第43話 借家
鍛冶屋を後にしたレイ達は、そのまま傭兵ギルドに向かうことにした。ちなみに蒸留器は鍛冶屋に預けたままだ。まだ設置する場所がないことを説明すると「仕方がねぇ」と言って預かってくれた。
傭兵ギルドに到着すると、まずギルドマスターへのアポイントメントを取る。そして受付嬢からホーンラビットの肉の状況について話を聞く。どうやら西の石切場へ向かっていた傭兵がホーンラビットの狩りへ依頼を切り替えたらしく以前よりも肉が多く供給されているようだ。
次に南側に出現する魔物について話を聞こうと思った時にギルドマスターが現れた。
「俺へのアポイントメントを取ったらしいな。今時間があるから来い。後セバス様もいる」
最後の一言でなんだか帰りたくなったレイだが、ギルドマスターに有無も言わさず連行された。
「で俺への話はなんだ。また厄介事じゃないだろうな?」
どうやらギルドマスターはご機嫌斜めらしい。
レイは鍛冶屋での出来事を話、なぜ前線の素材が流れてこないかを聞いてみた。すると返事はすぐに帰ってきた。
「傭兵ってのは戦うのが仕事だ。本来魔物や植物等の採取は行っていない。だからそれらを持ち帰ってくるのは傭兵本人の気まぐれなんだよ。本来倒した魔物はそのまま放置だ。荷物が増えると後ろから襲われる可能性が増えるからな」
そこでレイは輜重の話をする。すると以外にも返事はすぐに帰ってきた。
「確かにそれであれば魔物の死体なども回収できるかもな。だがその運ぶ物資はどこからでてくるんだ。傭兵の賃金では賄いきれないぞ」
「そこは、現在販売している干し肉などを傭兵ギルドで買い上げてもらって、傭兵へ支給する。そのかわりに傭兵の賃金を差し引けばいいのでは?」
「確かにな。しかし、傭兵部隊の賃金は領主様から出されている。そこは各地の領主様と相談しないといけない」
そこで話は途切れた。後はギルドマスターに任せるとしよう。話が終わるとセバス様から話が出る。
「お話が終わったようなのでこちらの要件に移らせてもらいます。レイ様が昨日依頼された建物の話ですが、すでに準備が終わっております。場所はガンツ家と孤児院の間あたりで立地的にもよいかと。庭もございますのでナイン様ものびのびと暮らせるかと。家賃は月に大銅貨2枚。提供の条件といたしましては1.護衛を領主館より1名の派遣を受け入れること。2.こちらも領主館より薬師見習いを1名受け入れること。以上でございます」
レイは条件に合意し、家を借り受けることとなった。
______________________________________
残金:大銅貨47枚 銅貨123
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます