第3話 森の探索1

能力の検証を多少終えたレイは改めて周りを見渡してみた。

立っている場所は半径5mほど木も立っていない平地となっているがその外は獣道や薮のままとなっている場所ばかりである。


レイは直径30cm程の結界を出し、獣道を避けながら西の方角へ進むことにした。

獣道を避けた理由はまだレイには戦う術がないからだ。身体は5歳時の上に使用できるスキルも結界魔法のみとあっては会敵した場合には逃げることしかできない。

西の方角を選んだ理由は神様が街から3時間程東に転生させるという言葉を信じたからだ。

他に情報もないため西へ進むことにした。しかし、街にはまだ入らないつもりだ。


なぜなら、このポーションのない世界でレイのポーション作成というスキルがばれた場合、一生飼い殺しにされることは目に見えているからだ。

なので、まずは街の近くの水場を探し結界魔法の向上に努めようと思うのだ。


そうした理由で、西へ20分ほど進んだところで小さな洞穴を見つけた。

5歳児のレイにはちょうどいい大きさの洞穴だが何がいるかわからない。レイはいつでも結界魔法を展開できるようにして洞穴に近づいた。


すると、中の赤い2つの目と目が合った。

「鑑定!」

_____________

ホーンラビット

・額に角の生えた兎の魔物

 食肉:可

_____________


するとホーンラビットはこちらをめがけて飛び込んできた。

レイはとっさに結界を展開するとホーンラビットの首のあたりで結界が展開された。

しかし、ホーンラビットの首はつながっていた。


「結界を発動する範囲に何か入ると切断されるっていう都合のいいわけにはいかないのか」

とレイはぼやいたがホーンラビットは胴体と角がつっかかり前にも後ろにも動けない。


レイは周りを見渡し、少し大きめの石を見つけると拾いホーンラビットの頭を殴りつけた。


「キュ~~ン」

とホーンラビットは鳴き声を上げた後、びくびくと震え頭から血を流している。

そのうちにナイフ程の結界を展開し首を切りつけた。血抜きをするためである。

そして臭いでほかの魔物を寄せ付けるのを防ぐために地面に穴を掘る。血液を埋めるためである。


だがレイの身体は5歳児。いくら兎といえどもその血を埋めるだけの体力があるわけもなく、体にムチ打ちスタミナポーションを3本使うのであった。

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