16 グヘヘ、美少女ゲットだぜ!
ハルはしばらくぼんやりしていた。
「逃げなきゃ!」
ハルは自分の心の
少し前のこと。レイのコンテナから連れ出されてからのことである。
「助けて」
という声は、ガシャガシャと
(どこまで行くんだろう…)
不安。このロボットが向かう先もそうであるが、その先に何がるのか?
「私、やばいかも…」
誰に聞かせるわけでもない、言葉をつぶやくハル。それでも、ロボットは
「んん?」
そんな、けたたましい足音が消えた。ハルはここで降ろされ、蜘蛛の糸を除去する液体を全身にかけられる。恐ろしいことに、この液体。レイにもらったシャツも
「そのままシャワーを浴びてください」
べたべたになった体をシャワーで洗浄され。シャワーを出ると
「服を着てください」
一見すると服なのかどうかも怪しいそれ。四角く細長い布といくつかの
「そのまま奥へ進んでください」
このディストピランドに
シジノードの邸宅はディストピランドの外壁にとって付けたような
昇降機はハルをゆっくり雲のその先の
そして、たどり着いた先にいたのは…。シジノードと名乗る男の人だった。
「おっほう! 本当に美少女だぁ」
レイと同じく
そして、しまいには体を触り始める。恐怖からなのか、ハルは一歩も動ける気がしなかった。
「あれ、男の子と別れされられてもう絶望しちゃった?」
そうして、他人の不幸を楽しんでいるような表情を浮かべる、小太りの男。
「じゃぁ、もっと絶望を味わうプレイにしようか」
ハルの長い髪を
「痛い!」
ハルはようやく自分の状況が絶望的な「何か」であると分かってきたのである。しかし、気づいた時にはもう遅かった。
「やめて!」
髪を強引に引っ張られ、せっかく解放されたのにまた手足に
「うぅ…」
「ははは、抵抗しても無駄さ」
そう言って男は、ハルの服の紐をひとつずつ解き始める。
「あれ、固結びしてある」
正直、引きちぎれそうなほど細い紐であるが、男は
「紐をねじって、押し込むとどんな固結びも解けるんだよね~」
胸の横の紐が一つ外れ、右の乳がはみ出そうになる。それに対してうまく体をくねらせて抵抗する。腰の紐が外され、男はもったいぶりながらめくろうとする。だから足を必死で閉じて隠そうと頑張った。そうして、ハルの体を包む服は一枚の布に戻っていく。
「さて、あとは肩のところ!」
肩口でだけつながっているこの布。しかし、それは頼りない二本の糸によって繋ぎ止められているにすぎず、そんな頼りない糸を男は引き抜いてしまう。
「ううぅ…」
そんな布を
「あ、頑張るね」
しかし、背中を守るものは何もなく。鼻息荒い男はそのままハルに抱き着き、何も
(助けて…レイ!)
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