第17話 体力が…圧倒的に、足りない…
「カガ…どうだ、気持ちいだろ?これが胸の快楽だ…」
男の声で何を言っているのかわからないと思いながらも、だが、真実胸は快感で一度感度が上がるとしばらく賢者タイムに入るまで気持ちよい。それは、ナタリィとの行為で何度も何回戦にもなった原因として理解しているからだ。
にしても、この大きすぎず小さすぎないCカップ後半からDカップの程よい胸は素晴らしいと思う。ナタリィのは手が埋め込まれるんだ。カガのは、なんというのか、いい手のひらに収まりつつも指と指の間から肉が溢れてくる感じ。
いや、愛する女と目の前の鬼畜職権乱用勇者を比較するなんてそんなこと何の得にもならん。俺は、ナタリィ命。そう、幼馴染善良ヒーラー聖女エルフは俺の心。
「んっ…良いな、確かに。女によっては胸を嫌がるやつもいたが、気持ち良すぎて怖くなるというやつだったのかもな…っ…」
「なんで他の女の子と考えるんだよ、俺のこととお前の女の体の快楽のことだけ考えろよ…」
(といいつつも、俺も別の女とカガを比較してしまっていたから人のこと言えないか…。すまない、ナタリィ…)
「急に口説くな…」
「いいだろ、別に。ナカは正直で締まり良くなってるのに…?こうやって耳元で話されるの、好きじゃないの?女にしてあげてるの、実はされたいからっていう本心があるんじゃないの?」
俺の肩を押してくるが、力がどんどん弱っている。
だが、力が弱い。簡単に手首をつかんで、ベッドに寝かせることができた。
正常位に持ち込めた。長い髪が縛っているのに顔にかかる。そっと、指で払いのけると赤く染まった顔が出てくる。
「なんだ、不満か…?ヤルならさっさとやれ…くっ…」
ピタっと腰の動きも、息子も勢いよく引き抜く。抜いた瞬間に軽くイってしまった。が、こんなことよりも、カガからあの言葉を引き出したい。
そう、勇者であり、今は女勇者となった、あの鉄板の言葉を…。
少し、出かけていた。あと一押し。快感が収まってしまい0から快感を上り詰めるのは建設的じゃない。だからきっと、彼は嫌々ながらも言ってくれるはずだ。
「なぁ、言ってくれよ…あの言葉…」
「え?好き?」
「へぇっ?! えっ、そっちじゃなくて!」
違う、そちらじゃないというか、え、好きって何だ急に。
こちらの方が驚いてしまった。
心拍数と息子が跳ね上がる。
「まって、腰急に揺らすなッ…!お前と俺今感覚が共有されてもう何度もイってッ!!!」
「無理っ、止まれ…ん…このまま何度もイキ続けるぞ!!」
「そんな、そんなの!!!ア"ックっ」
ここからはもう地獄のようだった。何度もカガはイク。その度に俺にも帰ってきて、何度もイク。その感覚がカガにもまた返っていき敏感になりナカが締まりまたイクという無限ループに入っていった。
チュンチュン、と鳥の声と村人がドアを叩く音がする。
二人とも動けずにベッドでうずくまっていた。
シャワーを浴びないとさすがにこのままの匂いで村人に会うのはよろしくない。
わかっているわかっていると、カガはベッドに埋まりながら低い声を出している。
「ん???カガ、女なのに低い声出せんの?」
「あぁ?そりゃぁ一晩喘ぎ続けたらそうなる…だ…えっ?」
起き上がり互いを視認した。
すると、性別がカガは従来の男だが全盛期の若い頃24歳頃に戻っていた。俺は俺は?!と思い、カガの家の鏡の前にベッドのシーツを体にかけながら走っていく。鏡に映っている俺は、女の姿、神になった日の姿に戻っていた。
「やったぁああああああああ!!!」
安心すると、力が抜けてその場にドサッと頭をぶつけない程度に倒れこむ。そのまま、握っていたシーツで芋虫になり、籠る。
「何が何だかわからんが、村人と少し話をしてくる。お前はそのままでいろ、いいな」
うん、と少し動くとカガはパンツとズボンを履き、玄関に向いドアを開け村人と話し始める。
ギィっとドアが締まり、カガは部屋の奥へ消えてまた戻ってきた。そうすると、私のくるまっているシーツをひん剥いて姫様抱っこして部屋の奥へ連れ込まれる。
「えっ、俺、じゃなくて私もうデキないんだけど…」
「は?もうレベルは十分上がっただろ。それよりも、お前先に風呂に入れ。臭い。酸っぱい匂いがする…普段運動しないだろ?汗が臭いぞ。運動しろ」
心にとてつもなく刺さった。否定できない。何も否定できなかった。
というか、つらすぎて半泣きで風呂に入り全身を全力で泡立てた石鹸で洗いまくった。頭皮も臭い可能性があると思って髪も頭皮もすごく丁寧に泡立てて洗った。
「コンディショナー、コンディショナー…野郎の家にあるわけないよねぇ~」
「あるぞ」
背後から物音も立てずに入ってくるカガ。
驚き胸を隠しながら叫ぶ。
「何覗いてんのよえっち変態!ドスケベ!」
「お前の体に興味はない。なんだ?コンディショナーいらないのか?」
「いえ、すんません…欲しいです…」
受け取り、手にそっと出すと懐かしい香りがする。
この香りは…
「聖堂からの支給品だ。今朝、ナタリィが村に配給に降りてきたらしくてな。その時に日用品を持ってきてくれたそうだ。いい花が採れるようになったから、種類も増えたとのことだそうだ」
いい花…あ、そうか、あの直した村の…綺麗な花たちで作ったのか。
ナタリィの普段纏っているいい香りがする。
心が安らぐ。一滴も無駄にしないように、コンディショナーを髪に浸透させていく。
3分くらい寝かせてる間に体を洗って、流す。いい香りが髪の芯まで入った気がする。
タオルドライをして、リビングへ向かうとコーヒーを飲んでいる上半身裸のカガ。ステータスで見るまでもなく、筋肉がしっかりしている。これは、確かにこれだけみても惚れる女はいるだろう。
「あのコンディショナーやるよ」
カガが唐突に伝えてくれる。
「え?いいの?でも、それじゃお前の髪ボッサボサじゃね?」
「いや、俺は別のやつがある。それつけてる今のお前の顔はすごく穏やかで俺が使うのは違う気がしてならないからな。譲ってやる」
「え、あ…うん、ありがとう」
「照れるな気持ち悪い…」
ちょっとなんだよ、優しい所あるんだなって見直そうと思ったのにさぁ?!
タオルを手に持ったカガは風呂に入りに行く。
「俺も入ってくるから、旅支度しとけ。軽い荷物で済ませとけ。運動不足の人間が急に重い荷物持っても速度が落ちて足手まといだからな」
「ちょっと?!一言、マジで一言多いわ!さっさと風呂入ってこいや!」
――旅支度か……
数年ぶり、いや数十年ぶりか……
老婆になってからは助言のみで聖堂で水晶見つめるだけの日々だったからな。
リハビリもしてなかったし。
そうか……私はまた旅に出るのか。
なんだか、心がすこしわくわくしてきた。
「久々に、がんばろ」
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