第11話 影の軍団

「凄まじい幼女!!何がどうなれば、あんな麒麟児に育つのだろう……」

 王でさえ、所在地を知らない諜報員の本拠地、諜報員改め、影の軍団、団長のサイゾは呟いていました。


「異世界の記憶80年を持った一歳の幼女、異世界日本で何をされて来られたのか、レイネアリス様?

 80年培われた知識、想像も出来ない神の国の様な日本の叡智!

 とんでも無い知識を、持って居るならあの発想、改革は頷ける。

 だが、一歳の身体で、巨体の団長を投げ飛ばされた、あれは何が起こった?」


 先程の信じられない巧みな采配処置、最後の騎士団長との勝負は、信じられない圧勝に、容赦無い処刑!!

 新しい主を見極める為、レイナが王宮に到着した時から、一部始終を観察していた、サイゾでした。

「恐ろしいが、真に仕える価値の有るお方だ!!レイネアリス-レシア様!……」


 ゴウマ団長の死に様、圧倒的力を見せ付けたレイネアリス-レシア公爵令嬢の話が、寄生虫貴族達に、あっと言う間に広がり、謝罪書が山と集まっている、との報告が入って来ておる。


「自力もやる気も無い寄生虫らしく、謀反の兆候無しの報告のみか…」

 念の為だ!!あのお方は、決して詰まらぬ相手に、害されてはならない!!

 我らを真に、有効に使って下さる稀有けうなお方だ!!


「カスミ!ユウギリ!来い!」

「「隊長!お呼びで?」」

「隊長では無い、レイネアリス様が命名して下さった!我らは『影の軍団』と改名された。私をこれからは軍団長と呼べ!」

「「はっ!」」

「二人は影ながら、レイネアリス-レシア公爵令嬢様を、命に変えてお守りせよ!!」

「「はっ!」」

「行け!」





 レシア公爵邸


 話が終わり、自室でやっと寛いでいるレイナでした。

 しかし、レイナは天井をにらんで「影!報告か?降りて来い!!」


 突然の指示に、驚いた顔のカスミが降り立ち「レイネアリス様!」

 片膝をつき、右手を左胸に置き、指示待ちです。

「もう一人も降りて来なさい!」

「レイネアリス-レシア公爵令嬢様!!」

 何故存在が分かったか、隠密行動に自信が有ったユウギリは、不思議そうにしています。


「急な改革に、処分した者が多数出た、恨みに思い暗殺者でも送られては溜まらんので、注意して居た」

「それにしても、気配を消す我らに、気付かれる!影からお守りする指示を受け行動している、我らの立つ瀬が有りません!!」


「名は?」

「ユウギリです!」「カスミです!」

「二人は完璧に気配を消していた、自信を持って良いぞ……二人には話ても良いか……私の能力の一つで、真実を見抜く言う成れば『神の目』かな?」


「日本人族の能力で有りますか?」

「3人居った、影から聞いたか」

「はい!レイネアリス様に、お仕えする影達の共通認識の為、知らされました」


「二人を受け入れる!影からで無く表立って、私を守れ!」

「「はっ!命令に従い、命に変えてお守り致します!!」」

「いや!自分の命は大切に!必ず生き抜いて私を守れ!!」

「「……は、い…」」

 諜報員時代から、任務に置いて使い捨てが当たり前の命『必ず生き抜け』なんて、言う指示を受けた事が無く、人扱いに感激するユウギリとカスミでした。

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