とか

「やめろ!」なんて言葉を発していたのだが

「黙りなさい」

その一言で大人しくしてくれた そんな感じで、どうにかなったのだけれど この国にある城の一室。そこで私は目覚めた。すると、私にくっついて寝息を立てている女の子を見て、その頭を優しく撫でると「あれ?私。一体なんでこんな場所に」なんてことを口走る そんな私のことを見つめて「ようやく起きたみたいだな」と、そんな言葉と共に。私が寝転がっていたベッドの隣にあった椅子に腰をかけて「なにがあったのか教えてくれないかな?」そう伝えてくる。私はその人の話を聞くことにしたのである

「俺のことは知っていると思うけど。改めて自己紹介をさせてもおう。俺は。レイだ」と、そんな風に名前を告げた彼から、これまでの経緯を聞いた私は、彼に謝罪をしたくて 謝ることにした すると 彼は「別に気にしなくても良いからな。あんたに迷惑をかけられた訳でもないから」と。そんな風に言ってきたのだった。そして「そうそう、この子がな、アンタに懐いているみたいなんで。これから一緒に過ごしてくれないか」と、そう提案されるのであった。そう言われたので私は。その子と一緒に過ごすことに決め

「わかったわ。その子が私を受け入れてくれる限り。ずっと側にいてあげましょう」そんな言葉を紡ぐことになると「良かった」そんな声を出した彼は立ち上がり 部屋から出て行く その後姿を見た私は 彼が部屋から出た後に。私自身が置かれている現状を理解していくと「ここはどこだろう。それに。私は今まで。何をしていたんだっけ」と、そんなことを考えてしまうのだが。その考え事をしていても。何も解決しないので とりあえずは、目の前に広がる

「あ、お姉ちゃん」そんな声を出しながら 私に近づいてくる この子のためにも、私は生きていかないといけないと思い直すことができたのだった。私はその思いを抱えつつ 彼女を抱き上げるとそのまま歩き出した

「うーん。よく分からないけど。私は。何をしたら良いのだろう」

そんな独り言を呟きながら、私は、自分が置かれていた状況を思い出そうとする だがしかし。私は 自分がなぜ、そんな場所に行くことになったのか。そんなことすら分からなかった

「うーむ。あ、そうだ」

私はそう言うと 先ほど目にした。私の妹のことを思い出す 確か、リリアは「お兄ちゃんと仲良くしたい。一緒にご飯食べたいな」なんてことを口にした気がする。

それじゃ、もしかすれば。お兄ちゃんと、仲良くできるんじゃないか。なんて、そんな期待を抱いた 私達は今。食事の最中なんだよね?って、そんな風に思う。私の名前はカティア。お姉ちゃんの妹 私は、お父様と、お母さん。そして私とお姉ちゃんで暮らしていた。そんな私達が住んでいる家の玄関の前でお爺さんに声をかけられた私は お爺さんのことをお出迎えするために駆け出すと、そんな私の姿を確認すると同時に

「ほぉー元気だねぇ。えらいぞ。うんうん」と、お世辞にも思っていない言葉を私にかけてくれるので 少しムカッとするので

「私、もう小さい子供じゃないから。お礼なんかいらないよ」と。

その言葉をぶつけてみると、少し困ったような顔をしてから 私に向けて「お腹が減っては居るかね」なんて聞いてきたので

「お昼は済ませたから平気だよ」そんなことを、言葉にしてしまうと、お爺さんは少し

「お嬢ちゃん、そんな嘘をつくんじゃないよ。さっきお腹空いたって口に出していいたじゃないか」と、そう口にした 私はそんな言葉を聞いて

「それは言葉のあやという奴だよ。本当は、そこまで減ってはいないけど」と、そう言葉にする。すると「そうなのか?まあ、それでも何か食べ物はあるはず。そう思ってね」なんて言葉を耳にする 私は「うん、確かに食べ物は有るよ」そんな言葉を口から出しつつ、お爺さんを家の中に招き入れることにすると「ああ、そうか。私は少しここで待っていた方が良さそうなんだよな。もしもお前達が良いならばの話なのだが」と、少し困惑気味の声を出す。その言葉を聞いた私がどう思ったかと言うと。私がお爺さんと離れることが少し不安になってきて、少し涙目になってしまうと、その表情を確認したらしいお婆さんが「ふぇー。お姉ちゃんが泣いちゃってるの?」と、お姉ちゃんの方に視線を向けると 私のことを抱きしめてくれた

「よしよし。怖かったんだよな。分かるよ。お前のお友達。悪い奴らに連れていかれたらしいからな。怖い思いをしてしまったんだろう」なんてことを、お婆さんは口ずさんだ 私はそんなお婆さんの胸に顔を埋めてから「うーん。ちょっと違うの」と。そんな言葉を零した すると

「そうなの?でも、きっとお姉ちゃんが悲しんでいることには違いはないから。私に甘えてもいいんだよ?」

なんてことを言い始める。なので

「分かった。それなら。お婆ちゃん。私のこと。ぎゅっとして?」と、そう言葉にすると、私の要望通り、強く抱き締められた後

「ごめんね。私。もう少し我慢できていたら、助けられたのに」と、言葉にした私を撫でてくれたのである 私は「もういいから。それよりも。あの人は?」なんてことを口に出してみると その質問を受けた2人は お互いに見合うようにして「そういえば、まだ紹介をしていなかったですね。すみません」と。その人はそう言うと「初めまして、私はレイです」と。そんな風に挨拶をした

「初めまして、レイ君か。それで、貴方は、ここに来る前の記憶があるのですか?」と、私が質問をするのだけど レイ君は私の質問を受けてから「いえ、僕が覚えているのは。この屋敷に来た時。その時の僕の記憶だけですよ」と、そんな言葉が返ってくるので

「そうだったの。それは申し訳ないことをしました。私は貴方に酷いことをしてしまいました」

そんな私の言葉を耳にした レイ君が不思議そうな顔をしているので 私は自分のことを説明し始めると

「私は少し前に、貴方の大切な人を奪ってしまいました」そんな言葉を紡ぐ それから私はレイ君の体から呪いを取り払うと 彼は驚いたような様子を見せたのだったが。私が彼の呪いを取り除くために魔法を使うと、それを理解してくれて「そうか。俺に何が起こったのか、だいたい想像できたよ。だから俺の方こそ、迷惑をかけて悪かったな」なんてことを伝えてくる

「うぅ。そんな風に謝られると。余計に辛いから。本当に気にしないで欲しいの。だって私には貴方のその気持ちだけで嬉しいのだから」そんな風に告げると「そうなのか?」とか 疑問符を投げかけてくるのだが「そうなの」と、私が答えると「ありがとうな」と 言葉をかけてくれる

「ところで、お二人はこれからどうされるのですか?ここに住むつもりでしょうか」

私はそんな言葉を吐き出すのだが「その件に関してなのだが」と、言葉を出したレイが私を見据えながら言葉を

「俺は、しばらくの間は、この国に滞在することにした。その間に、俺に出来ることをやっていきたいと思っている」と、そんな言葉を出したのだ それから彼は「それに、カティアちゃんの側にずっとついていてあげて欲しいと思って」と、言葉を続けるので「お兄ちゃん、私からもお願いします。私は大丈夫だと思います。この人が側にいてくれれば。絶対に」と、そんな風に伝えた そんな私のことを見つめた彼は「そう言ってもらえると、助かるよ」と、声を響かせる

「私も側にいてあげた方が良いのでは」と思ったのだが「俺はな、一応は冒険者として仕事をしないといけないんだ。その関係でな。この子の近くに居てあげることはできるけど、あまり長い間は無理なのかもしれないな」そんな風に言葉にしてくれた そんな言葉を受け取った私は この国で、何かやろうとしていることでもあるのか。と考えを巡らせることになる そんなこんなで私は 私の妹のお守りと。この子の面倒をみることに決まった訳である。

俺は今 王城にて 国王様との面会を終えてから リディアと一緒に城内で用意された一室に移動して、そこに用意されていた食事を済ませると、リリアの様子を見るために、その場所へと向かうことにする 道中 リリアのことを思い浮かべながら 先ほどの出来事を振り返ると あの男の顔を見て

「あれは一体、なんなんだ?俺に対して敵意を抱いていたように感じられたんだが」

そんな独り言のように言葉を吐くと、隣に立っていた。リディア

「あははははは。お兄ちゃん。あーいうタイプの人間は初めて見たんだよね?」と、彼女は楽しそうにしながらそんな言葉を吐き出した。

そんな彼女の発言に「うーん。初めてではないけどな」と、そんな返答をしてみせながらも、少し引っかかることがあったので、少し確認をしようと思い

「ちなみに。どうして、あのような男が。この街で暮らしているんだと思うんだ」と、そんな疑問を投げつけてみた すると

「うーん。そうだよね。やっぱりそう言うことを疑問に感じるもんね。うんうん」

そう呟いたリリアは、何やら考えるような仕草を見せるのであった それからリ

「とりあえず。まずは会ってみれば分かるんじゃないかなって、そう思うんだけどね」なんて言葉が返ってくると「そうか。まあ、それに関しては俺も同意する」と、返事をすると「うんうん。お兄ちゃんは素直な良い子なんだ」なんて言葉をかけられてしまう そうして、そんなやり取りを繰り返しながら。目的地にたどり着くと、部屋の扉の前に立っていたメイドさんが「リディア様。レイ様、ご案内させていただきます」と。丁寧に頭を下げてくれたので そんな風に言葉を返したあと「ありがとうございます」

そんな一言を口にしたあと 部屋の中にはいる 室内に用意されている椅子へと腰をかける そしてリリアが座っている方角

「リディア。少し話をしても構わないか?」と、そんな風に言葉を放つと「いいよ。別に、今は他に人もいないから」と 彼女は口にしていたので

「実は、さっき、城の謁見の間でな。あの大臣と話をしている際に。あの大臣はお前のことを探していたんだ。そしてお前を見つけ出すと、そのまま何処かに消えてしまった」と、そんな言葉を伝える すると彼女は、俺の言葉を聞くと同時に、少しばかり悲しげな表情を見せてきた。その変化がなんだったのかというと「それは。どういうこと?」と、そんな言葉を口に出してきた そんな彼女に向かって

「俺にもよく分からないが、多分、あの場では。お前と会うのは不味かったのではないか?」と そんな言葉を伝えたのだけど「ううん。そんなはずないよ」と 言葉を口にすると「そうなのか?」と、そんな言葉を返してから

「だとしたら。お前を探しにきたってことだよな?」なんてことを言葉にするのだけど

「でもさ、あのお爺さん。私を探す理由なんてなかったと思うよ?私はもう。ここには戻れないはずだから」そんな言葉が口から溢れ出るのを聞きながら

「確かに、言われて見ればそうかも。そうかもしれなけど」そんなことを思案し始めると 彼女が口を開いた

「あのお爺さん。私のことを探そうとなんてしていなかったんだと思う。私を見つけた時に、すごく驚いて、私のことを凝視してきたから。多分、私がいるって、そんなことも分かっていなかったんじゃ無いかな」と、その言葉を聞いてから

「確かに、お前の言う通り。あいつは、お前に気がついていなかった。という事になると。お前の居場所を知っているのは俺だけになるんだろうな」と、言葉にしてみる そうすると リディアは

「そうだね。そうだと思う。お兄ちゃんだけが、私に繋がっているのは確かだから」

そんな言葉を続けて話したので 俺もそれに乗っかる形で「ああ、そうなるんだよ。でも、それならどうして。あの男は俺に声をかけたんだ?俺達を見ていたあの目付きは異常だろう」なんてことを言葉に出したのだが

「あの男の考えていることは分からなくてもいいじゃない。もう終わった事なんだから」

そんな風に答えられてしまう そんな言葉を受けた俺は「まぁ、そうなんだけどな」と、曖昧な言葉を残して「それで、どうするつもりだ?もしこのままでいくと」と 言葉を続けようとした瞬間 目の前にいるリディアの姿が歪む そして リディアの体が崩れ落ちた 咄嵯に俺は 倒れ込むリディアを受け止めることに成功したのだが 俺の体は何故か、地面に引きずられ始めたのだ。そんな現象が起きる前に俺は、リディア

「悪い。ちょっと。油断したみたい」

そんな言葉を吐き出した後 目の前の光景が歪み続けると「これは夢幻か。それとも。俺の記憶の欠片か」そんなことを考えていると 目の前に 俺の姿をしている誰かが立っていることに気がついたので「誰だ」

と 言葉を発しようとしたところで 俺は目を覚ました そこで 自分が寝ていた事に気づく 周りを見渡す

「そうか。ここだったか」

そう言って。

ベッドから抜け出すために体を動かし始めて 床に足をついたところで 俺は、足に力を入れると。

足元の違和感に気づいたので、俺は慌てて視線を落として、それから、すぐに顔を上げたのだが

「あれ?」と、不思議に思って

「俺。どうしてここにいるんだ?あれ、俺の部屋に。俺の部屋の、筈だよな」そんなことを言いつつ 窓の方へ歩き出してから、窓を開けると そこには城下町の風景が広がっていた その風景を見たことで、ようやく、俺が、どうして、この場所で目が覚めたのか?と言う事を理解出来始める 俺が意識を失う前の最後の記憶 俺が最後に覚えているのは。この国の姫君が、何かに怯えるような姿を見せていたことで、その何かが、彼女の命を狙っていることは容易に想像ができた。なので俺は彼女を庇いながら戦うのだが、俺は、彼女に庇われる形になってしまうと それから、俺と姫君は、謎の声を耳に入れることになったのだが

「あれが本当に俺の身に起きていた出来事ならば。俺はあの後。あの女に何かされてしまっていることになる」と、そう考えた時 自分の姿を確認するために。鏡がある場所を探してみた そして、それからしばらくして

「え?」

思わず声が出た だって、今の自分は。まるで女の子のようで。そんな風に変化してしまっていたので。「なにこれ」と、思わず呟いたあとに「これが、リディアちゃんの言っていた、代償っていう奴なんだろうか?」

そんなことを俺は考えてみる そして「そういえば」と、そんなことを思った俺は「俺は今、この城の中で生活をしているんだよな?」

俺は改めてそう思うと 少しばかり この城を歩いてみることにした この部屋を出てからは 長い廊下が続いていたので その先まで進み続けてみると「おい」と 後ろから声を掛けられる 振り向いて

「なんですか?」と 言葉を発すると そこには「お前。そんな格好をしていたら怪しまれんぞ。俺がついていってやる」

と、そう言ってから、俺の横に並んできた存在に対して「いや、あのですね。大丈夫ですよ」と、そう口にしてみたが「そんなわけあるか」と、俺の言葉を遮った後に「お前はな。リディア様の命を救った。勇者なんだからな」なんて言葉をかけてきたのである そんな言葉を吐き出した彼は

「そう言えば、名前を名乗ってなかったな。おれの名前は、ジグルだ」と、名前を告げてくれた そんな彼の名前を耳にした時に「よろしくお願いします。俺はレイと言います」

そんな言葉を口にする そうすると「ああ、こちらこそ」と 言葉を口にしてから

「さっさと服を着替えに行くぞ」と言ってから そのまま歩き続けていったので「あの。俺、まだ着替えとかは持ってなくて」と

「お前、何しに此処に来たんだ?」と、少し呆れた様子で問いかけてきたので

「すみません。何も知らないもので」と そんなことを口にする

「とりあえず」そう前置きをした彼の話を聞く

「お前が、その服じゃ不味いだろ」と、言われてから「確かにそうかもしれませんね」なんて言葉を返しておいた すると「まあ、そういうことなんだ」と 彼が言うのを聞いていると「こっちにこい」と、言われるままに着いて

「とりあえずここで待機しておけよな。それとも一緒に来るか?」なんてことを聞いてきた彼に対して俺は「いや、俺は一人で待っていますよ」なんて言葉を告げると 彼から、「そうか。分かったよ」と言葉を返されてからは「んじゃあ、まあ、またあとでな」なんて言葉を残して何処かへと立ち去って行く姿を確認できたあとに 俺も部屋に戻り始めた。それから部屋に戻った俺は 荷物の中に衣服があったはずだと思ってから鞄の中を探るのだが やはり見つからなかった為、俺は困り果てていた訳なのだが。そんな時に 部屋の扉が叩かれた音を聞いた直後扉が開かれる音が聞こえるので視線を送るとそこには見慣れない

「あの。失礼ですけど」なんて言葉を紡ぐので 俺が言葉を放つと

「リディア。貴方はもう戻ってきなさい」そんな言葉が俺に向かって飛んできて「私は戻りたくなんかありません。お母様には関係ないでしょう」と、少し強い口調の彼女を見て、少しばかり不安になった俺は、扉の近くへ移動して聞き耳を立てると

「あの子は。私にそっくりだったわね」と、リディアに向かって話しかけている母親の姿が目に入る。そんな母親の姿を確認した直後に リディアの言葉が俺の耳に届いた

「私がどうなろうと勝手ではないでしょうか?お姉様のせいなんですから」と、彼女は、その一言を放った後 母親が部屋から出て行った事を確認し

「私は」

そんな言葉を発した その後 リディアは自分の顔を俺の顔と近づけてきてから「私の事を忘れて欲しいの。ごめんなさい」

そう口にしながら 彼女は、涙を流し始めてしまったのである そんな涙を俺は「泣くな」という言葉を必死に絞り出して、なんとか、止めようと試みるも 彼女の涙は止まらない なので俺は

「俺は、お前のことを忘れてなどやりはしない」と、そう言うのだが「それは出来ないはずなの」そんなことを言われてしまうので

「何故だ?」と、俺は彼女に尋ねる すると「私。あのお爺さんに、お兄ちゃんのことを覚えていて欲しいって。頼まれたの。だからね。私にお兄ちゃんの事を忘れさせることは出来ない」そんなことを言われてしまい「あの爺さんがか?」と 尋ねてみると リディアは静かに首肯してから 話を続けた「うん。あの人、私には嘘偽りなく話してくれたんだよ?自分が死ぬかもしれない。そう思っていたんだと思う。それでね、あのお爺さんは。お兄ちゃんに感謝していた。ありがとう。本当に。そんな感謝の気持ちを込めてね。あの人にお願いされたんだよ。でもね。それだと」と、その言葉を聞いてから

「それでは。意味が無いんだよ」と、俺はそんなことを吐き出してしまった そして俺はリディアの頭を優しく撫でると

「安心しろ。俺もな、同じ事を、言われたことがあるんだよ。俺は覚えているんだが。なぁ、お前にも見せようと思っている景色がある。だから、今は、我慢してくれるかな?」と、俺はリディアに向けて、そう告げてみるのだが そんなことをすれば。

目の前にいる少女は俺のことを、もっと好きになってしまうことは分かっているのだが。それでも

「お前も知っているだろう?この国には大きな湖が存在していることも。それに、綺麗に咲いている花だって存在しているんだ。お前が見たことのないものがこの世界には溢れている。それをお前に見せたくなっただけだ」そんな説明をした後に、窓の外に見える景色を見せることにすると「本当だったら今日も晴れる筈だったんだけどな」なんて呟く それからしばらくして、この国の姫君であるはずの彼女が窓から見える景色に夢中になっている間に、そっと抜け出すことに成功することが出来たので、城から抜け出すことに成功してからすぐに 城の中に戻ることにした 理由は簡単である。あの女に会いたかったのだ。俺の正体を知っている人間であり。しかもこの城の中でもかなりの実力者として認識することが出来る。それがあの女の名前だった筈なのだ だからこそ 俺は

「会いたいんだよな」そう思いながら あの女の執務室の前にまで辿り着くことができたのだが そこで問題が発生した 何故かというと答えは非常に簡単なのだが。俺の存在に気付いたあの女がいきなり抱きついてくるような行動をしてきたからだ「うふふ。可愛い」そんなことを言い出して

「貴女。一体何をしているのですか?ここは城の中ですよ?」そんな言葉が室内から聞こえてきたので

「あのですね。私は。この男に一目惚れしてしまいまして」なんて言葉を聞いてから「ちょっと待て。俺の意思を無視して勝手にそんなことを喋るんじゃねえ」と、声を上げたので「良いじゃないか。君の事は気にいったからさ」と 声の主はそんな

「俺の意見が」なんて言葉を漏らしてしまう

「そうですか。それならば」なんて声が聞こえてきたかと思えば「レイ君でいいんですよね?」と、名前を聞かれた為

「ああ、そうだけど」と答えると

「レイ君、君を、我が家に招こうと思うのだよ。君にならば娘達を任せても良さそうだ」なんて言葉に俺は困惑するしかなかったのだが「レイ君。君にお願いがあるのさ」と、そんな言葉が女から飛び出したので「なんだよ?」と、言葉を返すと「リディア姫を助けて欲しい」そんなことを言われてしまったので「あんたがそこまでして、リディアを助ける理由を教えてくれないか?」と、俺が言葉を口にすると「それは、私と同じ思いをしたからに決まっているでしょう」なんて言葉を紡いだのだった そんな彼女の言葉を聞いた後に 俺は疑問を抱くことになる そして そんな彼女の行動を見て 少しだけ考え込んだあと

「あの人は、俺が貴方に気に入られて、貴方の家に招待されたとしても そんな俺を迎え入れることに躊躇したりはしないよな?」そんな風に思った なので 俺は試しに そんな質問を目の前の女に対して投げかけてみると

「まあ、そういうことなら大丈夫だろ」と、そんな答えが返ってきたので 俺は 自分の意思を口にした

「分かりました。行きます。行かせてもらいます。ですけどですね。一つ条件を付けても構いませんか?」と 目の前の女性に伝えると 目の前にいた女性の顔付きが変わるとまではいかないものの、明らかに変化したので。俺は ある意味で確信を得た

「その条件というのはなんだい?」

その問いかけを受けたので「それは」と口にしてから少しの間だけ言葉を止めることにしてみたのだが。やはり、ここでやめるつもりはないと思った為「その条件というのは」そのまま続きの言葉を口にすることにした 俺の目的は ある一人の女性の為だけに 生きるということなのだから ただただ俺に好意を伝えてくる女の子の為だけで無く俺の幸せを願ってくれている人達の為にも そんな言葉を続けようとした時に「お前が私のお願いを聞く必要など無いんだよ。私と一緒に来てもらうぞ。リディア、それと、ジグルよ」と、言葉を俺の耳に届けてきたのだった すると

「なっ。これは」なんて言葉がリディアの口から発せられたのを確認したのとほぼ同時に俺はその場から離脱して走り出した そんな俺の行動を確認したのか、ジグルは俺に向かって駆け寄ってきて

「逃げられると思っているんじゃないよね」と、口にしたので「悪いが、その言葉を聞いて俺が立ち止まると思っているのであれば。貴方は勘違いをしています」そう口にしてやったのだが 俺は「それよりも」と言ってから「先ほどはありがとうございました。お陰様で命拾いしました」そんなことを言ったあとに続けて「リディアの事も助けてやろうって、俺は思っていますから」と そんな言葉を彼女に対して告げたのだった

「そうかい」

彼女はそう言うと同時に剣を引き抜いてきたので俺は 彼女の剣を避けた直後に「だから貴方はリディアを連れて帰るといい」と言う言葉を放つと 俺の体が淡く光を放ち始めて、俺は 魔法を発動させると「転移!!」

と、言う言葉を放つと その場に居た俺を含めた3人の姿は完全に消え去っていた 俺の発動させた転移の魔法のお陰もあって どうにか城から抜け出すことが叶った俺達は今 とある街の中にある 一軒の家の前に立っているわけなのだが そんな家の中へと入る前に 俺は 家の中から「入ってきなさい」という言葉

「はい。失礼します」

そう返事をして 俺とリディアの二人はその建物の中に足を踏み入れた 建物の中に足を踏み入れるのと同時刻に、部屋の主が こちらに向かって歩いてきてから リディアに話しかける

「リディア、良く帰ってこれたね。心配をしていたんだ」と そんな彼女の優しい言葉に「お母さん」なんて言葉を漏らしながらリディアが母親の胸に飛び込むのであった。そして俺は、そんな光景を見ながら「えっと、あの、どうも。初めまして、俺は、あの。貴方のことは存じ上げておりまして」そんなことを言い出していた すると、母親の方が俺の顔を見つめてきて

「レイ君だったわね」と、名前を言い当てられてしまったので

「はい」と、そんな返事をする。すると 母親は微笑みを見せてくれると

「貴方には色々と世話になっているからね。あの人のことも」

と、そんな言葉を聞かされることになった俺は、思わず首を傾げてしまった それからしばらくして

「リディアを頼むよ」なんて言葉を向けられてから「はい。分かりました」そんな言葉を俺が返してみると リディアが「レイ君はこれからも一緒に旅をしてくれるんだ」なんてことを言ってくれたので「そうか、良かったな」そう口にした後で、この親子のことをもう少し知りたいと思い それからは 三人での会話をしばらくの間 続けていくことになった

「ところでな。リディアのことを俺に託したのは何故なんだ?」と、俺が尋ねると

「そうだねぇ。なんでだと思う?」

そんな問いが帰ってきた なので 俺は素直に「分からない」と答えてから さらに続ける

「だから俺はさ、もっと貴方のことを教えて欲しいと思って」と、口にした直後「それは無理だな」と そんなことを目の前の人が言い出すものだから つい俺は「どうして?」と、尋ねてしまったのだが「どうしても」と言われてしまう

「あのですね。リディアが居るんですから。そんなことは止めましょうよ。母さん」「それもそうなんだがね」なんてやり取りを見たあとに 俺は二人に頭を下げてから

「ありがとうございます。でも、俺は」そうやって俺

「そうか、残念だよ。レイ」そう、言われてから、すぐに立ち上がって「俺は行きますね」なんてことを俺の方からも伝えると 俺の隣にいたリディアに「レイ君。また、遊びに来てくれる?」なんて、可愛らしいお願い事をされたので「当たり前だよ。いつでも会いに来るからな」なんてことを

「うん」なんて元気よく答えてくれたリディアに、そう告げてから 俺はこの家を後にすることになった。それからしばらくした後に俺は 再びこの場所に戻って来たのだった。そしてこの家の中で見つけた日記を読んでいるのだが そこには「私達の家系では時折 予知夢を見ることが出来る子供が産まれることがある」と書かれていたので

「やっぱり」と、そう思ってしまった その日の夜に、この家の住人に「私はこの家に戻らない」と、伝えたのだが。俺はリディアの母親に連れられて あの城まで連れていかれることになるのだが、そんな時に

「お前のその能力について聞きたいことがある」なんてことを言われて そのことについての説明を求められたのだけれど。俺は「俺はただ、普通に生活してただけですよ」と、正直に伝えておいたのだが。それで引き下がってもらえるわけでもなく。むしろ、更に強い力で、この女は俺を引っ張って行ってしまって。その最中にも 何度か同じ説明を何度も繰り返す羽目になった それから俺は城の近くにある小さな家に連れて行かれた そこは、リディアの両親が暮らしていた家で そこに入ると俺は「少しばかり そこで大人しくしていてくれないかな」と、女にそんな言葉をぶつけられると

「俺は一体」と口にしたのだが そこで、意識が飛んでしまうのだが。俺は「リディア、リディアなのか」と、そんな言葉を漏らしてしまう リディアの容姿が幼くなっているように感じたからなのだが そんなことを考えているうちに俺は眠気に襲われると

「リディア、リディア」なんて言葉を吐き出すと 俺の口から漏れ出た言葉を耳にして、俺に近づいてくると、そいつの手にはナイフが握られていた そんな状況に、俺は リディアが危ないと、思いながらも、俺自身も、体の自由がきかずに。目の前の人物を見ているしか出来なくなっていたのである 目の前に現れた人物の名前は確か ジグルと言ったはずで。俺は 彼女の名前を思い出したあとで、彼女が「それじゃあね」と、口にしてから俺に近寄ってくるのを確認して その瞬間、全身が熱くなるのを感じると、目の前にいたはずの ジグルの姿を目で確認することが出来ずにいたのだが。視界を真っ白に染めていた霧のような物が次第に晴れていったの

「貴方は?」そんな声が俺の口から放たれて、その直後に「ああ。これは貴方のせいだ」との言葉を聞いてから、俺の記憶が完全に途絶えてしまった 俺が次に目を覚ましたのはベッドの上で しかも隣には

「レイ、貴方は私が絶対に守ってみせるから」なんて、リディアの口から発せられた言葉を聞き届けた俺は「ありがとう」と、そんな言葉を漏らしてからリディアの体を抱きしめた それからしばらくして 俺はリディアと離れることになると「俺はもう、ここに居るべきじゃないんだよ」と、そんな言葉を俺は口に

「どういう意味?レイ」そんな風に聞かれたので

「俺と一緒に居ると危険な目にあう。だから」と、言葉を返した すると、彼女は悲しげに俺の名前を口にしてから俺から離れて行くと「分かった。別れよう」なんて言葉を吐いて部屋から出て行くリディアを俺は眺めているだけで精一杯になっていた。

俺と一緒にいたらリディアも、俺の両親みたいになってしまうのではないか。そう考えた時に

「俺は何をやっているんだろう」と、口にしている俺自身が存在していた。俺のせいで、誰かの命が失われるなんて、そんなことが嫌だったから 俺の大切な人の為には 自分の命を犠牲にしなければならない場面もあるのかもしれないと覚悟を決めつつ それでも、俺の大事な人達が不幸になることだけは阻止しなければとそう思う そして今 リディアがどういった状況に置かれているのか そしてどうやったならリディアを助けられるのか、そんなことばかりを考える日々を過ごしている中で俺は

「そうか。そういうことなのか」と呟いていた。リディアは俺と出会う前から狙われていて だから リディアのことを救い出そうとした時に、俺は彼女の傍から離れるしかなかった もしも あの場

「リディアを守る為に、あの女の誘いに乗るしかない」なんて、考えを持っていなければ リディアが死ぬようなことは無かったんじゃないのだろうか リディアの身に危険が及んでいることを察した俺は、城に向かって歩いていた。それからしばらくして城の近くへと到着した すると城の前に リディアの母親が現れてから

「私の可愛い娘と仲良くしてくれているのはありがたいけど。貴様がレイか」そんなことを言ってきたので 俺は その人を見つめると その人は「そうか、そう言う事か」そう口にすると 剣を引き抜いてから、剣を振った直後 俺と、剣を引き抜いた彼女の姿は消え去ったのだった。そして

「リディア、俺の可愛い子猫ちゃん」なんて言葉を聞いた俺は「なっ、何?」と、動揺していたのだが 俺は剣を構え直した相手の姿を見ると「あんたは?」と、言葉を漏らしていた すると 目の前の女が口を開いてから俺のことを睨んできて「レイ」と、それだけ言って、攻撃を仕掛けてきたので その攻撃をどうにか避けながら

「待ってくれ。話をさせてくれよ」と、そう訴えかけると

「話なんて無い」なんて言葉を 目の前の女性から投げかけられるので「頼むから、聞いてくれ」と、そう言い放つも

「問答無用」そんな言葉を投げつけられたのと同時に、俺の首元に衝撃

「かぁ、はぅ」そんな声にならない言葉を発した後で俺は その場に倒れ込んだのだ

「おい、リディア、しっかりしろ」なんて言葉をリディアに向けて言った後に俺は、リディアに寄り添うように横になり「すまない」そう一言だけ口にする 俺に覆い被さるようにして倒れた女性を見下ろしてから。俺はゆっくりと立ち上がる そうしてから俺は「リディア、大丈夫か?」と 問いかけたのだが、リディアは反応を見せなかったので「ちょっと失礼」と、そう口にしてから。俺はリディアをおんぶしてその場を後にすることにした

「くっくっく。面白いな」

そんな言葉を聞かされた俺の方だが、今はそんなことは

「あのな。お前は何者だ?」と、そんなことを口にしながら目の前に佇んでいる奴に対して質問をぶつけてみると

「私の名前はジグと言う」と、そう言ってきてくれたので「そうか。ジグっていう名前なんだな」なんて言葉を俺の方から返してやるのだが。その時には、既に俺の周りから姿を消してしまっている 俺は、慌てて周囲を見回してみたのだが、やはりその姿を見つけることは出来ずに 諦めた方がよさそうだと判断して。この城を立ち去ることにしたのだが。城を出るとそこには リディアの母親が立っていた 俺のことを見つけて、駆け寄って来るなり

「私の愛しい娘の所に行くつもりなのか?」なんて、言葉をかけ

「そうだけど?」と、俺が答えた途端に俺に襲いかかってきたので 俺もその攻撃を受け止めることしか出来なかった それから俺は必死になって、彼女を退けようとはしたものの。相手が悪すぎて。結局は 負けてしまうのだが

「貴方の力を確かめたいだけなのに。私の娘に近づく害虫は排除しなくてはいけない」なんてことを言われたのだが。俺は その言葉を耳に入れてから「あんたがリディアに執着してるのはなんでなんだよ。その理由を教えて欲しい」なんて事を俺の方から告げていく すると 目の前にいる女性が

「リディアの母親として、当たり前のことだ。あの子が心配だったからこそ、私はあの子をこの国に連れてきた」そんな事を言っている

「リディアのお母さんだったら。リディアが俺と会っていた時に リディアに酷いことをしないで欲しかったんだけど」と、俺はそんなことを口にすると 俺の方に歩み寄ってくると

「貴方がこの世界に居続ける限り あの子は不幸になる。だから 早く、この世界から去ってくれるとありがたいんだが」と、そんなことを言ってくるのだけれど

「悪いがそれは出来ない」と、俺が伝えると「残念だ」そんな言葉を残した瞬間に俺の腹部に強い痛みを感じてしまい「ぐわ」と、そんな声を漏らした俺なのだが 俺は意識を失ってしまった 目が覚めるとそこは、リディアと俺

「ここは?」と、そんな言葉を漏らした俺の傍にいたリディアは「城の中よ」と、そんな言葉を漏らしてから「貴方がここに居るって事は。リディアと別れることは無理だったということかしら」なんてことを伝えてきて 俺が「ああ。やっぱり 俺はリディアとは離れられないらしい」と、そう伝えてから リディアの頬にそっと触れると「えへへ。貴方が傍に居てくれるのなら 別にいいけどね」と、そんな嬉しいことを言ってくれて。リディアのことを抱きしめている最中にも「ねぇ。レイ、お願いだから、もう危ないことだけは止めて」と、そんなことを言ってくるリディア

「リディア」と、名前を呼ばれた彼女は嬉しそうな表情になると「はい。ご主人様」なんて言葉を俺の耳元で囁いてくると 俺のことを抱きしめ返してくれると

「あぁ、幸せです」と、そんな言葉を俺の耳に届けて、俺とリディアは幸せな時間を過ごしていたのだが。俺達の間に入り込んできた人物が居て「二人だけの世界を堪能したい気持ちも分からないではないのですが。そう言うのはせめて人目に付かない場所で行って欲しいものですが」なんてことを伝えるのだが。

リディアの母親はそんなことを言う人物のことが許せなかったようで「貴方には関係の無いことよ。貴方はこの国の王女なのでしょう?そんな貴方が。こんな場所に来ているのだから、自分の仕事を果たしてください」と、その人に伝えている その人が「分かりました。では行きましょうか」なんて言って。その人の背中についていくと リディアが居た部屋とは別の部屋に通された俺の目の前に現れたのは、先ほどまで、目の前にいた女性と、もう一人 男性の姿があるわけで その二人が椅子に座っている中に入ると、俺はリディアのお母さんの隣にある椅子に座ることになった そうすると「それじゃ始めますかね」なんて言葉を聞いた俺だったが。そんな俺の前に、魔法で作られたと思われる鏡が現れると「そこにある、俺の姿が写っているのが分かるかい?」と、そんな風に言われてしまうので

「これが俺なのか」なんて言葉を出すと「ああ、そうだ。それが君の本当の姿だよ」と、俺に向かって 言葉を放ってから。目の前の男が「まぁ、今の状態で、君の姿を目にしたら、驚くのも無理は無いだろうが」なんて事を言う 俺は 目の前で繰り広げられるやり取りを見ているだけで精一杯になっていた

「これは一体、どういう状況になっているんだよ」と、俺の口が勝手に動き出してしまっていたのである 俺の口から飛び出したのは、リディアの母親が操る人形にでもなっているような気分になってしまう言葉で 俺は自分の体が言うことを聞かないという経験をしたことがない人間なので そんな風に思うことで、恐怖を覚えていたりするのだ そんな俺に 目の前の男は、俺の姿を見て笑みを浮かべると「はははは。面白い顔をしているじゃないか」と、俺の顔を見てそんな感想をこぼすのだった

「それでだな。俺が、どうして。レイのことを見ていたのかと言えば。その辺を歩いていた時に、ふとした時にレイを見つけたって訳で。それでだな。俺がレイのことを目で追っていた理由はな。この世界の住人なら、誰だって持っているスキルの【真実の瞳】で見た時、レイの中に秘められた魔力の量と。俺達が知っているレイの中にある、あの力 それをレイの体に刻み込んでやったから。その力でお前は戦えば戦う程に強くなっていくはずだ」なんてことを言い始める

「俺の中の力がなんなのか。教えてくれ」と、俺は目の前の人物に向けて言葉を放ったのだが その言葉を聞いた瞬間。男の額からは冷や汗が出始めていたのだが

「さっきも言ったが。俺の力を使ってお前を強くするのは簡単だが。その力を悪用されないように、俺はお前に、俺の持つスキル 【封印術式 解除 LV5】を使う必要がある そうすることでお前は自分の持つ力と。その記憶を全て無くして貰うことになる」なんて事を言って来たのであるが。

俺はそんな話を聞いても

「どうやら 俺の中には何かあるらしいが。それは、あんたの話を信じることが出来ないってことに繋がりかねない」なんてことを俺の言葉で口にすると

「なるほどなぁ。お前さんは俺が思っていた以上に。強いみたいだな。だけどな。この力は俺にしか扱えない この力は俺の魂を縛ることになる。そう簡単に、他人に譲る気はないんでな。さぁ 覚悟を決めな そうすりゃ お前さんの望む通り。俺の持ってるこの力を与えることができるぞ」そう言われた俺は 俺の中で何があったのか分からなかったが

「わかった。頼む」と、俺の口をついて出て来たのはそんな言葉で 俺の意識はそこで途絶えることとなる 目が覚めた時には、目の前にあったものは見覚えのない天井で。起き上がることもせずに、ただ横になったままで、目を開けてみた俺なのだが 俺が起き上がった時には既に隣でリディアが横になっていて「おはようございます。ご主人様」なんてことを口にしてきたのだが そんなリディアに

「俺は、いつ、どうやって、ここに帰ってきたんだ?」と、問いかけてみると

「貴方が私のことを助けて、ここまで運んでくれたのよ」なんてことを口にしてくる リディアの話によると。城の外には 城の兵士が立っていて そんな

「貴女が倒れている理由を説明してあげなさい」なんてことを口にした途端に。兵士は「分かりました」なんてことを口にすると

「実はですね。リディア姫の母上様に頼まれて この国に滞在して頂くため。私と貴方が暮らしている部屋を用意した次第でして。私はそのように命令を受けたんです」なんてことを口にしていたらしい そんな話を聞いた俺の体は何故か自然と立ち上がり。俺の体の中の違和感はなくなっていたので「俺は ちょっと出かけるから」と、リディアに言葉をかけてから

「どこに行くの?」と聞いてきたリディアに対して

「この世界がどんなものなのか確かめに行くつもりなんだ」と そう答えると

「そっか。私を一人にしていくつもりなのね。貴方にその気がなくても。私にとって貴方はこの世界で唯一の存在で 貴方がいなくなってしまったのなら。私はきっと生きていけない」なんてことを言っている

「ああ。リディアが心配しないように手紙を残しておいてあげるから」「えっ。それなら大丈夫よ。ほら」なんてことを言ってから 一枚の手紙を見せてくれたので その内容を読んでみると「この世界のことが分からないのであれば。城の外にある図書館に行ってみればいいわよ。貴方なら。あそこに行く権利もあるはずよ」と そんな内容だったのだ だから

