第8話

「シンジ、それ、マジなの!?

本当に義理の兄妹になっちゃったってことなの!?」


「う、うん...」


「しかも、なによ、私が守るから大丈夫って。情けなー!シンジ、情けないったらないわね。男なのに、マドンナに守られるとか、、!」


そんな会話をしてたなら、

マドンナが階段を駆け上がる音が聞こえてきた。


マヒロは、

「やばっ。マドンナ戻って来ちゃう...」


と大慌て窓に向かった。

帰る時もマヒロの奴はいつだって窓を使っていた。


マヒロは捨て台詞みたく俺に背中をむけてこんな言葉を俺に残した。意味深だった。


「あーあ。もう宿題写すことできないのか...。これからは自分で考えて課題帳もこなさなきゃならないし、シンジの部屋ならエアコンあるけど、うちはないし...。3時のおやつのお茶やお菓子だって自分家で、ひとりで食べるのかぁ...」


突如、くるりと振り向き、付け足した。


「じゃあね、シンジ...」


「良かったね。学園のマドンナと同居できてさぁ」

それが。良かったね、の前のそのことばが。普段は言わずに去るから余計に気になってはいた。


この日以後。


マヒロは俺の家に一切来なくなった。


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