春の憂い
時任 花歩
春の憂い
春は新しい環境で生きなければならない。それがどれほど私にとって辛いことか。優雅に咲く桜も、私のように憂いを抱えているのだろうか。
新しい場所の不気味な雰囲気、想像よりも汚い施設。刺激と不安で、私の心は萎んでしまった。色々な事を想像した。きらきらと輝く新生活、友人との良好な関係の構築、部活で汗を流す自分。
どれもこれも上手くいかない。何もかも思っていたよりずっと酷い。
それでもここで踏ん張らなければ、私は大きな川に流されてしまう。そんな気がする。
春を憂えている。
春が来る度に苦しむ。色とりどりの花や暖かな風があれど、春は残酷だ。私を取り巻く風は冷たく、色もない。
春が来た事を憂う。
それでもここに根を下ろして。
春の憂い 時任 花歩 @mayonaka0230
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