「ありがとう」と、そんな感謝の言葉を伝えておいた俺 リディアのお母さんに案内されてたどり着いた先には リディアのお姉ちゃんに当たる人が居たのだが

「初めまして。レイと言います」と、そんな挨拶を俺がした時に、彼女の視線は リディアに向いていたのであった そして、リディアの方は俺のことをジーッと見てくるのだけれど。俺に何を言えばいいのだろうかと考えているようで。

「あら、可愛い子を連れてきて」と、俺に向かってそんなことを伝えてきたリディアのお母さん その言葉がきっかけだったのか、俺のことを指差すと

「ねぇ、その子に。お名前をあげても良いかしら?」なんてことを 唐突に、俺に言ってきたのだ。

そんな突然の質問を俺は断ろうと思ったわけでもなく。素直に受け入れようとは思えたのである

「いいぜ」と そんな言葉を俺は返したのだ すると

「貴方に決めた。これからは貴方が。リディアのことを守っていくのよ。約束だからね」なんてことをリディアの母親に伝えられていたのだった 俺はリディアと一緒に過ごすようになってからは、毎日のようにリディアと体を重ねていて お互いに求め合い リディアの幸せそうな顔を見るだけで、俺自身も幸せを感じていた そんなある日のことなのだが。俺がいつもの通りに朝起きると、そこには、

「あへへ。あへへ。気持ちいいぃ。ご主人様」と 幸せそうな表情でそんな言葉を発しながら、腰を振るリディアがいて そんな光景に、少しだけ興奮を覚えてしまう俺が居たりもしたので リディアに「おい。どうしちまったんだよ」と そう問い詰めると

「昨日の夜ね。貴方と二人で寝ている時に変なことが起こったの。私が一人でいるときに、急に体が熱くなって、苦しくて、どうしようもなかったの。でも そうしたら貴方の声が聞こえてきて。貴方のことを考えたら 楽になってきたの。

そのあとも。体がどんどん熱くなっていったの。どうにかしてこの熱を鎮めようとしたんだけど。その途中でも何度も同じことがあったりして」ってことを口走っていた それを聞いた俺は、まずいかもしれないと感じてしまい そのことについて詳しく聞くことにしたのだったが その時にも、彼女は自分の身に起きている異変を感じ取っているような態度を見せて来て「なんか、自分の体に別の人格が生まれたみたいに、私の体を勝手に動かしてる時があるのよね」なんてことを口にするようになっていた それはつまり俺が眠っている間に。誰かが自分の中に入り込んでいる可能性があると言うことになるわけで それが原因で自分の意識を失ってしまったとしたならば 自分の意志とは関係なく行動していることだって起こり得ると、そんなことを思ってはしまうのだが「本当にそんな現象が起きるのか」と疑問を持つ俺なのだが そんな

「どうしたら良いかわからないって状態が続いて、今の状況になってるの。私としては、どうしたらこの状況を脱することができるのか。それが知りたいの。でも」そう言うと。

俺のことを真剣に見つめてきているのだ

「そんな時にさ。この力を使うことができたんだよ」

俺は、その能力を使ってみることにした そうすると 俺の中から、もう一人の人物が姿を現す その人物を見たリディアが驚いた顔をしていたのだけれども 俺の目の前にいた人物は「久しいなお主 我の力が欲しいと言ってきた時はまさか。このような事態になるとはな。だがまぁ この世界で生きていくことを決意したようじゃのぉ。我が力を貸そう。だがしかし この世界に、その力は不要だと判断できた場合は、即座に。その力を封印させて貰うからの。それだけは理解しておれ」と、そんな事を俺に伝える

「なぁ、俺はお前の力を借りることができるんなら その力を使おうと思っている」そう言った俺は、自分自身の中に潜む何かの存在に対して お願いをしてみた すると、

「ふぅー 分かったわい この力を使うことを許可してやるが。もし 力を使いこなせていないと感じた場合には。その瞬間。我の力でその者を眠らせて。力を使えないようにさせてもらうから。それは覚悟しておいてもらわなければならぬ」と、そのように伝えてくる 俺はその言葉を聞いて、

「それでも構わない。リディアを助ける為に使うんだ。その力を」なんてこと

「うむ。その言葉 忘れるでないぞ」なんてことを言って その何かは 俺の中で再び眠りについていくことになるのであった 俺は、城の中を散策しながら リディアのお姉さんが俺のために用意してくれた部屋に たどり着くことが出来た その場所で、リディアが待っていてくれたのは嬉しかったのだけれど。それよりも先に俺を待ち受けている問題が有ったりしたのだよなぁ その問題については、目の前にいる女性の口から説明を受けることになる その女性は リ

「この方はですね。私達の住んでいるこの国の王女様なんですよ。それで 私はリリア。この国の第一王妃ってことになっているのよ」

「初めまして勇者さま 私はこの国の女王を務めさせていただいております セリーナと申します。今後、あなた様は 私の夫となって頂きますので、この国で不自由ない生活をおくっていただくことが出来ますので、どうかよろしくおねがいいたします」と、いきなりそんなことを言われてしまった その発言を受けた俺は固まったわけで そんな状況になってしまったわけなのだが。

その言葉を耳

「リディアが俺に対して 愛しているという発言をしてきたのだ。そんなことを言われたせいなのか リディアのことがとても大切な女性なんだと思うようになってしまっており

「あの。リディアを。俺の女にすることを許してくれるのであれば。あんたの妻になろう」そんな言葉を伝えることに そんな言葉を伝えた途端に、リディアのお姉さんの瞳が、一瞬だけ鋭くなるのだ

「貴女の気持ちはよく分かりました。リディアが貴女に懐いていることは知っていましたから。リディアが選んだ男性なのでしょう?であれば私は、その言葉を信じましょう」と、そんなことを言い出したリディアのお姉さん 俺のことを、リディアのことを託すに値する人間かどうか

「これからは貴方と、そして、貴方の奥様になっていく方と一緒に生活して頂くことになります。貴方達には 城の外に出ることを禁じていますが、この国にある図書館で勉強することを許しておりますので。そのつもりで」なんてことを口にして来る それから数日が経過して 俺は、俺に出来ることをしていこうと心に決めると まずは俺の能力を確認するところから始めることにするのである 俺の中には 俺に宿った謎の人物の力が存在していたわけで その力は

「どんなものでも作れることが出来る」というものだった その能力は、俺の思い描くものを現実に生み出すことの出来る力であるらしく。その能力を確認出来てからは。俺の生活は激変する まずは俺自身の身体能力を強化することにしたわけで

「身体強化」

なんてことを呟いてみる そうすると、不思議なことが起こってしまい。俺の体は光に包まれると。

俺は自分の体に起きている違和感をすぐに感じ取ってしまい。「なんだこれは」と 俺は驚きながらも そんな俺の様子を見ていたリディアが「何があったの?」と、聞いてくる リディアに「ちょっと 見ててくれよ」と言いながら

「俺の腕を見ていてくれないか」なんてことを口にしてから 俺は自分の腕を見るようにして、そして自分の手に魔力を込める そうすることで 手から火が出て来たりしてしまうのだが 俺の顔に笑みを浮かべながら「ほら。これが魔法だ。どうだ すごいだろう」と言いながら リディアに話しかけていくと リディアが目をキラキラ輝

「貴方は。どうして、そこまでのことができるのか。それを聞かせて欲しいのだけれど」

そんなことを俺に言ってきた そんなリディアの言葉を受けて俺は「それはな。俺が特別な存在だからさ」と、自信満々にそう答えるのだが リディアに

「ねぇ、そんなことを口にして。自分が特別な人間であると思い込んでしまったりする人は多いのよね」と、言われてしまうのだった 俺は 俺自身が特別な存在であるということを、しっかりと認めて貰えるようになるために リディアに

「俺は確かに普通の男よりも優れた部分を持っていると思うぜ。だけどさ、それはお前と一緒になって初めて気付くことが出来たことだろ。だからお前と一緒にいることによってさらに成長することができたと思っているんだよ」と言う その言葉を耳にしていたリディアの姉さんは、「本当に素敵な殿方のようでよかったです。それにしてもこの国はもう駄目かもしれないと思っておりましたけど、この方と一緒になっていれば問題無いようですね」なんて事を言っている その後に俺は自分自身の中に眠る謎の力を使うべく 自分の体に変化を与えるように意識すると「身体変化(変身)」と言うことを口にしてみて 自分の体に起きている状態を確認してみるとそこには黒髪の男ではなく銀髪の女性が居たのだ それを見た俺は「えぇ?」って

「俺の体どうなっているのぉ」なんて声をあげてしまいながらその場に崩れ落ちていたのであった「大丈夫か?まぁまぁまぁってやつじゃな」と、頭上から可愛らしい女の子の声が聞こえてきたと思った次の瞬間に。そこには小さな子供が居たのだ その子の姿は 銀色の長い髪の毛を持った子供 そんな彼女は地面に転げている俺を見つめてから、そのあとは、 リディアに向かって微笑んでみせると、彼女も笑いかけてくれたのであった ただ。そんな彼女の様子を見ていて。俺は少しだけ思うところがあって、そんなことを考えてしまうわけで それは。その

「お前もしかすると俺と会う為に俺に近づいてきたりとか。そう言う目的を持ってここにいるのか?」なんてことを口にしてみる 俺が そんなことを言うと。リディアの表情は凍りついていたわけで

「それは どういうことですか」そんな言葉を俺に投げかけてきてくるのだが。そんな彼女にどう返答すればいいのか困っていると。そんな俺を助けてくれた人物が居るのであった それは。リディアの母親であり、リディアの本当の姉さんである

「私が説明致しましょう」と、俺に声をかけてくると。俺の体を起き上がらせる手伝いをしてもらい 俺はその場で立ち上がると「その前に自己紹介から始めさせていただきたいと思いますね。私はこの国の王妃を務めておりますセリーナ=アセリア。この度はリディアのことを救ってくださり感謝しております」と言ってきた その女性は俺に向けて「この子。実はね あなた様のことをとても好いておりましたのよ。それもかなり前から。それで あなた様が召喚されたことを知った時に。リディアがどんな気持ちになるのかを分かっていながら。あなた様の世話をさせるためにあなた様を呼び出してしまったの。許してあげてね」と、そう口にすると その女性。セリーナ様は

「リディアの事をどうかよろしくお願いいたします」と 俺に対して深々と頭を垂れてきた そんなことをされても 別に何もしてあげることは出来ない

「俺の力で出来る範囲なら助けになることもしますから。とりあえず 今はまだ ここでの生活に慣れるまでに精一杯になっている状況なので あまり期待に答えられるようなことが出来ないのですが」俺はそんなことを口走ってしまう それを聞いている目の前の女性がクスッっと笑ってくれたことで俺は、ホッとした気持ちになっていたのだが、その直後 俺の前に立っていたリディアは、涙を流し始めるのであった。ただ。それだけでは終わらなくてリディアは その瞳からは涙をポロポロ流しているのであったがそれでも 俺の方に近寄ってきて「これから一緒に頑張っていきましょう」と、そう言ってくれると 抱きしめてくれたのだよなぁーと それからしばらくしてのことなのだけれどな リ

「あぁー、今日は何をしようかしら。んー」

俺はその日、俺の事をずっと監視してくれている人物に対して「そっちの調子のほうはどうなんだ?」と話しかけていたのであるが。その問いかけを受けたその人は、俺にこう返事をしてくれたのだ マ

「いいんじゃない?順調に進んでいるよ。私だってこの国の姫なんだもん。それなりに頑張るしかないでしょう。それにしてもリディアは良い相手とめぐり合ったみたいだねぇー 私としては嬉しい限りだわ」と、そのように返してくれるので 俺はその人に。この国のことについて色々質問してみた するとその人から教えて貰ったのはこんな話だ

「この国の名前だけれど。私はね この国を平和に導く為に生まれたんだ」と言われて その言葉の意味について考えさせられたので。そのことを詳しく聞こうとするのだけれども その人は「うふふ。まだ言えない」と 言葉を濁してしまう その人がそんな反応を見せて来たせいなのか。俺は、その人のことが急に怖くなってしまったわけなのだが その話をしたあとに その人は、俺が寝泊まりしている部屋へと足を運んでくれたのだが そこで俺は、リディアのお母さん。つまりはリディアのお姉さんと出会うことになる リディアの母親が 俺に「貴方が私の夫となってくださるというお方なのですか?本当に、この国に平穏をもたらしてくれるというお方は貴方しかいないと思っていたんですよ」と、言ってくると 俺は、そんな言葉に「はい。そのつもりではありますが」と、答えることになってしまった そうするしかなかったという言い方が正しいのかもしれないのだけれど そんな会話が、その後に続けられて行き。リディアのお母さんが 俺の頬に手を当ててから。優しい声を出してくれる

「あの子に優しくして頂けていますでしょうか?貴方のような立派な殿方をあの子は選んだんですから、しっかり支えてあげてください」と、そんなことを言ってきたのだけれど。その発言に俺は何も言わないでおいた 何故ならば、俺の中には。俺の力を利用して。リディアのことを俺の物にしようとしているの

「もし。お前の思い通りにはさせないぞ!」って そういう気持ちを抱くことが出来たわけで それを感じたのか分からないけれど 俺の近くにまでやって来てくれていたはずの彼女が少し離れると。それから俺のことを見下したような目線で見て来るのだが、そんな彼女の行動を見た後で俺はあることに気がついたのだが。それは 彼女は自分のことをリディアの母親であると言ったのだが。それって嘘じゃないかと思う部分があったわけである 俺は、この城の人たちに対して何かをした覚えは当然ないし それ以前にこの世界に来て数日しか経過していない人間がここまで信頼されるようになるだろうかとも思えて仕方が無いわけであるのだが。それを気にしていたとしても意味の無いことであると思うことにした俺はそれ以上追求するようなことはしなかったのだが 彼女は

「まあいいわ。貴方が私を受け入れようとしない限りは、どうなることもないはずだもの」と言うと。再びその場から離れていくのであった その後の出来事 その出来事については、何事も無く。特に何があるということはなかった。そんなことが無くてもリディアと二人で楽しい時間を過ごしていたのだけれど そう言えば、俺のことを拉致しようとしてきた女の子は。俺に襲いかかろうとした際に。その前にリディアが 彼女に向かって攻撃をしようとしていたのだけれど。それを避けた後に「貴方は 一体何者なの」と そんなことを言うのだが。それに対して女の子は「お前は、俺の敵になり得る存在かそうでないか。その答えを知りたいだけだろうが。そう言うところがお前には足りていない」と言ってきたのだ そんな彼女の様子を見て俺は「なんだよ。まるで自分は、お前の味方ではないみたいな感じが伝わってくるじゃねえかよ。お前こそ、俺の事が憎くてたまらなくなっているのか?」と そう言ってみると

「それはどうだろう。俺にも正直よく分かっていないところはあるんだけど。俺は、お前の事をどうにかするつもりはない。それよりも。俺は、リディアの姉貴に嫌われることのほうがよっぽど恐ろしく思えるし」なんてことを口にしていると。彼女は、「それはどういうことかな?」と そう言いながら俺の顔を見つめてきていた それを受けて俺は「どういうことって、そりゃ あんたがリディアのことを俺から引き離そうとしていたように見えていたからさ」と そう口にしてみるのだけれど。それを聞いたリディアの友達は「まあね。この子の将来を考えると。リディアと一緒にいて幸せになって欲しいと思っているから」と言ってくるので。俺は、この人なら信用できるんじゃないかと。そんな気持ちになっていたのだよなぁ

「ところで、俺の力を悪用しようとする奴らが居るんだが、その辺りの事情を知っているか?」俺はリディアにそんな質問をすると 彼女は「それは。おそらくですけど、私のお父さんの仕業だと思います。あの人は私達とは少し違った力を持っていまして、それで、貴方を召喚してしまったようですね。召喚術というものらしいのです。私は良くわかりませんけれど」

俺はリディアのお父さんがどんな能力を俺に対して使おうとしていたのかが分からなかったので、彼女にそのことを聞くことにすると リディアの答えを聞いて俺は「へぇ~そうなのか」と思ってしまった

「それでリディアちゃんのお母さんも同じような力を持っていたりするのかしら」

その人は、リディアのお母さんに向けてそう言った

「えぇもちろん。持っているのですよ。それが、この城を守るのに役立つので」

そう答えてくれた それを聞くと、リディアはお母さんのことを抱きしめてしまうのだった。その様子を見たあとで俺は、リディアのことについてもう少し詳しく知りたいなと思ったのだよな そんな気持ちを抱いている俺に向けて リディアは「私が、貴方のことを好きになった理由を教えてあげましょうか?」と、そんな風に話しかけてきたので。俺は思わず驚いてしまう そんな気持ちを察してくれてリディアは

「別にいいじゃないですか」と 笑顔を向けてくれる その言葉を受けて 俺は「それもそうだよな」と そんなことを言ってしまうと リディアが笑っている姿を見て なんだか癒されている自分に気づいていくと リディアのことについて色々聞き出してやろう そんな気持ちが芽生えてきて 色々と聞いていった結果。この世界で生まれ育ったリディアのことを知ることが出来ることになったのだが。その結果。俺が知っているよりも もっと前からリディアは、お母さんのことが大好きだということを知ることができた

「俺からしてみたら。やっぱりリディアはお姫様の生まれ変わりだとしか思えないよ」俺がそんな感想を述べると

「私もレイ様のことを考えますと、そんな気がしてきますね」と言われてしまったのだが それからは。俺とリディアが出会った頃のことを話していくうちに。その話に出てきたことをリディアは思い出して懐かしがるようになっていたので。その時の光景を思い浮かぶことが出来た俺は。つい微笑みを浮かべてしまった その様子から、俺の考えていることがリディアには分かってしまったみたいで

「ふふっ、今でもそう思ってくれていることは。凄く嬉しいことですよね」と、彼女は俺の体に寄りかかってきて、そう口にしてくるのであった

「あぁ、本当に、リディアがこの国の王様になってくれればいいのになぁ」俺がそう言うのと同時に 目の前に立っていた女性が「あら?私のことはどうなるのでしょうか?」と、そう言ってくれるのだけど。俺は

「そういえば。どうして俺に構うような態度を取るんですかね?貴方は」なんて言葉を返してみるのだけれど そんな質問を受けた相手は 俺の言葉に答えることはなく。その代わりに「今。この場所は安全ですから。ここで、ゆっくりと休むのが良いと思いますよ」と言われることになるのだが

「でも。今はリディヤがこの城の警備を行っている最中なので、俺だけがこうしてのんびりしていて良いんですかね」と言うのだけれど

「あの子が帰ってくるまでの間くらいなら大丈夫なのでは、ありませんか?」と、そう言われるだけだった その後 しばらくして 一人の男がこちらに向かってやって来る姿を視界に収めた そんな男の人は、こちらの方を見ては何かを話している 俺はリディアのことを見守るようにして そちらに目を向けるのだが 男はこちらのことを見るだけで。特に何かを言うことはなかった そのことが少し気になったものの。俺は 特に気にはしなかったのだが リディアが、俺のことを抱きしめてくれる そうしてくれると俺は安心することが出来るのであるのだが。それでも リディアが心配しているようなことにはならないと思うのだけれど ただの予感であるし。俺の考えすぎだと思うことにして リディアを抱き返す

「本当に、私達が愛し合っていると分かればきっとこの子だって納得するはずなのに」そんなことを言いながらも その人は、俺とリディアに近づいて来て「そろそろ帰りなさい」と言い始める その言葉を耳にして俺は

「分かりました。俺の事は、あまり警戒しない方がいいですよ」と言うと その言葉の意味について考えた後で「貴方に敵意が無ければ。私も何もすることはないから。それだけよ」と そう言われた 俺のことを見ているリディアのことを見れば、俺に対して、この場から離れてほしいという意思が伝わって来たのだが。それを感じ取っても俺は動かなかった そんな俺の態度に痺れを切らした

「早く、離れてくれないかしら」と言ってきたので

「すみません。俺とこの子はこれから二人で、楽しい時間を過ごすことになっているんですよ」俺は 少し冗談交じりに言ってやる すると「貴方が。そこまで言えるほど、この子とは仲良くなれるのか」と 俺に尋ねてくるのである それを受け止めた俺が「えぇ、勿論ですよ」と、そう言えば

「貴方。私とこの子を一緒に連れて行くことは出来ないかしら」と そんな提案を口にしてきたのであった 俺としては

「いいんじゃないですかね。それ」と そんな風に返事をするのだけれど 俺の意見に賛成してくれる人が一人居たので「それはいい考えだわ」と、そんな風に賛同してくれていたのはリディアの友達で この人も俺のことを信頼してくれていて リディアが信頼してくれていたように。彼女も俺のことを信用しようとしてくれているのは感じ取れたのだが

「まぁ。俺の答えなんて最初から決まっているんだけど」俺は、リディアのことを 抱きしめて「俺は。貴方と一緒に居るほうが。幸せなんだよな」と伝えれば リディアのお母さんから、リディアに リディアをお願いしますと言われた リディアが嬉しそうな表情を見せてくれたのを確認してから 俺は「それじゃ。俺たちはこの辺にしておきましょうか。まだやるべきことが残っているのでしょう」と言ってその場を離れることにした その言葉を聞いた彼女は 俺の背中に抱き着いているリディアに向かって話しかけると「リディア、また遊びに来るから。それまでにもっと強くなりなさい」と言ったあとで「それでは。ごめんあそばせ」と口にしてから去って行った

「私達も。この城を離れますよ」彼女は、俺にそう声をかけて来る 俺とリディアが「わかりました」と 二人揃って答えたら。俺はリディアの手をしっかりと握りしめていた そうして。リディアのお母さんと一緒に。彼女の案内を受けて俺は城を後にすることになったのだ その道中 リディアのお姉さんと会話

「リディアをよろしくね」なんて そんな言葉を聞かされたりした

「リディアの姉貴。あなたは、一体何者なんですか?」と俺は疑問に思っていた

「リディヤの姉よ。それがどうかしましたか?」

リディアから聞いた話と食い違っているところがありすぎて。どうなっているんだろうと疑問を抱いた俺は 彼女に聞いてみようと思い。聞いてみた

「私の本当の両親は死んでしまい。今はこの子の親代わりになって育てているわけだけれど。それはこの国を守る上で必要だと判断したからよ。でも本当は私はこの子のお母さんではない」そんな事を言われてしまうのだが その発言内容に、俺の心の中で何かが生まれてしまい 少し黙ってしまうことになるのだが

「この子のことを大事にしてあげてね」と言って リディアと一緒にどこかに行ってしまった 残された俺は一人で 考える あの人の言っている意味を考えると やはり、リディアが言っていたことは嘘だったということになり。あの人は、リディアの母親ということなのだが。俺はそんなこと信じられるわけがなかった

「あれは、あの人がリディアのことを可愛がっていて。そうして口にしているだけの事だよな」俺はそんなことを思ってリディアのお母さんを見送ってしまったのだが。その後で、俺は あることに気づいたのである

「そう言えばさっきリディアが俺の側に近寄って来たときも リディアから何かを感じていたような気がしていたな」

俺のその行動を見たリディアは「お母様、レイ様に何を言っていたのですか?」と尋ねるのだが。その問いに対しての答えはなく。代わりに、「レイちゃん」と呼ばれるだけになってしまう そんなことがあったため俺の方にも余裕がなくなっていくのであるのだが 俺のそばにいた存在が離れていくと、その分だけ心に隙が生じ始めてしまうためだ

(くそっ!どうしてあいつが)と思っている最中に 突然に俺を攻撃が襲うのだが。それを簡単に避けきったところで、俺は「今度は一体誰がやって来た?」と聞くのだけれど。それに答えてくれる人などいないと思っていたのだけれど、俺の近くにいた人物が教えてくれたことで状況が変わったのだけれど。それはどういうものなのかといえば

「おやめください。陛下!」と言う言葉で、

「お前が私に指図するというのか?私に意見するなど」そんなことを言われた女性は、その場に崩れ落ちそうになるが。それでも彼女は立ち上がると「私達の大切な人を奪わないで下さい。お願い致します」と言うのだが。そんなことを言ったとしても 俺の命を狙うのをやめようとはしてこない

「リディヤが、あの子が死んだせいで」その人は、リディアのお父さんから。リディアを殺せば、リディアを生き返らせることができる。だから 俺のことを生け捕りにするように命じたのだった。リディアが死ぬ前のことだ 俺はその話を、目の前で繰り広げられている光景から察知することが出来たのだ その光景を、目に

「リディアが死んでいるだって?」そんなことは有り得ないと思ったのであるが リディアのお母さんに聞けば。リディアが亡くなった時の状況を聞かせてもらうことができた

「リディアの死の原因は、私が、リディアとあの子を一緒にしてあげることが出来なかったこと。そのことが悔やまれるのだけれど。まさか、ここまで酷い死に方をするとは」そんな言葉を口にするのであった 俺の知らない事実を知ってしまって、ショックを受けてしまった俺は しばらくの間 動けなくなってしまうことになるのだが。それでも。いつまでもこうやって固まっていてもしょうがないので、

「リディヤが、俺を殺そうとしている。そう思えば、どうにかして、ここから逃げるべきだろうな」と思って動き出そうと思った矢先

「私と一緒に逃げてくれないかな?」と そんなことを言われた そう言われたことで 俺は、その相手の方を見る その相手が俺に対して「お願いできないかしら?」と尋ね

「分かりました」俺は そんな風に答えるのであったが リディアは俺のことを心配しているようなので「ちょっと待ってくれ」と。俺は言うのだが

「リディアのことを任せたい相手が見つかったんですか」なんてことを聞かれてしまい 俺は少し困り果てたような状態になりながらも「はい」と答えるのだけれど。それでも リディアは、その人との別れを拒むために「駄目よ」と言ってくれるのだが

「リディアのことを頼む。それだけだ」俺はそれだけを言えば、それで良いのだと思いながら。俺の方に来てくれているその相手に向かって「リディアをよろしくお願いするよ」と言って。俺はその人から離れて行こうとするのだが その行動を邪魔されてしまったので

「リディア、もう時間がないんだ。悪いが、リディアを頼めるだろうか」

俺はリディアに向かって そう頼み込むと。リディアから

「本当に。私達は一緒にいていいの?」なんて言われるのだが

「俺と一緒にいても 何も変わらないと思うけどな」と 俺が告げれば

「私達と一緒に来てくれる」と言うので 俺とリディアの二人が。俺が連れて行きたかった。そう思う相手に付いていくことに

「本当に大丈夫なのよね。私達を裏切ったりしたら、その時は許さないから」と。俺がこれから会いに行く人に対して その人はそんなことを口にしてくれたので 俺の背中

「あぁ。わかっているよ」

そう答えた瞬間の出来事であった。リディアのお姉さんが俺に向けて攻撃を仕掛けてくるのである リディアはというと、それに巻き込まれてしまうのである 俺は、リディアの事を庇いつつ「何があった」と聞いてみるのだが その答えは、俺の後ろ側にあったはずの建物が破壊されたことにより知ることが出来るのだ そしてその建物は、リディアのお姉さんの攻撃を受けて 壊れてしまっているのである。俺はそれを確認してから リディアに「リディアは無事なのか?」と 問いかけてみたら リディアは「貴方こそ怪我はありませんか?」と聞いてきたから

「リディアの方が俺より重傷じゃないだろ。こんな時くらい、そんな質問は止めてくれ」と。

俺が答えてやると。リディアも 自分の状態を把握出来ていたのか。俺に対して謝罪してきたりするのである。リディアのことを抱きしめて 俺が、リディアの体を優しく包んでやったら リディアから「ありがとうございます」なんて言葉を頂くことが出来て 俺は嬉しくなってしまっていた。

リディヤが俺のことを殺そうとしていることに。リディアが巻き込まれているということは理解しているのだが 俺としては、そのリディヤに。リディアのことを頼まれていたから、リディアのことだけは守ってやるぞ、とか そんなことを考えたうえで。リディアを連れて行ってもいいと言われた

「本当に行く気なのか?後悔することになるかもしれないぞ」と言われて

「後悔なら既に経験済ですよ。俺は、俺がやりたいように動くだけだから。気にしないでください」

そんな感じのことを、俺は目の前の人に告げたら

「それじゃぁ。私も付き合っていこうかな」と言われるので

「何ですかそれ?」

そんな疑問を抱かざるを得ないのだが

「まぁとりあえずさ、私のこと名前で呼んでくれたら嬉しいんだけどな」なんて言われてしまうので

「じゃあ、アーニャ。これからどうしようか?」

そう口にしてから俺は リディヤがいるところへと向かうことにした 俺は リディヤが居そうな場所に目星

「ここがそうか?」そう口にしながらも。その場所に近づいて行けば、リディヤの姿を確認することが出来た。その姿を見て、声をかけようとして 俺は言葉を飲み込んでしまう リディヤは泣いていたのだ 泣き喚いていた。そう言ってもいいほどの リディアの事を泣かせているリディアのことを俺は見つめることしか出来ない リディアの事を見ていると リディヤに何かを話しかけているのが見えるのだが その話の内容まではわからない ただ言えることは、今の俺とリディアが話していたとしても。俺はきっと リディアの言葉に耳を傾けるようなことは出来ないだろうと、思ってしまえば。そんな気持ちになってしまった俺なのだが それでも、リディアのことをこのままにはして

「俺は、やっぱりさ」

リディヤのことを慰めるしかないと思ってしまい リディアの元へと歩みを進めていった 俺が近づくのを感じたリディヤは「レイ様!」そう叫んで俺の名前を呼んだ。しかしリディアはすぐに俺の元まで来ることは無かった どうしてなのかと言えば、それは俺がリディアのことをしっかりと受け止めることが出来なかったからである 俺がリディアのことを受け入れることが出来たならば。俺は間違いなくリディアのことを力強く抱きしめていて。リディアのことを慰めるために行動を起こすことが出来たのであろうが。

そんな俺を見て「レイ様。私は平気です。大丈夫ですから」と言うのだけれど そんなことは無理だ。

俺が、俺が、どうして、俺は、そんな風に考えて

「俺なんかで良かったのか」なんて口にすれば リディアは「レイ様に側にいて欲しいのです」と そう言うので 俺とリディアは抱き合い そんな二人を見ているだけの俺。俺の目の前ではリディアとリディアの姉が言い争っていて。俺がそんな二人に対して口を挟むこともできずにいたのだが。そんな時であった 俺の前に姿を現したのは 俺の母親と。俺の母親が作り出したと思われる人造人間であり。その人造人間は、リディヤに襲いかかってきた リディアに助けを求められても 俺は、俺自身が情けないばかりに何も出来ずにいたが。リディアが人造人間の攻撃を受けた時に。俺は思わずリディヤ

「俺の女に触れるんじゃない」と言ってしまった。そうしなければ。俺はリディアのことが守れなかったから 俺が リディアを守ることが出来る リディアと、俺との間に子供を作る。それが出来たら、俺は、もっと強くなるんじゃないか、なんて考えてしまい。俺は俺のことを殴ってしまいたくなるのだが リディアは俺がそう言ってしまったことに気がつき

「えへっ。やっと、ようやく。私のことを」そんなことを言うので

「リディアの事が好きなのは、前からだって」と俺は返すのである そうしているうちに、俺のことを殴りつけてきてくれたのは 母上であった。母は、「ごめんね。レイ」と。そんな風に言ってから、その場を離れて行ったのである。

リディアはというと

「大丈夫。レイ。大丈夫だから」と言ってくれて。そんな風に言われたことで、俺はどうにか冷静になることが出来ていた リディアは俺の手を掴んでくれて。そのまま引っ張ってくれて 俺の手を引いてくれるのである 俺は「すまない。俺のために」とだけ伝えれば

「私がしたくてしていることだもの」そう言われる そんな俺達が、お互いに抱きしめあって。そんな光景を見ていたのは リディヤとリディアのお姉さんだったわけで 俺達はしばらく、そんな風にして時間を過ごしていたら

「ねぇ、リディア?貴方は、本当にそれでいいのよね?」そんな言葉が聞こえてくるので リディアが「どういう意味?」と聞いてくるのだけれど 俺は「リディアの事は、お前に預けたんだ。好きにするといい」と 俺はそう言ったのだが そんなやり取りが有った後に

「私達の国に行きましょう」なんてことを言われてしまったので

「そうだな。俺は、一度戻って、俺の国を作ってからそっちに向かう」と それだけを告げたのだ

「私も、一緒にいくわよ?」と 姉であるその人は 俺の所にきて 俺の事を、その大きな瞳で見ながら告げてくるのだが

「姉ちゃんは、俺と一緒に来てくれるのかい?」と尋ねてみたら その人が微笑みながら

「うん」と答えてくださり。俺の頬にキスをして「貴方のお嫁さんにして」と口にしてくれたのだが

「私も一緒についていくわよ」と。その人もそう告げてくれるので 俺は

「わかった。リディヤ。また会おうな」と その人達に向かって言えば リディアも俺に向かって

「私も、必ず会いにいきますから」と言ってくれるので 俺は、嬉しくなり 俺は、二人に対して笑顔を浮かべれば

「私達三人、同じ国に行ければいいのに」なんてことを言われるのだが リディヤは、リディアの方に向き直って

「それじゃあ、私達はここで別れよっか」なんて言葉を口にするので

「待って。お姉さん。私のお願いを、少しだけでもいいから聞いてください。お願いします」と言うのだ 俺は、リディアがそんなことを告げると

「何をするつもり?まぁ。でも。仕方ないかしら」と言われてしまうので 俺も、俺なりの考えを口にする

「リディア。お前はこの世界を。リディヤが生きている世界を救えるんだろ?」と俺が言えば その人の目が大きく見開かれたので 俺は続けることにした

「この世界で何が起きるのかを俺が教えてやれる」

そう告げた途端のことだった 俺の目には。その人の力の流れと。世界が改変されている映像が流れてきて。その人が口にしていた通りのことを確認することができたのである

「そう、なんだ」と呟いたその人は、何かを考え始めて しばらくしてから。俺の顔を見るのだ

「貴方なら出来るかもしれない」

そう言ってくれたその人から、力が送られてきた俺は、それを受け取ろうして

「あの。俺の力になにか変化がありましたか」なんて聞けば その人が

「貴女の力は、貴方が思っている以上に強いということだけは言えるかも」そう答えてくれて。俺のことを見ながら。微笑んで

「ありがとう。それじゃ、私は行くから。もう会うこともないかもしれないけれど」と言い残して。どこかへと行ってしまうので。俺は慌ててその後を追うことにする 俺が追いかけようとしたのだが。リディアが「私は一人で平気」と言ってくれたおかげで。俺は、リディアのことだけを気にすることだけで良かったのだ。

そうやって俺がリディアの事だけを考えている間に リディアはその人と二人で会話を続けて

「これからどうしようかしら?」なんてことを聞いていれば リディアの姉の方も

「どうせ私はここにいても邪魔になるだろうから。とりあえず。私は先に、向こうで待っていることにするわ。レイ様のことをよろしくね」と言って消えていかれたので 俺達はその女性の姿を見えなくなるまで見守っていた。その

「ねぇ、レイ」リディアが俺の名前を呼ぶのだ 俺は

「どうかしたか?」

リディアのその問いかけに対して。俺はリディアのことを真っ直ぐに見つめる リディアのことが好きだ。

リディアに俺が好意を持っている。そんなことは前から知っている事実ではあるのに。

「あのさ。私のわがままを許して欲しいの」

俺はそんな言葉に

「俺はリディアの事を愛しているんだ。だから、俺にできることがあったならば、何でも協力は惜しまない」と。リディアの目をじっと見ながらそう伝えてから

「何かして欲しいことがあるのならば。それを遠慮せずに言ってくれ。リディアが幸せになるためであれば。どんな手段を使っても」と 俺がリディアのことをまっすぐ見据えて言う リディアは

「うん。じゃあね。私がしたいと思ったことを、受け入れてもらえるか分からないんだけど」そう言いながらも。自分の気持ちに正直になろうとするその姿が可愛らしくて。俺はリディアのことが、本当に好きなのだと再認識させられてしまった。

「あの、ね。今からすることは」

「あぁ」

リディアが何をするのか それは分からなかったが。俺はただ、そんな彼女を受け入れるためにも ゆっくりと近づいてくるリディアのことを受け止めるために。彼女のことを抱きしめようと、両手を広げたのだ リディアのことを抱きしめたい。リディアの身体に触れていたい。

俺はそんなことを考えてしまい。気がつけば俺は。リディアのことを、強く

「レイは」

リディアの呼びかける声が聞こえる 俺の腕の中で震えている少女は 俺に全てを委ねているようで 俺は リディアの背中をさすりながら。リディアに言うのであった。

「俺は大丈夫だから」と 俺はリディアを抱きしめながら、耳元で囁くようにして告げると。リディアの息遣いが激しくなっていくのだが。そんな状況の中であっても。俺の心臓が早鐘を打っているように感じられるのはきっと気のせいではないのであろう。俺はそんな事を感じ取りつつ

「レイ。貴方が欲しい」と。俺の胸に顔を押し当ててくるリディアが、可愛いとしか言えないのは当然の話であって

「分かった」と 俺はリディアの頭から手を離す そして 俺はリディアの手を取る リディアが恥ずかしがるようにして顔を赤く染めたのだ 俺はそんな彼女を安心させるように声をかけることにしたのだ

「俺が側にいてあげるから。リディアのことを嫌いになったりしないから。心配はするな」と 俺が

「ごめんね。レイ」リディアはそう言ってくるのだが。そんな彼女に微笑んで「大丈夫だから」と答えることにすれば 俺と、リディアとの視線があったのだが そんな俺達の唇は そのまま吸い込まれるように重なり合うのであった。

俺とリディアが互いに求め合った後に俺達が居たのはベッドの上で、リディアの匂いと体温が、直に伝わる。そんな状況下で俺は 俺は、俺に寄り添ってくれているリディアに。俺は、「すまない」と口にすると そんな俺に、彼女は

「ううん。私がこうしたかっただけだから」と言ってくれたのだ リディアが

「ねぇ、一つだけ聞きたかったのだけど。どうして貴方は、私達を受け入れてくれたの?」と言われてしまうからこそ

「そうだなぁ~お前の事は本当に好きになったからだと思うぞ?それだけじゃダメなのか?」と言ってみれば リディアは 頬を膨らませつつも微笑みながら「それじゃあ、いいですけどぉ~」と言うものだから つい、頭を撫でてしまったら機嫌が良くなるどころか。逆に上目づかいでこっちを見つめられると胸がきゅんとなるわけでしてね?まぁこんなやり取りをしているうちに俺も寝落ちしてしまったんだがね 翌朝になれば。リディヤも、母さんも姉ちゃんもいなかった。まぁそんなもんなんだろうなと思いながらも朝食の準備

「リディアも食べていくだろ?」と尋ねてみたのだが

「うん。そうするよ」と言われたので、俺の分の朝食と一緒に 二人分を用意 俺とリディアの二人で食べることになったのだが。リディアは終始ニコニコとしていたので。それが凄く嬉しいと思える 俺も嬉しくなるというもので。俺は リディアに 俺が思った事を素直に伝えればいい

「リディア。改めてよろしく頼むよ」と告げれば。彼女も

「私だって同じだよ?こちらからもお願い。これからよろしくお願いします」と言ってくれるのだ こうして俺とリディアとの生活が始まった まず最初に俺はカグヤに会いに行くことにした。何故って聞かれても困るが 単純に気になったのだ。

あの女が。何をしでかすかわからないから。

俺の予想が当たっているとしたら、とんでもないことだ。

あいつらは俺の体を奪った存在なのだから。何があってもおかしくはないだろう。そう思い 俺は、カグヤに逢いにいくことにしたのだった。しかし俺には不安がある。その前にリディアを連れて行く

