第5話 夫のかくしごと⑤
仕事部屋から戻ったリュウはもと子がほとんど食べていないことにようやく気がついた。
「あれ?もとちゃん、全然食べてないやん。体調悪いんか?大丈夫か?」
リュウはもと子の隣にやって来て、もと子の額に手を当てた。
「熱はないみたいやな。お腹痛いんか?」
リュウが言い終わるやいなや、もと子はリュウにしがみついた。驚くリュウをもと子は目に涙をためて見上げた。
「す、好きな人が出来たんですか?もう私のこと嫌いになったんですか?」
そこまで言うと大粒の涙をこぼした。
「え?え?何のこと?」
「今日、先輩が教えてくれました。リュウさんがきれいな女の人と腕組んでデパートでリングを見てたって。だから最近、すぐ部屋にこもってしまうんですか?」
ああ、それか!
一言漏らすとリュウは頭を抱えた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます