第6話 黒魔女さんは悪い子

橙に染まる空、その光が差し込む教室。

完全に閉じ込められた男女2人...


ガチャン


『え?』


真理恵はドアの方へ向かい、開けようとする。

開かない。


『え?どうして?』


ガチャガチャ...

開かない


『嘘...業務員さんに鍵閉められたの?』


『いや、そんなわけあるはずない。必ず一回は鍵を内側から閉めないと完全には戸締まりできないから』


『でも、この状況、どう説明したら、いいのよ?』


『...怪奇現象?』


彼女は悲鳴を上げ、体が崩れた。


『いやいや...そ、そそんなはずないよねね?』


彼女は怯える。白悠は背中合わせに座る。


『...大丈夫か?こうやって触れ合っとけば、安心するだろ?』


『うん...清光なら、よかったのに』


『ふふ、この時までそのこと言えるってことはもう安心したな?』


少し離れようとする。


『ダメ!...まだこのままでいて...』


ふと白悠は後ろを見ようとしたが、恥ずかしくて顔を背けられなかった。こんな赤くなった顔を。




大成功!


『やった!これが吊り橋効果ね。今は、まだまだだけど、いつかは...あとは、清光くんにも...私、これでいいのかしら?』


ミルは


そしたら、教室は魔法から解放され、ドアが開くようなった。ミルの魔法には、弱点がある。それは悩みの種。悩むことにより、魔法の力場が薄くなる寸法のようだ。


その結果、そこから出てきた男女に見つかる。


『ミルちゃん?』


『あ...』


ミルはこのあと、こっぴどく怒られるのであった。



一方...


真っ直ぐ帰っていった清光。彼はドキドキしていた。彼が乗る満員電車にて、たまたま瑠李ちゃんと背中合わせに立っていた。


(ちょ〜後ろに瑠李ちゃん、いるのに〜!!瑠李ちゃんの顔がわからないじゃないか〜!)


(あぁ〜後ろに清光くんが〜!!わたし、汗の匂いしないよね、よね?)


ミルの魔法無くとも、2人にとって幸せな時間が進んでいた。しかし、それも束の間。

終わりが訪れる。とある駅で一気に降りて行った。その間、約二駅(十分)である。


さらに、清光はそこ降りる。いや降りたくなかったけど!最寄駅なので、降りる。


その後の2人...

未だ幸せの名残を楽しむ。

清光は自転車に乗りながら。

瑠李は電車に乗りながら。


夕焼けが黒く染まる時にて...





➖➖➖黒魔女さんと部活➖➖➖

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