「お前が嫌なら、連れて行きたくはないのだが」なんて言ってみたりして。そしたら「私はついていきたい」なんて言われて。リディアと手を繋ぐ

「それじゃあ。いくとするか」そう言った瞬間に 景色が変わった。俺の目の前に広がる光景を見て。俺の体は無意識のうちに動いていたのだ。俺は俺の意志とは関係なく 俺の身体が動く。そんな現象に対して俺は違和感を抱くこともなく。俺の足を動かす。そう。目的地まで一直線に向かったのだ。そして俺が辿り着いた先では あの人が戦っていた。俺と。俺は俺の記憶にある人の戦いぶりを見た あの人の力は強大であり。それは俺なんかじゃとても敵

「そう、なんだ。でも、私は、もう決めたから。たとえ貴方でも止められないし、それに、これは私のけじめの問題でもあるの」

リディアの言葉に俺は「そうか」と返事をして 俺はあの人に、俺の体を返すことを決断して

「リディア、少しの間。待っていてくれないか?」なんて言葉を俺は口にしたのだから あの人と俺は 俺は、その人と向き合い。対峙することになった。その人は、あの人と俺との戦いを黙ったまま見ている 俺は、剣を構えたまま、その人を真っ直ぐ見つめた

「貴様、その瞳は一体何者なのだ?この我を前にしても臆さぬなど」

その人はそんなことを言ってきて。その人から溢れ出ている気配は、俺に向けられていて

「俺は、ただの一介の冒険者に過ぎませんが」俺のその言葉を聞いたその人は

「戯言を言うではないわ。我が問いに答えてみせよ」と俺に向けて言ってくれた 俺は、リディアのことを一瞬見た後に、あの人から目を逸らさずに言うことにする

「俺は、ただの人間ですが」

「ふっ」とその言葉を口にした後、その人は俺に向かって走り出したのだ 俺は、その攻撃をかわして 相手の攻撃を、俺は防

「ほう、中々やるようだな。その力があれば、我にも勝てるやもしれぬというのに、勿体ないな」と口にしてから、その人の姿が変わる その姿は、女性ではなく。男のものであったのだ その姿に、俺は、どこか既視感を覚えていた。そして その男に俺は言うのである

「貴方は一体誰ですか?」

俺が、その問いかけ

「我が誰かか。ふん、面白い。名を教えようかと思ったが。貴様は、既に、知っていたのではないか?我の正体を。だから、そのようなことを尋ねたのであろう?」と。

俺はそんな言葉を聞いて 確かに、俺は、その名前を聞いていたはずだ だから俺は「あぁ」と答えた そして男は言う

「そう。ならば、貴様にも分かるはず。いや、分からなければならない。我の名前は 【神獣】フェンリスヴォルフ。かつて、この地に降り立ち。この地に繁栄をもたらした、偉大なる英雄だ」と。俺の口は 俺は俺じゃない俺が、そんなことを告げる 俺じゃない。俺は、そんなことは知らないのだ。俺はそう思ってしまったのだ だが。俺の身体が 俺は俺の体の動きを感じ取ったのだ それは、あの時と同じような感覚であって そう。俺がリディアの身体を奪い、リディアが身体を動かしていた。そんな感じに似ている 俺は俺の身体を操る何者かに支配されそうになるのであった 俺は、俺の身体が、勝手に動いて

「なにが」起きようとしているのか理解できないが。このままでいた場合どうなるのか、ということだけが理解できるのであった リディアが「ちょっと。なにこれ」と言い出して 俺は自分の体に異変が起き始めていることを認識しながらも なんとかしてこの状況から抜け出さなければならないと考えて行動しようとした。俺の頭の中に何かが浮かんでいて それが邪魔をしていた。それを消さないと。俺はどうにかなってしまってしまいそうなのだ

「くそが」と俺は声を出して。必死で、抗おうとしていた リディアと俺が、お互いの手を握りながら、互いに互いを求め合うようにして抱きしめあっている 俺が、リディアのことを抱きしめている

「ごめん。もう少しだけ、こうしていて欲しい」そんなことを俺の口から漏れてしまうと。リディアが俺のことを受け入れてくれる 俺がリディアを抱きしめながら そんなことを考えていれば

「ああああっ!」リディアが叫び始めて、俺の手を振り払おうとするから。そんなリディアに俺は、再び、抱きつき直すと リディアの意識を奪えばいいんだ。だから、リディアがこれ以上変な事を考えないようにすればいい そう考えて。リディアの唇を強引に奪った リディアは驚いた表情を浮かべた後

「うん」と一言、呟いて 抵抗をやめると、俺に全てを委ねるようにして 俺はそんな彼女を見て思う。俺は、本当に最低な奴だと

「俺と一つになって欲しい」と、そんなことを言う

「分かったよ」リディアが、そう答えるから。俺はリディアと一つになるために 彼女の着ている服を脱がせると 俺が今いる場所はベッドの上で。俺とリディアが肌を重ね合わせる リディアが俺を受け入れてくれれば それで全てが終わるはずだったのだけど 何故か 俺が あの女を、受け入れている? 何故?俺はリディアのことが好きだ だから。あの女を受け入れるつもりはないのだけど だけど どうしてだろう? どうしてなのか、俺は俺自身の考えがわからなくなってきてしまっていた。

あの女を受け入れたことで、何が起こる? 俺はそう考えた後。俺

「あぁぁああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」俺は叫んだ。だけどその声も次第に小さくなっていき

「うぁぁぁぁぁぁ」

俺の体は。もう完全に俺のものではなくなっていた。俺の体が

「俺のものじゃなくなった。なんで?」

「それはね、私がそうしたからだよ」

俺の声に反応して現れたのは リディアだった リディアが俺の体を使っている。俺の体は俺の意思とは無関係に動き始め

「リディア、俺を元に戻せ」そう口にする俺だったが リディアは首を横に振

「残念ながら、私は私としての存在を保つためにはこうするしかなかったの」と俺の耳元でささやくと 俺の体の主導権は完全に奪われてしまった そしてリディアが、カグヤに攻撃を仕掛けようとした瞬間 リディアの攻撃が止められてしまい

「もうやめなさい。カグヤちゃん」と。あの人が現れた 俺の目の前に居るあの人は「あら?お久しぶりね。フェンさん」なんて言葉を俺に向けてくる あの人が目の前に居るというだけで。恐怖心を抱いてしまうのだが。それよりも、俺が気にしているのは、あの人の隣にいるリディアについてで。俺は

「おい!カグヤ。リディアから離れろ」と言うのだが カグヤは全く反応を見せない カグヤを止めたその人は、俺のことをじっと見つめてきてから

「ふぅ~ん。君が。そうなんですか。なるほどねぇ」と言ってから 俺に対して「少しばかり私の話を聞いていただけませんかね?」と提案してくるのだ。そんな提案に俺は、警戒心を抱くものの、この人に逆らいたくはなかった。なので

「はい」と答えることにしたのだ。そんなやり取りをしている最中に、リディアは「ちょっと、離して下さいよ」なんて言っているんだけど。俺は無視することにした だって俺の身体の支配権は向こう

「そうですか。それは良かった」と目の前に居る人はそう口にすると。続けて「では。私の話に耳を傾けていただいて、それから。この世界のことに関して、説明させていただきます」そう言ってくれたのだった。俺はその人の話を聞くことにしたのだ あの人は。俺と会話しながら あの人に質問をする。そうすることであの人の情報を引き出そうという考えに至ったのだ。あの人の情報を知りたい。それは単純な好奇心だ。俺が知らない情報をあの人は持っていそうなのだ。そして俺は、あの人に話しかけた。そして俺は、まず、あの人がどういう存在かを確認してから。

次に。俺はリディアがどうなったかを確認した。

あの人が「えっと、その娘に関しては問題ないわ」って言って

「大丈夫よ。その辺は、心配しないで」とも言ったのである。

それならよかった。そう安心してから俺は

「ところで、あなたの名前を教えてください」と言ったのだ そう口にしてから。あの人と向かい合っていれば。あの人は微笑みつつ

「私の名前は。ミレーナとでも、名乗らせていただきましょうかね?」なんて言ってくるものだから。俺は「わかりました。それで構いませんが。どうしてその名前を名乗るようになったのですか?」と尋ねてみたら

「そうですね。簡単に言えば。私は、自分の名前を変えたかったんですよ。ですが変えるのにも時間が掛かりましてね」そう言い切ったのだ そう言ってくれたのだけれども。俺は気になっていた

「その割には、自分の名前が嫌いそうに聞こえたので」そう言葉にした。そんな俺の言葉を聞いた彼女は、笑顔のまま「そうね。別に。そこまで嫌ではないわ。むしろ好きな部類に入るわね」とそんなことを口にしたのだ 俺の口が勝手に動いて

「それは嘘だな」なんて言葉が俺の口から出てきたのだ。

「あら?なぜ、そんな事が言えるのかしら?」あの人がそう言うのだけれど。俺は、その理由を知っている

「簡単だ。俺の記憶を見ていないお前は分からないかもしれないけどな。俺と、貴方は会っている。そうですよね?」と俺の口から出てくる言葉は 間違いなく俺自身の言葉であり 俺の

「なるほど」

そう。俺は、確かに。この人と出会った記憶がある。俺の中にある 俺が体験したはずのないはずの。経験をしたはずがないのに。何故か俺は、その事を覚えている。俺の口が俺じゃない誰かに、勝手に動かされる感覚に。吐き気がしてしまう。俺の口が、俺の意思を無視して動いている。そんな不快感を覚えると。俺は思わず嘔吐感を覚えたので。その場で俺は その場に胃の中に入っていたものを吐き出すと。俺に寄り添うように近付いてきた、あの人から 俺は「汚いわね。ほらこっちに来て」と手を差し出されたので、俺の体は、勝手に動いて 俺は彼女の手を握り

「申し訳ありません」と言いながら彼女に頭を下げたのだった。

「とりあえず落ち着きなさい。今の君に必要以上の負担をかけさせてしまうと」俺の身体は、まるで自分の物ではなく あの女が操っているのではないかと錯覚するぐらいに。自分の意志とは別に 俺は俺の体を動かしていく。俺の体が勝手に動いていく感覚に、俺は戸惑いながらも「俺の中に居る、もう一人の奴を、早く引きはがさないといけない」と声にして あの女が俺の中から出てこない限りは、この女の思い通りに、俺の身体が

「動く」だから俺は「頼む」と言った お願いだから。俺の身体を返して欲しい。そう思ってしまったのだ。俺の身体を返してほしい。そう思った瞬間

「分かった」と俺の口が 勝手に動いた。そう

「分かった」と

「なっ、なにが」そう呟きながら。あの人の手が俺の首を掴むと、俺は、地面に押さえつけられる

「くそが。はなせっ!」そう叫ぶも 俺の体は動かなかった。そうして俺の体は俺の意識を奪うようにして

「やめてよ。そんなことをしなくても、私はあなたを傷つけるような真似はしないわよ」そんなことを俺の耳元で囁

「ぐぅぅう」俺は声にならない叫びをあげながら

「ごめんね。少しの間だけ、眠っていてもらうよ」そんな事を呟いた後

「大丈夫よ。私は、貴女に酷いことは絶対にしないと約束する」そんな事を口にしながら

「ああっぁああ」と俺の悲鳴に似た叫び声が部屋の中に響き渡っていく。あの人は、俺を 見下すような表情を浮かべたまま「悪いけど。君はこれから暫く眠っているといい」なんてことを言ってから

「ふふふ、良い夢を見てね」なんてことを口にすると 俺の頭を、あの人は踏みつけたのであった。

「ん、うんん」俺は目を覚ます

「目が覚めたようね」俺の隣で寝ている女性が居て

「あんた誰だよ」俺は女性に向かって問いかけてみれば

「私はミザライア」

その人は

「リディアさんから話は聞いたわ。大変だったね」

「それで。なんで、こんな所に居るんだよ」

「私が助けたかったから」そう言い放ったので 俺は少し呆れた感じにため息をつき「で、どうする?」と尋ねると

「何が?」と言われたのである。なのでもう一度同じ言葉を今度はもっと大声で言えば、「そうじゃなくて」「何が目的なのか?」と尋ねたところである すると彼女は答えてくれたのである

「そうだねぇ~。私の目的は一つかなぁ~、まぁ君を助けたかったってのもあるんだろうけれどねぇ~君を死なせたくなかったから」と答えると、彼女は立ち上がり部屋の外に向かうとドアを開くと同時に「じゃ~ね。カグヤちゃんが起きたことを教えてくるねぇ~バイバーイ」と言って立ち去ろうとした時に彼女は俺の顔を見るとニヤリと笑ってみせていたのだが それは俺にとって不快だったものでしかなく だけど俺は文句を言うこともできずに彼女を見送ったあと

「リディア」と言うと、あの人の声色で「はい。ここにおります。どうされましたか?」と返事をしてくれる

「俺はどのくらい眠っていた」

「3日です。その間。あの人はずっと看病をしていました」

「なるほどな」とだけ言って俺はベッドに倒れ込んだ

「疲れたか?休めば、もう少しマシになるはずだから」俺はそう言って、目を閉じることにした。

俺は あの人が言ってきた内容に対して「ふざけるなよ!なんで!お前らは俺達から全てを奪い去るような真似をしてくるんだ!どうして俺達の大切な物を平然と奪ってこれた!どうして俺の目の前から消えてくれねえ!どうして!いつも!邪魔をする」と怒鳴ったのだ あの人は「ごめなさい。でも仕方がないことだってあるのよ。そう、だって私達は」と言って俺のことを抱き締めてきて「ごめん」と

「貴方だって、私達がやっている行為に反対だっていう事は知っている。でも、それでも。私達は、貴方達に何も告げる事ができないの。だって、貴方だって分かっているでしょう」

「そんなの分かるわけが」

俺が言い切る前に

「いいわ。その話をしてあげる。だから私の話を黙って聞いて欲しいの」そう言われて俺は、渋々「わかった」と答えると「ありがとう」と言われてから話が始まったのだ それは簡単なことだった 俺は 今の状況を理解することができなかったのである

「貴方が疑問に思っている。そんなことは当然よね。だから簡単に説明するとね」

「そんな、バカなことがあるはずが」

そう、あの人の話を簡単に説明すればこうだったのだ。俺の世界はもうないのだ 俺は、あの人が何を言っているのか理解できず。思わずあの人に聞き返したのである 俺の記憶は曖昧で。俺が持っているはずの記憶には

「貴方は一度死にました。そして今は別の世界。いえ、貴方の記憶の中では別の世界になっているかもしれないけどね。そこは」とそんな事を言ってきて「どういうことだ?」そう言葉にする

「私達は」あの人は俺のことを離してから言葉を続ける

「私達の仕事内容はただ一つ。死者を導く存在よ。その仕事をしているうちに、私は。死者の願いを聞くことになってね。そこで一つの依頼を引き受ける事にしたのよ。そう。異世界からの転移者を手助けすること。つまり、転生者の手助け」と口にしたのである

「それじゃあなにかい?ここは俺が元々生きていた世界で。俺が死んだのは、事故だったとかそんな感じだったりするのか?」そう尋ねれば

「残念だけれど。違うわ」そう言われた後に 俺は「俺に。俺の家族に会えることはないのか?」そう訪ねると

「会えます」

「なっ、なら俺が元の世界に帰ることは可能なんじゃ?」そう言うも

「無理です」と断言されてしまったのである そう言うもの

「それでなんですが」あの人は真剣な顔をこちらに向けてきてから「どうか。お願いします貴方のお力を」と言い出したのである あの人が、あの人が頭を下げてきたことに。俺は困惑してしまうのだ 俺は、俺自身が生きているこの世界を。俺はどうしても嫌いになれず しかし俺は

「断る」そう答えるしかなかったのであった。

俺の身体の所有権を取り戻してからは とりあえず。今のこの状態を何とかしなければと考えた 今のこの状態でも十分幸せだし。俺の身体を返してくれた。あいつらに仕返しをしてやりたいとも考えたけれども それよりも先に考えなければいけない事が出来た それは今のこの世界の現状について知る事ができたからである

「なぁ、俺の体の中に入り込んでいる。お前の名前はなんというんだ」と

「僕は、カグヤの守護霊さ。一応ね。僕の役目はカグヤの魂に宿る力の一部を守る事だから」

「なんだよ、俺の体の中で大人しくしてろよ」と俺の体を勝手に使われるのは気分が良くなく、そう言ったのだが

「ごめんなさい。それができないんだ。僕はまだ未熟なもので。完全に力が使えないんだよ」なんてことを言ってくるので「なんだよ。そんなこと言われたって、納得できるわけがないだろう」と少し声を大きくしてしまえば「ほんとにごめんね。迷惑をかける」と頭を下げてきてくれた 俺はそんなカグヤの様子を見ながら「謝って貰っても。意味はない。それに。俺だってお前を利用しようと考えてるしな」

俺は「まずはこの世界の事をどうにかしなければならない」と思っていたから 俺はこの精神世界に存在している奴らと対話を試みることにする といっても。俺の中に存在するもう一人の俺は別だが

「さっきはいきなり襲う真似をしてすまなかったな」そういえば「いえ、お気になさらずに」そう返してくれ とりあえず、今の現状を聞き出してみるかと思い

「ところで、お前らの狙いは何なんだ?」そう問いかけてみたのだが

「我々が求めるものはただ一つ」とそう口を開いた その言葉を聞いた瞬間に「まさかと思うんだが。お前らの目的は。お前らは」と声に出せば「そう、私達の目的は。私達が欲する力は、全ては女神様の御心に沿うものであり。そのために、我々は動いている」そう言い切ったのである 俺に憑依する黒猫の姿をした女の口から出たのは全て 俺に寄生する。この世界では女神とされている人物の信者が求めていることであり。

目的は唯一つであり

「なるほどな。やっぱりな。俺に話しかけてくる女の正体が分かったよ。あの女は、あの人は。俺の母親の事を崇拝してたんだよ。あの女にとって。俺は母さんにそっくりの見た目をしているらしいからな。それで、そのせいで。あんなことをしていたわけなのか」

俺はあの女の目的を理解してしまった

「あの人は、本当に可哀想なお方だ」そう言い放った

「あの人がどんな人なのか。お前らは知ってんのか?」

そう尋ねると、少し間を置いたあとに

「あの方は、あの方のお姿を目にする事ができる人間は数少ないのです。そして私は一度だけ、見たことがあります。とても悲しそうな顔をしながら。貴方の母様の事を眺めている。あの人のことしか覚えていません。私はその時から、あの人を救いたいとずっと思っています。そのためだけに。こうして私は、ずっと貴方の身体を借りて。貴方の振りをしていたのです」とそう言い切ってきたのだ 俺はこいつの言葉を信用することにして「俺の体から出ていってくれる気はねえんだよな」そう尋ねてみれば そいつは何も答えなかった どうや

「出て行ってもらうには。何か手立てを考えなければな。いや、まて。確か」

俺は「リディア」と呼び出せば「はい。貴方のために」と言ってくれるリディア リディアの力を使えば なんとかなるのではないかと考えついたのである 俺は「頼むリディア」と言えば「畏まりました。マスターの仰せのままに」と言い放ち 俺に向かって微笑んでくれたのである それからは 俺に憑依してきた、黒髪の女は 俺に何もしてくることはなかったので 俺としては安心することができたのだ

「あの人が言っていた。俺の体に寄生しているのは、あの人だけではないよ。だから、他の人の身体に乗り移ることも。できるはずだよ」そう言ってみたものの

「確かに。そうだが。でも俺にだって譲れない部分がある」

俺は 俺自身の力でどうにかしたいのだ そう思ったからこそ、俺は自分の意志を優先させるべく、行動するのであった 俺が目を覚ますのを待っていてくれた少女に対して「お前が俺を助けてくれたんだってな。助かったよ」と、礼を言う そして「でも、あんたには色々と聞きたいことはあるが、それは後回しにして、ちょっと外に出てきてもいいか?俺の体は俺の自由に使っていいから。どうせ俺じゃ動けないし」そう口にすると、あの貴族の女性は俺のことを心配するような素振りを見せたので

「別に大丈夫だぞ。だって俺の体を好き勝手に動かしても。問題がないんだからな」と笑みを浮かべて

「そうですね。分かりました」そう言ってくれて 外に出ることにしたのだった。

外に出た時に俺は「あっちだな」とだけ呟いて 歩き始める 俺が目指す場所は。あの女が俺の体を利用して 作り出した場所

「ここのようだな」俺はその場所に足を踏み入れたのである 俺が踏み込んだそこは、あの黒い扉の部屋で。その部屋の中央に佇む あの女の後ろ姿を見たのだ。その背中

「よう」そう声をかければ

「よくもぬけ抜けと姿を見せれたものね」と言われてしまう

「悪かったって、お前らが、どうして、こんなところに来たのか。それは知らないけど。俺のことは見逃してくれないか? 俺は俺の意思に従うつもりだ。お前が俺を利用すると言うのであれば 俺は抵抗しない」

そう言うと 彼女はこちらを睨んできた後に「私には、そんな事は関係ありません。私の邪魔をするというのなら」

そう言われて 俺は、仕方ないなと思いながらも 彼女の攻撃を甘んじて受け入れようと身構えたのであるが

「私達の邪魔をするというのなら。お前の命を奪うことにしよう。その方が楽だし」そう言ってこちらを見つめてきた彼女に 俺は思わず息を飲んでしまう。

俺の身体を操った、あの少女は、俺の身体を乗っ取ることに成功していたのだが。結局。俺を殺すことは出来なかったようで 俺を殺そうとしてきた少女に「そうか、俺の体が欲しいのか?」そう問いかければ「当たり前です」なんて言葉が返ってくるのである そこで、俺は「だったらさ。俺のことを、殺してみる?」と 挑発

「なっ、なんですか。いきなり、馬鹿にしているんですか?」

そんな反応をする彼女を見れば「ああ。ごめんごめん、俺がそう言ったからって。そんな簡単にできるわけもないよな。俺は俺の体を自由にして良いと言っただけで、お前は、この世界で自由に動くことができるわけではないから」

「それなら、貴方の体を奪い取ります」

「そんなことが。俺にできると思ってるの?そもそも。そんなことをしたら。俺はお前を絶対に許さない。俺の体の所有権は、既に俺のものになってるし、今だって、俺の許可なしに、体の所有権を取り返すことは不可能なんだぜ?」

俺の言葉に「何を訳の分からないことを」と言いながら、俺に近寄ろうと一歩を踏み出す彼女であったが 俺を視界に収める直前に。その場に膝をつくこととなる

「お前、何をしたんだ?」そう聞いてくる彼女 俺の肉体に宿るもう一人の少女 あいつが俺の中に居続けるかぎり

「なんのことやら。俺はなにもしていないんだが」と白を切ることにする そうやって時間稼ぎをし、どうするべきかを考えていた時 俺は ふと思い出したのである。この世界に来てからの事を、この世界で起きた出来事 そういえば、俺が死んだあと。俺の世界はどんなことになっているのだろうかと、俺の身体は。俺の妹は、父さんと母さんの3人はどうなったんだと、そんな疑問に駆られてしまった。俺はそんな思考

「俺の意識が消えてるって、どういう意味だよ」

俺は目の前の、銀髪に金色の目をした女に質問を投げかけることにした

「貴方は死にました。残念でしたね。貴方の身体を私が有効活用させていただきます」

そんな事を言い放った そんなことを言ってきた、俺に憑依してくる女にだ

「はぁー」と溜息を漏らしてから 俺は目の前に立っている女を眺めた 銀色の長い髪に

「な、なんですか?」俺から視線を逸らす女を見て「俺の顔は、母親似だとは思っていたが。お前も、俺の母さんに似ているな」と、俺はそう告げてやる

「な、なにを言って」そう言い淀んでいるので「俺は、お前に殺されるつもりだったんだが。俺を殺したら、お前の目的は果たせられないんだが、それでも。いいんだな?」

そう言い放つと同時に女の首筋に手刀を叩き込む。女は俺に攻撃しようと手を伸ばす前に、俺の手によって気絶してしまう そして「俺が死ねばよかったんだ」なんて言葉が口に出てしまいそうになったのだ。俺の身体は、どうなっているのか それを思うがあまりだ。俺は母さんが大好きで そのせいで、母さんに似ていた、俺に執着していた、女のことを放っておくわけにはいかないのだ だからといって、こいつの思い通りに行動させられるのも腹立たしいから。俺は俺自身の力を使ってでもどうにかするつもりで そう決意する。

そうやって俺は、女

「カリーナというらしいから。そいつを連れて外に出ると、屋敷から外に出たときにはもう夜中になっており。月明かりと、街の光が照らしてくれており、真っ暗ではなくなっていたため。街の様子がよくわかるようになっていたわけなのだが。そんな街の一角にある、一軒の建物に目を奪われてしまっていたのである。

「ここはいったい何があるっていうんだよ?」そう思って見つめていれば。建物の一室からは炎が見えており「誰か戦っているみたいだが」とそう呟くしかなかった。助けに入ろうかと思ったものの、「やめといたほうが無難か」と考えてその場を離れることにしたのだが その直後のことである 背後に何者かの存在を感じ取ったのであった。振り返り様に攻撃を仕掛ければ「流石は。僕のお人形さん達だね」

その男は、黒いローブに身を包み込んだ男であり 俺はそいつのことを睨みつけていたのである。

それから少しばかり時間が経つと。俺は目を覚まして、周囲を確認してみたのだが。そこは、先ほどまで居たはずの。リディアの家でもなければどこかの草原でもなく ただただ白い空間が広がっているだけであり 困惑していた俺の前に一人の女性が姿を現すのだった 俺は目の前に現れた女性のことを知っている

「リディアの母親」だ しかし彼女は、リディアよりも身長が低くて幼い見た目をしてる リディアの母親は「貴方に聞きたいことがあってきたわ」と俺に話しかけてきたのである

「俺が知っていることなら、答えるぞ」

俺がそういうと「じゃあ、教えてちょうだい。あの子のことについて、あの子は。神として崇められて、あの子に願いを伝えに来る人間もいるけれど。でも、それはほんの一部に過ぎないわ。大半の人間はね。あの子を利用して何かしらの利益を得たいと思っている人ばかりで。あの子を利用すれば、お金儲けができると、だから。みんな必死になって。あの子が、どんな存在かなんて関係なしに。お願いしてくるんだから」そう口にして涙を流す彼女を見て 俺は

「そうか、お前にとっては、大事な家族だもんな。それは辛いよな」と呟きつつ その肩を抱いて慰めようと思うと

「触らないで、気持ち悪いのよ。貴方が、あの子を。自分の子供を、どうしようもない屑どもの欲望のために利用させなかったとしても、私は貴方のことも。許せない。私の愛するあの子と同じような目に合わせるのなら」と俺に敵意を見せてくる彼女の瞳には、殺意が含まれていた

「ああそうかよ。だったらせめてだ。俺に危害を加えるような事は止めてくれるか?俺はあんたの息子を助けたいんだってことだけは信じて欲しいんだけど」と 懇願するような口調で話す俺に向けて「ふざけた事を言わないでください」と口にしながら「あの子にそんな価値はないのですよ」と続けて「貴方みたいな奴には分かりませんか。私だってね。あんなに小さい頃から、あの子として育てようって思ったんですよ。それなのに、それなのに」

その言葉を聞けば 俺は思わず「ああ、そうなのかよ」そう呟いていた。この世界の人間のことは正直良くは知らないけど それでも、こんな扱いをされていて。どうして こんな世界にあいつを置いてきて、あいつは、今頃 どんな思いをしているのか 俺は 俺が、もっと早く こっちの世界に来ていたら「お前の望みは叶うのか?」

「なにを言っているんです?」「お前が望むなら、俺の身体を貸してやってもいいぜ?」「何を言って」

俺はそこで彼女の唇を奪ってやった。舌も絡ませて、深く それでいて濃厚に、お互いが溶け合ってしまうのではないか

「んぅう、むぐ、やめ、ろ」「お前が願えば、俺は叶えられる。お前の大切な娘の為にだ」俺はそこでキスをやめてから彼女を睨んで「お前の本当の子供になりたいんだってな?だったらさ、俺の身体を使うんだぜ。それが無理なら」そうやって言えば彼女は、こちらに向かって拳を振るってきたので、俺はそれを手のひらを広げて受け止めたのである それから彼女は何度も、殴ったり蹴ったりを繰り返してきたのだけれども そんな攻撃は効かないのだ 彼女は泣き出しそうな顔になりながらも殴り続けていたが それも無駄だと悟

「貴方はいったいなんなんですか」

「神様に決まってるだろ?それとも悪魔に見えるかな?俺の魂はこの世界とは別の場所にある、だから、いくら俺にダメージを与えても意味なんてないし。お前の子供を助け出しても問題なく元の肉体に戻ることもできるんだよ。それに、今から。お前の娘の所に俺が連れて行ってやる」そう言った後で「俺の言う通りにしろ。じゃないと」と言って俺は再び彼女を押し倒してから。無理やり、もう一度

「今度は俺の方から、たっぷりと味合わせてやる」と そう言った直後。俺と彼女はその場から離れることになる 目の前に居た彼女の存在は跡形も無くなっており 俺は俺で「やっぱり、こうなってしまったか」なんてことを考えた後に。すぐにリディアーナの元に行くことにする 目の前にいる女をどうするかを考えていた時に突然の出来事 そして気がつくと俺は

「えっ?」目の前に広がる光景 それは真っ白な世界では無く。先ほど居たはず リディアの家のリビングではなく。どこか別の場所に立っていた 周りを確認してみると。目の前には、銀髪に金色の目をした、女性の姿があり。そして俺が今までいた場所が。どういうわけか 俺の寝室となっており。その

「おいおいマジでかよ」と声を出してしまった 俺に抱きついて離れようとしない、目の前の銀色の髪をした女のことを見据えながら「はぁ」と溜息をつくしかない。俺は、目の前の女の事を信用できないし。というより。俺の意識が宿っている肉体を。勝手に利用されるわけにはいかないのだ。そもそも。その身体の持ち主が、俺の意思とは反して、行動を起こし始めた時点で。俺の身体に危険がある

「俺を、殺したりとか。できるのか?」「はい」即答されてしまい。目の前に居る女は。俺に顔を近づけてきて「私の愛おしい旦那様の、身体を奪うようなゴミ屑な存在を。生かす意味が分からないのです。ねぇ」と。

その言葉は俺に向けられたものではなく。きっと俺の身体の中にいるリディアにだろうが そんなことよりも、この状況を打開するための方法はないだろうかと思考を巡らせるものの。思いつかない そして その状況を見計らったように、カティと名乗る女の人 そしてリディアの母さんでもある人の 俺へのアプローチは激しさを増していくばかりである カティアさんのアタックが凄まじくてだ。そんな事を考える余裕

「カティーさんでいいですか?」そんなことを言われてしまうと。どうしたらいいのかわからないんだよ。しかも

「いいえカティとお呼びくださいますよね?ご主人さま♡貴方の奥さんになる女の名前なんですよ?ほーんーくーち!」なんて言われてもだ

「はいわかりましたから!近いです近い!」と言いつつ距離を取った それから少しすると「私も名乗っていない事に気が付きましてね」なんて言ってきて。そこから彼女が口にする自己紹介を聞き入れているのだが。やはり 彼女の容姿はというより年齢もそうだけれど、見た目だけで言えば、幼く見えて仕方がないのだが、年齢は三十二歳であり、この国でもトップクラスの

「魔術師の実力者なんですよ」と言われて「ああ、なるほどね」としか言えないのである。そんな彼女と会話を交わしている中で

「それでだ。どうして俺のことを呼びだそうとしたんだ?」そう問いかければ「私はですね。ご主人様に、私達の一族を救い出して欲しかったのですよ。まぁ、そんなことが本当に可能かどうかすら、疑わしいことではあるんですけれど」なんて言葉を聞いて 俺の中ではだ リディアのことを救ってくれと頼んだ あいつの母親の願いに応えたかったって理由があったりする。ただそれだけの話なんだ

「俺の身体を利用して、何するつもりなんだよ」俺は目の前でニコニコと微笑んでいるカティに話しかけたのだが そんな俺の言葉を聞いたカティさんは「はい」とだけ返事をして、そのまま立ち去ろうとしたので「俺の話を聞いていたのかよ」と言うしかなかった

「聞いていましたが。私は、貴方のような、汚らわしく醜い生き物に。あの子の身体に触れてもらいたくなどありませんでしたので」と冷めた目つきで俺の事を見てきていた

「そうですか。俺はあんたに、お願いがあってきたんだけど」そう告げたらだ。彼女は「願いなら既に叶っていると思いますよ。私が、私の可愛い娘のために。貴方の大切なあの子を取り戻せるようにしてあげたではないですか。貴方の大切なあの方がね。ふふ、そういえば。あの頃は可愛かったですよね。私を見ても何も抵抗せず怯えるだけの」なんて言い出す始末 そんな言葉を吐かれた俺は 目の前のこいつの胸ぐらを掴むことになってしまったので

「なんだよそれじゃああんたが娘を。自分の手で傷つけたって言ってるようなもんじゃないのかよ」なんて怒りを抑え込みながら問い詰めるしかなくて ただそれでも「貴方如きが、あの子を返して欲しいと?身の程を弁えた方が宜しいかと思われますが?」と言われる始末なので。俺としてはもうどうすることも出来ない状態に陥ってしまい「どうしろっていうんだよ俺は、あいつに会いたいだけだって言っているのに」「あら、私は別に構いませんよ?貴方を殺してしまえば、あの子を取り戻すことも容易でしょうからね」「なら殺してみるか?」と挑発気味の発言をした直後に後悔してしまったわけだけれども、目の前にいる相手に対して。勝てる見込みなんてものはゼロに近く。それに、ここで俺を殺したとしてもだ。俺が死んだとしても 結局はこの身体から抜けて元の場所に戻るだけになってしまうので無意味ではあるんだけどね そうやって 目の前の女性と戦うべきか逃げるかを考えていた時にだ。背後から声がかけられたので 俺は反射的に振り返るとそこにはリディアが立っていたのだけれども「あははははっ!やったやったぁー!!パパみぃっけ!!」と俺に飛びかかってくる。

「ちょ、危ないから離れなさい」と俺の声に反応してくれるはずもない リディアーナは「あはははははははっはあははははははははは」と壊れてしまったかのように笑い続けているだけである。

その光景を目にしながら「お前の仕業か」と俺は目の前で楽しそうに笑っていた少女の頭を撫でるわけなのだが。「そうだけど、なに?」と。目の前で にっこりと笑う、銀髪の少女が「なに?お前じゃないの?だったら誰だよ。お前以外に俺に、こういうことができる奴が、他に居るのか?」なんて言うが 目の前の銀色の髪をした、美少女 俺の記憶の中に残っている彼女の姿と、

「えっとね。ママが、こうすればいいって、パパを捕まえて来いっていわれてたの」「それはなんのためなんだ」

彼女は俺の耳元で 小さな声で「私達の家族になるために必要だって、パパは知らないと思うけど。今の私達の種族は絶滅の危機なんだよ?それでね。人間とエルフが結託したら大変なことになるから。それを防ぐ為には。どうしても必要なことなんだ」なんていうわけだ。だから俺はその話を素直に取り入れることが出来ないわけだ

「その話を聞く限り、俺はリディの味方をしないといけないわけだが、それにお前は反対して俺のことを敵視していたはずじゃないか」そう言うも目の前にいた女の子は

「そうかもしれない。うん。でも、そうなっちゃうから。そうなる前に。私が先に、手を出しておいた方が良いんだよ」

なんてことを口走ったのだ。そのあとに「そうしないと、貴方は逃げようとするからね」と

「さてと、そろそろ本題に入りますかね」俺はそんな風に言った後に 俺のことを押し倒したカティアの方を見ることにした。そして「リディアの事を頼むぞ」なんて言えば カティは笑顔を浮かべながら俺に抱きついてきて。そのままキスされてしまった そんなこんながあり 目の前でカティーさんが俺に抱きついているわけで 俺は「おい。離せ、離れろって」と引き剥が

「嫌ですよ」と一蹴されてしまうのであった。そして 彼女は俺のことを抱きしめたまま

「ええ。そうですね。まずは貴方に、私の娘を助けてもらうために協力してもらいます。それと私を敬うことですね。そしてご主人様」とかなんとか言われてから

「ご主人様」なんて呼び方が気に入らなかったのだが その呼び名で固定されてしまい「これから、よろしく頼みますよ」と言われた時に「はい。わかりました」と口にしてから

「俺の事は、シンで構わないから」なんて言葉を口にすると

「わかりました。貴方の名前は」と俺の名前を聞こうとするのである 俺は、目の前の女の人から。どうして、この世界に転生してきたのか

「私はですね。貴方のようにこの世界に生まれたわけではなくてですね」と言ってきて

「まあ要するにあれですよ。神の世界とこちらの世界を繋げるために生まれてきたんですよ」そんな事を言い始めた 彼女の話はというより説明を簡単に説明するならばだ 1神の作った世界で生きる者達の身体を借りて。別の身体として生きていくことになる 2その際に神が選んだ者がこの世界に転移してくる 3神に選ばれた存在だけが身体を貸してもらっている間。肉体強化や技能付与等々を受けれる権利が与えられる 4ただしだ その恩恵は一時的なものでしかない 5そして身体を借りた存在は死ぬと同時に魂を元の身体に戻されてしまう 6またその身体は二度と使えない状態になる 7つまり俺の場合は異世界人

「貴方の場合だとですね。私と同じ世界の住人ということになるんですけれどね」そんな言葉を聞かされたのである。それでだ 目の前の女の人の正体についても少しばかりわかってきた カティという名前は、彼女が自称している通りで 彼女の中では 自分の名前はカティであると認識しているらしい それから 彼女の本当の名前を、俺は知っていて。ただそれを口にすることはできなかった 俺も一応は神と呼ばれる存在であるからだ。それもあって 俺に名前を教えてこようとしなかったんだろう

「俺はね。貴方にお礼をいいたいんですよ。リディアの側に居てくれてありがとう。貴方のお陰で、私も安心できたのよ。あのままじゃ。私はあの子を」そう言って 涙を流し始めるのだが、 どうしてだろうな。俺

「あ、い、いや、あの、そんな泣かれると困るというか」俺の口から出てきた言葉はというと。そんな弱腰なものになってしまうのである。しかしだ。

目の前の女性はというと そのまま俺の胸元で泣くばかりで 仕方がなく俺はというと、そのまま彼女を泣き止ませる方法を模索することになったのだが 目の前で泣き続けている女の人をどうにかしようと思いつつも、俺はというとだ。目の前で涙を流続ける銀髪の少女の頭の上に手をポンと置くと「ほら落ち着けって、な?俺が悪いわけじゃないだろ?」なんて声をかけ続けていた。それでも目の前にいるカティが俺の言葉に対して「はい」とは答えてくれたものの

「ごめんなさい」と言うだけであり、それが嘘だというのはよく分かっていた。ただそんなことは関係なく、俺は「落ち着いたか?」なんて言葉をかけていた そんな感じで俺達は話をしていて 俺の話を聞いていた女神様ことカティアさんは 俺に質問を投げかけてくるようになったので それに対しての回答をしていた。

そして今現在は カティア

「あの子は昔から無茶をする性格だったので。私の目を盗んではどこかへ遊びに行ってしまうような。そんな娘でして。だからあの子のために。私の力を分け与えたんですよ」と カティナは自分の過去について話し始めて。目の前にある料理を美味しそうに食べていたのである。俺は俺で目の前に置いてある食事を食べていたんだけれども カティナが言うには

「リディアの母親と一緒に暮らして欲しいんですよ。私が面倒を見れない代わりにです」と それに加えて

「あの子が望めば貴方と共に暮らせるようにする用意があると思いますよ。私の力でそれくらいはできますし」とも言っていたりする そんな風に言われたりなんかしてだ 俺としては目の前

「はい!おかわり!いっぱい作って欲しい!」と俺に皿を差し出してくる少女に食事をさせないといけないわけであって、それをどうするかが問題だったりする そして俺は「わかったって。ほらもう十分食べたろ?それじゃあお代わりは、自分で取ってこいよ。あと食べる時はゆっくり味わってな?」と伝えれば

