第39話 薬屋2

セバス様より爆弾発言された後、話し合いは続く。


「これ、僕が断ったらどうなりますか?」


「次の薬屋の店長が決まるまで薬屋は閉店となります。薬師は領主許可が必要なため薬学を持った人しかなれません。レイ様は解毒薬を作れるとのことでしたので、その資格があると私が判断いたしました。まあ薬の効能が認められることは数年に1度程度のため、数年間は街に薬屋がない状態となるでしょう」


なんだか、断れないように誘導された気になるレイであったがまあ、なるようになるかということで提案してみた。


「薬屋と調合する人を別にするのはどうですか?しばらくの間は僕が調合しますし、その調合を他の方に伝授もします。ですがその人に店を任せるのではなく調合に専念してもらい、販売は他の人に任せてしまいたいのですが?。あと受け入れていただけるのであれば調合専用の工房が欲しいんですけど」


それに対する回答はずいぶんとあっさりしたものであった。

「それで構いませんよ。販売員はこちらで確保します。何か特別なスキル等がある場合には別途報告してください。あと調合を伝授する方はレイ様にお任せします。こちらに適任がいる場合にはレイ様に報告し、可能であればその方への伝授をお願いします。工房については現在適した部屋が空いていないため新築となります。詳細については以後お知らせします」


なんだかセバス様の手のひらの上で踊られた気分になるレイであったがそれで了承した。

これで今日の会議は本当に終わり、解散となった。


会議を終えたレイは、前回同様カルアを迎えに行き狩りへ向かう。城門を出ようとしたとき、いつもより城門から街に入る人が多いことに気づき門兵に話を聞く。


「あれは孤児だよ。傭兵の親が亡くなると孤児が生まれこの街に集められるんだ。月に1度に移動するからちょっとした大所帯になるんだよ」


それを聞いてカルアが少し悲しそうな顔をしていた。レイはナインに指示を出し、カルアに飛び掛からせた。そしてナインはカルアの頬をなめる。カルアは笑顔になった。


薬師工房を作るにも人手が必要だ。今度孤児院に顔を見せに行くことを決め、今日は狩りへ向かった。


狩りの成果はいつも通りホーンラビット5匹分の肉塊だった。

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残金:大銅貨48枚 銅貨60

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