第 4 話 楠木正儀伝を書いた動機

☆ 南北朝の通史を描いた大河を創りたい ☆


 [昨今の出版や舞台化を受けて]南北朝時代がブーム。でも中先代や四條畷・観応の擾乱と、尊氏が亡くなる時代前半まで。南北朝時代の後半は相変わらず日が当たらない。面白い時代なんですけどね。楠木正儀伝はそんな時代後半も詳細に物語が綴られます。('22/02/06)


 正儀伝を書いたのは、この人の生涯を描きたかったというより、南北朝時代の分裂から合一までの顛末を描きたかったからなんですよね。('21/04/01)


 大河ドラマに望むことは、人それぞれあっていいんだけど、私は一つの時代の顛末をしっかり見せてもらえるものを望んでます。('21/08/12)


 家康のような成功者は、ある意味その人自身が歴史だからいいんだけど、いくら英雄でも正成や晋作は歴史の途中で退場しちゃうので、私の基準では主役としては難しいんですよね(汗)。('21/08/12)


 そういう意味で南北朝時代なら楠木正儀一択なんです。細川頼之という選択肢もあるけど、観応の擾乱より前が描きづらい。('21/08/13)



☆ 正儀が大河ドラマに適する理由 ☆


その1.南北朝の顛末をひとりで綴れる唯一?の人

①南北朝のほぼ最初から最後まで生きた

②帝に近く、南北朝の動乱の中心にいた

③南北朝の出来事の大半に関与した

('19/11/17)


その2.物語に適した魅力的なキャラクター

①天才的な戦略家にして戦嫌い(慎重)

②和睦と南北合一を求める一途さ

③日本人の好きな判官贔屓、滅びの美学

('19/11/17)


その3.テレビ的に都合が良い

①初めに父楠木正成の活躍を描くことになり、初回から視聴者を取り込める

②和睦派の正儀を介せば、皇国史観の呪縛を解き放って正成・正行の活躍が描ける

('19/11/17)



☆ いろんな人が登場するのも理由 ☆


 [南北朝武将列伝(戎光祥出版)の登場人物で]数えると、なんと南朝編31人のうち24人、北朝編56人のうち36人も『大河小説 南北朝時代/楠木正儀伝』に登場してました(ト書きで名前だけ出てくる人も含め)。南北朝の通史を書いた小説なので、当たり前っちゃあ当たり前ですが……主人公が河内なので東国武将が少なめです(汗)。('21/06/12)



☆ 南北朝でハッピーエンドは望めない?! ☆


 南北朝が大河ドラマにならないのは天皇以外の問題があるということかな?!承久の乱が大河になるわけですから。('20/01/13)


 [ほとんどの人がろくな死に方していないからでは?!というリプライを受け]確かに。誰が幸せだったんだろ?引っ掻き回した側の道誉かな(笑)。でも、息子や孫たちが大勢討死しました。('20/01/13)


 南北朝でハッピーエンドは難しいでしょうね。実ははなから悲哀大河というイメージで正儀伝を書きました。('20/01/13)

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