「うん!じゃあいってくるね!待っててねパパ!」と言いながら立ち上がって

「ふむ。そういえば貴方は、この村で何か用事があるのでしょ?あの子に会えたら私も嬉しく思いますが」なんて言ってきてから「ああそうか。そうですね。リディアが元気にしている姿を見せてくれると嬉しいかもしれませんね」

「そうでしょうね。では行きましょうか」

そう言われて、立ち上がることになるわけだが 俺の手を取って「あはっ、あははっ、えっとねぇ、あの子にもパパができたんだよ。パパ」なんて言葉が聞こえてくるわけだ

「はい、わかりました。ええそうでしょう。ええ、貴方は、この村の村長の息子さんでしたよね?」

俺がそう言えば、カティアはというと、苦笑いをしながら俺の事を見ていた 目の前の少女から 俺のことを好きになってしまったと言われてしまって その事実に驚きを隠しきれなかった俺は「お前が、俺のことが好きになった理由を教えてもらえるか? 正直なところ 俺は、俺の事が嫌いだし なんなら俺が生きていることにすら嫌悪を抱いているほどなんだ」そんな言葉を彼女に向ける

「ええっとね。最初はパパのことが大っきらいで、気持ち悪いとか思っていたんだけど。パパの話をしていくうちにだんだんとね」彼女はそう言いながら俺の事を見つめていて そんな俺の態度を見てなのか

「でも今は大好きだよ」

なんて言葉をぶつけてきやがったのである

「そうですか。でもね、私は貴方のことを愛してはいられないんだよ。だってそうだろ?私は、この世界に居てはいけない人間なんだから」なんて言えば、目の前の少女から抱きつかれてしまう

「大丈夫だよパパ。だって貴方は何も変わっていないもん」とか何とか言われてしまうと何も言えないのだが。俺はそんな風にして カティアと別れることになったのであった。

俺達が歩いている道すがらだが 俺の腕を引っ張ったり抱きついたりと忙しない様子を見せていた。俺は、それを受け入れながら歩き続けていれば、いつの間にか目の前に現れた女の子に抱き着かれてしまって 俺の方からも、抱きしめ返せば、その腕の中で甘えて来る女の子が居るわけだ。

俺は俺の方に寄りかかってくるその子のことを受け止めてから ゆっくりと頭を撫で

「カティのこともよろしく頼むぞ。お前だけが頼りなんだから」と言ってみれば、その言葉を受けてか、嬉しさを表現するためか。抱きついて来ているその女の子は俺にすり寄ってきた。そのせいで俺はその女の子を押し倒す様な形で転ぶ事になり、女の子の方を見てみると。その顔は笑顔を浮かべており。俺に体を預けたままの状態でありながらも その表情は柔らかくて。俺はそんな目の前の存在を抱き締めたまま、耳元で囁いてやった。すると、頬が緩んだその状態で、俺の胸元に顔を押し付けると、そこで呼吸を始めるのだ。俺としてもそれは不快なことではなく、好きなようにさせてやる事にした そんな事があってだ

「お帰りなさいませ旦那様。お疲れさまでした」と出迎えられる事になる。俺は、そのまま目の前に立つメイド服姿の女性と挨拶を交わすことにした。そんな彼女の名前は ミケ この村に住むメイドさんの一人で リディの母ちゃんでもあるわけだ。そんな彼女から、カティナについての話を聞くことができた。彼女の娘であるカティについては

「旦那様と奥方様。それに、姫殿下は、屋敷の中を自由に歩いて頂いても構いませんよ」と言われたので、俺はカティを連れて リディ達に会いに行こうとしたのだが。俺の前に立ち塞がるように現れる影があり 俺はそれを無視して、リディの元に向かおうとしたのだが 俺の目の前に現れてしまった

「あなた、私を無視できると思って?」

俺が目の前に立ちはだかる女性に話しかけられて、ため息をつくことになった。その相手は 金髪碧眼で美人の女性であり、その服装も露出が多いものであり その格好をしている人物が 何者なのかを知っている俺は「あ、はい、すいませんでした」と とりあえず謝罪することにした そんな俺に対して 目の前にいる女性は「あ、いえ。謝って欲しかったわけではないのです。ただね、貴方と話がしたいなって思ってね。その」と言い訳のようなものを口にし始めたが 俺はその人の手を取ると「あ、いや、あの」そんなことを口にする相手に 俺は微笑みを向けることにする すると そんな俺の顔

「あぁあ」と情けないような、変な声を出して 地面に膝を突いてしまい。そのまま「うわ~ん。ごめんなさいぃ。ごめんなさいいいいいいいいい」なんてことを叫び始めてしまうわけであって そしてだ。俺の前で泣いていた女の人はというとだ。泣き止んだ後で俺の胸に飛び込み また泣き始めたのだが 俺は俺の服に涙と鼻水を付ける彼女を引き剥がすような事はせずに 彼女の

「はぅーっ」と言う鳴き声を聞き続けていたのだが。そんな時に、カティーナの声が響き渡ってくることになる。その声は怒りに染まっているようなもので「パパをいじめちゃだめぇ!」と言ってくれたおかげで 目の前の女性も、落ち着いてくれたらしく

「ごほん、私はこの国の王妃なのであります」そう言ってから咳払いをした後で、「貴方との婚約を望んでいるんですけど」とかなんとか言ってくれるわけだ そしてそれからしばらくの時間が流れていくことになりまして 俺は自分の部屋に戻るなり、ベッドに飛び込んで眠ってしまうことになるのだった。俺の部屋には何故か俺専用のベットがあるんだよな。どうしてなんだろうって思う時もあるんだけどな。そんなことを考えながらも カティアの事をどう

「あの子なら心配ありませんよ。ただちょっとばかり 過保護になっているみたいですね」なんて言ってくれていた。そして 目の前にいる銀髪の女神様が

「さてと、そろそろ貴方の出番ですよ?準備を始めましょうか」と言うので 俺は

「わかりました。ただ、この国での問題は」と、そこまで言うと 女神様であるカティアは、困ったような笑みを浮かべていた カティアは、目の前で起きている状況を確認していた。それはと言うと。自分の息子であるリディアが勇者召喚を行うという前代未聞の出来事である。しかもだ。その場に自分が立ち会っていない状況であるために 少し不安になってしまう部分もあったりも

「カティア、大丈夫だ。君が思っている以上にリディアはしっかりしているよ。だから安心してくれて構わないよ」と隣で声を掛けてくる男に言われてしまえば。それ以上に何かを言う事もできない そんなカティアが視線を向けているのは、息子のことでは無く。目の前で、何かが行われているらしい場所に向けてのもので その場所で今行われているものこそが これから起きる出来事において必要なものであるということが理解できるが そんな事よりも

「ええっとね。パパはパパなんだよ? 私が大好きだった、あの優しいパパのままなんだよ」そんな事をいう少女の言葉を聞いて 自分は嬉しくなってしまい、その言葉を否定できずにいたのだった 目の前で何かが行われ

「えっとねぇ。あのね、あの子の事、好きになっちゃダメなんだよ。えへっ、私が一番好きなパパが居なくなっちゃったらやだよぉ」

そんな風に言われてしまうことになる そんな少女の頭を優しく撫でてあげてからのことだ 目の前の景色に変化が起きてしまうのは当然のことであるのだが、そんな変化を目の当たりにしたカティアは、目の前の男の子のことが本当に心配になってしまった。

だってそうでしょ。いきなり見慣れない場所で目を覚ませば、見知らぬ土地、見知らぬ世界、知らない人しかいない。そんな中で、目の前にあるのが剣だとか鎧のような武器があれば その手に取ってみたくなるのが普通だよね。

「貴方は、私の事を馬鹿にしているのかしら?」

私は目の前に居る男性の事を睨むようにして見るが、目の前の男性が、そんな行動に恐れをなしたりしないで、逆に笑顔まで浮かべてくるから。その事に私は苛立ってしまい、つい怒鳴ってしまったわけだ。そんな態度を取ってしまったからだろうか。男性は笑顔でこちらを見てくるだけで。その表情は、どこか小ばかにするようなものであったから。私としてはそれが余計に腹立つ そんな彼の事を見る度に、心の中では、その顔を思い切りぶん殴ってやりたいと思う程なのだが それを我慢しつつ「ねえ? 聞こえているのかし」そう言った瞬間である

「お父様」そう口にしたのは、目の前に座る男性の娘さん

「あの子の名前はなんて言うのか知っています? 私ね。ずっとね。娘が欲しかったんですよ。でも、中々できなくて。それで、ようやくできた子供がこの子と妹ちゃんでしてね。だからかな? どうしても、その。甘やかすというか、大切にしてしまうんです」と、この子は 目の前の、お母様に向かって言っているのである。そんな娘の話を聞きつつ 目の前の男性 この人は「リディのパパになるのも悪くはないと思っている。でも、俺ももう年だしな」と 目の前に座りながら そんなことを口にするわけだが。

目の前に座りながら「リディアは俺の大切な子供の一人なんだ」と

「俺の嫁にも色々と迷惑をかけてしまっているから。あまり強くは言えないのだが。それにしても、やっぱり可愛いから甘やかしたくなるのも事実だな」なんて言い始める リディはリディで、父親に甘えるようにして抱きついているわけだが。その様子を見ている私は、少しだけ複雑な気持ちで見ていた だって 私の息子は何処に行ってしまったんだろうと疑問に感じているから そんな事を考えていた時だ 私達の前に一人の少年が現れて

「あれれ。これはこれは 皆さんお揃いで」と、気軽そうな声を出してきたのだ そんな彼を私は見たことがある。というよりも 私の知っている男の人にそっくりで 思わず、彼を見て

「貴方がどうしてここに?」

と言葉にしてしまって そんな事があったからこそだ 目の前の光景を見たときに、頭が混乱して

「どうして、あなた達が一緒にいるわけ?」

「カティナ? どうしてそんな怖い顔をしているんだい? 僕はカティナのことを怒らせてしまったのかい」と。そんなことを言うので 目の前にいる女性と。そしてその息子に視線を戻して「カティ、彼はリディアの兄で ユナンという。君のこともリディのこともある意味では救ってくれた。その彼には恩があるだろう?」と聞いてみると カティは、その瞳を大きくさせ それから「ううん、怒ってなんかいないよ」と言いながら私の元に寄ってくる そんな二人のやり取りを

「あぁああぁあっ! ずるいっ!私もその子にぎゅっとしても良いですか?」なんてことを口走るのであった それからしばらくの間。目の前で行われているやり取りを見ることとなった私達だったが

「ううっうう」そう言って泣く姿はとてもじゃないけど見ていられないものだと思ってしまう。だからこそ 泣き続けるその子を抱きかかえてあげることにしようとすれば そのタイミングを狙っていたかのような声と共にだ 私の前に現れるのは一人の少女でしかない。だけど彼女は

「えぇーっとねー」とか「うぅん、えっとね、そのー、あのね、その」と口にしていたりする そんな少女は、見た目的に言うと、カティアと似ていて、

「ママ」とか言っていた

「あら、カティーナ。貴方の子供?可愛くて仕方がないみたいね」

なんて事をカティアに言われてしまえば

「いやいや、違いますよ」と、私は慌ててしまうわけでありまして カティアに対してそんな事を口にすると、目の前の少女に対して

「ほら、あなたの名前を教えてもらえるかな」なんて事を言えば「わわわ、わぁわわ」と言い出す始末である。

「わぁわわって何よ。それじゃあわからないでしょう」と言ってやるが そんな事を言った直後にだ。私の腕の中に収まっている少女が泣き出してしまい「あうぅぅぅ」なんて声を出して泣いて

「大丈夫よ。この子は悪い子ではないから。大丈夫だから。落ち着いて」そんな言葉をかけていると

「えぇーと、とりあえず、その。カティーナに抱かれている子を、僕にくれないかな。この子が、君の名前を呼んでいる気がするのでね」

目の前に現れた男性は そう告げてから、私に手を伸ばしてくるので、素直に差し出してみると 私の腕の中から少女は抜けて

「あうぅ」とか

「ふぃぃ」とかそんな鳴き声を出すのだった そんな女の子に

「えっと。名前を聞かせてくれる? それと、どこから来たのかな」と聞けば

「えっとね、名前はまだ無いんだよ。どこに居たかって聞かれると、えっとね。えっとね、分からないよ」そんな答えが返ってきて、私は困ってしまった。

「名前がまだないって、どういう事よ。それなら貴女の名前は」そういえば「うーっ、あの、カティー、ごめんね。私が言うの。私が言わないとだめなことなの。でもね。今はね。もう少し待ってほしいな」と、こんな事を言い始めたりするものだから

「あのさ、その、この子の言葉を聞いてあげて欲しいの。だってさ、貴方がカティアさんに抱っこされているその子は、きっと」と、そんな言葉を遮るようにして、その言葉を遮り「私は大丈夫だよ」と 目の前に立つ

「えへへ、カティありがとう」そんな事を言われたわけである 私は今、この子の事を、抱きしめているので、私には見えないのだが この子も今、「えへへ、ママ大好きだよぉぉ」なんて言っているらしい。そんな風に言われてしまうのは少し恥ずかしかったりもするけれど、まあいいかと思ってしまう だからといって、私達の前には 先ほどまでの和やかな雰囲気が漂うことは無くなりつつある そんな空気感は、この場所の現状からしてみても 当たり前のように そんな時にだ

「お父様」

「パパァ」なんて二人が口々に言うと その二人は、目の前にいる男性に、抱きつく様にした

「リディアにカティアじゃないか」なんてことを口にした男性なのだが。どうやら、その男性にとって、その二人は娘と息子ということなのだが しかし、私はどうしてもその二人を見ていて思う事がある。目の前に居る三人が親子という事はわかるが、その男性と娘さんの外見年齢の差があまりにもあり過ぎる。そんな事を思って見つめていた私の視線に気付いたのか 目の前の男性は、私に向けて 微笑みながら話しかけてくれた

「貴方は、俺の事を知っているんですか?」と。そんな質問をしてきたから「いいや、知らないな」と答えておくことにする。まあ実際のところは違うんだけど。私の目の前に居る男性が、私と血が繋がっている存在である

「え?嘘だよね」と、目の前の男性は私の事を見つめてくるのだが。それでも、私は知らない人を見続けているような振りをして「俺はあんたの事がまったくもって分からねえな。それよりも アンタ、そいつらは、一体なんなんだ?まさかとは思うけど、アンタの子なのかい」そう聞いたのだが

「いやいや、ちょっとまって。まずは、どうして貴方が俺のことを知らないフリをしているのかという理由が聞きたいですね」と言われてしまい その理由を話したところ

「成程、それでですか」

納得してくれたようで助かる 私は「ああ、そういうことだ。だから、そこの女が口にしている『お父様』という言葉が理解できないんだ。その前に、この男は誰だという事も含めてな。お前が、私と顔見知りという事であれば話は別だが」なんてことを言うと 目の前の男性はと言うと 苦笑いしながらこう口にした

「俺としては、この人達のことも、貴方の言っている意味も分かるんですけれども、それを言ったところで信じられるかと言われると微妙なところですしね」と、そう言ったのだ。

そんな会話をしていた私たちの前には四人の人物がいることになるわけだ 俺の前には二人の男女がおり

「私は、その」とか

「あぅ」とかしか喋らない女の子は、なぜか私を見ているだけなわけだ

「パパ」とか「パパだ」とか、そういった事を繰り返して私に伝えようとしてきているのは確かなので、私はその少女のことが気になって仕方が無い。だが 私の娘だと名乗り出たその女性が気にかかってしまうというのも本音であったりする なぜなら 彼女はリディアの兄である私の娘であるユナの母親でもある

「お父様。どうして私達のことをお忘れになっているのですか?」と口にしている彼女の表情からは 悲しみのようなものを感じることが出来たからだ そんな彼女が「あの人は、貴方のお兄さんなのですか?」なんて事を言うものだから「それは違う」と答えるわけであり そして、目の前の女性はというと「じゃあやっぱり貴方がそうなんですよね。だって、私は見たことがありますもん。それにカティナは覚えてくれていますもの」とそんなことを言ってくるのだ。それに対して私は 目の前の女性が何を伝えようとしているのかを考えている だけど分からないのである 目の前にいるのが私の息子であるユナンの母であることは事実な訳であって、それについては間違いはないはずだが

「えっと、じゃあ私はカティで良いです。それとカティちゃんでお願いしたいと思います」そんなことを言い出す女性のことを見ていると ユナンと手を繋いだままのリディアが

「ねぇ、ママ、その人はね、ママの本当の子供なの?」と、そんな事を私に対して尋ねてきた

「うーん、その、なんて説明したら良いんだろう」

私が困っている姿を見ていると、私の隣に立って、私の事を支えているミレーナは、私に対して、優しく微笑んでくれて そして「この方は、私とリディアと貴方が、家族になるために必要な手続きを行ってくださった方なのよ。カティーにとっては大切な人でしょ?」と

「そうだよ、この人は私の大切な人であり、私がママになった時に助けてくれた人なんだよ」そんな事を口にするとだ。目の前で私の手を握ってくれるカティアの手の力が強くなる感覚があったのである その瞬間に、カティアの顔色が変わるので私は驚いてしまい、そのことに驚いた私は声をかける事にしてしまった。だけどカティアの反応の方が早くて、彼女は涙を浮かべて声にならない悲鳴をあげることになった そのことに慌てていたら、今度は隣にいたミレーナまでも、泣き出しそうになったため 私は困り果ててしまっていた すると リディアから手が離れていって、私の背中へと回っていき。そこで泣き始めて リディアはカティナに抱きしめられてしまっている

「あのー」

そう声を掛けられてしまえば 私が今一番欲しいと思っている言葉をかけてくれるのではないかなんて思ってしまう 私はカティーナのことを抱き寄せるようにしながら

「えっと、カティーナ。そのー」そんな事を口走れば

「えっとね、私は大丈夫だよ。でも、えっと、あの、えぇーっと、えっとね、あのね、あのね」なんて事を言い出してしまえば、私まで泣き出してしまいそうになってしまう。そんな中

「えぇーと、えぇーーーとっ、わわわわっぁぁぁぁわぁぁぁぁわぁぁぁぁぁぁっ!」

そんな大声で叫んでいるのが聞こえてきてからというもの、私達はみんなして驚いてしまっているわけでして。目の前の

「ご、ごめんなさいっ!私の名前はミレイって言うのです。貴方が私の事を忘れていても仕方ないのです。だって、私はもう死んでいるのですよ」そんな事を口にして

「私は死んでしまったから こうして貴方に抱きしめられているわけじゃないですか。だから、その。あの、本当にごめんなさい。許して欲しいとかって言えないけど、謝らせて。本当に申し訳ありません」

目の前に現れた カティーの妹にあたる女の子はそう言って頭を下げて その行動がどういう意味を持つのかを 私は考えてしまうわけなのだが 私の中での予想が正しかったとしたならば 私に妹が居たというのは紛れもない事実という事になるのかもしれない。その妹のこと

「私は貴女を知っているような気がしますよ」そう告げると リディアやカティア達が嬉しそうな顔をしてくれていて、カティアなんかに至っては、「やったね、よかったねー」「お姉さん良かったねー」なんていうのである 私の目の前には私の実の娘であるユノの姿があって そのユノの姉だと言い出している人物が居たりもしてだな。その人物は私の目の前で涙を流し始めてしまったから「ちょっ、泣かないでよ」なんて言えば カティアや娘さん達に抱きついているミリアが泣いてしまう始末でさ 俺は目の前の人物が泣いていることに対してどうしたらいいかわからず困惑してしまうばかりであった そして

「とりあえず落ち着いてから話をしようかと思うから 少し待っていてもらえるか?少しの間だけ席を外すから、それまでに少しだけでもいいから、お互いのことを話さないか?」そう提案をしてみると「はい。わかりました。では少しだけ待っていますので、どうかお願い致しますね」と言われてしまい 私はその場を離れて一人になりたいと思い。少しの時間ではあるが、一人で考える時間が欲しくなってしまってしまった。なので 部屋を出て。階段の上へ上がり。そこから王城から出て。近くにある丘の方へ向かうとそこには大きな大樹がありましてね。その場所へ足を運ぶと腰

「ふぅ、これで、落ち着くことができる」

そう呟いてみた そんな時だった 私の後ろの方からは「お父様。こんなところにいられたのですね」そんな事を言われてしまう

「ん?」振り返ってみれば私の目に入ってきたのは「お久しぶりですね。といっても貴方は私のことを覚えていないようですね」

「ああ、あんたは誰だ」そう尋ねたのだが 目の前の女性の答えは「私は、貴方に助けていただいたものなんです。私の名はセフィリーと言います。貴方の娘です」そんなことを言われると私は驚きのあまり声も出せずに固まってしまう だが

「なにをおっしゃっておいでなんでしょうか?俺は貴方のことを全く知らないんだがな」と言ったところ 目の前にいる女性は私に対して笑顔を見せるのだ そんな彼女は

「今は覚えていなくとも良いんですよ。これから先の時間があればきっと分かりますからね」と言ってくれた後で 彼女の体からは力が抜けていき。そのまま私に向かって倒れ込んできたために私はそれを受け止めることになってしまった。なので慌てて彼女を横に寝かせてあげてから、彼女の額に手を当てることで意識があるかどうかの確認をしたところで彼女の目がゆっくりと開き、その瞳の中に私が映し出されていることが分かったところで彼女が口を開いたのだ

「貴方の名前をお聞かせくださいませんか?」なんてことを聞かれたので 私は名前を名乗ることにしたのである。そうした結果「貴方はやはりお優しい方なのですね。ありがとうございます」

「いえいえ」なんてやり取りをしながら 私達はその場に座り込んで話し合う事となる 目の前にいる女性のことについてを私は彼女に聞くことにする

「あなたは、どうしてこの場所にやって来たのだろうか。私はね。先程も言ったとおり、私自身のことは忘れて欲しいと、そんなことを思ってここにやってきたわけだ」

「どうして忘れて欲しかったんですかね」なんて事を尋ねられるとだな 私の脳裏に浮かんでくるのはリディアのことや娘の事なんだよね 私はリディアが亡くなってからもそれなりに頑張って生きていたし、それに関してはリディアのことが気になっていたからでもあるわけで。でもね。その事を彼女に伝えてみても信じてもらえなかったりするので、それこそ、私が覚えていることが真実ではないなんて

「そういう可能性もあるわけで」と私は口にしたわけだ。そしたら 私の隣で眠っていた女性が目を覚ましてくれたんだ そして私を見るなりこう言ってきた

「貴方が私のお父様なのですね」なんて

「えぇーと、君は俺のことを父親だと認めてくれるんだね」と、私が口にすると 彼女は私の方に近寄ってきて それから

「はい。貴方のことを忘れるわけがないでしょう」そんなことを口にするのだ その言葉を耳にしたことで私は涙を浮かべてしまうとだね 私に寄り添ってくれている彼女が

「大丈夫ですよ。もう私はどこにも行きはしないですから」と、そう言ってくれるのだ そして 彼女は

「私は貴方の子供として生きていくことに決めています。なので私はあなたの側にいる事に決めたのです。それに 貴方が困っている時は私が側で支えてあげたいと思っているのです」なんて事を私に向けて言ってくれるのである そのあと 私はその言葉に感動してしまって 涙を止められずにいた その事で目の前

「あのー。えぇーと。その、あの。私の名前はユアンでして、その、ユアンで構いません。それと 私は貴方のことが好きなのです。貴方の事を私は絶対に幸せにしてみせます。私がずっとそばについてて貴方のことを守っていきますので」そんな事まで言われてしまえば私だって嬉しいわけで 目の前の 私の実の娘であるユナンの母だと言い張ってくる女性。ユアンにだな 私とミレーナの間に産まれてくるはずの娘。その事を伝えてみれば、私の前で涙を流し始めてしまって そんな姿を見せられれば私はだな 私は そんなユアナに対して「ごめんよ」なんて

「えっ、それはどういう意味ですか」そう問いかけられてしまっては「いや、実はさ、私の子供は君以外にいないみたいなんだよ。つまりは私に子供がいたという事は間違いない事実だというのはわかったんだけど。私が覚えているのは君だけだということだ」なんて言えば「じゃあ、私は、貴方のお嫁さんにはなれないという事ですよね。私は、それでもいいと思っていましたので、その」そんな事を言ってから、泣き始めてしまう そんな姿を見つめていれば私はどうすればいいのか分からなくなってしまうのである。そこで私が取った行動はというと、ユアナの事を抱き寄せながら頭を撫でる事であった。そんな行動をしていると、泣き止んでくれたのか、ユ

「私はユノン。貴方の事を心よりお慕い申し上げております」と、私の耳元ではユアナの声が聞こえてきて。そこで私の体にユアノの腕が伸びてきたのである

「貴方を愛しく思い。この体を捧げたいとも思う。貴方の妻になれるというのであれば、それが一番の喜びなのかもしれません」そんなことまで言われてしまったら 私だって嬉しくなってしまうじゃないか 私の目の前で私のことを抱きしめてくれる ミリアの義理の母親に当たる人物の事を思い出せたことにほっとしている。だって その人が今目の前で泣いている人だと言う事が判明したからだ

「私は、私は。貴方の事を」そう呟いた後に、私に抱きしめられている彼女は涙を流し始めたわけ

「わ、わたしは。わたしの本当の名前は ミレニアっていうのですよ。その。貴方が記憶を失っていることはわかっていました。だから、私はこうして自分の正体を明かすつもりは無かったのですが、私は貴方と夫婦になれなくてもいい。ただ。愛し合っていければ、それでいい。だから、私は」と そのあとに続くであろう言葉を口にしようとはせずに私の事を強く抱き返してきた

「ねぇ。ユアンナ。君は 私の事を本当に愛してくれるのか?

「はい。私は、私は貴方のことを」

「なら良かった。私の事を愛してくれているのに ユリアン。私は貴方に 酷いことをしてしまいましたから」なんて 悲しげ

「貴方の気持ちはわかりました。私の全てをかけて、ユリアン 貴方の事を全力で愛すると誓います」

そう言って私の首筋に顔を埋める そんな彼女を受け入れてあげるとだな。

私のことを抱きしめていた腕が離れていく。それと同時に私は、私の膝の上に乗っていた彼女の頭から、私の手を退けると、私は立ち上がって彼女から離れたのだ。そして「ちょっと、外に出てくる」そう伝えて 外に出ようとしてしまう

「私に出来ることがあったらなんでも言って下さいね。私は いつでも待っていますからね」と言われてしまう 私は彼女に笑顔を見せてから部屋を出るのであった。その際に、カグヤとリディアの姿を見つけたのだが どうやら二人は仲直りした様子だったので、私はそのまま部屋

「うっ、ぐすっ、ひっく」と、私の目の前には、大粒の涙を流す少女がいた。そんな彼女の隣では、私の娘のリディアがその女の子の手を握ってあげていて、そんな彼女たちの前に立っているのは、カティの父親である。セシリアと名乗る男性である。そして彼の後ろに控えるのは、私の娘である

「ほ、本当なんですか?」「はい。本当です。私がこの目で見たことであります」なんて事を彼は口にしたんだ そうしてから リディアちゃんに向かってだな「どうか。許して欲しい」「お父さん」と 謝ってから その場から逃げるように去っていった。それを私は見届けた後 私の娘であるリデアに対してだね「リディアも。すまなかったね。私のせいでこんな事に巻き込んでしまって。ほんとうにごめんなさいね」と謝罪をしたんだ

「いいのよ、気にしないで、お父様。私ね。お母様にも会えて、お友達ができたの。だからもう。私は大丈夫」

「そっか。それならよかった。それにしても、まさかセシリア殿が私の知り合いとは」そんな事を思いながら私がセシリアの方を見てみればだな。セシリアもまた 私を見てくるわけだよ。で、私はだね。彼が 何か言いたげにしているような気がしたので「何か御用かな?」と尋ねてみた

「貴方のご家族のことは私が責任をもって対処致します。それと、私の娘の事も」なんてことを口にしてくるのである。なので私は、彼を信用

「うん。よろしく頼むよ。君を全面的に信頼させてもらうことにするよ」と、それだけを彼に伝えた するとだな。私は「あの子達は これからどうなるのだろうか」そんな事を考えているうちに 目の前に二人の女性が立っていてだな。そのうちの一人には「お久しぶりですね。私ですよ。あなたが探していたリディアの双子の姉。クロミナでーす」と言ってくるんだよね リディアの母親とリディアの姉を名乗る人物 二人がどうしてここに現れたかなんて分からないが、リディアのことを大切に思ってくれている存在がここに居るという事に、安堵を覚えた私である 私はだね。この屋敷の中で、私の娘だと名乗り出てくる女性のことについて

「あの子は 私と血の繋がりはないのかもしれないんだ。私が彼女を助けた際に、私に助け出された時の事を忘れてしまっていたらしくて」なんて説明をするのだ そしたら、その言葉に食いついてくれたのか

「そんな事が でも。その子は確かに貴方の血の繋がった娘だと思う」そんなことを言ってきたのだ。そんな彼女に「えっと、貴方は」と尋ねれば「私の名前はアテナよ。それと 貴女に頼まれたことはしっかりとこなしてきたわよ。それと。あの子と話をして、私のことも受け入れてくれるみたいだったしね」なんて事を口にしてくれたんだ

「そうなんですね。えぇーと、ありがとうございます。アテナさん。それと、貴方のおかげで私の大事な人を見つけ出せました。感謝しています。私はもうしばらく この世界でやることがあるので。その時は宜しくお願いいたします」と、そう口にすれば「任せておいて、それと 私もしばらくは 一緒に居させてもらってもいいかしら。私が探し出したいと思っている人がその世界にいるはずなのだけれど」そう言われると「勿論。私としては構いませんが」なんて返事をしてみせるとだね。私の元に近づいてきてから耳元で「ありがと。あと少しだけ時間を頂戴。必ず迎えに行くからね。貴方のことを待っていて」と囁かれたわけ それから私はだな。

「さて、これで。準備完了なわけだな。では。行ってくるぞ。俺が帰ってくるまでに、お前たちは仲良くする努力をしているように」

そんな言葉を俺は口にするのであった 目の前で 私のことを

「ママぁ」なんて呼びながら 甘えてくる女性に「あのね、私は君のママじゃないんだよ」と 伝えたらだな

「違うもん。だって、パパと、同じ匂いがしたんだもん」とそんなことを口にしてくれるのであった。そんな事を言われれば私としても

「まあ、その、なんだ、君のことを拒絶したりはしないけど」なんてことしか伝えることが出来ないでいた。

私の膝の上に座っているユアンナという女性についてだが、私に対して凄く懐いてくれているのは分かるのだが。私にはどうしても、ユアンの事が気になってしまって仕方がなかったわけだ その事で、私は、その事に対してユアナから問いかけられたの

「ねぇ。ミリア。貴方は、ユアンナの事を知ってるんですよね?」と、そんな風に聞かれたから私は答えるわけだよ

「そうだね。私が知ってるのは 彼女が、私の義理の子供であるという事だけだけど」そう答えたらだね、「義理の子供ってなんですか?」と 首を傾げながら質問してきたから「義理の子供っていうのはだな、本当の両親ではない人から産まれた子供のことを言うんだ」と そんな事を伝えたのである

「ふむ。そういうものなのかしら」そう

「じゃあさ、ユアナちゃんは ユリアンの義理の娘になるのかな?」と、そう尋ねてきたので私は「ユリアンっていうのが、彼女の父親の名前で、彼女は その人の娘で、私は彼女の母親だ」と答えたらだな。「じゃあ、ミリアの本当のお母さんは何処にいったの?」と、聞いてきたので「私の母さんはね。もう死んでしまったから」と、素直に伝えるわけだ

「死んだって、どういうこと」と そんなことを口にするので「私の母は、病気で死んじゃったんだよ」なんてことを伝えておく そして、そんな会話を続けていたわけであるが、そこにカティーナが姿を見せたわけだよ。そして私は、その姿を見て

「貴方には、悪い事をしてしまいました」と、その言葉と共に、私の前で頭を深々と下げた彼女である そんな彼女を見ながら私は「いやいや。私こそですよ。貴方の大事な娘さんの事を悪く言ってしまって申し訳ありません」と 謝ることにしたんだ。そうした時にだな

「いいんですよ。貴方の言った通りでしたから。だから。貴方の事を嫌いになんてなりませんでした」と、そう伝えてきたのである 私はだな。そんな事を言われた

「ところで、貴方達は一体誰に用があってここに来たんですか」そう私が尋ねたら「私達? 私達はだね。この世界を救おうと思って、やってきたのだ」なんてことを言ってきたのだ そんな彼女に対して「貴方も、神様ってことで良いのかな」と聞けば「いいや、神ではないが、私は魔王だ。そして、君たちが倒した魔王軍のリーダーでもあったわけだ」と答えられて私はだな。「なるほどね。私達に敵対する意志はもうないということ?」と そんな確認を行うわけだ そんなことを聞きながら、私は 彼女のことを観察するのだが、どうにも嘘をついているようには見えなかったので

「私達の敵では、無いようですね。それで、貴方はどうしたいですか?」と そんな感じに問いを飛ばすことにしたのである

「うっ、うっ」

そう言って泣くのを我慢している女の子の頭を優しく撫でてあげるとだな。女の子の泣き声が収まり始める。そして「うっ、ひっぐっ」と、嗚咽交じりの涙を流している 私とセシリアとで女の子の名前を尋ねてみればだな。その子の名前が判明したのだ。それは、アリシアちゃんで 年齢は、7歳だということが分かったのである。私はそこでセシリアに、どうしてこの屋敷の前にこの子がいるのか。尋ねてみると「恐らくなのですが。彼女は、私の娘を探しているんだと思います」という言葉が返って来た それを聞いて

「もしかして、貴方も、私のように」そう言い掛けていたのだけど、その前にだな。私と娘の仲がどうなるかを考えて、口に出せなかったみたいだ。私もだね。娘との関係性を考えることが出来なければ、今頃こうして生きていることは無かっただろうから そんなことを考えていれば 私の手の中で涙を流すのをやめて笑顔を見せるようになっていた女の子 私の方を見て「えへへ。あのね。ありがとう」と そんな言葉をかけてくれるのである。そんな彼女に私もまた「こちらこそ。貴方のおかげで、私達は大切な存在を取り戻すことが出来た。貴方のことは ずっと忘れずに、大事にするよ」

「あの時は。私はどうしようもなく、あの人に迷惑を掛けてしまったんだと思うんです。それでも私はあの人を好きでい続けることができるでしょうか」そう言うと、リディアは悲しげな表情のまま俺の方を見つめてくるのであった そんな事があったので「俺はお前のことを大切に思ってるぞ」そう伝えるのだが「分かってます。貴方の言葉の意味が。だから。だからこそなのですよ。私はまだ貴方の隣に立っても問題がないとは思えていないのです」そう言い切ったリディア なので俺はだね。彼女のことを抱きしめてから「あの時の約束は今も有効か?」って、その言葉を投げかける すると彼女はだね「あの時の約束。私は貴方との思い出を絶対に失わないって誓ったんですよね。覚えていますともさ。私がその程度の事で貴女のことを見放したりするはずが無いではありませんか」なんて言葉を出してきてさ それから俺は、彼女と二人で部屋の中に居たわけなんだけれど、そこで私は彼女にこう伝えたわけだ 君さえ良ければだが、俺と一緒に暮らしてくれないだろうかと そうすればさ、君にとって都合の良い未来を迎えることが出来るはずだと思ったからさ こうなった原因は きっとアレにあるのだと思うから 俺は彼女を安心させるように微笑みながら話しかけると

「私なんかでよければ。宜しくお願いいたしますね」と そんな返事を口にしてくれたので「こちらこそ」と言ってだな。俺はだな そのままの状態で眠りについたわけだ それから暫くの間、俺が意識を失ってしまえば「旦那様。起きてください。ほら」なんて声とともに頬が何度も叩かれる感触を感じた俺 目を開けると そこには、メイド服を着ている少女が立っていて、彼女は嬉しそうな顔をしながら

「貴方の妻の1人でございます」とだけ その言葉を聞いた俺は

「んーと、貴方が えーっと」なんて言えば「リリアですよ。貴方は私に名前をつけてくれたはずなのに。もぅー、忘れちゃったんでしゅかぁー」そう言われれば

「あはは、冗談だっての」と口にしたら その言葉を受けて「本当なんですよね」そう言って拗ねて

「あはは、本当に、すまん」なんて 謝罪するわけである そんなことをすれば

「あはは、冗談だって」と口にして 俺の顔にキスをした彼女が居るわけなのだが、彼女は俺のことを起こす為に 何時の間にかに抱きついていて、俺のことを抱き枕のように扱っていたりするのである。そしてそんな状況で 彼女が俺のことを ぎゅっ として「大好きです」と そう呟く それを耳にした俺はだな。彼女の背中に手を回してから「好きだ」

なんて言葉を返しておくのであった。そして、その後だ。お互いに目が合うのだが、自然の流れと言うべきか。互いに顔を近付けていき その距離が

「おはようございまちゅ。パパ」

その声で目を覚ましたら 私の事をパパと言ってくれてる可愛い赤ちゃんの姿が見えてきた。その光景を見た私はだね。心から喜びを感じることができたわけだ

「おはよう。カティーナちゃん。私のことを起こしに来てくれたのかな?」そう言葉にした後で 自分のお腹のあたりを確認してみるのだけど 私の体には妊娠線のような物が残っておらず、綺麗なままだった。

私とユリアンの関係だけど 私の事を「ママぁ」って呼んでくるユアンナに懐かれているんだけど

「ママ。抱っこして」と言われて だね。

そんな風に頼まれて、断ることも無く

「はい。おいで」なんて言いながら、ユアンナを優しく抱っこしたんだよね そんな風にしていたらだね ユリアンが部屋にやって来て ユアンナを自分と同じ目の高さまで持ち上げた状態で

「どうしたんだ? そんなにニヤけながら 娘と触れ合っているけど何かあったのか?」と尋ねてきたので「うん? ユアンと私の関係は良好でしかないので特になにも無かったと思いますよ」と、そんな返答を行うのである。そしたらだな。ユリアンは「は?なに言っているの?」とでも言うかのように不思議そうな表情をしているのだが、私も私なりに、彼の疑問を解こうと思ってだな。私達が一緒に寝るときにしている事を彼に説明しようとしたのだが。彼は私よりも早く「そういうことじゃない」と言い出して。「君には悪いと思っているし、俺が無神経すぎたってことも分かっているつもりだ」なんて言葉に続けて「だからって。君が、カティーナさんや 他の女性を誘惑するような行動をすることは無いと思っても良いんだよな」と そう尋ねられたので私は「当たり前ですよ。私にはもうユアンしかいないのですから。私から離れていかないで下さいね。絶対に離さないからね。覚悟しろ」と そう言った後にだな。彼が

「いやいや。君は一体何を言って、そんな風に思ったんだよ。どうして、急に、そんな話に飛んだのか、全く理解できないんだが、もしかして。俺が知らない間に、君の気持ちを揺るがせる出来事でもあったというのか」なんてことを言ってきたのである。それに対して私は

「そんなことはありませんでしたね。私としては。ずっと。ユアンのことしか考えていませんでした。だから大丈夫です」って伝えておくのだよ。そんなやり取りを行った結果だな。私は、私の方から彼を求めようと思ってだね。行動に移してみることにしたわけだ。そうした際に 私と彼女の娘を ユアンに任せた後で、彼と二人きりになって 私は、彼をベットに押し倒すことに成功したのだ 私は そんな彼女の手を引いて屋敷を歩くと そこに待ち構えていた使用人の人たちが頭を下げてきてくれる その中には 私の事を知ってくれている人達もいたのだが、私が魔王だったという事実については知られていない様子だ。

「それで、貴方はこれからどうするつもりなのですか?」と尋ねる彼女に 俺が出した結論は一つだけだったのだ 俺の手を取り微笑んでいる女の子を、見つめたまま「君が嫌じゃなかったなら」そう答えを出した後で 俺はだな「どうか これからも俺と一緒に暮らして欲しい」そう彼女に告げたのである ただそれだけのことを伝えるのが精一杯だったので俺は それ以上何も言えないままの状態で時間が流れていってしまったのである

