第25話 結ばれない心②

「しかも、妊娠してるって。結婚前から付き合ってて、東京から来てるんだって。ダンナさんはその人に店までもたせてるみたい。子供の認知と養育費、店の売上の補填まで要求してきてました。それでダンナさんとリカコさんの両方の親にまで会いに行ったんだって。」

もと子の話にリュウは目を丸くした。

「思いっきり泥沼やん!」

「ダンナさん、あんまり家に帰ってこないらしくて、リカコさんにはダンナさんの子供はできないって不倫相手がリカコさんをバカにして笑ってました。」


リュウは口に運ぼうとしていたおかずを茶碗に戻した。

「なんやそれ?リカコさんをバカにするなんて許せん奴やな。」

「でしょ!だから私、出ていけ!って怒鳴って警察に電話しようとしたんです。」

「おお!さすが俺のもとちゃん!で、警察に追い返してもらったんか?」

「私のスマホを不倫相手が取りに来たんです。それでリカコさんが警察に電話しようとしたら、また来るって言って帰りました。」


「ようやったな、もとちゃん。」

リュウはもと子の頭をヨシヨシと撫でたがもと子は浮かない顔。

「でもそれだけじゃないんです。リカコさん、体に大きなアザが出来てて、転んだせいだって言ってたけどホントかなあ?」

「それってDV?」

「そんな気がします。リカコさん、大丈夫かなあ。」

リュウは近いうちにリカコに会ったほうがいいと思った。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る