『おーぐ、ほしい』 8
すると、建物の中から、白衣の人物が現れました。
人物が、と、いいますより、うしさん、と言えば、より確からしい感じですが、しかし、二足歩行のうしさんです。
たいへん、体つきは、大きいのですが、なんとも、気品があります。
あららあ。
と、思ったやましんが、ふっと振り返ると、人力車を引いていた方が、人力車に寄りかかりながら、帽子と上着を脱いで、タバコをふかしています。
いやあ、こちらも、うしさんです。
なんとも、粋で格好いい。
『ほほほ。格好いいでしょう。記念撮影しますか?』
『え、良いですか?』
『もちろん。あたくしが、撮りましょう。さ、並んでください。』
人力車の引き手のうしさんは、あわてて、はんてんを着直して、ちょっと、かっこつけました。
それで、やましんは、うしさんの車夫さんと並んで、記念撮影をいたしました。
不思議な彼女は、5こま、撮ってくれましたが、なかの一枚では、しっかり、車夫さんはピースしていたりしました。
『はい。たいへん、結構です。で、こちら、工場長さんです。工場の中は、工場長さんの采配が全てですから、工場長さんに案内してもらいましょう。済んだら、事務所で、あたくしがご説明いたします。お楽しみの、冷えたおーぐも、ございますよ。』
不思議な彼女が、そのように解説してくれました。
◇◇◇◇◇◇◇◇
つづく🐮
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