第44話 引っ越し
傭兵ギルドでの話し合いを終えた後、レイ達とセバス様は街を歩いていた。借家を見に行くためだ。借家に着くと、サイツァーさんの姿があった。
「こんにちは。サイツァーさん。近頃よく会いますね」
「こんにちは。レイ様。これからは毎日会うことになりますよ」
レイが首をかしげていると、セバス様より説明が入る。
「先ほどの護衛が1名着くという条件の護衛が彼なんですよ」
「なるほど、なら毎日顔を会わせることになりますね。ところでホーンラビットの研究区画は大丈夫なんですか?」
「その件は他の担当に引き継ぎました。その件なのですが、またゴブリンがやってきたので討伐しました。これはそのゴブリンの魔石です」
レイはサイツァーさんより魔石を受け取る。そして、傭兵ギルドでホーンラビットの角とゴブリンの魔石の買い取りを依頼することを忘れていたことに気づく。まあ後でいいかと思っているとセバス様より質問が来る。
「ゴブリンの魔石ですか?これはどのように活用されるのですか?」
レイは、ゴブリンの魔石が魔力でできていること。それはホーンラビットの角も同じであること。そして、それらが薬の原材料として使用できそうなことを説明する。するとセバス様の表情が変わり質問が来る。
「このことを傭兵ギルドには説明しましたか?」
「いいえ。忘れていました」
「この件については私にお任せいただけませんか?。もちろん買い取った物はレイ様へ提供させていただきます」
レイはただ頷いた。それは納得したからではなく、セバス様に物言わせぬ圧力があったためだ。その後、セバスの表情は笑顔に変わりこう言う。
「さあ、家の内検を済ませてしまいましょう」
家はガンツ家の2倍ほどの面積があり、ナインが走り回れるほどの庭もあった。家の中には炊事場もありここであれば蒸留器を設置してもとりあえずは大丈夫そうだ。
「当面ここであれば調薬ができそうです」
レイはセバスにそう言った。セバスは嬉しそうにだが少し心配そうに返す。
「それはようございました。ですが治療に関しては必ず傭兵ギルドで行うようにしてください。薬の在庫ができるようであれば明日こちらへ伺う予定の薬師見習いのジェシーに預けてください。決してこの家で治療を行わないようにしてください」
と念を押された。レイは黙って頷いた。
そのあとは、鍛冶屋に蒸留器を取りに行ったり孤児院に3人を迎えに行ったりしてその日を過ごした。そして夜、ガンツさん一家を家へと招きお食事会をするのであった。
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残金:大銅貨47枚 銅貨123
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