第4話 黒魔女さんは勉強が不得意①


次の日、学校がある。いきなりの授業である。正直めんどい。


いや勉強がめんどいんじゃなく、(まあ勉強もめんどいが)あの人間関係がさ。ちょっと気まずくないか?あの黒制服により好きな人をバラされた俺はどんな顔をして、瑠李ちゃんの横に座るのだ?


そんなことを考えている束の間、学校の目の前に着いてしまった。


『来てしまった...』


まるで魔王城へ来た勇者かのような出立ち。


そんなときにまたやってくる箒に乗った黒制服。俺なんてそう易々と同じ展開には・・・


ドテーッん!!



目覚めて、悪夢。あの保健室。


『やだ〜、また気を失っちゃったのよ。あなたも、大変ねー』


俺は、飛び上がりそそくさと保健室を出る。


『先生...ありがとうございました...!


律儀に感謝を早口で、逃げる。


さあ、教室の前。今回は幸運にも、すぐに目覚めたから、一限目前に着いた。ああ、できれば入りたくない。でも、俺は男だ。こんな試練、なんなく乗り越えてやる。


ガラガラッ


スーッ


ストンッ


静かに着席。あれ?思ってたんと違う。もっとなんか盛り上がる展開のはずなのに、周りの連中、俺を空気扱いにしてね!?



解説、彼はプライドを捨てた自己紹介や急に大声を出し、黒制服を連れて行ったことで、変なやつと思われていた。


『お前、マジで失敗だったよ...あれは』


そう言う親友。


『白悠、助けてくれよ〜』


我ながら、情けない声。


『ん〜、とりあえずあの黒魔女さんについて、何話してたか、聞こうか』


俺は白悠に昨日のことを洗いざらい教えた。


『あー、なるほど...ま、全部おまえのせいだな』


『そんな〜、せっかく入学式当日に伝えようと思ってたプランが台無しになった俺の気持ちが、お前にわかるか?!』


『うん、わからないね。』


『お前って、薄情者だな...』


『とりあえず、言えることは、清光の運が悪かったってことだな』


『神様...なんで、俺の恋を応援しないんだよ〜』


それを聞いて、やってきた黒制服。


『別に、いつ何時も告白しに行った方がいいよ。清光くん♪』


『お、お前!また、ぶつかってきたな!』


『え?今日?今日は箒、使ってないけどな〜』


『お前、ぜってぇ嘘だろ?』


『嘘じゃない!』



ヒートアップ。それを止めようとする白悠。


『まあまあ、ミルさん。清光、とりあえず落ち着こうや。』


『まあ、白悠が言うなら...って、そういやお前の名前なんだよ!』


『は?言ったじゃない!聞いてないの?』


『まったく、聞いてませ〜ん』


『ん、もう〜...愛峰ミルよ!覚えておきなさい!』


『はいはい〜』


白悠はあきらめた。


『...はあ、もうすぐ授業始まるから。さ、席に戻れよ。』


白悠とミルは自席へ戻る。ミルは怒りながら、白悠は呆れながら。


清光はふと思う。そういや、黒制服って、隣だと。はい、テンション爆下げです。何か弱みとか握れば、こいつが反抗できないのに...


授業のチャイムが鳴り響く。俺は、テンション下がってきたが、隣に座る天使により、テンションが戻る。


中学の頃から、好きな人。


彼女は何を思ってるだろう、と思いながら、当てられた。隣のやつが。


今、数学の授業。黒制服は先生の意図により、簡単な計算式を解くよう指示される。黒板の目の前。立ちすくむ黒制服。あの計算式は、かなりの基礎の基礎だぞ?それがわからないのか?

(清光も解らないはずなのにな〜)


案の定、答えが書けない。


俺はこれを使えると、思った。








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