その少女が流れ星に叶えてほしい事

仲仁へび(旧:離久)

第1話



 流れ星に願い事を言うと、願いが叶う。

 そう言われた事があるから。

 夜になったら、私は何度も何度も星に願った。


 叶えてください。

 叶えてほしい。


 でも、願い事は三回言わなくちゃいけないみたい。

 流れ星が落ちるまでに。


 けれどそんなのなんて一瞬だから、実際は無理だよね。


 どんなに早口で言っても。無理だよね。


 だから諦めかけていた。


 でも、夢に神様がでてきて。時を止める魔法をくれるって言ったんだ。


 そしたら、本当に時が止まった。


 私は流れ星が見えた、と思った瞬間に時をとめて、願い事を三回唱えた。


 これで、きっと、私の願いは叶うよね。


 他の子供達より、うんとはやく死んじゃう事もないよね。


 同じ時間を共有できなくてもいいの。

 一緒に遊べなくても。

 ただ、生きていたい。


「誰よりも長い時間、生きられますように」


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

その少女が流れ星に叶えてほしい事 仲仁へび(旧:離久) @howaito3032

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