165.お箸
「箸の使い方教えてほしい。そろそろ日本人じゃないってバレそう」と純日本人顔の女が懇願するもんだから、俺は、え? と一瞬思考が停止した。
食堂のカウンター席で一人黙々と食事をしていたら、俺の隣に座ってきて、アクリル板越しに話しかけてくるなんて、何かのイベントでも発生してしまったのかと俺は混乱する。
話を聞くと、彼女は帰国子女で、フォークやスプーンだけで食べられる洋食しか頼まないことを食堂のおばちゃんに訝しく思われているのではないか、と心配しているようだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます