第15話 また受けなのか、俺は…
攻められすぎている。
何がって…?
全身を全裸の女勇者になってしまった前世プレイボーイだったカガに全身くまなく気持ちよくなるように愛撫されてる。
前世は男だったカガ。そして、今世でも男でプレイボーイでワンナイトが多かった男だが、自分の性別が女に突然なったら少しは戸惑ったり自分のあそこを見たりとかおっぱい触って感じたりとか何かあるだろうとか思ってた。
「なんで、女の姿になってんのにそんなに落ち着いてんの?」
俺の首元をゆっくりと舌で舐め上げ、耳たぶをチロチロと舐めてくるカガに問いかける。
正直、すごく丁寧に可愛がってくれている。カガの方がそういう本とか読んで勉強でもしたのかって思うが勉強じゃなくて体験して行為をしてもらってきたから"やり方をわかってる"再現している"ってのが正しいんだろう。
「女になったからどうした?別に変わらないだろ」
「いや、変わるだろ。アソコ見たりとか、おっぱい自分で揉んだりとか…」
「ふっ、ガキが」
俺のことを見下ろしてから鼻で笑って行為を続けるカガ。
耳を執拗に攻められる。クチュクチュと水音が腰に来る。
カガの片手がそっと鎖骨をなぞって、乳首へと降りてくる。そして、クリクリと触り始める。
「んっ、くすぐった…」
「大丈夫、力抜きな」
姿はただのべっぴんさんなのに、セリフが全部カガの感覚を纏っている。勇者権限がすべての言葉に乗せられる為、力を強制的に抜かされる。強張っていた身体が脱力し、カガを押し退けようとしていた腕はストンと力なくベッドに落ちる。
「カガァ…俺、このままマグロな訳?」
「不服か?」
「うん」
カガは膝立ちになり、顎に手を当て少し考える。
股からは何か透明な煌めきを放っている。手をそっと上げ、股座に手を添える。
指先が濡れた。
その指を、彼の目の前に持っていきニッと笑って見せる。
さすがに驚くだろう、自分も女の体で感じて濡れるなんて経験したことないはず。
女だった俺ならわかるが、濡れるのは初体験だろう!さあカガ、どう出る!
だがしかし、カガはフッと見下して笑ってきた。
「濡れてるだろう?当たり前だ、感覚をお前と共有している。つまり、今愛撫を入念にしているのは実質俺が気持ち良いようになるための行為だ。お前を気持ちよくではなく、俺が俺を気持ちよくさせるための愛撫に他ならない」
「えっ」
「呆けるな、感覚共有を戦闘時のみにするとでも思ったか?女の体になったからどうした。なら、お前の男の体を俺の体だと思って気持ちよくなれば一石二鳥だ。そして、俺は20回戦まで可能だ。そうすれば、先ほど提示したノルマを余裕でクリアする」
「え……カガさん…その、女の体の方が、感度とかイッた時の快楽度違うとかいうじゃないですか…それは…俺にも還元されてしまうということで……???」
カガとパーティー契約をし、感覚共有した。
つまりそれは、すべてを共有するということ。痛みも苦痛も戦闘時のみのもの。その後の達成感、民衆からの支持による安心感と責任感は、勝手に自分たちが感じ取っているものだと思っていた。だが、それは、勇者パーティー契約により感じ取っている"カガの感じた感情も共有"されている。
「カガ…お前、あんなにも民衆からの期待と圧を俺らにも分けてくれてたの?」
「あぁ、当たり前だ。気が引き締まり、成長できただろ。人間として」
「そうだけど……だからって、これからの行為にこの能力わざわざ使います?」
「当たり前だ、使わない他ない。ナカイキを俺は何度も女にさせてきた。何度も時間をかけて愛撫を繰り返し、ワンナイトを完璧に気持ち良くいい思い出にさせてきた。だが、俺は満たされなかった。出し切ったのに、俺は快楽の頂点を得たことが無い」
なんだろう、すごくまじめに胸も揉みながら股も触りながら俺の腹に股を擦りつけて話すこととは思えないほどすごく話してくる。
勇者も人間だということがわかるが、なんだろう、思ってた自分の思い描いてたエッチな雰囲気じゃない。だって、要するに…
「カガの未体験を体験するために、俺は利用されるってこと?」
「あぁ、そうとも言う。だが、忘れるな、お前はただ快楽を享受し絶頂を繰り返しドライでもイキまくり俺のナカを満たせ。そして、俺が得られなかった快楽を寄こせ」
カガの目がぎらぎら光る。
願いを改めてみると、先ほどよりもわかりやすくでかく表示されている願い。
<女の連続絶頂を体感したい>
それは、熱烈な願いだった。
そして、なんとも
「馬鹿かお前―――!」
叫んだ途端、息子がカガの中に無理やり入れられる。
体の脳みそから何かがすべて入れ替わった感覚に襲われ、意識を手放した。
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