図書館にて

というわけで俺らは家の近くの結構大きめな図書館に行った。

「なんの勉強をすんだ?」

俺が聞くと

「数学。お前授業中寝てるだろ、」

「なぜそれを!」

だいぶ席は離れてしまっているはずなのに、と思いながらまあいっか、と適当な席について教科書を開いた。

「おい、赫翔!」

名前を呼ばれ向かい側の席を見ると同じクラスの黒沢伊織くろさわいおり白石大智しらいしたいちがいた。

「なんだ、お前らもいたのか。」

「俺らも勉強しなきゃだからな!」

大智が大きな声で言う。

「静かにしろよ。ここ図書館なんだから。」

伊織が注意する。

大智はΩで伊織はαなのだが、別に番になっているわけではない。なのにとても仲がいい。

「赫翔たちも勉強しにきたのか?」

「そうだよ、そろそろやばいからな。」

俺が言うと

「お前はいつもだろ。」

と言って笑われた。

「お前には言われたくはないな。」

「なに、俺がバカだって言いたいのか?」

「お前もバカだろ。」

ため息をつきながらそう俺は言った。




『毎度この図書館をご利用いただき誠に有難うございます。まもなく、閉館の時間でございます。お忘れ物の無いよう、ご注意ください。』

館内アナウンスが流れたところで俺らは荷物をまとめてそれぞれの家に帰ることにした。

「じゃあなまた明日なー」

俺が言うと

「またなー」

とあいつらは返してそのまま別れた。

ぶっちゃけトキとは家が隣なので一緒に帰ることになる。

「そろそろテストですな。赤点取らないようにしないとな。」

俺が言うとトキは

「まぁ大丈夫だろう。ちゃんと理解はできていたからな。このテストが終わったら文化祭だったか?」

「そうだな。頑張んないとなー。」

俺は答えた。

「じゃあな、また明日な」

そう言って俺らはそれぞれの家に入っていった。

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