君が笑顔で


ゆっくりと揺蕩って生きてきた

空に夢や愛を描いては二人で笑い合ったね

悲しいときは声をあげて泣いた

ちり紙がべしょべしょになるくらい壮大にね


生まれてきたとき一人ぼっちで産声をあげた

ないていて

抱き上げられて

この身が永い眠りに就くときには一人ぼっちで


君が手を繋ごうと言ったから

僕は恥ずかしがって首を横に振ったんだ

君がキスをしたいと言ったから

僕は照れくさくなって頬に唇を寄せたんだ


生まれてきたとき一人ぼっちで世界を知って

月日を重ねるごとに誰かと寄り添うことを知った

ないていても

君がそこにいてくれたから

僕はずっと大丈夫の魔法にかかってこれたんだ


ゆっくりとまじないの言葉を紡いで

僕はべしょべしょに泣きながら

やっぱり君の頬に口づけをした


揺蕩って泣いてそうして生まれて眠る


君とあの空を見上げて笑う日々が

ゆっくりと陽炎のように消えていく


僕は涙のままに魔法をかける

君に


またね


もう一度いつの日か

今度は手を繋ごうか

今度は唇にキスをしようか

魔法が解けたとき君は

また泣くんだ


僕も肌を濡らして泣くよ



巡り合うための

はじまりを目指して

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