第4話 一歳のお披露目

 優秀な高位貴族の長子が3歳、普通は5歳でお披露目するそう。


 私の、この世界での両親、ダンテバルト-レシア、アンネアルサ-レシア、公爵家当主と公爵婦人は「女神の如き、大天才レイネアリスなら、一歳で充分皆の度肝を抜ける」と、半年掛けて準備万端、明日がお披露目会と言われました。


「明日かい!もっと余裕を持って、教えて欲しかったよ!!」

「レイナは、少し皆の前で挨拶、後はニコニコ天使の笑顔を振り撒くだけで良い」


「お披露目会で、挨拶に来た者に頷いて「宜しく」と言っていれば良いのよ」

「ここがお披露目会場になる」


 豪華な飾り付けが施され、キラキラシャンデリアに照らされた、広ぉ~~~~い、部屋に案内されました。

 当然身体強化でなく、普通に歩行出来てますよ。

 ヨチヨチ歩きでもないよ。


 一年も暮らして来たのに、我が家にこんな体育館みたいな部屋が有ったの?知らなかった。

 考えてみたら、私の部屋と食堂、図書室と広い庭以外知らないよ?

 明日用のキラキラヒラヒラ衣装が、ずらぁ~~~っと並んだクローゼット部屋で、衣装を決めて私の用は済みました。



 これを機会に、公爵家探索やってみよう………今私絶賛迷子中です。

 お掃除中のメイドに救出されるまで、さ迷い続けました。



 一気の探索は無謀でした!ダンジョンマップ作りながら、少しずつ公爵家探検を続ける事にしました。


 疲れた私は、夕食もそこそこ早めの就寝でした。


 あまり寝た気がしないのに起こされました。

 辺りはまだ薄暗い「何かの間違いね」再び寝ようとする私は、寝間着を剥ぎ取られ入浴、普段着に着変えさせられ朝食です。

 夕食を殆ど食べず寝てしまったので、豪華な朝食が有り難い。


 難点は食のコーディネートって、意味の分からない習慣、今日はかぼちゃコーディネートですね。

 パンプキンポタージュスープにかぼちゃコロッケ、肉詰めかぼちゃ蒸しにデザートかぼちゃチップ。


 一品ずつはとっても美味しいのに、かぼちゃ嫌いになりそうです。

 この因習は絶体廃止させてやる!!




 私の衣装、上はピッタリ身体にフィットで、スカート部分は何重にも重ねられフンワリ広がった白いドレス。

 全体に、淡いピンク淡いブルーのリボンで作られた、小さなバラの花が縫い付けられ、アクセントにキラキラ光るのは宝石かしら?


「これって凄く高そう!食べこぼしで汚したら大変だね」

「汚されても大丈夫で御座います!同じお洋服がもう2着用意されて居ります」

 着付け専用メイドが、とんでも無い事言ってる。

(なんたる無駄遣い!二度と着ること無いドレス、同じ物が3着とは)

 慣れて来たとは言え、前世の勿体無い精神がムクムク持ち上がります。

 子供は髪を結い上げないとかで、念入りに髪をとかして、完成です。

 因に、父様も母様も金髪なのに、私はなぜか黒髪なの、些細な事ですが、遺伝学的に有りなのかしら?





 お披露目会が始まりました。

 私のお披露目会ですが、王族は一段高い位置に鎮座増します。

 ご挨拶に父様と向かいました。

「国王!これが自慢の大天才!娘で御座います」

 おい!紹介それだけかよ!しょうがない。

「ラフレシア国王様、わたくしレシア公爵の長女、レイネアリス-レシアと申します、本日は私のお披露目会にご出席下さって有難う御座います、ご覧の通り無知蒙昧の一歳児で御座います、国王様に置かれましては、今後の御引き立てご鞭撻承べんたつたまわれば幸いです、宜しくお願い致します!」


 一瞬呆けた顔をした国王が、にちゃぁと顔を崩し

「レイネアリス!いやレイナよ!!お主の父親より完璧な挨拶感動した!!

 そうじゃ!!儂の息子、リフレ王子の婚約者になってくれ」

「国王様、許嫁いいなずけに止めて置かれる事を、奨励致します!

『生まれた時は天才で、子供時代は秀才で、成人したら只の人』って事に往々にしてなる物で御座います」


「わっはっは!息子の嫁には勿体無い!儂の後妻王妃に成れ!!」


 と、言った感じで、国王様へのご挨拶、無事終了!

「レイナよ!やり過ぎだぞ!!」

 父様も誉めてくれました。


 この国の公爵家はたった一家、我が家だけです。

 後は格下の貴族の挨拶を受けるだけ。



「レイネアリス様、お披露目おめでとう御座います!!私ゴウマ侯爵家当主ゴウマで御座いますお見知り置き下さい!」

「ゴウマ侯爵、今後とも、ご指導宜しくお願いします」

 侯爵驚いた顔してる、一歳の幼女の受け答えじゃ無いね。

 ゴウマ侯爵気を取り直したようで

「大天才と名高いレイネアリス様、感服致しました

 こちらに控えて居りますのは、ゴウマ侯爵家長子、コズルで御座います」


 4歳位の少年、名は体を表す狡そうな顔の少年が進み出て。

「レイネアリス様、お披露目おめでとうございます!私はコズル-ゴウマで御座い

(プッ!噛んだ!!顔が真っ赤)


「挨拶痛み入る!私の緊張を解す為、あえて道化心遣い覚えて置きます!有り難ね」

 ニッコリ笑顔で答えました。

(爆笑堪えるの苦労させやがって!!このガキ!)


 後から後から、挨拶の波が続き、入り婿にねじ込もうって魂胆見え見えの挨拶が延々と続き、くたくたに疲れたお披露目会でした。

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