第6話 国王様に招待受けました

「薄ボンヤリした子供では、レイナの相手は勤まらん!」

「これは却下!これもこれも却下、不参加の返信を!」


 招待状の山の中、菊の紋章じゃ無い、大輪の薔薇の紋章が!!

「王家の招待状だよ」

「ん?」父様が拡げて読んでる。

「ラフレシア国王が、レイナを王宮に招待したいようだ、行くか?」

「父様!行くか?じゃ無いでしょう!!国王の招集だよ!何はさて置いて、最優先で行かないと!!!」


「そうか?『暇な時に遊びにおいで』って書いておる、優先せんでも、暇な時に行けば良いぞ」

「そんなないがしろにして良い招待状じゃ無いでしょ!」

「レイナは知らないか、父さんはラフレシアの従兄いとこで母さんは、国王の姉だぞ」

「!!!」そうなんかい!レシア公爵家って無茶苦茶な血統だった。

「え~と、私と王子従妹って事?で、王様って叔父さん?」

「そう、なるな」


 この国乗っ取る訳に行かなくなった、建国するなら適当な所を見付けないと。

⦅って言うか、今の恵まれた身分棄ててまで、建国する意味無いじゃん!⦆




 と言う訳で、例の白い馬車で王宮に向かっています。

 ジュンが、招待状を門兵に提示し暫く待つと、女性兵士の一団20人がやって来ました。

 ジュンはウコンの名前ね、それからネネがサコンの名前。


 私の前に兵士の一団が、ビシッと整列します。

 隊長らしき兵士が、右腕を左胸に当て臣下の礼を取り。

「我らは、レイネアリス様の親衛隊で御座います!!」

「ん?働き期待して居ります!」「「「「「はっ!!」」」」」

⦅私の親衛隊?それって必要?⦆


 兵士隊の先導で、王宮エントランスに通されました。


 エントランスでは、宰相さいしょうっぽいお爺さんが迎えてくれて、国王のもとに案内されました。

「こちらが国王様の執務室で御座います、本日は私の手の回らない小村を改革して下さるとか、大天才様、精々頑張って下さいませ」

(ん?何の話か知らんが、若干の敵意を感じるよ?)



「国王様!レイネアリス公爵令嬢をお連れ致しました」

「おう!レイナ、入ってくれ!」

「失礼します」

 入ってビックリ!国王だけかと思った所、重鎮じゅうちんらしいジイチャンが10人程居ました。


「レイナ、そこに腰掛けてくれ、話は長くなる」

「はい」

 ユッタリふわふわのソファーに腰掛けました。

 ウコンサコンは、私の後ろに控えています。


 重鎮ジイチャン達は、事務用長テーブルに着いてこっちを伺う素振り、あまり好意的に見えません。


 宰相さいしょう重鎮じゅうちんを鑑定してみます。

(無能?全員無能!!何でこんな取り巻きで国が成り立つ?)



「たった今決定した、事案だが、そこに控えた宰相が50年?いや、全く管理せず放置して居った、広いだけの寂れた漁村を没収し、レイナのお披露目祝に領地として与える事になった」


「ふへぇ!!」思わず間抜けな声が出ます。

「はははっ、その顔を見ただけで、報われるぞ」

 王様勘違いしてる、海の幸放置に驚いているだけ。

(そう言われてみると、お魚この世界で食べて無いよ!)


「親衛隊と士爵3人連れて、領地運営やってみてくれんか?」

 広げられた地図によると、王都から遥離はるかはなれた南の最果て。

「遠いですね!一歳児に命ずるお話とは思えません」


「うん!一目見て、地図から遠いと読み取る、レイナは凄いな!!一歳児とは思えん、100歳越えた、童話のエルフでは無いのか?」

「えっ?王様!エルフが居るの?ドワーフは?」

「レイナ?何処でエルフやドワーフを知った?」


「おい!!全員退席せよ!!呼ぶまでこの部屋に近付くな!!!」


 皆不思議そうに、それでも王命に従い部屋を出て行きました。



 おもむろに国王が口を開いた。

「エルフは銀髪、ドワーフは黒髪だったと伝えられておる、国王だけが知らされる話だ。

 レイナの両親、儂の姉上と言えど、知らされぬ真実、これから話す事は他言を禁ずる!!」

「いや!話さないでよ!一歳の幼女だよ?思わずペロッと話すかも、知らない事は話せない!!」


「はっはっは、そう言うレイナだから、話したくなる」

「迷惑だよ!」


 こっちの気持ちなんて無視、国王は勝手に話し出しました。


 初代ラフレシア王が、建国を行ったと伝えられて居るが、実はエルフ族とドワーフ族が建国し、ラフレシア王に譲られたのが真実。

 人と共存は難しいと、その後エルフ族とドワーフ族は何処かに消え去った。


「儂はレイナを一目見て、ドワーフでは無いかと疑っておる」

「その考え無理があるよ!母様、叔父上の姉は人間でしょ?金髪だし、人からドワーフは生まれないよ!」


「それだ!儂はエルフとしか言って居らん、ドワーフなどの事を何で知っておる?」


「ラフレシア王国の、存亡に係わる秘密を話してくれた、叔父上を信用して、私の秘密父様も母様も、ゼナ以外誰にも話していない、絶対他言無用の秘密です」

「ゼナ?······おう!薔薇のブローチをレイナが送った···ローレル伯爵の長女だったか。!黒髪と聞いておる!!その娘もドワーフか?」


「ドワーフでは有りませんが、私もゼナもこの世界の人間では有りません」

「こ、この世界だと?違う世界が有るのか?」

「順を追って、お話致します!私とゼナの故郷日本の話を!!」


 日本とはどんな国か、私もゼナもこの世界より、遥に文明が進んだ世界の記憶を持ったまま、この世界に生まれた事を、分かりやすく説明しました。

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