02 裸の少年少女
今日も幸せの
シジディアによれば
ちなみに、ボタンを押さずに放置すると、
そのあとすぐにミッションの
シジディアによれば自由主義社会の市民は一日で最大24時間労働をする。色で言えば「
僕らのミッションは毎日だいたい同じ。仕事は部屋に設置された端末を経由して行われる。ディストピランドは全人類が夢見る完全テレワーク社会。かつて、外の世界はとっても怖いからすべての労働者がテレワークを望んでいた。それを完全に外出禁止にできるレベルで達成したのがディストピランドだと言う。人々の望みを実現するシジディアはやっぱりすごい存在なのだ!
と言ってコンテナでやることはシジディアから与えられる仕事だけである。仕事は簡単なものが多い。ロボットを操作して
えっ? なんで
僕たちの人生の目標。生きる意味はシジディアのような完全な人工知能になること。こんな単純なことから完璧にできるようにならなければならないからである。
そして、仕事が終わるころ。また、新たな通知がやって来る。また仕事なのかとつらい気持ちになるけれど。なんと、シャワーボックスがやってくる知らせだった。ディストピランドのシャワーは予約制。3日くらい前に予約するとクレーンに
サービスの
グオーン…、ガチャン。
鉄の
僕たちは弱いから鋼鉄のコンテナに守ってもらっている。他人、社会、世界。それらはトラブルの
これがこの世界の
僕は生まれてからずっとこの生活であり、今まで
…、僕はシャワーに
そして、降りてきたシャワーボックスの
「え?」
そして、二人は
シジディアは人を
でも、僕はその子の目を見てとっても
しばらく二人で見つめ合ったと思う。美しい女の子を僕の腕で抱きとめている。僕にとって、この時間は人生で初めて感じた本物の幸せだった。心臓がどきどきとして、胸が苦しく感じるのに、それでも頭の中はうれしさをたくさん感じる。この
それと同時に僕はあることに
僕の
そして、僕の
グオーン…、ガチャン。
「あっ」
僕とこの子を残してシャワーボックスが行ってしまった。
シャワーを浴びてまだ湯気の残る火照った体に、
この子を寝かせる。スヤスヤと静かな
シャワーはもう行ってしまったので、僕も服を着直す。そして、夜のディストピランドは寒い。叩けばベコベコと音のする鋼鉄のコンテナ。
(布団に入りたい…)
そうしてベッドの方を見る。彼女の
(やっぱり入ってみるか…)
なんとなく、この子の近くに居たいと思った。でも、ベッドの幅は50センチしかない。強引に布団に入ると
この子を大事にしないといけない。僕は本能で
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