第107話 魔術師ギルド
レイは、仮眠を終えるとポーションの仕込みに入る。仕込みを終え昼食の準備を終えた頃にカルア達が帰ってきた。昼食を取った後にカルアの報告を聞くことになった。
「レイ様が眠った後、西の門から北に向かいオークと戦闘を行いました。戦闘の方法は傭兵の皆さんが弓矢でオークをおびき寄せ、待機していた私たち魔術師部隊が魔法を放ち頭を吹き飛ばしました。作戦は結果成功しましたがおびき寄せる際になにか手違いがあれば全滅する可能性があるのではと心配になりまして」
「確かに1,2体であれば対処は可能だけどそれ以上だと被害が出る可能性があるね。今できることはスタミナ回復ポーションを全員に持たせてオークを振り切って全員で離脱することくらいかな。斥候役をできる人がいるとそんな可能性も下がると思うけど」
「確かに離脱も視野に入れなければいけませんね。スタミナ回復ポーションは申し訳ないのですが準備をお願いできますか?」
「全員分は今日中には無理だから傭兵達の分だけ今日には準備しておくよ」
これで相談は一旦終わりカルア達は食休みを取った後また西の門へ向かっていった。ポーションの件と聞きに傭兵ギルドへ向かおうと思っていたがギルドマスターの訪問があった。
「邪魔するぞ。レイ。聞きたいことが二つほどあってきた。時間は大丈夫か?」
「問題ないですよ。要件をどうぞ」
レイは淡々と返す。
「最初にポーションの件だ。最近この街でのポーションの需要が高まっているため南の街への輜重部隊にポーションを持たせることができていない。それで余りがあればそちらにも回してほしいと思ってな」
「それは僕からは何とも言えません。現在作成したポーションはすべて治療院へ配送しています。ですので。その相談は治療院に行ってください」
「分かった。では二つ目だ。魔術師部隊。あれはいつ育成したんだ。まさかもうすでに活動できるまでになっているとは思わなかったぞ」
「カルアについては僕がホーンラビットをガンツさんのところに売り始めた頃から訓練していました。ほかは人員が足りないときに補充する形で育成しました。一番最近はスラムの子の件で傭兵ギルドを私用で利用したと怒られた時ですね」
「そんなに最近なのか。それで俺たち傭兵ギルドで魔術師の育成を進めることはできるか?」
「それは無理だと思います。まず僕たちの方法を試すのであれば魔力を扱える人間がどうしても必要になります。それに、訓練の効果を上げるために魔力回復ポーションというものを使っています。これが作成に時間がかかる上に現在少量しか作ることができません」
ギルドマスターはレイの話を聞き悩んだ末に話始めた。
「レイ。魔術師ギルドを作る気はないか?」
「僕に作る気があるかと言われるとありません。カルアに聞いてみてはいかがですか?彼女がその気があるのであれば僕は応援しますが」
「彼女はレイに心酔している。お前のもとを離れることはしないだろうさ。まあいい、一応それとなくギルドを作る手続きは進めておく。おそらく個人が持つことを許される戦力をレイは超えている。どうせならギルドを作ってしまった方が領主からの反感を受けないだろうからな。人選は任せるから他にギルドマスターを務めそうな人間がいたら説得しておいてくれ」
そのあとは少し話をしただけでギルドマスターは帰っていった。レイは長話をして少し疲れてしまったので仮眠をとることにした。
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