妻の彼氏？

　帰宅したリュウはもと子が夜勤で居ないため、夕食を簡単に済ませるとテーブルにカタログを並べた。そして予算に合うリングのページをながめる。

どれもええ感じや。

どれももとちゃんに似合いそうや。

でも、うう、決められへん。

リュウはテーブルに突っ伏した。これはリカコに相談するしかない。リュウはリカコにラインした。

「リカコさん、どれがいいんか全然わからん。助けて!」

リカコは夕食の後片付けをしていた。すると久しぶりに夫の和也が帰って来てビックリ。キッチンからリビングへ声をかけた。

「今夜はどうしたん？一緒に泊まってくれる女の子見つからなかったん？」

和也は結婚前から女遊びに忙しくなかなか帰ってこない。

「ふん、ここは一応俺の家でもあるからな。お前にそんなことを言われる筋合いはない。」

和也はサッサと着替え、ソファにドッカと座った。そこにリカコのスマホの着信音が鳴った。リカコは自分のスマホを見るなり、頬を緩めた。

「もしもし、リュウ？…」

どこかに電話をかけながらリカコはキッチンを出ていった。

「…リュウ？男か？」

和也はつぶやいた。

あの男っ気のないリカコに？

俺のいない間に？

いやいや、仕事だろう。

和也はいつもは全然気にしないリカコの気配に耳をそばだてた。

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