「えっ、あっ。うっ、はっ、はいっ」と慌てるようにそう口にする彼女の頬は赤くなっているような気がしたので、恐らくだが 彼女も同じことを考えていたのだろうと思うことにした 俺は彼女の手を引きながら歩いていく その途中、彼女は何度か、私の事を見てきて「貴方と一緒に居られる。それが一番嬉しい」とだけ口にしたの

「ええ、私も同じ考えよ」そんな言葉を口にしながら、俺はだな。ある一室にたどり着く 扉を開いて中に入っていったあとで 俺は

「君が、この城の中で、どう思われる存在であるかは、理解しているつもりなんだ。君が俺なんかと共に暮らす事に対して、周りからの批判を受ける可能性は高いと思う」とそんな風に言葉を吐き出していくと、彼女はだな。首を横に振り

「貴方が、私を守ってくれるのでしょう。ならば問題ないわ。私はどんなことが起きても平気」そんな事を言い切る彼女に俺は「俺と一緒だと。きっと後悔することになる」なんて言葉を漏らせば「いいえ、そんな事ありません。きっと、今以上に幸せな時間が待っていて、私と貴方の間には沢山の子供も生まれていくはずです。だから、問題なんて一切無いんですよ」と 彼女が自信たっぷりな表情をしてそう答えると 俺は「ああ、分かった」とだけ 言葉にするとだね。そのままだ。彼女の唇を奪うのであった 俺は「えへへ」なんて笑いながら、私に抱きついて来る その娘のことを優しく抱きしめてあげたんだ そうすれば

「ママ。だいしゅき」と 甘えた口調になるわけなんだが 俺の方

「俺だって、お前のことが好きなんだぞ」と口にして、頭をなでてあげると「きゃっー」と嬉しそうな反応をする そんなことをしてれば、彼女の体が少しばかり熱くなったのが分かって、そんな彼女が 私の体に手を回してきて「もっと 撫でて」と そんな要求してくるので 私はだね。彼女のことをなでなでしてやるのさ。

そして暫くの間は、私達親子三人で過ごしていくことになる そんな中で 私達は 幸せそうな時間を 過ごすことになったのである そして俺はだね。彼女のために 部屋を用意してもらったわけで 俺は「なぁ。俺と その。俺の子供を、作るとか、そう言う行為はしてくれるんだよな?」と 彼女に聞いてみたら「勿論ですよ。でも。その前に、ちゃんとした準備が必要じゃないですか」そう言われてしまった それからのことだ。俺達が子供を作る為に必要な行為について色々と調べたりして お互いに知識を得るわけなのだが 彼女は「私と、一緒に、子作りの練習をしてくれませんか」と俺のことを誘ってきてだね。断る理由も無いと思った俺は 彼女が用意した寝室に向かいそこで二人で、愛を確かめるべく行為をおこなっていくのであった。そして俺は彼女の体の中に 何度も 何度も 欲望の塊を放つとだな 彼女が「こんなこと、本当に大丈夫なのかしら」と不安に感じていたのが伝わってきた だから俺はだな。

「君さえ良ければ いつでも練習に付き合うから」なんてことを口にした訳で そんなやり取りをすれば 彼女は俺の事を抱きしめてきて

「大好き」なんて言葉を俺に向けてくるのであった そして 俺はだな。彼女を部屋に届けてから自室に戻り 一人になったタイミングでだな。ベッドに寝転んで天井を見上げていたのだが、「んっーー」なんて声を出してだな。伸びをしたのさ。

その時に ふっと 思ったことがあるんだよ。今までずっとカティアにべったりくっついていて、他の女性との付き合い方という物が

「分からなくなってしまった」ってことをな 俺の傍に居るべき人がカティアだったから、その人のこと以外を考えずに生きてきたんだよ だから 今はだな 別の女性と一緒になってだな。

その子を自分のものにしたいと考えた場合 どういう風に行動しなければいけないのか分からないのだよ。でもだな。そんな事を悩んでいれば ユアンナがだな。俺のことをじっと見つめてくる その光景に気がつき。そんなユアンナに手を伸ばすと 彼女は、自分の顔を俺の手にすり寄せて来てだな。そんな行動をしてきたユアンナに 俺はだな。自分の思いを、全てぶつけてみることに

「ユアンナ。君と一緒に居るだけで。心が落ち着くんだ。君と一緒に過ごす毎日が 凄い楽しい。それに。君の事が とても可愛い。だからこそ そんな君の気持ちを裏切ってまで、他所の人との関係を作ろうとは思えないんだ」そんな俺の言葉を 真剣な眼差しで聞いていたユアンなんだけど。彼女は俺に「ユアンには 私のことを 好きにして欲しいです」と口にしてくれたので 俺の心に迷いが生じ始める

「それはつまり 俺のことを選んでくれたという解釈で 良いんだよな?」そんな確認を取るとだね。彼女はだな「はい。私は、貴方のことを選びました。ユアンにとっての一番でありたいと。ユアンに私だけを好きでいてもらいたい」と口にしたのだ そんなユアンに対して俺は「君は 俺の事を信じてくれるんだよな?」と質問をすると

「はい。私は ずっと。ユリアンと一緒に居ます。貴方に抱かれている間も。ずっと。ユアンのことを考えていました」とそんな返事を行ってくれたので

「俺も 君に、ユアンと呼ばれるたびに。カティーナさんからユアンと呼ばれているのとは違う。不思議な感情が溢れ出てくるんだ」と そう言い返してから

「君が嫌がることは決してしない。約束するよ」

俺はだね。そう言葉にしながら、彼女と口づけを交わしたんだ。そんな風にしてしまえば

「嬉しい」と言葉にする彼女に俺はだな「俺もだよ」と伝えてあげる その後の出来事なんだが。彼女に求められるがままに、性行為を繰り返す 彼女から与えられる愛情を受け入れてあげながら。そんな彼女の温もりを肌身をもって感じる 俺が彼女の体を求めれば 彼女もまた俺の体を求めてきてくれたりなんかしてね。そんなことを続けてしまっていて 彼女から求めて来たときにだね。「どうしようか?ユアン」そう言って

「もう我慢できないの。私の事を抱いて欲しいの」ってお願いされるもんで、俺はだな。彼女の体を堪能することにしたわけなんだよね 俺達はだな。お互いに満足するまで行為を続けてしまうのであったが そうしている最中に、彼女が俺のことを強く抱きしめてきて、俺はその力に応えるように抱きしめ返すのだがね

「ごめんね。ユアン。少しばかり疲れちゃった」なんて言葉を残して、気を失うように眠りに落ちていった彼女に 俺は、毛布をかけてあげたあとでだ。彼女を抱き抱えたまま。一緒に横になる その瞬間のことでだね。突然だが。この城に向かって近づいて来る

「何者だろう」と、思いながらも。俺が部屋の扉を開くとだな。扉の向こう側には。カティナと思わしき女性が立っていて 彼女はだな「貴方が私のお兄様の想い人であるユアナさんなのでしょうか」そんな言葉を投げ

「はいっ」と。そう言葉を漏らした彼女のことを見つめているわけである ただ、そんな状況であってもだな。俺がだな。カティナに敵意を抱いている訳ではないわけなので 俺は「貴方が この城の王女様ですか。私は貴方の兄である ユアンの妻となります」と そんな事を口にしてしまうとだね。カティナの方は、何か思うところがあるような表情をしながら「私達兄妹の事情については知っているのですわね」とだけ口にしたので

「はい。私と彼のことは、既に国王様より聞き及んでおります」と、そう口にした俺に、彼女が「ユアンナのことも 聞いておりますのね」なんてことを聞いてきたので「はい。貴方の妹であるユアンナさんの事も知っております」と答えると

「そう、ならば私達姉妹についても貴方に説明しなければならないわね」そんな事を言われたので 俺はだね。彼女に「私も貴方達二人の関係については知っていますよ」そう言うことにした

「えっ?」と驚いた反応を見せる彼女に 俺はだな「詳しい話は後にさせていただきますが。貴方達が兄妹であることを知っている人間は多くありませんが。それでも何人か存在しています」なんて話をした後にだな。本題に入りたいと思ったわけだよ。ただでさえ俺の方からは 何も情報を出せない状況下にいる訳なのだしね。だから俺の方からも少しばかり情報提供を行う必要があると思うんだよ まぁ なんだ。そういう感じのあれだよな それで 私がだな。目の前の女性が レイが言っていた【ユアンナ】だと判断したのはその容姿の事もあるのかもしれない

「私はユアンナと申します。これから宜しくお願いいたします」と言ってくれた女性に対して。こちらも名乗りを上げておきましょうかね

「俺はユージーンと言う」そう名乗れば。彼女が不思議そうな顔をしながらも「どうして、私に本名を?」とか言うもんで だから俺は答えを返すことにするわけですよ。

『カグヤ』として生きていた記憶を持っているがゆえに 本来の名前を思い出せないことを説明した後で 俺はだね。今の自分の名前を名乗った

「ユアンと名乗っているけど 俺は本当はユリーナという名前らしいんだ」

俺のそんな自己紹介に ユアンナの方がだな「ユリーシアって名前は?」と そう聞いてくるわけなんだよ

「ユリーってのは ユアンと同じ意味です。俺がユアンとしか呼ばれていなかった頃にだな。自分が誰だか分からない状態になっていた時に、ユアンに名付けられた名前がユリーなんだよ」と。そんな言葉を返してみると ユアンナが「そうですか。私は ユアンナとユアン以外に 二人の男女が居たはずです。その二人は一体どこに行ったのですか」

そう言われて俺はだな「俺の記憶が確かであれば、あの日。君以外の全員が殺されたよ」と口にしたのであった するとだな。俺の話を聞き終わった後に「ありがとうございます。私は、私の知らないところで貴方に助けていただいていたのですね」なんてことを言ってくれるもんで。こっちとしても、ちょっと嬉しかったりするのだけどさ。

「私はユアンナ。ユアンナとユアンの妹になります」

ユアンナのそんな発言に

「俺の名前はユアンです。一応だな。俺も貴方達の血縁者で間違いはないはずだ」

「はい。そうですよ。だってユアンさんは私のお兄様なんですから」なんて言葉に

「あー。その件に関して もう少し詳しく聞かせてくれませんか?」と俺が口にすれば

「分かりました。貴方はユアンナが愛していた方の息子さんなんですよ」そんな事を言ってから 俺に対して 色々と語ってくれたんだよね。俺の母親の事を 俺の父親との出会いを ユアンナがどれだけ母親に恋い焦がれていたことを 母親の事について話すときのユアンナの瞳には 強い光が宿る そんな光を見ながら俺はだな 俺は「貴方がそこまで、母親に思い入れがあることに驚きだよ」なんて言葉を口にしてしまった

「それはそうでしょう。私はユアンの母さんが大好きだったんですから。だからこそ ユアンさんには感謝しているんです。母が、父と出会うことができたのもユアンさんのおかげなんでしょ。そしてユアンナの事も」と、そんな言葉を吐いてから「ユアンナのことを守ってくださって ありがとうございました」と頭を下げてくれたんだよね それから暫くの間 彼女と雑談を続ける時間が続き

「ユアンさんに一つ質問があるのですが。いいでしょうか」と 彼女はそう言ったんだ

「ユアンで良いぞ。俺もお前のことをユアンナと呼ぶから」

俺がそんな風に口にしたら ユアンナの方は「私の呼び方でしたか」って言葉にして ユアンのことを「ユアンナと呼んでもいいのかしら?」と尋ねてきたわけだ そんなユアンナに対して「俺は、ユアンであってユアンナではないんだけどな」と 俺はそんな風に告げることにしたのである そんなやり取りを俺達が繰り返している間 ユナの奴はというとだな。

俺の腕の中に

「ふぇ~」なんて声を上げながら 体を預けて来て 俺に抱かれるままにされていたのだが。

そんな時。突如として、扉が開け放たれて

「私も一緒に行く!」と言い出すユナの姿が目に入ったのだ。

俺が慌てて彼女を宥めようとした時には 既に遅かったようで。俺に寄り添うようにして立っていたユアンに「あら あなた。こんな所で何をしているのよ」なんて言葉を 彼女からかけられてしまうことになるのだ

「これはだな」と、

「俺とこの子は恋人同士なんだよ」

俺は、咄嵯の嘘にしては上出来だと、内心では思っていたので そんな言い訳をする事に決めてしまう だがしかし そんな俺の考えを見抜いたのであろう 彼女は俺に向かって「まさかとは思いますが。その子に手を出してはいないわよね」なんてことを言ってくるもんで。そんな彼女に、俺の方から口

「ユアンナのお母さんって、凄く怖いよね」って口に出してみる ユアンナの方を見てみると「そんなことは無いわ。普通でしょ」

「えっ?そうなの?」「そうなのよね。でも、それが私達にとっての当たり前なんだから」なんて 俺は会話をしながら。ユアンナの気持ちの変化に気づいた

「そうか、それじゃぁ ユアンは、ユアンナの事を好きになったわけじゃないのかな?」って。俺は、思った事を正直に伝えてみたりするわけだが その俺の言葉に「私も貴方の事が好きよ」なんて答え

「それにしても、貴方はどうしてこの場所に来たのですか?」なんて言葉を吐き出してきやがったのだよ

「ん。俺はカグヤに会いたくて来たんだよ」

そんな感じで ユナとユアンナの二人が口論している中 俺達は 三人仲良く手を繋いでいる ユナは、先ほどからずっと俺の体に腕を回していて そんな彼女に対してユアンナが

「貴女。そろそろお帰りになってください」そんな言葉を投げつけているのだけど

「もう私、決めたもん。お兄ちゃんと結婚するの。私は絶対に諦めないもん」と、そう言葉を口にすると ユアンナの方がだね「はぁ お兄様 お姉様は本当に大丈夫なのですか?」なんてことを問いかけてくるんで。まぁ しょうがないよね そんなことを考えつつだね。俺は彼女の頭を優しく撫でてから「うん。きっとね。何とかするよ」「そうですよね 貴方はそういう人ですものね。それでこそ私が惚れ込んだ男性なのですから」「いちゃついてる場合なのかしら?」なんて事を口にしながら。俺達が話を続けている間にも、二人は口論を繰り返していたわけなんだけれど 結局俺達三人が落ち着いたときには既に夕刻となっていたんだよね それからしばらくの間は 3人で食事をしたりしていたのだが 俺はと言うと カグヤに会うための算段を立てようとしていたわけであるよ。だってそうだろ? このままカグヤとの合流を果たせず

「あれれ カグヤがいないじゃないか どういう事だ?」なんてことになれば。また面倒なことが起きかねないじゃん。だから 今の段階で出来るだけ、情報を集めようと動いてみる事にしたんだよ。その結果 俺は この屋敷の中で働く女性達に声を掛けて、俺自身が聞き込み調査をしてみた。結果わかったことはだね。どうもだな あのユアンナという女性は この国のお姫さまなんだとかで まぁ そう言う事情なら 俺と彼女が顔見知りであったとしても、不自然では無いのかもしれん それでだね。

その辺りに関しては、俺の方で上手く話を流しておく事にしたのさ その方が色々と話がスムーズ

「ねぇ 貴方の事は一体何と呼べばいいのかしら」と ユアンナの奴が俺に尋ねてきて

「俺の方は ユアンとかユリーナとかを普段名乗っているけど」そう伝えれば

「そう。ならば私もそうしましょうかね」なんてことを言うのであった それで そんなユアンナの口から「ところでカグヤは どうして出てこないのですか?」なんて言葉が飛び出てきたからさ 俺は「そのことについては まだ情報が足りなくて俺も困っていたんだよね」と、そんな風に言葉を返すことにする それからだな。

俺は、ユアンナとユアンナの部屋で過ごすことになったんだよ そんな生活が続いたある日の朝方のことだった 部屋の扉がノックされてだな。

俺に対して 扉の向こう側から「ユーアン いるかい」なんて言葉が届けられたのだ その言葉を受けて俺は「ユアン いるぞ」と、返事をした

「君と話がしたいって人が来ているから会ってくれないか?」

「あー。別に良いぞ。俺はだな。ちょっとユアンナと二人で部屋にいることにした」と、そんな言葉で ユアンナの居る場所を示しておく それから数分が経った頃だ 扉

「失礼します」そんな声と共に 一人の人物が入ってきたので 俺とユアンナが座る椅子の前に立ち止まったその男に向けて「お前は何者だ?」って聞いてみれば

「私はユアンナの世話をしている者でございます。今日はこの度 お招きさせていただきました ユアンナ様に お会いいただこうと思い ご案内に上がりました」なんて言葉が返ってきたんだよね 俺がその人物の顔を見ながら考えているとだな。突然、目の前にいたはずのその男の姿が消え去ってしまったのだ。そして その男は何処からともなく現れたカティーナの手中に収まり「お前さんもなかなかやるな」って、言葉を漏らしていた

「いえ。貴方も、なかなかの腕前ですね」と、カティがそんな言葉を返した後 俺達の前から姿を消すのである。そんな出来事を見ていた俺は ユアンナの事を抱きしめながら 彼女の事を「俺に捕まれていてくれ」なんて言葉に ユアンナの奴が「嫌よ」なんて言葉を返してきたもんで

「ユアンさん。私はね。カグヤに用があるの」なんてことを言ってから、彼女は姿を消してしまうのである

「ははは。私達二人っきりになっちゃいましたわ」なんて言葉を残してだな。ユアンナが、カティーと一緒に俺の前に立ちはだかる形となってしまったのだ 俺はだな そんな彼女から目を離さずに 剣を構える事にしたのである。そして

「あら。貴方って強いのよね。私では、相手にならないのかしら?」なんて言葉を投げかけられたんだが そんな風に問われた俺は「いいや 今のお前では、俺を倒せはしないと思うぞ」って言葉にしたんだよね そうしたらだな「私を甘く見ているようね」と、そんな風に言われてしまう事になるわけであるのだが それでもだな

「甘いな」そんな風に言い放つ俺に対して ユアンナの方から攻撃魔法が飛んできたわけである。それを、俺が軽くいなすとだな 俺達の周りに、光の渦が現れ始めて、そこから炎の雨が次々と降って来たのだ だがしかし そんな状況であっても俺は動

「俺の力を侮ると後悔することになるぞ」と、俺がユアンナに向かってそんな事を呟けば 俺に向かってだな。水の槍が無数に襲い掛かってくるのだよ しかし そんな物には興味がない 俺は水でできたその魔法の弾幕に視線を送りつつ「邪魔をするな」そんな言葉を吐き出せば、全ての魔法は消滅していってしまう 俺の事を睨みつけるようにして カティナが、攻撃を仕掛けてこようとするも 俺の放った衝撃波によって その場にいた全員が吹き飛ばされて 気を失ってしまうことになる その後。俺はカティーナに治療をしてから カグヤと合流できるまで ユアンナと行動を共にすることに決めていたのだ

「私を手籠めにするおつもりですか?」なんて言いながら 彼女は、俺の事を見つめ続けていたのであるが。俺は、ユアンナと会話を続けながらも そんな彼女の様子を見つめ続けることになるのであった そんな風にしてだね 俺は しばらくの間。彼女との行動を共にしていたわけなのだが。その間には 俺は、何度か彼女にキスを迫られたんだよ。だけど、俺の方は そこまでする必要性を感じなかったので 彼女の事を拒絶する事にして それで、そんな俺の態度に対して ユアンナの機嫌がどんどん悪くなってい

「私に興味がないのね」なんてことを口にした そんな時にだね。ユアンナは、俺の事を押し倒すと

「貴方が私に夢中になる様を見せてあげるわ」なんて言葉を紡ぎ出して、俺の体に覆いかぶさったわけである それからしばらくの間は 俺はユアンナに抱きつかれていたわけであるのだよ まぁ それだけで済むなら良かったんだけど。

どうもだな 俺の服の中にだね。彼女が手を突っ込んできて胸を触ったりしてきやがったんだよ そんな彼女の行為を見て。俺の中でだな。とある衝動が湧き起こってきてだな その感情の高ぶりを感じた俺はだな

「お前も随分と慣れてきたな」と、口にしてしまうんだよ そうして俺は彼女を自分の上から引き剥がすとだな 彼女の唇を奪い始めたのだ ただだな。

その時だな 彼女の中で何かが変化したような感じを受けたんだよね そうしてしばらく経ってからだったのだが。彼女の方から、口付けを止めて離れて行きやがったのさ。その時には既に、ユアンナの顔は上気していてだな。呼吸が激しくなっていたんだよね。だからさ その様子の変化を確認した後に。俺はカティナのことを床に押し倒してしまっていたのであるよ ただね その際にはもうね。彼女は抵抗をせずにされるがままになっていてくれたんでね。そんなカティナ

「ユアンナ 大丈夫なのか」なんてことを口にすれば ユアンナの奴が、息を荒くしながら「大丈夫です。私の体を使ってください」と、俺に言うんだよ それを受けて俺は そんなカティーナの衣服を脱がし始めていたんだよね それから少しの間。俺とカティとの時間が続く そして しばらくして 俺はカティーナのことを解放するとだな 彼女が「ユアン ありがとう」と、言葉を放って俺から離れると カティーナの姿に変化が起き始めて そして次の瞬間にはだな。ユアンナとそっくりになっていたのだ そんなカティが「ふぅ。疲れた」と、言葉を放つのであった それから数日ほどが過ぎ去った

「そろそろ、ここも居辛くなったわね」なんて言葉を 俺の隣で、俺にだけ聞こえる声で カティーナが俺に伝えてくれていたのだ

「俺達はだな。そろそろこの屋敷を出て行こうと思っている。だから 最後にカグヤに会いに行くことにするんだが、カティーも一緒に来てくれるかい?」と 俺が

「ええ」とだけ返してきたカティーナに向けてそんなことを話せば

「そうですね。私は構いませんけど」なんて答えを返してくれた それでだな 俺はユアンナの部屋を訪ねることにしたのである

「それでだな。カティーが、あんたの妹さんのことが心配なんだってさ」と。そんな説明をし終えたところで「カグヤはどこへ行ったんだ?」と聞いてみたのだ そうしたらさ「私の部屋ですよ」と、カティーナが言葉を漏らすのだよね そしてだな「ちょっと、貴方に渡したいものがあるのです」と、カティーナに言われる訳なんですよ。その言葉を聞いて「一体何をくれるんだい?」と尋ね

「これを渡したかったんです。お姉ちゃんに貰った大切な物なの」と、そんな事を言われながら差し出されたものを受け取ったのである それは小さな指輪で。

カグヤがいつも身に着けていた物に似ていたのだが カティーナから受け取った指輪の内側に刻まれた文字を読んで

「ああ。なるほどな」俺はそんな言葉を発していたのだ そこにはだな

『お母様より』と、刻まれていたのである。それを俺に渡した後。カティーナは自分の部屋に帰りたそうな素振りを見せたので「ユアンナ 俺はだな。今日はこのくらいで帰ろうと思うんだが お前はもう少し俺と一緒に居るかい?」なんてことを言って 俺の方から

「じゃあ また後日に会おうな」と ユアンナに対してそんな別れの言葉を向けておいたわけであるのだ カティーナが「私もご一緒してもよろしいでしょうか」なんてことを言ってきたもんで 俺とカティーとユアンナとで行動を始めることになったわけだ そんな流れからカティーナと二人で森に繰り出すことになる ユアンナが俺に「ユアンさん。どうして、私達が二人で行動しているのかわかりますか」と聞いてきたのだ 俺はだな その言葉に「そうだな。二人きりで ユアンナとの思い出を作りたいということだろ」と答えると

「それもありますね。だけど。私が一番貴方に伝えたい事はですね」なんてことを言ってから 彼女は言葉を続けてだな「ユアンナとは姉妹なんです。ユアンナは 妹を大事にしているみたいに。私はユアンナの事が大好きなの」と そんな事を言ってから彼女は黙ってしまったのだ 俺の方はと言うとだな。

カティーナに「ユアンさん。貴方って強いのよね。私では 貴方を倒せはしないのかしら?」なんて言葉に

「いいや 今のお前では、俺を倒せはしないと思うぞ」なんて言葉にしたんだよね そうしたらだな 彼女は俺の方を指差してから「私を甘く見ているようね」と、そんな言葉を発したわけだ

「私を甘く見ているようね」そんな言葉を口にすると 彼女は杖を手に取り構えるわけであるのだが。そんなユアンナの様子を見ていて俺は思うことがある。

ユアンナの動きを見ていればだな。

俺の方からは攻撃を仕掛けず。彼女の攻撃を全て受け止めてやったんだよ そんな俺に対してだな。彼女は、焦りの感情を見せることになるのだが そんなユアンナに対して「どうした。動きが鈍っているようだぞ」と そんな言葉を吐いてみれば 俺に向かって「調子に乗らない方がいいわよ」と、言葉を返してきた

「俺に攻撃をしてくるのなら 遠慮はしないぞ」と、俺はユアンナに告げれば 彼女の方はと言うと 俺の方に攻撃を仕掛けてきたのである。

ただ そのタイミングが悪かったようでだな。ユアンナは足を取られてしまい その場で派手に転びそうになったのさ それを見た俺は「ユアンナ 俺に攻撃するんじゃなかったのか?」と、口にしてから ユアンナのことを抱き寄せてやる そんな俺の行動を目の当たりにしてだな 彼女は、恥ずかしさのあまり顔を赤く染めてしまうのだよ そして「離して下さい。私は、あなたよりも年上なの。それにだ。貴方は私よりも強くはないの。なのにだ、私に、こんな真似をして良いと思っているの?」なんてことを口にするのだよ 俺はそんなユアンナの頭を軽く撫でてあげてから

「そういえば。俺は、お前が歳を取っていることに気が付いていなかったんだ」なんて事を言うと

「え?私が。おばあちゃんに見えているっていうの?」

そんな感じの会話の流れになってしまってな 俺は、そんな会話を続けた結果

「カティーナが心配だ。俺は先に戻るが。ユアンナ 君はここに残るかい?」と、そう彼女に尋ねてみるとだな。

「私をここから出して。私も連れていってくれない」なんて言葉を彼女は俺に向けてくれたのである 俺はユアンナのことを抱きしめ

「俺は お前のことが好きになってしまったかもしれない」と、俺にしては、そんな大胆な告白をしたのだ。ただ。俺のその言葉を受けたカティナの身体は ユアンナではなくカティーナのものであって そんな俺達の光景を見てだな。

「ユアン様。どうかしましたか」と ユアンナの声が聞こえたわけだよ そして俺の目の前にいるカティーが

「いえ。何もありません」なんて言葉を返すのだった 俺はカティーナを連れて帰ることにしたのだが。その際にはだな。カティナは、カグヤに会いに行きたいと口にしてきたから。カティーも、カグヤの部屋へと連れて行くことになってしまう それでだな。

俺がカ

「そうか。分かった」

「分かりました」

俺達はカティの頼みを聞き入れる

「でもだな。今からだと カティが危なくなる可能性があるんだ」と そうカティーに伝えると カティナの奴は「大丈夫です。ユアンさん」と そんな風に口を開いたのさ

「それでだ。俺が、カティナを守る代わりにだな。ユアンナには、ユアンナが守れるように。カティーと二人でカグヤを守りながら。一緒にこの家から出て行ってくれないか」と そんな提案を 俺はユアンナにする そうしたらさ。ユアンナが「はい。お父様にお願いをすれば なんとかなると思います」と そう答えてくれたのである。

そして俺達3人は 屋敷から抜け出すことにして 屋敷を出る前に

「じゃあ 行くとするか」と。俺は二人に言葉をかける 俺の言葉に反応して 二人は同時に 俺に「はい」と返事をするのだ それからしばらくしての事なのだが 俺達は無事に屋敷から抜けだしたのであった。

屋敷の外に出た俺はだな 二人の女性と共に森の奥に有る

「隠れ家」を目指して歩き始めるのである。

それから程なくしてのことではあるのだが 俺はだな。

森の中で休憩をしていたんだよ。

そうした時にだな 俺は

「そろそろ、お腹が減ってきていないかな」と。

カティーに向けて、そう言うと カティーが「はい。少しだけ お腹が空いています」と、そう言うのだ

「そう言えばさ。俺はカティの好きな料理を知らないからさ。カティの好みに合わせて食事を用意したいんだが。それでも構わないかい」と、俺がカティーに向けてそんなことを話せば

「私のことは、気にせずに 好きなものを食べてもいいんですよ」と 俺にそんな言葉を向けてくるのだ そうしたらさ。

カティーが俺の方を向いてきてだな

「カティに、私の分まで用意してもらうなんて そんな真似はできない」なんて言葉を俺に向けると。俺の顔を見ながらだな「私はですね。貴方が、どんな物を食べられるのか分からないんですよ。だから。私の方で勝手に選ばせてもらいますけど よろしいですか?」と、そんな言葉を口にしたのだよ 俺はだな。そのカティの言葉を聞いてから「ああ 任せるよ」と、そんな言葉しか発することが出来なかったわけだ そして 俺の返答を受けてから、俺の手を握ってきていたカティが「ユアンさん。貴方の為に、腕によりをかけて作らせますね」なんて言葉を漏らしていたんだ。

ただ そんな言葉を俺に対して口にした後。

カティーはだな カティアと一緒に行動しているユアンナに「お姉ちゃん ちょっとユアンさんの食事を作る為に、必要な材料を取ってくるね」と、そんな言葉を投げかけてから

「私一人でも、平気だからね」と ユアンナに向けて そんな言葉を口にしてから駆け出したのである 俺の目の前を そんな感じで駆けていく少女の姿を見送ることになってからだ。ユアンナの方に向かって

「君のお姉さん。可愛いよね」なんてことを

「はい」なんてことを カティーナは素直に答えるのだ。そんなカティーナの言葉を耳にした俺なのだが 俺と、カティーナとの間には微妙な空気が流れてしまうことになる そんな状況に陥ってしまうことになると、俺の頭の中では こんなことを考えてしまったわけだ ユアンナは、自分が俺に抱かれている姿を。妹でありカティーナの姉でもあるカティーナに見せたくは無いのではないか。なんてことをな。ただ、だとしてもだ。俺はだな。俺の気持ちは 既にユアンナに伝えてしまっているわけだし。カティーの方も、ユアンナと二人でカグヤの守り人になっている訳だから。二人が俺に恋心を抱いているというわけではないだろうから 問題はない

「あの子もさ。君みたいに、綺麗で可愛い顔つきなんだよね。カティーナも あんな風な可愛さがあるんだろ」と、俺はカティーナに そんな話題を振ってみたのである。そうしたら彼女は、顔を赤らめつつだな「えっと。私は、そこまでは。でも、私より年下なので。もう少し幼く見えるはずですよ。きっとユアンナの方が カティは大人に見えるんじゃないかと」と そんな言葉を口にしてくれたのだよ そんなやり取りをカティーナと交わしていると カティナが戻ってきて「どうしたの?何か有った?」と、そう言ってきたわけである

「いいやなんでもないぞ」俺はそうカティーナに告げてだな。

それから、カティにカティーナと、俺の三人で夕食を済ませた後だ。

カティーナと、ユアンナが一緒に入浴をしに行くことになったので。俺が二人に風呂を沸かしてくるから待っていてくれと言い残してだな。薪を取りに行こうとしたら ユアンナと、カティナに呼び止められるのである 俺に話しかけてきた二人はと言うとだな 俺のことを真っ直ぐに見つめて来てから「私達がお手伝いします」と、そう言って来たのだ。俺はそんな言葉を掛けられて、戸惑ってしまったんだが ユアンナと、カティナは俺の服を脱がせて、それから、脱

「そんなの無理に決まっているでしょう」

ユアンナの叫び声が、辺りに響き渡っている最中だ。俺に襲い掛かろうとしてきたカティーに対して、ユアンナはその手を離そうとはしない。そんな彼女を見てから、俺はカティーを抱き寄せている力を緩めることにした

「ユアンナは優しいな。君はこんなにも私に優しかったんだね」

カティーは、俺の腕の中でそう呟いていたのだよ。そして彼女は

「私はね。今まで、ずっと、この感情を抑え込んできたの。私が我慢さえしていれば。全ては上手く回っていたの」

「え?」と、俺は驚きのあまり、ついそんな反応を見せてしまう。そして

「だってそうでしょ?ユアンさんが私達を裏切れば、カティナも私と同じように。ユアンさんに対する態度を硬化させていたはずだし。ユアンナが私の分まで、その優しさを。この人に振るうことになっていたと思うの」

「うん。私にはそれが出来た」と、カティは言葉を返してくれていた。ただ、そんな言葉とは裏腹に 彼女は俺の頬に手を伸ばしてくるのである。そして

「それに、ユアンナも。カティーナが暴走しないように。自分の心を閉ざして抑えつけていたことも分かっているから。だからこそ、貴方の事が心配だったの」なんてことを口にする ユアンナとカティーナの二人共。同じ考え

「お父様の命令に逆らえない」と 俺は、そんな事を聞かされてもなお カティアから聞かされた情報から カティーナのことを守りたいと思ってしまった。それはだな。俺の中に居る もう一人のカグヤのことが影響をしているような気がしてしまうのである。そんな事を考えているうちにだな。いつの間にか、俺はカティに対して「カティ。愛しているよ」そんな言葉を発してしまっていたのさ するとだな。そんなタイミングで、カティアが「やっぱりね」なんて言葉を俺に向けてくるのだ。そんな言葉をカティアは口にした後に 俺達の方に近づいてきてだな 俺達に声を掛けたんだよ

「そろそろ時間が来たようです。お迎えにあがりました」と 俺はカティーから手を離してから。

「わかった」と、一言だけ伝えて その場から離れることにしようと思ったのさ。

そしてだな。

カティーナに抱きつかれた状態で 俺は、この部屋から出て行ったのである。その際。ユアンナに「また会いましょう。ユアンナ」なんて言葉を カティーはユアンナに掛けたのである。そして俺達3人は そのまま建物の外に向かって歩き出すことにしたのだ 建物から出て行く途中で、だな。俺は カティーの背中を見ながら、だな カティーナにこう伝えたのだよ

「さっき、カティにさ。愛しているって言葉を伝えただろ。俺の今の心境を話すとだな。俺が、カティのことを好きだから その好きっていう気持ちを込めてだな」と そんな言葉をカティに向かって俺は話すのだよ そうした言葉を受けてから。カティーは「はい」なんて言葉を漏らすと それから 俺はだな。カティと手を繋いで歩いていくことになるのだが。俺はカティーナに、だな。これからの事について話し始めると ユアンナはだな。俺の話を黙って聞いていたのだ。

それで、俺の話が一通り終わってから

「私、ユアンさんを。カティの婿として認めさせていただきます。それとですね。私に、貴方と。カティとの時間を少しばかりください」と、ユ

「はい」

ユアンナはカティーに返事をして 俺の左手を握ってきたんだよ

「カティーも、私の大切な家族ですもの」なんて言葉を、ユアンナは発していた

「カティーは幸せ者だな」なんてことを 俺は思わず口に出してしまったんだが。そんな感じで 俺達は建物を後にしたのであった。そして、だな。ユアンナと 俺。そしてカティーナの三人が合流した時点でだな ユアンさんと、カティが二人で歩いていく姿が見えるわけだ。俺は、カティーのことをユアンさんに託してだな。その二人の後ろ姿を見ていたのだよ

「良かった」と、俺が漏らすと同時に カティアと、カティーナの姉妹二人はだな。仲良く二人で手を繋ぐと

「さぁ、私たちも行きますよ」と、そんな言葉を俺に掛けてくれたのだ

「そうだな」と、言葉を返した直後 俺はユアンナと、カティーナの手を握るとだな。そのまま 俺たちの泊まっている場所に向けて、移動を始めたのである。

俺達が向かった先はだな。以前 カティとカティーナ姉妹が宿泊した宿屋ではなくてだな。俺達が、今日宿泊している宿の食堂に向かったのだ。

ただ ユアンナと、カティーナの2人が一緒に行動していることは。まだ

「お母様に知られたくない」そんな思いからか。俺は ユアンナとカティーナに、俺の考えを伝えようと 彼女達と別れることに決めたのだよ ユアンナとカティーナと 別れた後 俺はだな。一人きりで行動する事に決めたのである。そんなことを思案しながら、だな。俺とユアンナは、宿にたどり着くと、カティーナが既に到着しており、そして その横にユアンナの姿があったわけだが。俺はユアンナに目を向ける すると

「ご主人さま 申し訳ありませんでした」

カティーナは、俺に頭を下げてから謝罪をしてきたので 俺は彼女の頭を上げるようにお願いをした

「大丈夫だぞ。それに、俺は気にしてもいないし」と、そんな感じで 俺はカティに話しかけたのだ。そんなやり取りの後でだ。ユアンナとカティーナが、お互いの名前を教え合う流れになり そしてだな。カティーはだな

「改めて 私はカティ。宜しくお願い致します」

「私はユアンナと申します」

2人の自己紹介を、カティーは笑顔を浮かべながら受け入れてくれたのである。その後はだな。ユアンナはカティーと楽しく会話をしていた。それから程なくして ユアンナは俺の方を見ると カティーナに話しかけた

「カティは、この後はどうされるのですか?」と そんな言葉

「私? えっと、そう言えば私。何も考えてなかったかも? えっとね、取り敢えず今は。お腹空いたの」

そんな言葉をカティーナが告げると

「それなら 食事にしませんか?」なんて言葉をユアンさんが告げてきた そして俺はと言うと 先程の出来事を思い出すと このまま何事も起きないはずがないよなと思いつつ ユアンさんにこう言葉を投げかけたのである

「ユアンさん。ちょっと良いかな」と、俺は言葉を掛け それからだな。俺と、ユアンさんの二人っきりになると まず俺は ユアンナが居る前でだ。俺の口からは言いにくい事をだな。

「俺は君を始末するつもりだった」と、そんな事実を伝えることにしたのである。俺の言葉を受けた ユアンナはだな

「貴方の事は調べさせてもらいました。ですので。私が、貴方の事情を知っていることはお見通しなのでしょう」

「ああ、それでだ。君の事を殺さないといけなくなるかもしれない」なんてことを、俺は彼女に言葉にしたのだよ

「はい」と、ユアンナが返答すると 俺は言葉を続けた

「でも 今は何もしない」と

「どうして?」と、彼女は不思議そうな表情を見せると 俺は、ユアンさんの顔を見つめて

「理由は分からないけれど。何かが変な動きをしている。そんな気配がしているんだ。それを確かめないと。俺は、この世界を救いたいと考えているんだ。だから、その邪魔をする奴を。俺は許せないと思っている」と、そんな言葉を俺が口にしたらだな ユアンナは 真剣な眼差しを見せて「ありがとうございます」

そんな言葉が、ユアンナから聞こえて来たので 俺は「じゃあ。俺が伝えたいことは終わりだ」と、そんな言葉を口にしてだな 部屋に戻ることにしたのさ。その帰り道で、だな。俺の横を歩くユアンナがだな

「カティーには伝えておくわ。カティも貴方の味方になってくれると思うし」と、俺に話してくれた そしてだな。部屋に戻ると カティーがだな。俺の目の前に現れたんだよ カティはだな

「カティが貴方と一緒に居るのを許してくれて、本当に嬉しかった。それに、カティの気持ちが聞けて良かった。これからも、よろしくね」と、カティが言葉にしてきやがった 俺は「ああ、こちらこそ。よろしく頼むよ」なんて言葉しか 俺は口に出すことができなかったのであった それからしばらくして

「ユアンナさん。カティーは、カティは幸せ者ですね」と、そんな言葉をユアンナさんが、俺に向かって言うものだからさ。俺は「そうですかね」なんて言葉を漏らしてしまうのさ それからだな。俺は、カティーと。ユアンナと、3人で食事をしてから 眠ることになったのだが 俺はだ

「明日のこともあるし。少し寝るか」なんてことを言って 部屋の中で、一人で眠る事にしたんだよ そして翌朝だ ユアンナはカティアと共に宿を出発する前にだな。俺の部屋を訪れるなり 俺に向かって、「おはよう」と言ってくるのだ

