第41話 ゴブリン
孤児院の用事を終え、レイ達は狩りへ向かう。場所は研究区画の周りだ。最近はこの場所で狩りを行っていたが今日は別の用事がある。だが様子がおかしい。いつもは1人しかいない武官の人が今日は6人いた。その中の1人サイツァーさんに声をかける。
「こんにちは。サイツァーさん。今日はやけに人が多いですけど何かあったんですか?」
「こんにちは。レイ君。実は昨夜からこのあたりにゴブリンが出没しているらしくてね。今は警戒している最中なんだ。どうやら、飼育しているホーンラビットを嗅ぎつけたようで何匹か確認されているよ」
と言いゴブリンの死体を見せてもらった。
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ゴブリン
・状態:死亡
・サルの魔物。道具を扱う知能がある。
仲間意識、繁殖力が強く、群れを作る。
・食用:不可
・素材:魔石(心臓)
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「このゴブリン解体してみていいですか?」
「構わないがゴブリンからとれる素材はないぞ。肉も食えたもんじゃない」
どうやら魔石のことは一般には知られていないらしい。レイはカルアに焚火の準備をお願いしゴブリンの胸を切り裂き魔石を取り出す。
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魔石(極小)
・状態:低
・何にも染められていない魔力の塊
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サイツァーさんは覗き込み「それはなんだ?」と声をかける。
「これは魔石と言って魔力の塊です。今研究中なのですが薬の原料にもなりそうです」
「集めるか?」
「お願いします」
この短いやり取りの後、サイツァーさんは仲間に声をかけゴブリンの魔石を6個回収してレイに渡してくれた。
そこでカルアの焚火の準備が完了したようでレイ達はゴブリンを焼却する。これを見てサイツァーさんから質問がとぶ。
「これは何をしているんだ?」
「ゴブリンを焼いているんです。そのままにしておくと腐敗して流行病などの原因になりますから」
「魔物を焼却することはセバス様に報告しておく。情報提供感謝する」
この世界では、狩った魔物はそのまま放置されていた。それで問題が起きなかったのはそれらを食べる肉食の魔物がいたからである。だがこの周辺にはゴブリンを食べる肉食の魔物はいない。このレイの行動で街が滅びる可能性の1つが解決されたのである。
レイはセバス様という単語を聞いて本来の目的を思い出した。
「ついでにセバス様にレイが住居の賃貸を求めていることを伝えてもらえますか。理由は工房の従業員と僕たち合計5名と1匹が住むためです」
「確かに承った。さあ今はゴブリン騒ぎで狩りどころじゃない。街まで送るから帰ろうか」
サイツァーさんはそう言い、レイ達とともに街へと帰るのであった。
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残金:大銅貨47枚 銅貨127
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