第10話

 ワード国の内乱は王によるものであり、王子のルージュとリージュが王を制して治めた。


 これまでの出来事はこのようなものとして自体は収束していった。


 シムカは集めた兵士たちを使い、リージュが動けるようになるまで手当て、復興の指揮をしていた。


 ナトリとカイルの手伝いにより、ファナ、レン、ポール、キール、ディオンはすぐに動けるようになり、彼らもまた手伝いをしていた。


 重傷を負ったルージュだけは専門の治療を受け、数日間動けないでいた。


 様々な手を借りて少しずつ国は平穏を取り戻していった。


 ルージュが完治したところで、二人は国内外へ向けて宣言をした。


 新たな王が決まるまでの間、二人で王の代理を務める。


 そして、平和のために争いを止める。


 そう簡単にいかないこともあったものの、時間を掛けていくほど解決することもあった。



  ***



 屋上にはルージュとリージュが並んで立っている。二人はそこから見える景色を眺めていた。


「これが、俺たちの望んでいた景色なのかな?」


「さぁ。まだ全部が見えているか分からないからな」


「じゃ、確かめに行く?」


「おっ、いいこと言うな、ルージュ」


 二人は後ろを振り返り、そこに置かれていた機体を見る。それらに近付いていき、ゆっくりと動かしていく。


 エンジンを始動させ、ゆっくりとペダルを踏み込んでいき、エンジンスロットルを動かしていく。


 屋上をしばらく周回していき、二人が並んだところで一気に踏み込んで加速させていく。


 機体が浮いていき、完全に飛んでいったところで、二人は並んでワード国の姿を確かめるために城から離れていった。

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