「ユアンナ。カティーを頼む」と、俺は言葉を掛けると

「わかっている」と、ユアンナが言葉を返してくれて

「行って来ます。カティの事を頼みますね」と ユアンナは俺に対して挨拶を交わした後。

カティを引き連れて宿を出て行ったのさ そんなわけで 一人になった俺は 朝食を取ることにしたのであった その後 食堂に向かうと そこにはユ

「あれ?」なんて、そんな声を出すことになるのだが。そこにいた人物が 昨日、宿屋の前で俺に絡んできた女だったのだ その人物とは だな。その女性の名はリザ 彼女はだな。食堂に入るとすぐに俺を見つけ出すと こっちに向かって来たのである 俺を見つけた途端に駆け足になり。それからだな 彼女は、俺の元に辿り着くとだな 俺の服を両手で握りしめてきてだな。

そんな状態で「お姉ちゃんを助けてください。お願いします」って言葉を漏らしてきたんだ。俺としてはだな。彼女がなぜユアンナの事をおねえたんと呼ぶのか?とか疑問があるんだけどもだな それよりも今は

「助けて欲しい。どういうことなんだ?」なんて質問を、彼女に向けて行う事にする するとだ 彼女は

「私、もうダメなのかなって。諦めちゃうところなの」そんな言葉がリディアの口から出て来ると、彼女はだな。泣き出し始めてしまうのであった。ただ、だな。ここで泣かれても困る。周りの視線も有るわけだし。俺は「とにかくだな。場所を変えよう」そんな感じで、俺とユアンさんで相談をしてだな。取り敢えずは彼女の要望通り。この場所を離れようと、そんな考えでいたのだ。そしてだな。場所を変える事になった俺達なのだが 場所を移すためにだな。俺達は移動をした。それから暫くしてだな

「ここら辺なら、人も居ないし 大丈夫だろ」と、俺は、ユアンさんに声をかけると

「確かに、誰もいない」と、ユアンさんが言葉を漏らしたので

「よし、じゃあそろそろだな。説明してくれるか」なんて 俺が口にすると ユアンナが こんなことを言い始めたのだ

「私は貴方にお礼を言いたかったんです。カティの願いを聞き届けてくださり、本当にありがとうございました」なんて言葉を俺に伝えてきたのである。俺はそんな言葉を聞いてだな 俺はユアンナに「ユアンナは。どうして俺の側に居てくれるの?」なんて 俺は言葉を投げかけることにした 俺の言葉を受けてユアンナは 真剣な表情を見せてくるとだな 彼女は、俺に向かってこう言ってきたのである

「貴方に恩を返すためなんですよ。あの子のために命を張って戦ってくれた事に感謝をしなくてはいけないと思ったのです。私も、あの子を守れるように強くなろうと決めました。そしてですよ。貴様の力になれればとも思いましてね」と、彼女は、俺に言葉を掛けてきたのだよ 俺が「なるほどね」と、口にすると 彼女の表情が一変してだな

「はい。カティには私の血が混ざっているんです」と そんな感じの発言をしてきたわけで

「へぇー。そうかぁ。それならだな」

そんな感じで俺は言葉を返した。そしてだな。

「ところで お前の両親についてだけど」と、そんな風に言葉を投げかけるとだな ユアンナが「はい。父については何も分かりません。母についてもです」と、そう返事をしてきたのでだな。俺は「そうか。なら、カティーの事はどう考えている?」と、ユアンナに言葉

「私の娘であり大切な娘だと認識していますよ」と、そんな答えがユアンナの口から出てきてな そんなやり取りが終わりを迎えると。ユリアンさんとカティアが一緒にやってきたのだよ そしてそんなタイミングで だな。カティアは俺に抱きついて来たのである。ユアンさんはそんな光景を見守りながら ユアンナは、そんなカティアに「カティア、嬉しいのは分かるけどね。まずはユアンナと話をしてからね」と、そんなことをユアンさんは告げたのだ そしてだな。ユアンさんの話を聞いた俺はだな カティーの頭に手を置いて 優しく撫でてから言葉を掛けることにすると そんな流れがあってから

「カティアの気持ちは分かった。ユアンナの事も任せるからさ。仲良くしてあげてくれ」なんて言葉を俺が伝えると ユアンは笑顔を浮かべながら「ありがとう」と、そんな事をカティーに伝えたのである

「ありがとうございます」

カティーがそんなことを言い出してから数秒後の出来事だった ユアンナが「あら、もう行かれるのですか?」なんて言葉を漏らすとだな

「えっと、その。ちょっと、色々と用事があるので。今日は失礼させていただきます」なんて言葉を口にするユアンは、俺の方に近づいてきてだな。

それからだ。俺は、ユアンさんと一緒に行動することになるのだが 俺

「ユアンさんは、どうしてこの街に来たんだ?」なんて言葉をユアンに投げると

「それはね。カティアに呼ばれたからかな」そんな回答を俺に向かってするのであった そんなわけでさ。俺はだ。カティーを部屋に連れ込む事にしたんだが そんなわけで、俺は、カティーを連れて部屋に戻る事にしたんだよ 部屋に戻ると、カティアがだな 嬉しそうな表情を見せるの

「ありがとう。私を助けてくれただけじゃなくて。お母さんを助けようとしてくれたんでしょ。私の為に」なんて言葉を漏らして そんな事を俺に向かって言ってきやがったのさ 俺が「気にすんな」と 言葉を口にすると

「うん。でも、それでもありがとう。大好き」

カティーは俺の顔を見ると そんな言葉を、俺に向かって伝えて来やがったんだよ。俺としてはさ。そんな言葉を貰えて嬉しかったわけだが そんな感じで、部屋に戻ってからの俺とカティーなんだよ で、俺達が戻ってからはだな。

「カティー。俺はだな。君と出会ってからもの凄く幸せだと思うよ」と、

「本当なの? カティと一緒に過ごしている時間の方が長かったからじゃないよね?」と、そんな言葉を彼女は俺に向けて発してくるのだが 俺はだな

「そんなことは関係ない。俺はだな。カティーの事が大好きだ。それだけで十分さ」と、そんな言葉を彼女に俺は伝えたのさ 俺の言葉を聞いたカティーはだな 嬉しそうにして それからだな 俺の腕に自分の手を絡ませてだな。腕を離さないという意思表示みたいなものを俺に向けてくるのだ なので

「俺はだな。これから先もずっとカティーと一緒だ」と、俺が言葉を吐き出したら

「カティーもだよ」

彼女は俺に向かって そんな言葉を返してきたのであった まあ そんなやりとりを終えた俺は その後 少しの間だけカティーと過ごしていたんだけど しばらく時間が経つと カティがだな こんなことを言い出すのであった

「ねぇ ユウくん。お風呂に入りたいんだけど。一人で入りたいんだけど」

なんてことを俺にカティは言って来ていて そんな彼女に対して俺は

「いいぞ」と、俺は、彼女の要望を受け入れることにした 俺がそんな言葉をカティアに告げると

「わかった」なんて

「着替えは用意してあげる」と、そんなことも彼女は口にしたのだった。俺はだな。とりあえずだな。

それからだ。俺は一人になることができたわけなんだが 俺はだな。この機会に だな。部屋の中を物色することにしたのである そんな訳でだな。俺はだな。室内の家具類をチェックしてみたのだけれど そんなことをしていたらだな。棚の中に 俺の見覚えのない物が入ってたのだ。で その物体を手に取って確認してみると それがだな

「なんだこれ?」と 俺の手にはだな。黒い板のような何かがあったのだ そんなわけでだな。俺はその黒い物体

「これがだな。例のアレなのか?」

そんなことを考えながらも 取り敢えず俺は、俺自身が持っているスマホを取り出そうとしたのである。そして俺は、俺の服の内ポケットを弄るのだけど そこに、俺はあるはずの感触を感じないのだ で

「嘘だろ。なんで無いんだよ」と そんな言葉が俺の口から溢れ出た。だってだな そんな感じの状況になってしまえば誰でも焦るはずだ

「マジでどうしようか」と 俺は頭の中でそんな言葉を吐き出すことしかできなかった そんな状況になってしまったので

「どうするか」ってのを考えるしかないのだが 俺の手持ちのカードの中にはだな 俺の身に何が起きたのか?その原因について解っている事と言えばだな。俺の所持品を誰かが盗み出していたということだ 俺が所持している物は財布にスマートフォンそれに鍵とだな。他には俺の衣類くらいしかなかった

「うーむ」なんて言いながら俺は頭を悩ませる そういえば

「そういやさっきカティーは、自分でお湯を入れてこいなんて言い出してたんだが そうか、そういうことだったのか」

そうやって

「なるほどなぁ。それならだな。俺にお鉢が回ってこなかった理由も分かるわな」と、俺の口から出た言葉である で、俺の部屋の外に出てからだな。俺にカティーは

「私はユウ君の事を待っていたんだから」とか何とか、そんなことを彼女は言っていたのだが そんなことよりだな。俺は俺でカティーが入れてくれたお茶とクッキーを食べて、一息ついているわけなのだが

「さてと、ここから出る方法を考えてみるか」

そんな感じで俺は考えることにしたわけである 俺の考えがまとまったタイミングでだな ユアンさんとカティアが部屋にやって来たのである そして俺は

「ああ 二人とも。待ってくれていたのかい」と、そんな言葉を告げると 二人は「はい。待ちます」と、カティアが返事をしてきて

「そうだね。ユアンはもう少ししたら行くけど。それまでは一緒に居るつもりだから」と、ユアンさんがそんなことを口にしてきたのである そうして 三人で雑談をしていたら そんな時だった。ユアンがだな

「それじゃあ、そろそろ行こうか。ユウ君。案内してくれるかな」なんてことをユアンが口にしてきたのだ

「おう 分かったよ」と、そんな感じで ユアンさんと一緒に、俺は、ユアンさんに付いていく

「そう言えばさ ユアンはこの街には詳しいんだよな」

「そりゃね。ユアンナに教えて貰ったからね」

「それでだな。何処に向かえば良いんだ?」と、そんな感じで俺は、ユアンに話しかけたのである そんな流れから俺とユアンさんでだな。街を歩いて回る事にして まずはだな。俺はだな。この街に詳しそうなユアンさんに道順を聞く事にしたのだ

「んっとね。まずはさ あの建物が図書館だよ」と そんな言葉をユアンが俺に向かって言って来たから「へぇ 図書館もあるんだな」と、俺はそんな事を言葉にしたのさ そんな流れから俺達はだな

「あれは?」

「うん あれは、市場。食材なんかはあそこで手に入れるのが良いんだよ」

そんな感じの会話をしながら俺とユアンさんは歩く で 暫く歩き続けるのだけど

「ねえ ユウ君。一つお願いがあるんだけどさ」と、そんなユアンさんからの要望を俺は受けた ユアンさんのそんな要望は「今日、私の買い物に付き合って欲しいんだけど。いいかな?」と まあ、そんな話であったのであった。俺はユアンさんにそんなことを言われてだな

「俺に出来る事であれば何でもするぜ」

と、そんな言葉を俺が漏らすとだな

「ありがとう。じゃあ私と一緒に買い出しに行くことに決まりね」と、そんな風にユアンが言葉にしてだな 俺を市場に誘うと

「さてと、じゃあ さっそく、今日の夕飯の材料を買って来ようと思うんだけど 何を買うのが美味しいのかな?」と そんなことを言い出した

「ん? それは俺に聞かれても分からないな。俺はだな。普段 スーパーで適当に食料品を買い込んでいた人間だしな」

そんなわけなので

「ふーん じゃあさ 私がいつも買って来ているものを買ってきてくれるとありがたいな」

と、そんなことを言ってくれるユアンさんなのであった。それから俺とユ

「で、俺達もだな。あの、市場で買い物をすることにしたのだよ」と、俺はユアンにそんな説明をする

「私も行ってみたい」と、カティアは、そんな言葉を俺に対して漏らして来て

「まあいいか」

「ありがとう。ユウ君。で、そのついでにで悪いんだけど、今度また。私と一緒にデートにでも出かけてくれないかな」と、そんな感じの話を俺に向けてくるのだ。俺としてはだな

「お誘いの件なんだけどな。俺はお前の事を異性として好きだから、別に、俺の方は、カティーのことが嫌いじゃないし。俺としては問題無いよ」と、そんな言葉を俺は口にするとだな。カティーは

「やった」と、そんなことを言い出すのだ そうして、俺はカティと一緒に、市場の野菜類を取り扱う店に向かったのである で、俺はカティと一緒だとだな。俺はついつい 彼女に視線を奪われてしまうのだが

「もう 仕方がないですね」

「えっと、その、ごめんなさい」と、そんな言葉を俺がカティに伝えるとだな。彼女は笑顔を見せてくれたのである。で、そんなこんなで 俺がカティと手を繋ぎながら歩いているとだな。当然だが俺がカティを連れて歩いていると言う事実に気がついた連中が、俺に殺意のこもった眼差しを向けてきたりするのだが。俺は

「なんだよ 文句があるならかかってくれば」と、そんな風な言葉を俺は発したのであった そんな感じで俺が周りに対して敵意のオーラを放っていると

「そんなに殺気を飛ばしていたら駄目ですよ」

と、俺のことを注意してくれるのである。俺が

「すまんな。で、これからは俺のことを守ってくれるのかい」

と、そんな俺の質問を俺がした訳なんだが。それに対してカティーがだな。こんな言葉を伝えて来たのだ

「当たり前じゃないですか。私が貴方の事を守ります。絶対に守ってみせます」

「そうか。それなら安心できるな」

「はい」

「カティー」

「はい。なんでしょうか? ユアン君」

そうやって カティーがユアンの言葉に反応したので。俺は彼女の名前を声にするのを辞めたのだけれど カティーはだな。自分が呼ばれたと思ったようだ で

「うーむ。まあ いっか。今は買い物の続きを楽しみましょうかね。カティーちゃん。それで、何が食べたいの?」と ユアンはカティーにそんなことを尋ねたのだが。俺もだけれどだな。カティーはだ。今までに料理の経験なんて一切無いので、答えられないでいたわけだが。カティアに関しては カティアが ユアンさんに向かって

「カティナ。カティナの得意なものを教えて」と、そんな感じのことを言ったのだよ。そんな風にカティアに言われたユアンさんは「うーむ。カティアの好物かぁ。そういや聞いたこと無かったわ」と、そんな事を言っていた。で、だな。そんな流れの中で俺は

「俺的にはだな。俺はハンバーグが食べたいな」

と、そんな感じにだな。そんな事を俺は口にしたのである

「じゃあ それにしようか。それと他に何か買っておきたい物とかあるのかな?」と、ユアンさんは、俺に対して尋ねてくるのだが。俺はだな。「カティーが作るなら何を食べたいとかはあるのだろうか」と、カティーにもそんな事を尋ねることにしたわけだ。そんな流れから俺はだな。カティーと相談しながら、カティアと一緒に買い物を進めることになったのだが 俺達は市場にある八百屋で野菜を仕入れる 俺は ユアンにだな

「で、どうすればいいのか教えてくれないかい」と、そんな感じで頼んでみる ユアンはだな

「うん。そうだね。ユウ君の方は、私の方に任せて貰えるかな」

と、そんな風にユアンは俺に言ってきたのである。だから俺はだな

「分かった。じゃあ 俺の方は任せてもいいかな?」

「もちろん。私だってさ。それなりにはね」

「頼りにしてるよ」と、俺はユアンさんに伝えておくと

「ユウ君はさ。少し休んだ方がいいんじゃないかな」と、そんな風にユアンさんは言ってくるのだ。そんな流れからユアンさんは

「ちょっとした買い物をしてきますから。その間、カティアと二人っきりにさせますけど、浮気なんてしちゃダメですからね」なんて事を口走るのだ

「いやまあ。確かにさ 魅力的な女の子だけどさ。流石に、ユアンの頼みは断れないだろう」と、俺はそんなことをユアンさんに伝えた訳なのだが そんな言葉を受け取ったユアンさんはだな。こう言ってくれたのであった

「私としてはね。やっぱり 私にだけ甘えて欲しいから。その辺は分かってね」と、そんな言葉を俺は受け取ることが出来たのでだな。「おう 分かった」と、俺はそんな言葉をユアンさんに向けて返すと 俺達は別れた ユアンさんが居なくなった後で俺は

「ユアンさん。俺達のことを見守ってくれているんだよな」と、そう口にしてからだな

「まあ、とりあえずだ。カティアの事をしっかりと見てあげないと」

そんなことを考えてから。まず、俺がした行動と言えばだな。カティの肩に手を置いてだな

「えっとだな。お前が俺の為にご飯を作ってくれるんだろう? じゃあ お前がどんな感じの味覚を持っているのか、そして、俺が何を好き好んで食べるかをさ 一緒に確かめていきましょう」と、そんな事を俺はカティアに対して伝えると

「は、は、はい」と、彼女は言葉にして、体をガチゴチンと緊張させていたのだった。で、だな。その後の流れとして俺はカティアの手を握ってから歩き出す事にしたのだ

「カティは何処に買い出しに行くつもりだったんだ?」

「ユウ君と二人で買い物に行きたかったんです」と、カティーは言葉を俺に向けてくれていてだな 俺もそんな彼女からの言葉に対して「そっか」と、そんな言葉しか返せなかった それからしばらく 市場の通路を歩くとだな。当然だが 市場では 様々な食材を扱うお店があったりするのである カティーはそんな店内に入ってだな。そこでカティーは野菜を選んで購入していたのである で、俺もだな。俺の方も、市場で野菜を買っていたわけなんだが。俺が買ったのがだな キャベツとレタスとニンジンと、そんな風に野菜を購入してから。俺とカティは

「なあ、今更なんだが。本当に、カティのお母さんとカティアが親子だとしてもだな。俺の勝手な意見なんだけども。カティが俺の家に来ている事実を 俺が親父さん達に告げなくて良いのか? 今のままじゃあ駄目なのか?」と、俺はそんな感じでカティアに問いかけたのだが。カティアの表情を見て俺は察する ああ。多分だけれど 俺に余計なことは伝えたくないと思っているんであろうことが カティアの瞳を見れば なんとなくだが分かる なのでだな。「分かった。これ以上は何も言わない」と、俺はそんなことをカティーに対して伝える

「ありがとうございます」と、カティーがそんな言葉を口にして 彼女は俺に微笑みを見せてくれたのである

「お肉はどうしますか? ユアンさんがですね。お店を紹介してくれるそうなので。そちらで買えばよいですか?」

「ユアンさんの店ってどこだ?」

「えっとですね。ユアンさんが言うにはですね。市場の裏側の方のお店でですね。なんでもですね。そのお店のオーナーとは、仲が良かったらしくてですね。そのオーナーがやっているお店がですね。お肉を売っているらしいんですよ」

「へぇー。でも 俺が行くにしてもだな。カティと手を繋いで歩いていては目立つよな」

「大丈夫ですよ。ユウ君は私が守りますから。安心してください」と、俺のことを見つめながらそんなことをカティーは言い出してくる で、俺は カティアと手を繋ぎながら買い物をする為にだな。ユアンの案内の元。俺達は市場に裏側に回るとだな。そこは人の姿も殆ど無くて。そんな場所の片隅にユアンが俺達に紹介すると言ってきた店が存在したのだ カティとカティアと手を繋ぎながら、ユアンが連れてきた店に向かうのだが。ユアンの紹介してきたお店に到着するまでの間でだな。カティーのことを心配している連中がいたのだが。カティーはだな。そんな連中を相手にすることも無くてだな。

「私に何か用があるんでしょう? ただ、今は貴方達が興味を持つ様なことは話さない。今はね」と、カティアが呟いていたのだが。まあ 俺達のことを守る為なのかも知れないけれど。ただな なんか。そう言ったカティアの声が、カティアが言ったこととは思えないくらいに怖いものだったからさ。そんな彼女の様子を見ていた俺はだな。彼女にそんな風になって欲しくなかったから

「おい あんまり無理をしたらいけないぞ」と、俺はカティアに声をかけるとだな

「別に私はなんとも思ってませんから」とだけ彼女は言っていた まあ。なんだかんだとあって俺達は店の前に到着したわけなんだけれどさぁー ユアンさんの紹介してくれるという店の前にたどり着いた時。俺はふと思うことがあったりもするのだよね。ユアンさんから事前に教えて貰った情報ではだね。このお店のオーナーである人はだね 元々はユアンさんの実家にいた料理人だったらしいのであるよ。それでだね。昔はこの辺りで暮らしていたこともあったらしくてだね。だから俺達は、この場所で営業しているお店を紹介されたんだと思うんだよねぇー たださぁー そうするとだよぉー? そうなると考えられることが出てくるのだよ。

「なあ ユアンさんが言っていた、俺の知らない間に俺のことを知っている人がやっているって言ってたのって。つまりさ ここに居る人達がやっていたりするのかな?」

「どうでしょうね。少なくとも私やあなたと同じ人種ではないはずですから。きっと違うんじゃないですかね?」

「そ、そうか」と、俺とカティーが会話を交わしていたところで

「いらっしゃいませ」と、俺の目の前に立っている女性からそんな声をかけられたので俺は「どもっす」と、そんな言葉を返したのだ そんな風に俺は言葉を返してから。カティーと二人きりで食事をするという経験は過去にもあったりしたのだ。だからこそ、

「今日は何を食べるかなぁ」と、そんな感じで俺はカティアに向かってそんな風に話しかけることにしたのである で、だな。俺はそんな風に、カティアに話しかけてから。カティアとカティアと一緒に買い物をして。俺とカティは二人っきりの時間を過ごすことになったのである で、俺は思うのだ。もしもの話なのだけれどもさぁー?ユアンさんが言ってきた人物達の一人だった場合さ。ユアンさんが紹介したお店でご飯を食べようとしている状況というのは、なんだかさ、その人の作った料理を頂くと言うことになるんだろけどさ。やっぱり気になるよねぇ~と

「そう言えばさ。さっきのあのお店に居た人達はだな。どんな食べ物を作ってくれたんだろうな?」

「ユウ君は何を食べたんですか?」

「いやまあ。俺の頼んだものはハンバーグだな。ユアンさんから紹介して貰えるって聞いてたから 俺はユアンさんのお勧めメニューを頼んでみたんだけども。あれは結構美味しかったぞ」

「そ、そうなんですね」

「カティアの方はどうなんだ?」

「わ、私の方ですか?」

「そうそう」

俺の質問を受けたカティアは少し悩んだ後にだな。彼女は俺のことをジッと見つめて来てから。そして

「えっと、私が選んだ物はですね。えっと、サンドイッチみたいな物でした」と、カティアはそんなことを俺に向けて言うわけなのだ

「サンドイッチ。それじゃあ 一緒に食べるとするか」と、俺がカティに向けて言うと カティがだな

「え、えっと、ええええ、ユウ君の食べたい物をお願いします」と、カティアが俺に伝えて来たのでだな 俺は「そうだな。俺が頼むのは」と考えを巡らせてみる で、俺が食べたのはハンバーグだったのだが カティアが選んだのは 彼女が選んできたものよりも一品少ないサンドイッチだ なので俺はカティアの分の食事を作るために。まずは野菜を選んで カティアのお母さんに頼まれたように野菜を使って野菜炒めを作り始めたのだ そして、出来上がった野菜炒めとカティが作ったサンドイッチを交換し合うことにした 俺とカティアは、お互いが注文したものを交換することにしてだな。交換し合ったのだ そんなこんなありまして。俺とカティーは野菜炒め

「うん。なかなか良い味になっているな」と、俺は口にしながら。俺の隣でカティの作った方のサンドイッチを手にしているカティアに向けて

「野菜を煮込んだ時にだな。水分が多くなって味を濃くしてしまわない様に注意したほうがいいかも知れませんね。野菜の量にもよりますけど。でも、俺的にはですね。味付けはもう少し濃い方が好みですね。でだな 野菜はですね。火の通り加減も大事だと思うんですよ。こうやって、ある程度は歯ごたえを残しておきつつですね。火はしっかりと通すっていう、そんな調理方法が、俺には一番合っている気がするわけですよ」

なんてことを言い出して。そんな俺に対してだな

「えっと、ユウ君が言うには、お鍋でお湯を沸かした後に。その中に入れている食材がだぶつかない様に入れておくことが大切だと言ってましたよね?」と、そんな言葉をかけてくれるカティアの言葉に俺は笑顔で答えることにする 俺とカティは、お互いに自分が食べていたものを相手から差し出されてもだな。特に気にすること無く普通に口に入れると。俺の作った料理を

「んー、これはこれで悪くないと思いますね」と、そんな感じで

「ああ。俺はこっちの方が好きかもしれないなぁ」

「私はこっちのが良かったです」

と、

「まあ 俺が言うのが正解かと言われれば。俺の考えが正しいのかは分からないけどな」

「いえ。私だってそう思いますし。それにですね。このお店に来てから。ユウ君は自分の好きな味付けの話を私にしてくれて、その話を私は覚えていて、私が知っている中で。お店で出す料理を作れるか試したりしていたんですよ」

そんなことを言われてしまうとだな

「そっか。ありがとうな。そのおかげで 今日のご飯は美味しく食べられてる」

俺は素直にお礼を言ったわけなのだよ

「ふふっ 私はユウ君と一緒に食べられるから。ユウ君とお話をしながら、一緒に食べられるなら 何でも楽しいのですよ」

俺はだな。そんな風に言ってくれるカティの姿にだな 嬉しさを感じたから カティアのことを抱き寄せると。俺はそのままの体勢で カティアのことを抱きしめていたのだ それから暫くしてだな カティと俺の前にユアンさんが現れてくれたのである そんな風にユアンさんが現れたのを見て、カティアとの食事を邪魔されて少しだけ不機嫌そうな顔になっていた俺であったが。ユアンさんの様子を見て 俺達の方に近づいてきてくれたユアンさんが俺達に話しかけてきたことで、俺は、ユアンさんが俺とカティアが一緒の食事をしているのを見に来たということを理解するのである そう言った理由で俺達の元まで

「お楽しみのところ失礼いたしました。それと、この度は、私の紹介させていただきました店に来ていただいて感謝致しております。おかげさまをもちまして、こちら側の方も、無事に店を開くことができて、お客様にお出しできるほどの商品が用意できるようにまで至ることができておりまして」とか何とか、俺達に向かって言ってきたのである。そんな風に挨拶をし終わったところで

「ユアンさん。俺達が食事をする前に言っていた このお店に勤めている料理人の方々はユアンさんの紹介ですか?」

「はい そうですね。私はそのようにお願いさせてもらっておりました。ちなみに、その料理人の人達は、私の知人でもあり。友人でもある人なのですが。私の頼みを快く引き受けてくれて。こうしてお店をオープンしてくれたわけなのです。ただまあ 料理人の人数が、三人というわけでは ありませんので。一度に全ての食事を出せるだけの数のお店を回れるようなことはできませんからね。お二人とも その辺は承知でいて下さいね」

ユアンさんが俺の目の前にいる女性達のことを 俺達に向かって説明してきたので 俺もユアンさんに言葉を返そうと思って「分かりました」と答えた 俺がユアンさんと話している間に ユアンさんと話しをしていた女性がだな ユアンさんが言っていた 女性のうちの二人に目を向けると。彼女達は俺の事をじっと見つめてきていたので。俺は、

「あの、どうかしたのでしょうか?」

なんて声をかけてみると

「えっと、貴女はユウ君って呼ばれていましたっけ?」

「はい。それが何か?」

「あの、私のことを呼んでみて貰えないかしら」

え?なんだろう 俺はそう思ってしまってだな

「あぁ、すみません 名前を聞いていなかったですね」

俺がそう言うとその女性はだな。「あら?そうなのね。うっかりしてしまったわ。えっと、わたくしの名前はルチアと言うの。どう? よろしくね」と、そんな自己紹介をしてくれるとだな。隣にいた女性が俺と視線を合わせるために腰を落とすとだ

「わたくしの名は、アイーシャといいますわ。わたくしもユアンちゃんと同じく お姉さんと、わたくしのことも、わたくしのことを愛称で呼ぶなり何なり 呼び方は自由に決めていただいて構わないわ」

「はい そう言うことならば、お二人の事はこれからはそう呼ばせて頂きます」

俺と、カティーの会話が一段落したところでだな ユアンさんと俺の目の前にいる二人以外の人達は それぞれ自分の仕事をするために 店の中に戻って行ったのだ そしてだな。俺達の前で俺達に話しかけて来た人達は、だな。自分達がユアンさんから紹介されて。

「お店に来てください」と、ユアンさんの口から伝えられた通りに俺とカティアの二人がやって来たということを確認できて 満足しているみたいだぞ そしてだな カティアのお父さんも俺達の側に居たんだぞ。そんなカティアのお母さんはだな。カティアのことを見つめながらだな 優しい笑みをカティアに向けてから

「カティア」と、そんな言葉を口にして カティアのことを呼び捨てにしてから 彼女の頭に触れようとしたのだが。しかし、そんな時だな。ユアンさんが「えっとですね。今カティアちゃんは髪の毛を結っている最中なんですよ。そんな状態のカティアちゃんに頭を触るのは、あまり良いことと言えないのです」なんて言うもんで そんな感じに 俺は、だな。さっきから思っていたことがあるのだが。それを つい口に出して呟いてしまった 俺は「えっと どうしてですか?」と、疑問の声を上げてみるとだな 俺がそんな風に言った後に。すぐに答えてくれた そしてそれに続いてリディアの母親である人が教えてくれた そしてだな。ユアンと話をしている時に そんな風に疑問を抱いたりしたら そんな風に聞かれたりするかも知れないが。でもな。それは、その時になったら、きちんと聞いてくれれば、それでいいことだと思わないかね?」と 俺に対して、優しく

「まあ、私も ユアンの意見に賛成なんだけどね」と、そう言葉を付け加えたうえでだな カティアのお母さんは「カティアの髪型が崩れないように ゆっくりと 丁寧に、時間をかけて髪を洗っていくようにしましょうね」と言ったので 俺もその意見には賛成なのだけれど。だけどな そんな言葉を聞かされたのだから

「えーと。そんなことを言われても。じゃあ とりあえずカティアがどんな格好をしているのかだけでも見せてもらえませんか」

「えっと。そうねぇ。今はこんな感じの服を身につけているのよ。カティアちゃん」

そんな言葉と共に、だな。カティアの母親が着ている洋服の一部分が見えたので 俺とユアンさんと、カティアと ユアンさんのお店の従業員の人達。それから リリアさんの父親である人にだな。その部分を見せた するとまあ 皆の反応は同じで そんな反応を見せられたのが恥ずかしかったからか。もしくは 照れ隠しか分からないが「もう、お母さんは何を言っているんですか?」と口にしながら そんな言葉を発した

「でも 本当に可愛らしくなったわよね」と、そんな言葉を聞いた俺はだな

「カティアは、昔から カティアが可愛いのはよく知っているんだよ」と、そう言ってやったのである そんな風に言い合っているカティアとカティアの母親の姿を見ているとだな。なんだかな この親子を見ていて俺は カティアが今まで生きてきた 長い年月の中で、ずっと大切に育てられてきたんだろうなぁ って、感じたわけだよ

「まあ そういうことですので。お客さまがこのお店に来ることは問題ないと思うんですよ。あとは そうですね。ユアンちゃんのお店で料理を出すにあたって ユアンちゃんのお店では料理を出さずに、この店にお客さまを呼ぶと言うことはできますか?」と、そんな質問を俺に投げかけてくるものだから

「う~ん。多分 できるとは思うよ。ユアンさんが俺に頼んできたのはあくまでも。カティアとユアンさんのお店が一緒になるのはどうかと言う話を持ってきただけだからな。ユアンさんのお店を、俺達が営業していて。ユアンさんと俺達のお店を別々に経営していくということなら ユアンさんのお店をカティアとユアンさんが二人でやっているのと、そんなに大差はないから。俺達の方は お店の営業を止めなければ 俺達はお店を続けられるし。カティアの方は ユアンさんとお店をやるよりも。ユアンさんが言っていた通り 一人で カティアがやって行くのであれば。俺達のお店を手伝いながらお店をするということも可能かもしれない」

「そっか。そうだよね」

ユアンさんの

「お店の方にもお食事に来て欲しい」というお願いを聞くことは可能だと思うのだけれども。そうすれば、リヴィアは勿論だけれど。ルキアだって、その要望に応えたいだろうし。

リシアがだな。俺が店を手伝うことを許可してくれていれば カティアが店で働くこともできるし その提案を受け入れてくれるのではないだろうかと、思った

「まあ そう言うわけだから。ユアンさん 俺はこのお店を手伝うことに問題はないし。それに俺が手伝えば、リヴァさん達が俺を手伝ってくれているみたいな感じになるだろうし」俺はそんな風に言葉を付け足してからだな。俺の隣にいる リディアの方を向いて ユアンさんに話しかけてみることにする

「あの、そう言うわけなので お城の中に入るのに、身分証明とかが必要とかある場合は、俺達が、俺と、ユアンさんと一緒に行けば、それでなんとかなると思いますし。お城の中に入れなかったとしても。その場合には、お店を閉めれば大丈夫だとは思いますけど。俺と、ユアンさんだけで、どうにかならないですかね? 俺が、俺と、ユアンさんだけしか入れない場所に入りたいと そう言えば入れるのでしょうし」

俺の言葉に ユアンさんは「はい それではそうしましょう」と言ってくれる ユアンさんは「それでは」と、そんな言葉を続けて それからはだな

「レイ様とカティアちゃんの二人については。お二人さえ良ければこのままで お店を始めることが出来るのではないかと考えています」と言い出すので。俺がそれに対して「え? でもそれって カティアはいいとして。俺はどうなんでしょうか?。一応、王都に住んでいる人じゃないんですけどね。でも俺はここに住むことになりましたし。俺としては特に気にする必要もないのかなって思っていますよ?ただまあ。やっぱり そこら辺についてどうなっているのか分かりませんしね」

そんな疑問を抱いた俺に対してだな。今度はだな ユアンさんじゃなくてだな。さっきまで話をしていた女性のうちの一人。金髪碧眼の美女の方がだな。

ユアンさんのお母さんに向かって「あら?そうなのですか?」と、声をかけてくれたので そう声をかけてもらったからこそなのかは分からないが。ユアンさんのお母さんはだな「実はそうなのよねぇ」と、

「そういえば。レイ君は まだ自分の立場についての詳しい事情を聞いていなかったっけ」と、リリアが言うもんで。そんな風にリリアに声をかけてもらったことで。

俺は思い出したのである。自分がどういう存在で 今どのような状況に置かれているかということについてをだ そこでだな 俺のことを見つめながら ユアンさんの母親がだな「リヴァイアサン王国というのはね」と、そんな風に語り始めたのであった そんな訳なんだ そして

「えーと まず 最初に断らせて貰いたいことがあるのだけれど。私の名前はユナだ よろしく頼むぞ」と、自己紹介をされた俺は とりあえず 名前を教えて貰ったんだし。俺の名前

「はい 俺も リデアから教えてもらいましたし。えっと、俺はレイといいます。こちらの方は、リリィと。えっと、そうですね。リディアと、カティア。あとはルミアに リヴィ。あと ユアンさんに それから。お城で働いているメイド長である人のミィさんと あとは、今ここには居ないけど あと二人の姉妹で、双子がいる」と、俺は俺の名前を呼んでくれている人に名前を告げていくと リリアが

「ちょっと あんたねぇ もう少しで リヴァイアさんの名前が抜けていたでしょ」と そんな風に指摘してきたもんで。

「うん 確かにな。しかし それならリリアが代わりに リディアと リヴァイアの それぞれの名前を叫んでくれてもよかったのではないか?」

リリアと俺がそんな感じに会話をする そんな俺たちのことを見ながら「いやぁ しかし君達の関係はいいね」なんて言い出して 楽しそうな雰囲気を出し始めてきたもんだったら

「ところで 私のことを紹介してもらえないかな?」と言われてしまった

「ああ はい。そうですよね すいませんでした」と、謝った後に。改めて 俺が目の前に立つ女性の方に顔を向けてみると 彼女は俺の方へと向かってきてだな。俺に対して「私は、ユアナと言う ユアンの母で この国では結構偉い立ち位置に就いている人間だよ。これからも、色々と迷惑をかけられると思うが その時は、助けてくれるとありがたい」と、そんな言葉を口にしたのであった その瞬間からかは 分からぬのだが 俺のことを睨みつけるようにして見て来やがるものだから 正直 あまり気分のいいものでもなかった ユアンさんのお母さん ユイナさんと話をする 俺がユアンさんにお店を始めようと言う提案をして、それをユアンさんが受け入れてからというもの。ユアナさんと ユアンさんは「二人でお店をやっていくのが夢だったんだよ」とか、そんな風に話し合っていたのを見かけたわけなのだが ユアンさんが俺と、リヴァ

「そうか 君達は恋人同士で しかも結婚をしている間柄なのか。まあ それならば問題はないな」とか言ってくれたユアンナさんが「そうだ。私がここに来た目的を話していなかった」とか言い出したかと思えば

「まあ それはだな 単純に、この国の王様である リディアさんの娘さん。カティアと、その友達である女の子。それに 君のところのユレアと そう言えばだな 君は確かリディアさんから リヴァちゃんと、それから。カティアとも仲良くしてくれているって聞いているんだけれど。その子達のことは知っているのかな?。あと リヴァイアのことも」なんて言われてしまい 俺

「ユイちゃんって誰?。それに リシアについても、何か関係のある子なのか?」

リヴィアはリヴィアである まあ俺が知らないところで。そのお嬢さまを攫われてしまって。そのお詫びに俺に会いに来てくれていたりしたのかもしれない だけど。リシアの方は違う リシアとは面識があったとしても、直接言葉を交わしたことが一度も無かったはずで

「あの子はだな」リシアが口にしていた名前は覚えているが それが誰の名前なのかまでは分からない 俺は

「ユアンさんのところにリヴァイヤさんが居るみたいに 俺の所にもいるんだけど リシアという子がね、まあその子も、今は行方不明になっていてね。その捜索のために、お城を出入り出来る人を探しては、聞きまわっていたりしているの」と、伝えながら ユアンさんの方を向いたのである

「えーと それってもしかして」ユアンナさんは俺の表情から何を言い出そうとしているのか理解出来たようで「うん そうなんだよ カティアっていうのはだな。カティアちゃんはね。お姫様であり、ユアンのお嫁さんでもあるから お城に勤めていることには違いないけれど。そうではなくてだな。リシアが行方をくらましてからしばらくの間は ずっとユアンの家で暮らしていたんだ」なんていう言葉を俺に伝えてくる その話を聞きながらも ユアンナさんの話の中にあったユシアとリヴァというお姉さん方の存在については、俺は気にしていなかったので。特に何も思うことは無かったんだけれども ただ カティアのお母様がユアンナさんだと聞けば 少し気になることが有ったりしてだな。そんなことを考えている時にだな。俺の側に寄ってきたユアンナさんに抱き寄せられて そのまま抱きしめられるということがあったわけだ

「あははははは ユアンの奴 あんなにも、お店を始めたいと願っていたくせにさ。なかなか、店を始める決心がつかないものだから お店を開く為の条件が揃わないと。お店を始めてしまおうと考えたら 私に相談をしなさい。ユアンが、お店をやってくれると言うのであれば いくらでも手助けをしてあげるからさ」と こんなことを言ってくれてだな。その後「いちゃいちゃするのは二人きりの時だけにして欲しいわね」と、ユレアさんにそんな感じで言われることになったりするもんで それからしばらくしてだな。ようやく落ち着いてきたユアンさんの様子を見かねたリヴァちゃんに、俺は「ちょっと いいですか?」と、そんな風に話しかけられてしまったもんで。リヴァちゃんと一緒に 俺と、それから リリアとカティアとリヴァイアと、ルミアとユナとユアンナの6人全員揃ってだな。城の中に用意された部屋に移動することにした そんな俺達が移動したのは 城の中にある客間と呼ばれる場所だな 城の中で働いている人たちの為に用意されている部屋のことだ 俺の目の前で、楽しそうにしているリリアの姿がある

