第13話 橋本正督って何者だ②

☆ 正督は「まさたか」でよいのか?! ☆


 楠木正儀に代わって河内・和泉の国務掌管者となった橋本正督。「まさたか」と読むのが一般的で、私の小説もそうしていますが、最近、違うんじゃないかと気になってる。('22/02/20)


 「まさたか」は後世、橋本正督が橋本正高と同一視されたことから生じたのではないかと。最近、私は同一説を疑っていて、そこから正督の読み名も考え直す必要があるかと思ってる次第。('22/02/20)


 で、最初の課題に戻って橋本正督の読みですが、「まさみ」または「まさただ」というのが、一つの可能性としてあるかな。※無責任な呟きなのでご注意を(汗)('22/02/20)



☆ 正督の正体は?! ☆


 正儀時代の橋本家の当主は橋本四郎左衛門尉。しかし、この人とは別に橋本民部大輔(正督)が出てくる。しかも橋本家当主であるはずの四郎左衛門尉に、同じ橋本姓の民部大輔が文書を下している。いわゆる天下りで橋本家に入ったのが正督なのかもしれない。('22/02/20)


 遡って正平八年、橋本正高が日根野時盛から土丸城を奪取したと伝わる。この時の橋本家の当主は四郎左衛門尉。伝承をそのまま鵜呑みにも出来ませんが、正高の名前は正督より早くから登場する。('22/02/20)


 「まさたか」には亡くなった日にちも、亡くなった場所も、亡くなったときのエピソードも、そして墓までも二つある。このうちの一方が正督で、一方が正高ではないかと(墓は高野山を含めると三ヶ所)。('22/02/20)


 この、急に現れて橋本家当主を越えて実権を握り、そればかりか一門総領の(正儀が北朝に出奔した後の)楠木家までを抑えて、河内・和泉の国務掌管になった橋本正督とは?楠木正成を継承できる余程の血脈でないと一族一門も納得出来ないんじゃないかと思うわけです。('22/02/20)


 正成の血脈であり、正儀以上のスピードで官位が上がることを可能にする人物と言えば。正成の嫡孫つまり本来、楠木家を継ぐはずだった楠木正行の嫡子ではないかと。それが、正行の子と伝わる楠木正綱。('22/02/20)


※ 橋本正督が楠木正綱ではないか?!と最初に推察したのは、もちろん私ではありません。専門家の方の二番煎じですが、私なりに推察してみました。



☆ 正成嫡孫説の信憑性 ☆


 この橋本正督が、出奔した正儀に代わって南朝軍の軍事指導者になったことで、南軍はかなりの勢いを取り戻す。自分が北朝に降ることで南北合一を画策した正儀にとって大きな誤算だっただろう。('22/02/20)


 その勢いは、足利義満が出陣したことからも推し量ることが出来る。ただ、義満が初陣を飾る相手となると、敵の勢いだけでなく、敵の筋目(素性)も考えてのことだろう。そういう意味でも、橋本正督が楠木正成の嫡孫、楠木正綱その人であれば、全て辻褄が合うという次第。('22/02/20)


 ただ、正成嫡孫説も弱点としては、なぜ、正督が楠木姓を名乗らなかったのかという点。当時、楠木ブランドは相当なものだろうから、南朝側としては何とも勿体ない。('22/02/20)


 正督が橋本家を継いだからには、橋本の名乗りを捨てることを(成り立ちとしては本家筋の)橋本家が納得しなかったからとか、楠木正勝が残って南朝側の楠木家が存続していたから、とか考えられるのだけど………う~ん。('22/02/20)

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