第10話 人を殺して気付いた事

 帰りの馬車の中、先程の戦いを振り返っています。


 大勢の反乱分子予備軍の手前、権力と圧倒的力で、見せ締めが必要だった。

 過激だったかも知れないが、後悔はしていない。


 前世この世界通じて、初めての殺人、意外に私動揺してない。


 前世で、私本当に潔白?直接殺人はして居ない、それは確か……

 私は大東亜戦争開戦の年、昭和16年生まれ、物心付いた頃には空襲で、お婆ちゃんの実家に疎開避難してた。3歳昭和19年、高射砲で奇跡的に撃墜した、グラマンの操縦士が、村に落下傘で降りて来た!


 学徒動員で働きに行った、高校生のお兄ちゃんや、女学生のお姉ちゃん達が、血塗れの死体になって帰って来た事もあった。

 軍需列車じゃ無い、普通の汽車を面白半分で機銃掃射するなんて!


 あんなに鬼畜な、機銃掃射殺人繰り返した米兵が、万歳してニヤニヤ笑ってた。


 村は、お爺さんお婆さん、女子供しか居なかったけど、皆竹槍で米兵を突きまくった、私も石を投げた…

 な~んだ、私間接的に人殺しやってた。と言うか、私より前に生まれた世界中の人が、直接間接、又は殺人幇助さつじんほうじょ全員やってる。


 私の根底には、軍国主義教育が根強く残ってたの?その反動なの?前世の私が無気力だったのは。


 アジアの同胞を、ヨーロッパ諸国の魔の手から救い、大東亜共栄圏を確率する!!

 それが、敗戦と同時に鬼畜米英じゃ無く、日本人のみが間違った悪者、日本以外の国は全て正しく良い国って意味の、日本国憲法まで出来て、占領軍達による、府抜け国家化政策、戦後教育は歪んで行った。

 当時の私は、戸惑ったよね!


 ※(レイナの主観です、作者による憲法批判でも、戦後教育批判でも有りません)


「ま、どうでも良いか!今の私は身を守る事が出来、殺意の相手は躊躇無ちゅうちょなく殺せる!その結果精神を病む事も無い、文明が遅れた異世界で生きて行くには、理想的じゃないですか」



 わが家、レシア公爵家に帰りました。

 父様に私の家臣、親衛隊を紹介する前に。


「レイナ!何をやって来た!!謝罪文が、続々届いて居るぞ!!!」

「謝罪文ですか?」

「そうだ!内容は殆ど同じ!『不届き者は身分剥奪、追放します!決して当家は、レイネアリス公爵令嬢様、並びに国家に反逆するものでは有りません、何卒ご容赦下さい!!』との謝罪書、何があった?」


 国家の前に私の名前ですか?ゴウマ団長を殺ったの、無駄じゃ無かった。

 誰が改革してるか、私の本気度、解雇した騎士団経由で浸透して居るね!



「寄生虫貴族家が、必死の生き残り賭けた、言い訳だよ、ラフレシア王国の為です、容赦はしないよ!!」

「レイナ?意味が解らん!」


「まず落ち着いて、こちら3人は父様も母様もご存じの、私の家臣、共に最南端の漁村の改革に行く仲間!20人の兵達は、私の親衛隊として、国王より賜った軍です、王命が下りしだい改革に護衛として同行します」


「ちょっと待て!余計解らん話になって居るぞ!!」

「王様がね、私の手腕を見たいって、手腕を振るう前に、寄生虫貴族の大掃除やったの」


「レイナ?可愛く言っても駄目だ!又々遣り過ぎたんじゃないか?」


 王宮に到着し、国王と共にやった事を、順序だてて説明しました。


「はぁ~、貴族達大慌ての謝罪文の意味は分かった……容赦無い娘に育ったもんだ!ゴウマ侯爵の巨体甥を、捩じり殺したのか」

「無防備の幼女に抜刀!斬り掛かって来たのよ!」

「無手で巨体に勝てる?いつ鍛練した?」


「それは乙女の秘密!」

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