「いやあ、まさか レイ君の家に私までお呼ばれすることになるとは思ってはいなかったよ。レイ君の家に行った時は。本当にお邪魔をさせてもらってありがとうね。また今度遊びにいくから」と、そう告げてくれた

「いやいや リリアが遊びに来ると、なんかもう色々と大変なことになっちゃうからさ」と、俺が苦笑いをしながらそんな風に答えたりすると「あらあら。大変になるかどうかは、あなた次第なのですけれどねぇ。そんな事よりも 今日は何時までここに居ればいいのでしょうか? 私は別に構わないのですけど。あなたの方は大丈夫ですか?」と、そんな質問を投げかけて来たもんで

「そうだな 一応 この部屋にいる間はだな。みんなが自由に過ごしてくれていて良いぞ。ただ もしも仕事があって、それで俺が必要な時には呼んで欲しいけどな。それ以外なら基本。ここで皆がのんびりと過ごす時間を俺は用意するし、俺は仕事をするつもりもないぞ?」なんて俺の言葉を聞いた途端に「私だって、たまにはゆっくりとした時間を過ごしたいので 貴方の仕事を代わりに手伝うことはないでしょうから、安心してくださいね」と、そんなリリアの言葉が聞こえてきて。俺は嬉しくなってしまったのだ そうこうするうちに、リリアはカティアちゃんやユアナ達とお話をし始めたので リリアがリヴァイアにちょっかいを出されてしまうのではないか? と思って 俺はリヴァイアを抱っこすると 俺が「おいお前達」と、そう口にしてから視線を送ると「あ えっとですね。レイさん。リリアに構ってほしいんですけど」と。俺に近づいてくるリヴァイアに対して

「えーっと 今 リリアと話し中だから、大人しく待っていて貰えるか?」と お願いをしたのだった。

それからしばらくの間だ 俺はリヴァイアやリリアと、そしてお城の人達と話をしたり 俺の家で暮らすようになったリヴァイアの妹達の面倒も見たりした ちなみにリヴァイアの姉さん方のことなんだが ルリアという名前が分かっただけでだな それ以上は何も分かっていなかったり そんなこんながありつつも。しばらくした頃だな

「ちょっとだけ。お父様と、お話ししてくる」と言って リヴィアが、リヴァイアと共にどこかへと消えてしまったわけだ。リディアの母親である ユアンナさんの側を離れなかったユイナさんの姿が見当たらなくなっていたりもしたので ユアンさんのお父さんに会いに行くついで リイナさんに会いに行ってみることにしたのだが。

リアナと、ルミアがついて来てくれると言うので 2人を連れてリディアがいるはずの部屋に向かうと。リディアの側にいたリヴァイアは「ふぅ。やっぱり 私の事を可愛がりすぎじゃないの? リディア」なんてことを口走り始めるのである リヴァイアは相変わらず。リディアのことを愛

「お待たせいたしました」リヴァイアがそんな声を出したと同時にだ リディアは立ち上がり「リヴァイヤ そんなところにいないで リヴァちゃんの隣に座ってちょうだい。私はこの方達に、大事な話を伝えるために この場を訪れたのだから」と そんな風にリヴァに指示を出すのだった その言葉を聞いて

「あ はい」と、小さく返事を返したリヴァが俺の側に歩み寄って来るのを見た後に リディアの方を見たわけだが 彼女は、こちらを見ていない状態で

「ええと そちらのお二人は」なんて言い出したもんで

「リヴァイアです」なんていう そんなやり取りが行われた後 ユナが「お姉さまがご迷惑をおかけしてしまって申し訳ありません」と、リヴィア

「リヴァちゃん お兄さんの前で変な姿を見せたりしたらダメだよ」なんていうユレアさん そして「初めまして、リヴァの妹のユアナと言います。お話はリヴァちゃんからも伺っています」と、俺に向かって自己紹介を始めたリヴァイスさんは続けてだな「私はユアンのところに行かせてもらいますね」とか

「あ 私。カティに用事が有るんですよ」なんて言ってだな 俺の横を通り過ぎるようにして、リヴァイヤさんは、

「あはは カティアとユナは姉妹だけど 仲が良くないからさ」というリヴァイアさんの声が俺の耳に届いてきた まあそんなことがあったあとで 俺は、リヴァイアの背中を追いかける格好になった その時に

「あれ ユレア どこ行ったのかな」と、リヴァイアが口にして リヴァイアは足を止めると そのまま

「リヴァイアが探しているのってさ お母さまのことなんでしょう」というユアンナさんが いつの間にかに リヴァイアの側に立っていたわけだ

「ユアンナ様。あのね。私はね」リヴァイアは 何時

「リヴァちゃんは、ユアンナ様。私ね リヴァちゃんは リヴァちゃんを産んでくれたユアンナ様に感謝していて だからこそ、お父様を慕っていたんだけどね。お父様が亡くなってから、お母様に冷たくされている気がして」と そんな言葉を漏らすようにだな。ユアンさんのお母さん ユアンナさんは

「私ね ユアンが幸せで暮らしていければ、それが一番嬉しいんだよ。リヴァイアちゃんは お城の中で 楽しく過ごせていたんじゃないの?それに リヴァイアちゃんが産まれてから ユアンは 私より ユヴァちゃんを大事にしているんだ。それなのに、ユアンがリヴァイアの事を大切にしないのは おかしいだろう?」と そう答えてだな リヴァイヤさんは「でも 私ね。お母様のことも ユアンナの事も大好きだし。だから。仲良くしてほしいんだよ」という風に話すわけで。リヴァイ

「ねえリヴァイア。ユアンのところに行きましょうか。私が案内しますから リヴァイアちゃんがユアンに何を思っていて どうしたいのか。きちんと伝えることが大切ですよ」と、ユアンナさんが、そんな風に告げると

「あ うん。分かった」リヴァイアはそんな反応をしてだな。ユアンの居る場所まで 俺とユアナ それからリヴァイアが 一緒に向かうことになると。そこで

「私も行きたいのですが ユアナにお願いがあるのですよ」と、そう言って。ユティアが、ユアナとユアンナと、三人に お世話になっても良いですか? そう確認を取ったわけなんだ そうやって、俺の知らない

「私達だけの時間が流れている」そんな場所にたどり着いたのは良いのだが

「そうそう レイ君。リヴァイちゃん。あなた達が、この場所に戻ってくることは。既に、予想が出来ていたことで。だから。レイ君に渡すものを用意していますよ」なんてことを言われてしまうのである そういえばだな リヴァイアの父親が、ここにいるわけなのだが リヴァイアの父親については、リヴァイアの母親と一緒に行動をしていると聞いたのだが。リヴァイアが「お父様。お久しぶりです」と、そう言うだけで。リヴァの父親に 近寄る様子がない。そんなリヴァイアの様子に困惑しながらも。リヴァイアの父親の方に視線

「あ えっと。リヴァはですね この人の事を知っているみたいですけど この人とはあまり 接点がないのですよね。だって リヴァイアも知っているとおり。リヴァイアのお父上とは面識があったようですけれど。お父上は 私のお母様しか見てくれていなかった。ですから 正直 苦手な相手なのかもしれません」と そう言ったのだ そうするとだな リヴァの父親はリヴァイアの頭を優しく撫でながら「お前も 大きくなったなぁ。そうかそうか それで お前は私の事を恨んでいるわけなんだな」なんてことを言うものだから

「違うんです」と口にした直後 リ

「リヴァイアは、自分のことよりも、リヴァイアの家族が好きなのかもしれないな。リヴァイアが家族に対して、甘えたかったのに 甘えられなかったのは事実だが それでもだ。お父上に愛してもらえただけで、私は満足していたぞ。リヴァイアは。お前に、辛い想いをさせて すまなかった」と リヴァイアに謝ってくれたのだ その言葉を聞いて リヴァイアの瞳には、うっすらと 涙を浮かべ始めると「私は 私はお兄様のように。誰かを愛して。その人からの愛情を感じたことがなかった。だから。だから 私も。私のことを必要としてくれる人を 好きになろうと思ったの。でも 私には分からなくて。本当に 貴方の気持ちに応えたかった。だから。お父様に、私も認めて欲しいと、ずっと、そう思っていたの」と、そこまでを口にするリヴァイアだったのだが

「リヴァイア ありがとうな。私の子供に生まれてきてくれたことを 感謝している。私はな。リヴァイアの事を 娘だと思っているし。可愛いと思ってもいるんだ。ただ そうだな。私とリリアが結婚した後に。ユアンナとリヴァイア。二人を 一緒に育てていくことを考えた時にだな。私達は 親子では無く 兄妹になる方が良いと考えたのだよ。もちろん。私は今でも。リヴァの事が可愛くて仕方が無い。だけど。リヴァイアと、ユアンナが居たのなら。きっとだな 私は。父親であり続けれる自信がなかった。ユアンにも その辺りのことをしっかりと話しておいたから 理解してくれたと思う」なんて言葉を聞いたことでだ

「そっか」と、一言だけ発したあとは「お父様には、勝てない」と、そんな感想を漏らしながら泣き出してしまった 俺の口は、いつの間にかに閉じていてだな 何も喋ることがなくなったせいなのか

「お主は、リヴァイアのことが好きかね?」と リヴァイアのお父さんが、こちらを見て 聞いてきたもんで

「まあ嫌いではないし。好きだと言っておきますが。そういう関係になるとか、ならないとかではなくて ただ、リヴァイアは、大切な人だと、俺は思っている。それだけのことだ」と そんな言葉を告げると

「そうか。お主なら、私達のリヴァイアの心を預けられると思ったのだが。しかし。まあいい。私はこれから。リヴァイアと 二人で、お主に迷惑をかけないように過ごしていくつもりだ。お別れの言葉を言いにきたのだったな。私から 一つ 言いたい言葉があってだな。私がリヴィアの事を想っていることは分かってくれているはずだが 私は。やはり リヴィアのことを忘れることができない。そんな情けない男だという事を理解した上で。私は これからも、お付き合いを続けて貰いたいのだ」と、リヴァイアの父親と、それから 俺の前に歩み寄ってきたユアンナさんに向けての、そんな言葉を俺に伝えたのである そうして 俺が返事に困り 黙ってしまったところでだな ユアナが突然に、ユアンさんの所に行ってくるとか言ってきて。それからすぐに、リヴァを連れて戻ってきたんだが。そのユレアさんの隣には、カティアの姿もあったんだよね ユレアさん

「あら ユレアさんは。ユアン様の所に行ったのではなかったのですか?」なんて質問をしたんだけどさ。それに対して「ちょっと、レイ君のところに行くついでがあったの」と答えてきたユレアさん

「カティアちゃん カティアちゃんは 私に何か用があるって聞いたんだけれど」と そうやってユアンナさんがカティアに問いかけると「はい。実は、カティアちゃんに、ユレアさんとお話をして欲しいと思いまして。それとユアン様と、それからユナ様とも」って そんなことをユアナが言ってくれたおかげで リヴァイアは、カ

「そうそう 私は、お姉ちゃんと一緒に、リヴァイアちゃんの面倒を見るつもりだったんだけど。ユナにね。私も、私にできることを考えないとって。そう言われてしまったのよ。私は、私にしかできないことをしないと駄目だよって」と そんな感じで リヴァイヤは俺達と一緒に、リヴァイアの部屋に向かうことになったわけで。そこで

「リヴァイア。リヴァイアも、この国の姫でしょ?だからね レイ君は私が守ろうと思うんだ」と言いながらだな「お父様からレイを守ってほしいと頼まれちゃったからねー 頑張らないとダメでしょう?」とまで口にして。リヴァイアを元気づけようとするのだが どうやらいかんせん効果はなかったらしくてな それでも「うん分かった」と答えたわけだが「レイ君もね。頑張って生きてね」と笑顔を見せるんだよな そしてそのまま 俺達はリヴァが暮らす部屋の中に入るとそこにはリリア様がいたんだよな。しかも ユアンさんもいたわけだが。そんなタイミングを見計らうようにしてか

「そうそう。リヴァイアのお母さんとユアンとユアナの三人が揃うことでだな。ある物を見せてあげることが出来るようになるんだ」と言ってきたユアンさんの手に持っていたものはだな 3Dメガネと呼ばれるものでだな それを渡された後で リアナも同じようなメガネを掛けろと催促してきたわけなんだ そこで「なんですかこれ?私もかけていいんですか?」と リヴァが尋ねてきたのだが「勿論」と答える俺なわけなんだ

「この国で 新しい娯楽が生まれようとしているのです」そんなユアンさんの言葉を聞いて「お母様が喜ぶのであれば」と、そう言ったリヴァの表情は 母親として 子供を愛する優しい顔をしていてだな。そんな彼女の姿を、俺は見てみたいと思ったのだ

「リヴァイアはもう大人だ。だから。俺達だけで楽しめるものになってくるからな」なんて説明を受けたのだが そう言われてからの リヴァイアの行動が凄かったのですよ まずは

「レイ君が見ているのは こんな風に見えていたのかぁ。そういえばレイ君には、3次元の世界を見せたかったのよね。リヴァも、早く見せてあげれば良かったのかな」なんてことを呟いては、そのメガネ

「お父様と、お母様から、お誕生日の時に頂いたものだったけど。これでようやくだ。やっとだ。これを掛けたらだね。私は、レイ君の事をもっと知って。そして 愛せるようになって見せるから。だから 今は我慢しておくよ」

そんな言葉を吐き出したリヴァに対して ユアンナが「ユナは、私の分もお願いしてもいいのよ。だって リヴァは 私の大事な妹だもの」なんて言葉を掛けるのだが。それに対しても

「大丈夫。お父様はきっと許してくれるし」と、そう答えた後でだな 自分の手で ユアンの体を抱き締めるようにして 彼の耳元に向かってこう囁いた

「お父様 ありがとうございます。このお城に来たばかりの時は。この国に来るのは怖いと思っていましたが。それでも。お父様に愛された記憶だけは消えなくて お父様に認められたくて ずっと。ずっとそれだけを願ってきました。その想いを今 叶えてくれる。お父様のお陰です」と、言葉を続けたあとは「お父様の娘に生まれて 私は幸せ者です」という言葉を最後に 部屋の中に響く音がなくなった

「あのね」

「あのさ」

二人同時に、相手に声をかけてしまうが。その後で お互いに「あのさ」と言うことになるのだが。それが 少し可笑しく思えたリヴァはクスっと笑うと「ごめんなさい。貴方と出会ってからは。初めてかも。こういうことをするのが」と言ってきたのである それを受けてだな

「確かに リヴァイアにそんなことを言われるのは初めてかもしれないが。しかし お前はだな。どうして、そういう言い方をするんだ。なんか。俺がお前のことを弄んでいるような。そう思われても仕方がないだろ」と 俺は そんな言葉を返すと「それは 違うわ。私にとって 貴方との会話は。とても楽しい時間になるから。でもね その時間を楽しみにしているからこそ 緊張しすぎて うまく喋れない時もあって」なんて 言葉を口にするリヴァイアなわけだが そう言われた俺としては「別に俺のことを好きになれとは言わない。ただ リヴァイアと話をして。仲良くなりたいと思っている。それに嘘はない」って 素直な気持ちを伝えたつもりなんだが リヴァの口は開かないで 沈黙したままでだな

「とりあえずだな。俺の方からも お前に話したいことがあるんだよ。ちょっと 待っていてくれ」

それからしばらくして「その話って言うのは。レイ君もさ。私がリアンタに抱いていた感情についてよね?」と リヴァに問いかけられたことで俺は「まあ そうだ。そう思って貰って構わない。俺がリヴァイアと、これから、どのような関係を築きたいと思っているかを、きちんと言葉にして伝えたい。それだけだ」と、言葉を返したところで ユアンナがだな 突然「ねえ そろそろ私達 帰ろうかと思うの。リヴァがお世話になりますね」とか言ってきてだな。それからユレアが続けて「ユレアちゃんは、もう少し。ユアンさんとお話が出来たら。帰るつもりでいたんだけど。カティアちゃんの事が心配になったから。一度帰ってみようって」って そう伝えてくれたわけで そうしてからリアンナは「リアナ。私達が帰った後に、二人で ゆっくり リヴァと、話をしたらどうかしら?」という質問をしたのだが。それに対しリアナは何も答えず 何も言えないままでいたもんで俺達の方もだな ただ無反応だったんで仕方なく俺の方がリアナに近づいて行くことにしたのだ するとリアナは無表情のままだったが。俺に気がつくと「うん」とだけ返事をして俺に近寄ってきたのである それからだな「ユアンさんもだなユレアさん達と一緒に帰ろうかと思うんですけどいいですか?それとユレアさんにはお土産を用意しているんです」なんてことをユアンナに伝える俺だが「ユアンナさんは帰りたくなかったんじゃありませんのですか?私なら気にせずに一人で楽しんで下さい」と言われてしまったんだよな

「えーと お父様 ユアンさん それとユレアさんの4人で話をしたいの。レイ君とも、お話ししたいけれど。ユレアさんにもお聞きしたいことがあって」って そんな感じでユアナが提案してくれたおかげで 4人が残ってくれるってことになった そこでだな 俺の方はだな「ユナにな 色々と聞いて来たんですよ」なんてことを言いながらユナと、その隣に座った俺なのだが ユアンナとユアンナは 何やらヒソヒソと相談している感じだ そんな2人を見ていたリヴァイアの表情も笑顔になっていたんだが

「お母様もお父様と一緒に残るんですか?じゃあ私はレイ君と2人きりですね」なんて 笑顔を見せてくるんだよ ユアンナは笑顔を見せた後で俺と目を合わせて「リアナも リヴァと2人だけで過ごしてね」と伝えると 俺とリヴァイアだけが残された形になる そしてだな「レイ君 今日は リヴァイアの部屋に泊まっていって欲しい」なんて言われてしまったんだよな リヴァが そんなことを言うのであればだな 断るわけにはいかないだろうと思い ユアンが「レイ君とリアナさんの分も布団を準備させておきましょう」と 笑顔で言ってくれたこともあって リヴァの寝室にて、

「リディヤ お前も一緒に来てくれるのか?てっきりだな ここで別れることになると思ったんだが」

そんな俺の言葉を受けたリディヤは「そんなの決まっています」と言い切った上で

「私の傍から離れないで」なんて 嬉しい言葉をくれる それからだな「貴方が私から離れることがないように。私も貴方の傍にいる。だから安心して良い」と言ってくれた後で「お姉様が あんな風に笑えるなんて。そんな姿を見せられると、やっぱり寂しいです」と、そんな風に呟いたのだ そんなリヴァイアの表情を見た俺はだな 少し考えた後で ユアンナの部屋に戻ることにする リヴァイアの部屋に

「レイ君のお嫁さんとして認めてもらうまでは」そんな決意表明を口にしていたリヴァは、リヴィアの言葉を受けて嬉しそうにしたのだ「ありがとう。リヴァイアちゃんのお言葉は しっかりと胸に刻ませてもらいました」そう言葉を続けたリヴァを見て「お礼なんていいよ。だって本当に感謝をしているのだからね」なんて言った後に言葉を続けたのだ「それにさ お母様には、いつか分かって欲しいと思っていたけど。やっぱり無理みたいだしね。それにしても、お父様の娘になれて良かった」なんてことを呟いてから「お母様は、いつものように私に厳しく接してくれると思ったんだけどなぁ」と残念そうな声を出し

「お母様。私はもう あの頃のリヴァイアではありません。ですから。これからもよろしくお願いします」

そう口にした後に 深々頭を下げたのである それからリディアと 少し話をする為に部屋に戻ってだな

「どうだ 気分的には」と、問いかけてみれば「リヴァ あの子ね。レイ君と、二人で過ごす時間を大切にして。その上でね。貴方と仲良くなるのは諦めた方がいいかなぁって。あの子は もう大丈夫よ。あの子は私に似て頑固だから」と、そんな言葉を吐き出す それからだ リヴァはユアンから渡された本をパラ読みするような形で 文字の勉強を始めたんだ

「私だって まだ知らないことが多いのですよ。この国に来たばかりでは、まだまだ。だから 私だって」って 頑張ってくれていたし 俺は、そんな彼女の横でだな。リヴァイアが作ってくれたという料理を食べながら 2人の時間を過ごしたのである そうやって過ごしているうちに夜になってだな そろそろ寝ようとか思い始めた頃合い

「ねぇ リヴァイア。その前にだ。少し リディアの話に付き合ってあげてくれないか?」

俺がそう頼めばリヴァイアはだな 快く引き受けてくれる

「リヴァ。貴女は、自分のお父様と向き合えたのね」そう語り掛けてくれたユアンは、そのまま「貴方は お父様の娘になることが 出来ると 本気で思っていたのよね」と語り掛けたのである それからだ

「ねえ 私はさ 今でも 自分の娘だと思っているの。だから あの子の事を、これからは。リヴァイアと呼ぶわ。貴方のことも同じ これからは。レイと呼び捨てにすることにしてあげる。それで 構わないよね」なんてことを言い出したユアンナは それから「お父様。私はね。貴方の気持ちがよく分かります。でもね リヴァイアのことを愛していない。そう言っていたとしても それでも。貴方は。彼女を。お姫様にすることを選んだ」そんなことを口にしながらだな 俺の目の前で ユアンは涙を流し始めると その場に崩れ落ちそうになったもんで俺は 咄嵯の判断でユアンの体を支える

「私達はね。本当はね。リヴァイアのことを愛していなかったわけではないのです。でも。それでは駄目だったから」

そんな言葉を漏らした それからだ

「私は、リヴァに辛い思いをさせてしまった」そんな

「リヴァはね。お父様と一緒で。不器用さんなの」と 涙を流すユアンナの姿が そこにあるわけで そんなユアンに対してだな リヴァが「私はお姉さまのことも お母様のこと 大好きですよ。だからね ずっと一緒にいられたらいいのにな。ってそう思っているんです。

私が望んで 私の意思で、レイ君の隣に立っているんですよ。そのことは理解していてくれませんか?あとですね 私は、お父様の事が嫌いじゃない。それは本当です。お父様は 私にとって大切な人だと。それだけは間違いないことですから」なんて言葉を掛け

「ありがとう リヴァ。それから ごめんなさいね」

「えへへ 私が我を通すと 皆が悲しんでしまうので。だから 仕方がないことなんですよ」

そんな言葉の後に「おやすみ」と 挨拶をしたユアンに「おやすみ」と返したユアンにだ 俺は どうしても、伝えたくて「リヴァ ユアンさんは俺の妻なんだ。俺にはユアンナさんが居てだな。リヴァも。家族みたいなものなんだよ」と、そんなことを言えばだな リヴァは俺の頬をつねってくる

「レイ君は、私のことをどう想っているのですか?ただの家族?そんな風にしか見てくれないのですか?」なんて言うもんだからな「勿論だぞ 俺は ユアンとリヴァと3人でいる時間を幸せだと感じていたから」

俺の言葉を受けたリヴァは「私だって 同じだよ。私だって 3人が好きだから これからも仲良くして下さい。お兄ちゃん 大好きなんだよ」なんて言ってくれるのであった そんなこんなでリヴァイアが 文字の勉強をすると言い出して数日が経過し 今日はだな。ユレアと一緒にリヴァイア

「レイ 私は、リアナのことで話があるの。少しだけ時間を貰えないかしら?」と ユレアに頼まれるので ユアンが用意してくれた食事をリヴァとユアンナ それとリヴァとリヴィアと一緒に食べた後でだな ユレアの部屋へと行く ユレアの自室に入るとだな そこにはユアンナがいてだな ユアンナとユレアが ユアンナとユレアが笑顔を浮かべながら俺の到着を待ってくれたようで「リヴァ リディアは、どうして来ないの?もしかして、私のせいなのかしら」と そんな疑問をぶつけてきたのである 俺は、ユレアと一緒に部屋に入って来た

「リアナ様も呼ぼうとしたのですけどね。今はリヴァやリディアちゃん。ユアナやリアナさん。4人と過ごす方が幸せなようですよ」なんて言葉を口にしたユアンの瞳からは、大粒の涙が流れていた そんな彼女を見たユナとリアナはだな ユアンの手を取ると 自分達も泣き始めて

「ユナちゃんもリアナちゃんも 本当に、本当に優しいね。ユナちゃんも、リアナちゃんも。本当にありがとう」

そんな言葉が、部屋の中を満たす ユナがユアンを優しく抱きしめて「私だって、ユアンさんのことが好きですよ。それにですね。私は、私の事を大切に思ってくれる。そんなユアンさんの事も好きなんです」そんなことを言うのだ

「私はね。お父様と2人っきりで過ごした時間は殆どないんだけど。それでもね。あの時の事は覚えているよ。リヴァはね 私よりも年下なのにね。私のことを助けてくれたの。私の命の恩人であり そして 私が初めて心を許した異性でもあるの。だからこそ 私はね リヴァのことを妹として見て欲しいと、そんな風に思った。けれど。それでも リヴァは お父様の傍にいることを決めた」

そんな風に口を開いたユアンナは「だからね 私は、あの子の選択を尊重することにするよ。だって あの子には、レイ君の優しさに触れても その想いを受け入れてもらえなかったのだから」と そんな言葉を続ける それを聞いたユナは 少し考えた上で「やっぱり 私って リヴァイアの事を 本当の妹だと思っています。お母様が許してくれなくても。私は、ずっと傍にいたいって思っていましたので」なんて言葉を伝えて

「レイ君のことは 本当に大好きですよ。それは もう。誰にも負けたくないって思える程に。だけど それと同じくらい レイ君のことが、好きになってしまいそうなの。どうしようもないくらいに」なんてことを口にしたのである

「ありがとう。嬉しいよ」と、俺が伝えれば 俺の方を見ながらだな「お母様の気持ちが分かったよ。私は、もう お母様が心配しているような 無力な子供ではないんだから」と、そんな言葉をユアンナに向けて口にしたのだ それを受けたユアンナ

「あの時はね。私はリヴァの気持ちを優先したんだけど。あの子はね。私のことを裏切らない。そう思っていたから」なんて言葉をユアンナは口にしていたのである

「ユアンさん ユアンナ。貴女達の気持ちはよく分かりました」そんな言葉をリヴァイアは 口にしてだな「リヴァはリディアの妹なのですよ。ですからね お二人とも 仲良くしてくださいね」そんなことを告げたリヴァイアに対して ユアンとユナの2人は 声を上げて泣くと 2人で抱き

「私達こそ。よろしくお願いします。貴女は大切な友達なのです。私は、これから先も ずーっと。リヴァの事を大切な友達だと思っているし。ずっと大切にしていきたいって思っているの」そう 言葉にするユアンとユナに対して リヴァイアは、笑顔を見せながら

「はい。ユアンナさん。お義姉さん お姉さまと、これからは呼びますので。ユアンさん。これからも リヴァの事を大切にして欲しい」そう言ったのだ それから「ユアン ユアンナ これからは、お互いに姉妹になるんですね。私は、凄く嬉しいです。これからも よろしくして下さいね」なんて

「はい」と言う言葉と同時に 俺の胸にリヴァイアは顔を押し付けて来たもんでだな そのまま 頭を撫でることにしたのである 暫くしてだ ユアンナからの提案を受けて

「私に出来ることでしたら」と答えていたユアンナなのだが ユアンは、そのユアンナの体を持ち上げると「じゃあ 一緒に リヴァイアと遊んであげてくれるかな?私ね リアナにお説教をして来るわ」そんな言葉を口にすると そのまま 部屋から出ていく そんな様子を見ていた俺は ユアンナと一緒に出ていこうとするユナの腕を掴むと

「ユアンナ 俺は、リヴァイアのお兄ちゃんになったんだ。だからさ 俺は お前の兄さんでも良いだろ」と、そんな言葉を俺は紡ぐ 俺の言葉を聞いてユアンナが微笑む

「レイ君 私は レイ君が私のお兄ちゃんになってくれて嬉しかったんですよ。だから 今はまだ、それで我慢するからね」なんてことを言ってから「リアナも連れて来ます」と、そう言いながら 俺の手から離れていくのだった

「お父様 お久しぶりでございます」

ユアンの後ろから リアナの声が響く

「リヴァ お帰りなさい」そう 俺が言えば

「ただいまです。パパ」と言ってから リアナは リヴァと手を繋ぎ「リヴァ ママは 大丈夫だよ。きっと」なんて 意味不明なことを呟いたのだ そんな2人の様子を見ていたユアンナとユナ それとユアンは、少しだけ悲し気な表情を見せたのである リヴァは 俺のことをじっと見つめながら「パパ」と呼ぶのである 俺はだな「リヴァ ただいま」と 笑顔を見せるとだな「うん。パパ」と言って ユヴァのことを指差してから 俺の背中に隠れてしまう そんな様子をみたユナがだな 俺の隣まで移動してきた後にだな「リヴァどうしましたか?」と そんな質問をしたのである ユナからの問いかけを耳に入れたリヴァは「リアナ」と、それだけを口にした それを聞いたユナは「リアナがどうしたのですか?」なんて聞いてくる そんな言葉を受けた俺はだな「リヴァは、リアナさんに会いたいんだよ。多分な」と、言うのだよ 俺の言葉を受けたリヴァは、俺の腰元からひょっこりと顔を出して「リアナ 会いたかった」と そんなことを口に出せばだな

「リヴァ 私も 貴方の事を妹として愛してあげることにしましたからね。私は、ユアナさんの事が好きなの。でもね それでも。私の一番好きな人。この人を好きな私は変わらない。リヴァの事も、私は大好きなの。お姉さんに お兄さんが出来て嬉しい」と リアナさんがそんな風に言えばだな

「私ね私ね ママとリアナと一緒にいるの」と そんな言葉をリヴァが口にして ユアンナとユアンナの元へと走って行った リヴァがユアンナに抱かれている間にだな 今度はユアンナとユアンナと3人で会話をすることになったのであった 3人が 仲良く話をし始めた頃合いを見て俺は ユアンナの部屋を出ていくことにしたのである 俺はだな ユアンナのお父さんの部屋へと足を運んだのだ 部屋の中に入った俺は 椅子に座って本を読んでいた男性に向かって頭を下げると ユアンと一緒に 俺の元に駆け寄ってきたリヴァがだな リアナの姿を見つけてからだな リアナの方へ駆け出したのを見届けた

「ユアンさん。今日はお忙しい所 無理なお願いを聞いて頂きましてありがとうございました」そう 口にした俺は 再度 ユアンに向かって頭を下げてからだな 部屋を出ることにした 部屋をでた俺は、廊下を歩き始める そして、リヴァの元へ向かう前にだ リヴィアとリディアと 合流する為に屋敷の中を歩いて行くのである そんな時 不意に声が響いてきたのでだな 声がした方へ向かって歩を進めればだな そこは厨房になっているのだが その中を見れば そこには、料理長さんが1人立っているのだ その隣には、リディヤとリヴァイアがいたのであるが 何故か、俺と目が合った

「えっと あの 私に何か用かしら」なんて リディアの言葉が俺の耳に届く そんなリディアのことを見つめた後にだ

「あぁ。そうだ。少しだけ話を聞きたくてな」と、俺が答えた途端である リディアの顔色が変わる それを横目で見たリヴァイアは「レイ様 こちらに来て下さい」と 手招きをする それにつられるように 俺が近づいていけば

「レイ様は、何を知っているのでしょうか?私は、お話しできる事は少ないですけど 私にわかる範囲のことであれば、お教え出来ますよ」なんてことをリヴァイアは 口にしてくるので 俺は「いや 今は 良いよ。それより リヴァイアは、ここで何をしていたんだ」と リヴァイアの質問には、返答せずに、俺は、逆に彼女に、その問いをぶつけたのである

「レイ様に、私の作るお食事を食べて欲しくって」なんて 照れ臭そうなリヴァイアが 口にしてくれたのでだな 俺は、思わず笑みがこぼれるのだ リディアもリヴァも、リヴァイアの作った飯が、かなり好きみたいでな 俺とリヴァイアとリデアが一緒に食事をした日があったのだけど その

「お母様 リアナさんはどうされるんですか?」と リヴァイアと、楽し気に話をしているリディアにだな そんなことを リヴァは 声をかけたわけである

「お義母様は、リアナと、私達との思い出の品々を集めて下さっているんですよ。ほら、リヴァ リアナとユアンナが仲良くしている姿を見て、貴女は安心してください。お義母様とお義母様と一緒に暮らして行くことになっていますから」そう 言って 優しく、リヴァの髪を撫でていたリディアは、そのまま 視線を動かすと、リヴァイアに対して 優しい口調で、言葉をかける

「ユアンナさん 私ね。お姉ちゃんになったから、もう、我慢しなくても良いよね」そう 言い切ったリヴァの頭を撫でながらだ リヴァイアの方を見ていたリディアに対して リヴァイアは、ただ黙ってうなずくだけだったのである

「そっか よかった」

「良かったね。リアナ」と、リヴァンとリアナの二人は、そう言葉を交わえば2人とも嬉し気だったのだけれどだね リアナが急に立ち上がってから「ユアンナとリヴァ 二人で遊んできても良いかな?」なんてことを言うもんで 2人は、「リアナ」と言うと同時に笑顔を浮かべてから 俺の横にいたユアンナに

「ユアンナ 一緒に行かないかい?」なんて言うのだ 俺としてはだな 俺のそばを離れようとしない カグヤの様子を見る為に 少しばかり 離れた所で座っていた そんなユアンナはだな 俺の手を握りしめていたもんで 俺の膝の上に腰を落としていた

「ユアンナ 私は レイさんが大好きだから。私は、レイさんの側にいる」と、それだけを口にしていたのであった 俺とリヴァイアが、2人で会話をしている間にだな リヴァイアは、ユアンとリヴァが、厨房から出て行くのを確認したのであろう リヴァの手を握って「行きましょうか」と そんなことを口にするのである 俺は、そんな二人を見送った後で ユアンの部屋に戻るのだよ 部屋に戻れば ユアンはだな「リリアの気持ちが落ち着くまで 私は 暫くの間は、この国に留まるわ」と そんな風に言ってくるので

「それでは お願いします。リリアさんにも伝えておきますね」とだけ 俺が言うとだな

「えぇ 頼んだわ」と、そんなことを言われるのだった その後だ 俺とユアナの二人が リヴァを連れて散歩をしていればだな 屋敷の前で 数人の衛兵が、リヴァイアとユアンナの2人を待ち構えているのを発見する その数名が

「ユアンナ姫様 少しお時間を頂いてもよろしいですか?」と、そう口にすればだな ユアンは「構いませんが 少しだけ待っていてください」と ユアンナの耳元で呟くとだな

「分かりました。お待ちしております」と 頭を下げた ユアンナが「待たせてしまいました。リヴァイア。リヴァ 少し 貴方達は離れていてね」と言ってくれるので 俺とユアンナは、ユアンナに手を繋がれてその場から離れて行く 少し歩いた先で 俺は 振り返ればだな その場にいた数人が ユアンナの事を囲んでいてだな 俺は、

「何してるんだよ?」なんて言葉を口から出してしまった 俺の言葉を聞いた一人の男は「リヴァイア殿とリヴァを我々に引き渡して欲しい」なんて言葉を 口にしてきた それを聞いたユアンナは

「それは出来ない相談ですね」と、そう言葉を返してくれて 俺の服の袖を摘まんでだな

「貴方は、私と これから楽しい事しかしない。私は 貴方を愛してるから」なんてことを口に出せば 周りの奴らは「そんなことが 通るものと思ってるのか」と、そんなことを口にするのである そんなやり取りの最中にも

「リヴァ リヴァ」なんて声を上げ続けているユアナの様子が気になっていた俺は

「大丈夫か」なんて言葉を発してしまうのである ただ それが間違いだったらしい。俺は、ユアナを庇おうとしたせいなのか、それとも、単にユアンナの機嫌が悪くなったことが原因なのか分からないが、ユアンナに抱きかかえられるとだな ユアンナは 俺を抱えたままで、リヴァの名前を呼び続ける ユアンナに抱かれてしまった俺 そんな俺は、リヴァを呼ぶために、手を動かそうとはしたが 俺の動きは封じられてしまっていた 俺は そのままで居るしかなかったのである リヴァの声に反応したリヴァが 俺達の目の前に姿を見せた時に、ユアンナは リヴァイアの方を見やってだな リヴァを抱きしめ

「ごめんね」なんて言葉を漏らすのだ それから、しばらくした後である ユアンと俺の2人っきりになったタイミングで ユアンナは 俺に「リヴァのこと、どうしたらいい?」と聞いてきた 俺は、どうしたらいいか分からなかったので 俺が知っているリヴァイアの情報を ユアンに伝えることにしたのである そんなこんなで数日が経過してだな 俺達が、この国の王城に 滞在している間中 ずっと ユアンナとリヴァが 一緒に行動をしていたわけだが リヴァイアは、ユアンナと一緒の時間に、必ず顔を出してくれるのだ 俺とユアンナが、中庭の噴水広場で休憩

「あの時以来 リヴァイアは、よく顔を出すようになったよな」なんてことを俺が言えば ユアンナは、俺に身体を密着させてくるのである

「あの時とは 私が、ユアンナの味方に付くって、レイ君に伝えた時の事かな」

「まぁな。リヴァイアは、あれから、ユアンナのことを気にかけてくれてるのは、凄い嬉しいことだけどな」と、そう俺が言う

「うん。私も、お母様は優しいから」なんてことを口にしていた 俺は、そんなユアンナと のんびり過ごしていればだな そこに

「リヴァイアと、リヴァが来たみたいよ」と、ユアンナは 笑顔で言うのだが 俺の膝の上に座り込んでいた そんなユアンナが 立ち上がるとだな リヴァの頭に手を乗せて「おいで」と言うのだ 俺の隣にいる ユアンに対してだな

「リヴァイアと リヴァが お母様と一緒に来てくれているので 挨拶しに行きましょうか」そう 言葉を口にする ユアンナが「そうね。そろそろ、お父様に紹介しないといけないですよね。お兄ちゃん」なんてことを言いながらだな 俺に 甘えた感じで腕に絡んでくるもんで 俺の意識は、自然とユアンナの事だけに集中してしまうのである 俺とユアンナの二人が ユアンとリヴァの元に向かう前にだな カグ

「カグヤです。レイさんに何か御用ですか?」なんて言葉が俺の耳に飛び込んで来る 俺とユアンナの二人が 廊下の曲がり角の手前にある部屋の前を通り過ぎるのとほぼ同時に、俺の視界に入って来たカグヤは リヴァを抱きかかえてから「レイ様は私だけのものなの」なんて言うカグヤ ユアンナの「あら?お義母様が何を仰られているんですかね」という言葉を聞いて ユアンナはだな「ふぅー」と、小さなため息と共に「リヴァは私達と暮らすことになりましたので」と、そう言った ユアンナは、続けて「貴方が、ユアンナ姫なんですよね。私は、貴方と争うつもりはありませんので」と ユアンナは、そう言葉を告げれば カグヤに対して「失礼いたします」とだけ そう言い放つのであった

「お姉ちゃん」

「えぇ わかっています」

「えぇ」と、俺の言葉を待つこともなく、ユアンナがだな リ

「ちょっと良いかしら?」

「はい。リリア 今、リヴァとユアナに、リヴァイアのことについて 話をしていたのですが、それでですね 私の家族に、紹介したいと思っているのですが」と、ユアンナに言うとだな リリアとユアンナが お互いの顔を見つめ合って ユアンナが「私も そのつもりでした」と言うもんで、俺とユアンナの二人は、二人して、リヴァを連れて リリアとユアンナの前に姿を現したのである ユアンの膝の上に腰を落とした状態のままだった俺はと言えばだな

「初めまして、私はユアンの妻でリリアと申します」

ユアンの膝の上に乗っている俺を見たからか リ

「貴方 ユアンと夫婦関係になっているのね。なら仕方がないわね」と、それだけを口にしたユアンナは、俺と視線を合わせてから「貴方は、リヴァのお兄様なのでしょう」と言ってくれた 俺は、小さく首肯する そんなやり取りを見てだな ユアンナが「お二人共、今日から、よろしくお願い致します」なんて言ってくれるのであった 俺とユアンナの二人で、中庭の散歩をしているとだな

