『おーぐ、ほしい』 6


 『『未確認走行物体』は、南に向かって移動。道路を外れ、現在、探索範囲外。』


 『くそ。まだ、システムが整ってない場所を狙ってるなあ。』


 『未確認走行物体研究所』は、一応は、民間の団体ですが、国の『保安隊』が資金を出しています。


 保安隊は、国内に、いくつかの、正体不明な『隠れ里』があることを、掴んでおりました。


 それは、古くから、各地に伝承されていて、大概は、幻か、見間違いか、勘違いか、というところなのですが、中には『京丸』のように、かつて実在した隠れ里があったことも、事実なのです。ただし、京丸は、異次元世界ではなく、実在の、実態がある、人の暮らす場所でしたが。


 研究所の、乱暴主任は、以前は天文台に勤めていましたが、なにかと、上司とトラブルを起こすので、こちらの、怪しい組織にスカウトされました。


 山じゅうを、イクラで埋め尽くした事件は、有名でしたが、一般には公表されていません。


 しかし、本人は、結構、楽しんでいたのです。


 それが、実際に、かなり不可思議な、『未確認走行物体』を発見していまい、研究所は、緊張感に包まれておりましたのです。


 そいつは、なぜだか、人間の視野には、なかなか、入らないのです。


 『また、『探索範囲』に入ります。』


 係員さんが叫びました。


 『よしよし。そのまま、行けよなあ。外れるなあ。』


 乱暴主任は、いよいよ、本気になっておりました。


    

     ・・・・・・●●●・・

 

 

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