第110話 相談

朝起きるとレイは昨晩仕込んだポーションの検品を始めた。その後トリスさんから話が合った。

「昨日セバス様に魔術師ギルドを作成する旨をお伝えしました。それで、本日の午後過ぎにお話に伺うとのことでした」

相変わらずセバス様の行動は早い。レイは了解し、朝食の席で元スラム組にそのことを伝えた。するとテレジアから。

「レイ様、午前中にお時間はございますか?セバス様と話す前にギルドの方針をあらかじめ決めておきたいのですがご相談に乗っていただけませんか?」


レイは特に午前中の予定を決めていなかったため、了承した。


早速、元スラム組のみんなと話を始める。まずはテレジアから。

「まずはギルドメンバーですが傭兵ギルドのように加入の意思があるものには受け入れようかと思っています。もちろん魔法が使えることが前提とはなりますが、魔力循環は誰にでも教えるようにしたいと思っています」


「うーん。僕の意見では反対だね。まずは自分達で面倒を見切れる範囲で加入を認めたほうがいいと思うよ。魔力循環もまずはギルドに加入する者に限定した方がいいね。そのうち詐欺を行うものが出ないとも限らない。その時にギルドにクレームが来ないよう対応しておくことは必要だと思うよ」


「わかりました。後でみんなと話し合ってみます。次にですが修行は魔石への魔力補充と南のスライムへの実際の魔法の行使を検討しています。これにより魔石の確保と使用の両立ができるかと思いますので」


「それには賛成かな。後は魔力を補充した魔石を売りに出してもいいと思うよ。できれば街の支援以外でも収入が欲しいからね。後で魔石毎の効果を教えるから何か商売の参考にするといいよ」


「わかりました。最後にギルドの義務の件ですが、初めはメンバーが集まるまで免除できないか相談するつもりです。流石に私たち9人では戦闘するには心元ありませんので」


「それにも賛成かな。あと可能であれば今作成している防壁に中から魔法を打てるように工夫してもらって外に出る機会を減らす方がいいと思うよ。どうしても魔術師は近接戦闘が苦手になるからね。あと防壁の内側にいても護衛を付けるのを忘れないようにね。身体強化魔法が使えるギルドのメンバーでもいいと思うよ」

「わかりました。でも、城壁の内部であっても護衛を付けるのはなぜでしょうか?」


「敵が外にいるだけだとは限らないからね。例えば空を飛べる魔物が襲ってきた場合城壁は役に立たないだろう」

それをきいてみんな納得した顔をしていた。


「相談に乗っていただきありがとうございます。もう一度みんなで話し合ってみます」


そういって元スラム組は午後までずっと話し合っていた。そして午後になるとセバス様がやってきた。

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