第10話
バニラが飛び出したことで、膠着状態だったクレイとシャザーレィの両者が同時に動き出した。
クレイはバニラを庇うように前へ。
シャザーレィはバニラの持つバーサタイルに反応し、砲塔を構える。
「ユルサン……リャクダツシャハ……ゼッタイニ!」
しかし光条が発射される前に、バニラの持つバーサタイルが光を放つ。
限界などないかのように生み出される光は、やがて遺跡全体を真昼のように照らし出し、あまりの光景に2人と1体は動きを止めてしまう。
視界を塞ぐほどの圧倒的な光量に耐えながら、バニラはたしかに見た。
半透明の神秘的なまでに美しい女性がシャザーレィを優しく抱きしめている姿を。
「もういいんですよ……ジーン、もう貴方は休んでいいんです」
その声と共にシャザーレィの目から光は消え去り、孤独な守護者はようやくその役目を終えることができた。
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