第46話 魔石2

レイとアンナが格闘している頃、ユリウス、ミラ、監視としてサイツァーさんは蒸留器の火の調子を確認していた。カルアはそんな様子を外から眺めながら魔法の特訓だ。


ユリウスとミラはこれが仕事でいいのかと思っていたが、ただ薪をくべ、減った水を補給するだけの作業に飽きが来ていた。2人とも遊びたい盛りの年齢なのだ。無理もない。そんな時にレイの声が聞こえてきた。


「こらっ。ナイン。ペッしなさい。ペッ」


そんな声にユリウス、ミラの2人はそわそわが止まらなくなる。そんな2人のところに訓練を終えたカルアから声がかかる。


「しばらく私が火の番をしているからレイ様に用事がないか聞いてきてちょうだい」


ミラは喜んでレイのところへ歩いていく。ユリウスはその場に残った。レイ達の中ではサイツァーさんを除きユリウスが年長者なのだ。その意地があったのだろう。


レイが魔力回復ポーションを飲んでいる時にミラが近づいてきた。


「何か用事はありませんか?」


レイはちょうどいいと思い、ミラにも魔石に魔力を込める作業をお願いした。なぜかミラは少ししょんぼりしていた。

_______________________

魔石(極小)

・状態:低

・火の魔力が少し込められた魔力の塊(1%)

_______________________

魔力回復ポーションを3回飲んでやっと1%である。ミラはお腹がタプタプのようで気持ち悪そうにしていた。流石に申し訳ないと思ったレイであった。


そうして夕方まで時間は過ぎていった。できた蒸留水はポーション瓶6本分内2本には魔石を2本にはホーンラビットの角、解毒草と魔石、解毒草とホーンラビットの角の組み合わせを1本ずつ作成した。


次の日の朝、昨日作ったポーションの確認である。

まずは魔石を加えたもの

_______________________

魔力水

・低品質の何にも染められていない魔力が溶け出している

_______________________

無事、『状態:異物混入』が消えていた。次はホーンラビットの角を加えたもの

_______________________

魔力水

・状態  :異物混入 

・低品質の何にも染められていない魔力が溶け出している

_______________________

こちらは『状態:異物混入』が残ってしまった。どうやらホーンラビットの角は純粋に魔力だけでは作られていないらしい。

次は、解毒草と魔石を加えたもの。

_______________________

解毒ポーション(E)

・弱い毒を治療する

_______________________

無事、解毒ポーションが完成した。これで魔蛇の治療が実際にできれば安心である。ちなみに解毒草とホーンラビットの角を加えたものには『状態:異物混入』の文字があった。

______________________________________

残金:大銅貨46枚 銅貨123

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る