劣等感
わたしが好きなものはずっと変わらない
それでもわたしの好きなものをもっと前から好きな人がいて
評価されて
認められていて
賞賛されて
褒めちぎられて
わたしには持っていないものをひたすらに持っている
それは星の数であったり
ハートであったり
誰かにグッドラックと幸運を祈られたり
もっと求められたり
欲しがられたりする
加えてわたしは
なんにもない
そんな気になる
少なくて
なにもない
なんにもない
誰からも褒められない
認めてはもらえない
力不足だからだろうか
手段を間違えているからなんだろうか
あの子は幸せそうに笑ってる
わたしは指を咥えて羨んでる
いつしかそれは羨ましいから恨めしくなり
憧憬から妬みになり
僻んで
嫉みを抱いて
勝手に比較して
膝を抱えて
自分を悲劇の中心人物みたいに置き換える
わたしは劣等感のプールの中で
ひたすら誰かの救いを待ち望んで
誰かに認めてもらえる日を夢見てる
わたしは劣等感のベッドの中で
ひたすら誰かから脚光を浴びる日を
一人でじっと身体を丸めて耐久レース
比較したって
意味なんかないのに
あなたはわたしではないのに
わたしはあなたにはなれないのに
あなたはあなたを
わたしはわたしを
劣等感という不毛な畑を耕すことなく
潰して作り替えて水を引いて
豊かな稲穂を実らせる
そんな黄金の景色を作りたい
そうなるために
憂鬱と嫉みと
要らないものは全て捨ててしまおう
鼓動を愛でて
今日を明日に繋げよう
そうしたら一歩
前に向かって
そうできたら今度
顔を上げて
わたしはわたしを
一生懸命に
生き耐える
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