第38話 薬屋1
次の日の朝、傭兵ギルドに行く前に解毒ポーションの確認だ。
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解毒ポーション(E)
・状態 :異物混入
・弱い毒を治療する
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結果は予想通りだ。あとは水を蒸留水に変えることで『状態:異物混入』を消すことができればはれて完成となる。それまでは人に使うのは状態異常回復ポーションの方がいいだろう。
前回セバスさんと会った時と同様にナインと一緒に傭兵ギルドへ向かう。念のためカルアはお留守番だ。傭兵ギルドに着くとすぐにギルドマスターの部屋へと案内された。部屋にはすでにセバスさんがいた。
「レイ様、おはようございます。急に呼び出してしまい申し訳ございません」
「おはようございます。セバス様。呼び出されるのは構いませんが要件は何でしょう?」
話に疲れ切った顔をしたギルドマスターが割り込んでくる。
「要件については俺から話す。魔蛇の毒を治療した薬についてだ。あれを傭兵ギルドに販売してほしい」
「今は在庫がないため販売は無理です。それに販売するなら薬屋にではないのですか?」
「在庫がないと言って患者を治療したことは受付から報告を受けている。本当に在庫はないのか?」
ギルドマスターは少し興奮しているようだ。次は、セバス様が話を始める。
「現在、街の拡張、牧場の作成に多くの石材を必要としています。そこで石切場には多くの傭兵を派遣してもらっているのですが魔蛇の被害が増えてきています。薬屋にも治療薬を相談しましたが出てくるのはレイ様から忠告のあった毒けし草のみだったのです。そのため、現在この街で魔蛇の患者を治療できるのはレイ様の持つ治療薬のみのためそれを提供してほしいのです」
「理由は分かりました。現在用意できる治療薬は5人分です。効果は下がりますが魔蛇に対する治療薬の製造方法も判明しています。しかし、機材が足りません。現在鍛冶屋にその機材の作成を依頼していますので完了すれば治療薬の販売をお約束します。あと現在治療待ちの人は何名いるのでしょうか?」
話を聞いていて落ち着いたギルドマスターが答える。
「治療待ちの人数は3名だ。残り2名分の治療薬も提供してほしい。代金は言い値で払う」
「3名分の治療薬は提供します。代金は大銅貨1名でお願いします。あと2名分の治療薬の提供はお断りします。自分たちのために予備が欲しいので」
この条件でギルドマスターはおれてくれた。依頼を出す際に無料で治療した人の分を含めて大銅貨4枚を支払ってくれた。レイの治療薬ができるまで、石切の依頼は取り下げるようだ。そこで話は終わり帰ろうかと思ったその時
「今回の件で薬屋にはその資格がないことが判明しましたので、廃業させることとなりました。そこでレイ様薬屋を始める気はございませんか?」
とセバス様より爆弾が投下された。話し合いはまだ終わりそうにない。
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残金:大銅貨44枚 銅貨283
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