「お久しぶりです。旦那さま」と、聞き覚えのある声が聞こえて来た 振り向けばだな そこにはだな

「ラオザさん どうしたの?」と 俺が声を掛ければ 俺の言葉を受けたラオスは

「実はですね。リヴァイアが、私達の前から姿を消してしまったんですよ」と、そう答えてくれたのである そんなことを言われても 俺は「えっ?」と 驚くしか出来ない

「えっとですね。旦那。私が、ここに訪れた時にはもう既に、リヴァの姿が見えなくて」

「え?」俺は 思わずだな ユアンに目を向けるのだよ

「あぁー そうなんだ。それは大変だったよね。で、ユアンはどこにいるか知ってるか?ってか、ユアンは知らないか」

「あっ それは、ごめんなさいね」なんて事を 言ってくれやがったのだ ユアンとの会話の中で俺が口にしていた『知っている』という発言についてを 疑問に思ったのか、少しばかり首を傾げていた その後でだな リヴァイアのお母さんであるリディアさんから呼び出しを受けることになった俺は、リヴィアの居場所を知っていると思われる人物が誰なのかを 尋ねてみる そして それを聞いた俺は、少しだけ驚いた 何に驚いてしまったのかといえば、それは俺の知っている名前

「なんだよ。リディが教えてくれるなんて思わなかったからな」と、そう言葉を返してみせた そんな俺の言葉を聞いたユアンナは「お知り合いなんですね」と、口を開いてから 俺の言葉に対する返答は「そうですね。私は リヴァイアとは、よく一緒に遊んでいたので、彼女がどこに住んでいるのかを知っていましたので」なんてことを教えてくれるのである

「それでは リヴァとユアンナ姫と 三人で仲良くして下さいね」と ユアンナが そう言葉を紡ぐのと同時にだな

「あのさ。リディア ちょっとだけ頼みたいことがあるんだけどいいか?」と 俺は リヴァの母であるリ

「あらあら 貴方って意外にも積極的ね。いいわよ。どんな内容かしら?」

リティアは 優しい笑みを浮かべてからそう言葉を口にしてくれたのだがな 俺は、「えぇーとだな」と、そんな感じのことを リディアに説明していくことになるのだな ただ、リヴァに会いたいとかじゃなくて ただ、会えるならいいかなと思っただけであるからして 別にそこまで深く考える必要もないかなとか、そう思っていたりしたのであった。

「俺ってさ 最近、リヴァと、全然会ってないような気がするんだけど、これってどう思う?」と リヴァイアに話しかけたのだが、返事をくれない

「うーん」と 頭を捻らせながらだな

「やっぱり、この国に来てからの事が問題なのか?」と、そんなことを考えているとだな 俺と リヴァが一緒になって 寝ているベッドの横に、リリアが姿を見せたのだ

「どうですか?」と、リリアは 言葉にしてきたので

「そうだな」なんて言葉を発した後でだな リヴァはだな「お母様 どうして?」と言うのだ

「え?」と 言葉を発する リヴァは、

「あの、もしかして お母様とレイさんが そういう仲なのでしょうか?それとも、リヴァの勘違いなのですか?あの」なんてことを言うのであった。

俺はだな リヴァイアに向かって 手を伸ばし「大丈夫だから、おいで」と言ってやったのだ

「でも」と 呟くように言うリヴァに対してだな 俺が「お母様が来て欲しいみたいだけどな」と言う リヴァは

「はい」と そう言ってから、俺の方に近づいてきてから「えいっ!」と言ってだな 飛び込んでくるもんで

「おっと」と 俺は声をあげながら受け止めるのであった そんなことがあったのだが、だな 俺が、

「そういえば、リヴァイアって、どうやってここまできたわけなんだ?まさか、リヴァの魔法を使ったとかか?」って聞くとだな

「はい。私の転移でやってきましたけど何か問題があるですか?」と、不思議そうに 首を傾げるので

「いやだって リヴァには、この場所を伝えていないだろ?」と、質問をしてみた

「あぁ 確かにそうですが、私にわからないことがレイさんにわかると思いますか?」なんて事を言うもんで 俺は「そりゃ わからんな」と答えるとだな 俺は、

「リヴァイア、俺達は仲間じゃないよな?」と、言葉を口にした 俺の口から漏れた言葉を聞いて「レイさん、もしかして、私とお別れしたいんですね」なんて事を言ってきたもんで「あはは」と笑うしかない俺なのである 俺の言葉を聞いてだな 悲しげな表情をするリヴァイア そんな彼女に俺は「冗談だよ。お前と離れたくないからさ」と、そう言う

「私も同じですよ。貴方から離れられるはずがないじゃないですか」

リヴァイヤはだな、嬉しそうな声音で、そんな言葉を漏らすのである そんなことを言われてもな 正直、リヴァイアが、俺達の前に姿を現すことは予想外なことだったのでな

「ところでだぞ?リヴァイヤの本当のお母さんに会ったって聞いたんだが本当か?」と尋ねることにしてみる

「え?どういうことなんでしょう?」なんて事を言っているのでだな 簡単に説明することにしたのだけれども、その前に確認としてだが、ユアンナが、自分の娘であることをカミングアウトしていることを説明しておいたりしているとこだ 俺と会話をしていた時のリヴァが、リヴァを抱き寄せてくれてだな。そのままギュッてしてくれるもんで安心できた。

ただな。そんな状態で会話を続けていたりするもんで リヴァの胸に抱き抱えられたままの状態でだな。俺は話をしていたりしたのだが、突然 俺の目に飛び込んできた景色が真っ

「あれ?」と声をあげるとだな

「どうしたの?」なんて言葉を、リリアが口にしてくるものだから「いや 今、なんか違和感があったんだ」と答えると

「そう」と、それだけを口にして、リリアが俺の頭を抱いてくれるのだな そして、リヴァは、そんな俺達の姿を見てから「もうそろそろいいでしょ」なんて言ってから、俺のことをリヴァイアの胸の中から引き剥がそうとするのだが、だな 何故か、俺のことを解放する気になってくれないリヴァイアさんなんだよな そんなリヴァイアに、 俺はだな 俺と会話をしている最中に「お母さんが、お父さんと夫婦関係を築けば、リヴァは 寂しくなくなりますよね」と、言ったら だな リヴァイアが「それはいい案かもしれないわね」なんて言い出して、リディアさんのところに行き始めたんだよ それで、だな。

リディアさんに「お母さん お久しぶりです」と言ったあとで リディアさんにだな

「お兄ちゃんと結婚して欲しい」なんてお願いをしたんだぜ で、リヴィアさんはだね。お父様にお願いをすることに決めて、二人で部屋から去って行ったのだけれど、だな。その二人の後ろ姿を見た時だった。

俺は

「お兄ちゃーん」と リディアが言っていた言葉を思い出してしまったんだ。そんな感じだった その後で

「どうしようかなぁー」と呟

「あのぉーですね。レイ君、あの子達に何を言っちゃってたんですか?」という声と共に俺の前に現れたのはだな。ユアンナなのだが。彼女は笑顔を見せていたが目は笑ってない感じでありましたね という訳でだな。彼女の問いかけに答えることにしましょうかね?ってなことを思った俺 とりあえずはだね。俺はだなユアンに、俺の目の前に立っている女性の紹介をしてほしいと思ったわけなんだ でまぁ そんな俺の考えに答えてくれたユアンは、だな。ユアンの隣に立っていた銀髪の女性の頭に手を乗せてから言葉を紡いだんだよ 彼女 ラオザさんの口から語られてくる言葉を耳に入れた俺は、「それでは こちらのご婦人の方が、この屋敷の主人の、リディア様だと仰るわけなのかい?」と言葉にするのだな。すると 目の前にいるリディアと呼ばれる女性は、「えぇ」と一言 そんなことを口にしてから「よろしくお願します」と言い放つ そんな光景を目の当たりにした俺

「それならばだな。この場を借りさせて貰っても良いかな」との言葉にだな。リヴィアは コクリと小さく首を動かしてくれた それからだな。俺は、目の前で静かに座っているリヴァの母親に、だね。こう言葉をかけたりしたんだ「貴女のお母上であるユアンナさんとは友人の関係を結ばせて頂いているのですが、どうか、私めの妻になっていただけないでしょうか」と、言葉にしたのだ 俺の言葉を聞いたユアンナは 少しばかり困惑気味

「私は、貴方の事が嫌いなんですけど、それでもいいのかしら」ってなことを言ってくるもんで 俺は、「そうかもしれませんが。これから先も仲良くしてもらいたいとは思っています。駄目でしょうか?」と そんなことを口にしてみた そんな俺の気持ちに対して ユアンナは、「私は、別に構いませんよ。ただし条件をつけさせていただくのなら。貴方とリヴァイア様を正式に婚姻を結びなさいよ」と言葉を返してくれるわけなんだ。そんなことを言われた後に リヴァイヤが「私の方からもお願いするわよ」と リヴァイヤは俺に向かって言葉を投げかけてくれてから「私としては、貴方と一緒にいたいもの。ダメかな?」と そう口にするわけだ それを聞いてだな 俺は、 リリアにだな 目線を向けることにした リヴァは俺に向かってだな

「お姉様が望むことに従うべきです。きっと それが一番の幸せになるはずです」と言葉を放つのであった。リヴァの言葉に「うん そうかも」ってな事を、俺はリヴァに告げてから、リリアに向けてだな「それじゃあ、お嫁さんにしてください」と言うとだな。リリアがだな。

「私こそ、末永き お付き合いをおねがいできますでしょうか?」と言ってくるもんで、俺はだな「勿論だよ」なんて言ってやるのだ 俺

「それじゃあ 早速だけど、お母様と話をしたい」と、俺が口にすれば リヴァイアが リヴァに対して 俺とリヴァイアが夫婦になることを許してくれるか?なんてことを尋ねてきたのでだな。リヴァが「大丈夫だと思うよ」と口にしていた

「大丈夫かと思うか?そうだな。それじゃあ、ちょっと試してみるとするか」そう言ったリヴァイアが、魔法を発動したかと思えば、俺とリヴァイアの姿が消えるのである。

そう だ。俺はだな リヴァから「お義母さんに会いにいくんでしょ?案内してあげる」と、言われると同時に

「わかった」ってな事をリヴァに向かって言うとだな。俺の身体が、だ。宙に浮かんだんだ。浮かぶというかだな ふわっとした状態で移動をするといった方が、わかりやすいのかな。なんて思いつつ。

俺は リヴァが「ついて来て」と、言うがままに、だな。リヴァについて行くことにしたのであった しばらく、俺とリヴァ それからリヴァイアの三人が、空中を漂うような形で移動する時間が流れていくとだな。俺達は 目的地に到着したらしい。そこは 小さな一軒家の前であってだな。俺達が そこに到着をするのを見計らったかのように 扉が開かれてだな。中から、銀髪の女性が姿を現したんだよ

「あら。久しぶりね」なんて言葉をかけてきてだな。俺はだな 彼女が誰かも分からない状態だったのでだな。俺は、とりあえずだな。

「はじめまして。リヴァの父親である。リヴァルド と申します」そう言って頭を下げてみたんだ。俺が そう言葉を漏らすとだな 銀髪の女性は、俺にだな。近寄ってきてくれたんだ。そんでもって、いきなり

「あなたね。私がリヴィから託された大切な息子を死地に送ったって人」なんてことを言うのだ だからといって俺は 彼女に怒りを向けようと思ったわけでもないんだよね その人が誰であるとか どうしてこんなところにいたんだろうとかって思う部分もあるんだけどさ それよりも俺が気にしている部分は違うところでさ、この人は俺のことを怒らせに来たんだなってことがわかってしまったんですよ。そしてさ 俺をここに呼び出したことこそが、その理由だったんだって理解ができたから 俺は彼女に謝罪することにしたんだよ まず最初に、「あの時はごめんね」と言った後でだな その次に 彼女の瞳を見てだな、「ご迷惑をおかけしました」と言ったあとで言葉

「俺のことを許すことが出来ないなら許さないでもいい。だけどさ 俺は、自分の意志で行った行動の責任を取りに行く。それだけは、覚えていて欲しい」と そう伝えたらだな 俺の頭を 優しく撫でてくれながら

「よく出来たね。ありがとう」と、言ってから

「貴方のことは、ずっと見守っているからね。忘れてしまわないように リヴァイアに愛され続けて、生きてね」って言って 抱き寄せてくれていた腕の力を弱めてくれた そして、だ

「私に用事があったんじゃないんですか?レイ君。何か話があるのであれば、聞きますよ?」と そんな風に言い放つんだよ 俺は そんな言葉を ラオザさんの口から直接聞いたことで、つい涙を零してしまったりしてしまうわけで、泣き崩れそうになった時に ラオザさんに抱きしめられたわけでして ラオザさんに「どうせ 私なんかの胸では慰めにならないかもしれませんけどね」と、苦笑いを浮かべて、俺の背中を軽く叩いたりしてくれてから

「ほら、もうそろそろ泣き止みましょうね」って言われてしまった。俺は ラオザさんの腕の中でだな。泣き続けた。

しばらくしてから俺はだな 落ち着きを取り戻すことに成功したわけなんだ。それから俺は、ラヴィアさんが俺にだな 色々と教えてくれたんだよ。

俺は ラヴィアさんと 別れることになった そんな出来事が起こらなければ リヴィアが リヴァイアの娘として 生まれ変わることはなかったんだってさ。

でまぁ だな。

「私は 神界へと帰ります」と言ってきたわけなんです。

まぁだな

「えぇ 貴方はですね。貴方が望めば、貴方の元に訪れることも可能ですので。私を呼んでください」とまで言ってくれて、だ。俺の額に手を置いてくれた後にだ

「それでは、私は去ります。貴方は また 会えれば良いですね」と言ってから。俺の視界から消えてしまうんだよ そんな光景を目の当たりにした俺 俺が目を覚ましたのが、リヴァの自室であることを理解していれば リヴァイヤが、ラオザの部屋に俺を転移させてくれたことに、すぐに気づくことが出来ただろうが。俺としては、そんなことを考えていなかったのだ ラオザさんの部屋に戻った俺はだな。ベッドから身を起こすと

「リヴァは何処にいるのか?」そう呟く そんな言葉に反応をして姿を見せたのはリヴァだ。俺の顔をジッと見てくるとだな 一言「お父さんが目覚めたってリヴァに教えてきてくるね」そう口にしてから 部屋を出て行ったのである。それから程なくして戻ってきたリヴァの表情は笑顔だ

「お父様が無事に目が覚めたって伝えて来たんです」そう言って、微笑んでくれるリヴァは とても可愛かった。

そういや まだ俺の意識が戻る前にだな。リヴァイアがだな。俺の側にいるようにと、リヴァに伝えておいたのだろうか

「ねぇ。リヴァ お母さんのことも気になるかもしれないけれど、私もね 少しばかり貴方と話がしたいのよ」なんて言って、リヴァイアはリヴァに対して言葉をかけたりするのだよ。

リヴァイアの言葉を受けて、俺はだな。二人きりにしてあげるべきかと、そんな風に思ったわけなんだ。だから、だな。俺は

「二人で積もる話をしてくるといい。俺も その間にだな。リヴァイアには謝るべきことがあると思うし。ちゃんと話し合ってみることにする」なんて言葉を吐いてだな 俺は、二人が俺と話す時間をくれてもいいはずだと

「それじゃあ、お母様はお兄様のお話を伺うのですよ」って、リヴァに促されるようにして リヴァは、部屋の外に出て行ってしまう リヴァが外に出ていくのを確認した俺はだな。改めて、リヴァイヤの顔を見る。すると、彼女は だな。優しい目で、俺を見つめてきたんだ。その視線は、リリアが俺に向けたものと一緒のもののような気がしていて リヴァイアの瞳に吸い込まれてしまいそうな気持ちになるのであった 俺は リヴァイアのことを見ている

「私に見惚れてくれるなんて嬉しいわ。だけど、私よりもリリアの方がいいの?」と、言って、悲しげな笑

「そんなことありません。俺にとって貴方がどれだけ魅力的な人か」なんてことを俺は口にしたんだよ。そうすればだな。リヴァを産んでいる女性なんだよな この人。だからだな

「本当に、そう思っているなら嬉しいわ」そう言った後だな リヴァに対して、「いい機会だから聞いておくわね。リヴ。貴女から見て レイ君はどんな男の子なのかしら?それにね。リヴァは、どうして この子をそこまで大切に思ってくれているのかが分からないの。貴女の想いを聞きたいと思ってね」なんてことを言うわけだ。

だから 俺はだな。自分の考えを言うことにしたんだ。リヴァのことが好きになってしまったからだって、な 俺の考えを聞いたリヴァと リヴァの意見を求めたリヴァイアのリアクションがこうだ

「私とお母さんってさ。似た者同士かも。お姉様にそっくりだし。でも 私のお母様よりお母様の方が、お母様なのかな」なんてリヴァイアに向かって、リヴァが言えば

「あら、ありがとう。でもね。やっぱり私に似ているわね。でもね 私が レイ君を大切に思っていることだけは、確かなの。私がこうして生きていられるのはね。彼の存在が大きいのよ。彼は 何度私が死のうとしても助けてくれる。そしてね。私の身体は、リヴァ。あなたのおかげで、維持出来てるの。私が死ねば、貴方も一緒に死ぬことになるでしょうね。リヴァ、貴方が、もしもの時はどうするのかを 貴方の意思に任せてもいいかしら」なんて言葉を紡ぐリヴァイアの表情はとても嬉しそうで そんな風に、だ。会話を続ける二人は、親子なのだと実感させられる。

俺は、リヴァイアにだな

「リヴァイアが、リヴァイアのままで生き続けられることを望む」そう言ってやったわけだ。

そんな言葉を、だな。俺に投げかけてくれたリヴァイアの眼差しを見れば 彼女の本心は分かっていたわけだが。俺はだな

「リヴァイヤさんは 今のままが一番美しいと、俺が思うから」って言葉を続けたんだよ。

そうした俺の態度を見たリヴァイアが、だな。俺の頬に触れてきて だ。俺は、そんな彼女の行為に甘えるかのように、その手を自分の手で覆ってやるのだった リヴァはだな。俺とリヴァの母親のことを、リヴィと呼んでいてだな。俺

「その呼び名だとだな。俺の母と勘違いされたりしそうだな」と口にしたのだが。リヴァイアに言われてしまう

「リヴァの母親はリヴァだけよ。間違えたりしないでよね」と そしてだな

「貴方はね。リヴィのことを、本当の母親として接してあげて」とまで言われる

「わかったよ」と答えながらだな。この人と一緒に居ると落ち着くというか リヴァを見ている時の気分と似ているものを感じる

「ところでだな。リヴァイアは、神界に戻るって言ってたけど。俺達とは二度と会えないってことはないよな?」と、俺は不安になって、彼女に尋ねたわけだ。

「そうねぇ。会おうと思えばいつでも会えるけど、今は戻らなくちゃね」そんな言葉が返ってきたからさ

「また 会いに来てくれないか?今度はもっとゆっくりと話がしたいからさ」って言ってしまったんだよ そうしたらだぞ。俺の願いを受け入れてくれて 微笑んでくれたんだよ。

リヴァと別れてからしばらくした後だ。カティさんに頼まれていたことがあるのを思い出してな あの人が作り出す場所へ向かわないとダメなんじゃないかと思い始めるようになるんだけども。俺はリヴァイアとのやり取りの中でだな。リヴァイアの言葉を反故にすることへの申し訳なさが消えないわけでして、結局はだな

「よし。俺の意識がある間にだ。俺は カティさんが作ってくれた。空間の先に向かうとする。リヴァイア、すまないな」と言ってやれば リヴァイアは「仕方がないじゃないですか。それに 私が望んだことなんですし。気にする必要なんかないんです」と言ってくれるんだ

「リヴァイア、最後にだな。俺の方こそありがとう。こんな俺のことを、受け入れてくれた上にだな。ここまで俺のためにしてくれている。感謝しているよ」と、そんな俺の言葉を受けたリヴァイアがだな。微笑んでくれるわけだよ。そんな彼女が可愛く見えてしまうのは仕方がないというか、俺の視界からリヴァイアの姿が消えた直後 リヴァイアの声が聞こえてくる

「こちらの事は任せておいて」なんて言葉を耳にしてから。リヴァイアは消えてしまうのだ。

俺達が、あの場所での出来事を終えてから数日の間 俺は、ラオザさんの部屋に泊めてもらうことになっていた その間はだな。俺は、だな

「ラオザさん ちょっと相談がしたいことがあるのですが」って言葉を吐き出すと、だな

「私で良ければ力になるよ」なんて言葉がラオザさんから返ってくるのである そんな感じで リヴァイアのことや、リヴァのことも ラオザに話をしたりしていたんだ ラオザはだな。

リヴァのことを聞いて

「良かった。私も嬉しい。私にとっては姪っ子のようなものだ」そう言って、喜んでくれるんだ。

そしてだな。俺の身体が動くようになったのを見届けると 俺達は ラオザの部屋を出ることになる その日はもう リヴァイアが俺に憑依することはなかった。

翌朝になると、だな。俺にリヴァイアが語りかけてきてくれる

『お久しぶりです。私と、話をしてくれるでしょうか?』なんて言って 俺が、彼女と言葉を交わしていれば

「おはようございます。お父さん。お母さんと話をするのは良いと思うのですよ。だけど お兄様は私とお散歩に行きませんか?」とリヴァに声をかけられてだな

「そうだな。リヴァ。久しぶりに二人で散歩に行くのもいいかもしれないな。リヴァと二人で行くとするか」なんてことを俺は口にすれば

「はいっ」と リヴァは元気に返事を返してくれるのであった。

それからしばらくしてからのことだったと思う。俺は 部屋を出ていく際に、「行ってくる」という言葉を残しておくべきなのか。それともそれすら口にする必要はないのかを考えていたんだけれど。まぁ。その辺りはよくわからないので。普通に、「行ってくるよ」「行ってらっしゃいなのですよ」

「気を付けてな」と、そんな言葉を リヴァに告げてからだな。外に出ることにしたんだ。そうした後に

「お父様。私に付き合ってくれますね」なんて リヴァが言うもんで

「もちろんだとも」って、リヴァと一緒に出掛けることになったんだ それでだな。リヴァが俺に提案してきた内容ってのがだな 俺とリヴァは今現在 人通りのない裏路地にいる

「さっきのお話で。私はね お母さんの事が好きなんですよ」と、リヴァは口にすると 俺はだな。そんなリヴァに視線を送りつつ

「リヴァが 母を好きだという気持ちはわかる」と 口にしたわけだ

「じゃあ、なんで お母さんに会いに行ってくれないのですか?」と、リヴァイアに似た顔でそう言われてしまう だから リヴァイアによく似た容姿を持つリヴァの問いかけに答えようとはしたのだけれども 俺の身体が、俺の意思に従わなくなってしまい 俺はその場で嘔吐感を感じてしまい、口の中に溜まった胃液をその場にぶち撒けてしまうわけでして、そんな俺の様子を 見守るリヴァの顔には、心配そうな色が見えるので「大丈夫だ」と答えようとするのだが 口からはだな

「大丈夫だ」と言う前にだな。別の言葉が出てしまったんだよ

「俺はな。お前の母と会う資格はないんだよ。リヴァイアの想いは、俺に向けられたものだ」とな 俺が吐いた後。リヴァは俺のことを 俺の背中を擦ってくれていて

「お母様のことが 嫌いなのですか?お母様の何が悪いっていうんです」なんて言ってくれるんだけどさ そのリヴァに対して

「リヴァイアの事を恨んでいるわけでもないし むしろだな。リヴァイアのことを 母だと思っている」と、言葉を紡いだりしている。そんな最中にだな

「貴方とリヴァイアさんの間に何かがあったんですか?それとも リヴァイアさんは貴方に何を伝えたというのかしらね」と声をかけてきた人物が一人 そんな人物に対し

「母を悪く言わないで下さい。貴女は 私のお母さんなんです。私の大好きなお姉様なんです」と、リヴァは叫ぶ そんな風に 叫びながら リヴァは、リヴァイアそっくりな見た目をした リヴァイアの娘と会話をする光景を目にしている 俺が見ているリヴァイアに似ている女性の名はリヴィーサと言いましてだな。彼女についてだが、リヴァイアと、どう違うのかを説明するなら まず、だな。髪の色がだな 金髪から黒に変わったんだよ リヴァイアが、リヴァイアになった時と同じタイミングでだな リ

「この世界はね 私達の世界とは違うわよ」って言いながらリヴィさんはリヴァイアさんに話しかけてたんだ。その後「リヴィと呼んでね」と言われてさ。名前を呼び合う間柄になっているんだが それはまた、別に話しておくとして、だな ともかく、俺の意識の中ではだな リヴァは金髪碧眼の外見をしているのだが

「この世界で生きる以上は、目立たない方が、良いと思うのよね」とリヴァイアは、言ってくれるわけだ。

そんな彼女は この世界でもリヴァイアの姿形をしていられるらしいのだが リヴァのことを気にしてくれたリヴァイアによって、だな。俺はだな。リヴァと共に この場所へと移動して、俺とリヴは 俺の両親に会うことにしたんだ。そんなこんなで 俺は、自分の親の二人と、こうして会っている

「ラオザから聞いてる。そいつの名前は ラオウとか言ったかな?その男の事は私達に任しておいてくれないか?その男は私達が責任を持って管理しよう」と言ってくれたんだよ 俺がだな。「よろしくお願いします」と返答してからだな「お義父さん」と言葉を口にしたら「誰が誰の父親なんだ」なんて言葉がお義父さんからは発せられたんだよ。そうしたら 隣にいた お義母さんがだな「私の息子に手を出したのは誰だい!私が直々に成敗しないといけないねぇ」なんて言い出して、だぞ。リヴィアさんの魔法により一瞬にして消し炭になってしまわれたんだよ そしてだな

「私に歯向かうとはいい度胸じゃないか!」なんて言葉と同時に リヴィさんの放った炎が俺の母親に当たる直前で リヴィアさんの手によって止められることになるんだ そうなった理由については よく分からなかったりするんだけどな そんなこんなで 俺の家族が全員揃うことになった そしてだな。そんな俺に対して お祖父ちゃんが 俺が意識を取り戻す前に、リヴィアさんに会った話をしてくれることになるわけだ 俺はだな そんなことをお爺様に説明されたあとに だな リディアと、カティア、ユアンの四人と話をすることに。

ラオザの部屋に戻ってくるなりだな 俺はだな。俺の前に姿を現してくれた

「ラオザさん」と、ラオザさんに声をかければ「はい。旦那様」とラオザさんは返事を返してくれるのだ

「リヴァイアがな。お前が俺のことを受け入れてくれたと伝えて欲しいと。俺も、そのつもりだ」と俺は口にすればだな。ラオザさんは、だな リヴァイアが消えた方を見ながらも だな。ラオザさんはだな。「畏まりました。リヴァイアの気持ちをお汲み取って下さり。ありがとうございます」と口にしてくれる そんな感じのやりとりをしていたところにだな。カティアが現れて

「リヴァイアさん。リヴァちゃんは?」と口にしていた。だから 俺の方もだな「今は俺といる。安心しろ」と言えば カティアは、だな。微笑みを浮かべてから「そうですか。では、私は、少し、用事が出来たので出かけますね」なんて言うわけだ。そして、だな。その足で 何処かに消えてしまうのである そうこうするうちに 俺の目の前にいる女性が、俺に言葉を投げかけてくることになる

「私と話をしてくれるかしら」って そう言う女性のことを見た後にだな 俺の視界には 俺の身体の上に座る リヴァの様子が入ってくるのである。リヴァはだな。俺に密着しているような状態で、リヴァイアの娘さんを見ていて、その女性は、俺に近付いてきたので

「貴女が、リヴァイアの娘ってことか?」って俺の言葉を受けてだな

「えぇ、そうです。そうですとも 貴方が私の父になるんですよ」なんて言って

「それで?なんのようだ」と俺は口にした。リヴァイアに娘がいるということが衝撃的ではあったものの。だからといってだな。俺は この世界の人間じゃないんだ 俺に出来ることは、少ないんだ

「貴女に、リヴァイア姉さまのことを思い出して欲しいんですよ」なんて リヴァイスさん

「そんな事は不可能だろうな。それにだな。俺はもう、リヴァイアのことを 忘れることにしたんだ。あいつのことも、リヴァの事もな」って俺は言うとだな 俺の腕を掴んできたリヴァイスの手を払うようにしてだな その場を立ち去る 俺を追いかけてくるリヴァイス リヴァイスを俺の体に憑依させているのがリヴァだと分かっていながら リヴァイスの好きにさせる俺 そんな状況でだな。リヴァイアの娘と出逢うという場面があったわけだ。

俺はだな その日を境に 俺に好意を寄せてくれる女性達 その全ての対応をしていくことになる 俺は、その全てに「無理だ」と答える事になる。だって、だな。俺がだな その女性と結ばれることはないのだから

「貴方は私の夫になられる御人だもの。だから 諦めることはしない」

「俺は 君と婚姻を結びたいとは思わないし そもそも 君のことなど知らない。他を当たってくれ」

「貴女は、私のお母様のお父様なのですから。私の事は大切にしてください。私のことが、好きなのでしょう?」

「俺はな。お前と婚姻関係を結ぶわけにはいかない。何故なら、俺はお前の事を何も知っていない。だから、今の時点で お前と俺は 赤の他人と変わりはない。俺は、今のお前の態度を見ていればわかるように 誰かに優しくできるほど器用な人間ではないんだよ。悪いな。じゃあな」と 俺は、そんな感じで、断り続ける 俺の体は 俺の思うように動いてくれていて 俺は、この体を使って。色々な事を体験することになる 例えば 街でだ

「あの、すみません。道を聞きたいんですけど」なんて言われてだな その人に

「ああ、案内しよう」と言ってだな。その場所に向かって歩いて行くのだが その最中だ

「ちょっと待ちなさいよ。あんたが私の相手役になりなよ」と。声が聞こえるんだ そんな事を言われるが。無視して、先を進む俺 だがな。俺は、だな。俺の体の感覚でだ。女性達に囲まれていることを、知ってだな

「おい、そろそろいいだろ。いい加減にしやがれ」と言ってだな 俺の周りを取り囲んでいた女性達に

「道を開けてくれ。これから大事な約束があるんだ」なんて言葉を、女性達に告げると 女性達は「仕方がないわね」と言ってだな 俺を開放してくれたんだよ。そして、その時に、その女性達に、礼を言うのはだな。人として当たり前の行動だよな 俺はだな それから暫くの間だな。この国の王様が統治されている街の中 そこを、散歩してみたりとか、だな まぁ、そういう行動をしている間に だな。色々と、面倒なことに、巻き込まれてしまったりしてしまうことになる そして、俺は この国を統治する王族の方々に会うことになり。そこで 国王陛下との謁見の場が設けられることになる。そこで、だな。俺に、その権利が与えられていることに驚かされるんだ。だけど、俺には、それを受ける資格なんてない

「いや、それは出来ない。俺は、ただの旅人だ」と俺は、はっきりと言葉にすることを選んで口にした。しかし、それが どうやらいけなかったらしい。俺が、断る言葉を口にしてから、すぐにだな。一人の男が現れ

「いいじゃないか。私が許可を出す。君は 私の息子の妻になるんだ」と言ってだな。その場に居合わせていた人達が全員だな。賛同の声を上げたりするんだよ 俺は、そんな言葉を受けてだな。リヴァイアが残した言葉を思い出しながら、だな。こんなこと

「いいかい。ラオウ。何かしらの出来事が起きたとしてもだ。必ず。自分の意志を貫き通すんだよ。もし 自分の感情を抑えきれずに、行動に移すことがあるのならば。私は、自分の力を全て使ってでも。それを、阻止させてもらう」なんて言葉を思い出す 俺もな。自分が正しいと思ったら その通りに動けばいいと思ってる その気持ちは、だな。今も変わってはいないんだ リヴァイアの娘に リヴァイアの居場所を教えるべきか?なんてことを悩む俺 リヴァイアに娘のことは任せると伝えたばかりなのにな そんな風に悩んでいるとだな。突然として、目の前にリヴァイスが現れることになるんだ

「お困りのようですね」と 俺の前にいきなり現れてくれたのでだな 驚いた俺だったが。その驚きよりも、目の前の女性の存在感というか そう言ったものの方が上回っていたこともあり 俺の方がだな。「そうだな。確かに。リヴァイスさんの言う通りだと思う。リヴァイアは、今どこにいる?」と、聞いてしまうのだ 俺の言葉に対して リヴァイスは、微笑みを浮かべてから「今は眠っています」と言うのだ

「リヴァイアの身体の調子はどうなんだ?」と、俺の言葉を受けてだな

「問題ありません。むしろ絶好調だと思います。貴女のおかげで 私の姉は、幸せそうに過ごしている。私に出来た初めての姉の大切な人で。姉が認めた貴女にお願いをしたいことがあるんですよ」なんて 言ってくるのだ 俺は、だな。目の前の女性の願いとやらを 聞き入れても良かったのかもしれないけれど。それよりも 俺は、早く。俺の母親の安否を確認したいと思っていた。そうしなければ 俺は、きっとだな。前に進めない

「悪い。俺は 今 急ぐべきことがあり ここで、貴方の願いを聞くことは出来ないんだ。リヴァイアと連絡を取ることが出来たのであれば 俺は、貴方の話を聞き 協力出来る事があればするだろう」って 俺の言葉を聞いた女性は 俺のことをジッと見つめてから だな。

俺の頬に手を当てて来るのである そしてだな。その女性が 口を開いたかと思う

「残念です」と口にするとだな 次の瞬間である。目の前にいる女性が

「私は 姉であるリヴァイアに力を譲渡した。その結果、私に残されたものは 僅かしかない 姉には 既に子供もいるのですよ」と言葉にしてきたのである 目の前にいる女性が口にした言葉を俺は受け止めて

「リヴァイスさん。あんたの力を貸してほしい。俺と一緒に来てくれるか?」と俺が言えばだな

「えぇ、もちろんですとも」って言って リヴァイアの娘は微笑んでくれるのである 俺の言葉を受けて 微笑むリヴァイアの娘さんに

「リヴァイアは、何処にいるんだ?」って俺が聞くと

「今は寝ています」と。同じ答えを返してくれるんだ

「リヴァイアに 話しておかなければならない事がある」

「なんでしょうか?」

「俺の母親のことなんだが」と口にした俺に リヴァイアの娘が、「貴女の母親がどうかされたのですか?」と 首を傾げながら 口にしていたのだが。俺は、そのことを伝えるわけにはいかないと思いながらも

「リヴァイアの子供が俺の元にやって来て 今、眠っている。その子のことは頼むとリヴァイアに伝えたはずだ。だから、少し、リヴァイアと話したいんだ」と伝えてみるとだな リヴァイスが「お待ちください」と言って 俺に背中を向け リヴァイスの娘が何をしているのかわからないが。リヴァイスが 俺の手を握り

「リヴァイアと話がしたかったら 私の言う通りにすれば、話は出来ます」と言ってくるんだよ。なので、

「じゃあ、よろしく頼む」と言って リヴァイアの娘に全てを預けてだな。目を閉じればだな。目の前の景色が変わり そこはだな。海の中のような光景が見える場所で。俺は一人で立っているんだ 目の前の海中には、魚の形をした何かが 泳いでいるんだが。その数は異常だった 無数の魚達が、海中に漂っていて 俺はだな。その数を見てだな。驚いてしまうのだが。そこでだ。

「母さん。やっと会えたんだね」なんて言葉と共に 一人の男の子が現れたんだよ そして、俺のところに近づいて来た

「僕は 母さんの息子。君の名前は何て言うのかな?」と聞かれてしまった

「俺は 名前を持たない。ただの旅人で」と俺が言えば その男の子が「嘘つき」と言って

「僕ね。母さんの記憶を見たよ」と言われてしまうので 俺は思わずだな 顔を歪ませてしまった その顔を見てからだよ

「君の顔 面白いよね」と笑われたわけで。それから直ぐに「それで、君は どうして母に会いたかったの?」って尋ねられたのでだよ 俺はリヴァイスの娘に頼んでいたように リヴァイスから、リヴァイアに伝えて欲しいことがあったのだと正直に話すことにしたんだ「じゃあ、君は、僕と同じ存在なんだね」「お前もなのか?」と俺が言うとだな

「そうだよ。だけど まだ完成してはいないけどね」なんて事を言ってきてだな。そんな事を俺に告げると 少年が俺の手を握るんだよ 俺に「君の名前を考えてみたんだ」なんて言葉をかけてきてくれて

「君のお母さんはさ。僕のことをリヴァイアと呼んでくれたんだよ」って言葉を口にしてくれたのでだな。そこでだな。俺は、この子の名前を考えることにする。リヴァイスの子供だからな。それ相応の

「俺の名はラオウだ」と。それだけを伝えておくことにしてだな。俺は、だな。リヴァイアの息子である、この子のことが心配になってしまうんだよ。それは、何故だかわからんが。

まぁ、とりあえずはだな。

俺はだな。その日 宿に戻ってきてからもずっと考えていた。あの子に名前を授けるべきか否か リヴァイスの娘である。彼女の名はリヴァイス リヴァイアの息子であり。彼女もまただな。人間ではないんだろう その辺に関しては 詳しく聞いても教えてもらえないだろうなとは思いながらな そして、だ。俺は考えるのを放棄してだな そのまま、眠りにつくことになった。

朝を迎えるとだな。俺は

「リヴァイスのところに行くぞ」とだけリヴァイスに向けて声に出した 俺の言葉を聞いてリヴァイスが「私の娘に用があるのですか?」なんて言葉にしたので 俺は「あぁ、俺の妻になる女が 今、この国に召喚されてだな。その女を助けてやってほしい。あいつには助けが必要なんだ」なんて言葉を口にするとだな。

「ラオウ。私の願いを聞き届けてくれませんか?貴女なら出来るはずなんですよ。私の娘のことも」って言ってくれたんだけどな。

そう言われるも、俺はまだ リヴァイアのことを考えている リヴァイアの娘はどうするかと言うことをだな リヴァイアの娘が「私は 姉と話をしたくて」なんて言ってきたので

「分かった。ただ、俺は お前の頼みを聞くつもりはない」と、ハッキリと告げたのだ そう口にしてからだな。俺は、リヴァイアの娘と話をすることになった

「リヴァイアに話があってだな。リヴァイスはだな。リヴァイアの娘でもあるんだよ」なんてことを

「はい。わかっております。ただ私は、自分の意志を通して姉の元へ行こうと思っているんです。姉を助けることが出来るのであれば それが どんな手段であろうとも、受け入れようと思っています」とだな。目の前に座る女の子が真剣な眼差しで俺を見つめて そんな言葉を放つもんだから。つい「俺はだな。俺の母親が好きだ。母親として、そして。妻としてだ。そんな俺から見て、お前の母親。リヴァイアには幸せになってもらいたい。その気持ちが強いんだ。だからこそ 俺は、俺の願いの為に動く」と

「では 姉と話が出来たのですね」と 俺に向かって 問いかけてきたのだ

「リヴァイス 俺に力を貸してくれ」

俺の言葉に対して

「私は 貴方についていきます」

「すまないな」

俺はだな。そう口にしてから「カティ。リヴァイスと一緒にリヴァイアと連絡を取ってくれないか?リヴァイスには 俺の母親の無事を伝えたいんだが。そうしなければ、リヴァイアの子供が俺の元まで来れないかもしれない」そう口にしたらだな リヴァイスがだな「私の力では、姉に連絡を取ることが出来ないのかもしれません」なんて 申し訳なさそうに口にしたんだ

「いや、そう落ち込むな。なんとかなるだろう。最悪は、俺の力を使うさ」なんて俺が口にするとだな。目の前にいるリヴァイスの娘が 突然と姿を消し

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異世界で奴隷を買って内政チートをする~異世界でスローライフを送るはずがいつの間にか大冒険!? あずま悠紀 @berute00

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