第11話 銀髪美少女とのお昼

〈司side—〉

クラスメイト達に囲まれていた抹白を連れ出し一緒に昼食を食べることになった司。司の心臓は今にもはちきれんと言うばかりに鼓動が高鳴っていた。


(どうして一緒に食べようなんて言ったんだよぉぉぉぉ!これじゃ誰かに見られたら勘違いされるだろうがぁぁぁぁ!それになんか西園寺さんニコニコしてて可愛いし!変な勘違いしちゃうってぇぇぇぇ!)


初めて教室で会ったときはよく分からなかったけど、銀髪の超絶美少女は身長160cmくらいだろうか?そういえばこの間助けた銀髪の美少女もそのくらいの背丈だった気が…雨がたくさん降っていたし、色々なことがありすぎて(主に透けブラなど)気が動転しちゃって、よく覚えてない…


横から見ると豊かに実った双丘が遠目でもわかってしまうくらいの存在感を放っている。そのくらいのスタイルの良さだ。しかも肌は雪のように真っ白で、触れると溶けてなくなってしまいそうなほどの透明感すら感じさせる。ブルーサファイアのような碧眼は今にも吸い込まれてしまいそうだ。文句なしの超絶美少女だ。


(水菜もめちゃくちゃ可愛かったけど、西園寺さんも相当だよな…まぁ、俺が水菜と仲良くできることはもうないんだろうけど…)


しばらく抹白をみて惚けていると、抹白は視線に気づいたのか司の方を見た。

(やっべ、見てたのバレたかな?)

司は見ていたのを必死に誤魔化そうと、キャラじゃないのにクールぶってみた。

(やっぱりこういうのって笑顔が大事だよな!笑顔、大事!)

【どうしたの西園寺さん?】

司は爽やかな笑顔を抹白に向けた。

【—っ!】


急に抹白の雪のように白い頬が赤く染まりはじめる。

(やっべ!そんなに気持ち悪かったのかな!?中学の時は好評だったと思うんだけどな…全然顔とか雰囲気も違うからそれもそうか。)


【ご、ごめん!なんか俺悪いことしちゃったかな?】

司の言葉が理解できなかったのか、抹白は可愛く首をかしげる。

【何を言ってるんですか?全然悪いことなんかしてませんよ。それよりも早くお弁当食べちゃいましょ!】

【そうだね、もうすぐおすすめの場所に着くから】

【はい!】

(よかった…嫌われたかと思ったよ…)

司は内心ほっと息を付き二人で司のおすすめの場所に向かった。



上へとつながる階段を上り、扉を開くと、そこは屋上だった。この学校は珍しく屋上が開放されている。

学校全体を見渡せる場所で司のお気に入りの場所だ。

屋上なんて最高のリア充スポットだろうに、不思議なことに黎明学園ここの屋上はなぜか人気がない。


【きれいな場所ですねー!】


隣に立つ抹白が屋上での景色を眺めながらそう小さく呟く。

まるで初めておもちゃを与えられたかの子供のような純粋な瞳をしていた。

その横顔に思わず司は目を奪われる。

(本当に美少女は何をしても絵になるからずるいよなぁ…俺もイケメンに生まれてきたかったな…)

司は気づいていない。中学の時女子にめちゃくちゃモテていたことを。なぜ気づいていないのかというと、水菜との距離が近すぎて他の女子たちは踏み込めなかったのだ。水菜は無自覚だったが他の女子たちを自然と牽制していたのだった。



【はやく食べようぜ!時間がなくなる!】

司は今日パン一枚しかお腹に入れていないし、今日は慣れない翻訳に勤しんでいたため、頭もお腹もすっからだった。

(こういう日は甘いメロンパンに限るぜ!)


司は近くの日陰になっている場所に座り込むとパンの袋を開ける。

それを見て慌てて抹白も座り込み、持ってきていた弁当を開ける。

メロンパンじゃない良い匂いが司の鼻腔を擽る。

抹白の方を向くと色とりどりの可愛らしいお弁当が雪のような真っ白な膝の上に

乗せられていた。


【おいしそうなお弁当だね、これってロシア料理のビーフストロガノフ?】

司はとっさに抹白に尋ねてしまった。

突然の事に驚いた抹白はあわあわとしている。

【そうですけど…よくわかりましたね?】

【こう見えても俺結構料理するからさ!】

抹白は信じられないといった様子で目を見開いている。

【そうなんですね…よければその…た、食べてみますか?】

【え!いいの!ありがとう!】


司は向けられたごはんとビーフストロガノフが乗ったスプーンを遠慮なく口に入れる。

【—っ!】

【これほんとにおいしいね!お弁当用に水分を少なくしているのかな?】

【そ、そうですね…】

【これ、もしかして西園寺さんが作ったの?】

【えぇ、まぁ…】

【ほんと!?すごいね!あ、よかったら俺のパン食べる?あんま良い物じゃないけど、お返しって意味で】

【——っ!!それならいただきます…食べたことないので…】


――パクッ。

そんな可愛らしい擬音が聞こえてくるほど小さな口で可愛くメロンパンを咀嚼した。

キラキラと目を輝かせて美味しそうに食べているその姿は、男の庇護欲をとてもくすぐる。

【おいしい?】

食べている様子を見ればわかるが、司は抹白に尋ねる。

「とってもおいしい、です!」

抹白は本当においしかったのか、不慣れな日本語を使い、司に感想を伝えた。


【よかった!】

【私もです!】

【もしよかったら、今度俺が和食作って来るから食べる?】

【それは食べたいですけど、大丈夫ですか?】

【お返しじゃないけど、西園寺さんが作るロシアの料理とかまた食べさせてくれない?】

【そういう意味じゃなくてですね…今日弁当持ってきてないじゃないですか?その…手間じゃないかなって…】


抹白は申し訳なさそうに眉を顰めるが、司はそんなこと気にした様子もない。

【確かに手間だけど、誰かに自分の料理を評価してもらいたくてね…一人はいるんだけど、しばらく会ってないからさ。】

【それなら遠慮なく司くんの手料理を私が食べて、たくさん評価します!】

【あぁ、遠慮なく頼むよ!】


二人はその後も弁当や先ほどの授業、休み時間の事などを振り返りながら、楽しく昼食をとった。


司は一瞬屋上の扉が開くのが見えたが、気にしなかった。


そんなことに気を逸らせないくらい、抹白との雑談は楽しかったからだ。


いつか、あの子にも俺の作った和食食べてもらいたいな…そう想いながら、明日作る弁当の具材おかずを考える司だった。




今回はちゃんとラブコメできていたと思います!

抹白との無自覚の関節キス…うらやましいな…そこ変われ!(笑)


冗談はさておき、自分、文書くの遅いので夜中に一時間ちょっとかけて書いているんですよね。少しでも良ければ♡とかつけていただけると、書いてよかった!って気持ちになるので、お願いします!


今回もこの作品を読んでいただきありがとうございます!

それではまた次話で!

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