第21話 楠木一門

☆ 読めない名前(諱) ☆


 楠木一門は読めない漢字が多いですよね。季(すえ)、行(つら)、督(たか)、遠(はる?)。 成(しげ)や儀(のり)ですら、一文字だけ目の前に出されると、わからないかもしれない……(汗)。('20/11/04)


 正員(まさかず)、正理(まさみち)もですね。('20/11/07)


 正時にしても「まさとき」と読むのが正解かどうかわからないです。('20/11/04)


 正行も「正連」とかの当て字の文献があったから、ああ「まさつら」って読むのかと後世の人はわかるだけで……。('20/11/04)



☆ 記録に残る漢字の誤りと言えば ☆


 [積川神社の石灯籠が楠木正儀じゃなくて正義?という話を受けて]「正義(正儀に近い字)」「正式(読みはマサノリ)」と書かれた当時の記録も散見されますが、何れも正儀のことと思われてます。そういう名の兄弟が別に居たと言われる方もおられます。('21/07/07)


 [記録の誤りが多い理由として]楠木一族は兎に角、読みにくい字が多いですね。正行(まさつら)、正儀(まさのり)、正遠(まさはる?)、正督(まさたか)。いみなを知られると呪詛されるからと、わざとですかね。('21/07/07)



☆ 楠木一門の通字とおりじは「正」だが ☆


 系図は後世のものが多いから一概に言えないけど、正成の同世代から「正」を通字とする一族が増える。橋本氏は親の世代まで「成」だったのに、正員・正茂兄弟の世代から「正」! 出世した正成から偏諱を受けたんだろうか。('21/05/11)


 そう考えると、和田氏の「高」と「正」が交互に見られるのも、偏諱前と後が、ごっちゃになっているからとも考えられる。和田高遠が正遠に、高家が正家になったと考えれば、系図上の世代のズレも解消する。('21/05/11)


 楠木正儀伝、[いろいろ考えた挙げ句]苦慮してた和田正遠の設定を変更。偏諱を受けて和田高遠が和田正遠に、和田高家が楠木正家になったことに。ただ、正氏を登場させてる関係で、登場回数は数えるほどですが。('19/12/11)



☆ 済恩寺を名乗る楠木正近 ☆


 楠木党に済恩寺正近(楠木正近)という重鎮が存在する。だが後世には伝わっていない。何者なのか考えてみる。正儀が棟梁になったときの後見役との説もあるが、それにしては正儀と同時期の左衛門尉任官は遅すぎる。もっと若い人ではないか?そもそも、正儀の後見役は橋本正茂と伝わる。('21/10/30)


 済恩寺正近は飛騨守として出てくる。[律令制度のランクだと]飛騨は下国。名字を楠木ともするが、大国の河内守 楠木正儀や上国の伊予守 楠木正顕より1ランク下の血筋と思われる。('21/10/30)


 南河内や泉南に済恩寺という寺や土地はない。しかし西恩寺ならある。寛文年間に今の寺院名になるが、もしかすると、前の名は済恩寺だったかもしれない。楠木の菩提寺でもある観心寺の一坊で、場所も近い。この寺の近くに山城と館を建てて、拠点としていたのかもしれない。('21/10/30)


 この西恩寺は、楠木正季に関係深い甲斐庄からも近い。その他もろもろも考えると、済恩寺正近は楠木正季の息子ではないだろうか。私の小説の中で言えば楠木正春が済恩寺正近に該当するのだが、まだ確信が持てないので、変更するまでには至っていない。('21/10/30)

※ その後、見きり発車で変更しました!



☆ 謎の岸和田氏 ☆


 ほんと、つぶやきですが……拙作の心残りのひとつが、岸和田氏(定智、快智、治氏)というジグゾーパズルのピースがはまらなかったこと。これ解けたら、高家、正武、正氏などの設定もガラッと変わったかも……。('19/10/31)


 もし、通字が氏だと、治氏と正氏の関係は? 定智、快智の諱は何だったんだろう?! 賢秀、賢快が法名を名乗っているのは偶然なのか?!('19/11/01)


 和田正武も、心のどこかでは、わだ系じゃなく、みきた系じゃないの、という引っ掛かりが。岸和田氏をきっかけに「わだ」と名乗ったというのは無理筋かな……。('19/11/01)


※ 和田氏を整理すると、① 紀伊を出自とする和田わだ氏(熊野国造系??橘系??)、② 御家人の和田みきた氏(大中臣系)、③ 和田みきた氏の庶流である岸和田きしわだ氏。

 根拠は全くないが、楠木家と姻戚関係を結んだ③が(新)和田わだ氏と呼ばれるようになった、というのはどうであろうか。


 やっぱり、和田高家の岸和田城の伝承が引っ掛かってる。高遠・高家親子が正成の偏諱を受けて、正遠・正家になったと考えればスマートか。正武が高家の弟だとすると、元の名は高武だったりして(笑)。ま、無いか。('19/10/31)

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