06 欲しがってるハルちゃん
「ハルちゃんの体を調べてもいい?」
「うん、いいよ! 完璧に近づけるなら!」
まずは彼女の
このぺらぺらした
しかし…。バシッ! 僕の頭に走る
(殴られた気がするけど気のせいだよね?)
しかし、僕はこれくらいの衝撃ではびくともしない。目の前の
しかし…。バシーンッ! 今度はこのコンテナを
「痛い! えっ?」
「なんか、レイの息がっくすぐったい…」
ハルちゃんは
バシーン! そんな僕はもう
「いや! なんか、気持ち悪い!」
「え、えぇ…」
殴られたから?
「ねぇ、ハルちゃん?」
それ以降、そっぽ向いて返事がない。それからしばらく、お互いが部屋の
「ハルちゃん?」
長い長い時間。僕には
(そもそも、ハルちゃんはいいって言ったじゃないか!)
今度は僕が調べる番なのに。どうして途中まではいいって言ってたのに、急に嫌だって言いだすのか? それに、あともう少しだったのにどうしてそんなタイミングで言い出すのか?
僕の
「ピンポーン。お昼ご飯の時間です!」
「ぐぅ~」とハルちゃんのお腹が鳴った。
「ハルちゃん、ごはん食べる?」
ハルちゃんはまだ怒っているようだった。僕も気まぐれなハルちゃんに対して少し
「うん」
と、返事をくれた。
(あれ? これはチャンスでは?)
ディストピランドの名物。
「アイスキャンディーがある」
このディストピランドにおいて非常に
そして、困ったことにこのアイスキャンディーは1本しか入っていなかった。更に悪いことが
「じゅるり…」
さっきまでむすっとしていたハルちゃんの表情が、今までにないくらいに明るくなっていた。目を丸くしてアイスキャンディーを欲しがるハルちゃんを見ていると、今までの
「好きなの?」
「うん!」
やっぱりそうであった。ハルちゃんもアイスキャンディーが大好物なのだ。
「これ、僕も大好きなんだ…」
ハルちゃんの
「くれないの?」
欲しがってるハルちゃんの瞳。そんな顔されたら僕は
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