第7話 転校してきた銀髪美少女
ビービービー、ビービービー、ビービービー……
目覚ましの音で意識を深い水の底から覚醒させると、司はベッドから急いで飛び起きる。
「おいぃぃぃぃー!あと30分で遅刻じゃないか!!目覚まし壊れてるんじゃないのか!?」
現在の時刻は午前8時。司は目覚ましが壊れていると言っていたが、そんなことはない。30分前から目覚まし音のコールは奏で続けられていた。要するに寝坊だ。
「飯食ってる場合じゃないぞ!歯磨いてすぐに
そう言いつつも歯を磨き終えるとちゃっかりとパンを口に咥え学校にダッシュする。幸いにも、昨日寝る前に学校に行く準備は終えていたため、すぐに学校に向かうことができた。
司のマンションから黎明学園までは電車を使い片道30分なので急がなければ遅刻してしまう。
エレベーターに向かう途中に近所のおばちゃんに声を掛けられるが司は律儀に丁寧に応えていく…
「あらあら、遅刻するのかい?急ぐんだよー」
「んん!あひがんふんざひまふ!(はい!ありがとうございます!)」
そんなこんなで急いで電車に乗り込み無事に黎明学園に遅刻することなく着いた。教室に入るとクラスメイト達は何やらざわついているようだった。
唯一の親友であるイケメン陽キャの
「おいおい優、いったいなんでこんなに皆ざわついているんだ?」
「まずはおはようからだろ?まぁ、そういうところが司らしいんだけどな」
「気持ち悪いこと言うなよな、悪かった。」
「そんなに拗ねんじゃねーよ。てかお前、今日はあの眼鏡つけてねぇんだな。」
ん?優は何言ってるんだ?眼鏡ならここに…
司は自分の顔をペタペタと触ってみる。何回触ってみれど眼鏡のような物体は司の顔にはついていなかった。司の手に触れるのは自分の顔だけだ。
「うっわまじか、忘れちったよ…最悪だ…」
「そんなに落ち込むなって、お前別に目悪くないだろ?どうして伊達メガネなんか掛けてんだよ?」
「なんだよ、伊達メガネを掛けてて悪いか?」
「いいや別に?ただその方がかっこいいのにって思ってな。」
「別に俺はかっこよさなんて求めてない。」
「はいはいそーですか。」
「うぜぇ…、話めっちゃそれたけどこのクラスメイト達の騒ぎ具合はどうしたんだ?」
「え?司忘れたのか?今日テストだぞ?」
「え?まじ?」
「いや、うそ」
そう言って腹を抱えて大爆笑する優。殺すわ。ぜってーこいつ殺す。
そうしているうちにホームルームを知らせるチャイムが鳴った。
先程まで騒いでいたクラスメイト達が各々の席についていく。
「お前まじ覚えとけよ」
「はいはい。すぐになんでクラスメイト達が騒いでたかわかるから。」
「?」
教室のドアがガラリと開かれ、先生と一人の少女が入ってきた。
ん?あの女の子見たことあるような……気にしちゃダメな気がする。うん、そうしよう。
まるでその少女は小さな時にあった子に似ているような気がした。
だが気にしないと決めた司の意志は少女が放った次の言葉で音を立てて崩れ落ちていった。
「今日からこの2-A組に女の子がやってきた!自己紹介を頼む!」
「は、はい…私の名前は、
そう言ってクラスメイトの微笑みかける
もちろん俺も例外じゃなかったが、そんなことよりも気になることが一つだけあった。
「いま…ましろって言ったか…?」
「じゃあ西園寺さんは、う~ん…確か冬月お前、ロシア語話せたよな?」
ビクン!
リアルでそう肩を震わせてしまった。
「え、えっと先生…?どうして知ってるんですか?」
すると40代くらいの男前のイケオジの先生は豪快に笑いだす。
「お!やっぱりそうだったか!お前はなんかそんなことできそうな気がしてたんだよな!」
は、ハメられた!?この俺が!?
「そういうことで西園寺はあまり日本語が得意じゃないからなぜかロシア語が話せる冬月の隣の席にするからな。」
クラス中の視線が俺に集まってくるのが分かる…わかるぞその気持ち!俺だってなんで!?って思うもん。西園寺さん、めっちゃ可愛いもんな!しかもこんな陰キャ野郎は釣り合っていないよな!みんなからも何か言ってやってくれ!頼む!!
そんなことを思う司だが、当然そのようなことを言えるわけがなくクラス中の視線で押しつぶされながら「はい…」と弱弱しく呟くことしかできなかった。
そんな司の苦労を知る由もない抹白は司の隣の席に座る。
隣に座ってきた銀髪の美少女は俺にしか分からない
「Приятно познакомиться, Цукаса-кун!(よろしくね、司くん!)」
「Приятно познакомиться, Масиро-сан.(こちらこそよろしくね、抹白さん…)」
■
やっと学園での話を書けました笑
幼馴染は次話で出てくる予定です!
あと、普通のロシア語での会話文は【】←で表します。
面白かった!続きが気になる!はよ書け!ってコメントお待ちしております!
☆や♡、フォローなどをしてくれると泣いて喜びます!
それではまた次話で!
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